JP4210836B2 - 新規n−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物、光酸発生剤、並びにそれを用いたレジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents
新規n−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物、光酸発生剤、並びにそれを用いたレジスト材料及びパターン形成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線などの放射線に感応する集積回路を作成するための化学増幅型レジスト材料等の光酸発生剤として使用されるのに好適なN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物及びレジスト材料用光酸発生剤、並びに上記N−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を含有するレジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィーが有望視されている。
近年、遠紫外線の光源として高輝度なKrFエキシマレーザー、更に波長の短いArFエキシマレーザーを利用する技術が注目されており、露光光の短波長化とレジスト材料の高解像度化で、より微細な加工技術が要望されている。
【0003】
このような観点から、近年開発された酸を触媒とした化学増幅型レジスト材料は、感度、解像度、ドライエッチング耐性が高く、優れた特徴を有するもので、遠紫外線リソグラフィーに特に有望なレジスト材料である。この化学増幅型レジスト材料には、露光部が除去され未露光部が残るポジ型と露光部が残り未露光部が除去されるネガ型がある。
【0004】
アルカリ現像液を用いる化学増幅ポジ型レジスト材料では、アルカリ可溶性のフェノールあるいはカルボン酸を有する樹脂及び/又は化合物の水酸基の一部もしくは全部を酸に不安定な保護基(酸不安定基)で保護した樹脂及び/又は化合物を露光により生じた酸で触媒的に分解し、露光部にアルカリ可溶性のフェノールあるいはカルボン酸を有する樹脂及び/又は化合物を生じさせて露光部をアルカリ現像液で除去する。また、同ネガ型レジスト材料では、アルカリ可溶性のフェノールあるいはカルボン酸を有する樹脂及び/又は化合物と酸で上記樹脂あるいは化合物を結合(架橋)することのできる化合物(酸架橋剤)を露光により生じた酸で架橋させて露光部をアルカリ現像液に不溶化し、未露光部をアルカリ現像液で除去するものである。
【0005】
上記化学増幅ポジ型レジスト材料は、バインダーである酸不安定基を有する樹脂と放射線照射により酸を発生する化合物(以下、光酸発生剤と略する)を溶剤に溶解したレジスト溶液を調製し、基板上に種々の方法で塗布し、必要により加熱し、溶媒を除去してレジスト膜を形成する。次いで、放射線照射、例えば遠紫外線を光源としてこのレジスト膜に所定のマスクパターンを通じて露光を行う。更に必要に応じて酸による触媒反応を進めるために露光後の焼成(PEB:post exposure bake)を行い、アルカリ水溶液による現像を行い、露光部のレジスト膜を除去することでポジ型のパターンプロファイルを得る。種々の方法で基板をエッチングした後、残存するレジスト膜を剥離液による溶解やアッシングにより除去して基板上にパターンプロファイルを作成する。
【0006】
KrFエキシマーレザー用の化学増幅ポジ型レジスト材料には、フェノール系の樹脂、例えばポリヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基の水素原子の一部あるいは全部を酸に不安定な保護基で保護した樹脂が用いられており、光酸発生剤にはヨードニウム塩やスルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物等が用いられてきた。更に、必要に応じて分子量3,000以下のカルボン酸及び/又はフェノール誘導体等のカルボン酸及び/又はフェノール性水酸基の水素原子の一部あるいは全部を酸不安定基で保護した溶解阻止/促進化合物、溶解特性向上のためのカルボン酸化合物、コントラスト向上のための塩基性化合物、塗布性向上のための界面活性剤等が添加される。
【0007】
ここで、下記に示したような光酸発生剤のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物は、感度、解像度に優れ、スルホニウム塩やヨードニウム塩系の光酸発生剤に見られるような樹脂への相溶性の悪さやレジスト溶剤への溶解性の低さもなく、化学増幅型レジスト材料、特にKrFエキシマレーザーを用いた化学増幅ポジ型レジスト材料の光酸発生剤として好適に用いられる(特許第258450号公報、特許第2839172号公報)。
【0008】
【化7】
【0009】
しかしながら、要求されるパターンサイズの微細化に伴い、これらの光酸発生剤を用いた場合でも解像性が低い、環境に対する安定性が低い等の問題が生じてきた。
【0010】
この場合、解像性に関しては、用いる樹脂の酸不安定基をより酸に対して切れ易くすることや塩基性添加物、プロセス条件で改善しつつある。
【0011】
環境安定性は大きく分けて2種類ある。一つはレジスト膜上の空気中の塩基や、レジスト膜下の基板上の塩基で露光により発生した酸が失活する問題であり、これは酸強度の高い酸を発生する光酸発生剤を用いた時によく見られる現象である。この問題に関しては、用いる樹脂の酸不安定基を酸に対して切れ易くすることや、発生酸の酸強度を低く(弱く)することで解決する方向にある。また、もう一つの環境安定性の問題は、露光と露光後の焼成(PEB:post exposure bake)が長引く場合(PED:post exposure delay)にレジスト膜中を発生酸が拡散し、酸不安定基が切れにくい場合には酸の失活、酸不安定基が切れ易い場合には酸分解反応が進行し、パターンプロファイルが変動する場合が多い。例えばアセタールを中心とした酸不安定基を有する化学増幅ポジ型レジスト材料の場合には、未露光部の線幅が細くなる場合が多い。
【0012】
上記のように、より高解像性を求めるためには、樹脂により切れ易い酸不安定基を導入することが必要であり、光酸発生剤としては拡散性の低い酸を発生することが望まれる。この低拡散性の酸としては、アルキルスルホン酸が種々検討されている。これらアルキルスルホン酸としては10−カンファースルホン酸や、ブタンスルホン酸、オクタンスルホン酸等の市販のアルキルスルホニルクロリドを用いたものや特開2001−199955号公報のようにカルボン酸エステルを有するノルボルナンスルホン酸等があるが、いずれも、従来用いられていたフッ化アルキルスルホン酸やアリールスルホン酸の酸強度に対して弱く、酸強度の弱さを酸の量でカバーしなくてはならないため、より多量の酸を発生しなくてはならず、露光時間の増大につながり、生産性に劣る場合が多い。
【0013】
更に言えば、これらはいずれもアルキルスルホン酸エステルであり、レジスト材料とした場合には樹脂中のフェノール性水酸基、カルボキシル基、溶剤中(乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテル等)のヒドロキシル基、解像性向上のために添加される塩基性化合物、レジスト中の微量の水等と反応してしまう可能性が高い。
【0014】
また、本発明者らは、既にアルキルスルホン酸よりも酸として強いスルホニルオキシベンゼンスルホン酸をアニオンに有するオニウム塩を開発しているが(特開2001−122850号公報)、オニウム塩に起因するレジスト溶液(特にプロピレングリコールメチルエーテルアセテート)への溶解性の低さやトリアリールスルホニウムカチオン、ビスアリールヨードニウムカチオンに起因する248nm付近の光吸収の増大によるレジスト膜の透過率の低下等の問題が解決できていない。
【0015】
【特許文献1】
特許第258450号公報
【特許文献2】
特許第2839172号公報
【特許文献3】
特開2001−199955号公報
【特許文献4】
特開2001−122850号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
レジスト材料の光酸発生剤としては、レジスト溶剤及び樹脂に対する溶解性(相溶性)が十分高いこと、保存安定性が良好であること、毒性がないこと、塗布性が良好であること、パターンプロファイル形状、PED安定性、高解像性、感度が良好であることが求められるが、従来の光酸発生剤、特にN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物系光酸発生剤はこれらをすべて満たしていない。最近において、集積回路のパターンの微細化に伴い、レジスト保存安定性が高く、感度、解像性の問題はより厳しくなってきた。
【0017】
本発明の目的は、上記の種々問題を解決しつつ、特に保存安定性が高く、高解像性、高感度で、現像後のパターンプロファイル形状に優れたレジスト材料、特に化学増幅型レジスト材料の光酸発生剤として好適なN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物及びレジスト材料用光酸発生剤、並びにこれを用いたレジスト材料及びパターン形成方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、光酸発生剤として下記一般式(1)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物、特に下記式(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を含むレジスト材料を用いることにより、溶解性、保存安定性、塗布性に優れ、PEDが長時間にわたる場合にも線幅変動、形状劣化が少なく、現像後のパターンプロファイル形状に優れ、微細加工に適した高解像性、感度を有し、特に遠紫外線リソグラフィーにおいて大いに威力を発揮することを見出した。
【0019】
【化8】
(式中、Rは同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、ニトロ基、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基、又はトリフルオロメチル基を示す。nは0又は1であり、mは1又は2である。rは0〜4の整数、r’は0〜5の整数である。また、下記一般式(1’)
【化35】
で示される骨格は、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、ノルボルナン−2,3−ジカルボキシイミド、フタル酸イミド、ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、exo−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、又はexo−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミドである。)
【0020】
【化9】
(式中、下記一般式(1’)
【化36】
で示される骨格は、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、ノルボルナン−2,3−ジカルボキシイミド、フタル酸イミド、ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、exo−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、又はexo−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミドである。)
【0021】
特に、酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性が変化する樹脂を用いた化学増幅型レジスト材料等の光酸発生剤に上記一般式(1)あるいは(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を用いることにより、上記効果に優れ、特に遠紫外線リソグラフィーにおいて大いに威力を発揮することを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0022】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、まず第1に下記一般式(1)で示されるN−(アリールスルホニルオキシ)アリールスルホニルオキシ基を有する新規なN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を提供するものである。
【0023】
【化10】
(式中、Rは同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、ニトロ基、又は炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状の置換もしくは非置換のアルキル基又はアルコキシ基を示す。nは0又は1であり、mは1又は2である。rは0〜4の整数、r’は0〜5の整数である。Gは単結合又は二重結合を示し、pとqは独立に水素原子又は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、あるいはpとqとは互いに結合してそれらが結合している炭素原子を含めて脂肪族環状構造、複素環状構造又は芳香環構造を形成してもよい。)
【0024】
この式(1)のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物として特に下記一般式(1a)で示される4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基を有する新規なN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物が好ましい。
【0025】
【化11】
(式中、Gは単結合又は二重結合を示し、pとqは独立に水素原子又は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、あるいはpとqとは互いに結合してそれらが結合している炭素原子を含めて脂肪族環状構造、複素環状構造又は芳香環構造を形成してもよい。)
【0026】
