JP4207115B2 - リン系有機基含有高分子を含む反射防止膜形成組成物 - Google Patents
リン系有機基含有高分子を含む反射防止膜形成組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4207115B2 JP4207115B2 JP2002376333A JP2002376333A JP4207115B2 JP 4207115 B2 JP4207115 B2 JP 4207115B2 JP 2002376333 A JP2002376333 A JP 2002376333A JP 2002376333 A JP2002376333 A JP 2002376333A JP 4207115 B2 JP4207115 B2 JP 4207115B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antireflection film
- lithography
- composition
- forming composition
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は反射防止膜材料用組成物に関し、詳しくは半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、基板上に塗布されたフォトレジスト層への露光照射光の基板からの反射を軽減させる反射防止膜材料用組成物に関する。より詳細には波長157nm、193nm、248nm、365nmの露光照射光を用いて行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、基板からの反射光を効果的に吸収する高分子化合物を含有する反射防止膜形成組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)からArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜(BottomAnti−Reflective Coating:BARC)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。
【0003】
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機反射防止膜と、吸光性物質と高分子化合物とからなる有機反射防止膜が知られている。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、後者は特別の設備を必要としない点で有利とされ数多くの検討が行われている。架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜(例えば、特許文献1参照)、架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するノボラック樹脂型反射防止膜(例えば特許文献2参照)等が挙げられる。
【0004】
有機系反射防止膜用材料として望まれる物性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないこと(フォトレジスト溶剤に不溶であること)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜材料から上塗りフォトレジスト中への低分子拡散物がないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等がある。(例えば非特許文献1、2及び3を参照)
ところで、これまでの反射防止膜の技術の検討は主として波長が365nm、248nm、193nmの照射光を用いたリソグラフィープロセスに関して行われてきていた。そして、そのような検討の中で各波長の光を効率良く吸収する吸光成分、吸光基が開発され、有機系反射防止膜組成物の一つの成分として利用されるようになってきている。例えば365nmの照射光については4−ヒドロキシアセトフェノンと4−メトキシベンズアルデヒドとの縮合によって生じたカルコン染料が有効であることが知られており(例えば特許文献3を参照)、248nmの照射光については特定の構造を有するナフタレン基含有ポリマーが大きな吸光度を示すということが知られており(例えば特許文献4参照)、そして193nmの照射光についてはフェニル基単位を含む樹脂バインダー組成物が優れているということが記載されている(例えば特許文献5を参照)。
【0005】
有機反射防止膜材料として望まれる物性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないこと(フォトレジスト溶剤に不溶であること)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜材料から上塗りレジスト中への低分子拡散物がないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等がある。
【0006】
近年、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーを使用したリソグラフィープロセスにおいて加工寸法の微細化、すなわち、形成されるフォトレジストパターンサイズの微細化が進んできている。フォトレジストパターンの微細化が進行すると、それに伴い、フォトレジストパターンの倒壊等を防止するためにフォトレジストの薄膜化が望まれるようになってきている。そして、フォトレジストを薄膜で使用する場合においては、共に使用される有機反射防止膜のエッチングによる除去工程におけるフォトレジスト層の膜厚の減少を抑制するために、より短時間でエッチングによる除去が可能な有機反射防止膜が望まれるようになってきている。すなわち、エッチング除去工程を短時間化するために、これまでよりも薄膜で使用可能な有機反射防止膜、或いはこれまでよりも大きなフォトレジストとのエッチング速度の選択比を持つ有機反射防止膜が要求されるようになってきている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5919599号明細書
【特許文献2】
米国特許第5693691号明細書
【特許文献3】
特表平11−511194号公報
【特許文献4】
特開平10−186671号公報
【特許文献5】
特開2000−187331号公報
【非特許文献1】
Proc.SPIE,Vol.3678,174−185(1999)
【非特許文献2】
Proc.SPIE,Vol.3678,800−809(1999)
【非特許文献3】
