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JP4159161B2 - アルカリ蓄電池用正極活物質およびその製造方法ならびにこの正極活物質を用いたアルカリ蓄電池用正極の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極活物質およびその製造方法ならびにこの正極活物質を用いたアルカリ蓄電池用正極の製造方法 Download PDF

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JP4159161B2
JP4159161B2 JP02262099A JP2262099A JP4159161B2 JP 4159161 B2 JP4159161 B2 JP 4159161B2 JP 02262099 A JP02262099 A JP 02262099A JP 2262099 A JP2262099 A JP 2262099A JP 4159161 B2 JP4159161 B2 JP 4159161B2
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Sanyo Electric Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は正極活物質として水酸化ニッケルを用いたニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池などのアルカリ蓄電池の正極活物質およびその製造方法ならびにこの正極活物質を用いたアルカリ蓄電池用正極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用電子・通信機器の急速な普及により従来に増して高性能な蓄電池が要請されている。このような背景にあって、水酸化ニッケルを正極活物質とするアルカリ蓄電池においても、蓄電池の一層の高性能化、高容量化のため、水酸化ニッケル活物質の利用率を改良して高容量化する方法が種々提案されている。例えば、水酸化ニッケル活物質に導電補助剤としてコバルト化合物あるいはニッケル金属粉末を添加する方法、水酸化ニッケル活物質の表面にコバルト化合物あるいはニッケル金属を析出させる方法等が提案されている。
【0003】
特に、コバルト化合物は、2価の状態では導電性がないが、電池の初回充放電により酸化されて導電性が良好な高次コバルト化合物となる。また、その充放電により、まず、充電により水酸化コバルトが酸化されて水酸化ニッケル活物質の表面にオキシ水酸化コバルトが析出し、放電により一部のオキシ水酸化コバルトが還元されて水酸化コバルトが電解液中に溶解する。このように、充放電により溶解析出反応を伴うため、導電ネットワークが水酸化ニッケル活物質の表面に均一に形成され、電位的に孤立した部分が少なくなるため、活物質利用率が向上することとなって、幅広く採用されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オキシ水酸化ニッケル活物質の表面にコバルト化合物を析出させる方法においては、十分な容量を取り出すことができないという問題を生じた。これは、酸化還元電位が水酸化ニッケルより卑な2価以下のコバルトが、オキシ水酸化ニッケルの存在により高次化の影響を受け、かつ、極板乾燥時等のアルカリが存在しない状態があるため、導電性の低いコバルト酸化物に変化し、活物質間の導電性を阻害するためと考えられている。
【0005】
ここで、オキシ水酸化ニッケルと2価以下のコバルト化合物を共存させた場合、アルカリが存在しないと下記の(1)式の反応式に基づく反応が進行する。
【化1】
NiOOH+Co(OH)2→CoHO2・・・(1)(Electrochimica Acta 1964 Vol19 P275参照)
この反応は下記の(2)式、(3)式の反応式から成り立っている。
【0006】
【化2】
NiOOH+1/2H2O→Ni(OH)2+1/4O2 ・・・(2)
Co(OH)2+1/4O2→CoHO2+Ni(OH)2・・・(3)
上記(2),(3)式は当然、下記の(4)式の半反応式が関与する。
【化3】
2O→1/2O2 +2H++2e- ・・・(4)
【0007】
上記(1)〜(4)式から言えることは、水酸化コバルトが酸素により酸化された場合、電子の授受が少ないために電子導電性が阻害されるということができる。換言すると、オキシ水酸化ニッケルを正極材料とした場合、2価以下のコバルト化合物を導電補助剤に用いると、導電性が阻害されて容量が低下する結果となる。つまり、オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として用いる場合には、酸化による影響を受けない導電補助剤を用いることが必須の条件となる。
【0008】
また、水酸化コバルトは空気暴露により徐々に変色することから、オキシ水酸化コバルト共存下ではより酸化が加速され、H2OとO2の介在と電子の授受により、オキシ水酸化ニッケルの還元と水酸化コバルトの酸化がそれぞれの存在により加速されると考えられる。このことは、水酸化コバルトのみではなく、酸化コバルト、金属コバルトなどの2価以下のコバルトあるいはコバルト化合物を用いた場合も同様である。
以上のことから、オキシ水酸化ニッケルをニッケル正極活物質として用いる場合は、2価以下のコバルト化合物は導電補助剤としては適しないことを意味するということができる。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として用いても、導電性に優れたコバルト化合物を得るとともに、機械的強度の高いコバルトの被覆層を設けて高容量のアルカリ蓄電池が得られるようにすることをその目的とする。
【0010】
