JP4168551B2 - 両性共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は両性共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、廃水処理剤、帯電防止剤、キレート剤、製紙用薬剤、接着剤、アンカーコート剤などとして有用な両性共重合体を、モノアリルアミン化合物またはジアリルアミン化合物と不飽和ジカルボン酸を原料として用い、効率よく製造する工業的に有利な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
両性高分子化合物は、例えば廃水処理剤、帯電防止剤、キレート剤、製紙用薬剤、接着剤、アンカーコート剤などの工業薬剤として広い分野に用いられている。この両性高分子化合物の一つであるアリルアミン類と不飽和ジカルボン酸を原料とする両性共重合体の製造方法としては、一般に、モノアリルアミン化合物やジアリルアミン化合物と不飽和ジカルボン酸とを、水中で共重合させ、両性共重合体を水溶液として製造する方法が知られている(特開平6−116341号公報など)。しかしながら、このような製造方法においては、水溶液として得られる両性共重合体から、完全に水分を除去してなる無水体の製造が困難である上、未反応で残存するアリルアミン類や不飽和ジカルボン酸が水中で重合体に付加するために、その除去に酸およびアルカリを添加して、脱離操作と再沈操作などを行う必要があり、精製操作が極めて煩雑であるなどの欠点を有している。
したがって、これまで、水中で重合させる両性共重合体の製造方法では、目的の両性共重合体を、無水状態で精製された高純度製品として、工業的に製造することは極めて困難であった。
【0003】
ファインケミカル分野においては、一般に含水品や未精製品を用いると、それらに係る材料の劣化が起こりやすく、実用的に問題となることが多い。したがって、近年、上記の両性共重合体においても、無水体や高純度品に対する要求が高まりつつあり、その工業的な製造方法の開発が望まれていた。しかしながら、有機溶媒中において、該両性共重合体を効率よく製造する工業的に有利な方法は、これまで見出されていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、アリルアミン類と不飽和ジカルボン酸を原料とする無水で、高純度の両性共重合体を、効率よく工業的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機溶媒中において、特定の非イオン性ラジカル重合開始剤の存在下に、モノアリルアミン化合物またはジアリルアミン化合物と不飽和ジカルボン酸を共重合させることにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、有機溶剤中において、一般式(I)
【化5】
(式中のR1〜R4は、それぞれ同一または異なる炭素数1〜4のアルキル基であって、R 5およびR6は、それぞれ同一または異なる炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるアゾ化合物の中から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤の存在下、(A)(イ)一般式(III)
【化7】
(式中のR13およびR14は、それぞれ同一または異なる水素原子、炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数5〜6のシクロアルキル基を示す。)
で表されるモノアリルアミン化合物、または(ロ)一般式(IV)
【化8】
(式中のR15は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数5〜6のシクロアルキル基を示す。)
で表されるジアリルアミン化合物若しくはその第四級アンモニウム塩と、(B)不飽和ジカルボン酸とを、モル比3:1ないし1:3の割合で共重合させることを特徴とする両性共重合体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の両性共重合体の製造方法においては、有機溶剤中において重合反応が実施される。
上記有機溶剤としては、極性の高い有機溶剤(極性有機溶剤)が好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジプロピルイミダゾリジノン、テトラメチルウレアなどを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0008】
本発明の方法においては、ラジカル重合開始剤として、一般式(I)
【化9】
で表されるアゾ化合物、あるいは一般式(II)
【化10】
で表されるアゾ化合物が用いられる。
【0009】
前記一般式(I)において、R1〜R4は、それぞれ炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、また、R1とR2、R3とR4がたがいに結合して環を形成していてもよい。さらに、R1とR3、R2とR4は、合成の容易さなどの点から、同じであるものが好ましい。R5およびR6は、それぞれアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易さなどの点から、同じであるものが好ましい。
【0010】
