JP4192419B2 - 掘削工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具本体の先端部に切削式のビットが取り付けられた切削式の掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の切削式ビットを取り付けた掘削工具としては、例えば特開平10−140959号公報に、工具本体の先端に切削半径が可変な拡縮径機能を有する複数の切削ビットを取り付けたものが提案されており、該工法には、これらの切削ビットを拡径した状態で円筒状ケーシングを連行しながら地盤を掘削し、また掘削後には切削ビットを縮径してケーシング内より掘削工具のみを引き抜き、ケーシングは地盤内に残留させることが記載されている。しかるに、このような切削式のビットを取り付けた掘削工具によれば、工具本体を回転させることによって掘削が行われるため、ハンマによる打撃のように大きな振動や騒音が生じるのを防ぐことができるとともに、上述のようにケーシングを連行する場合でも、振動が少ないのでネジ止めによってケーシングを連結しても緩みが生じたりすることがなく、連結作業を容易にして効率的な施工を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この公報に記載された切削式の掘削工具では、上記切削ビットが拡縮径機能を有して切削半径が可変とされているといっても、掘削時には切削ビットが一定の外径に拡径して位置決めされるだけであって、切削ビットが縮径した状態では掘削を行うことはできず、実質的に単一の径の削孔しか掘削することができない。このため、異なる径の複数の削孔を形成するには、これらの削孔の径に合わせて拡径時の切削ビットの外径が設定された複数種の掘削工具を予め用意しておかなければならず、掘削に要するコストの増大を招くとともに工具の管理が煩雑になるという問題が生じる。
【0004】
また、上記公報に記載の掘削工具においては、切削ビットが拡径した状態において各切削ビット同士が、掘削時の工具本体の回転方向側に位置する切削ビットの工具本体内周側を向く内端部を、この切削ビットの回転方向後方側に隣接する切削ビットの回転方向側を向く正面部に当接させて位置決めされているだけであり、掘削時にこれらの切削ビットに回転方向後方側に向けて作用する負荷は、該切削ビットを回転自在に工具本体に取り付けて拡縮径可能とするための軸に集中することとなる。このため、掘削時に過大な負荷が切削ビットに作用して万一この軸が破損したりすると、該軸によって工具本体に取り付けられた切削ビットが脱落するのは勿論、この切削ビットの正面部に内端部を当接させていた掘削ビットも、その回転方向後方側に作用する負荷への受けがなくなるため、軸に負荷が集中して破損、脱落し、このような事態が連鎖的に生じて、結果的にすべての切削ビットが工具本体から脱落して掘削が不可能となってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のような切削式のビットを備えた掘削工具において、まず複数種の工具を用意せずとも径の異なる削孔の掘削が可能な掘削工具を提供することを第1の目的とし、またそのような掘削工具において掘削時に過大な負荷が生じても容易に掘削が不可能となるようなことがないような掘削工具を提供することを第2の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、第1、第2の目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転させられる工具本体の先端に切削式のビットが設けられてなる掘削工具であって、上記切削式のビットを、上記工具本体先端部に着脱可能に取り付けられるカートリッジを介して該工具本体先端に装着し、上記工具本体の先端部に、複数の上記カートリッジを先端側から見て上記軸線を中心とした円の接線方向に沿って該工具本体先端部の内周側から外周に延びるように取り付け、各カートリッジの上記工具本体の掘削時の回転方向の後方側を向くその背面部を、上記工具本体先端部に形成された段部に当接させるとともに、上記工具本体先端部の内周側に位置するその内端部を、当該カートリッジの上記回転方向後方側に隣接するカートリッジの上記回転方向側を向く正面部に当接させて取り付けたことを特徴とする。従って、このように構成された掘削工具によれば、径の異なる削孔を掘削する場合には上記切削式のビットが装着されるカートリッジをこの削孔の径に合わせたものに交換することにより、工具本体はそのままにしてビットの外径を変化させることができるので、複数種類の掘削工具を用意することなくカートリッジだけを用意しておけばよい。