このため、本発明のアルカリ蓄電池用正極活物質は、2価より高次な水酸化ニッケルを備えるとともに、この2価より高次な水酸化ニッケルの表面に第1のアルカリカチオンを含有する2価より高次なコバルト化合物を備え、2価より高次な水酸化ニッケルの内部に第2のアルカリカチオンを含有するようにしている。
【0011】
このように、2価より高次な水酸化ニッケルの表面に第1のアルカリカチオンを含有する2価より高次なコバルト化合物を備えるとともに、2価より高次な水酸化ニッケルの内部に第2のアルカリカチオンを含有すると、2価より高次な水酸化ニッケルの表面に形成された高次コバルト化合物と内部の2価より高次な水酸化ニッケルとの境界がなくなるため、ニッケル−コバルト間の結合が強固になって活物質粒子の機械的強度が増大するとともに、ニッケル−コバルト間の電気抵抗が低下して、高率放電時の容量が高くなる。
【0012】
そして、2価より高次な水酸化ニッケルの表面に第1のアルカリカチオンを含有する2価より高次なコバルト化合物を備えると、第1のアルカリカチオンはコバルト化合物が酸化剤により酸化されることを防止する作用を有するため、コバルト化合物の安定性を確保できるようになる。また、表面に第1のアルカリカチオンを含有する2価より高次なコバルト化合物を備えた2価より高次な水酸化ニッケルの内部にも第2のアルカリカチオンを存在させると、充放電サイクルに伴い、γ−オキシ水酸化ニッケルが生成した場合でも電解液中のアルカリカチオンの変化を小さくできるため、電池の充放電に伴う電解液濃度の変化を抑制でき、放電電圧の平坦性を増すことができるようになる。
【0013】
このことは、例えば、Journal of Power Sources 8 1982 p229には「β−オキシ水酸化ニッケル中にはアルカリカチオンは含有されておらず、γ−オキシ水酸化ニッケルにはアルカリカチオンを含有する」なる記載があり、本発明の活物質をX線回折による分析結果においても、γ−オキシ水酸化ニッケルが検出されず、アルカリカチオンは過剰な洗浄においても減少しないことから、本発明の活物質は第2のアルカリカチオンを含んだβ−オキシ水酸化ニッケルであると考えられる。
そして、第2のアルカリカチオンとしては、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンから選択して用いることができるが、特に、リチウムイオンを用いると、このリチウムイオンが電解液中の水と結びつき、水による酸化が抑制されるとともに、酸素発生電位が向上して放置後の自己放電が抑制されたため、高温での充電放置後の容量を確保できるため好ましい。
【0014】
また、本発明のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法においては、水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物を保持させる保持工程と、表面に第1のアルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物を保持させた水酸化ニッケル化合物を第2のアルカリカチオンを含む水溶液中に酸化剤とともに浸漬してこの水酸化ニッケル化合物を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、第2のアルカリカチオンを2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させる高次化含有工程とを備えるようにしている。
【0015】
保持工程により、水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物を保持させた後、酸化剤とともに第2のアルカリカチオンを含む水溶液中に浸漬してこの水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化すると、粒子表面のコバルト層と粒子内部のニッケル層との境界がなくなるため、ニッケル層−コバルト層間の結合が強固になって活物質粒子の機械的強度が増大するとともに、ニッケル層−コバルト層間の電気抵抗が低下して、高率放電時の容量が高くなる。
【0016】
つまり、酸化剤により2価の水酸化ニッケルが3価の水酸化ニッケルに高次化される際に、粒子表面の3価のコバルトと結晶内のニッケル原子間で入れ替えが生じて、コバルト層−ニッケル層の境界が不明瞭になって、機械的強度が向上する。水酸化ニッケルの機械的強度が向上すると、コバルト層−ニッケル層間の電気抵抗が減少するため、大電流放電においても電圧降下が小さくなり、結果として高率放電時の容量が増加する。
【0017】
そして、保持工程において粒状の水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物と混合するかあるいは粒状の水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物で被覆した後、アルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理するようにすると、下記の(5)、(6)の反応式に基づく反応が進行して、粒状の水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物層が容易に形成できるようになる。
【0018】
【化4】
Co(OH)2+NaOH→Co(Na)OOH+H2O+e-・・・(5)
1/2O2+2H++2e- →H2 ・・・(6)
上記(5)、(6)式より明らかなように、電気化学的に酸化(つまり、アルカリの存在の元での酸化)されることにより、電子伝導性が高くなる。
【0019】