上記式(1)において、Rは同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、ニトロ基、又は炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状の置換もしくは非置換のアルキル基又はアルコキシ基を示し、具体的には水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、sec−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、トリフルオロメチル基が挙げられるが、水素原子、フッ素原子、ニトロ基、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基、又はトリフルオロメチル基である。中でも水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が好適に用いられ、更に、水素原子、メチル基がより好適に用いられる。
【0027】
より具体的に、(アリールスルホニルオキシ)アリールスルホニルオキシ基としては、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、4−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、4−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、4−(2−ナフタレンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ基、1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ基、1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−8−スルホニルオキシ基、2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基、2,5−ビス(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ基等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0028】
Gは単結合又は二重結合を示し、pとqは独立に水素原子又は炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基を示し、あるいはpとqとは互いに結合してそれらが結合している炭素原子を含めて合計炭素数4〜12、特に6〜10である、脂肪族環状構造、複素環状構造又は芳香環構造を形成してもよい。
【0029】
より具体的にイミド骨格を示すと、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、ノルボルナン−2,3−ジカルボキシイミド、フタル酸イミド、ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、exo−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミドが挙げられる。この中で好ましいのはコハク酸イミド、5−ノルボルネン2,3−ジカルボキシイミドである。
【0030】
なお、上記N−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物の合成方法は、下記の通りであるが、これに限定されるものではない。
【0031】
(アリールスルホニルオキシ)アリールスルホン酸は上記の特開2001−122850号公報を参考に合成することができ、ヒドロキシアリールスルホン酸、あるいはヒドロキシアリールスルホン酸塩とアリールスルホニルハライドあるいはアリールスルホン酸無水物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下に反応させ、(アリールスルホニルオキシ)アリールスルホン酸ナトリウム等を得る。
【0032】
【化12】
(式中、R、m、n、r、r’は上記と同じ。Halは臭素原子又は塩素原子を示す。)
【0033】
より具体的に、ヒドロキシアリールスルホン酸としては、4−フェノールスルホン酸、3−メチル−4−フェノールスルホン酸、3−メトキシ−4−フェノールスルホン酸、3−ニトロ−4−フェノールスルホン酸、ヒドロキノン−2−スルホン酸、1,4−ナフトールスルホン酸、1,5−ナフトールスルホン酸、2,6−ナフトールスルホン酸、1,8−ナフトールスルホン酸、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、5,7−ジニトロ−8−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸等が挙げられ、アリールスルホニルハライドとしては、ベンゼンスルホニルクロリド、4−トルエンスルホニルクロリド、4−エチルベンゼンスルホニルクロリド、4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリド、2−ナフタレンスルホニルクロリド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
更に得られたスルホン酸、スルホン酸塩を五塩化リン、塩化チオニル等でスルホニルハライドとする。スルホン酸塩からスルホニルクロリドの合成は上述の特開2001−199955号公報や特開昭61−251652号公報、Synthetic Organic Chemistry(Wagner,Zookら、821頁、Jhon Wiley & Sons(1965))を参考にすることができる。
【0035】
【化13】
(式中、R、m、n、r、r’は上記と同じ。Halは臭素原子又は塩素原子を示す。)
【0036】
N−ヒドロキシジカルボキシイミドは市販のものを用いることもできるし、対応するジカルボン酸とヒドロキシルアミンから合成することもできる。
【0037】
市販のものでは、N−ヒドロキシ−コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−マレイン酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−ノルボルナン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−フタル酸イミド、N−ヒドロキシ−ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、exo−N−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ等が挙げられる。
【0038】
目的のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物は上述のN−ヒドロキシジカルボキシイミドと対応する(アリールスルホニルオキシ)アリールスルホニルハライドあるいはスルホン酸無水物をTHF、CH2Cl2等の溶剤に溶解し塩基性条件下で反応させることが好ましい。あるいはピリジン等の塩基性溶剤中で反応させるのも好ましい。
【0039】
【化14】
(式中、R、m、n、r、r’、G、p、qは上記と同じ。Halは臭素原子又は塩素原子を示す。)
【0040】
本発明の式(1)及び(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物の例としては、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)コハク酸イミドN−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0041】
上記一般式(1)又は(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物は、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線などの放射線に感応する集積回路を作成するためのレジスト材料、特に化学増幅型レジスト材料の光酸発生剤として好適に用いられる。
【0042】
本発明の一般式(1)又は(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を含むレジスト材料はポジ型及びネガ型として用いることができる。具体的態様は下記の通りである。
<1>(A)酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性が変化する樹脂(ベース樹脂)
(B)上記一般式(1)又は(1a)で示される放射線照射により酸を発生するN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物
(F)有機溶剤
を含むことを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料
<2>更に
(C)放射線照射により酸を発生する(B)成分以外の光酸発生剤
を含むことを特徴とする<1>記載の化学増幅ポジ型レジスト材料
<3>更に
(D)塩基性添加物
を含むことを特徴とする<1>、<2>記載の化学増幅ポジ型レジスト材料
<4>更に
(E)有機酸誘導体
を含むことを特徴とする<1>〜<3>記載の化学増幅ポジ型レジスト材料
<5>更に
(G)酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性が変化する分子量3,000以下の化合物
を含むことを特徴とする<1>〜<4>記載の化学増幅ポジ型レジスト材料
<6>(B)上記一般式(1)又は(1a)で示される放射線照射により酸を発生するN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物
(F)有機溶剤
(H)アルカリ可溶性樹脂(ベース樹脂)
(I)酸の作用により架橋構造を形成する酸架橋剤
を含むことを特徴とする化学増幅ネガ型レジスト材料
<7>更に
(C)を含むことを特徴とする<6>記載の化学増幅ネガ型レジスト材料
<8>更に
(D)を含むことを特徴とする<6>、<7>記載の化学増幅ネガ型レジスト材料
<9>更に
(J)分子量2,500以下のアルカリ可溶性化合物
を含むことを特徴とする<6>〜<8>記載の化学増幅ネガ型レジスト材料
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0043】
以下、詳細に各成分につき記載する。
(A)成分の酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性が変化する樹脂としては、特に制限されないが、アルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基の一部あるいは全部をC−O−Cを有する酸に不安定な保護基で保護したものである。
【0044】
上記のフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ2−メチルスチレン、4−ヒドロキシ3−メチルスチレン、ヒドロキシインデン、メタクリル酸、アクリル酸のホモあるいはコポリマーや、これらのポリマーの末端にカルボン酸誘導体、ジフェニルエチレン等を導入したコポリマーが挙げられる。
【0045】
更にアルカリ現像液への溶解性を極端に低下させないような割合で、上記のユニットの他に、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシスチレンの水素添加物、無水マレイン酸、マレイミド、置換あるいは非置換インデン等のアルカリ溶解性部位をもたないユニットを導入したコポリマーでもよい。ここで、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの置換基としては、酸により分解が起こらないものであればいずれのものでもよい。具体的には、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基等の芳香族基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0046】
アルカリ可溶性ポリマーの例を以下に示すが、これは(A)成分の酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性が変化する樹脂の原料及び(H)成分のアルカリ可溶性樹脂としても用いることができる。例としては、ポリp−ヒドロキシスチレン、ポリm−ヒドロキシスチレン、ポリ4−ヒドロキシ2−メチルスチレン、ポリ4−ヒドロキシ−3−メチルスチレン、ポリα−メチルp−ヒドロキシスチレン、部分水素添加ポリp−ヒドロキシスチレンコポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−α−メチルp−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−α−メチルスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−インデン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(アクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(メタクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−マレイミド)コポリマー等が挙げられるが、これらの組み合わせに限定されるものではない。
【0047】
好ましくは、ポリp−ヒドロキシスチレン、部分水素添加ポリp−ヒドロキシスチレンコポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−インデン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸)コポリマーが挙げられる。
【0048】
特に、下記の単位(2)又は(2’)、(2’’)を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
【0049】
【化15】
(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。xは0又は正の整数、yは正の整数、yyは0又は正の整数であり、x+y≦5、x+yy≦5を満足する数である。M、Nは正の整数で、0<N/(M+N)≦0.5を満足する数である。A、Bは正の整数、Cは0又は正の整数で、0<B/(A+B+C)≦0.5を満足する数である。)