Proc.SPIE,Vol.2195,225−229(1994)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は短波長の光、特に波長157nm、193nm、248nm、365nmの光に強い吸収を有す反射防止膜のためのリソグラフィー用反射防止膜形成組成物に関するものである。特に、本発明は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の照射光を使用して行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いることのできる反射防止膜形成組成物を提供することである。また本発明は、ArFエキシマレーザーの照射光を微細加工に使用する際に基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさず、その後の除去工程の際に迅速に除去することができ、フォトレジストに比較して大きなドライエッチング速度を有するリソグラフィー用反射防止膜のための反射防止膜形成組成物を提供すること、並びに該反射防止膜形成組成物を用いたリソグラフィー用反射防止膜の形成方法、及びフォトレジストパターンの形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明は第 1 観点として、リン原子を含む有機基により少なくとも1つ置換されたジエン化合物の重合体である高分子化合物を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第2観点として、ジエン重合体がcis−1,4−構造、trans−1,4−構造、又は1,2−構造からなる置換されたブタジエン重合体である第 1 観点に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第3観点として、高分子化合物が式(1):
【0010】
【化2】
(式中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示し、R5はアルキル基又は芳香族基を示し、mは1〜6000の整数で示される繰り返し単位の数である。)の繰り返し単位の構造を有する第1観点又は第2観点に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第4観点として、高分子化合物が上記式(1)で示される繰り返し単位の構造と、架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位の構造とを有する共重合体である第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第5観点として、高分子化合物が700〜1000000の重量平均分子量を有するものである第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物、
第6観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成することにより得られ、波長193nmの光に対する減衰係数k値が0.20〜0.50となる半導体装置の製造に用いる反射防止膜、
第7観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し、80〜300℃で焼成することにより得られる半導体装置の製造に用いる反射防止膜の製造方法、及び
第8観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板に塗布し焼成して得られる反射防止膜上にフォトレジストを被覆し、この反射防止膜とフォトレジストを被覆した基板を露光し、現像し、エッチングにより基板上に画像を転写して集積回路素子を形成する半導体装置の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、リン原子を含有する高分子化合物を含むことを特徴とするリソグラフィー用反射防止膜形成組成物に関するものである。そして、短波長の照射光、特にF2エキシマレーザー(波長157nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、I線(365nm)の照射光を使用して行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いることのできる反射防止膜形成組成物に関するものである。
【0013】
本願発明は、リン原子を含有する高分子化合物を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物である。この高分子化合物はリン原子を含む有機基により少なくとも1つ置換されたジエン化合物の重合体である。
【0014】
上記高分子化合物は、リン原子を含む有機基がホスホン酸エステルから誘導される一価の有機基であることが好ましく、ホスホン酸エステルとしてはホスホン酸モノエステル又はホスホン酸ジエステルが挙げられ、これらの構造が高分子を構成する主鎖及び/又は側鎖に有するものである。
【0015】
上記ジエン重合体はcis−1,4−構造、trans−1,4−構造、又は1,2−構造からなる置換されたブタジエン重合体である。これら構造はそれぞれ単独でも、任意の割合の混合物でも用いることができる。1,4−構造の場合にはリン原子を含む有機基を主鎖に置換するケースであり、また、1,2−構造の場合にはリン原子を含む有機基を主鎖に置換するケースと側鎖に置換するケースがある。本願発明ではいずれの形で導入されたケースでも使用することができる。
【0016】
上記高分子化合物としては式(1)で挙げられる繰り返し単位の構造を少なくとも1つ有することが好ましい。式(1)でR1、R2、R3、及びR4はそれぞれ水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示し、R5はアルキル基又は芳香族基を示す。アルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖或いは分岐したアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族基としては単素数1〜10の直鎖或いは分岐したアルキル基、メトキシ基、アセチル基、単素数1〜10の直鎖或いは分岐したアルキルエステル基、アミド基、ニトロ基、ホルミル基等で置換された芳香族基、例えばトルイル基、メトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、アセチルフェニル基、アミドフェニル基、ニトロフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。
【0017】
R4、R5のどちらかのうち、少なくとも一方はアルキル基又は芳香族基であり、モノエステル構造、ジエステル構造を取ることが出来る。式(1)の繰り返し単位の構造を有する高分子化合物は、その高分子化合物中で式(1)は全てがモノエステル構造であるか、又は全てがジエステル構造である。また、高分子化合物中で部分的にモノエステル構造とジエステル構造が混在するものも使用することができる。しかし、上記の高分子化合物中の全ての式(1)中のR4、R5が共にエステルであるジエステル構造を取ることが好ましい。
【0018】
式(1)の繰り返し単位mは1〜6000の整数、好ましくは1〜600の整数である。
【0019】
式(1)では、例えばランダム共重合体や交互共重合体の場合はm=1の整数を取りうる。そして、式(1)の構造の隣には以下に記載する架橋形成可能な置換基を有する構造が続くことができる。ブロック共重合体の場合は2〜6000の任意のmの整数を取り、そのブロックの隣には架橋形成可能な置換基を有する構造のブロックが続くことができる。グラフト共重合体では2〜6000の任意のmの整数の主鎖を有し、主鎖から枝分かれして架橋形成可能な置換基を有する構造が接続する。また、ホモポリマーである場合では2〜6000の任意のmの整数を有するものである。
【0020】
式(1)の構造を有するジエンモノマーは、例えば五塩化リンとブタジエンとを反応させた後、水を反応させることにより調製される4-クロロ-2-ブテニルホスホン酸ジクロリドに対し対応するアルコールとトリエチルアミンを作用させることにより製造することができる。
【0021】
