JP4156174B2 - 研磨液組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた被研磨基板の研磨方法及び基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の磁気記録密度の増加に伴い、磁気情報を読み書きする際のメモリー磁気ディスクにおける磁気ヘッドの浮上量はますます低くなってきている。その結果、磁気ディスク基板の製造工程における表面研磨工程において、表面平滑性〔例えば、表面粗さ(Ra)及びうねり(wa)〕に優れ、且つ突起、スクラッチ、ピット等の表面欠陥がなく、これら表面欠陥に起因する磁気情報の書き込み・読み出しの際エラーも出ない、ヘッドの低浮上が可能な高精度のディスク面を製造することが要求されている。
【0003】
また、半導体分野においても、回路の高集積化、動作周波数の高速化に伴って配線の微細化が進んでいる。半導体デバイスの製造工程においても、フォトレジストの露光の際、配線の微細化に伴い焦点深度が浅くなるため、パターン形成面のより一層の平滑化が望まれている。
【0004】
しかしながら、従来用いられてきた粉砕により製造された研磨材は、研磨材中に残存する粗大粒子によって、被研磨面に研磨傷が発生するため、前記のような表面平滑性に優れた面質を維持しつつ研磨を行なうことが困難であるという欠点がある。
【0005】
そのため、粒径分布が狭く粗大粒子の混入が少ないコロイダルシリカが用いられている。しかしながら、コロイダルシリカによる研磨では、要求される高い面精度を達成することは比較的容易であるが、粒径が細かいために、研磨後の洗浄工程で被研磨板上に付着したコロイダルシリカを容易に除去できないという欠点がある。この被研磨基板上の残留した研磨材は、磁気記録層の厚みむら等の原因となり、その結果、磁気特性が不安定となるおそれがある。さらに磁気特性が不安定になると、読み書きエラーの発生原因ともなるため好ましくない。
【0006】
この欠点を解決するため、洗浄工程において、残留した研磨材を完全に除去するための様々な洗浄方法が試みられているが、未だ十分ではない。また、今後も研磨材の微粒化はさらに進むと考えられることからも、その除去はますます重要な課題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、研磨後の洗浄工程で、被研磨基板上に実質的に研磨材が残留することなく、被研磨基板の表面平滑性を維持し、表面欠陥を発生させず、且つ経済的な速度で研磨できる研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた被研磨基板の研磨方法、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕水と研磨材を含んでなる研磨液組成物であって、研磨材の粒径分布において、▲1▼粒径40nmにおける小粒径側よりの積算粒径分布(個数基準)が25%以下で、且つ▲2▼小粒径側よりの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径(D50)が50〜600nmであることを特徴とする研磨液組成物、
〔2〕前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方法、並びに
〔3〕前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨する工程を有する基板の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる研磨材は、研磨用に一般に使用されている研磨材であればよい。該研磨材として、金属;金属又は半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8A族由来のものである。研磨材の具体例として、酸化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。これらの中では、酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が、半導体ウエハや半導体素子、磁気記録媒体用基板等の精密部品用基板の研磨に適している。酸化アルミニウムについては、α、γ等の種々の結晶系が知られているが、用途に応じ適宜選択して使用することができる。このうち、特にコロイダルシリカ粒子は、より高度な平滑性を必要とする高記録密度メモリー磁気ディスク基板の最終研磨用途や半導体基板の研磨用途に適している。これらの研磨材は、単独で又は2種以上を併用することができる。
【0010】
研磨材について、被研磨基板上への研磨材の残留量を低減する観点から粒径40nmにおける小粒径側よりの積算粒径分布は25%以下であり、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下である。小粒径側よりの積算粒径分布を25%以下にするには、例えば、粒径が40nm以下の研磨材の含有量を低くすればよい。粒径が40nm以下の研磨材の含有率を低くする方法としては、シリカゾルを核として成長させるコロイダルシリカの合成において、活性ゾルの添加速度をコントロールすることにより小粒径品の含有の少ないコロイダルシリカを調整することができる。また、小粒径品を含有するコロイダルシリカを例えば、遠心分離機などにより分級して用いることも何ら問題はない。
【0011】
一方、経済的な研磨速度を達成する観点及び表面平滑性に優れ、表面欠陥のない良好な面質を達成する観点から、小粒径側よりの積算粒径分布が50%となる粒径(以下、D50ともいう)は、50〜600nmであり、好ましくは50〜200nm、更に好ましくは50〜150nmである。
【0012】