この一般式(I)で表されるアゾ化合物の例としては、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)[式(I)において、R1=R2=R3=R4=CH3、R5=R6=CH3]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸エチル)[式(I)において、R1=R2=R3=R4=CH3、R5=R6=C2H5]、2,2′−アゾビス(2−メチル酪酸メチル)[式(I)において、R1=R3=CH3、R2=R4=C2H5、R5=R6=CH3]、2,2′−アゾビス(2−メチル酪酸エチル)[式(I)において、R1=R3=CH3、R2=R4=C2H5、R5=R6=C2H5]などが挙げられる。
【0011】
一方、前記一般式(II)において、R7〜R10は、それぞれ炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、また、R7とR8、R9とR10がたがいに結合して環を形成していてもよい。さらに、R7とR9、R8とR10は、合成の容易さなどの点から、同じであるものが好ましい。R11およびR12は、それぞれ水素原子、またはアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易さなどの点から、同じであるものが好ましい。
【0012】
この一般式(II)で表されるアゾ化合物の例としては、2,2′−アゾビス(2−アセトキシプロパン)[式(II)において、R7=R8=R9=R10=CH3、R11=R12=CH3]、2,2′−アゾビス(2−アセトキシブタン)[式(II)において、R7=R9=CH3、R8=R10=C2H5、R11=R12=CH3]、1,1′−アゾビス(1−ホルムオキシシクロヘキサン)[式(II)において、R7とR8、R9とR10がたがいに結合してそれぞれ−(CH2)5−となり環を形成しており、R11=R12=H]などを挙げることができる。
【0013】
本発明においては、ラジカル重合開始剤として、これらのアゾ化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)が好適である。なお、このラジカル重合開始剤には、塩化亜鉛などの無機塩などを特に共存させる必要はない。
【0014】
以上のように、本発明に用いるラジカル重合開始剤は、特定のアゾ基を含む非イオン性ラジカル重合開始剤であることに特徴がある。
【0015】
本発明の方法においては、原料の(A)成分として、(イ)一般式(III)
【化11】
(式中のR13およびR14は、それぞれ同一または異なる水素原子、炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数5〜6のシクロアルキル基を示す。)
で表されるモノアリルアミン化合物、または(ロ)一般式(IV)
【化12】
(式中のR15は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数5〜6のシクロアルキル基を示す。)
で表されるジアリルアミン化合物若しくはその第四級アンモニウム塩が用いられる。
【0016】
前記一般式(III)および一般式(IV)において、R13、R14およびR15における炭素数1〜12のアルキル基は直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、またアラルキル基であってもよい。その例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基などが挙げられる。また、R13、R14およびR15における炭素数5〜6のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が挙げられる。
【0017】
前記一般式(III)で表されるモノアリルアミン化合物の例としては、モノアリルアミン、N−メチルアリルアミン、N−エチルアリルアミン、N−n−プロピルアリルアミン、N−イソプロピルアリルアミン、N−n−ブチルアリルアミン、N−イソブチルアリルアミン、N−tert−ブチルアリルアミン、N−ヘキシルアリルアミン、N−シクロヘキシルアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジエチルアリルアミン、N,N−ジプロピルアリルアミン、N,N−ジブチルアリルアミンなどが挙げられる。
【0018】
次に、一般式(IV)で表されるジアリルアミン化合物の例としては、ジアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−エチルジアリルアミン、N−プロピルジアリルアミン、N−ヘキシルジアリルアミン、N−オクチルジアリルアミン、N−ベンジルジアリルアミンなどが挙げられ、またその第四級アンモニウム塩としては、例えばジアリルジメチルアンモニウムハライドなどが挙げられる。
【0019】
また、これら一般式(III)および(IV)で表されるモノマーの単独重合においては通常、塩酸、硫酸等の鉱酸で中和し、鉱酸塩にしないと重合しないが、本発明においては鉱酸塩にすると収率が大きく低下するので好ましくなく、通常フリーアミンそのままで重合に用いられる。
【0020】
一方、前記(A)成分と共重合させる(B)成分の不飽和ジカルボン酸としては、分子内に1つのエチレン性不飽和結合と2つ以上のカルボキシル基を有する化合物でかつ(A)成分と共重合可能な化合物であれば限定しないが、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などが好ましく用いられる。
【0021】
