JP4122893B2 - 掘削工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に拡径ビットが取り付けられて、掘削時には上記拡径ビットが拡径した状態で位置決めされることにより所定の径の削孔を形成する掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の掘削工具としては、軸線回りに回転されるデバイス(工具本体)と、その先端部外周に上記軸線から偏心した中心軸方向に延びる軸と孔との嵌合によって該中心軸回りに回転可能に取り付けられた複数の拡径ビットとを備え、掘削時には上記デバイスが軸線回りに掘削時の回転方向に回転させられるのに伴い、掘削抵抗によって上記拡径ビットがそれぞれの中心軸回りに回転して互いの側面同士が当接することにより上記軸線からの外径が拡径した状態で位置決めされ、またデバイスが上記回転方向と反対向きに回転させられた際には拡径ビットも上記とは反対向きに回転することにより、やはり互いの側面同士が当接して上記外径が縮径させられた状態で位置決めされるものが知られている。また、本発明の発明者等は、例えば特許第3014349号公報において、軸線回りに回転されるデバイスの先端部の上記軸線上に先端側に突出するようにパイロットビットが取り付けられて、これらデバイスとパイロットビットとにより工具本体が構成されるとともに、この工具本体の先端部外周には、軸線方向においてデバイスの先端部とパイロットビットの本体の裏面部との間に、やはり上記軸線から偏心した中心軸方向に延びる軸孔嵌合によって該中心軸回りに回転可能な複数の拡径ビットを設けたものも提案している。
【0003】
そして、このような掘削工具は、円筒状のケーシング内に拡径ビットを縮径した状態で挿入されて、該ケーシングの先端から拡径ビットを突出させて上記軸線回りに回転自在かつ先端側にはケーシングと一体に前進可能とされ、掘削時には工具本体が上記回転方向への回転力と先端側に向けての打撃力とを受けることにより、拡径ビットの外径がケーシング外径よりも拡径して回転しつつケーシングとともに前進させられて、削孔を形成しながら該削孔内にケーシングを建て込んでゆき、所定の深さまで削孔が形成されてケーシングが建て込まれたなら、工具本体を反対向きに回転することによって拡径ビットが縮径するので、削孔内にケーシングを残したまま該削孔内から後退させて引き抜き可能とされる。また、工具本体に上記パイロットビットが備えられた掘削工具では、このパイロットビットが先行して小径の削孔を形成し、次いで後続する拡径ビットがこの削孔を拡げるような掘削形態となり、先行するパイロットビットによる掘削で土砂や岩石が崩れやすくなった地盤を後続の拡径ビットによって掘削することとなるので、掘削効率の向上を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの掘削工具では、上述のように拡径ビットが上記中心軸方向に延びる軸と孔との嵌合によって該中心軸回りに回転可能に工具本体に取り付けられており、すなわち通常は拡径ビットに一体に設けられた円柱状の軸が、工具本体のデバイスやパイロットビット側に上記中心軸を中心として穿設された孔に嵌挿されることにより、軸の外周部が孔の内周部を摺動しながら拡径ビットが回転してその外径が拡・縮径可能とされている。しかしながら、このような掘削工具によって掘削を行ううちにこの拡径ビットの拡・縮径が繰り返されて軸外周部が孔内周部を頻繁に摺動すると、これら軸の外周部や孔の内周部あるいはその双方に摩耗が生じることが避けられず、これに伴って両者の間に隙間があくことにより拡径ビットにがたつきが生じて安定した掘削が不可能となったり、がたついた拡径ビットに掘削時の荷重や衝撃が作用することによって軸が折損してしまったりするおそれもある。従って、このように摩耗によって拡径ビットにがたつきが生じると、摩耗した軸や孔を有する拡径ビットや工具本体、あるいはこれらの双方を廃棄して新しいものと交換しなければならず、工具寿命が短縮されて甚だ不経済であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のような軸孔嵌合によって工具本体に回転可能に取り付けられた拡径ビットを備えた掘削工具において、その軸や孔の内外周部に摩耗が生じても拡径ビットや工具本体を廃棄することなく再使用可能として、経済性の向上を図ることが可能な掘削工具を提供することを第一の目的とし、また第二には、この軸や孔の内外周部に摩耗が生じること自体を抑制して拡径ビットのがたつきや軸の折損を防止することが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、まず上記第一の目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、上記軸線から偏心した中心軸回りに回転可能とされて該軸線からの外径が拡径した状態で位置決めされる拡径ビットが取り付けられる掘削工具において、上記拡径ビットを上記中心軸に沿って延びる軸と孔との嵌合によって上記工具本体に回転可能に取り付け、これら軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方に円筒状のカラーを取り付けたことを特徴とする。従って、このような掘削工具によれば、こうしてカラーを取り付けた側では軸や孔の摩耗はこのカラーに生じるため、摩耗したカラーを交換することにより拡径ビットや工具本体を廃棄することなく当初の状態に復元して安定した掘削を行うことが可能となる。そして、上記第二の目的を達成するために、本発明は、上記カラーを、上記軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方よりも高硬度としたことを特徴とし、すなわち工具本体や拡径ビットに形成される軸や孔の内周部よりカラーが高硬度であるためにこのカラーの摩耗自体が抑制され、従って摩耗によって軸と孔との間に隙間が空くのを防いで拡径ビットのがたつきや軸の折損を防止することができる。また、このようなカラーは、上記軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方に、焼きバメや冷やしバメ、圧入などによって固定的に取り付けられていてもよいが、例えば止めネジのような取付部材によって着脱可能に取り付ければ、このカラーに摩耗や損傷が生じて交換する際でも容易かつ速やかに当初の状態に復元することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1ないし図10は本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態において工具本体を構成するデバイス1は、図1に示すようにその先端部1Aが後端部1Bよりも一段大径とされた外形略多段円柱状をなしており、この後端部1Bに図示されないハンマが取り付けられることによって、掘削時には図中に符号Tで示す方向に軸線O回りに回転力を受けるとともに該軸線O方向先端側(図1において左側)に打撃力を受ける。
