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JP4161396B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池 Download PDF

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解液二次電池に関し、特に放電負荷特性及び充放電サイクル特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型軽量化に伴って、電源となる二次電池に対して高いエネルギー密度を有することが求められるようになっている。そのような要求に応える二次電池として非水電解液二次電池が期待されている。
【0003】
非水電解液二次電池としては、負極材料にリチウム金属やリチウム合金を用い、正極材料にリチウム含有化合物を用いたものが提案されている。
【0004】
しかしながら、リチウム金属やリチウム合金を負極に用いた場合、充電過程において負極上でリチウム金属がデンドライト状に析出し易い。このデンドライト結晶の先端では非常に高い電流密度になるため、非水電解液が分解してサイクル寿命が低下したり、また負極から析出したデンドライト結晶が正極にまで到達し、電池の内部短絡が発生するといった問題がある。
【0005】
これに対して、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料を負極材料に用いた非水電解液二次電池が提案されている。この炭素材料としては、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、黒鉛類が用いられ、これらについては結晶構造パラメータを制御したものが特開平2−82466号公報、特開平4−611747号公報、特開平4−115458号公報、特開平4−184862号公報等で提案されている。
【0006】
このような炭素材料を用いる非水電解液二次電池では、リチウム金属やリチウム合金を負極に用いる電池と異なり、電池系内でリチウムが金属状態で存在しないためにデンドライトの形成が抑制され、良好なサイクル特性が得られる。特に黒鉛類は体積当たり、または重量当たりのリチウムイオン吸蔵量が大きいため、大きな放電容量が得られ、また放電電圧を平坦にできるという利点がある。
【0007】
ところで、非水電解液二次電池の正極材料としては、LiCoO2やLiNiO2が多く用いられている。しかし、コバルトやニッケルは資源が稀少であり、これらを含有するコバルト化合物やニッケル化合物は、鉛やマンガン化合物よりも高価になり、正極材料を多量に使用する大型電池に用いるには無理がある。
【0008】
そこで、比較的資源が豊富なMnを含有するリチウムマンガン酸化物の使用が検討され、例えば米国特許4366215号、米国特許4828834号、米国特許4980251号、特開平7−192768号公報等においてスピネル型リチウムマンガン酸化物を正極材料として用いることが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リチウムマンガン酸化物を正極材料として使用した場合、LiCoO2やLiNiO2を正極材料として用いる場合に比べてどうしても電池性能が劣ってしまう。
【0010】
すなわち、リチウムマンガン酸化物を正極材料として使用した電池では、充放電に伴って可逆性が失われ、それによる容量低下が著しい。また、特に高温環境下で連続して充放電を行った場合には、充放電サイクルの進行に伴って容量が大きく低下する。さらに、大電流条件での充放電では、充放電サイクルにリチウムの出入りが追従できず、放電容量が損なわれるといった問題がある。
【0011】
そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、リチウムマンガン酸化物を正極材料として使用する二次電池であって、優れた放電負荷特性と充放電サイクル特性が得られる非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の非水電解液二次電池は、リチウムマンガン酸化物を含有する正極合剤層が正極集電体に保持されてなる正極と、黒鉛を含有する負極合剤層が負極集電体に保持されてなる負極と、非水溶媒にリチウム塩が0.5〜2mol/l溶解されてなる非水電解液を有してなり、上記正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と上記負極合剤層に含有される黒鉛との重量比が、2.0:1〜2.9:1であり、リチウムマンガン酸化物は、LiMnO(但し、xは0.505〜0.525であり、yは1.96〜2.00である)で表され、X線回折による(311)回折ピークと(400)回折ピークの比が1:1.10〜1:1.20であり、上記黒鉛のX線回折法によって測定される(002)面の面間隔dが0.34nm以下であり、真密度が2.0g/cm以上であり、上記負極合剤層の充填密度が、1.4〜1.7g/cmであり、正極と負極の厚さの比が、1.15:1〜1.6:1であることを特徴とする。
【0013】
