JP4210967B2 - 車両の後部車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の後部車体構造に係り、特に乗員室と後部荷室との間をトレー部材であるパッケージトレイを用いて仕切るようにした車両の後部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ワゴンタイプの車両に代表されるように、後部座席に連通した車後部荷室と、車両後方の車両開口部を開状態と閉状態とにする後方ドアを設けた車両において、少なくとも後部座席を車両前方側に向けて可倒式とすることで、後部座席の背もたれを後部荷室に連続する荷物積載面として利用可能にするものが実用化されている。このような車両では、後部荷室の上方にパッケージトレイと呼ばれるトレー部材が着脱可能に設けられる場合があり、大型荷物を搭載しないときにはトレー部材により乗員室と後部荷室を仕切ることで乗員室の空調性能や居住性の向上を図るようにしている。
【0003】
一方、例えば特開平06−70745号公報によれば、後部座席を車両前方側に向けて可倒式とするとともに、巻取り式のトノカバーを後部座席を車両前方側に倒す動作に連動させることで、大型荷物を搭載しない場合において、巻取り式のトノカバーにより乗員室と後部荷室を仕切ることで乗員室の空調性能や居住性の向上を図ることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の提案によれば、トノカバーはシート状材料から構成されるために、その上に荷物を搭載することはできず、乗員室と後部荷室を単純に仕切るという機能に留まるものである。
【0005】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、後部荷室の上方に位置されるトレー部材により乗員室と後部荷室との間を隔離する状態にすることで、乗員室の居住性を悪化させる後部荷室側からの走行音と振動他の進入を防止することができ、かつ後部座席を車両前方側に向けて倒す動作に連動させてトレー部材を移動させて荷物の積載面として利用可能にすることで、後部荷室への大型荷物の積み下ろしなどの使い勝手に優れた車両の後部車体構造の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、後部荷室と、前記後部荷室の後方の車両開口部を開状態と閉状態とにする後方ドアと、少なくとも車両前方側に向けて可倒される後部座席と、前記後部荷室の上方に設けられるトレー部材とを備えた車両の後部車体構造において、前記後部座席を前記車両前方側に向けて倒す動作に連動させて前記トレー部材を前記後部座席の背もたれの背面に格納し、かつ前記格納された前記トレー部材を積載面として使用可能にするトレー格納手段を具備し、前記トレー格納手段は、前記トレー部材の車両前方側の縁部を回動自在に軸支し、かつ起立状態にある前記後部座席の背もたれの背面に対して平行に移動可能になるように車両幅方向に設けられる室内部材と、前記トレー部材の車両幅側の両側の縁部に設けられた被案内部材を、前記後部荷室の上方部位において略水平に案内する案内部材とから構成されることを特徴としている。
【0007】
また、前記トレー部材は、前方側トレー部材と、前記前方側トレー部材の後方側縁部において折り畳み自在に設けられた後方側トレー部材とから構成されることを特徴としている。
【0012】
また、前記トレー格納手段は、前記背もたれと連動して電動駆動されることを特徴としている。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、後部荷室と、前記後部荷室の後方の車両開口部を開状態と閉状態とにする後方ドアと、少なくとも車両前方側に向けて可倒される後部座席と、前記後部荷室の上方に設けられるトレー部材とを備えた車両の後部車体構造において、前記後部座席を前記車両前方側に向けて倒す動作に連動させて前記トレー部材を前記後部座席の背もたれの背面に格納し、かつ前記格納された前記トレー部材を積載面として使用可能にするトレー格納手段を具備することで、トレー部材を荷物の積載面として利用可能にすることができ、かつ後部荷室への大型荷物の積み下ろしなどの使い勝手の向上を図ることができる。また、前記トレー格納手段は、前記トレー部材の車両前方側の縁部を回動自在に軸支し、かつ起立状態にある前記後部座席の背もたれの背面に対して平行に移動可能になるように車両幅方向に設けられる室内部材と、前記トレー部材の車両幅側の両側の縁部に設けられた被案内部材を、前記後部荷室の上方部位において略水平に案内する案内部材とから構成されることで、トレー部材を荷物の積載面として利用可能にする状態に確実に移動できる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記トレー部材を格納するに際し、前記トレー部材を折り畳むことができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記トレー格納手段は、前記背もたれと連動して電動駆動されることで、自動的にトレー部材を荷物の積載面として利用可能にする状態に移動できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