【0008】
また、上記先端部1Aは、図4により詳しく示すようにその後端側の部分がこれより先端側に対して僅かに大径とされた多段状をなしていて、これによりその後端部外周には後端側に向けて一段凸となる段部1Cが形成されており、この段部1Cの外径すなわちデバイス1の最大径は、図示されない円筒状のケーシングの内周に嵌挿可能な大きさとされる一方、この段部1Cよりも先端側の上記先端部1A先端側部分の外径は、上記ケーシングの最先端に取り付けられる内径の一段小さなやはり図示されない円筒状のケーシングトップ内周に嵌挿可能な大きさとされ、上記段部1Cがこのケーシングトップの後端に当接することにより、上記打撃力のみがケーシングに伝達されて該ケーシングが前進し、削孔内に建て込み可能とされる。また、この先端部1Aには、その最先端の外周部にも後端側に向けて一段凸となる段部1Dが形成されているとともに、この段部1Dの内側には軸線Oに直交する平面状の先端面1Eが形成されており、従ってこの先端面1Eの外径は段部1Dによって上記段部1Cより先端側の先端部1Aの外径よりもさらに一段小径となるようにされている。
【0009】
また、このデバイス1の先端部1Aの外周には、上記軸線Oに対する周方向の幅および径方向の深さが略等しくされた断面四角形状の一対のくり粉の排出溝2A,2Bが、それぞれ軸線Oに平行に上記段部1Dから先端部1Aの後端に亙って延びるように、かつ周方向には互いに間隔をあけて隣接するように形成されており、このような対をなす排出溝2A,2Bが複数対(本実施形態では4対)周方向に等間隔に位置するように形成されている。さらに、本実施形態では、これらの対をなすくり粉の排出溝2A…,2B…のうち、それぞれの回転方向T後方側(図2および図3において時計回り方向側)に位置する排出溝2Aの先端側に連通するようにして、デバイス1の先端部1A外周側に凹部3が形成されており、従って本実施形態では複数(4つ)の凹部3…が周方向に等間隔に形成されることとなる。なお、これら複数の凹部3…および各対をなす排出溝2A…,2B…は、それぞれ軸線O回りに90°ずつの回転位置で互いに同形状となるように形成されている。
【0010】
この凹部3は、上記軸線O方向にはデバイス1最先端の上記先端面1Eから段部1Dを越えた位置に至るまで後端側に凹むように、また径方向には上記先端面1E内において軸線Oから外周側に間隔をおいた位置から段部1Dを越えて上記先端部1Aの外周に開口するように、さらに周方向には上記排出溝2Aと対をなす排出溝2Bの回転方向T後方側の縁部からこの排出溝2Aを越えて該回転方向T後方側の次の排出溝2Bとの間にまで形成されたものであって、より詳しくは図4および図5に示すように、上記回転方向Tを向く壁面3Aと、この壁面3Aに凹円筒面状の壁面3Bを介して滑らかに連なる外周側を向く壁面3Cと、この壁面3Cに鈍角に交差して外周側に向かうように凹曲折する回転方向Tの後方側を向く2段の壁面3D,3E、および先端側を向く底面3Fとにより画成されており、この底面3Fは軸線Oに垂直な方向に形成されるとともに、壁面3A〜3Eは軸線Oに平行に延びるように形成されている。なお、この底面3Fは、デバイス1の先端部1A後端側の上記段部1Cが上述のようにケーシングトップ後端に当接した状態で、このケーシングトップの先端から僅かに突出する位置に形成される。そして、この底面3Fには、上記壁面3Bがなす凹円筒の中心軸Xを中心とした一定内径の断面円形の孔3Gが形成されるとともに、この底面3Fへの上記排出溝2A,2Bの開溝部周辺には、内周側に向けて先端側に向かうにように傾斜する傾斜面3H,3Iが形成されている。
【0011】
このように形成された凹部3に、本実施形態では図6および図7に示すような拡径ビット4が、上記孔3Gへの軸孔嵌合によって上記軸線Oから偏心したこの孔3Gの中心軸X回りに回転可能にそれぞれ取り付けられており、図2、図3、図5、および図7において中心軸Xを中心に時計回り方向に回転したときに、この拡径ビット4は図2に示すように上記軸線Oからの外径が拡径した状態で位置決めされ、またこれとは逆に反時計回り方向に回転したときには、図3に示すように上記凹部3に収容されて軸線Oからの外径がデバイス1の先端部1Aの段部1Cよりも先端側の部分の外径以下となるようにされている。従って、本実施形態では上記凹部3は、拡径ビット4が縮径した状態で該拡径ビット4を収容可能なスペースを兼ねることとなる。
【0012】
この拡径ビット4は、上記中心軸X方向視に概略扇形なす厚肉のブロック状の本体4Aと、この本体4Aの先後端面4X,4Yから突出して上述のように軸孔嵌合した際に中心軸Xを中心に延びる略円柱状の軸4B,4Cとが一体に形成されたものであって、このうち後端側(図6において右側)に突出する軸4Cは、先端側(図6において左側)に突出する軸4Bよりも長くかつ大径とされて、この軸4Cが上記孔3Gに回転可能に嵌挿させられて軸孔嵌合させられる。なお、この後端側に突出する軸4Cは、その本体4Aの後端面4Yからの突出長さが上記孔3Gの深さと等しくされていて、図1に示すようにこの軸4Cの後端面4Zが孔3Gの孔底面3Zに当接したところで本体4Aの後端面4Yが凹部3の底面3Fに当接可能とされている。また、この本体4Aは、該拡径ビット4が拡径した状態で凹部3の上記壁面3Aに当接することにより該拡径ビット4を位置決めする側面4Dと、この側面4Dに中心軸Xを中心とした凸円筒面状の側面4Eを介して滑らかに連なる側面4Fと、この側面4Fに鈍角に交差する方向に凸曲折する側面4Gと、この側面4Gと側面4Dとを結ぶ凸円筒面状の側面4Hとを備えており、側面3D〜3Gは中心軸Xに平行に延びるように形成される一方、側面4Hの後端側部分は後端側に向かうに従い漸次後退するように傾斜させられるとともに、本体4Aの先端面4Xの側面4G,4H側縁部には該側面4G,4H側に向かうに従い後端側に傾斜する1または複数段の傾斜面が形成され、また側面4Fと側面4G、側面4Gと側面4H、および側面4Hと側面4Dとのそれぞれの交差稜線部には面取りが施されている。