また、各カートリッジは、その内端部と回転方向後方側に隣接するカートリッジの正面部との当接に加えて、その背面部と工具本体側の段部との当接によっても工具本体先端部に保持されることとなり、しかも上記内端部は回転方向後方側に向けて、上記隣接するカートリッジを介してこのカートリッジの背面部が当接する工具本体の段部にも突き当てられることとなるので、掘削時の回転方向後方側に向けての負荷に対してカートリッジを高い取付剛性で工具本体に取り付けることが可能となる。
【0007】
さらに、この場合においては、上記カートリッジの背面部および正面部の少なくとも一方に、上記段部または内端部に嵌合可能な嵌合部を上記接線方向に沿って延びるように形成することにより、カートリッジの取付剛性の一層の向上を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1ないし図8は本発明の一実施形態を示すものであり、本実施形態の掘削工具は、上述のように切削式のビットを備えた切削式の掘削工具であって、ダウンザホールビットのように打撃力を受けて地盤を破砕しつつ掘削を行うのではなく、ドリルのように回転力を受けながら前進させられることにより、上記切削式のビットによって地盤に食い込まされつつ該地盤を切り削るように掘り込んで削孔を形成し、掘削を行ってゆく。すなわち、この実施形態の掘削工具では、その工具本体1の先端部が軸線Oを中心とした外形略円柱状とされるとともに、この工具本体1の後端部は先端部よりも小径で上記軸線Oに沿って延びる正六角柱状のシャンク部1Aとされる一方、該工具本体1の先端には複数(本実施形態では3つ)のカートリッジ2…が着脱可能に取り付けられており、さらに各カートリッジ2の先端にはそれぞれ複数の切削式ビット3…が装着されていて、掘削時には上記シャンク部1Aに図示されない掘削ロッドが取り付けられて工具本体1が図中に符号Tで示す回転方向に回転されつつ軸線O方向先端側に前進させられることにより、これらの切削式ビット3…によって地盤を切り削りながら削孔を形成してゆく。
【0009】
ここで、上記工具本体1の先端部の外周側には、この工具本体1の先端側に突出する凸壁状の段部4が、上記カートリッジ2…と同数(すなわち、本実施形態では3つ)、周方向に等間隔に、かつ互いに間隔を開けて形成されており、これらの段部4…以外の部分の工具本体1先端部は、軸線Oに垂直な平坦面1Bとされている。なお、上記シャンク部1Aの後端からこの工具本体1の先端部にかけては、上記軸線Oに沿って排気孔1Cが貫設されており、従ってこの排気孔1Cは工具本体1先端部の中央部分において上記平坦面1Bに開口させられている。また、この平坦面1Bには上記段部4…よりも内周側の排気孔1Cの周りに、周方向に等間隔にカートリッジ2…および段部4…と同数の3つの取付ネジ孔1D…が形成されている。
【0010】
上記3つの段部4…は互いに同形同大に形成されたものであって、その先端面4Aは軸線Oに垂直な平坦面とされるとともに、回転方向T側を向く壁面4Bは、全体的に軸線Oに平行とされ、かつ軸線Oを中心とした円弧状壁面をなす凹曲面部4aとこの凹曲面部4aに滑らかに接して回転方向T側に向かうに従い外周側に向かって延びる平面部4bとから構成されている。また、上記凹曲面部4aの回転方向T後方側に連なる壁面4Cは、その段部4の回転方向T後方側に隣接する段部4の上記平面部4bに平行とされている。さらに、この段部4の外周側を向く壁面4Dは、周方向に互いに鈍角に曲折して交差し、かつ上記先端面4Aにもそれぞれ鈍角に交差して外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜した複数(本実施形態では2つ)の平面部4c,4dによって構成されている。
【0011】