【0050】
上記式(2’’)の高分子化合物を合成するには、1つの方法としてはアセトキシスチレンモノマーと(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルモノマーとインデンモノマーを、有機溶剤中、ラジカル開始剤を加えて加熱重合を行い、得られた高分子化合物を有機溶剤中アルカリ加水分解を行い、アセトキシ基を脱保護し、ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルとインデンの三成分共重合体の高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としてはトルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また反応温度としては−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。
【0051】
あるいは、下記式(2’’’)のようなデンポリマー又はハイパーブランチポリマーの構造を持った高分子化合物でもよい。
【0052】
【化16】
(式中、ZZはCH2、CH(OH)、CR5(OH)、C=O、C(OR5)(OH)から選ばれる2価の有機基、あるいは−C(OH)=で表される3価の有機基を示す。Fはそれぞれ異なっても同一でもよく正の整数、Hは正の整数であり、H/(H+F)=0.001〜0.1を満足する数である。XXは1あるいは2である。R4、R5、x、yは上記と同意である。)
【0053】
上記フェノール誘導体のデンポリマー又はハイパーブランチポリマーの合成は4−tert−ブトキシスチレン等の重合可能成分モノマーのリビングアニオン重合の合成の際にクロロメチルスチレン等の分岐モノマーを適宜反応させる。
【0054】
より詳しくは、4−tert−ブトキシスチレン等の重合可能成分モノマーを用いてリビングアニオン重合を開始し、所定量を重合後、クロロメチルスチレン等の分岐形成モノマーを反応させる。次いで4−tert−ブトキシスチレン等の重合可能成分モノマー及び/又はクロロメチルスチレン等の分岐形成モノマーを再度添加し、重合させる。この操作を幾度となく繰り返すことにより、デンポリマー又はハイパーブランチポリマーを合成することができ、必要によりリビング重合を行うための保護基を脱保護してフェノール誘導体のデンポリマー又はハイパーブランチポリマーを得る。
上記分岐形成モノマーの例を下記に示す。
【0055】
【化17】
(R4、R5、x、yは上記と同意である。)
【0056】
デンポリマー、パイパーブランチポリマーは具体的には下記概略式(8)〜(12)で示される繰り返し単位を有するものを挙げることができる。
【0057】
【化18】
(式中、−−−−−−はフェノール誘導体のモノマーのポリマー鎖を示し、Kは上記分岐形成モノマーに由来する単位を表す。なお、点線の数がモノマーの数を示している訳ではない。)
【0058】
上記フェノール誘導体のデンポリマーあるいはハイパーブランチポリマーを製造する方法としては、リビング重合中、重合可能成分と停止成分を有する化合物とを反応し、更に重合を進行させることにより合成できる。この操作を任意に繰り返すことにより、フェノール誘導体のデンポリマーあるいはハイパーブランチポリマーを製造することができる。リビング重合であればどの重合方法でも可能である。その中でも特に制御が容易な重合方法として、リビングアニオン重合が好ましく用いられる。これらは特開2000−344836号公報を参考に合成することができる。
【0059】
これらアルカリ可溶性高分子化合物の分子量は、重量平均分子量で3,000〜100,000が好ましく、3,000未満ではポリマーとしての能力として劣り、耐熱性が低く、成膜性が十分でない場合が多く、100,000を超えると分子量が大きすぎるため、現像液への溶解性、レジスト溶剤への溶解性等に問題を生じる。また、分散度は3.5以下、好ましくは1.5以下が好ましい。分散度が3.5より大きいと解像性が劣化する場合が多い。製造方法は特に限定されないが、ポリ−p−ヒドロキシスチレン等にはリビングアニオン重合を用いることで分散度の低い(狭分散性の)ポリマーを合成することができる。
【0060】
本発明の上記一般式(1)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を用いたレジスト材料は、(A)成分として、C−O−C結合(酸不安定基)を有し、酸の作用でC−O−C結合が切断することによりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する樹脂(特に上記アルカリ可溶性樹脂)を用いることが有効であり、特に上記式(2)の繰り返し単位を有し、そのフェノール性水酸基の水素原子が1種又は2種以上の酸不安定基によってフェノール性水酸基の水素原子全体の平均0モル%を超え80モル%以下の割合で置換されている重量平均分子量3,000〜100,000の高分子化合物が好ましい。
【0061】
あるいは、上記式(2’)の繰り返し単位を有する高分子化合物(p−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスチレンと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とを含むコポリマー)において、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のカルボキシル基の水素原子が1種又は2種以上の酸不安定基により置換され、この高分子化合物中におけるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルに基づく単位が平均0モル%を超え50モル%以下の割合で含有されている高分子化合物が好ましく、更にp−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスレンのフェノール性水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されていてもよい。この場合、高分子化合物中のアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルと酸不安定基により置換されたp−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスレンに基づく単位が平均0モル%を超え80モル%以下の割合で含有されている高分子化合物が好ましい。
【0062】
あるいは、上記式(2’’)の繰り返し単位を有する高分子化合物(p−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスチレンと、置換及び/又は非置換インデンを含むコポリマー)において、p−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換され、及び/又はアクリル酸及び/又はメタクリル酸のカルボキシル基の水素原子が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されている高分子化合物が好ましく、更に置換インデンが水酸基を含有している場合その水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により置換されていてもよい。この場合、高分子化合物中の酸不安定基により置換されたp−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスチレンに基づく単位と酸不安定基により置換されたアクリル酸及び/又はメタクリル酸に基づく単位、酸不安定基により置換されたインデンに基づく単位が平均0モル%を超え80モル%以下の割合で含有されている高分子化合物が好ましい。
【0063】
このような高分子化合物としては、下記一般式(2a)、(2a’)、(2a’’)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量3,000〜100,000の高分子化合物が好ましい。
【0064】
【化19】
(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数である。R6は酸不安定基を示す。S及びTは正の整数を示し、0<T/(S+T)≦0.8を満足する数である。R6aは水素原子又は酸不安定基であるが、少なくとも一部が酸不安定基である。M、Nは正の整数で、Lは0又は正の整数であり、0<N/(M+N+L)≦0.5、及び0<(N+L)/(M+N+L)≦0.8を満足する数である。yyは0又は正の整数であり、x+yy≦5を満足する。A、Bは正の整数で、C、D、Eは0又は正の整数であり、0<(B+E)/(A+B+C+D+E)≦0.5、及び0<(C+D+E)/(A+B+C+D+E)≦0.8を満足する数である。)
【0065】
なお、R5は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等を例示できる。
【0066】
ここで、酸不安定基としてアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基の一部、カルボキシル基の一部あるいは全部をC−O−C結合で表される酸に不安定な置換基で保護する場合、酸不安定基としては、種々選定されるが、特に下記一般式(4)〜(7)で示される基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、炭素数7〜20のアリール基置換アルキル基等であることが好ましい。
【0067】
【化20】
【0068】
式中、R10、R11は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等を例示できる。R12は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
【0069】
【化21】
【0070】
R10とR11、R10とR12、R11とR12とは互いに結合して環を形成してもよく、環を形成する場合にはR10、R11、R12はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
【0071】
R13は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(4)で示される基を示し、三級アルキル基として具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−アダマンチル−1−メチル−エチル基等が挙げられ、トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられ、オキソアルキル基として具体的には、3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−5−オキソオキソラン−4−イル基等が挙げられる。zは0〜6の整数である。
【0072】
R14は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等を例示でき、置換されていてもよいアリール基として具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等を例示できる。hは0又は1、iは0、1、2、3のいずれかであり、2h+i=2又は3を満足する数である。
【0073】
R15は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはR14と同様のものが例示できる。R16〜R25はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい1価の炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたものを例示できる。R16〜R25は互いに結合して環を形成していてもよく(例えば、R16とR17、R16とR18、R17とR19、R18とR19、R20とR21、R22とR23等)、その場合には炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基を示し、上記1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。また、R16〜R25は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、R16とR18、R18とR24、R22とR24等)。
【0074】
上記式(4)で示される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
【0075】
【化22】
【0076】
【化23】
【0077】
上記式(4)で示される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
【0078】
上記式(5)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
【0079】
上記式(6)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル、1−シクロへキシル−シクロペンチル等が例示できる。
上記式(7)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
【0080】
【化24】
【0081】
炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−アミル基、3−エチル−3−ペンチル基、ジメチルベンジル基等が挙げられる。
【0082】
各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
【0083】
炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、3−オキソシクロヘキシル基、下記式で示される基等が挙げられる。
【0084】
【化25】
【0085】
炭素数7〜20のアリール基置換アルキル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、ジフェニルメチル基、1,1−ジフェニルエチル基等が挙げられる。
【0086】