まず、図1は、本発明の第1の実施形態である車両の後部車体構造をセダンとハッチバックの中間的な外観の車両に適用した場合の後部を半断面状態で図示した正面図であるが、図示のような形状の車両に限定されずハッチバック型またはセダン型あるいはミニバン型の車両にも適用可能なことは言うまでもない。また、2座席の車両にも適用可能であって、この場合には後述する後部座席が運転席と助手席になることなり、さらに、後方ドア5は上方に跳ね上げるタイプに限定されず、地面に平行に開閉するタイプのものでも良い。
【0026】
さて、図1において、車両1は乗員室2と後部荷室3の後方の車両開口部4を開状態と閉状態とにするとともに、後方視界を確保する後方窓ガラスを固定した後方ドア5が車両開口部4の上方縁部において不図示のヒンジにより開閉可能に保持されている。また、この後方ドア5には、左右一対分が設けられた不図示のガスダンパーのアシストにより後部ドア5を大きく上方に跳ね上げることで車両開口部4を開放状態にして、車外から後部荷室3へのアクセスを可能にするように構成されている。
【0027】
また、図示のように後部座席6の背もたれ6aの肩部分から車両後方にかけて第1トレー部材8と第2トレー部材9とが2枚のヒンジ16により矢印D1方向に折り畳み可能となるように設けられる一方で、第1トレー部材8と第2トレー部材9とが互いにフラットとなるようにリアパッケージサポート18(破線図示)で支持される状態で後部荷室の上方を塞ぐ恰好となるようにしている。また、第2トレー部材9には、後方ドア5を上方に跳ね上げる動作に連動して、図中の矢印D1方向に回動させるようにした紐(不図示)が設けられる場合もある。
【0028】
後部座席6の背もたれ6aは床面下方に配設されたモータ15によりヘッドレスト7と連動して、矢印D2、D3、D4方向に電動駆動され、ヒンジ16を回動中心として第1のトレー部材8上に重ねる状態にされた第2トレー部材9とともに、後部荷室3の床面3aと連続する荷室を構成できるようにしている。
【0029】
このために、第1トレー部材8の車両前側の縁部は、背もたれ6aの肩部分に対して2個のヒンジ19により回動自在に支持される一方で、この第1トレー部材8の車両幅方向からは左右対称位置において回転自在に保持された被案内部材であるローラ10が設けられており、これらのローラ10を後部荷室のクォータトリムに内蔵された案内部材である破線図示のガイドレール11の溝部において矢印方向に案内するように構成されている。
【0030】
以上の構成により、モータ15の正逆回転駆動に伴い後部荷室3の上方に位置されるトレー部材8,9により乗員室2との間を隔離する状態にすることで、後部荷室側からの走行音と振動他の進入を防止することができ、かつ後部座席6を車両前方側に向けて倒す動作に連動させてトレー部材を移動させて二重底になったトレー部材9を荷物の積載面として利用可能にすることで、大型荷物の積み下ろしなどの使い勝手を大幅に改善することができるようになる。
【0031】
次に、図2は、本発明の第2の実施形態である車両の後部車体構造をセダンとハッチバックの中間的な外観の車両に適用した場合の後部を半断面状態で図示した外観斜視図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛して相違する構成について述べると、この第2の実施形態においては、後部座席6の背もたれ6aを倒すための動力を用いることなく、独立した動力源を備えている。
【0032】
このために、後部荷室3の床面3aからさらに下方に形成された凹部3bにおいて、電動スライド機構付きサンルールの駆動用のものまたは専用設計されたワイヤードライブ装置25が内蔵される。このドライブ装置は、一点鎖線で図示されたワイヤー26を移動させることで、ワイヤー端部に固定される被案内部材であるローラ20を斜め上下方向に移動するために、フロントガイドレール12の長手方向に沿うように形成されたワイヤーガイド内を案内されるように構成されている。また、第1のトレー部材8の側面には上記のローラ10が固定されており、このローラ10をクォータトリム14下方に内蔵固定されているリアガイドレール13において案内するように構成されている。