【0013】
さらに、上記側面4Eがなす凸円筒面の半径は、軸4Cを凹部3の孔3Gに嵌挿した状態で凹円筒面状をなす上記壁面3Bに摺接可能な大きさとされ、また側面4Hがなす凸円筒面は、図2に示すように拡径ビット4が拡径した状態で、軸線Oを中心として上記ケーシングやケーシングトップの外径よりも大きな径の円筒面の一部をなすようにされている。また、この拡径ビット4の本体4Aの先端面4Xにおける傾斜面とその周辺とには、超硬合金等の硬質材料よりなるボタン状のチップ5が多数植設されており、該拡径ビット4が拡径した状態でデバイス1と一体に回転方向Tに回転することにより、これらのチップ5…によって削孔の外周側を掘削してゆく。なお、本体4Aの先端面4Xには、この先端面4Xから突出する上記軸4Bの後端部の周りに、中心軸Xを中心として上記側面4Eがなす円筒面と同径の円板状をなして先端側に凸となる段部4Iが形成されており、上記チップ5…の突出高さはこの段部4Iを越えない大きさとされている。また、この拡径ビット4の上記側面4Eを挟む側面4Dと側面4Fとの挟角は、上記壁面3Bを挟む凹部3の壁面3Aと壁面3Cとの挟角よりも小さくされるとともに、側面4Fと側面4Gとの挟角は壁面3Cと壁面3Dとの挟角と等しくされており、拡径ビット4が縮径した状態では図2に示すようにこれらの側面4F,4Gが壁面3C,3Dに当接して上述のように本体4Aが凹部3に収容され、その外径が小さくなるようにされている。
【0014】
さらにまた、デバイス1には、その後端部1Bから先端部1Aに亙って断面円形の貫通孔6が軸線Oに沿って形成されていて、この貫通孔6は先端部1A内においてその内径が1段拡径して一定内径で上記先端面1Eに開口するようになされており、この拡径した部分は後述するパイロットビット7の取付孔6Aとされている。ここで、デバイス1の先端部1Aには、軸線Oに直交する断面においてこの取付孔6Aがなす円の接線方向に延びる一対のピン孔6B,6Bが、図5に示すように軸線Oを間にして互いに平行に、かつ軸線O方向には図4に示すように段違いにずらされて形成されている。これらのピン孔6B,6Bは、その一端がそれぞれ軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する一対の上記排出溝2A,2Aの底面に開口させられ、この一端から上記取付孔6Aがなす円との接点を越えた部分までが大径部とされ、これよりも先は一段縮径する段部を介して小径部とされて、その他端がデバイス1の先端部1A外周面に開口するように貫通させられており、上記円との接点部分においては取付孔6Aとオーバーラップして該ピン孔6Bの断面がなす円の軸線O側の略半円部分が取付孔6A内周面に開口するようにされている。
【0015】
また、上記貫通孔6には、取付孔6Aに至る前の小径の部分から分岐するさらに小径の4つの分岐孔6C…が、図4に示すようにそれぞれ外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜するように、かつ図5に示すように互いに周方向に等間隔とされて各々上記排出溝2Aの溝底に開口するように形成されている。さらに、これらの分岐孔6C…の途中からは、先端側に向かうに従い図5に示すように上記回転方向Tの後方側に僅かに傾斜するように排気孔6Dがそれぞれ分岐させられており、この排気孔6Dの先端は、凹部3の上記底面3Fにおいて上記孔3Gの回転方向T側に隣接するように開口させられている。
【0016】
一方、取付孔6Aに取り付けられる上記パイロットビット7は、本実施形態ではデバイス1とともに工具本体を構成するものであって、図8ないし図10に示すようにデバイス1の先端面1Eと略同径の円盤状をなすビット本体7Aと、このビット本体7Aの裏面部7Bの中央から突出する一定外径の肉厚円筒状の軸部7Cとが一体に同軸形成されてなるものであり、この軸部7Cが上記取付孔6Aに嵌合して挿入されることによって図示のように軸線Oを中心としてデバイス1の先端部1Aに取り付けられる。また、ビット本体7Aの先端面はその中央部が凹状となるようにされているとともに、この中央部からビット本体7Aの外周面にかけては4条の凹溝7D…が周方向に等間隔に形成されており、このビット本体7A先端面にはやはり超硬合金等の硬質材料よりなるボタン状のチップ5…が上記凹溝7D…を避けるようにして多数植設されているとともに、円筒状の上記軸部7Cの内周部先端からは1対の排気孔7E,7Eが分岐させられていて、これらの排気孔7E,7Eは上記凹溝7D…のうち上記軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する一対の凹溝7D,7Dの中央部側に開口させられている。さらにまた、ビット本体7A外周面には、周方向に隣接する凹溝7D,7D同士の間に、これよりも僅かに浅い凹溝7Fがやはり周方向に等間隔に形成されている。
【0017】
さらに、上記軸部7Cの外周部には、上記ピン孔6Bと略同径の断面半円状をなす一対のピン溝7G,7Gが、軸線Oに直交する断面においてこの軸部7C外周がなす円の接線方向に延びるように軸線Oを挟んで互いに反対側に平行に、かつ軸線O方向においてはピン孔6B,6B同士の軸線O方向のずれ量と等しいずれ量で段違いにずれるように形成されており、これらのピン溝7G,7Gを、ピン孔6B,6Bが取付孔6A内に開口した部分にこれらのピン溝7G,7Gを合わせるように軸部7Cを取付孔6Aに嵌挿した上で、ピン孔6B,6Bにピン8,8を嵌挿してピン溝7G,7Gに係止させて固定することにより、パイロットビット7が周方向に位置決めされた上で先端側に抜け止めされるようになされている。なお、ビット本体7Aの裏面部7B内周側の軸部7Cの周りの部分は、こうしてパイロットビット7の軸部7Cが抜け止めされて取付孔6Aに取り付けられた状態で、図1に示すようにデバイス1の上記先端面1Eに密着可能な円環状の平坦面とされている。
【0018】
また、このビット本体7Aの裏面部7Bには、デバイス1の先端部1A外周に形成された上記凹部3と嵌合可能な凸部9がビット本体7Aと一体に形成されている。ここで、本実施形態では、上述のようにパイロットビット7が周方向に位置決めされた状態で、デバイス1に形成された複数(4つ)の凹部3…のそれぞれに嵌合可能な4つの凸部9…が周方向に等間隔に裏面部7Bの外周側に形成されており、しかも各凸部9は、回転方向Tの後方側に位置する第1の凸部9Aと、これに対して周方向に間隔をあけて回転方向T側に位置する第2の凸部9Bとの2つの凸部9A,9Bによってそれぞれ構成されている。
【0019】
このうち、各凸部9…の第1の凸部9Aは、パイロットビット7の上記軸部7Cをデバイス1の上記取付孔6Aに位置決めして嵌合させた状態で、デバイス1の各凹部3…の上記孔3Gの中心軸Xとそれぞれ同軸となる肉厚の円筒状をなすように裏面部7Bから突出して形成されていて、この第1の凸部9Aがなす上記円筒の外径は、その外周面が凹部3の上記壁面3Bがなす凹円筒面の内周に密着可能な大きさとされている。一方、第2の凸部9Bは、周方向に上記凹溝7Fと略等しい位置において裏面部7Bから後端側に突出する凸壁状に形成されており、その回転方向T側を向く壁面9Cは、やはりパイロットビット7をデバイス1に位置決めして嵌合させた状態で、凹部3の凹曲折する上記壁面3D,3Eに密着可能な凸曲折面状に形成されている。従って、こうして第1の凸部9Aが壁面3Bに嵌挿され、また第2の凸部9Bが壁面3D,3Eに密着させられることにより、これら第1、第2の凸部9A,9Bによって構成される凸部9は、上記軸孔嵌合状態において相対する凹部3に回転方向Tとその後方側とに拘束されて、上述のように該凹部3に嵌合させられることとなる。
【0020】
また、凸部9のこれら第1、第2の凸部9A,9Bの上記裏面部7Bからの突出高さは、デバイス1の上記先端面1Eから段部1Dの底までの深さよりも僅かに小さくされるとともに、第1の凸部9Aがなす円筒の内周部によって画成される孔9Dは、拡径ビット4の先端側に突出する軸4Bが嵌挿可能な内径および深さとされており、パイロットビット7をデバイス1に位置決め嵌合させて取り付けた状態で、上記拡径ビット4は、その先後端に突出する軸4B,4Cを上記孔9D,3Gに軸孔嵌合させて上記中心軸X方向すなわち軸線O方向に拘束され、かつ上述のように本体4Aの後端面3Yと軸4Cの後端面4Zを凹部3の底面3Fと孔3Gの孔底面3Zとにそれぞれ当接させたときに、図1に示すように段部4Iおよび軸4Bの先端面と第1の凸部9Aの後端面および孔9Dの孔底との間に僅かに間隔があけられるようにされて、本体4Aやビット5が上記凸部9に干渉することなく中心軸X回りに回転可能に支持される。従って、本実施形態では、凸部9の円筒状に形成された上記第1の凸部9Aは、拡径ビット4の軸4Bと軸孔嵌合する上記孔9Dの周囲に後端側に向けて突出するように形成されることとなる。
【0021】
ただし、図10に示すように、この第1の凸部9Aの裏面部7B内周側部分は、該裏面部7Bの内周側が上述のように円環状の平坦面に形成されるのに伴って、この平坦面の外周側に重なる部分が軸線Oを中心とした凹円弧面に切り欠かれるように形成されるとともに、第1の凸部9Aの裏面部7B外周側の部分は、上記凹溝7Fによって内周側部分よりも半径の小さなやはり凹円弧面状に切り欠かれている。また、上記第2の凸部9Bの外周側部分も上記凹溝7Dによって切り欠かれている。一方、個々の凸部9において第1の凸部9Aと第2の凸部9Bとの間の裏面部7B外周部には、内周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する傾斜面7Hが形成されるとともに、これと上記第1、第2の凸部9A,9B以外の裏面部7B外周部は、内周側の円環面と面一な平坦面とされている。
【0022】
そして、本実施形態では、こうして軸孔嵌合する拡径ビット4の先端側の軸4Bの外周部と、この軸4Bが嵌合する上記凸部9の円筒状の第1の凸部9A内周の孔9Dの内周部とに、カラー10A,10Bが取り付けられている。さらに、これらのカラー10A,10Bは、軸4Bや孔9Dが形成される拡径ビット4やパイロットビット7を構成する材質よりも高い硬度を有するものであって、これら拡径ビット4やパイロットビット7の材質と異なる材種でもよく、また例えば拡径ビット4やパイロットビット7の材質が鋼材である場合でもカラー10A,10Bをこれより硬度の高い鋼材製とするなど、同種の材種であってもよい。また、本実施形態ではカラー10A,10Bはいずれも円筒状であって、焼きバメ等により軸4Bの外周部および孔9Dの内周部に密着して取り付けられており、拡径ビット4が回転するときには軸4Bに取り付けられたカラー10Aが該軸4Bと一体に回転してその外周と孔9D側のカラー10Bの内周とが摺動するようになされている。
【0023】
このように構成された掘削工具においては、まずこうして軸孔嵌合により回転可能とされた拡径ビット4の先端側の軸4Bの外周部と、該軸4Bが嵌挿される工具本体側のパイロットビット7に形成された孔9Dの内周部とに、カラー10A,10Bが取り付けられており、従って拡径ビット4が拡・縮径を繰り返すうちにこれら軸4Bと孔9Dとに摩耗が生じたとしても、この摩耗はこれらカラー10A,10Bに生じることとなって、拡径ビット4の軸4B自体やパイロットビット7の孔9D自体に摩耗が生じることはない。このため、このような摩耗によって拡径ビット4にがたつきが生じたりしたときには、パイロットビット7および拡径ビット4を取り外してカラー10A,10Bを交換することにより、直ちに軸4B外周と孔9D内周とが密着して摺動可能な当初の軸孔嵌合状態に復元させることができ、拡径ビット4やパイロットビット7(工具本体)は廃棄したりすることなく再利用可能となって工具寿命の延長を図ることができ、経済的である。
【0024】
そして、さらに本実施形態では、これらカラー10A,10Bが、軸4Bが形成された拡径ビット4や孔9Dが形成されたパイロットビット7を構成する材質よりも高硬度とされており、従って拡径ビット4が中心軸X回りに回転する際に、軸4Bと孔9Dとの間においてはこれら高硬度のカラー10A,10Bが摺動するだけであるので、長期の使用に伴って拡径ビット4が頻繁に拡・縮径を繰り返しても、これらカラー10A,10Bの摩耗自体を抑えて軸部4Bと孔9Dの内外周間に隙間が生じるのを防ぐことができる。このため、本実施形態によれば、このような摩耗によってカラー10A,10Bを交換する頻度も極めて少なくすることができ、長期に亙って拡径ビットのがたつきや軸4Bの折損等を確実に防ぎ、安定して拡径ビット4を回転可能に支持して円滑な掘削を促すことが可能となる。
【0025】
しかも、本実施形態ではこのカラー10A,10Bが、拡径ビット4の先後端に突出する軸4B,4Cのうち外径の小さい先端側の軸4Bの外周部と、この軸4Bが嵌合する孔9Dの内周部とに取り付けられており、すなわち同じ摩耗量であっても摩耗による軸径や孔内径の変化率が大きい小径の軸4Bおよび孔9Dがカラー10A,10Bによって保護されることとなるので、一層効果的にビット4の寿命の延長を図ることができる。ただし、後端側に突出する大径の軸4Cと孔3Gとの外内周部にカラーを設けるようにしてもよく、またこれら先後端の軸4B,4Cと孔9D,3Gの双方に設けるようにしても勿論構わない。さらに、軸4B,4Cや孔9D,3Gの外内径が制限されざるを得ない場合などには、後述する第2、第3の実施形態と同じように軸4B,4Cの外周部と孔9D,3Gの内周部とのいずれか一方のみにカラーを設けるようにしてもよい。
【0026】
一方、本実施形態では、その工具本体がデバイス1とその軸線O上に取り付けられて先端側に突出するパイロットビット7とから構成されており、このパイロットビット7によって掘削されることによって崩落しやすくなった小径の削孔の周囲を拡径ビット4によって掘削する形態となるため、上述のように掘削効率の向上を図ることができるとともに、この拡径ビット4は、その先後端に突出する軸4B,4Cがこれらパイロットビット7の孔9Dとデバイス1の孔3Gとに嵌合させられることにより両端が支持された状態とされるので、一層安定した掘削を図ることが可能となる。そして、さらに本実施形態では、このパイロットビット7が、その円筒状の軸部7Cをデバイス1の取付孔6Aに嵌合させて挿入されることにより取り付けられ、この軸部7Cに形成されたピン溝7G,7Gにピン8,8が係止されることにより抜け止めされるので、例えばこの軸部がネジによる螺合によって取り付けられている場合などに対し、上記ハンマからデバイス1に与えられる打撃力による衝撃によってネジが緩んでパイロットビット7の支持が不安定となったり軸部7Cと取付孔6Aとの間に遊びが生じたりすることがなく、こうして緩みや遊びが生じたところにさらに衝撃が作用することによって軸部7Cに折損が生じたりするのを防ぐことができる。その一方で、デバイス1の先端部1Aとこの先端部1Aに対向するパイロットビット7のビット本体7Aの裏面部7Bとには、互いに嵌合可能な凹部3と凸部9とが形成されており、この凹凸部3,9の嵌合によってパイロットビット7がデバイス1の周方向に拘束されて強固に保持されるので、掘削時にデバイス1を介してパイロットビット7に伝えられる回転力に対してもパイロットビット7に高い取付剛性を確保することができ、この回転力によって軸部7Cが捻られることにより上記ピン溝7Gやピン8あるいは軸部7C自体に損傷を生じたりするような事態を防止して、回転力を確実にパイロットビット7に伝達し、円滑な掘削を図ることが可能となる。
【0027】
また、特に本実施形態では、上記凹凸部3,9が複数ずつ周方向に等間隔に形成されて嵌合可能とされており、しかもこれらの凸部9…がパイロットビット7のビット本体7Aの裏面部7B外周側に形成されているので、軸線O回りの回転力に対してより強固にビット本体7Aを保持して一層の剛性の向上を図ることができる。さらに、この凸部9は周方向に間隔をあけた第1、第2の凸部9A,9Bによってそれぞれ構成されていて、円筒状の第1の凸部9Aは凹部3の回転方向T後方側に位置する壁面3Bに、また凸壁状の第2の凸部9Bは回転方向T側に位置する壁面3D,3Eにそれぞれ密着可能とされているので、パイロットビット7に作用する回転力をこれら第1、第2の凸部9A,9Bによって分散して受け止めることができるとともに、特に掘削時の回転方向T後方側に位置して大きな回転力が作用する第1の凸部9Aが剛性の高い円筒状とされているので、より一層円滑かつ安定した掘削を促すことが可能となる。
【0028】
加えて、本実施形態では、上述のように拡径ビット4が中心軸X回りに回転して拡縮径する際の縮径状態において、この拡径ビット4の本体4Aが上記凹部3に収容可能とされており、すなわちパイロットビット7側の凸部9と嵌合する凹部3がこの拡径ビット4を収容するスペースとしても利用されている。このため、このパイロットビット7とデバイス1とを嵌合させるための凹部を形成するに際してデバイス1の肉厚を徒に大きく削ぐことがなく、これにより凸部9が嵌合するデバイス1の剛性を一層確実に確保することができて、パイロットビット7をさらに強固に保持することが可能となる。
【0029】
さらにまた、本実施形態では、上記拡径ビット4がその先後端に突出する軸4B,4Cを、パイロットビット7の裏面部7Bに形成された孔9Dとデバイス1の凹部3に形成された孔3Gとに軸孔嵌合させて中心軸X回りに回転可能とされるとともに、上記凸部9のうち第1の凸部9Aはこのパイロットビット7側の孔9Dを内周部とする円筒状に形成されていて、該孔9Dの周囲に突出するようにされている。従って、本実施形態によれば、この孔9Dに嵌挿されて回転可能に支持される拡径ビット4の軸4Bは、その本体4Aに近い根元部分までが第1の凸部9Aによって支持されることとなって、これにより拡径ビット4の取付剛性も十分に確保することが可能となり、上述のようにパイロットビット7の取付剛性も凹凸部3,9の嵌合により確保されることとも相俟って、これらのビット4,7によりさらに円滑かつ安定した掘削を図ることが可能となる。
【0030】
また、本実施形態では、このように拡径ビット4がその軸4B,4Cを孔9D,3Gに回転可能に軸孔嵌合させるに際して、上述のように本体4Aの後端面4Yから突出する軸4Cの後端面4Zが孔3Gの孔底面3Zに当接したところで、上記後端面4Yが凹部3の底面3Fに当接可能となるように、軸4Cの突出長さが孔3Gの深さと等しくされており、掘削時に当該掘削工具が先進する際には、図1に示すようにこれら後端面4Y,4Zが底面3F,3Zにそれぞれ密着した状態とされる。このため、この前進時に拡径ビット4に作用する荷重や衝撃は、デバイス1のこれら底面3F,3Zに分散して受け止められることとなるので、拡径ビット4の特に軸4Cにこのような荷重や衝撃が集中して折損が生じたりするような事態をも、未然に防止することが可能となる。さらに、本実施形態では、パイロットビット7の軸部7Cについても、上述のようにこの軸部7Cが抜け止めされて取付孔6Aに取り付けられた状態で、ビット本体7Aの裏面部7B内周側の軸部7Cの周りの平坦面がデバイス1の先端面1Eに密着可能とされており、このため少なくとも軸部7Cのみに掘削時の荷重や衝撃が集中することはなく、しかもこの軸部7Cの抜け止めのために形成された上記ピン溝7G,7Gは軸線O方向に段違いにずれるように形成されていて、軸部7Cの断面積がこれらピン溝7G,7Gによって大きく削がれることもないので、上記凹凸部3,9の嵌合とも相俟ってその折損等をより一層確実に防止することが可能となる。
【0031】
なお、本実施形態では、このようにデバイス1側に凹部3が、またパイロットビット7側に凸部9がそれぞれ形成されているが、これとは逆にデバイス1の先端部1Aに凸部を、パイロットビット7の裏面部7Bに凹部を形成して嵌合させるようにしてもよく、あるいはこれらデバイス1とパイロットビット7との双方に互いに嵌合可能な凹凸部と凸凹部とを形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、デバイス1とパイロットビット7との軸孔嵌合と、これらデバイス1およびパイロットビット7と拡径ビット4との軸孔嵌合とが、いずれもビット4,7の本体4A,7Aに形成された軸4B,4Cや軸部7Cをデバイス1やパイロットビット7の孔3G,9Dや取付孔6Aに嵌挿させることによるものとされているが、これらについても逆に、デバイス1側に軸部を設けてパイロットビット7に形成した取付孔に軸孔嵌合させたり、あるいはデバイス1やパイロットビット7に中心軸Xを中心とした軸を突設して拡径ビット4に形成した孔に回転可能に嵌挿したりするようにしてもよい。しかして、このように拡径ビット4と工具本体すなわちデバイス1およびパイロットビット7とを軸孔嵌合させた場合でも、その軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方にカラーを取り付けることにより、上記と同様の効果を得ることができる。なお、このようにパイロットビット7に拡径ビット4の孔と嵌合する軸を設けたりした場合において、上記実施形態と同様にパイロットビット7側に中心軸Oを中心とした凸部9(第1の凸部9A)を設けてデバイス1側の凹部3と嵌合させるようにしたときには、この凸部9は上記軸の根元の周りに突出するように形成されることとなり、すなわちこの軸と凸部とで多段の円柱状に形成されることとなる。
【0032】
次に、図11ないし図13は本発明の第2の実施形態を示すものであって、その工具本体が、上記第1の実施形態のようなパイロットビットを備えずにデバイスのみによって構成されている場合を示すものである。ただし、本実施形態においてもこのデバイス11は、第1の実施形態と同様、図1ないし図3に示すようにその先端部1Aが後端部1Bよりも一段大径とされた外形略多段円柱状をなしており、この後端部1Bに図示されないハンマが取り付けられることによって、掘削時には図中に符号Tで示す方向に軸線O回りに回転力を受けるとともに該軸線O方向先端側(図1において左側)に打撃力を受ける。
【0033】
また、上記先端部11Aは、さらにその後端側の部分が先端側よりも僅かに大径とされた多段状をなしていて、これによりその外周には後端側に向けて一段凸となる段部11Cが形成されており、この段部11Cの外径すなわちデバイス11の最大径は、やはり図示されない円筒状のケーシングの内周に嵌挿可能な大きさとされる一方、この段部11Cよりも先端側の上記先端部11A先端側部分の外径は、上記ケーシングの最先端に取り付けられる内径の一段小さなやはり円筒状のケーシングトップ内周に嵌挿可能な大きさとされ、上記段部11Cがこのケーシングトップの後端に当接することにより、上記打撃力のみがケーシングに伝達されて該ケーシングが前進し、削孔内に建て込み可能とされる。なお、こうして段部11Cがケーシングトップ後端に当接した状態で、デバイス11の先端面11Dはこのケーシングトップの先端から僅かに突出するようにされる。ただし、この先端面11Dの周りに、第1の実施形態のような段部1Dは形成されてはいない。
【0034】
また、このデバイス11の先端部11Aの外周には、周方向の幅が大きいくり粉の排出溝12Aとその上記回転方向T側に隣接した幅の小さい排出溝12Bとが、それぞれ軸線Oに平行に上記先端面11Dから先端部11Aの後端に亙って延びるように、かつこのような対をなす排出溝12A,12Bが複数対(本実施形態では3対)周方向に等間隔に位置するように形成されている。さらに、これらの対をなすくり粉の排出溝12A…,12B…のうち、それぞれの回転方向T後方側(図2および図3において時計回り方向側)に位置する排出溝12Aの上記先端面11Dへの開口部には、この排出溝12Aに連通するようにして、先端側に向かうに従い内周側に向かう傾斜した底面12Cを備えた凹部12Dが形成されている。
【0035】
そして、このデバイス11の先端面11Dには、上記軸線Oから外周側に偏心した位置にあって該軸線Oと平行な中心軸Xを有する孔13が形成されており、本実施形態ではこの孔13の内周部のみにカラー14が取り付けられている。ここで、本実施形態では、この孔13はその先端側が後端側よりも1段拡径した多段状をなすものであって、複数(本実施形態では3つ)の孔13…がデバイス11の周方向に等間隔に、隣接する上記排出溝12A,12Aの間に位置するように、かつ軸線Oからのデバイス11の半径の略中程に位置するように形成されている。また、カラー14は、この孔13の先端側の大径部13Aと略等しい外径と後端側の小径部13Bと略等しい内径とを有する概略円筒状に形成されて、この先端側の大径部13Aの内周部に焼きバメや冷やしバメ、圧入等によって取り付けられており、従ってこのように孔13の内周部に取り付けられた状態でカラー14の内周は上記小径部13Bの内周と同一周面状に位置することとなる。ただし、このカラー14内周の後端には外周側に凹んだ環状の段部14Aが形成されていて、孔13に取り付けられた状態でその内周と小径部13Bとの間には小さな間隔があけられているとともに、カラー14内周の先端側には外周側に向けて広がるテーパ状の面取り14Bが施されており、さらにこのカラー14の先端は、この取り付け状態でデバイス11の先端面11Dと面一もしくは僅かに孔13内に後退した位置に配設される。しかして、このカラー14は、当該カラー14が取り付けられる孔13が形成されたデバイス(工具本体)11よりも高硬度とされている。
【0036】