本発明のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を光酸発生剤として含むレジスト材料に用いられる酸の作用でアルカリ現像液への溶解性が変化する樹脂(A)は、更にフェノール性水酸基の一部の水素原子が上記一般式(2)あるいは(2’)、(2’’)、(2’’’)で示される高分子化合物の繰り返し単位全体に対して平均0モル%を超え50モル%以下の割合で下記一般式(3)で示されるC−O−C基を有する架橋基により分子内及び/又は分子間で架橋されている樹脂とすることもできる。酸不安定基による架橋ポリマーの具体例及び合成は特開平11−190904号公報を参考にすることができる。
【0087】
【化26】
【0088】
(式中、R7、R8は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。また、R7とR8は互いに結合して環を形成してもよく、環を形成する場合にはR7、R8はそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
R9は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、bは0又は1〜10の整数である。AAは、a価(aは1、2又は3であることが好ましい)の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、また、その炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。)
【0089】
好ましくは、式(3)においてR7がメチル基、R8が水素原子、aが1、bが0、AAがエチレン、1,4−ブチレン又は1,4−シクロヘキシレンである。なお、これらC−O−C基を有する架橋基により分子間及び/又は分子内で架橋されている高分子化合物を得る際は、対応する非架橋の高分子化合物とアルケニルエーテルを酸触媒条件下常法により反応させることで合成できる。
【0090】
また、酸触媒条件下で他の酸不安定基の分解が進行する場合には上記のアルケニルエーテルを塩酸等と反応させハロゲン化アルキルエーテルとした後、常法により塩基性条件下高分子化合物と反応させ、目的物を得ることができる。
【0091】
ここで、アルケニルエーテルの具体例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0092】
本発明のレジスト材料において、(A)成分の樹脂としては、上記した通りであるが、その酸不安定基として、フェノール性水酸基には1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−エチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、更に式(3)のR7がメチル基、R8が水素原子、bが0、Aがエチレン、1,4−ブチレン、1,4−シクロヘキシレンで示される置換基が好ましく用いられ、メタクリル酸/アクリル酸のカルボキシル基の水素原子にはtert−ブチル基、tert−アミル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−シクロへキシルシクロペンチル基、1−エチルノルボルニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基で示される置換基で保護されていることが望ましい。
【0093】
これら置換基は同一ポリマー内に単独でも2種以上存在していてもよい。なお、違う種類の置換基を有するポリマーのブレンドでもよい。
【0094】
これら置換基のポリマー中のフェノール及びカルボキシル基に対する置換基率は任意であるが、レジスト材料として基板上に塗布したときの未露光部の溶解速度が0.01〜10Å/秒(オングストローム/秒)とすることが望ましい(2.38%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)現像液を用いる場合)。
【0095】
カルボキシル基の割合が多いポリマーを用いた場合にはアルカリ溶解速度を下げるため置換率を高くする、あるいは後述する非酸分解性の置換基を導入することが必要である。
【0096】
分子内及び/又は分子間架橋の酸不安定基を導入する際には、架橋による置換基率を高分子化合物のフェノール性水酸基全体の20モル%以下、好ましくは10モル%以下にすることが好ましい。置換基率が高すぎる場合には架橋による高分子量化で溶解性、安定性、解像性に劣る場合がある。更に好ましくは10モル%以下の置換率で、他の非架橋性の酸不安定基を架橋ポリマーに導入して溶解速度を上記範囲に調整することが好ましい。
【0097】
ポリp−ヒドロキシスチレンを用いる場合には、tert−ブトキシカルボニル基のような溶解阻止性の強い置換基とアセタール系のような溶解阻止性の弱い置換基では最適な置換基率は異なるが、総置換率を高分子化合物全体のフェノール性水酸基に対して10〜40モル%、好ましくは20〜30モル%とすることが好ましい。
【0098】
これらの酸不安定基を導入したポリマーの好ましい分子量は、重量平均分子量で3,000〜100,000が好ましく、3,000未満ではポリマーとしての能力として劣り、耐熱性が低く、成膜性が十分でない場合が多く、100,000より大きいと、分子量が大きすぎるため、現像液への溶解性、レジスト溶剤への溶解性等に問題を生じる。
【0099】
非架橋系の酸不安定基を用いた場合には分散度は3.5以下、好ましくは1.5以下が好ましい。分散度が3.5より大きいと解像性が劣化する場合が多い。架橋系の酸不安定基を用いる場合には、原料のアルカリ可溶性樹脂の分散度が1.5以下であることが好ましく、架橋系の酸不安定基による保護化の後でも分散度が3以下であることが好ましい。分散度が3より高い場合には溶解性、塗布性、保存安定性、解像性に劣る場合が多い。
【0100】
また、種々の機能をもたせるため、上記酸不安定基保護化ポリマーのフェノール性水酸基、カルボキシル基の一部に置換基を導入してもよい。例えば、基板との密着性を向上するための置換基や、アルカリ現像液への溶解性を調整する非酸分解性基、エッチング耐性向上のための置換基が挙げられ、例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、メトキシメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、4−メチル−2−オキソ−4−オキソラニル基、4−メチル−2−オキソ−4−オキサニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、アセチル基、ピバロイル基、アダマンチル基、イソボロニル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
本発明のレジスト材料中における上記樹脂の添加量としては任意であるが、レジスト材料中の固形分100重量部に対して65〜99重量部、好ましくは70〜98重量部である。なお、上記固形分は、本発明のレジスト材料の溶剤以外の全ての成分の意である。以下、同様。
【0102】
本発明の(B)成分として使用する上記一般式(1)、(1a)で表されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物の具体例は上述したとおりであるが、再び列記すると、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)マレイン酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ノルボルナン2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フタル酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(ベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4’−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メトキシ−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(3−メチル−4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−6−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(1−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−4−スルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0103】
この中でもN−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド、N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2、3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−(4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2、3−ジカルボキシイミド、N−(2,5−ビス(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)コハク酸イミド等が好ましく用いられる。
【0104】
本発明の一般式(1)あるいは(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物のレジスト材料への添加量としては、レジスト材料中の固形分100重量部に対して10重量部以下、好ましくは1〜5重量部である。上記範囲より少なすぎる場合には高分子化合物中の酸不安定基を脱保護するのに有効な酸量が得られない可能性があり、多すぎる場合にはレジスト膜の透過率を下げすぎて、矩形状のパターンが得られない上、レジスト保存中でのパーティクル異常、析出物の問題を起こす可能性がある。上記光酸発生剤、即ち(B)成分は単独でも2種以上混合して用いることができる。
【0105】
また、(C)成分の光酸発生剤として、本発明の上記一般式(1)及び(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物以外の光酸発生剤を添加する場合は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシジカルボキシイミド型酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0106】
スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル−2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0107】
ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0108】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル−2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニルカルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0109】
N−スルホニルオキシジカルボキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボキシイミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシイミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
【0110】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0111】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基のすべてをトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
【0112】
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0113】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
【0114】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤の例としては、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキシルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
【0115】
あるいは米国特許第6004724号明細書、米国特許第6261738号明細書、特開平9−95479号公報、特開平9−208554号公報、特開平9−230588号公報、特許第2906999号公報、特開平9−301948号公報、特開2000−314956号公報、特開2001−233842号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0116】
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシジカルボキシイミドである。中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシジカルボキシイミドである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2、3−カルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2、3−カルボン酸イミド等が挙げられる。
【0117】