【0033】
図3(a)は、ヒンジ16の外観斜視図であって、図示のように第1トレー部材8と、第2トレー部材9においてヒンジ16の外形形状に合致した凹部が夫々形成されており、これらの凹部中にヒンジ16を埋設後にセルフタッピングネジで固定することで、開いた状態では載置面がフラットになるようにするとともに、図1で矢印D1方向に重ね合わせたときに、ヒンジ16が邪魔にならずに重ね合わせることができるようにしている。
【0034】
また、図3(b)は、図2のリアガイドレール13とローラ10の関係を示した外観斜視図であって、ローラ10は第1トレー部材8の下面縁部に固定されたブラケットに固定された軸体により回動自在に設けられており、このローラ10をリアガイドレール13に形成された溝部13a内において案内するようにして、リアガイドレール13の軌跡に沿うように第1トレー部材8を移動するように構成されている。
【0035】
また、図4(a)は、図2における背もたれ後方の外観斜視図である。また、図4(b)は図4(a)のX−X線矢視断面図である。両図において、ローラ20は第1トレー部材8の下面の角部に固定されたブラケットに固定された軸体により回動自在に設けられており、このローラ20をフロントガイドレール12に形成された溝部内において斜め上下方向に案内する。また、上記のワイヤー26はローラ20の軸体に固定されており、さらにフロントガイドレール12の長手方向に沿うようにワイヤーガイド内を案内される。
【0036】
以上の構成により、図5の動作説明のための正面図において、第1トレー部材8と第2トレー部材9とが2枚のヒンジ16により矢印D1方向に折り畳まれてる。またこれに前後して、後部座席6の背もたれ6aが床面下方に配設されたモータまたは手動でヘッドレスト7と連動して、D4、D5方向に移動される。
【0037】
一方、ローラ10はリアガイドレール13により案内され、またローラ20はフロントガイドレール12により案内されて上記のワイヤードライブ装置の起動に伴い図中の一点鎖線図示のように第1トレー部材8上に重ねる状態にされた第2トレー部材9とともに、移動されて後部荷室3の床面3aと連続する荷室を構成できるようになる。
【0038】
続いて、図6は、本発明の第3の実施形態である車両の後部車体構造をセダンとハッチバックの中間的な外観の車両に適用した場合の後部を半断面状態で図示した外観斜視図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛して相違する構成について述べると、この第3の実施形態においては、後部座席6の背もたれ6aを倒すための動力を用いることなく、独立した動力源を備えており、さらに後部荷室の幅方向の剛性アップに寄与する室内部材22を設けている。即ち、室内部材22は図示のように、断面が平行四辺形とした筒状体として車体と同じ鋼材を使用して形成されているので、特に長手方向に対する抗力に優れることから、側面衝突時における対衝撃部材として機能できるようにしている。
【0039】
このように構成するために、後部荷室3の床面3aからさらに下方に形成された凹部3bにおいて、電動スライド機構付きサンルールの駆動用のものまたは専用設計されたワイヤードライブ装置25が内蔵される。このワイヤードライブ装置25は、一点鎖線で図示されたワイヤー26を長手方向に移動させることで、ワイヤー端部に固定された室内部材22を背もたれ6aに沿うように斜め上下方向に移動している。また、第1トレー部材8の側面には左右一対のローラ10が対称位置にそれぞれ固定されており、これらのローラ10をクォータトリム14下方に略水平に固定されているリアガイドレール23(破線図示)により案内するように構成されている。また、第1トレー部材8は、トーションバネを設けた2個のヒンジ17により上記の室内部材22の上面において回動自在に固定されている。
【0040】
図7(a)は、ヒンジ16の外観斜視図であって、図示のように第1トレー部材8と、第2トレー部材9においてヒンジ16の外形形状に合致した凹部が夫々形成されており、これらの凹部中にヒンジ16を埋設後にセルフタッピングネジで固定することで、開いた状態では載置面がフラットになるようにするとともに、図9で矢印D1方向に重ね合わせたときに、ヒンジ16が邪魔にならずに重ね合わせることができるようにしている。また、図7(b)は、トーションバネ27を設けたヒンジ17により矢印方向に移動付勢された第1トレー部材8の様子を示している。このように、第1トレー部材8を室内部材22の上面において移動付勢することで、下方への移動動作を円滑に行なえるようにしている。