上記高分子化合物は式(1)の繰り返し単位からなる単独重合体として用いることができるが、上記式(1)の繰り返し単位の構造と架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位の構造とを有する共重合体として用いることもできる。共重合体としてはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体として用いることが可能である。上記の架橋形成可能な置換基としてはアミノ基、水酸基、カルボン酸基、チオール基などが挙げられ、これらの置換基は高分子化合物の主鎖及び/又は側鎖に導入されているものである。そして導入されている架橋形成置換基の種類は一種でも二種以上であってもよい。これらの架橋形成可能な置換基は、架橋剤を加えて加熱焼成時に架橋形成反応を起こすことが出来る。そしてこのような架橋形成は、焼成により形成される反射防止膜とその上に塗布されるフォトレジストとの間のインターミキシングを防ぐ効果がある。
【0022】
式(1)の繰り返し単位の構造を形成するモノマーと、架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位の構造を形成するモノマーは、モル比が、90:10〜10:90で所望とする効果が得られる。
【0023】
また、上記の高分子化合物は、式(1)の繰り返し単位の構造を形成するモノマー、架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位の構造を形成するモノマーに加えて、更にこれらに非架橋性の構造を形成するモノマーを共重合することも可能であり、これによりドライエッチング速度、反射率、下地基板との密着性等の微調整が行える。
【0024】
式(1)の繰り返し単位の構造を形成するモノマー、架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位の構造を形成するモノマー、及び非架橋性の構造を形成するモノマーは、モル比でが、80:10:10〜10:80:10〜10:10:80で所望とする効果が得られる。
【0025】
このような非架橋性の共重合モノマーとしては以下のものが挙げられる。例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0026】
アクリル酸エステル類としては、例えばエステル部分は、メチル、エチル、ノルマルプロピル、ノルマルブチルのような直鎖アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシルのような脂環式アルキル基、トリクロロエチル、トリフルオロエチルのようなハロゲン原子で置換されたアルキル基、ベンジルのような芳香族で置換されたアルキル基等をあげることができる。
【0027】
メタクリル酸エステル類としては、例えばエステル部分は、メチル、エチル、ノルマルプロピル、ノルマルブチルのような直鎖アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシルのような脂環式アルキル基、トリクロロエチル、トリフルオロエチルのようなハロゲン原子で置換されたアルキル基、ベンジルのような芳香族で置換されたアルキル基等が挙げられる。
【0028】
アクリルアミド類としては、アクリルアミドや、N−アルキルアクリルアミド、N−アリールアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−アリールアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0029】
メタクリルアミド類としては、例えばメタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−アリールメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N,N−ジアリールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどが挙げられる。
【0030】
ビニルエーテル類としては、例えばアルキルビニルエーテル、ビニルアリールエーテルが挙げられる。
【0031】
ビニルエステル類としては、例えばビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテートが挙げられる。
【0032】
スチレン類としては、例えばスチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲン化スチレン、ヒドロキシスチレン、カルボキシスチレンが挙げられる。
【0033】
クロトン酸エステル類としては、例えばクロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネート等のクロトン酸アルキルが挙げられる。
【0034】
また、イタコン酸ジアルキル類、マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等が挙げられる。その他、一般的には前記式(1)の繰り返し単位を形成するモノマー、及び架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位を形成するモノマーと共重合可能である付加重合性不飽和化合物であれば用いる事が出来る。
【0035】
上記の高分子化合物は繰り返し単位の数m、置換基の種類、架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位、非架橋性の構造を有する繰り返し単位の割合等を考慮して、重量平均分子量は700〜1000000、好ましくは700〜500000、さらに好ましくは900〜300000である。
【0036】
上記の重合体は単独重合体、及び共重合体もラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、縮合重合などの方法により合成することができる。その形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの種々の方法が可能である。
【0037】
本願発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物は、リン原子を含有する高分子化合物とそれを溶解する溶媒を必須成分として含有する。その他の成分として架橋触媒や、任意の添加剤を必要に応じて含有しうるものである。このリソグラフィー用反射防止膜形成組成物は任意成分も含めた全固形分は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。上記高分子化合物は全固形分100重量部に対して10〜99重量部、好ましくは、50〜90重量部である。
【0038】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物は、上塗りするフォトレジストとのインターミキシングを防ぐ意味で、塗布後加熱により架橋させることが好ましく、本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物はさらに架橋剤成分を含むことができる。その架橋剤としては、メチロール基、メトキシメチル基等の架橋形成置換基を有するメラミン系化合物や置換尿素系化合物や、エポキシ基を含有する高分子化合物等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコウリル、またはメトキシメチル化メラミンなどの化合物であり、特に好ましくは、テトラメトキシメチルグリコールウリル、またはヘキサメトキシメチロールメラミンである。架橋剤の添加量は、使用する塗布溶剤、使用する下地基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全固形分100重量部に対して10〜80重量部、好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは10〜40重量部である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、本発明の高分子化合物中に架橋形成置換基が存在する場合は、それらの架橋形成置換基と架橋反応を起こすことができる。