本発明のレジスト材料における一般式(1)、(1a)で示される以外の光酸発生剤(C)の添加量は、本発明のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物の効果を妨げない範囲であればいずれでもよいが、レジスト材料中の固形分100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部である。光酸発生剤(C)の割合が多すぎる場合には解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記光酸発生剤(C)は単独でも2種以上混合して用いることができる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
【0118】
また、本発明のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を光酸発生剤として用いるレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
【0119】
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル−2−メチル−2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)−1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
【0120】
本発明のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を光酸発生剤として用いるレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中の固形分100重量部に対して2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。
【0121】
(D)成分の塩基性化合物は、光酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適しており、このような塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0122】
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
【0123】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0124】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0125】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン等)などが例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0126】
更に、下記一般式(D1)で示される塩基性化合物から選ばれる1種又は2種以上を配合することもできる。
N(X’)w(Y)3-w (D1)
(式中、w=1、2又は3である。Yは各々独立に水素原子又は直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、水酸基又はエーテル構造を含んでもよい。X’は各々独立に下記一般式(X’1)〜(X’3)で表される基を示し、2個又は3個のX’が結合して環を形成してもよい。)
【0127】
【化27】
(式中R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R301、R304、R306は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基を示し、ヒドロキシ基、エーテル構造、エステル構造又はラクトン環を1個又は複数個含んでいてもよい。R303は単結合又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
【0128】
上記一般式(D1)で示される塩基性化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−フォルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトン等が例示できる。
【0129】
更に、下記一般式(D2)で示される環状構造を有する塩基性化合物から選ばれる1種又は2種以上を配合することもできる。
【化28】
(式中、X’は上記と同様である。R307は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル構造、エステル構造又はスルフィド構造を1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0130】
上記一般式(D2)で示される環状構造を有する塩基性化合物として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル等が例示できる。
【0131】
更に、下記一般式(D3)〜(D6)で示されるシアノ基を有する塩基性化合物から選ばれる1種又は2種以上を配合することもできる。
【化29】
(式中、X’、R307、wは上記と同様である。R308、R309は各々独立に炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキレン基である。)
【0132】
上記一般式(D3)〜(D6)で示されるシアノ基を有する塩基性化合物として具体的には、具体的には3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)等が例示できる。
【0133】
なお、塩基性化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、レジスト材料中の固形分100重量部に対して0〜2重量部、特に0.01〜1重量部を混合したものが好適である。配合量が2重量部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0134】
(E)成分である有機酸誘導体の例としては、特に限定されるものではないが、具体的にフェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログリシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレンジオキシ二酢酸、1,4−フェニレンジプロパン酸、安息香酸、サリチル酸、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸、4−tert−ブトキシフェニル酢酸、4−(4−ヒドロキシフェニル)酪酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシマンデル酸等が挙げられ、中でもサリチル酸、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸が好適である。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0135】
本発明のレジスト材料中の有機酸誘導体の添加量としては、レジスト材料中の固形分100重量部に対して5重量部以下、好ましくは1重量部以下である。添加量が5重量部より多い場合は解像性を劣化させる可能性がある。なお、レジスト中の組成の組み合わせによりこの有機酸誘導体は添加されなくてもよい。
【0136】
(F)成分の有機溶剤としては、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸3−メトキシブチル、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3−エトキシエチルプロピオネート、3−エトキシメチルプロピオネート、3−メトキシメチルプロピオネート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ジアセトンアルコール、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、テトラメチレンスルホン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。特に好ましいものは、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、乳酸アルキルエステルである。これらの溶剤は単独又は2種以上混合してもよい。好ましい混合溶剤の例はプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートと乳酸アルキルエステルである。なお、本発明におけるプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートのアルキル基は炭素数1〜4のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好適である。また、このプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートには1,2置換体と1,3置換体があり、置換位置の組み合わせで3種の異性体があるが、単独あるいは混合いずれの場合でもよい。
【0137】
また、上記の乳酸アルキルエステルのアルキル基は炭素数1〜4のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好適である。
【0138】
溶剤としてプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートを添加する際には全溶剤に対して50重量%以上とすることが好ましく、乳酸アルキルエステルを添加する際には全溶剤に対して50重量%以上とすることが好ましい。また、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートと乳酸アルキルエステルの混合溶剤を溶剤として用いる際には、その合計量が全溶剤に対して50重量%以上であることが好ましい。この場合、更に好ましくは、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートを60〜95重量%、乳酸アルキルエステルを5〜40重量%の割合とすることが好ましい。プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが少ないと、塗布性劣化等の問題があり、多すぎると溶解性不十分、パーティクル、異物の発生の問題がある。乳酸アルキルエステルが少ないと溶解性不十分、パーティクル、異物の増加等の問題があり、多すぎると粘度が高くなり塗布性が悪くなる上、保存安定性の劣化等の問題がある。
【0139】
これら溶剤の添加量は、レジスト材料の固形分100重量部に対して300〜2,000重量部、好ましくは400〜1,000重量部であるが、既存の成膜方法で可能な濃度であればこれに限定されるものではない。
【0140】
(G)成分の酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が変化する分子量3000以下の化合物(溶解阻止剤)としては、2,500以下の低分子量のフェノールあるいはカルボン酸誘導体の一部あるいは全部を酸に不安定な置換基で置換した化合物を添加することもできる。
【0141】
分子量2,500以下のフェノールあるいはカルボン酸誘導体としては、ビスフェノールA、ビスフェノールH、ビスフェノールS、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールフタレイン、チモールフタレイン等が挙げられ、酸に不安定な置換基としては上記ポリマーの酸不安定基として例示したものを再び挙げることができる。
【0142】
好適に用いられる溶解阻止剤の例としては、ビス(4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(2’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)メタン、ビス(4−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロピラニルオキシ))プロパン、2,2−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−tert−ブトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−(1’’−エトキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−(1’’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)プロパン、4,4−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−tert−ブトキシフェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−(1’’−エトキシエトキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−(1’’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、トリス(4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルフェニル)メタン、トリス(4−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、1,1,2−トリス(4’−(2’’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(2’’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)エタン等が挙げられる。
【0143】
本発明の一般式(1)、(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を光酸発生剤として用いるレジスト材料中の溶解阻止剤(G)の添加量としては、レジスト材料中の固形分100重量部に対して20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。20重量部より多いとモノマー成分が増えるためレジスト材料の耐熱性が低下する。
【0144】