【0041】
そして、図7(c)は、図6に図示のリアガイドレール23とローラ10の関係を示した外観斜視図である。本図において、ローラ10は軸体にセットされてから、溝部にセットされて仮組立される。その後、第1トレー部材8の側面に穿設された固定穴8aに軸体を挿入して完成する。
【0042】
次に、図8はワイヤー26がワイヤーガイド24により斜め上下方向に移動されるとともに、ワイヤー26の端部に固定されているピン26aが、上記の室内部材22の側面に形成された穴部22aに対して夫々挿通されて完成される様子を図示している。以上説明した構成により、トレー部材他の組立順序に自由度が確保できる。
【0043】
以上の構成により、図9の動作説明のための正面図において、第1のトレー部材8と第2のトレー部材9とが2枚のヒンジ16により矢印D1方向に折り畳まれてる。またこれに前後して、後部座席6の背もたれ6aが床面下方に配設されたモータまたは手動によりヘッドレスト7と連動して、D4、D5方向に移動される。一方、室内部材22はワイヤードライブ装置25の起動に伴い、ワイヤー26がワイヤーガイド内を案内されて図中の一点鎖線図示の位置に次第に移動されるに伴い、矢印D2、D3方向に移動され、ヒンジ17により回動されて第1トレー部材8上に重ねる状態にされた第2トレー部材9とともに後部荷室3の床面3aと連続する荷室を構成できるようになる。
【0044】
そして、図10は、本発明の第4の実施形態である車両の後部車体構造をセダンとハッチバックの中間的な外観の車両に適用した場合の後部を半断面状態で図示した外観斜視図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛して相違する構成について述べると、この第4の実施形態においては、後部座席6の背もたれ6aを倒すための手動または電動の動力を有効に用いることでトレー部材8、9を荷物積載面として利用する状態にできるうにしている。
【0045】
このように構成するために、後部荷室3の床面3aからさらに下方に形成された凹部3bにおいて、天井側に向けて開口した「コ」の字状の所定剛性を有する一体的なリンク部材30が軸受体31により図中の矢印方向に回動自在に設けられており、このリンク部材30の両端に穿設されている孔部に対して第1トレー部材8の側面下方縁部において後述するように固定された回動支点部材29のピンが挿通されている。
【0046】
また、後部座席6の背もたれ6aの背面の肩部には2個のヒンジ37が固定されており、このヒンジ37を第1トレー部材8の車両前方側の縁部の底面に固定することで、背もたれ6aに対して回動自在に固定されている。
【0047】
図11(a)は、第1トレー部材8と第2トレー部材9とを回動自在にするために互いの接合面において少なくとも2個分が固定されるヒンジ16の外観斜視図である。図示のように第1トレー部材8と、第2トレー部材9においてヒンジ16の外形形状に合致した凹部が夫々形成されており、これらの凹部中にヒンジ16を埋設後にセルフタッピングネジで固定することで、開いた状態では載置面がフラットになるようにするとともに、図12で矢印D1方向に重ね合わせたときに、ヒンジ16が邪魔にならずに重ね合わせることができるようにしている。また、図11(b)は、リンク部材30の端部と回動支点部材29の様子を示している。図示のように回転支点部材29は、第1トレー部材8の裏面側角部に凹部として形成されている取付け部8dの内部に位置決めされて固定されており、格納したときにリンク30が邪魔にならないように構成されている。
【0048】
そして、図11(c)は、軸受部材31とリンク部材30の関係を示した外観斜視図である。本図において、軸受部材31は図示のようにネジを用いて上記の凹部3bに固定されてリンク部材30を矢印方向に回動自在にする。
【0049】
また、図11(d)に図示のヒンジ37は、図示のように破線図示の第1トレー部材8の下方において、背もたれ6aに対して固定されており、矢印方向に回動できるようにしている。
【0050】
以上の構成により、図12の動作説明のための正面図において、第1のトレー部材8と第2のトレー部材9とが2枚のヒンジ16により矢印D1方向に折り畳まれてる。これに続き、後部座席6の背もたれ6aが床面下方に配設されたモータ(不図示)または手動によりヘッドレスト7と連動して、矢印D2方向に移動されるが、このとき、リンク部材30と背もたれ6aと、回動支点部材29及びヒンジ37により軸支されている第1トレー部材8との間に平行リンク機構が形成される結果、第1トレー部材8は平行移動しつつ降下する。このために、後部荷室3の背もたれ6aの背後に荷物Mが積載されていた場合でもこの上に第1トレー部材8が移動しないことになる。