また、本発明のアルカリ蓄電用正極の製造方法においては、水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物と混合するかあるいは水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物で被覆した後、第1のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理して、水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物を生成させる生成工程と、その表面に第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物が生成された水酸化ニッケル化合物を第2のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液中で酸化剤と共に撹拌して、水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、第2のアルカリカチオンを2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させる高次化含有工程と、水酸化ニッケル化合物に純水を添加してスラリーとし、このスラリーを発泡ニッケルから成る基板に充填する充填工程とを備えるようにしている。
【0020】
このように、水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物で被覆した後、第1のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理することにより、水酸化ニッケル化合物の表面に、導電性に優れた第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物層が形成される。この導電性に優れた高次コバルト化合物層が形成された水酸化ニッケル化合物が酸化剤により酸化されると、2価の水酸化ニッケルが3価の水酸化ニッケルに高次化される際に、表面の3価のコバルトと結晶内原子間で入れ替えが生じて、コバルト層−ニッケル層の境界が不明瞭になって、活物質粒子の機械的強度が向上する。活物質粒子の機械的強度が向上すると、後の工程においてスラリーとするための撹拌を行っても、導電性に優れた2価より高次なコバルト化合物が剥離することがないので、導電性に優れた、即ち、活物質利用率が向上したアルカリ蓄電用正極が得られるようになる。
【0021】
そして、高次化含有工程により水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、第2のアルカリカチオンを2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させた後、充填工程によりこの活物質をスラリーとして基板に充填しても、あるいは充填工程により高次化されていない活物質をスラリーとして基板に充填した後、高次化含有工程により水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、第2のアルカリカチオンを2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させても、第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物を表面に備えた水酸化ニッケル化合物の一部が2価より高次な水酸化ニッケルに高次化されるという点で格別相違しないので、高次化含有工程と充填工程との順序が入れ替わってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
1.正極材料の作製
(1)実施例1
重量比でニッケル100に対して亜鉛5重量%、コバルト2重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させる。
【0023】
次に、粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液に、比重1.30の硫酸コバルト水溶液と25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、水酸化ニッケル析出物を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させる。これらの粒状物を採取し、水洗、乾燥して、粒状でその表面に水酸化コバルトを形成した水酸化ニッケル化合物を作製する。なお、このようにして表面に水酸化コバルトを形成させると、水酸化ニッケル化合物全体に対して8重量%(水酸化物換算)の水酸化コバルトが生成される。
【0024】
このようにして得られたその表面に水酸化コバルトが形成された粒状の水酸化ニッケル化合物を酸素雰囲気の熱気流下でアルカリ水溶液(35重量%の水酸化ナトリウム)を噴霧する。この場合、その表面に水酸化コバルトが形成された粒状の水酸化ニッケル化合物の温度が60℃となるように加熱度合いを調整し、コバルト量に対して5倍のアルカリ水溶液(35重量%の水酸化ナトリウム)を噴霧した後、水酸化ニッケル化合物の温度が90℃に到達するまで昇温する。
【0025】
このようなアルカリ熱処理工程により、粒状の水酸化ニッケルの表面に形成された水酸化コバルトの結晶構造が破壊されて結晶構造に乱れを生じると共に、水酸化コバルトの酸化が強力に促進されて、その平均価数が2価より大きい、例えば、2.9価の高次コバルト化合物となる。これにより、導電性のよいアルカリカチオンを含有した2価より高次なコバルト化合物をその表面に偏在形成させた粒状の水酸化ニッケル化合物が形成されることとなる。
【0026】
ついで、このようにして形成された表面にアルカリカチオンを含有した2価より高次なコバルト化合物を有する水酸化ニッケル化合物を100gを用意する。この水酸化ニッケル化合物を、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液1000mlに12重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を125ml溶解させた水溶液中に浸漬して、10分間撹拌する。これにより、表面にアルカリカチオンを含有した2価より高次なコバルト化合物を有するとともに、その内部にナトリウムイオンを含有した平均価数が2.2価の水酸化ニッケル化合物が得られた。なお、この水酸化ニッケル化合物を組成分析すると、0.2重量%程度のナトリウムイオンを含有していることが分かった。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を実施例1の正極活物質とする。