【0039】
本発明では架橋反応を促進するための触媒として、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸などの酸性化合物又は/及び、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシラート、2−ニトロベンジルトシラート等の熱酸発生剤を配合する事が出来る。配合量はリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の全固形分100重量部当たり、0.02〜10重量部、好ましくは0.04〜5重量部である。
【0040】
本発明の反射防止膜形成組成物は、リソグラフィー工程で上層に被覆されるフォトレジストとの酸性度を一致させる為に、光酸発生剤を添加する事が出来る。好ましい光酸発生剤としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類、ベンゾイントシレート、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等のスルホン酸系光酸発生剤類等が挙げられる。上記光酸発生剤はリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の全固形分100重量部当たり0.02〜3重量部、好ましくは0.04〜2重量部である。
【0041】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物には、上記以外に必要に応じて更なる吸光剤、レオロジー調整剤、接着補助剤、界面活性剤などを添加することができる。
【0042】
更なる吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や「染料便覧」(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.DisperseYellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124;C.I.DisperseOrange1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73;C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210;C.I.DisperseViolet 43;C.I.Disperse Blue 96;C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163;C.I.SolventOrange2及び45;C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49;C.I.Pigment Green10;C.I.Pigment Brown 2等を好適に用いることができる。上記吸光剤は通常、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物の全固形分100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で配合される。
【0043】
レオロジー調整剤は、主にリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の流動性を向上させ、特にベーク工程において、ホール内部への反射防止膜形成組成物の充填性を高めるための目的で添加される。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸誘導体、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸誘導体、またはノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸誘導体を挙げることができる。これらのレオロジー調整剤は、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物の全固形分100重量部に対して通常30重量部未満の割合で配合される。
【0044】
接着補助剤は、主に基板あるいはレジストと反射防止膜形成組成物の密着性を向上させ、特に現像においてレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’ ービス(トリメチルシリン)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2ーメルカプトベンズイミダゾール、2ーメルカプトベンズチアゾール、2ーメルカプトベンズオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環状化合物や、1,1ージメチルウレア、1,3ージメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。これらの接着補助剤は、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物の全固形分100重量%に対して通常5重量%未満、好ましくは2重量%未満の割合で配合される。
【0045】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物には、ピンホールやストレーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、メガフアツクF171、F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物の全固形分100重量部当たり通常0.2重量部以下、好ましくは0.1重量部以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
【0046】
本発明で、上記ポリマーを溶解させる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2ーヒドロキシプロピオン酸エチル、2ーヒドロキシー2ーメチルプロピオン酸エチル、エトシキ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2ーヒドロキシー3ーメチルブタン酸メチル、3ーメトキシプロピオン酸メチル、3ーメトキシプロピオン酸エチル、3ーエトキシプロピオン酸エチル、3ーエトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、または2種以上の組合せで使用される。
【0047】
さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。これらの溶剤の中でプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、及びシクロヘキサノンがレベリング性の向上に対して好ましい。