本発明においては、前記のように研磨材の粒径分布において、▲1▼粒径40nmにおける小粒径側よりの積算粒径分布が25%以下で、▲2▼D50が50〜600nmである点に一つの大きな特徴があり、かかる粒径分布を有する研磨材を用いることで、通常の洗浄により研磨材が被研磨物表面から容易に洗浄され得るという効果が発現される。
【0013】
また、研磨速度が高く、且つ表面平滑性に優れ、表面欠陥のない良好な面質を達成する観点から、小粒径側よりの積算粒径分布が90%となる粒径(以下、D90ともいう)とD50の比(D90/D50)の値は1.3〜3.0であることが好ましく、より好ましくは1.3〜2.0である。
【0014】
また、前記の範囲に研磨材の粒径分布を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、研磨材がコロイダルシリカの場合、その製造段階における粒子の成長過程で新たな核となる粒子を加えることにより最終製品に粒径分布を持たせる方法がある。また、異なる粒径分布を有する少なくとも2つ以上の研磨材を混合する方法などで達成することも可能である。この場合、研磨材は同種のものである必要はなく、異種のものを混合することも何ら問題ない。
【0015】
なお、研磨材の粒径は、走査型電子顕微鏡(以下SEMという)を用いて以下の方法により求めることができる。即ち、研磨材を含有する研磨液組成物を研磨材濃度が0.5重量%になるようにエタノールで希釈する。この希釈した溶液を約50℃に加温したSEM用の試料台に均一に塗布する。その後、過剰の溶液を濾紙で吸い取り溶液が凝集しないように均一に自然乾燥させる。
【0016】
自然乾燥させた研磨材にPt−Pdを蒸着させて、日立製作所(株)製電界効果走査型電子顕微鏡(FE−SEM:S−4000型)を用いて、視野中に500個程度の研磨材粒子が観察されるように倍率を3000倍〜10万倍に調節し、1つの試料台について2点観察し写真を撮影する。撮影された写真(4インチ×5インチ)をコピー機等によりA4サイズに拡大して、撮影されたすべての研磨材の粒径をノギス等により計測し集計する。この操作を数回繰り返して、計測する研磨材の数が2000個以上になるようにする。SEMによる測定点数を増やすことは、正確な粒径分布を求める観点からより好ましい。測定した粒径を集計し、小さい粒径から順にその頻度(%)を加算してその値が10%となる粒径をD10、同じく50%となる粒径をD50、90%となる粒径をD90として本発明における個数基準の粒径分布を求めることができる。尚、ここでいう粒径分布は一次粒子の粒径分布として求められる。但し、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ヒュームドシリカ等の一次粒子が融着した二次粒子が存在している場合においては、その二次粒子の粒径に基づいて、粒径分布を求めることができる。
【0017】
研磨液組成物中における研磨材の含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、特に好ましくは5重量%以上であり、表面品質を向上させる観点、及び経済性の観点から50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは25重量%以下である。すなわち該含有量は、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%である。
【0018】
研磨液組成物中の水は、媒体として使用されるものであり、その含有量は被研磨物を効率良く研磨する観点から、好ましくは50〜99.5重量%、より好ましくは60〜99重量%、さらに好ましくは70〜97重量%、特に好ましくは75〜95重量%である。
【0019】
また、本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。該他の成分としては、単量体型の酸化合物の金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩、過酸化物、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤などが挙げられる。単量体型の酸化合物の金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩や過酸化物の具体例としては、特開昭62-25187号公報2頁右上欄3行〜11行、特開昭63-251163 号公報2頁左下欄6行〜13行、特開平1-205973号公報3頁左上欄4行〜右上欄2行、特開平3-115383号公報2頁右下欄16行〜3頁左上欄11行、特開平4-275387号公報2頁右欄27行〜3頁左欄12行及び17行〜23行に記載されているものが挙げられる。
【0020】
また、研磨促進剤として、金属イオンと結合して錯体を形成しうる多座配位子を持つキレート化合物を配合することができる。キレート化合物の具体例としては、特開平4-363385号公報2頁右欄21行〜29行に記載されているものが挙げられる。これらの中では、鉄(III) 塩が好ましく、エチレンジアミン四酢酸−鉄塩、ジエチレントリアミン五酢酸−鉄塩が特に好ましい。
【0021】
これらの成分は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、その含有量は、研磨速度を向上させる観点、それぞれの機能を発現させる観点、及び経済性の観点から、好ましくは研磨液組成物中0.05〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
【0022】
尚、前記研磨液組成物中の各成分の濃度は、該組成物製造時の濃度、及び使用時の濃度のいずれであってもよい。通常、濃縮液として組成物は製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
【0023】