【0027】
(2)実施例2
実施例1と同様にして作製した、導電性のよいアルカリカチオンを含有した2価より高次なコバルト化合物をその表面に偏在形成させた粒状の水酸化ニッケル化合物100gを用意する。この水酸化ニッケル化合物を、10重量%の水酸化リチウム水溶液1000mlに12重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を125ml溶解させた水溶液中に浸漬して、10分間撹拌する。これにより、表面にアルカリカチオンを含有した2価より高次なコバルト化合物を有するとともに、その内部にリチウムイオンを有する平均価数が2.2価の水酸化ニッケル化合物が得られた。なお、この水酸化ニッケル化合物を組成分析すると、0.7重量%程度のリチウムイオンを含有していることが分かった。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を実施例2の正極活物質とする。
【0028】
(3)比較例1
重量比でニッケル100に対して亜鉛5重量%、コバルト2重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させる。
ついで、粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液に、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液と次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を添加して混合した。これにより、水酸化ニッケルは高次化されてオキシ水酸化ニッケルとなり、その平均価数は2.2価となった。なお、酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム(NaClO))の量を加減することにより、水酸化ニッケル中の平均価数を調整することができる。
【0029】
次に、このようにして高次化された水酸化ニッケルを採取し、水洗、乾燥して、粒状の水酸化ニッケル化合物とする。この水酸化ニッケル化合物に水酸化コバルトを添加して、水酸化コバルトを含有する水酸化ニッケル化合物を作製する。なお、水酸化コバルトの添加量は水酸化ニッケル化合物全体に対して8重量%(水酸化物換算)になるようにした。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を比較例1の正極活物質とする。
【0030】
(4)比較例2
比較例1と同様にして作製された高次化された水酸化ニッケルに、比重1.30の硫酸コバルト水溶液と25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、高次化された水酸化ニッケルを結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させる。これらの粒状物を採取し、水洗、乾燥して、粒状でその表面に水酸化コバルトを形成した水酸化ニッケル化合物を作製する。なお、このようにして表面に水酸化コバルトを形成させると、水酸化ニッケル化合物全体に対して8重量%(水酸化物換算)の水酸化コバルトが生成される。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を比較例2の正極活物質とする。
【0031】
(5)比較例3
重量比でニッケル100に対して亜鉛5重量%、コバルト2重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させる。
ついで、このように析出させた水酸化ニッケルに、比重1.30の硫酸コバルト水溶液と25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、水酸化ニッケルを結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させる。
【0032】
これらの粒状物を採取し、水洗、乾燥して、粒状でその表面に水酸化コバルトを形成した水酸化ニッケル化合物を作製する。なお、このようにして表面に水酸化コバルトを形成させると、水酸化ニッケル化合物全体に対して8重量%(水酸化物換算)の水酸化コバルトが生成される。このようにして表面に水酸化コバルトを形成させた水酸化ニッケル化合物を、10重量%の水酸化リチウム水溶液1000mlに12重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を125ml溶解させた水溶液中に浸漬して、10分間撹拌して、水酸化ニッケル化合物を高次化し、平均価数が2.2価の水酸化ニッケル化合物を作製する。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を比較例3の正極活物質とする。
【0033】
(6)比較例4
比較例3と同様にして作製された粒状でその表面に水酸化コバルトを形成した水酸化ニッケル化合物を、コバルトのみを酸化する酸化剤、例えば、過酸化水素水で表面の水酸化コバルトを高次化してオキシ水酸化コバルトとした。このようにして作製された表面に高次コバルト化合物を有する水酸化ニッケル化合物を、10重量%の水酸化リチウム水溶液1000mlに12重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を125ml溶解させた水溶液中に浸漬して、10分間撹拌して、表面に高次コバルト化合物を有するとともに、その内部にナトリウムイオンを有する平均価数が2.2の水酸化ニッケル化合物を作製する。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を比較例4の正極活物質とする。