【0051】
以上のように矢印D2方向に移動され、ヒンジ37により回動されて第1トレー部材8上に重ねる状態にされた第2トレー部材9とともに後部荷室3の床面3aと連続する荷室を構成できるようになる。
最後に、図13は、本発明の第5の実施形態である車両の後部車体構造をセダンとハッチバックの中間的な外観の車両に適用した場合の後部を半断面状態で図示した外観斜視図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛して相違する構成について述べると、この第5の実施形態においては、後部座席6の背もたれ6aを倒す動作と独立してトレー部材40(破線図示)を、左右のクォータートリム14下方に内蔵された平行リンク機構により矢印D方向に昇降可能にしたものである。また、この平行リンク機構はモータ38により駆動されており、後部荷室3の床面3aから任意の高さHで停止させ、その停止位置で荷物を搭載できるようにして、トレー部材40を棚板としても利用可能にできるように構成されている。
【0052】
このように構成するために、図14の後部荷室を示した正面図と、図15の横断面図をさらに参照して、後部荷室3の両側のクォータトリム14の下方には、平行リンク機構を構成するリンク部材33とリンク部材34とが左右対称位置に夫々回動自在に設けられており、リンク部材33は回動支点部材35、38とによりその両端が回動軸支されており、またモータ38の動力源に固定されるリンク部材34は、回動支点部材36、38よりその両端が回動軸支されている。これらのリンク33、34は図15に示されるように後部荷室3の側面3cとトレー部材40の側面との間で形成されるわずかな隙間において上下に回動するように配置されていることから、後部荷室3の空間に影響を及ぼさないようにしている。このようにして構成される平行リンク機構により、図14中の実線図示の上方位置と一点鎖線で図示の中間位置と二点鎖線図示の下方位置との間でトレー部材40を平行移動する。
【0053】
図16(a)は、上記の回動支点部材38の構成例を示した立体分解図であって、本図においてリンク部材33、34の上端部からは上記のトレー部材40に向けてネジ部を形成した棒体33a、34aがカシメなどで固定されている。また、上記のようにトレー部材40の裏面における4個所に固定される回動支点部材38には棒体33a、34aを挿通してから回動自在に軸支するパイプ38aが溶接などで固定されている。このパイプ38aに棒体33a、34aを挿通した後に、平ワッシャー39とスプリングワッシャー42を挿通して、最後にナット41を用いて棒体を螺合結合することで完成する。
【0054】
図16(b)はリンク部材33の回動支点部材35の構成例を示した中心断面図であり、また図16(c)はその右側面図である。本図において、リンク部材33の下端には鍔部が形成された回動支点部材35が3本の皿ネジを用いて固定されている。この回動支点部材35は、車体の一部を構成するトランクサイドパネル46に対してスポット溶接等で固定されているパイプ44の内部に挿通されて、かつ鍔部との間にブッシュ45を介して回動自在に設けられている。以上の構成により、リンク部材33に加わる荷重を支えるようにしている。
【0055】
次に、図17(a)は、モータ38の出力軸に固定されるウォームギア38aに歯合するウォ−ムホイール50との関係を示した正面図、また、図17(b)は、図17(a)のX−X線矢視断面図である。そして、図17(c)は、図17(b)の右側面図である。図17において、ウォ−ムホイール50は、トランクサイドパネル46に対してスポット溶接等で固定されているパイプ44の内部に挿通されて、かつ間にブッシュ45を介してパイプ44内で回動自在に設けられている。また、このウォ−ムホイール50にはリンク部材34が3本の皿ネジを用いて固定されており、リンク部材34に加わる荷重を支える。
【0056】
以上の構成において、平行リンク機構によりモータ38の正逆方向の回転駆動にともないセグメントギアであるウォ−ムホイール50が回動駆動されて、左右のリンク部材34を介して回動力が伝達されてトレー部材40を後部荷室3の床面3aから任意の高さHまで移動できるようになる。その後停止されてから、停止位置で荷物を搭載すると、荷重がウォ−ムホイール50とウォームギア38aとの間に加わる。このとき、ウォ−ムホイール50はウォームギア38aを下方に移動するように回転しようとしてモータ38へのスラスト力を発生して停止状態を維持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車両の後部車体構造を示した正面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の車両の後部車体構造を示した外観斜視図である。