なお、この工具本体1の先端部の外周には、やはり上記カートリッジ2…と同数の対をなす3対の凹溝5…が、各対をなす凹溝5,5ごとに周方向に等間隔に、かつそれぞれ上記段部4の外周側に位置するようにして形成されている。これらの凹溝5…は、上記切削式のビット3…によって地盤が切り削られて生成されたくり粉を後端側に排出するためのものであって、それぞれ軸線Oに直交する断面が周方向に延びる概略「コ」字状をなし、かつ後端側に向かうに従い回転方向Tの後方側にねじれるように形成されるとともに、各段部4の外周側に位置する一対ごとの凹溝5,5にあっては、回転方向T側に位置する凹溝5の先端側開口部が当該段部4の上記壁面4Dの平面部4c,4dの交差稜線部をまたぐように、また回転方向Tの後方側に位置する凹溝5の先端側開口部が該段部4の上記壁面4Cと交差するように配置されている。
【0012】
このような工具本体1の先端部に着脱可能に取り付けられる上記カートリッジ2は、その先端側に上記切削式ビット3…が装着される取付座6…が形成されるとともに後端側が工具本体1への取付部7とされた横長のブロック状のものであって、この取付部7は、周方向に隣接する段部4,4の壁面4Bの平面部4bと壁面4Cとの間の間隙部に嵌挿可能な大きさの断面方形状に形成されており、こうして取付部7が上記間隙部に嵌挿させられることにより、各カートリッジ2は、それぞれ上記各段部4の回転方向T側に、先端側から見て軸線Oを中心とした円の接線方向に沿って該工具本体1先端部の内周側から外周に延びるように取り付けられる。さらに、こうして工具本体1先端部に取り付けられた状態で該工具本体1の内周側に位置するカートリッジ2の内端部2A側においては、その先端側部分が一段凹むように切り欠かれて凹部2Bが形成されており、この凹部2Bに取付ネジ8が軸線Oに平行となるように貫通させられていて、この取付ネジ8が上記取付ネジ孔1Dにねじ込まれることにより、各カートリッジ2は工具本体1に着脱可能に固定される。
【0013】
ここで、このような取付状態において、このカートリッジ2の先端面2Cと後端面すなわち取付部7の底面7aとは軸線Oに垂直となる平坦面とされるとともに、この先端面2Cから回転方向Tの後方側に延びるカートリッジ2の先端部の背面2Dは、段部4の壁面4Dと同様に周方向に互いに鈍角に曲折して交差し、かつ上記先端面2Cにもそれぞれ鈍角に交差して外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜した複数の平面部2a,2bによって構成されており、これらの平面部2a,2bはさらに軸線Oに平行な短い平面部2c,2dを介して上記壁面4Dの平面部4c,4dにそれぞれ連続するようになされている。一方、該平面部2c,2dから上記取付部7に至る部分は軸線Oに垂直なオーバーハング状の平坦面2eとされていて、取付部7の上記底面7aを工具本体1の上記平坦面1B密着させた状態で、この平坦面2eが段部4の先端面4Aに密着可能とされている。
【0014】
また、この平坦面2eに連なる上記取付部7の背面7bは、上記取付状態においてその外周側の部分が軸線Oに平行とされるとともに上記接線方向に延びる平坦面とされて段部4の上記壁面4Bの平面部4bに密着可能とされ、この背面7bの外周側の部分が本実施形態において工具回転方向Tの後方側を向いて工具本体1の上記段部4に当接させられるカートリッジ2の背面部とされる。さらに、この取付部7の背面7bの上記内端部2A側の部分は、上記平面部2cから平面部2dへの曲折に合わせて鈍角に曲折するように形成されており、上記取付状態において段部4の壁面4Bの凹曲面部4aに干渉しないようになされている。そして、このカートリッジ2の上記内端部2Aには、上記凹部2Bからさらに一段凹むように断面L字状の凹溝9が形成されていて、この凹溝9の壁面9aと内端部2Aにおけるカートリッジ2の端面2Eとは互いに平行とされるとともに、上記取付状態において壁面9aは段部4の壁面4Cと面一とされ、従って端面2Eはこれら壁面4C,9aから一段突出させられることとなる。なお、凹溝9の底面9bは、上記取付状態において軸線Oに垂直となる平坦面とされている。
【0015】