【0048】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物より作製した反射防止膜は、半導体製造のリソグラフィープロセスで用いられる照射光、特に波長157nm、193nm、248nm、365nmの照射光を効率よく吸収する性質を有しており、速いエッチング速度を有するものである。
【0049】
本発明における反射防止膜の上層に塗布されるフォトレジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用できる。光酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーからなる化学増幅型レジスト、アルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤と酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、光酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物からなる化学増幅型レジストなどがある。例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330−334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357−364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365−374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
【0050】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料を使用して形成した反射防止膜を有するポジ型フォトレジストの現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジーn−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンである。
【0051】
本発明ではリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成することにより得られ、波長193nmの光に対する減衰係数k値が0.20〜0.50となる半導体装置の製造に用いる反射防止膜が得られる。
【0052】
また、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し、80〜300℃、好ましくは80〜250℃、更に好ましくは150〜250℃で焼成することにより半導体装置の製造に用いる反射防止膜が得られる。
【0053】
そして、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板に塗布し焼成して得られる反射防止膜上にフォトレジストを被覆し、この反射防止膜とフォトレジストを被覆した基板を露光し、現像し、エッチングにより基板上に画像を転写して集積回路素子を形成する半導体装置が得られる。
【0054】
より具体的にはフォトレジストパターン形成法は、精密集積回路素子の製造に使用される基板(例えばシリコン/二酸化シリコン被覆、ガラス基板、ITO基板などの透明基板)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により反射防止膜形成組成物を塗布後、ベークして硬化させ反射防止膜を作成する。ここで、反射防止膜の膜厚としては0.01〜3.0μmが好ましい。また塗布後ベークする条件としては80〜250℃で1〜120分間である。その後フォトレジストを塗布し、所定のマスクを通して露光し、現像、リンス、乾燥することにより良好なフォトレジストパターンを得ることができる。必要に応じて露光後加熱(PEB:PostExposure Bake)を行うこともできる。そして、フォトレジストが前記工程により現像除去された部分の反射防止膜をドライエッチングにより除去し、所望のパターンを基板上に形成することができる。
【0055】
本発明のリン原子を含有する高分子化合物を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物より作製した反射防止膜は、波長193nm、の照射光を効率よく吸収する性質を有している。その為、基板からの反射光の防止効果が高く、その結果、上層のフォトレジストパターンを良好に形成することができるものである。
【0056】
さらに、本発明により得られるリソグラフィー用反射防止膜は、プロセス条件によっては、反射光を防止する機能と、更には基板とフォトレジストとの相互作用の防止或いは、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する膜としての使用が可能である。
【0057】
【実施例】
合成例1
式(2):
【0058】
【化3】
【0059】
で示されるブタジエンホスホン酸ジエチルエステル5.23g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート5.23g、ベンジルメタクリレート5.39gをプロピレングリコールモノメチルエーテル54gに溶解させ、窒素雰囲気とした。溶液を70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.16gをプロピレングリコールモノメチルエーテル10gに溶解した溶液を滴下した。窒素雰囲気下24時間反応させ高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量Mw8900であった。
【0060】
合成例2
ブタジエンホスホン酸ジエチルエステル1.58g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート8.87g、ベンジルメタクリレート5.39gをプロピレングリコールモノメチルエーテル54gに溶解させ、窒素雰囲気とした。溶液を70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.16gをプロピレングリコールモノメチルエーテル10gに溶解した溶液を滴下した。窒素雰囲気下24時間反応させ高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量Mw29000であった。
【0061】
合成例3
式(3):
【0062】
【化4】
【0063】
で示されるブタジエンホスホン酸ジメチルエステル5.23g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート5.23g、ベンジルメタクリレート5.39gをプロピレングリコールモノメチルエーテル54gに溶解させ、窒素雰囲気とした。溶液を70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.16gをプロピレングリコールモノメチルエーテル10gに溶解した溶液を滴下した。窒素雰囲気下24時間反応させ高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量Mw3900であった。
【0064】
合成例4