研磨液組成物のpHは、被研磨物の種類や要求品質等に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、研磨液組成物のpHは、基板の洗浄性及び加工機械の腐食防止性、作業者の安全性の観点から、2 〜12が好ましい。また、被研磨物がNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板等の金属を主対象とした精密部品用基板である場合、研磨速度の向上と表面品質の向上の観点から、2〜9がより好ましく、3〜8が特に好ましい。さらに、半導体ウェハや半導体素子等の研磨、特にシリコン基板、ポリシリコン膜、SiO2 膜等の研磨に用いる場合は、研磨速度の向上と表面品質の向上の観点から、7〜12が好ましく、8〜12がより好ましく、9〜11が特に好ましい。該pHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、有機酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
【0024】
本発明の被研磨基板の研磨方法は、本発明の研磨液組成物を用いて、あるいは本発明の研磨液組成物の組成となるように各成分を混合して研磨液を調製して被研磨基板を研磨する工程を有している。該研磨方法の例としては、不織布状の有機高分子系研磨布等を貼り付けた研磨盤で基板を挟み込み、研磨液組成物を研磨面に供給し、一定圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことにより研磨する方法などが挙げられる。本発明の研磨方法において、本発明の研磨液組成物を用いることにより、研磨速度を向上させ、スクラッチやピット等の表面欠陥の発生が抑制され、表面粗さ(Ra)を低減させることができ、特に精密部品用基板を好適に製造することができる。
【0025】
また、本発明の基板の製造方法は、本発明の研磨液組成物を用いて被研磨液基板を研磨する工程を有する。
【0026】
被研磨基板等に代表される被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属、及びこれらの金属を主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、窒化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂などの樹脂等が挙げられる。中でもNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板や結晶化ガラス、強化ガラスなどのガラス基板がより好ましく、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板が特に好ましい。
【0027】
これらの被研磨物の形状には、特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れている。
【0028】
本発明の研磨液組成物は、精密部品用基板の研磨に好適に用いられる。例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の研磨に適している。半導体基板の研磨は、シリコンウェハ(ベアウェハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において行われる研磨がある。本発明の研磨液組成物は、特に磁気ディスク基板の研磨に適している。さらに、表面粗さ(Ra)3Å以下の磁気ディスク基板を得るのに適している。本明細書では、表面粗さ(Ra)は、一般に言われる中心線粗さとして求められ、80μm以下の波長成分を持つ粗さ曲線から得られる中心線平均粗さをRaと表す。これは以下のように測定することができる。
【0029】
中心線平均粗さ(Ra)
ランク・テーラーホブソン社製 タリーステップを用いて、以下の条件で測定する。
触針先端サイズ:2.5μm×2.5μm
ハイパスフィルター:80μm
測定長さ:0.64mm
【0030】
本発明の基板の製造方法は、前記研磨液組成物を用いた研磨工程を有し、該研磨工程は、複数の研磨工程の中でも2工程目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程に行われるのが特に好ましい。例えば、1工程、又は2工程の研磨工程によって、表面粗さ(Ra)を5Å〜15Åに調整したNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板を、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程によって研磨して、表面粗さ(Ra)3Å以下の磁気ディスク基板を、好ましくは表面粗さ(Ra)2.5Å以下の磁気ディスク基板を製造することができる。
【0031】
特に、本発明の研磨液組成物は、2工程の研磨で表面粗さ(Ra)3Å以下の磁気ディスク基板を、好ましくは表面粗さ(Ra)2.5Å以下の磁気ディスク基板を製造する際の2工程目に用いられるのに適している。
【0032】
製造された基板は、表面平滑性に優れたものである。例えば、磁気ディスク基板の場合は、その表面平滑性として、表面粗さ(Ra)が3Å以下、好ましくは2.5Å以下であることが望ましい。また、前記基板には表面欠陥が実質的に存しない。
【0033】
以上のように、本発明の研磨液組成物を用いることで、研磨速度を向上させると共に、スクラッチ、ピット等の表面欠陥が少なく、表面粗さ(Ra)等の平滑性が向上した、表面性状に優れた高品質の磁気ディスク基板を生産効率よく製造することができる。
【0034】
本発明の研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
【0035】
【実施例】
実施例1〜5及び比較例1〜2(但し、実施例4と実施例5は参考例)