【0034】
2.ニッケル正極の作製
上述のように作製した実施例1,2および比較例1,2,3,4の活物質100重量部に対して、5重量%のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)溶液50重量部を添加混合してそれぞれ活物質スラリーを作製する。これらの活物質スラリーをそれぞれ多孔度95%で、厚み1.6mmの発泡ニッケルからなる基板に圧延後の充填密度が700g/m2となるように充填し、乾燥後、厚みが0.60mmとなるように圧延を行って非焼結式ニッケル正極をそれぞれ作製した。3.負極の作製
【0035】
ミッシュメタル(Mm:希土類元素の混合物)、ニッケル、コバルト、アルミニウム、およびマンガンを1:3.6:0.6:0.2:0.6の比率で混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導加熱して合金溶湯となす。この合金溶湯を公知の方法で冷却し、組成式Mm1.0Ni3.6Co0.6Al0.2Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製する。この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粉砕し、平均粒子径が約100μmの水素吸蔵合金粉末となし、この水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド等の結着剤と、適量の水を加えて混合して水素吸蔵合金ペーストを作製する。このペーストをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。
【0036】
4.電池の作製
上述のように作製したそれぞれの非焼結式ニッケル正極(水酸化ニッケル活物質が約5gとなるように所定寸法に切断したもの)と水素吸蔵合金負極とをポリプロピレン製不織布のセパレータを介して卷回して、渦巻状の電極群を作製した後、この電極群を外装缶に挿入する。その後、外装缶内に電解液として水酸化カリウム水溶液を注入し、更に外装缶を封口して、公称容量1250mAHのAAサイズのニッケル−水素蓄電池をそれぞれ組み立てる。
【0037】
5.試験
(1)単位活物質容量
上述のように作製した各ニッケル−水素蓄電池を雰囲気温度25℃において、125mA(0.1C)の充電電流で16時間充電した後、625mA(0.5C)の放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電時間から水酸化ニッケル活物質1g当たりの放電容量(単位活物質容量)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。なお、表1において、実施例1の活物質を用いた電池の単位活物質容量を100として求めた。
【0038】
(2)高率放電時容量
上述のように作製したニッケル−水素蓄電池を雰囲気温度25℃において、125mA(0.1C)の充電電流で16時間充電した後、2500mA(2C)の放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電時間から放電容量を求め、上述した単位活物質容量に対する容量比を下記の数1の算出式から高率放電時容量として求めると、下記の表1に示すような結果となった。なお、表1において、実施例1の活物質を用いた電池の高率放電時容量を100として求めた。
【0039】
【数1】
高率放電時容量=(高率放電時の放電容量/単位活物質容量)×100
【0040】
(3)高温保存時容量
上述のように作製したニッケル−水素蓄電池を雰囲気温度60℃において、2週間放置後、125mA(0.1C)の充電電流で16時間充電した後、625mA(0.5C)の放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、このときの放電時間から放電容量を求め、通常の放電容量に対する容量比を下記の数2の算出式から高温保存時容量として求めると、下記の表1に示すような結果となった。なお、表1において、実施例1の活物質を用いた電池の高温保存時容量を100として求めた。
【数2】
高温保存時容量=(高温保存時の放電容量/通常放電容量)×100
【0041】
【表1】
Figure 0004159161
【0042】
上記表1から明らかなように、比較例1〜4の活物質を用いた電池の単位活物質容量および高率放電時容量が低下していることが分かる。これは、以下の原因が考えられる。即ち、比較例1の活物質を用いた電池の場合、酸化剤により水酸化ニッケルの一部をオキシ水酸化ニッケルに変化させて、平均価数を2.2とした水酸化ニッケル化合物に添加した水酸化コバルトが電池が初期充電される前に酸素により酸化され、上述した反応式(1)〜(3)により、導電性の低いコバルト酸化物に変化して、単位活物質容量および高率放電時容量が大幅に低下したと考えられる。
【0043】
また、比較例2の活物質を用いた電池の場合、酸化剤により水酸化ニッケルの一部をオキシ水酸化ニッケルに変化させて、平均価数を2.2とした水酸化ニッケル化合物に水酸化コバルトを被覆しただけであるため、コバルトは完全には酸化されておらず、比較例1の活物質と同様に導電性の低いコバルト酸化物に変化したためと考えられる。これは、析出反応を制御して水酸化コバルトを被覆しているため、析出速度が遅いと添加したコバルトイオンがオキシ水酸化コバルトのイオンとして所定量の水酸化コバルトが被覆できず、また、析出速度が速いと深緑色の化合物(この化合物の構造式は不明であるが、酸素不足のため、導電性の低い高次コバルト化合物が析出したと考えられる)が生成され、析出条件を調整した場合であっても、容量が低下した結果となった。