ブタジエンホスホン酸ジエチルエステル1.58g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート8.87g、ベンジルメタクリレート5.39gをプロピレングリコールモノメチルエーテル54gに溶解させ、窒素雰囲気とした。溶液を70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.16gをプロピレングリコールモノメチルエーテル10gに溶解した溶液を滴下した。窒素雰囲気下24時間反応させ高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量Mw26000であった。
【0065】
実施例1
上記合成例1で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gと、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.05gを混合し、溶媒のプロピレングリコールモノメチルエーテル56.7gを加え溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜形成組成物の溶液を調製した。
【0066】
実施例2
上記合成例2で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gと、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.05gを混合し、溶媒のプロピレングリコールモノメチルエーテル56.7gを加え溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜形成組成物の溶液を調製した。
【0067】
フォトレジスト溶剤への溶出試験
実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をレジストに使用する溶剤である乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルに浸漬し、その溶剤に不溶であることを確認した。
【0068】
フォトレジストとのインターミキシングの試験
実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。このリソグラフィー用反射防止膜の上層に、市販のフォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名APEX−E等)をスピナーを用いて塗布した。ホットプレート上で90℃1分間加熱し、フォトレジストを露光後、露光後加熱(PEB:Post ExposureBake)を90℃1.5分間行った。フォトレジストを現像させた後、反射防止膜の膜厚を測定しその膜厚に変化がないことより、実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液から得たリソグラフィー用反射防止膜とフォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないことを確認した。
光学パラメーターの試験
実施例1〜2で調製した反射防止膜形成組成物溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.06μm)を形成した。そして、これらの反射防止膜を分光エリプソメーターを用い、波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定した。結果を表1に示す。
【0069】
ドライエッチング速度の測定
実施例1〜2及び比較例1で調製した反射防止膜形成組成物溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間焼成し、反射防止膜を形成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度を測定した。また、同様にフォトレジスト溶液(住友化学工業(株)製、商品名PAR710)を、スピナーを用い、シリコンウェハー上に塗膜を作成した。そして日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下でドライエッチング速度を測定した。実施例1〜2の反射防止膜と住友化学工業(株)製フォトレジスト、商品名PAR710のドライエッチング速度との比較を行った。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
表1
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
屈折率 減衰係数 対フォトレジスト
(n値) (k値) ドライエッチング
速度選択比
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 1.80 0.26 1.37
実施例2 1.81 0.31 1.31
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
これにより本発明の反射防止膜材料は、波長193nmの光に対して十分に高い減衰係数k値をもち、フォトレジストに対して高いエッチング選択比を持つ。それにより、優れたボトム型有機系反射防止膜を提供することができるといえる。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、波長193nmの光に強い吸収を有する反射防止膜を形成する為の組成物である。得られた反射防止膜は、基板からの反射光を効率よく吸収するものであり、フォトレジストに対して高いエッチング選択比を持つ。
【0072】
本発明により、F2エキシマレーザー(波長193nm)の照射光を微細加工に使用する際の基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさない、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物を提供することができる。
Claims (8)
- リン原子を含む有機基により少なくとも1つ置換されたジエン化合物の重合体である高分子化合物を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
- ジエン重合体がcis−1,4−構造、trans−1,4−構造、又は1,2−構造からなる置換されたブタジエン重合体である請求項1に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
- 高分子化合物が上記式(1)で示される繰り返し単位の構造と、架橋形成可能な置換基を有する繰り返し単位の構造とを有する共重合体である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
- 高分子化合物が700〜1000000の重量平均分子量を有するものである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成することにより得られ、波長193nmの光に対する減衰係数k値が0.20〜0.50となる半導体装置の製造に用いる反射防止膜。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し、80〜300℃で焼成することにより得られる半導体装置の製造に用いる反射防止膜の製造方法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のリソグラフィー用反射防止膜形成組成物を基板に塗布し焼成して得られる反射防止膜上にフォトレジストを被覆し、この反射防止膜とフォトレジストを被覆した基板を露光し、現像し、エッチングにより基板上に画像を転写して集積回路素子を形成する半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376333A JP4207115B2 (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | リン系有機基含有高分子を含む反射防止膜形成組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376333A JP4207115B2 (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | リン系有機基含有高分子を含む反射防止膜形成組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004205900A JP2004205900A (ja) | 2004-07-22 |