本発明の方法においては、前記(A)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また(B)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この(A)成分と(B)成分の使用割合は、モル比で3:1ないし1:3の範囲で選ぶことが必要である。このモル比が上記範囲を逸脱すると収率の低下が大きくなり、実用的でない。
【0022】
本発明の方法においては、有機溶剤中において、前記アゾ化合物からなるラジカル重合開始剤の存在下に、前記(A)成分のアリルアミン類と(B)成分の不飽和ジカルボン酸とを所定の割合で共重合させて両性共重合体を製造するが、この際用いられるラジカル重合開始剤の量は、使用するモノマー全量に対して、通常1〜20モル%、好ましくは2〜10モル%の範囲で選定される。また、モノマー濃度は、通常10〜80重量%、好ましくは50〜70重量%である。モノマー濃度が低すぎると重合反応が遅くなる傾向がある。
重合温度は、用いる重合媒体などにより異なるが、通常、20℃〜還流温度、好ましくは30℃〜80℃の範囲で選定される。
重合時間は、重合温度及びラジカル開始剤の種類と量などに左右され一概に定めることができないが、通常は120時間以内で十分である。
【0023】
本発明の方法においては、生成する共重合体は、重合反応終了時点で、通常固体として析出するので、例えば重合終了液を、適当な有機溶剤、好ましくは重合媒体として使用したものと同じ有機溶剤中に投入して洗浄後、公知の方法により固液分離し、得られた固形物を乾燥処理する。この処理により、残留モノマーが除去され、精製された高純度の両性共重合体が得られる。そして、媒体として有機溶剤のみを使用すれば、無水で、高純度の両性共重合体を得ることができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0025】
実施例1
(1)両性共重合体の製造
マレイン酸(MAと略記する)116.07g(1.0モル)にエタノール175gを加えて溶解し、撹拌、冷却下にモノアリルアミン(AAと略記する)74.22g(1.3モル)を、温度10℃以下に保ちながら滴下することによって、モノマー濃度50重量%のモノマー混合液を調製した。
【0026】
このモノマー混合液を55℃に昇温し、その温度を維持しながら、これにラジカル重合開始剤として2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(MAIBと略記する)23.03g(両モノマーの合計量に対して5.0モル%)を加えて、72時間重合させた。重合途中、次第に重合体が析出し、終了時にはほぼ固化した状態になった。
重合反応終了後、得られた重合混合物を多量のエタノール中に投入して洗浄し、ろ取したのち、真空加熱乾燥して、両性共重合体の白色粉末186.39gを得た。重合収率は92.9%であった。
【0027】
(2)両性共重合体の性状
(イ)得られた共重合体は、濃度0.1モル/リットル水溶液中において、pH2.1〜4.3の間で水に不溶性であり、この範囲外では水溶性であった。すなわち、典型的な高分子両性電解質としての性質を示す。
(ロ)ウベローデ型粘度計(80秒計)を用い、0.1N NaCl水溶液中、30℃、濃度0.5g/デシリットル中の条件で測定した固有粘度は0.041であった。
(ハ)この共重合体の赤外吸収スペクトルは、図1に示すとおりである。
(ニ)元素分析値はC=50.41%、H=6.99%、N=7.89%であり、AAとMAとのモル比が1:1.1の共重合体であることが分かる。
(ホ)カールフィッシャー水分測定機(京都電子社製「MKS−510」、気化装置「ADP511S」)を用い、サンプル量0.25g、温度150℃、気化時間20分の条件で水分率を測定したところ、水分率は1.0重量%未満であった。
【0028】
実施例2〜4、比較例1、2
実施例1において、AAとMAとのモル比を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、両性共重合体を得た。重合収率および得られた両性共重合体の固有粘度を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
[注]
モノマー濃度:50重量%
重合開始剤:MAIB
重合開始剤量:5.0モル%(対モノマー)
重合温度:55℃、重合時間:72時間
重合溶媒:エタノール
【0031】
実施例5〜7
実施例1において、重合溶媒としてエタノールの代わりに、表2に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして両性共重合体を得た。重合収率を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
[注]
AA/MAモル比:1.3/1
モノマー濃度:50重量%
重合開始剤:MAIB
重合開始剤量:5.0モル%(対モノマー)
重合温度:55℃、重合時間:72時間
【0034】
実施例8〜10
実施例1において、マレイン酸の代わりに表3に示す不飽和ジカルボン酸を用い、かつモノマー濃度を表3に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして両性共重合体を得た。表3に、重合収率と両性共重合体の性状を示す。
【0035】
【表3】
【0036】
[注]
FA:フマル酸、CA:シトラコン酸、IA:;イタコン酸
AA/ジカルボ酸モル比:1.3/1