そして、活物質に超音波を当てた場合、表面のコバルト化合物は剥がれやすい状態になった。これは、酸化がニッケルとコバルトで同時に進行するため、コバルト層−ニッケル層間での原子交換が生じなかったためと考えられる。
【0044】
また、比較例3の活物質を用いた電池の場合、酸化剤により水酸化ニッケルの一部をオキシ水酸化ニッケルに変化させて、平均価数を2.2とした水酸化ニッケル化合物に水酸化コバルトを被覆した後、酸化剤により酸化するので、導電性が低いコバルト化合物が生成し、容量が低下したと考えられる。導電性が高いコバルト化合物と導電性が低いコバルト化合物の差は、溶解→酸化→析出のプロセスを経るか否かによることが経験上分かっている。
そして、酸化剤により酸化されたコバルトは溶解→酸化→析出のプロセスを経ていないため、導電性が低く、結果として容量が低下したと考えられる。また、比較例2の活物質と同様に超音波を当てた場合、表面のコバルト化合物は剥がれやすい状態になった。これは、酸化がニッケルとコバルトで同時に進行するため、コバルト層−ニッケル層間での原子交換が生じなかったためと考えられる。
【0045】
また、比較例4の活物質を用いた電池の場合であっても、オキシ水酸化ニッケルの表面に存在するオキシ水酸化コバルトはアルカリカチオンを含有しないため、酸化剤で酸化の影響を受けて、上述と同様に導電性が低く、結果として容量が低下したと考えられる。
【0046】
一方、実施例1,2の活物質を用いた電池の場合は、単位活物質容量および高率放電時容量もともに増大した結果となった。これは、アルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物を表面に被覆した水酸化ニッケル化合物をアルカリ水溶液中で酸化剤により高次化することで、水酸化ニッケルが高次化される際に、溶解→酸化→析出のプロセスを経ているので、表面のコバルト化合物と結晶構造中で置換が生じたたためと考えられる。
【0047】
つまり、酸化剤により2価のニッケルが3価のニッケルに高次化される際に、ニッケルの近傍に存在する3価のコバルトと結晶内原子間で入れ替えが生じて、結果として、コバルト層−ニッケル層の境界が不明瞭となり、機械的強度が向上したものと考えられる。水酸化化合物の機械的強度が向上することにより、コバルト層−ニッケル層間の電気抵抗が低下し、大電流放電時に特に顕著な差となって現れる。そして、ニッケル電極の製造時においては、スラリーとするために撹拌処理を行うので、水酸化化合物の機械的強度が向上することは重要な要素となる。
【0048】
また、実施例1の活物質を用いた電池より実施例2の活物質を用いた電池の方が高温保存時容量が大きい理由は、実施例2の活物質は水酸化ニッケル化合物中にリチウムイオンが存在するため、このリチウムイオンが電解液中の水と結びつき、水による酸化が抑制されるとともに、酸素発生電位が向上して放置後の自己放電が抑制されたためと考えられる。
【0049】
6.酸化処理時のアルカリ濃度と活物質の嵩密度との関係
ついで、実施例1,2の活物質を製造するに際して、水酸化ニッケル化合物の表面に水酸化コバルトを被覆した後、アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液)−酸素共存下で加熱処理して水酸化コバルトを結晶構造の乱れた第1のアルカリカチオン含む2価より高次なコバルトにする。その後水酸化ニッケルを高次化するための酸化処理時のアルカリ水溶液の濃度を5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%と変化させて、アルカリ水溶液の濃度と活物質の嵩密度との関係について測定すると下記の表2に示すような結果となった。
【0050】
【表2】
Figure 0004159161
【0051】
上記表2より明らかなように、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の濃度が20重量%以下であると、嵩密度の高いオキシ水酸化ニッケル活物質が得られることが分かる。水酸化ナトリウム水溶液の濃度が高い場合の活物質粉体をX線回析で分析すると、γ−オキシ水酸化ニッケルの存在が確認できた。このことから、水酸化ニッケル粒子の表面でγ−オキシ水酸化ニッケルが生成し、嵩密度低下したと考えられる。
【0052】
なお、上述の実施形態においては、水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、第2のアルカリカチオンを2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させた後、充填工程によりこの活物質をスラリーとして基板に充填する例について説明したが、高次化されていない水酸化ニッケル化合物をスラリーとして基板に充填した後、水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、第2のアルカリカチオンを2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させても、第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物を表面に備えた水酸化ニッケル化合物の一部が2価より高次な水酸化ニッケルに高次化されるという点で格別相違しないので、高次化含有工程と充填工程との順序を入れ替えてもよい。

Claims (11)

  1. 水酸化ニッケル化合物を主正極活物質とするアルカリ蓄電池用正極活物質であって、前記水酸化ニッケル化合物は2価より高次な水酸化ニッケルを備えるとともに、前記2価より高次な水酸化ニッケルの表面に第1のアルカリカチオンを含有する2価より高次なコバルト化合物を備え、前記2価より高次な水酸化ニッケルの内部に第2のアルカリカチオンを含有することを特徴とするアルカリ蓄電池用正極活物質。