JP4207115B2 true JP4207115B2 (ja) | 2009-01-14 |
Family
ID=32813824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002376333A Expired - Lifetime JP4207115B2 (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | リン系有機基含有高分子を含む反射防止膜形成組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4207115B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4836134B2 (ja) * | 2005-11-04 | 2011-12-14 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 新規リン含有アルカジエン重合体及びその製造方法 |
JP4736039B2 (ja) * | 2005-11-25 | 2011-07-27 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | シクロアルキリデニル基をもつリン含有重合体及びその製造方法 |
WO2011050533A1 (en) * | 2009-10-30 | 2011-05-05 | Rhodia (China) Co., Ltd. | Method for preparing conjugated diene phosphonate compounds |
CN103619857B (zh) * | 2011-04-29 | 2016-10-26 | 索尔维投资有限公司 | 用于弹性体组合物的新的偶联剂 |
WO2012145924A1 (en) * | 2011-04-29 | 2012-11-01 | Rhodia (China) Co., Ltd. | New coupling agents for elastomer compositions |
TWI602027B (zh) | 2012-02-09 | 2017-10-11 | 日產化學工業股份有限公司 | 光阻下層膜形成組成物 |
WO2022102304A1 (ja) * | 2020-11-10 | 2022-05-19 | Jsr株式会社 | 下層膜形成用組成物、下層膜、及び、リソグラフィープロセス |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002376333A patent/JP4207115B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004205900A (ja) | 2004-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4038688B2 (ja) | 反射防止膜形成組成物 | |
US7425403B2 (en) | Composition for forming anti-reflective coating for use in lithography | |
KR100945435B1 (ko) | 리소그래피용 반사방지막 형성 조성물 | |
KR101342024B1 (ko) | 나프탈렌 수지 유도체를 함유하는 리소그래피용 도포형 하층막 형성 조성물 | |
JP3918942B2 (ja) | リソグラフィー用反射防止膜形成組成物 | |
JP5561494B2 (ja) | Euvリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物 | |
US9384977B2 (en) | Method of manufacturing semiconductor device using organic underlayer film forming composition for solvent development lithography process | |
JP3852593B2 (ja) | 反射防止膜形成組成物 | |
JP5447832B2 (ja) | 電子線リソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物 | |
KR100838000B1 (ko) | 리소그래피용 반사 방지막 형성 조성물 | |
JP4221610B2 (ja) | アクリル系ポリマーを含有するリソグラフィー用ギャップフィル材形成組成物 | |
JP4250939B2 (ja) | 反射防止膜形成組成物 | |
JP4051538B2 (ja) | リソグラフィー用反射防止膜形成組成物 | |
JP4243825B2 (ja) | リソグラフィー用反射防止膜形成組成物 | |
JP4687910B2 (ja) | 硫黄原子を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物 | |
JP4207115B2 (ja) | リン系有機基含有高分子を含む反射防止膜形成組成物 | |
JP2002333717A (ja) | リソグラフィー用反射防止膜形成組成物 | |
JP4164638B2 (ja) | 反射防止膜形成組成物 | |
JP2016145849A (ja) | トリヒドロキシナフタレンノボラック樹脂を含むレジスト下層膜形成組成物 | |
JP4840554B2 (ja) | 反射防止膜の表面エネルギーの調整方法 | |
JP4753018B2 (ja) | 付加重合性樹脂を含むリソグラフィー用反射防止膜形成組成物 | |
JP4214385B2 (ja) | シリコン原子を側鎖に有するポリマーを含む反射防止膜形成組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080716 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080828 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080925 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081008 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4207115 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |