JP4171948B2 - 車両用動力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン(内燃機関)を搭載する車両に用いられる車両用動力装置に関し、好適には、内燃機関の頻繁な始動停止を伴うアイドリングストップシステムを搭載する車両の制振に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年地球温暖化並びに大気汚染防止の観点から車の燃料消費量を低減する事が大きな課題となっており、このため車輌が交差点等で止まっている間はエンジンを停止し、発進時に再度始動するアイドリングストップシステムが提案されている。
【0003】
このアイドリングストップシステムでは、エンジンの頻繁な停止始動が生じるので、エンジン始動装置の耐久性の強化とともに、車体の共振点をできるだけ避けるようにエンジン回転数を制御することが要求される。
特に、エンジン始動がエンジン停止よりも長時間を要すること、交差点での発進を円滑に行うことなどの観点から、アイドリングストップシステムを搭載する場合はスタータモータの出力を強化してエンジン回転数の早い立上げを図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン回転数はエンジン停止の際にかならず上記共振点を通過するために、エンジン停止のたびに共振点付近で生じる車体の共振振動が、特にアイドリングストップシステムを採用する車両において、運転フィーリングを顕著に損なうという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、簡素な構成でエンジン停止時における車体の共振振動を低減可能な車両用動力装置を提供することをその解決すべき課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の構成によれば、エンジンによって駆動される交流機の発電電力を整流してバッテリに給電する全波整流回路の下アーム側の整流素子もしくは上アーム側の整流素子の少なくとも一方に、スイッチング素子が並列に接続される。
これら複数のスイッチング素子は、エンジンの停止指令に関連する信号により導通させられ、これにより交流機の電機子コイルは短絡される。この短絡は、少なくともエンジンの回転数がエンジンの共振点に対応する共振回転数値以下に低下するまで持続される。
【0013】
このようにすれば、エンジンの慣性エネルギーを電機子コイルなどの抵抗損失で放散させることにより、のエンジン停止時においてエンジン回転数が共振回転数値及びその近傍を速やかに通過することができるので、エンジン停止時の不快な車両共振現象を軽減することができる。
請求項2記載の構成によれば請求項1記載の車両用動力装置において更に、上記電機子コイル短絡用のスイッチング素子は、バッテリから給電される直流電力を交流機駆動用の交流電力に変換するインバータ回路の一部を兼ねる。
【0014】
このようにすれば、必要に応じて交流機からエンジンを駆動して、公知であるエンジン始動やエンジン制振制御(トルク変動低減制御)やトルクアシストを回路構成の複雑化を抑止しつつ行うことができる。
請求項3記載の構成によれば、交流機は、双方向AC−DCコンバータを通じてバッテリと電力授受可能に接続され、その結果としてエンジンとトルク授受する。
【0015】
エンジンの停止指令に関連する信号により、この双方向AC−DCコンバータを駆動して交流機にその回転方向と逆方向にトルクが生じるように多相交流電圧を印加し、回転磁界を形成する。この電圧印加は、少なくともエンジンの回転数がエンジンの共振点に対応する共振回転数値以下に低下するまで持続される。
このようにすれば、この結果として生じるこの双方向AC−DCコンバータの発電作用により、エンジン停止時のエンジンの慣性エネルギーは、バッテリに回収され、エンジン回転数が共振回転数値及びその近傍を速やかに通過することができるので、エンジン停止時の不快な車両共振現象を軽減することができる。
【0016】
更に、この構成によれば、回路構成を複雑化することなく、公知であるエンジン始動やエンジン制振制御(トルク変動低減制御)やトルクアシストを回路構成の複雑化を抑止しつつ行うことができる。
請求項4記載の構成によれば請求項1乃至3のいずれか記載の車両用動力装置において更に、エンジン回転数が、エンジンの停止指令入力時点の回転数値より低くかつ車両共振点に対応する所定の共振回転数値より所定値以上高い回転数値、もしくは、エンジンの停止指令に関連する信号入力から所定の第一遅延時間遅れた時点にてスイッチ又はスイッチング素子の導通又は逆方向駆動を行い、この第一遅延時間遅れた時点におけるエンジンの回転数が共振回転数値より高くなるように、第一遅延時間を設定する。
【0017】
すなわち、本構成は、本件課題であるエンジン停止時の車両共振現象がエンジン回転数が共振回転数値近傍である場合にエンジンのトルク変動にともなう振動エネルギーが車両に伝達されて生じることに鑑み、交流機によるエンジンの慣性エネルギーの吸収を、エンジンの停止指令入力時点直後からではなく、エンジン回転数がこの共振回転数値近傍よりも高い範囲内で遅延させる。好適には、共振回転数値の10〜30%程度高いエンジン回転数域からこの交流機によるエンジンの慣性エネルギーの吸収を行う。
【0018】
このようにすれば、交流機などに発熱などの負担を掛けることを抑止しながら車両共振現象の低減を図ることができる。したがって、この構成は特に、交流機の電機子コイルの短絡による抵抗損失にて慣性エネルギーを吸収する場合に有効である。
請求項5記載の構成によれば請求項1乃至4のいずれか記載の車両用動力装置において更に、エンジン回転数が、車両共振点に対応する所定の共振回転数値より所定値以上低い回転数値、もしくは、前記エンジンの停止指令に関連する信号入力から所定の第二遅延時間遅れた時点にてスイッチ又はスイッチング素子の遮断又は逆方向駆動の終了を行い、この第二遅延時間遅れた時点におけるエンジンの回転数が共振回転数値より低くなるように、第二遅延時間を設定する。
【0019】
すなわち、本構成は、本件課題であるエンジン停止時の車両共振現象がエンジン回転数が共振回転数値近傍である場合にエンジンのトルク変動にともなう振動エネルギーが車両に伝達されて生じることに鑑み、交流機によるエンジンの慣性エネルギーの吸収をエンジンの完全停止まで行うのではなく、エンジン回転数がこの共振回転数値近傍よりも低い範囲内で遅延させる。好適には、共振回転数値の10〜30%程度低いエンジン回転数域でこの交流機によるエンジンの慣性エネルギーの吸収を終了する。
【0020】
このようにすれば、交流機などに発熱などの負担を掛けることを抑止しながら車両共振現象の低減を図ることができる。したがって、この構成は特に、交流機の電機子コイルの短絡による抵抗損失にて慣性エネルギーを吸収する場合に有効である。また、エンジンをその逆転駆動から保護することができ、エンジンを破損させることがない。
【0022】
【発明を実施するための態様】
交流機としては発電専用のオルタネータやスタータ兼用発電機(スタータ・ジェネレータ)の他、トルクアシスト機能をもつ発電電動機、エンジンのトルク変動と逆位相のトルクを発生する制振機能をもつ発電電動機などを採用することができ、更には、ハイブリッド車におけるエンジントルクを電力に変換する回転電機にも適用することができる。
【0023】
全波整流回路としては、通常のダイオードブリッジ回路の他、ダイオードとスイッチング素子とを並列接続してブリッジ回路を構成したいわゆる双方向AC−DCコンバータ構成としてもよい。
慣性エネルギー吸収用負荷としては、電気加熱触媒用ヒータ、暖房用ヒータ、暖房熱源としての温水を加熱するヒータ、ウインドウのデフロスト用のヒータなどを採用することができる。これらの慣性エネルギー吸収用負荷は、エンジン停止時の慣性エネルギー吸収専用としてもよく、通常に車両に装備されるものを用いることもできる。後者の場合には、バッテリにから通常のスイッチ又はスイッチング素子を通じて給電されるとともに、本発明のエンジン停止時に作動する上述のスイッチやスイッチング素子を通じて交流機から給電されるように回路設計すればよい。慣性エネルギー吸収用負荷は、交流機の各電機子コイルの各相ごとに個別に設けても良く、交流機の各電機子コイルからの多相出力電圧を整流して共通の慣性エネルギー吸収用負荷に給電するようにしてもよい。
【0024】
エンジンの停止指令に関連する信号は、たとえばエンジン停止指令によるエンジン回転数が所定値以下に低下こと示す信号としてもよい。
本発明の好適な態様を以下の実施例を参照して説明する。
【0025】
【実施例1】
(装置構成)
本発明の車両用動力装置の第一実施例を図1に示す回路図を参照して以下に説明する。
1は、従来公知の回転界磁型交流発電機であって、星型接続されたU相、V相、W相の三つの相巻線(電機子コイル)をもつステータ11、ロータを励磁する界磁コイル12、各相巻線の出力端子111、112、113から入力される三相交流電力電圧を整流するダイオ−ドブリッジ(全波整流回路)13を有する。
【0026】
ダイオ−ドブリッジ13は、三相全波整流回路の上アームをなすダイオ−ドセット131及びその下アームをなすダイオ−ドセット132からなり、ダイオ−ドブリッジ13の高位側の直流出力端子1311及び低位側の直流出力端子1321はバッテリ2の正極端子及び負極端子に個別に接続されている。なお、この実施例では従来同様、ダイオ−ドブリッジ13の低位側の直流出力端子1321は車体を通じてバッテリ2の負極端子に接続されている。
【0027】
14は、界磁コイル12に流れる界磁電流を制御するレギュレータであり、レギュレータ14はバッテリ2の電圧を読み込んでそれを所定レベルに保つように界磁電流を制御する周知の制御を行う。
3はヘッドランプなどの車載負荷であり、4はリレー(本発明でいうスイッチ)であって、その一端は第2の三相全波整流回路の上アームをなすダイオ−ドセット6を通じて、交流機6の出力端子111、112、113に接続され、リレー4の他端は負荷5を通じて接地されている。負荷5の他端はボデーアース回路によってダイオ−ドブリッジ13の低位側の直流出力端子1321に接続されている。負荷5はたとえば温水加熱用ヒータ、電気加熱触媒ヒータ、ブロワモータ、デフロスト用ヒータなどの低インピーダンス負荷で構成されている。
【0028】
したがって、発電機1の交流出力は、ダイオ−ドセット6を上アームとし、ダイオ−ドセット132を下アームとする第2の三相全波整流回路で整流されて、リレー4を通じて負荷5に供給される構成となっている。7はリレー4を開閉するコントローラ、8はエンジン停止時以外において負荷5へ給電するためのリレーであり、不図示のコントローラにより制御される。なお、負荷(慣性エネルギー吸収用負荷)5がエンジン停止時又は車両制動時のみ作動する専用負荷である場合にはリレー8は省略することができる。
【0029】
次に、この装置の動作を説明する。
発電機1は、機械的に連結された図示しないエンジンによって駆動されている。発電機1の出力は、ダイオ−ドブリッジ13によって整流されて車載バッテリ2及び負荷3に供給されている。車両が運転者のブレーキ動作によって減速状態に入ると、図示しないエンジン制御ECUによって燃料をカットされて車両のプロペラシャフトによって回される状態又はクラッチが切り離された後は慣性回転状態となっている。
【0030】
発電機1はエンジンによって駆動されているので発電してバッテリ2、負荷3に電力を供給しており、そのための入力パワーがエンジンの回転エネルギーを吸収してエンジン回転数を低下させる。しかしながら発電機1の発電電圧が車載バッテリ2の電圧よりも低くなると、エンジンを止めようとする外力は主にエンジンのフリクションロスのみとなる。この時、エンジンは圧縮、膨張をくりかえすことによるトルク変動を伴ないながら停止に到る。これが車体との共振を起こす要因であり、エンジン回転数がこの共振点に対応する回転数値をすみやかに通過させるようにすれば、車体共振を低減できるはずである。
【0031】
そこで、この実施例では上述したように、車両制動信号の入力とともにコントローラ7がリレー4を閉じて、発電機1の出力を負荷5に給電し、車両の運動エネルギーを発電機1の発電動力として吸収させてブレーキ負荷を減らすとともに、更に、このリレー4のオンを少なくともエンジン回転数が共振回転数値以下となるまで持続し、これにより、発電電圧がバッテリ電圧以下でのエンジン回転数域でも負荷5に電力消費させることにより、エンジン回転数が、エンジンの共振点に相当する共振回転数値(すなわち、エンジントルク変動に対して車両が共振する周波数に対応するエンジン回転数値)をすばやく通過させるようにしている。これにより、不快な車両共振現象を抑止することができる。
【0032】
すなわち、この実施例によれば、負荷5は、車両制動時の制動力増大効果と、エンジン停止時の車両共振低減効果とを奏することができるものである。
エンジン停止時の車両共振低減効果のみを目的とする場合のコントローラ7の動作制御の一例を図2を参照して説明する。
エンジン停止指令信号の入力によりリレー4をオンし(s1)、所定時間Tを経過するまで待機し(s2)、経過すればリレー4をオフし(s3)、コントローラ7へのバッテリ2からの給電を遮断する。
【0033】
(変形態様)
図3に示すように、バッテリ2から電源スイッチ70を通じて電源電圧を給電されるコントローラ7が、エンジン制御用ECU(図示せず)からのエンジン停止指令信号の入力によりリレー4の励磁コイル40を導通させ、その後、上記エンジン停止指令信号により電源スイッチ70が遮断されてコントローラ7がオフ状態となっても、ダイオードセット6の整流電圧をリレー4の励磁コイル40に給電しているので、発電機1の発電電圧がリレー4の接点保持ができなくなるまで低下するまではダイオードセット6は負荷5へ通電することができる。
【0034】
その他、コントローラ7へのバッテリ2よりの電源電圧の給電をエンジン停止指令信号の入力後も必要時間持続するように構成できることはもちろんである。71はリレー4を駆動制御するトランジスタである。
(変形態様)
また、図4に示すように、コントローラ7へダイオードセット6から電源電圧を給電すれば、エンジンオフ後のコントローラ7への給電を省略することも可能である。72はリレー4を駆動制御するトランジスタである。
【0035】
(変形態様)
車両制動を指令する信号またはエンジン停止指令信号の入力により界磁コイル12へ通電する界磁電流を増大して、制動効果の向上または負荷5の消費電力の増大を図るようにしてもよい。
【0036】
【実施例2】
他の実施例を図5を参照して以下に説明する。
図5に示す回路は、図1に示す回路において、リレー4をバイポーラnpnパワートランジスタ42に置換したものである。
このようにしても、実施例1と同じ動作、作用効果を実現することができる。
【0037】
(変形態様)
車両制動を指令する信号(たとえばブレーキペダル踏み込み量検出センサの信号)の入力により、トランジスタ42をオンすることにより、車両制動効果を向上することができる。ただし、この場合、エンジン回転数が発電機1がまだ十分にバッテリ2を充電できるレベルであればこのトランジスタ42のオンを行わず、更にそれ以下にエンジン回転数が落ち込んだことを検出してトランジスタ42をオンすることが好ましい。
【0038】
図6にこの車両制動制御の一例を示す。
車両制動を指令する信号の入力によりルーチンを開始し、エンジン回転数に基づいて発電機1がバッテリ2に十分に給電できるかどうかを判断し(S11)、十分に給電できない場合に至ったらトランジスタ42をオンして負荷5の電力消費を開始し(S12)、制動中止かどうかを調べて(S13)、車両制動中止であればトランジスタ42をオフする。
【0039】
【実施例3】
他の実施例を図7を参照して以下に説明する。
図7に示す回路は、図1に示す回路において、ダイオードセット6、負荷5、コントローラ7、リレー8を省略し、その代わりに、全波整流回路13の下アームをなすダイオードセット132を、変形全波整流回路13’の下アームをなすダイオード・IGBTセット132’に置換したものである。
【0040】
なお、以下の各実施例において、IGBTをMOSFETなどの他の種類の3端子スイッチング素子に置換してもよいことは当然である。
このダイオード・IGBTセット132’は、図1のダイオードセット132を構成する3つのダイオードにそれぞれIGBT素子Trをエミッタ接地形式で並列接続したものである。
【0041】
この回路の動作を以下に説明する。
車両が停止のため減速状態に入り、エンジンが慣性回転状態になり発電機の発生電圧がバッテリ電圧以下になれば、コントローラ6が下アームのIGBT素子Trをすべてオンさせ、これにより発電機1の各相巻線は短絡されて、発電機1発電出力はほとんどステータ11内の抵抗損失として消費され、その結果、エンジン回転数の低下が加速されて車体との共振点をすばやく通過し、実施例1と同様の共振低減効果を奏することができる。
【0042】
この時のコントローラ6の制御動作の一例を図8に示すフローチャートを参照して説明する。
エンジン停止指令信号の入力によりルーチンをスタートし、エンジン回転数が第一回転数値N1未満になったら(S21)、IGBT素子Tr(本発明でいうスイッチング素子)をオンし(S22)、エンジン回転数が第二回転数値N2未満になったら(S23)、IGBT素子Trをオフし(S24)、図示しないメインルーチンにリターンする。実施例1同様、メインルーチンは所定時間ごとに実施される。
【0043】
この実施例では、第一回転数値N1は共振回転数値Nrよりその20%高い値とされ、第二回転数値N2は共振回転数値Nrよりその20%低い値とされる。エンジン回転数は直接センサから読み込んでもよく、発電機1の回転数を読み込んで換算してもよく、発電機1の発電電圧から推定してよい。
このようにすれば、エンジン、第二回転数値N2から共振回転数値Nrを通過して第一回転数値N1に至る短期間だけエンジンの慣性エネルギーを吸収するので、発電機1の発熱を抑止しつつ、車体共振を低減することができる。なお、エンジン回転数が第二回転数値N2から0に至るまでの間は、発電機1は発電電流0で回転することができ、加熱された電機子コイルの冷却が可能となり、発電機1の耐久性を向上することができる。
【0044】
なお、前述のようにエンジン回転数によりIGBT素子Trのオン、オフを行う代わりに、車両制動信号又はエンジン停止指令信号の入力時点からの経過時間とあらかじめ設定した所定のスイッチオン時間、スイッチオフ時間との比較に基づいて同様の制御を行っても良い。ただし、スイッチオン時間はエンジン回転数が共振回転数値近傍より高い時点に設定されるべきであり、スイッチオフ時間はエンジン回転数が共振回転数値近傍より低い時点に設定されるべきである。
【0045】
【実施例4】
他の実施例を図9を参照して以下に説明する。
図9に示す回路は、図5に示す回路において、全波整流回路13のダイオードセット131、132の各ダイオードDに、それぞれIGBT素子Trを並列接続することにより、全波整流回路13を双方向AC−DCコンバータ13aに変換したものである。
【0046】
本構成によれば、双方向AC−DCコンバータ13aによって発電機1をモータ駆動してエンジンを始動し、その後は通常の発電機として作動させる公知の制御を行うことができ、発電機1はいわゆる発電電動機として作動する。更に、車両が減速停止状態に入ってエンジンがエンジン制御ECUによって燃料カットされると、トランジスタ42をオンする。
【0047】
その結果、実施例1同様に、双方向AC−DCコンバータ13aの下アーム側のダイオードDと、ダイオードセット6とが構成する全波整流回路から負荷5へ給電されて、その電力消費により車両制動効果を向上することができる。また、コントローラ7へのエンジン停止指令信号の入力により同様に車両共振の低減を行うことができる。
【0048】
(変形態様)
上述した車両制動時又はエンジン停止指令信号の入力時に、双方向AC−DCコンバータのIGBT素子Trをたとえばベクトル制御により断続制御してステータ11の電機子コイルに、界磁電流が形成する回転磁界と同相の回転磁界を生じさせ、これにより発電機1の全体としての回転磁界を増強してその発電電圧を増大することができる。
【0049】
このようにすれば、車両制動効果又は車両共振低減効果を向上することができる。
なお、図9において、ダイオードセット6、負荷5、トランジスタ42を省略し、双方向AC−DCコンバータ13aの下アーム側の3つのIGBT素子Trを導通させるか、又は、上アーム側の3つのIGBT素子Trを導通させることにより、電機子コイルの短絡により実施例2と同様の効果を奏することもできる。
【0050】
【実施例5】
他の実施例を図10を参照して以下に説明する。
図10に示す回路は、図9に示す回路において、全波整流回路13のダイオードセット131、負荷5、トランジスタ42を省略したものである。
この実施例では、双方向AC−DCコンバータ13aの各IGBT素子Trを制御するコントローラ7は、エンジンの停止指令に関連する信号の入力(又は車両制動指令の入力)により、発電機1にその回転方向と逆方向にトルクが生じるように多相交流電圧を印加し(逆方向駆動という)、たとえばベクトル制御法により回転磁界を形成する。このようにすれば、結果的に、電力がIGBT素子Trを通じてバッテリ2に回収される。
【0051】
この実施例によれば、車両共振低減とともに車両の慣性エネルギーのバッテリへの回収とを行うことができ、更に、回路は既知の回生制動機能付きのエンジン直結型の発電電動機の構成でよいので、エンジン始動や回生制動も実施することができる。
この場合も、コントローラ6による上記IGBT素子Trの逆方向駆動制御は、たとえば図6に示すトランジスタ42の導通期間において行えばよい。
【0052】
【実施例6】
他の実施例を図11を参照して以下に説明する。
この実施例は、負荷(慣性エネルギー吸収用負荷)5の一態様を示すものであって、100は車載エアコン用の温水ヒータユニットであり、102はそのエンジン温水投入口、103は分配チューブ、104は分配チューブ103に接合された放熱フィンあって、放熱フィン104は、図示しないブロワーにより形成される空気流と熱交換し、暖房用空気流を形成する。105は暖水の排出口であり、図示しないラジエ−タを経由してエンジンにもどる。106は負荷5を構成する電熱ヒータであり、発熱により温水を温める電熱抵抗体107を内蔵する。
【0053】
このようにすれば、車両の慣性エネルギーを暖房用の熱源として用いることができ、夏期においては、ラジエ−タで放熱すれば良い。
(変形態様)
上記各実施例では、発電機1として巻線界磁型を採用したが、永久磁石界磁型に応用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用動力装置の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1に示す装置の動作例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す装置の変形態様を示す回路図である。
【図4】図1に示す装置の変形態様を示す回路図である。
【図5】本発明の車両用動力装置の他実施例を示す回路図である。
【図6】図5に示す装置の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の車両用動力装置の他実施例を示す回路図である。
【図8】図7に示す装置の動作例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の車両用動力装置の他実施例を示す回路図である。
【図10】本発明の車両用動力装置の他実施例を示す回路図である。
【図11】本発明の車両用動力装置の他実施例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1:車両用発電機
2:バッテリ
4:リレー(スイッチ)
42:トランジスタ(半導体スイッチング素子)
5:負荷(慣性エネルギー吸収用負荷)
6:上アームをなすダイオードセット(制振全波整流回路の上アームをなす半ブリッジ)
7:コントローラ(制御部)
11:発電機1のステータ
111、112、113:発電機の交流出力端子
12:発電機の界磁巻線
13:発電機のダイオ−ドブリッジ(全波整流回路)
131:ダイオ−ドセット(バッテリ給電用の全波整流回路の上アームをなす半ブリッジ)
132:ダイオ−ドセット(全波整流回路の下アームをなす半ブリッジ)
14:レギュレータ
13a:双方向AC−DCコンバータ
Claims (5)
- エンジンによって駆動される交流機、及び、前記交流機の発電電力を全波整流してバッテリに給電する全波整流回路を備える車両用動力装置において、
前記全波整流回路の下アーム側の整流素子もしくは上アーム側の整流素子と並列に接続されるスイッチング素子と、
前記エンジンの停止指令に関連する信号、並びに、前記交流機から前記バッテリへの給電に関する信号が入力され、前記エンジンの停止指令に関連する信号の入力後でかつ前記交流機から前記バッテリへの給電が所定レベル未満となった後に前記スイッチング素子を導通させるとともに、少なくとも前記エンジンの回転数が前記車体の共振点に対応する共振回転数値以下に低下するまで前記導通を持続することにより、前記交流機の電機子コイルを短絡して前記エンジンの慣性エネルギーを前記発電機の抵抗損失として吸収させる制御部と、
を備えることを特徴とする車両用動力装置。 - 請求項1記載の車両用動力装置において、
前記スイッチング素子は、前記バッテリから給電される直流電力を前記交流機駆動用の交流電力に変換するインバータ回路の一部を兼ねることを特徴とするを給電する車両用動力装置。 - エンジンとトルク授受可能に連結される交流機、及び、前記交流機とバッテリとの間で電力授受する双方向AC−DCコンバータとを備える車両用動力装置において、
前記エンジンの停止指令に関連する信号により前記双方向AC−DCコンバータを駆動するとともに、少なくとも前記エンジンの回転数が前記車体の共振点に対応する共振回転数値以下に低下するまで前記駆動を持続することにより、前記交流機に逆回転方向へのトルクを生じさせる逆方向駆動を行う制御部と、
を備えることを特徴とする車両用動力装置。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の車両用動力装置において、
前記制御部は、前記エンジン回転数が、前記エンジンの停止指令入力時点の回転数値より低くかつ前記共振回転数値より所定値以上高い回転数値、もしくは、前記エンジンの停止指令に関連する前記信号入力から所定の第一遅延時間遅れた時点にて前記スイッチ又はスイッチング素子の導通又は前記逆方向電動駆動を行い、
前記第一遅延時間遅れた時点における前記エンジンの回転数が前記共振回転数値より高くなるように、前記第一遅延時間を設定することを特徴とする車両用動力装置。 - 請求項1乃至4のいずれか記載の車両用動力装置において、
前記制御部は、0より大きくかつ前記共振回転数値より所定値以上低い回転数値、もしくは、前記エンジンの停止指令に関連する前記信号入力から所定の第二遅延時間遅れた時点にて前記スイッチ又はスイッチング素子の遮断又は前記逆方向電動駆動の終了を行い、
前記第二遅延時間遅れた時点における前記エンジンの回転数が前記共振回転数値より低く、かつ0より大きくなるように、前記第二遅延時間を設定することを特徴とする車両用動力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11977999A JP4171948B2 (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 車両用動力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11977999A JP4171948B2 (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 車両用動力装置 |
Publications (2)
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