これに対して、上記取付状態において回転方向T側を向くカートリッジ2の正面部2Fには、該取付状態において軸線Oに平行とされて上記接線方向に延びる先端側の平面部2fと、この平面部2fに平行に一段後退するように形成された取付部7側の平面部7cと、これらの平面部2f,7cを結ぶ軸線Oに垂直なオーバーハング状の平坦面2gとが形成されている。しかして、すべてのカートリッジ2…において、取付部7の上記底面7aからこの平坦面2gまでの高さは、該底面7aから上記内端部2Aにおける上記凹溝9の底面9bまでの高さよりも僅かに大きくされるとともに、上記平面部2fに対する平面部7cの後退量は、該内端部2Aにおける上記凹溝9の壁面9aから端面2Eまでの突出量よりも僅かに大きくされていて、上記取付状態においてこれら平面部7cと平坦面2gとによって工具本体1の上記平坦面1Bとの間に画成される凹所が、本実施形態においてカートリッジ2の正面部2Fに形成される嵌合部10とされ、周方向に隣接するカートリッジ2,2同士では、回転方向T側のカートリッジ2における上記内端部2Aの凹溝9によって一段突出した部分が、回転方向T後方側のカートリッジ2における上記嵌合部10に嵌合可能とされる。
【0016】
なお、こうして隣接するカートリッジ2,2同士で内端部2Aを嵌合部10に嵌合させ合って3つのカートリッジ2…を工具本体1の先端部に取り付けた状態で、この工具本体1先端部の中央部周辺は先端側から見て正三角形状に開口させられていて、上記排気孔1Cに連通させられている。また、このカートリッジ2の正面部2Fにおいて、上記先端側の平面部2fには、回転方向T側に開口する断面「コ」字状の係合溝2hが上記接線方向に沿って延びるように形成されている。さらに、上記取付状態においてこの正面部2Fの外周側には、上記係合溝2hの縁部から後端側に向けて延びるように断面L字状の凹溝11が形成されており、この凹溝11は、工具本体1外周の対をなす上記凹溝5,5のうち回転方向T後方側の凹溝5に連通するように、後端側に向かうに従い回転方向Tの後方側に向けて傾斜させられている。さらにまた、取付状態において上記内端部2Aとは反対の工具本体1外周側に位置するカートリッジ2の側面は、本実施形態では工具本体1の先端部の外周と略面一となるように、周方向に湾曲して連なる複数の平面によって形成されている。
【0017】
一方、各カートリッジ2の先端部に形成される上記取付座6…は、上記取付状態においてカートリッジ2の先端部最外周を回転方向T側から見てL字形溝状に切り欠くようにして形成された取付座6Aと、この取付座6Aよりも内周側のカートリッジ2先端部を同じく回転方向T側から見て先端側に開口する「コ」字形溝状に切り欠くように形成された2つの取付座6B,6Cとから構成され、これらの取付座6A〜6Cがなす溝は、カートリッジ2先端部の上記平面部2a,2f間に亙って、先端側から見て上記接線方向に直交する方向に延びるように形成されるとともに、その溝深さは互いに等しくされ、各溝の底面部分には取付ネジ孔6a…が形成されている。また、このうち外周側の取付座6Aの底面部分には、その回転方向T後方側かつ外周側の部分に凸部6bが残されている。そして、本実施形態では、これらの取付座6A〜6Cのそれぞれに上記切削式ビット3が装着されており、従って1つのカートリッジ2に3つの切削式ビット3…が装着されて、工具本体1全体で合計9つの切削式ビット3…が取り付けられることとなる。
【0018】
このように形成された取付座6…に取り付けられる上記切削式ビット3…はいずれも厚肉の板状に形成されていて、上記取付状態においてその厚さ方向を上記接線方向に沿わせるように取付座6に着座させられ、該取付状態における先端面3aから軸線Oに平行に挿通される取付ネジ12が上記取付ネジ孔6aにねじ込まれることにより、カートリッジ2に着脱可能に装着される。また、この取付状態において、上記先端面3aはカートリッジ2の上記先端面2Cから突出して回転方向Tの後方側に向かうに従い後退する傾斜面とされるとともに、回転方向T側を向けられる該切削式ビット3の切削面3bもカートリッジ2の上記正面部2Fから突出して後端側に向かうに従い後退する傾斜面とされ、これら先端面3aと切削面3bとがなす交差稜線部に地盤を切り削る切刃3cが形成されている。なお、本実施形態の切削式ビット3においては、この切刃3cを含めた上記交差稜線部の周辺部分が、ろう付け等によって接合された超硬合金等の硬質部材13によって形成されている。また、上記切削面3bの後端側には、当該切削ビット3を取付座6に着座させた状態においてカートリッジ2の上記係合溝2hに係合させられるL字鍵状の係合部3dが形成されるとともに、この切削式ビット3の一方の側面にも、当該切削式ビット3を取付座6に装着した状態で上記正面部2Fに当接してカートリッジ2に係合可能な段部3eが形成されている。
【0019】