なお、デバイス11の先端部11Aには、その外周から内周側に向けて上記軸線Oに直交する方向で、かつ該軸線Oに直交する平面において孔13の上記小径部13Bがなす円の接線方向に延びるピン孔11Eが、各孔13…の回転方向T側に位置するようにそれぞれ形成されており、各ピン孔11Eは上記円との接点部分において孔13の小径部13Bとオーバーラップして該ピン孔11Eの断面がなす円の中心軸X側の略半円部分が孔13内に開口するようにされている。また、デバイス11には、その軸線Oに沿って後端部11Bから圧縮空気の排気孔11Fが形成されており、この排気孔11Fの先端側は、軸線Oに沿ってデバイス11を貫通して図1および図3に示すように上記先端面11Dの中央に開口させられるとともに、該排気孔11Fは途中で分岐して、上記凹部12Dの底面12Cと、先端部11A外周の上記段部11Cの直ぐ先端側と、孔13の孔底部分とにもそれぞれ開口させられている。
【0037】
一方、本実施形態においてこのデバイス11の先端側に取り付けられる拡径ビット15は、その本体15Aが図2、3に示すように先端視に概略扇形をなすようにされた厚肉の平板状のものであって、この本体15Aの先端面15Bには硬合金等の硬質材料よりなるボタン側のチップ16が多数植設されるとともに、本体15Aの後端面15Cは軸線Oに垂直となる平面状とされてデバイス11の先端面11Dに密着可能とされ、この後端面15Cから垂直に後端側に突出するように円柱状の軸15Dが本体15Aと一体に形成されており、互いに同形同大のこのような拡径ビット15が孔13と同数(本実施形態では3つ)、それぞれ上記軸15Dをカラー14が取り付けられた孔13に軸孔嵌合させて上記中心軸X回りに回転可能に取り付けられている。また、上記軸15Dには、この軸15Dを孔13に嵌挿して本体15Aの後端面15Cを上述のようにデバイス11の先端面11Dに密着させた状態で中心軸X方向に孔13に開口した上記ピン孔11Eと合致する位置に、このピン孔11Eの断面がなす円と同径の断面半円状をなす環状溝15Eが中心軸X回りに周回するように形成されており、こうして環状溝15Eとピン孔11Eの位置を合致させた上でピン孔11Eにピン17を嵌挿して固定することにより、拡径ビット15は、ピン孔11Eの孔13内に開口する部分から突出したピン17の外周部が環状溝15Eに係合して軸15Dが抜け止めされ、かつ本体15Aごと上述のように中心軸X回りに回転可能に支持される。
【0038】
なお、本体15Aがなす上記扇形は偏った形状とされており、すなわち中心(扇の要の部分)に交差する2辺の一方が長辺とされるとともに他方はこれよりも短い短辺とされ、またこれら2辺の先端を結ぶ弧状の辺は、その上記長辺側の部分が、上記中心からの半径が上記ケーシングやケーシングトップよりも大きな半径を有する円弧状とされるとともに、これよりも上記短辺側の部分は、該短辺側に向かって順に上記先端部11Aの段部11Cより先端側の部分の外径(半径)と略等しい半径とされた円弧と直線とによって構成されて、この短辺側に向かうに従い上記中心までの距離が漸次小さくなるように形成されている。また、この扇形の扇角、すなわち上記長短辺の交差角は、360°を拡径ビット15の数で割った大きさとされており、本実施形態では120°とされている。
【0039】
しかして、このように中心軸X回りに回転可能に支持された拡径ビット15…は、掘削時にデバイス11が上記回転方向Tに回転力を受けたときには、掘削抵抗によって先端視に図12に示すように中心軸X回りに時計回り方向に回転して、周方向に隣接するもの同士で回転方向T側に位置する拡径ビット15の本体15Aの上記短辺に連なる側面がその回転方向T後方側に位置する拡径ビット15の本体15Aの上記長辺の連なる側面の上記扇形の中心側部分に当接するとともに、各拡径ビット15…の本体15Aがなすこの扇形の中心が軸線O上に位置し、かつこの中心からななれた本体15Aの側面部分が上記ケーシングやケーシングトップよりも外周に突出するようにして拡径した状態で位置決めされ、ケーシング外径よりも大きな内径の削孔を形成する。なお、このとき、先端視において各拡径ビット15…の上記長辺に連なる側面の回転方向T側には、デバイス11の上記排出溝12A,12Bとこの排出溝12Aに連通する凹部12Dとが開口するようにされる。また、掘削終了後にデバイス11を上記回転方向T後方側に回転させたときには、拡径ビット15…は図13に示すように中心軸X回りに反時計回り方向に回転して、回転方向T側に位置する拡径ビット15の上記短辺に連なる側面が、回転方向T後方側に位置する拡径ビット15の長辺に連なる側面の上記中心とは反対側の部分に当接し、すべての拡径ビット15の本体15Aが先端視にデバイス11の先端面11D内に収まるように縮径した状態で位置決めされるので、そのままデバイス11ごと後退させることによって掘削工具のみをケーシング内から引き抜くことができる。
【0040】
従って、このように構成された第2の実施形態の掘削工具においても、拡径ビット15の軸15Dが回転可能に嵌合させられるデバイス(工具本体)11の孔13の内周部にカラー14が取り付けられており、この孔13側の摩耗はカラー14に生じるので、これを交換することによりデバイス11には損傷を来すことなく当初の嵌合状態に復元することができる。また、このカラー14が、孔13が形成されるデバイス11よりも高硬度であるので、カラー14の摩耗自体も低減することができ、結果的に工具寿命の長い経済的な掘削工具を提供することができる。しかも、このような掘削工具においては、拡径ビット15…はその本体15Aの先端面15Bに多数植設されたチップ16…によって掘削を行うものであって、このチップ16…や先端面15Bが掘削によって摩耗するために元々デバイス11よりも寿命が短く、逆にデバイス11は拡径ビット15を交換してもそのまま再利用可能であるのに対し、本実施形態では、このデバイス11側の孔13内周部にカラー14が備えられており、従ってこのデバイス11の損傷が防がれることによって確実にその再利用を可能とすることができて、一層経済的である。ただし、このような掘削工具においても、上記軸15Dの外周部にもカラーを取り付けたり、あるいはこの軸15Dの外周部のみにカラーを取り付けたりした構成としても勿論よい。
【0041】
さらに、図14および図15は本発明の第3の実施形態を示すものであって、この第3の実施形態は、その基本構成が上記第2の実施形態と同様の構成を採るものであるので、この第2の実施形態と共通する構成部分には同一の符号を配して説明を省略する。すなわち、上記第2の実施形態ではカラー14がデバイス(工具本体)11に形成された孔13の内周部に焼きバメ、冷やしバメ、あるいは圧入などによって取り付けられていたのに対し、本第3の実施形態では、そのカラー18が孔13の内周部に取付部材によって取り付けられていることを特徴とする。ここで、本実施形態では、この取付部材は止めネジ19であり、デバイス11に形成される孔13の先端面11D側には上記大径部13Aよりもさらに大径の座ぐり部13Cが形成されていて、この座ぐり部13Cの底面に上記止めネジ19がねじ込み可能なネジ孔(図示略)が周方向に等間隔に複数形成されている。