  2. 前記第2のアルカリカチオンはカリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンの内の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  3. 前記第2のアルカリカチオンは少なくともリチウムイオンを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  4. 水酸化ニッケル化合物を主正極活物質とするアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法であって、粒状の水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物を保持させる保持工程と、前記表面に第1のアルカリカチオンを含む2価より高次なコバルト化合物を保持させた水酸化ニッケル化合物を第2のアルカリカチオンを含む水溶液中に酸化剤とともに浸漬してこの水酸化ニッケル化合物を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、前記第2のアルカリカチオンを前記2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させる高次化含有工程とを備えたことを特徴とするアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記保持工程において前記水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物と混合するかあるいは水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物で被覆した後、アルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記第2のアルカリカチオンはカリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンの内の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記第2のアルカリカチオンは少なくともリチウムイオンを含有することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  8. 水酸化ニッケル化合物を主正極活物質とするアルカリ蓄電池用正極の製造方法であって、水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物と混合するかあるいは水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物で被覆した後、第1のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理して、水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物を生成させる生成工程と、前記表面に第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物が生成された水酸化ニッケル化合物を第2のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液中で酸化剤と共に撹拌して、前記水酸化ニッケル化合物の一部を2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、前記第2のアルカリカチオンを前記2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させる高次化含有工程と、前記水酸化ニッケル化合物に純水を添加してスラリーとし、このスラリーを発泡ニッケルからなる基板に充填する充填工程とを備えたことを特徴とするアルカリ蓄電池用正極の製造方法。
  9. 水酸化ニッケル化合物を主正極活物質とするアルカリ蓄電池用正極の製造方法であって、水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物と混合するかあるいは水酸化ニッケル化合物をコバルト化合物で被覆した後、第1のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理して、水酸化ニッケル化合物の表面に第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物を生成させる生成工程と、前記表面に第1のアルカリカチオンを含んだ2価より高次なコバルト化合物が生成された水酸化ニッケル化合物に純水を添加してスラリーとし、このスラリーを発泡ニッケルからなる基板に充填する充填工程と前記スラリーが充填された基板を第2のアルカリカチオンを含有するアルカリ水溶液中で酸化剤とともに浸漬して、前記水酸化ニッケル化合物の一部をアルカリカチオンを含んだ2価より高次な水酸化ニッケルに高次化するとともに、前記第2のアルカリカチオンを前記2価より高次な水酸化ニッケルの内部に含有させる高次化含有工程とを備えたことを特徴とするアルカリ蓄電池用正極の製造方法。
  10. 前記第2のアルカリカチオンはカリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンの内の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のアルカリ蓄電池用正極の製造方法。
  11. 前記第2のアルカリカチオンは少なくともリチウムイオンを含有することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用正極の製造方法。
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