【図3】(a)は、ヒンジ16の外観斜視図、(b)は、図2のリアガイドレール13とローラ10の関係を示した外観斜視図である。
【図4】(a)は、図2における背もたれ後方の外観斜視図、(b)は図4(a)のX−X線矢視断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の車両の後部車体構造の動作説明の正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の車両後部を半断面状態で示した外観斜視図である。
【図7】(a)は、ヒンジ16の外観斜視図、(b)は、トーションバネ27を設けたヒンジ17。そして、図7(c)は、図6に図示のリアガイドレール23とローラ10の関係を示した外観斜視図である。
【図8】ワイヤー26がワイヤーガイド24の端部に固定されているピン26aが、室内部材22の側面に形成された穴部22aに対して夫々挿通されて完成される様子を図示した外観斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の動作説明のための正面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態である車両の後部車体構造をセダンとハッチバックの中間的な外観の車両に適用した場合の後部を半断面状態で図示した外観斜視図である。
【図11】(a)は、ヒンジ16の外観斜視図、(b)は、リンク部材30の端部と回動支点部材29の様子を示した外観斜視図、(c)は、軸受部材31とリンク部材30の関係を示した外観斜視図、(d)はヒンジ37の外観斜視図である。
【図12】本発明の第5の実施形態の動作説明のための正面図である。
【図13】第5の実施形態の外観斜視図である。
【図14】後部荷室の正面図である。
【図15】後部荷室の横断面である。
【図16】(a)は、回動支点部材38の立体分解図、(b)はリンク部材33の回動支点部材35の中心断面図、(c)はその右側面図である。
【図17】(a)ウォームギア38aとホイール50の正面図、(b)(a)のX−X線矢視断面図、(c)(b)の右側面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 乗員室
3 後部荷室
4 車両開口部
5 後方ドア
6 後部座席
8 第1トレー部材
9 第2トレー部材
10 ローラ(被案内部材)
12 フロントガイドレール(第1の案内手段)
13 リアガイドレール(第2の案内手段)
14 クォータトリム
15 モータ
16、17、19、37 ヒンジ
20 ローラ(被案内部材)
23 リアガイドレール(第3の案内手段)
24 ワイヤーガイド
25 ワイヤードライブ装置
26 ワイヤー
30 リンク部材
33、34 リンク部材
40 トレー部材
Claims (3)
- 後部荷室と、前記後部荷室の後方の車両開口部を開状態と閉状態とにする後方ドアと、少なくとも車両前方側に向けて可倒される後部座席と、前記後部荷室の上方に設けられるトレー部材とを備えた車両の後部車体構造において、
前記後部座席を前記車両前方側に向けて倒す動作に連動させて前記トレー部材を前記後部座席の背もたれの背面に格納し、かつ前記格納された前記トレー部材を積載面として使用可能にするトレー格納手段を具備し、
前記トレー格納手段は、
前記トレー部材の車両前方側の縁部を回動自在に軸支し、かつ起立状態にある前記後部座席の背もたれの背面に対して平行に移動可能になるように車両幅方向に設けられる室内部材と、
前記トレー部材の車両幅側の両側の縁部に設けられた被案内部材を、前記後部荷室の上方部位において略水平に案内する案内部材とから構成されることを特徴とする車両の後部車体構造。 - 前記トレー部材は、
前方側トレー部材と、
前記前方側トレー部材の後方側縁部において折り畳み自在に設けられた後方側トレー部材とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。 - 前記トレー格納手段は、前記背もたれと連動して電動駆動されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の後部車体構造。
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