研磨材として、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−4000型)を用い、発明の詳細な説明の項に記載した方法(粒径はノギスで測定)により算出された積算粒径D50が各々25〜160nmのコロイダルシリカを用い、適宜配合し表1に示す粒径分布(40nmにおける積算粒径分布、D50、D90及びD50/D90)を有する研磨材を調製した。得られた研磨材25重量部およびイオン交換水72重量部を添加混合した後、研磨促進剤としてEDTA−Fe 塩(キレスト(株)製、商品名:キレストFe)3重量部をさらに添加して研磨液組成物を調製した。また、実施例2では比較例2の研磨材を遠心分離機を用いて小粒径の研磨材を分級除去して研磨に供した。なお、図1は実施例2に用いた研磨材のFE−SEM像(倍率50000倍)を示す。図2は比較例1に用いた研磨材のFE−SEM像(倍率50000倍)を示す。図3は実施例3に用いた研磨材の粒径分布を示す。図4は比較例1に用いた研磨材の粒径分布を示す。
【0036】
被研磨基板として、Ni−Pメッキされた表面粗さRa=15Å、厚さ:0.8mmの直径3.5インチサイズのアルミニム合金基板を用いて研磨評価を行った。研磨条件は以下の通りである。
【0037】
〈両面研磨機の設定条件〉
研磨試験機:スピードファム社製 9B型両面研磨機
研磨パッド:ロデール・ニッタ社製 ポリテックスDG−H
定盤回転数:50r/min
スラリー供給量:20ml/min
研磨時間:4分
研磨荷重:7.8kPa
投入した基板の枚数:10枚
【0038】
研磨前後のアルミニウム合金基板の重量変化より研磨速度を求め、平均粒径:D50が100nmのコロイダルシリカで研磨した比較例2の研磨速度を基準とした相対値(相対研磨速度)を求めた。その結果を表1に合わせて示す。
【0039】
<被研磨基板上に残留した研磨材の測定>
被研磨基板上に残留した研磨材は、原子間力顕微鏡(AFM:デジタルインスツルメント社製 NanoscopeIII )によって、Scan rate=1Hzで被研磨基板の裏表各3カ所で2μm×2μmの範囲を測定し残留した研磨材(残留砥粒)の有無を確認した。その結果を表1に示す。なお、図5は、実施例3の研磨液組成物を用いて研磨した被研磨基板の洗浄した後のAFM像を示す。図6は、比較例1の研磨液組成物を用いて研磨した被研磨基板の洗浄した後のAFM像を示す。
【0040】
<表面粗さの測定>
ランク・テーラーホブソン社製 タリーステップを用いて、以下の条件で中心線表面粗さ(Ra)を測定した。その結果を表1に示す。
触針先端サイズ:2.5μm×2.5μm
ハイパスフィルター:80μm
測定長さ:0.64mm
【0041】
<スクラッチの測定>
光学顕微鏡観察(微分干渉顕微鏡)を用いて倍率200倍で各基板の表面を60度おきに6カ所測定した。その結果を表1に示す。
【0042】
<ピットの測定>
光学顕微鏡観察(微分干渉顕微鏡)を用いて倍率200 倍で各基板の表面を30度おきに12カ所測定し、12視野あたりのピット数を数えた。その結果を表1に示す。
【0043】
評価基準
表1に記載の研磨液により研磨された基板について、各項目の平均値を求め下記の基準により評価を行った。
残留した研磨材 ○:5個以下/2μm×2μm
×:5個を越える/2μm×2μm
表面粗さ(Ra) ○:3Å以下 ×:3Åを越える
スクラッチ ○:0.5本以下 ×:0.5本を越える
ピット ○:3個/面以下 ×:3個/面を越える
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果より、実施例1〜5で得られた研磨液組成物は、いずれも比較例1〜2で得られた研磨液組成物より研磨速度が速く、研磨材の残留がなく、得られる被研磨物の表面平滑性にも優れ、スクラッチ、ピット等の表面欠陥もないものであることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明により、研磨・洗浄後の被研磨基板上に研磨材の残留がなく、さらにスクラッチ、ピット等の表面欠陥が少なく、表面粗さ(Ra)等の表面平滑性が向上したメモリー磁気ディスク基板等の被研磨基板を効率よく製造することができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2に用いた研磨材のFE−SEM像である。
【図2】図2は、比較例1に用いた研磨材のFE−SEM像である。
【図3】図3は、実施例3に用いた研磨材の粒径分布である。
【図4】図4は、比較例1に用いた研磨材の粒径分布である。
【図5】図5は、実施例3の研磨液組成物を用いて研磨した被研磨基板の洗浄した後のAFM像である。
【図6】図6は、比較例1の研磨液組成物を用いて研磨した被研磨基板の洗浄した後のAFM像である。
Claims (4)
- 水、コロイダルシリカ及びキレート化合物を含んでなるNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板用研磨液組成物であって、コロイダルシリカの粒径分布において、(1)粒径40nmにおける小粒径側よりの積算粒径分布(個数基準)が3%以下で、且つ(2)小粒径側よりの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径(D50)が50〜150nmであることを特徴とするNi−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板用研磨液組成物。
- 請求項1記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方法。
- 請求項1記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨する工程を有する基板の製造方法。
- 請求項1記載の研磨液組成物を用いて、被研磨基板を研磨することを特徴とする、残留砥粒の低減した基板を製造する方法。
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