本発明の一般式(1)、(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物は、化学増幅ネガ型レジスト材料の光酸発生剤としても用いることができ、(H)成分のアルカリ可溶性樹脂の例として限定されるわけではないが、上記(A)成分の中間体を挙げることができる。例えば、ポリp−ヒドロキシスチレン、ポリm−ヒドロキシスチレン、ポリ4−ヒドロキシ2−メチルスチレン、ポリ4−ヒドロキシ−3−メチルスチレン、ポリα−メチルp−ヒドロキシスチレン、部分水素加ポリp−ヒドロキシスチレンコポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−α−メチルp−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−α−メチルスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(アクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(メタクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−マレイミド)コポリマー等が挙げられるが、これらの組み合わせに限定されるものではない。
【0145】
好ましくは、ポリp−ヒドロキシスチレン、部分水素添加ポリp−ヒドロキシスチレンコポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸)コポリマーが挙げられる。
【0146】
特に下記単位(2)、(2’)、(2’’)、(2’’’)を含有するアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
【0147】
【化30】
(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。xは0又は正の整数、yは正の整数、yyは0又は正の整数であり、x+y≦5、x+yy≦5を満足する数である。M、Nは正の整数で、0<N/(M+N)≦0.5を満足する数である。A、Bは正の整数、Cは0又は正の整数で、0<B/(A+B+C)≦0.5を満足する数である。ZZはCH2、CH(OH)、CR5(OH)、C=O、C(OR5)(OH)から選ばれる2価の有機基、あるいは−C(OH)=で表される3価の有機基を示す。Fはそれぞれ異なっても同一でもよく正の整数、Hは正の整数であり、H/(H+F)=0.001〜0.1を満足する数である。XXは1あるいは2である。)
【0148】
分子量は重量平均分子量で3,000〜100,000が好ましく、3,000未満ではポリマーとしての能力として劣り、耐熱性が低く、成膜性が十分でない場合が多く、100,000を超えると分子量が大きすぎるため、現像液への溶解性、レジスト溶剤への溶解性等に問題を生じる。また、分散度は3.5以下、好ましくは1.5以下が好ましい。分散度が3.5より大きいと解像性が劣化する場合が多い。製造方法には特に限定されないが、ポリ−p−ヒドロキシスチレン等にはリビングアニオン重合を用いることで分散性の低い(狭分散性の)ポリマーを合成することができる。
【0149】
また、種々の機能をもたせるため、上記酸不安定基保護化ポリマーのフェノール性水酸基、カルボキシル基の一部に置換基を導入してもよい。例えば、基板との密着性を向上するための置換基やエッチング耐性向上のための置換基、特に未露光部、低露光部のアルカリ現像液への溶解速度が高すぎないように制御するため酸やアルカリに比較的安定な置換基を導入することが好ましい。置換基の例として例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、メトキシメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、4−メチル−2−オキソ−4−オキソラニル基、4−メチル−2−オキソ−4−オキサニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、アセチル基、ピバロイル基、アダマンチル基、イソボロニル基、シクロヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、酸分解性の置換基例えば、t−ブトキシカルボニル基や、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等の比較的酸分解しにくい置換基を導入することできる。
【0150】
本発明のレジスト材料中における上記樹脂の添加量としては任意であるが、レジスト材料中の固形分100重量部に対して65〜99重量部、好ましくは70〜98重量部である。
【0151】
また、(I)成分の酸の作用により架橋構造を形成する酸架橋剤として、分子内に2個以上のヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基又はビニルエーテル基を有する化合物が挙げられ、置換グリコウリル誘導体、尿素誘導体、ヘキサ(メトキシメチル)メラミン等が本発明のN−スルホニルオキシジカルボキシイミドを用いた化学増幅ネガ型レジスト材料の酸架橋剤として好適に用いられる。例えば、N,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素とヘキサメトキシメチルメラミン、テトラヒドロキシメチル置換グリコールウリル類及びテトラメトキシメチルグリコールウリルのようなテトラアルコキシメチル置換グリコールウリル類、置換及び未置換ビス−ヒドロキシメチルフェノール類、ビスフェノールA等のフェノール性化合物とエピクロロヒドリン等の縮合物が挙げられる。特に好適な架橋剤は、1,3,5,7−テトラメトキシメチルグリコールウリルなどの1,3,5,7−テトラアルコキシメチルグリコールウリル又は1,3,5,7−テトラヒドロキシメチルグリコールウリル、2,6−ジヒドロキシメチルp−クレゾール、2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシメチル−ビスフェノールA及び1,4−ビス−[2−(2−ヒドロキシプロピル)]−ベンゼン、N,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素とヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。添加量は任意であるが、レジスト材料中の固形分100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。これら架橋剤は単独でも2種以上を併用してもよい。
【0152】
また、(J)成分の分子量2,500以下のアルカリ可溶性化合物としては特に限定されるわけではないが、フェノール基及び/又はカルボキシル基を2つ以上持つものが好ましい。具体的にはクレゾール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログリシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレンジオキシ二酢酸、1,4−フェニレンジプロパン酸、安息香酸、サリチル酸、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸、4−tert−ブトキシフェニル酢酸、4−(4−ヒドロキシフェニル)酪酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシマンデル酸等が挙げられ、中でもサリチル酸、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸が好適である。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。添加量は任意であるが、レジスト材料中の固形分100重量部に対して0〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。
【0153】
本発明のレジスト材料中には、塗布性を向上させるための界面活性剤、基板からの乱反射を少なくするための吸光性材料などの添加剤を加えることができる。
【0154】
界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステリアルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303,EF352(トーケムプロダクツ)、メガファックF171,F172,F173(大日本インキ化学工業)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム)、アサヒガードAG710、サーフロンS−381、S−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106、サーフィノールE1004、KH−10、KH−20、KH−30、KH−40(旭硝子)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341,X−70−092,X−70−093(信越化学工業)、アクリル酸系、又はメタクリル酸系ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業)が挙げられ、中でもFC430、サーフロンS−381、サーフィノールE1004、KH−20、KH−30が好適である。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0155】
本発明のレジスト材料中の界面活性剤の添加量としては、レジスト材料組成物中の固形分100重量部に対して2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0156】
更に、本発明のレジスト材料には紫外線吸収剤を配合することができる。特に限定されるわけではないが、特開平11−190904号公報記載のものを用いることができ、好ましくはビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)スルホキシド、ビス[4−(1−エトキシエトキシ)フェニル]スルホキシド等のジアリールスルホキシド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)スルホン、ビス[4−(1−エトキシエトキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(1−エトキシプロポキシ)フェニル]スルホン等のジアリールスルホン誘導体、ベンゾキノンジアジド、ナフトキノンジアジド、アントラキノンジアジド、ジアゾフルオレン、ジアゾテトラロン、ジアゾフェナントロン等のジアゾ化合物、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとの完全もしくは部分エステル化合物、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロリドと2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノンとの完全もしくは部分エステル化合物等のキノンジアジド基含有化合物等、9−アントラセンカルボン酸tert−ブチル、9−アントラセンカルボン酸tert−アミル、9−アントラセンカルボン酸tert−メトキシメチル、9−アントラセンカルボン酸tert−エトキシエチル、9−アントラセンカルボン酸2−tert−テトラヒドロピラニル、9−アントラセンカルボン酸2−tert−テトラヒドロフラニル等を挙げることができる。上記紫外線吸収剤の配合量は、レジスト材料の種類により添加しても添加されなくてもよいが、添加する場合にはベース樹脂100重量部に対して0〜10重量部、より好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。
【0157】
本発明の上記一般式(1)、(1a)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物と酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性の変化する樹脂を含む化学増幅型レジスト材料を種々の集積回路製造に用いる場合は、特に限定されないが公知のリソグラフィー技術を用いることができる。
【0158】
集積回路製造用の基板(Si,SiO2,SiN,SiON,TiN,WSi,BPSG,SOG,有機反射防止膜等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.1〜2.0μmとなるように塗布し、ホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜120℃、1〜5分間プリベークする。次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線などから選ばれる光源、好ましくは300nm以下の露光波長で目的とするパターンを所定のマスクを通じて露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように露光することが好ましい。ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。
【0159】
更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜193nmの遠紫外線、157nmの真空紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線による微細パターンニングに最適である。なお、上記範囲の上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
【0160】
【実施例】
以下、合成例及び実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
【0161】
[合成例1]4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成
4−フェノールスルホン酸水和物208g(1.0モル)とp−トルエンスルホン酸クロリド191g(1.0モル)をテトラヒドロフラン400gと水250gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム80g(2.0モル)と水125g)を20℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で2時間熟成を行った。この反応液にジクロロメタン700gを加え、4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムを結晶化させ、得られた結晶を濾過し、結晶をジクロロメタン200gで洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥した。収量330g(収率94%)。