ここで、これらの切削式ビット3…のうち、各カートリッジ2の最外周の取付座6Aに取り付けられる切削式ビット3Aにおいては、上記先端面3aおよび切削面3bが、該切削式ビット3Aの上記厚さ方向に並ぶ2段の幅の狭い断面凸V字状、すなわち断面凸W字状に形成されていて、これに伴い切刃3cも凸W字状とされているのに対し、内周側の取付座6B,6Cに取り付けられる切削式ビット3B,3Cの先端面3aおよび切削面3bは、いずれも上記先端面3aと切削面3bとが断面凸V字形をなす幅広の切妻状に形成されており、従って上記切刃3cも凸V字状に形成されている。なお、各切削式ビット3A〜3Cの先端面3aおよび切削面3bの凸となる稜線部は、幅狭の平坦面によって面取りされている。また、最外周の切削式ビット3Aの外周側を向く側面3fは、この外周側におけるカートリッジ2の側面と同様に工具本体1の周方向に湾曲して連なる複数の平面によって形成されているとともに、この側面3fには上記硬質部材13と同様の硬質な丸チップ14…が植設されている。さらに、この最外周の切削式ビット3Aの取付状態における回転方向T後方側かつ外周側の角部には、取付座6Aの上記凸部6bに嵌合可能な断面L字状の凹部3gが形成される一方、内周側の切削式ビット3B,3Cの同じ角部は斜めに面取りされ、かつその面取り幅は内周側の切削式ビット6Cの方が小さくされている。
【0020】
なお、各カートリッジ2…に形成された上記取付座6A…〜6C…のうち、最外周の取付座6A…は、3つのカートリッジ2…間で軸線Oからの距離が等しく、工具本体1先端部の外径部に臨んで開口するように形成される一方、内周側に形成された取付座6B,6Cは、1つのカートリッジ2において互いに、かつ上記取付座6Aと凹部2Bとの間にも間隔を開けて上記接線方向に並ぶように形成されるとともに、3つのカートリッジ2…同士の間では、上記取付状態において軸線O回りの回転軌跡が互いにオーバーラップするように径方向にずらされて形成されている。従って、これらの取付座6A…〜6C…に装着される上記切削式ビット3A…〜3C…のうち、取付座6A…に装着される切削式ビット3A…は軸線O回りの回転径が互いに等しく、その最外径が本実施形態の掘削工具による掘削径Dとされる一方、内周側の取付座6B…,6C…に取り付けられる切削式ビット3B…,3C…は取付状態においてそれぞれ径方向にずらされて配設され、その上記切刃3c…の回転軌跡がオーバーラップさせられることにより、上記掘削径Dの内側が掘削されて削孔が形成されることとなる。ただし、これらの切削式ビット3…の切刃3c…の突端の位置、すなわち該切刃3cがなす凸W字または凸V字の頂点の位置は、取付状態において軸線O方向にはすべての切削式ビット3…間で同じ位置とされるとともに、周方向には各カートリッジ2ごとに先端側から見て軸線O回りに等間隔の半径線上に位置させられている。
【0021】
このように構成された掘削工具においては、上述のように切削式ビット3…を装着したカートリッジ2…を工具本体1に取り付けて、該工具本体1を軸線O回りに回転方向Tに回転しながら該軸線O方向先端側に前進させることにより、切削式ビット3…の切刃3cが地盤に食い付いて該地盤をドリルのように切り削るようにして掘り込んでゆき、削孔を形成してゆく。また、こうして切刃3c…が地盤を切り削ることによって生成されたくり粉は、各切削式ビット3の上記切削面3bから各カートリッジ2の正面部2Fに沿って流出する一方、掘削中は上記排気孔1Cから工具本体1先端部中央の正三角形状の開口部を介して圧縮空気が噴出させられており、この圧縮空気はカートリッジ2の上記凹部2Bを通って上記正面部2Fの前方を外周側に排気されるので、この正面部2Fに流れ出た上記くり粉は排気された圧縮空気によって外周側に押し出され、次いで上記凹溝5…を介して後端側に送り出されて圧縮空気とともに排出される。従って、このような切削式のビット3…を備えた掘削工具によれば、工具本体1の回転と前進とによって掘削を行うことができるので、ダウンザホールビットによる掘削のように打撃力を与える必要がなく、打撃の際の振動や騒音が生じることもないとともに、たとえ削孔内にケーシングを建て込む場合でも振動がないため、ケーシング同士をネジで連結することが可能となって作業効率の向上を図ることができる。
【0022】