リチウムマンガン酸化物を含有する正極合剤層が正極集電体に保持されてなる正極と、黒鉛を含有する負極合剤層が負極集電体に保持されてなる負極と、非水溶媒にリチウム塩が0.5〜2mol/l溶解されてなる非水電解液とを用いる本発明の非水電解液二次電池において、正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される黒鉛の重量比が2.0:1〜2.9:1の範囲になされていると、放電容量及び充放電サイクル特性が改善される。そして、さらに負極合剤層の充填密度が1.4〜1.7g/cm、正極と負極の厚さの比が1.15:1〜1.6:1の範囲になされていると、放電負荷特性及び充放電サイクル特性がより一層改善される。また、本発明の非水電解液二次電池では、正極を構成するリチウムマンガン酸化物がLiMnO(但し、xは0.505〜0.525であり、yは1.96〜2.00である)であり、X線回折による(311)回折ピークと(400)回折ピークの比が1:1.10〜1:1.20であることによって、充放電サイクルの繰り返しに伴う低級マンガン化合物の発生が抑えられ、容量の低下を防止することができる。また、本発明の非水電解液二次電池では、黒鉛のX線回折法によって測定される(002)面の面間隔dが0.34nm以下であることによって、黒鉛構造の結晶性が崩壊し難く、電解液の分解を抑えることができる。また、本発明の非水電解液二次電池では、黒鉛の真密度を2.0g/cm以上とすることによって、負極の充填密度を高くでき、容量の増大させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的な実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の非水電解液二次電池は、炭素材料を含有する負極合剤層が負極集電体に保持されてなる負極と、リチウムマンガン酸化物を含有する正極合剤層が正極集電体に保持されてなる正極と、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液を有して構成される。
【0016】
まず、負極において、負極合剤層はリチウムイオンのドープ・脱ドープがなされる炭素材料が含有される層であり、少なくとも前記炭素材料と、この炭素材料を負極集電体に保持するための結着剤によって構成される。
【0017】
上記炭素材料としては、例えば黒鉛構造を有するもの、すなわち炭素六角網面が規則的に積層された結晶構造を有するもの(黒鉛)が用いられる。このような黒鉛は、X線回折法によって得られる(002)面の面間隔dが0.34nm以下であるのが望ましい。面間隔dが0.34nm以下の黒鉛は、黒鉛結晶構造が適度に発達しており、炭素六角網面同士の間にリチウムイオンがスムースに吸蔵・放出される。面間隔dが0.34nmを超える黒鉛は、黒鉛構造が発達し過ぎているため、炭素六角網面間へのリチウムイオンの吸蔵・放出がスムースに行われない。このため、このような黒鉛を電池の負極材料として用いると、充放電の繰り返しによる容量の低下や充放電時の過電圧が大きくなり、放電時の電位の平坦性が失われる。
【0018】
また、一般に、黒鉛を負極材料として用いた場合、電解液の分解が問題になる。このような電解液の分解は、充放電サイクルに伴って黒鉛構造の結晶性が崩壊し、この崩壊の際に生じる活性点に起因するものと推定されている。これに対して、面間隔dが0.34nm以下の黒鉛では、黒鉛構造の結晶性が崩壊し難く、電解液の分解が抑えられる。
【0019】
なお、面間隔dのより好ましい範囲は、0.335nm〜0.338nmである。
【0020】
また、上記黒鉛は、負極の充填密度を高くし、容量の増大を図る点から、真密度が2.0g/cm3以上であるのが好ましく、さらには粒子径が1μm〜100μm、平均粒径が50μm以下、N2ガス吸着のBET法による比表面積が0.1〜20m2/gであるのが望ましい。
【0021】
炭素材料としては、このような黒鉛の他、メソフェーズマイクロビーズ、熱分解炭素繊維、メソフェーズ系炭素繊維、高温処理ピッチカーボン等であって、X線回折法によって得られる(002)面の面間隔dが0.34nm以下のものも用いることができる。
【0022】
炭素材料を負極集電体に保持するための結着剤や負極集電体としては、通常用いられるものを使用することができる。例えば、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、集電体としては銅箔等が使用される。
【0023】
一方、正極において、正極合剤層は正極活物質となるリチウムマンガン酸化物が含有される層であり、少なくとも前記リチウムマンガン酸化物と、導電剤及びこれらを正極集電体に保持するための結着剤によって構成される。
【0024】
上記リチウムマンガン酸化物としては、例えばスピネル構造を有するLiMn24またはLiMn24に所定量のLiを添加したもの、すなわちLixMnOy(但し、xは0.505〜0.525であり、yは1.96〜2.00である)で表されるものが用いられる。このうちLiMn24に所定量のLiを添加したLixMnOyは、700〜750℃で8時間以上の加熱処理を行った後に、粉末X線回折測定で観測される(311)回折面と(400)回折面のピーク比[(311)回折面:(400)回折面]が1:1.10〜1:1.20であるのが望ましい。ピーク比がこの範囲にあるLixMnOyは、スピネル型類似の結晶構造を有する。ピーク比がこの範囲から外れる場合には充放電サイクルの繰り返しに伴い低級マンガン化合物が発生し、容量が低下する虞がある。なお、正極の材料としては、この他にLi4Mn512も用いることができる。
【0025】
このようなリチウムマンガン酸化物は、水酸化リチウム等のリチウム源と、マンガン源を混合し、酸素存在雰囲気下で熱処理することによって合成される。