【0162】
[合成例2]2,5−ビス(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成
フェノールスルホン酸の代わりにヒドロキノンスルホン酸カリウム1.0モルを用い、p−トルエンスルホン酸クロリドを2.5モル用いる以外は合成例1とほぼ同様にして目的の2,5−ビス(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。
【0163】
[合成例3]6−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウムの合成
2,6−ナフトールスルホン酸ナトリウム水和物50g(0.18モル)とp−トルエンスルホン酸クロリド33.8g(0.18モル)をテトラヒドロフラン100gと水80gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム7.1g(0.18モル)と水30g)を20℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で2時間熟成を行った。この反応液にジクロロメタン600gを加え6−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウムを結晶化させ、得られた結晶を濾過し、結晶をジクロロメタン300gで洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥した。収量62g(収率86%)。
【0164】
[合成例4]4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウムの合成
1,4−ナフトールスルホン酸ナトリウム水和物25g(0.09モル)とp−トルエンスルホン酸クロリド16.8g(0.09モル)をテトラヒドロフラン59gと水23gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム3.5g(0.09モル)と水27g)を20℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で2時間熟成を行った。この反応液にジクロロメタン700gを加え、4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウムを結晶化させ、得られた結晶を濾過し、結晶をジクロロメタン300gで洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥した。収量30g(収率83%)。
【0165】
[合成例5]8−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウムの合成
1,8−ナフトールスルホン酸ナトリウム水和物12.3g(0.05モル)とp−トルエンスルホン酸クロリド9.5g(0.05モル)をテトラヒドロフラン24gと水11gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム2g(0.05モル)と水9g)を20℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で2時間熟成を行った。この反応液にジクロロメタン100gを加え、8−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウムを結晶化させ、得られた結晶を濾過し、結晶をジクロロメタン300gで洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥した。収量17g(収率85%)。
【0166】
[合成例6]3−メトキシ−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成
グアイアコールスルホン酸カリウム水和物50g(0.2モル)とp−トルエンスルホン酸クロリド38g(0.2モル)をテトラヒドロフラン80gと水65gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつ水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム8g(0.2モル)と水15g)を20℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で2時間熟成を行った。この反応液にジクロロメタン200gを加え、3−メトキシ−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムを結晶化させ、得られた結晶を濾過し、結晶をジクロロメタン200gで洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥した。収量72g(収率94%、Na塩として)。
なお、得られた結晶はナトリウム塩、カリウム塩の混合物の可能性があるが、次工程のハロゲン化反応でナトリウムイオン、カリウムイオンとして除去可能であるので特に精製は行わず、次の反応に用いた。
【0167】
[合成例7]4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリドの合成
合成例1記載の4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム20g(0.057モル)を四塩化炭素80gに分散させ、氷冷下、撹拌した。この懸濁液に五塩化リン23.8g(0.114モル)を20℃を超えない温度で加えた。
氷冷下で1時間撹拌し、次いで室温で12時間撹拌した。熟成後、反応液を氷水150gに注ぎ、分離した白色油状物をジクロロメタン100gで抽出し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶剤を減圧留去し白色結晶15.9gを得た(収率81%)。
【0168】
[合成例8〜13]
合成例7記載の4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに合成例2〜6記載のアリールスルホニルオキシアリールスルホン酸塩を用いる以外は合成例7と同様にして対応するスルホニルクロリドを合成した。
合成例8
2,5−ビス(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリド
合成例9
6−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホニルクロリド
合成例10
4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホニルクロリド
合成例11
8−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホニルクロリド
合成例12
3−メトキシ−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリド
合成例13
3−メチル−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリド
【0169】
[合成例14]
N−4’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
合成例7の4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリド7.5g(0.022モル)、東京化成工業社製N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド4.2g(0.024モル)をテトラヒドロフラン37gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつトリエチルアミン2.4g(0.024モル)を5℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で12時間熟成を行った。反応液に水150gを加えて、有機層を分取した。この有機層にジクロロメタン150gを加え、水80gで3回、有機層を洗浄した。溶剤を減圧留去し、メタノールから再結晶した。析出した結晶を濾過、乾燥して、目的のN−4’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド8.21gを得た(収率77%)。
得られたN−4’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドのNMR(核磁気共鳴スペクトル)、IR(赤外吸収スペクトル)のデータを記す。
【0170】
【化31】
1.43−1.56(1H,d,Hc)
1.71−1.80(1H,d,Hc’)
2.31−2.62(3H,s,Hj)
3.22−3.31(2H,dd,Hd)
3.38−3.49(2H,m,Hb)
6.06−6.21(2H,t,Ha)
7.15−7.23(2H,d,Hf)
7.28−7.40(2H,d,Hi)
7.64−7.78(2H,d,Hg)
7.90−8.00(2H,d,He)
(IR:cm-1)
1743,1587,1485,1408,1383,1296,1200,1188,1178,1155,1128,1092,1045,864,852,822,800,785,771,754,719,675,648,624,602,586,565,551
【0171】
[合成例15]N−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−コハク酸イミドの合成
合成例7の4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリド7.5g(0.022モル)、N−ヒドロキシ−コハク酸2.7g(0.024モル)をテトラヒドロフラン37gに溶解した。氷冷下、撹拌しつつトリエチルアミン2.4g(0.024モル)を5℃を超えない温度で滴下し、滴下終了後、室温で12時間熟成を行った。反応液に水120gを加えて、有機層を分取した。この有機層にジクロロメタン150gを加え、水80gで3回、有機層を洗浄した。溶剤を減圧留去し、濃縮途中でメタノールを加え更に溶剤を減圧留去することで結晶化を行った。析出した結晶を濾過、乾燥して目的のN−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−コハク酸イミドを6.7g得た(収率72%)。
得られたN−4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−コハク酸イミドのNMR(核磁気共鳴スペクトル)、IR(赤外吸収スペクトル)のデータを記す。
【0172】
【化32】
2.39−2.47(3H,s,Hf)
2.62−2.76(4H,s,Ha)
7.31−7.42(2H,d,Hc)
7.44−7.54(2H,d,He)
7.70−7.81(2H,d,Hd)
8.03−8.14(2H,d,Hb)
(IR:cm-1)
1743,1410,1388,1371,1200,1178,1159,1092,1055,862,744,679,588,563,549
【0173】
[合成例16〜21]
合成例14の4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリドを合成例8〜13のスルホニルクロリドに代える以外は合成例14と同様に合成した。
合成例16
N−2’,5’−ビス(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
合成例17
N−6’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−2’−スルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
合成例18
N−4’−(4’’−メチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1’−スルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
合成例19
N−8’−(4’’−メチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフタレン−1’−スルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
合成例20
N−3’−メトキシ−4’−(4’’−メチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
合成例21
N−3’−メチル−4’−(4’’−メチルベンゼンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
【0174】
[合成例22〜27]
合成例15の4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルクロリドを合成例8〜13のスルホニルクロリドに代える以外は合成例15と同様に合成した。
合成例22
N−2’,5’−ビス(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−コハク酸イミド
合成例23
N−6’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−2’−スルホニルオキシ−コハク酸イミド
合成例24
N−4’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1’−スルホニルオキシ−コハク酸イミド
合成例25
N−8’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフタレン−1’−スルホニルオキシ−コハク酸イミド
合成例26
N−3’−メトキシ−4’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−コハク酸イミド
合成例27