そして、上記構成の掘削工具においては、この切削式ビット3…が、工具本体1に取付ネジ8によって着脱可能に取り付けられるカートリッジ2を介して取り付けられているので、このカートリッジ2を、上記接線方向の長さの異なるものに交換することにより、一つの工具本体1で複数種の径の削孔を形成することが可能となる。すなわち、例えば上記実施形態におけるカートリッジ2に代えて、図9に示すように該カートリッジ2よりも上記接線方向の長さの長いカートリッジ21を取り付ければ、当該掘削工具による削孔の掘削径Dを大きくすることができる。従って、掘削すべき削孔の掘削径Dが多岐に渡る場合でも、この掘削径Dに合わせた数の掘削工具を用意したり、この掘削径Dが変わるたびに新たに次の掘削工具を取り付け直したりする必要がなく、経済的かつ効率的である。しかも、本実施形態ではこのカートリッジ2の交換を、カートリッジ2ごとに1本の上記取付ネジ8の着脱で行うことができるので、交換作業も容易である。なお、この図9に示した掘削工具では、カートリッジ21の長さを長くしたのに対して切削式ビット3…の数は同じで、その間隔を広げて装着するようにしているだけであるが、交換するカートリッジの大きさに合わせて切削式ビットの数も増減させるようにしてもよい。
【0023】
また、本実施形態の掘削工具では、このように工具本体1の先端部にカートリッジ2を着脱可能に取り付けるに際して、複数のカートリッジ2…を、先端側から見て工具本体1の軸線Oを中心とした円の接線方向に沿って該工具本体1先端部の内周側から外周に延びるように取り付け、各カートリッジ2を、工具本体1の掘削時の回転方向Tの後方側を向くその背面部すなわち取付部7の上記背面7bを、工具本体1先端部に形成された段部4の壁面4Bの平面部4bに当接させるとともに、工具本体1先端部の内周側に位置する該カートリッジ2の内端部2Aを、当該カートリッジ2の回転方向T後方側に隣接するカートリッジ2の回転方向T側を向く正面部4Fに当接させるようにしている。従って、このようにカートリッジ2…が取り付けられることにより、掘削時に切削式ビット3からカートリッジ2に回転方向T後方側に向けて作用する抵抗や負荷のうち、上記接線方向に垂直な方向の成分が、当該カートリッジ2の上記背面7bが当接する段部4によって受け止められるとともに、該接線方向に沿った方向の成分は、当該カートリッジの回転方向T後方に隣接するカートリッジ2を介してこのカートリッジ2の背面7bが当接する段部4によって受け止められることとなり、結果的にこの抵抗や負荷を工具本体1によって確実に受け止めることが可能となってカートリッジ2…の取付剛性の向上を図ることができ、このような抵抗や負荷によってカートリッジ2…にがたつきが生じたりするのを防いで安定した掘削を行うことが可能となる。
【0024】
しかも、本実施形態では、このようにカートリッジ2の背面7bと内端部2Aとを段部4と隣接するカートリッジ2の正面部4Fとに当接させるに際し、このうちカートリッジ2の正面部4Fに一段凹んだ嵌合部10を形成して、この正面部4Fに当接するカートリッジ2の内端部2Aを嵌合可能としており、これによってカートリッジ2…の取付剛性の一層の向上を図ることができる。このため、例えば掘削時に過大な抵抗や負荷が作用したりして万一これらのカートリッジ2…のうち一つを固定する取付ネジ8が折損したとしても、このカートリッジ2が工具本体1から即座に工具本体1から脱落してしまうのを防ぐことができ、この一つのカートリッジ2が脱落することによって他のカートリッジ2…も連鎖的に脱落して掘削が不可能となるような事態を未然に防止することができる。なお、本実施形態ではこのようにカートリッジ2の正面部4Fに内端部2Aが嵌合可能な加工郷部10を形成しているだけであるが、例えば段部4の上記壁面4Bにもカートリッジ2の背面7bが嵌合可能な嵌合部を例えば上記接線方向に延びるように形成しておけば、より一層のカートリッジ2の取付剛性の向上を図ることができ、さらに安定した掘削を促すことが可能となる。
【0025】