重合開始剤:MAIB
重合開始剤量:5.0モル%(対モノマー)
重合温度:55℃、重合時間:72時間
重合溶媒:エタノール
【0037】
実施例11〜14
実施例1において、モノアリルアミンの代わりに表4に示すアリルアミン類を用い、かつモノマー濃度を表4に示すようにすると共に、重合溶媒としてエタノールの代わりに、イソプロパノールを用いた以外は、実施例1と同様にして両性共重合体を得た。重合収率および両性共重合体の性状を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
[注]
DMAA:ジメチルアリルアミン
DAA:ジアリルアミン
MDAA:メチルジアリルアミン
DADMAC:ジアリルジメチルアンモニウムクロリド
アリルアミン類/MAモル比:1.3/1
重合開始剤:MAIB
重合開始剤量:5.0モル%(対モノマー)
重合温度:55℃、重合時間:72時間
重合溶媒:イソプロパノール
【0040】
比較例3〜9
実施例1において、重合開始剤としてMAIBの代わりに、表5に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして両性共重合体を得た。重合収率および両性共重合体の固有粘度を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
[注]
AIBN:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
ABAP:2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩
ADVN:2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
AMBN:2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
ACVA:4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)
VA−086:2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
モノマー濃度:50重量%
重合開始剤量:5.0モル%(対モノマー)
重合温度:55℃、重合時間:72時間
重合溶媒:エタノール
【0043】
比較例10〜12
実施例1において、モノアリルアミンの代わりにモノアリルアミン塩酸塩(AA−HClと略記する)結晶を用い、かつ重合溶媒として表6に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして両性共重合体を得た。重合収率を表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】
[注]
AA・HCl/MAモル比:1.3/1
モノマー濃度:50重量%
重合開始剤:MAIB
重合開始剤量:5.0モル%(対モノマー)
重合温度:55℃、重合時間:72時間
【0046】
試験例
実施例1で得られたAA/MA両性共重合体および実施例12で得られたDAA/MA両性共重合体を、それぞれ濃度が0.02モル/リットルになるように水中に溶解したのち、1モル/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、pH7に調整して、それぞれ両性共重合体水溶液を得た。それぞれの水溶液にアルミニウム箔片を入れ、80℃で20日間放置してアルミニウム表面の腐食状態を調べたところ、いずれの水溶液においても腐食は生じなかった。
したがって、本発明の方法により製造した高純度両性共重合体は、金属に対して低腐食性であることが判明した。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、従来不可能であると考えられていた有機溶媒中でのアリルアミン類と不飽和ジカルボン酸との両性共重合体の工業的な製造が可能となり、無水で、高純度の両性共重合体を効率よく製造することができる。
本発明の方法で得られた無水で、高純度の両性共重合体は、例えば廃水処理剤、帯電防止剤、キレート剤、製紙用薬剤、接着剤、アンカーコート剤などとして、各種ファインケミカル分野におる用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたモノアリルアミン/マレイン酸共重合体の赤外吸収スペクトル図である。
Claims (3)
- 有機溶剤中において、一般式(I)
で表されるアゾ化合物の中から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤の存在下、(A)(イ)一般式(III)
で表されるモノアリルアミン化合物、または(ロ)一般式(IV)
で表されるジアリルアミン化合物若しくはその第四級アンモニウム塩と、(B)不飽和ジカルボン酸とを、モル比3:1ないし1:3の割合で共重合させることを特徴とする両性共重合体の製造方法。 - (B)成分の不飽和ジカルボン酸がマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸またはイタコン酸である請求項1に記載の両性共重合体の製造方法。
- ラジカル重合開始剤が2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)である請求項1または2に記載の両性共重合体の製造方法。
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