N−3’−メチル−4’−(4’’−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ−コハク酸イミド
【0175】
[実施例、比較例]
表1〜3に示すレジスト材料を調製した。ここで、表1〜3に挙げるレジスト材料の成分は次の通りである。
重合体A:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基15モル%、tert−ブトキシカルボニル基15モル%づつ保護した、重量平均分子量12,000の重合体。
重合体B:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基30モル%保護した、重量平均分子量12,000の重合体。
重合体C:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基15モル%、tert−ブトキシカルボニル基10モル%づつ保護した、重量平均分子量11,000の重合体。
重合体D:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基25モル%、更に1,2−プロパンジオールジビニルエーテルで3モル%架橋した、重量平均分子量13,000の重合体。
重合体E:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基をtert−ブトキシカルボニル基25モル%保護した、重量平均分子量12,000の重合体。
重合体F:p−ヒドロキシスチレンと2−エチル−2−アダマンチルアクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が70:30、更に重量平均分子量15,000の重合体。
重合体G:p−ヒドロキシスチレンと1−エチル−1−ノルボルネンメタクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が70:30、更に重量平均分子量15,000の重合体。
重合体H:p−ヒドロキシスチレンとtert−ブチルアクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が65:35、更に重量平均分子量15,000の重合体。
重合体I:p−ヒドロキシスチレンと1−エチルシクロペンチルメタクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が65:35、更に重量平均分子量15,000の重合体。
重合体J:p−ヒドロキシスチレンと1−エチルシクロペンチルメタクリレートとスチレンのコポリマーでその組成比(モル比)が65:10:25、更に重量平均分子量12,000の重合体。
重合体K:p−ヒドロキシスチレンとインデンのコポリマーで、その組成比(モル比)が80:20、更にヒドロキシスチレンの水酸基をtert−ブトキシカルボニル基20%保護した、重量平均分子量10,000の重合体。
重合体L:p−ヒドロキシスチレンとインデンと1−エチル−1−ノルボルネンメタクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が70:10:20、更に重量平均分子量10,000の重合体。
重合体M:p−ヒドロキシスチレンとインデンと1−エチル−1−ノルボルネンメタクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が70:15:15、更に重量平均分子量10,000の重合体。
重合体N:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基をアセチル基8モル%で保護した、重量平均分子量8,000の重合体。
PAG1:合成例14記載の化合物
PAG2:合成例15記載の化合物
PAG3:合成例16記載の化合物
PAG4:合成例17記載の化合物
PAG5:(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホンネート
PAG6:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
PAG7:ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン
PAG8:N−4−トルエンスルホニルオキシフタル酸イミド
PAG9:N−10−カンファースルホニルオキシコハク酸イミド
架橋剤A:1,3,5,7−テトラメトキシメチルグリコールウリル
溶解阻止剤:ビス(4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン
塩基性化合物A:トリス(2−メトキシエチル)アミントリ
塩基性化合物B:トリn−ブチルアミン
有機酸誘導体A:4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸
有機酸誘導体B:サリチル酸
界面活性剤A:FC−430(住友スリーエム社製)
界面活性剤B:サーフロンS−381(旭硝子社製)
紫外線吸収剤:9,10−ジメチルアントラセン
溶剤A:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
溶剤B:乳酸エチル
【0176】
得られたレジスト材料を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過した後、このレジスト液を有機反射防止膜(ブリューワーサイエンス社、DUV−44)を800Åに塗布したシリコンウエハー上へスピンコーティングし、0.6μmに塗布した(スピンコーティング、後述のウエハーのベーク、現像には東京エレクトロン社製コーターデベロッパークリーントラック マーク8を用いた)。
次いで、このシリコンウエハーを100℃のホットプレート上で90秒間ベークした。更に、エキシマレーザーステッパー(ニコン社、NSR−S202A NA=0.6)を用い、2/3の輪帯照明を通して露光し、110℃で90秒間ベーク(PEB:post exposure bake)を施し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行うと、ポジ型のパターン(実施例1〜23、比較例1〜3)もしくはネガ型のパターン(実施例24)を得ることができた。
【0177】
得られたレジストパターンを次のように評価した。
レジストパターン評価方法:
0.18μmのラインアンドスペースのトップとボトムを1:1で解像する露光量を最適露光量(感度:Eop)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。また、解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いてレジスト断面を観察した。焦点をずらした場合にレジストパターン形状が矩形性を保ちつつ、かつレジストパターンの膜厚が(焦点が合っている場合に比べて)8割を保っているものを有効として焦点深度の深さ(Depth of Focus)を測定した。
なお、レジストのPED安定性は、最適露光量で露光後、24時間の放置後PEB(post exposure bake)を行い、線幅の変動値で評価した。この変動値が少ないほどPED安定性に富む。
レジストパターン評価結果を表4に示す。
パターン評価以外の評価方法:
レジスト材料の混合溶剤への溶解性は目視及び濾過時の詰まりの有無で判断した。
塗布性に関しては、目視で塗りむらの有無、及び、膜厚計(大日本スクリーン社製、光干渉式膜厚測定装置、ラムダエース VM−3010)を用いて同一ウエハー上での膜厚のばらつきが塗布膜厚(0.6μm)に対して0.5%以内(0.003μm以内)であるとき良好、0.5%より多く1%以内であるときやや悪、1%より多いとき悪と表記した。
保存安定性は、経時変化における異物の析出あるいは感度変化で判断した。異物は最長100日間、パーティクルカウンター(リオン社製、KL−20A)でレジスト溶液1ml中に含まれる0.3μm以上の粒子の数が5個以下であること、あるいは製造直後からの感度(上述のEop)の経時変化の変動が5%以内のものを良好とし、それ以上のものを悪と表記した。
以上の結果を表5に示す。
【0178】
【表1】
【0179】
【表2】
【0180】
【表3】
【0181】
【表4】
**0.18μmのDOF測定の際に焦点をマイナス側に−0.4μmずらした時のパターン形状
【0182】
【表5】
【0183】
【発明の効果】
本発明のN−アリールスルホニルオキシアリールスルホニルオキシジカルボキシイミド化合物及びそれを用いた化学増幅型レジスト材料は、N−スルホニルオキシジカルボキシイミドにアリールスルホニルオキシアリールスルホニルオキシ基を含有することより、解像性、焦点余裕度に優れ、PEDが長時間にわたる場合にも線幅変動、形状劣化が少なく、現像後のパターンプロファイル形状に優れ、微細加工に適した高解像性を有し、特に遠紫外線リソグラフィーにおいて大いに威力を発揮する。
Claims (15)
- 下記一般式(1)で示されるN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物。
- 請求項1又は2記載のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物からなる化学増幅型レジスト材料用の光酸発生剤。
- (A)酸の作用でアルカリ現像液に対する溶解性が変化する樹脂、
(B)放射線照射により酸を発生する請求項1又は2記載のN−スルホニルオキシジカルボキシイミド化合物を含むことを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 - 更に、(C)上記(B)成分以外の放射線照射により酸を発生する化合物を含む請求項4記載のレジスト材料。
- (A)成分の樹脂が、C−O−C結合を有し、酸の作用で該C−O−C結合が切断することによりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する置換基を有する樹脂である請求項4又は5記載のレジスト材料。
- (A)成分の樹脂が、フェノール性水酸基の水素原子が1種又は2種以上の酸不安定基によってフェノール性水酸基の水素原子全体の平均0モル%を超え80モル%以下の割合で置換されている重量平均分子量3,000〜100,000の高分子化合物である請求項6記載のレジスト材料。
- (A)成分の樹脂が、p−ヒドロキシスチレン及び/又はα−メチル−p−ヒドロキシスチレン単位と、そのフェノール性水酸基の水素原子の一部が1種又は2種以上の酸不安定基により部分置換された単位を含み、(A)成分の樹脂全体の繰り返し単位に対して酸不安定基を有する繰り返し単位が平均0モル%を超え80モル%以下の割合で含まれている下記一般式(2a)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量3,000〜100,000の高分子化合物である請求項7記載のレジスト材料。
- (A)成分の樹脂が、下記一般式(2a’)の繰り返し単位を有する高分子化合物であって、該高分子化合物中におけるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルに基づく単位が平均0モル%を超え50モル%以下の割合で含有されており、(A)成分の樹脂全体の繰り返し単位に対して酸不安定基を有する繰り返し単位が平均0モル%を超え80モル%以下の割合で含まれている重量平均分子量3,000〜100,000の高分子化合物である請求項6記載のレジスト材料。
- (A)成分の樹脂が、下記一般式(2a’’)の繰り返し単位を有する高分子化合物であって、該高分子化合物中におけるインデン及び/又は置換インデンに基づく単位が平均0モル%を超え50モル%以下の割合で含有されており、(A)成分の樹脂全体の繰り返し単位に対して酸不安定基を有する繰り返し単位が平均0モル%を超え80モル%以下の割合で含まれている重量平均分子量3,000〜100,000の高分子化合物である請求項6記載のレジスト材料。
- 酸不安定基が、下記一般式(4)〜(7)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、炭素数7〜20のアリール基置換アルキル基から選ばれるものである請求項6乃至10のいずれか1項記載のレジスト材料。
R13は炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(4)で示される基である。zは0〜6の整数である。
R14は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、hは0又は1、iは0、1、2、3のいずれかであり、2h+i=2又は3を満足する数である。
R15は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、R16〜R25はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい1価の炭化水素基を示し、R16〜R25は互いに環を形成していてもよく、その場合には炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基を示す。また、R16〜R25は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい。) - 更に、(D)塩基性化合物を配合することを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項記載のレジスト材料。
- 更に、(E)有機酸誘導体を配合することを特徴とする請求項4乃至12のいずれか1項記載のレジスト材料。
- 溶剤の成分としてプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート及び/又は乳酸アルキルエステルを含む請求項4乃至13のいずれか1項記載のレジスト材料。
- (i)請求項4乃至14のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、
(ii)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線又は電子線で露光する工程と、
(iii)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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