【0026】
マンガン源としては、炭酸マンガンや硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガンもしくはこれらを加熱・酸化したもの、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、Mn23、Mn34等が使用でき、このうち電解二酸化マンガンを使用するのが望ましい。
【0027】
正極に導電性を付与するための導電剤、正極活物質を正極集電体に保持するための結着剤及び正極集電体としては通常用いられているものが使用できる。例えば導電剤としてはグラファイト、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、正極集電体としてはアルミニウム箔がそれぞれ使用される。
【0028】
負極と正極は以上のような構成とされるが、本発明の非水電解液二次電池では特に、これら負極と正極において、(正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物の重量):(負極合剤層に含有される炭素材料の重量)が、2.0:1〜2.9:1に規制される。
【0029】
正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される炭素材料の重量比が上記範囲となされていると、充放電に当たって電極へのリチウムの出入りが円滑に行われるようになり、大きな放電容量が得られるとともに充放電サイクル特性が改善される。また、高温保存性能も向上する。さらにこの正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される炭素材料の重量比のより好ましい範囲は、2.4:1〜2.7:1である。
【0030】
また、電池の充放電容量は電極の充填密度に負うところが大きく、大きな充放電容量を得るためには負極合剤層の充填密度が1.4〜1.7g/cm3であるのが望ましい。さらにこれに加えて、(正極の厚さ):(負極の厚さ)が1.15:1〜1.6:1の範囲になされていると電池性能がより一層改善される。
【0031】
なお、この非水電解液二次電池において非水電解液の非水溶媒、電解質塩としては例えば次のようなものが用いられる。
【0032】
非水溶媒としては、炭酸プロピレン,炭酸エチレン,炭酸ブチレン等の環状カーボネート、炭酸ジメチル,炭酸ジエチル,炭酸ジプロピル,炭酸エチルメチル等の鎖状カーボネート、ジメトキシエタン,テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、スルホラン類等が単独もしくは混合して用いられる。
【0033】
また、電解質塩としてはLiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiClO4、LiAsF6等のリチウム塩が使用される。これら電解質塩は0.5〜2mol/lなる濃度で非水溶媒に溶解される。
【0034】
本発明は各種タイプの非水電解液二次電池に適用でき、特に帯状正極と帯状負極をセパレータを介して積層、巻回してなる巻回電極体を用いる円筒型電池や、板状正極と帯状負極をセパレータを介して積層した積層電極体を用いる角形電池等に適用して好適である。
【0035】
このうち円筒型非水電解液二次電池の一例を図1に示す。
【0036】
この非水電解液二次電池は、図1に示すように、負極集電体9の両面に負極合剤層15を形成してなる負極1と、正極集電体10の両面に正極合剤層16を形成してなる正極2とを、ポリプロピレンやポリエチレン等よりなる微多孔膜セパレータ3を介して巻回し、この巻回体の上下に絶縁体4を載置した状態で電池缶5に収納してなるものである。
【0037】
前記電池缶5には電池蓋7が封口ガスケット6を介してかしめることによって取付けられ、それぞれ負極リード11及び正極リード12を介して負極1あるいは正極2と電気的に接続され、電池の負極あるいは正極として機能するように構成されている。
【0038】
そして、この電池では、前記正極リード12は電流遮断用薄板8に溶接されて取り付けられ、この電流遮断用薄板8と感熱抵抗素子13を介して電池蓋7との電気的接続が図られている。
【0039】
この電池においては、電池内部の圧力が上昇すると、前記電流遮断等薄板8が押し上げられて変形する。すると、正極リード12が電流遮断用薄板8と溶接された部分を残して切断され、電流が遮断される。
【0040】
このような円筒型電池において、正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される炭素材料の重量比が2.0:1〜2.9:1の範囲とされ、さらに負極合剤層の充填密度が1.4〜1.7g/cm3、正極と負極の厚さの比が1.15:1〜1.6:1となされていると、大きな放電容量が得られるとともに良好な充放電サイクル特性が得られることになる。なお、この電池では、正極合剤層及び負極合剤層が集電体の両面に形成されるが、このように合剤層が集電体の両面に形成されている場合、両面の合剤層を合わせたリチウムマンガン酸化物と炭素材料の重量比が上述の範囲に規制される。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の実施例について実験結果に基づいて説明する。
【0042】
実施例1