一方、本実施形態では、工具本体1の先端に設けられる切削式のビット3が、該工具本体1の着脱可能に取り付けられる上記カートリッジ2に、取付ネジ12によってさらに着脱可能に装着されており、個々の切削式ビット3が損傷したりした場合にはこれを交換するだけですむため、一層経済的かつ効率的である。しかも、これらの切削式ビット3…は、カートリッジ2に形成された係合溝2hに鍵状の係合部3dを係合させ、またその段部3eをカートリッジ2の正面部2Fに係合させて取り付けられているので、掘削時の抵抗や負荷によって切削式ビット3が取付座6から脱落するような事態も防止することができ、特にカートリッジ2の取付状態にあって工具本体1の最外周に位置するために掘削量が多く、負荷や抵抗も大きくなりがちな上記切削式ビット3Aについては、その凹部3gが取付座6Aの凸部6bに嵌合可能とされていて、一層の取付剛性の向上を図ることができる。なお、これに対して内周側の切削式ビット3B,3Cでは、その回転方向T後方側かつ外周側の角部が斜めに面取りされていて、該切削式ビット3B,3Cが軸線O回りに回転する際の抵抗の低減が図られている。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の掘削工具によれば、工具本体先端部に設けられる切削式のビットを、この工具本体に着脱可能に取り付けられるカートリッジを介して該工具本体に装着することにより、掘削すべき削孔の径が異なる場合でも、このカートリッジをその掘削径に合わせたものに交換するだけで、工具本体はそのままに対応することができ、予め複数種の掘削径の掘削工具を用意しておいたり、いちいち工具本体ごと掘削工具を交換したりする必要がなく、経済的かつ効率的な掘削作業を図ることができる。また、このカートリッジを複数、工具本体の軸線を中心とした円の接線方向に延びるように工具本体先端部に配設して、その背面部を工具本体の段部に、内端部を掘削時の回転方向後方に隣接するカートリッジの正面部に当接させることにより、該カートリッジの取付剛性を確保してより安定した掘削を図ることができ、さらにこれらの段部や正面部に上記背面部や内端部が嵌合可能な嵌合部を形成すれば、一層のカートリッジ取付剛性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す実施形態の側面図である。
【図3】 図1に示す実施形態を先端側から見た正面図である。
【図4】 図3における矢線X方向視の拡大側面図である。
【図5】 図1に示す実施形態の工具本体1、1つのカートリッジ2、および切削式ビット3Aを示す分解側面図である。ただし、鎖線で示すのは、カートリッジ2の回転方向T側に隣接するカートリッジ2である。
【図6】 切削式ビット3B,3Cを加えて、図5に示す分解図を先端側から見た図である。
【図7】 図6に示すカートリッジ2および切削式ビット3A〜3Cの矢線Y方向視の正面図である。
【図8】 図6に示すカートリッジ2の矢線Z方向視の背面図である。ただし、鎖線で示すのは、このカートリッジ2の回転方向T側に隣接するカートリッジ2である。
【図9】 図1に示す実施形態のカートリッジ2に代えてカートリッジ21を取り付けた掘削工具の正面図である。
【符号の説明】
1 工具本体
2,21 カートリッジ
2A カートリッジ2の内端部
2F カートリッジ2の正面部
3(3A〜3C) 切削式ビット
4 段部
4B 段部4の回転方向Tを向く壁面
5,11 凹溝
6(6A〜6C) 取付座
7 カートリッジ2の取付部
7b 取付部7の背面(カートリッジ2の背面部)
8,12 取付ネジ
10 嵌合部
O 工具本体1の軸線
T 掘削時の工具本体1の回転方向
Claims (2)
- 軸線回りに回転させられる工具本体の先端に切削式のビットが設けられてなる掘削工具であって、上記切削式のビットが、上記工具本体先端部に着脱可能に取り付けられるカートリッジを介して該工具本体先端に装着され、上記工具本体の先端部には、複数の上記カートリッジが、先端側から見て上記軸線を中心とした円の接線方向に沿って該工具本体先端部の内周側から外周に延びるように取り付けられており、各カートリッジは、上記工具本体の掘削時の回転方向の後方側を向くその背面部を、上記工具本体先端部に形成された段部に当接させるとともに、上記工具本体先端部の内周側に位置するその内端部を、当該カートリッジの上記回転方向後方側に隣接するカートリッジの上記回転方向側を向く正面部に当接させて取り付けられていることを特徴とする掘削工具。
- 上記カートリッジの背面部および正面部の少なくとも一方には、上記段部または内端部に嵌合可能な嵌合部が上記接線方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
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