【0042】
一方、本実施形態における上記カラー18は、図15に示すように円筒状をなす本体18Aの先端部外周に外周側に拡径するフランジ部18Bが一体に形成された形状をなしており、このフランジ部18Bは、上記座ぐり部13Cに収容可能な外径および厚さとされて、上記止めネジ19が挿通される貫通孔18Cが上記ネジ孔と等しいピッチで形成されるとともに、本体18Aは孔13の大径部13Aに嵌挿可能な外径とこの孔13の小径部13Bに等しい内径を有していて、こうして本体18Aを大径部13Aに嵌挿した上で貫通孔18Cに挿通した止めネジ19を上記ネジ孔にねじ込むことにより、当該カラー18は孔13の内周部に取り付けられて固定される。なお、この取付状態において上記フランジ部18Bの端面や止めネジ19の頭がデバイス11の先端面11Dよりも突出することはない。また、このカラー18の内周部の先端側には第2の実施形態のカラー14と同様にテーパ状の面取り18Dが施されているが、後端側に段部は形成されておらず、カラー18の内周は孔13の小径部13Bに面一に連なるようにされている。
【0043】
しかるに、上記第1、第2実施形態では、カラー10A,10B,14が焼きバメや冷やしバメ、圧入等によって軸3Bの外周部や孔9D,13の内周部に強く密着しているため、摩耗したカラー10A,10B,14を交換するために取り外す際などには、該カラー10A,10B,14を切断して軸3B外周部や孔9D,13内周部から引き剥がしたりプーリー抜きしたりしなければならないが、これに対して上記第3の実施形態では止めネジ19を緩めるだけでカラー18を取り外すことができ、また新たなカラー18を取り付けるときでもこの止めネジ19をねじ込むだけで済むため、交換作業が極めて容易となって効率的である。なお、本実施形態では取付部材としてこのように止めネジ19を用いているが、例えば第1の実施形態においてパイロットビット7の軸部7Cを抜け止めした場合と同じようにして、取付部材としてピンを用いてカラーを取り付けるようにしたりしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、拡径ビットが工具本体と軸孔嵌合して回転可能に支持される掘削工具において、互いに嵌合する軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方に円筒状のカラーを取り付けることにより、摩耗が生じてもこのカラーを交換するだけで当初の嵌合状態に復帰することができ、拡径ビットや工具本体自体は再利用可能となるので、経済的な掘削作業を図ることができる。そして、さらにこのカラーを工具本体や拡径ビットよりも高硬度とすることにより、カラーの摩耗自体を抑えることができて、長期に渡り拡径ビットのがたつきや軸の折損などを防止して安定した掘削を行うことができ、より一層の経済性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す一部破断側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の拡径ビット4…が拡径した状態を示す先端視の一部破断正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の拡径ビット4…が縮径した状態を示す先端視の一部破断正面図である。
【図4】 図1に示す実施形態のデバイス1を示す側断面図である(ただし、後端部1Bは図示が略されている。)。
【図5】 図4に示すデバイス1の先端視の正面図である。
【図6】 図1に示す実施形態の拡径ビット4の側面図である(ただし、チップ5は図示が略されている。)。
【図7】 図6に示す拡径ビット4の先端視の正面図である。
【図8】 図1に示す実施形態のパイロットビット7の側断面図である(ただし、チップ5は図示が略されている。)。
【図9】 図1に示す実施形態のパイロットビット7の先端視の正面図である。
【図10】 図1に示す実施形態のパイロットビット7の後端視の背面図である。
【図11】 本発明の第2の実施形態を示す一部破断側面図である。
【図12】 図11に示す実施形態の拡径ビット15…が拡径した状態を示す先端視の正面図である。
【図13】 図11に示す実施形態の拡径ビット15…が縮径した状態を示す先端視の正面図である。
【図14】 本発明の第3の実施形態を示す一部破断側面図である。
【図15】 図14に示す実施形態のカラー18を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11 デバイス(工具本体)
3G,9D,13 孔
4,15 拡径ビット
4B,4C,15D 拡径ビット4,15の軸
7 パイロットビット(工具本体)
10A,10B,14,18 カラー
19 止めネジ(取付部材)
O デバイス1,11の軸線
X 拡径ビット4,15の中心軸
T 掘削時のデバイス1,11の回転方向
Claims (3)
- 軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、上記軸線から偏心した中心軸回りに回転可能とされて該軸線からの外径が拡径した状態で位置決めされる拡径ビットが取り付けられる掘削工具において、上記拡径ビットは上記中心軸に沿って延びる軸と孔との嵌合によって上記工具本体に回転可能に取り付けられており、これら軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方には円筒状のカラーが取り付けられていることを特徴とする掘削工具。
- 上記カラーは、上記軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方よりも高硬度とされていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
- 上記カラーは、上記軸の外周部と孔の内周部との少なくとも一方に取付部材によって着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
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