(正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物の重量):(負極合剤層に含有される黒鉛粉末の重量)=2.3:1、負極合剤層の充填密度=1.50g/cm3、(正極の厚さ):(負極の厚さ)=1.23:1となされた非水電解液二次電池の例である。
【0043】
このような非水電解液二次電池を次のように作製した。
【0044】
まず、正極を次のようにして作製した。
【0045】
水酸化リチウムと、30μm以下の粒径に粉砕した電解二酸化マンガンをLi:Mn(原子比)が1.04:2となるように計量し、乳鉢に投入した。
【0046】
そして、これらを十分混合した後アルミナ製坩堝に入れ、酸素存在雰囲気となされた電気炉内で、350℃で2時間熱処理し、さらに780℃で12時間熱処理し、室温まで冷却した後、粗く粉砕することでリチウムマンガン酸化物を得た。
【0047】
このリチウムマンガン酸化物について粉末X線回折法による測定を行ったところ、観測されたピークはスピネル型LiMn24のピークに一致していた。なお、(311)回折面と(400)回折面のピーク比[(311)回折面:(400)回折面]は1:1.12であった。
【0048】
この正極材料90重量部、導電剤となるグラファイト6重量部、結着剤となるポリフッ化ビニリデン(PVDF)4重量部を混合し、さらに溶剤となるN−メチル−2−ピロリドンを加えて混合することによって正極合剤ミックスを調製した。次に、この正極合剤ミックスを、厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に、リード溶着部を除いて均一に塗布し、乾燥させることで正極合剤層を形成し、電極寸法に裁断した。そして、正極集電体のリード溶着部にアルミニウム製リード体を溶着することで正極を作製した。
【0049】
負極を次のようにして作製した。
【0050】
2800℃の熱処理によって得られた粒状人造黒鉛粉末を用意した。この黒鉛粉末についてX線回折法で(002)面の面間隔dを測定したところ0.335nmであった。
【0051】
この黒鉛粉末90重量部、結着剤となるポリフッ化ビニリデン10重量部を混合し、さらに溶剤となるN−メチル−2−ピロリドンを加えて混合することによって負極合剤ミックスを調製した。次に、この負極合剤ミックスを、厚さ10μmの銅箔(負極集電体)の両面に、リード溶着部を除いて均一に塗布し、乾燥させることで負極合剤層を形成し、電極寸法に裁断した。そして、負極集電体のリード溶着部にニッケル製リード体を溶着することで負極を作製した。ここで負極合剤層の充填密度は1.50g/cm3、正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される人造黒鉛粉末の重量比は2.3:1、正極と負極の厚さ比は1.23:1であった。
【0052】
このようにして作製された正極と負極を、セパレータとなるポリプロピレン製微多孔膜を介して積層し、多数回巻回することで渦巻状電極素子を作製した。
【0053】
そして、この渦巻状電極素子に絶縁板を取り付けて電池缶に挿入し、負極リード体を電池缶に溶接するとともに正極リード体を電流遮断用薄板に溶接した。次いで、炭酸プロピレンと炭酸ジメチル混合液にLiPF6を1mol/lなる濃度で溶解させた電解液を電池缶に注入し、電流遮断用薄板上に電池蓋を載置した。そして、電池缶の上部を、カシメ機を用いてかしめることで缶を密閉し、外径18mm、高さ65mmの円筒型電池を作製した。
【0054】
実施例2〜実施例5
(正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物の重量):(負極合剤層に含有される黒鉛粉末の重量)、負極合剤層の充填密度、(正極の厚さ):(負極の厚さ)を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同じ構成の電池の例である。
【0055】
比較例1,比較例2
(正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物の重量):(負極合剤層に含有される黒鉛粉末の重量)、負極合剤層の充填密度、(正極の厚さ):(負極の厚さ)を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同じ構成の電池の例である。
【0056】
【表1】
Figure 0004161396
【0057】
このようにして作製された電池について、電流0.3A,上限電圧4.2Vで8時間充電し、次に電流0.5Aで終止電圧2.5Vまで放電させた。そして、電流1A,上限電圧4.2Vで3時間充電した後、電流1Aで終止電圧2.5Vまで放電を行うといった充放電サイクルを5サイクル行った。
【0058】
この後、次のような放電負荷試験及び充放電サイクル試験を行い、電池の性能を評価した。
【0059】
放電負荷試験:電流1A,上限電圧4.2Vで3時間充電した後、終止電圧2.5Vまで放電させた。なお、放電に際する電流は2〜5Aの範囲で変化させた。
【0060】
充放電サイクル試験:電流1A,上限電圧4.2Vで3時間充電した後、電流0.5Aで終止電圧2.5Vまで放電させるといった充放電サイクルを100回行った。
【0061】
放電負荷特性を図2に、充放電サイクル特性を図3に示す。また、正極と負極の厚さの比と容量維持率(100サイクル時容量/初期サイクル時容量)の関係を図4に示す。
【0062】
図2に示すように、正極合剤層の含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される黒鉛粉末の重量比、負極合剤層の充填密度、正極と負極の厚さの比が所定範囲内にある実施例1〜実施例5の電池は、放電電流を上げた場合でも大きな放電容量が得られ、比較例1,比較例2の電池に比べて優れた放電負荷特性が得られる。
【0063】
また、図3に示す充放電特性についても、実施例1〜実施例5の電池は充放電サイクルの繰り返しに伴う容量低下が小さく、比較例1,比較例2の電池に比べて優れている。
【0064】
さらに、図4から、容量維持率は特に正極と負極の厚さの比に依存し、この比を1.15:1〜1.6:1にすることによって80%以上の容量維持率が得られるようになることがわかる。
【0065】
このことから、正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される炭素材料の重量比を2.0:1〜2.9:1、負極合剤層の充填密度を1.4〜1.7g/cm3、正極と負極の厚さの比を1.15:1〜1.6:1とすることによって電池の放電負荷特性や充放電サイクル特性が改善されることがわかった。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の非水電解液二次電池は、リチウムマンガン酸化物を含有する正極合剤層が正極集電体に保持されてなる正極と、黒鉛を含有する負極合剤層が負極集電体に保持されてなる負極と、非水溶媒にリチウム塩が0.5〜2mol/l溶解されてなる非水電解液とを有してなり、正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と負極合剤層に含有される黒鉛の重量比が2.0:1〜2.9:1、負極合剤層の充填密度が1.4〜1.7g/cm、正極と負極の厚さの比が1.15:1〜1.6:1であるので、大きな放電容量が得られるとともに良好な充放電サイクル特性が得られる。また、本発明の非水電解液二次電池は、正極を構成するリチウムマンガン酸化物がLiMnO(但し、xは0.505〜0.525であり、yは1.96〜2.00である)であり、X線回折による(311)回折ピークと(400)回折ピークの比が1:1.10〜1:1.20であることによって、充放電サイクルの繰り返しに伴う低級マンガン化合物の発生が抑えられ、容量の低下を防止することができる。また、本発明の非水電解液二次電池は、黒鉛のX線回折法によって測定される(002)面の面間隔dが0.34nm以下であることによって、黒鉛構造の結晶性が崩壊し難く、電解液の分解を抑えることができる。また、本発明の非水電解液二次電池は、黒鉛の真密度を2.0g/cm以上とすることによって、負極の充填密度を高くでき、容量の増大させることができる。また、本発明の非水電解液二次電池で正極材料として使用するリチウムマンガン酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化物のように資源が稀少なCo,Niを含んでいないので入手が容易である。したがって、本発明の非水電解液二次電池は、正極材料を多量に使用する大型電池としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した非水電解液二次電池の一例を示す概略縦断面図である。
【図2】非水電解液二次電池の放電負荷特性を示す特性図である。
【図3】非水電解液二次電池の充放電サイクル特性を示す特性図である。
【図4】正極と負極の厚さの比と、容量維持率の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 負極、2 正極、9 負極集電体、10 正極集電体、15 負極合剤層、16 正極合剤層

Claims (4)

  1. リチウムマンガン酸化物を含有する正極合剤層が正極集電体に保持されてなる正極と、黒鉛を含有する負極合剤層が負極集電体に保持されてなる負極と、非水溶媒にリチウム塩が0.5〜2mol/l溶解されてなる非水電解液を有してなり、
    上記正極合剤層に含有されるリチウムマンガン酸化物と上記負極合剤層に含有される黒鉛との重量比が、2.0:1〜2.9:1であり、
    リチウムマンガン酸化物は、LiMnO(但し、xは0.505〜0.525であり、yは1.96〜2.00である)で表され、X線回折による(311)回折ピークと(400)回折ピークの比が1:1.10〜1:1.20であり、
    上記黒鉛のX線回折法によって測定される(002)面の面間隔dが0.34nm以下であり、真密度が2.0g/cm以上であり、
    上記負極合剤層の充填密度が、1.4〜1.7g/cmであり、
    上記正極と上記負極の厚さの比が、1.15:1〜1.6:1であることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 上記黒鉛は、粒子径が1μm〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 上記黒鉛は、平均粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 上記黒鉛は、Nガス吸着のBET法による比表面積が0.1〜20m/gであることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
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