JP4149917B2 - 還元型補酵素q10の安定化方法並びに酸性結晶化方法 - Google Patents
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Description
本発明は、還元型補酵素Q10の安定化方法並びに結晶化方法に関する。還元型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10に対して高い経口吸収性を示し、優れた食品、栄養機能食品、特定保健用食品、栄養補助剤、栄養剤、動物薬、飲料、飼料、化粧品、医薬品、治療薬、予防薬等として有用な化合物である。
背景技術
還元型補酵素Q10は、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により補酵素Q10を得た後、クロマトグラフィーにより流出液中の還元型補酵素Q10区分を濃縮する方法等により得られることが知られている(特開平10−109933号公報)。この場合には、上記還元型補酵素Q10中に含まれる酸化型補酵素Q10を、水素化ホウ素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム(次亜硫酸ナトリウム)等の一般的な還元剤を用いて還元した後、クロマトグラフィーによる濃縮を行っても良いこと、また、還元型補酵素Q10は、既存の高純度補酵素Q10に上記還元剤を作用させる方法によっても得られることが、該特許公報中に記載されている。
しかしながら、このようにして得られる還元型補酵素Q10は、必ずしも純度が高い状態では取得できず、例えば、酸化型補酵素Q10をはじめとする不純物を含有する低純度結晶、半固体状や油状物として得られやすい。このように、還元反応で、酸化型補酵素Q10を全く、或いは、ほとんど含まない還元型補酵素Q10の反応混合物を得たとしても、高品質の還元型補酵素Q10の結晶を得るのは極めて難しい。
また、還元型補酵素Q10は、分子酸素によって酸化型補酵素Q10に酸化されやすい。工業的規模での製造においては、完全な酸素の除去は極めて難しく、更に、個々の操作に要する時間はラボスケールでの製造とは異なりかなり長時間になるため、残存する酸素が大きな悪影響を及ぼす。上記酸化は、難除去性の酸化型補酵素Q10の副生及び製品への混入といった収率、品質面の問題に直結する。
このように還元型補酵素Q10を安定化する、すなわち、酸化から防護することは非常に重要な課題であるが、現在まで還元型補酵素Q10が市販されていないために、還元型補酵素Q10を安定に保持するための方法等に関する研究はほとんどなされていない。わずかに、還元剤を用いる安定化方法並びに組成物について記述したWO01/52822A1を認めるのみである。
発明の要約
本発明は、上記に鑑み、還元型補酵素Q10の簡便な安定化方法、並びに、高品質の還元型補酵素Q10を得るための簡便且つ効率的な結晶化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、還元型補酵素Q10が、少量の強酸の存在下で、分子酸素からの酸化に対して極度に安定化されること、更に、強酸の存在下に結晶化することにより、酸化型補酵素Q10の副生が最小化された状態で、高品質の還元型補酵素Q10結晶を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、還元型補酵素Q10を、強酸を含有する溶媒と接触させて取り扱うことにより、分子酸素による還元型補酵素Q10の酸化を防護することを特徴とする、還元型補酵素Q10の安定化方法である。本発明は、又、還元型補酵素Q10を、強酸を含有する溶媒中で結晶化させることを特徴とする、還元型補酵素Q10の結晶化方法である。
発明の詳細な開示
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、分子酸素による還元型補酵素Q10から酸化型補酵素Q10への酸化を抑制して、高品質の還元型補酵素Q10結晶を取得する、又は、還元型補酵素Q10を安定に取り扱うために強酸を使用する。
上記強酸としては特に制限されないが、例えば、水溶液中におけるpKaが2.5以下を示すものが好ましく、より好ましくは2.0以下であり、特に好ましくは1.5以下であり、とりわけ1.0以下である。なお、強酸が硫酸のような多塩基酸である場合には、上記pKaは、その値が最も小さくなる第1段での値をいう。
強酸の具体例としては、硫酸、塩化水素(塩酸も含む)、燐酸等の無機酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸や、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のカルボン酸等の有機酸などを挙げることができる。なかでも、硫酸、塩化水素、燐酸等の無機酸が好ましく、後述する結晶化後に該強酸を蒸発させるという観点等からは塩化水素が最も好ましい。
強酸の使用量としては、強酸の種類にもよるが、普通、触媒量以上であればよく、還元型補酵素Q10の1モルに対して、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、経済性等も考慮すると、1000モル%以下が好ましく、100モル%以下がより好ましい。
本発明においては、還元型補酵素Q10を、強酸を含有する溶媒と接触させて取り扱うことにより分子酸素による酸化が防護され、又、還元型補酵素Q10を、強酸を含有する溶媒中で結晶化することにより高品質の還元型補酵素Q10結晶が得られる。
溶媒中の強酸濃度は、強酸の種類にもより、特に限定されないが、溶媒重量に対する強酸のモル量として、0.1mmol/kg以上が好ましく、1mmol/kg以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、経済性等を考慮すると、100mmol/kgが好ましい。尚、上記強酸は、酸化防護の目的を達した後には、必要に応じて、中和、蒸発、分液、洗浄等により除去する場合もあり、その点を考慮すると、言うまでもなく、使用目的と得られる効果をもとに、必要最小量を用いるのが好ましい。
上記の還元型補酵素Q10の、強酸を含有する溶媒との接触、又は、還元型補酵素Q10の、強酸を含有する溶媒中での結晶化に際して、系は均一であっても良く、又、不均一であっても良い。上記系を具体的に例示すると、還元型補酵素Q10、強酸及び溶媒からなる均一液相;還元型補酵素Q10を含有する有機溶媒相と強酸を含有する水相との不均一液相;還元型補酵素Q10油相と強酸を含有する水相との不均一液相等々を挙げることができる。言うまでもなく、還元型補酵素Q10と強酸との接触効率の高い系が、酸化防護に好適である。
本発明において使用しうる溶媒としては特に制限されず、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、窒素化合物類(ニトリル類、アミド類を含む)、硫黄化合物類、水等を挙げることができる。
炭化水素類としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。特に、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく、とりわけ、脂肪族炭化水素が好ましい。
脂肪族炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、通常、炭素数3〜20、好ましくは、炭素数5〜12のものが用いられる。結晶化収率の観点からは非環状の脂肪族炭化水素が特に好ましく用いられる。
具体例としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、2−ペンテン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2、3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ヘプテン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、1−ノネン、デカン、1−デセン、p−メンタン、ウンデカン、ドデカン等を挙げることができる。
中でも、炭素数5〜8の飽和脂肪族炭化水素が好ましく、炭素数5のペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン(ペンタン類と称す);炭素数6のヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン(ヘキサン類と称す);炭素数7のヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルシクロヘキサン(ヘプタン類と称す);炭素数8のオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン(オクタン類と称す)、及びこれらの混合物が好ましく用いられる。とりわけ、上記ヘプタン類は、還元型補酵素Q10を酸化から防護する効果が特に高い傾向がありさらに好ましく、結晶化収率の観点からはヘプタンが最も好ましい。
芳香族炭化水素としては特に制限されないが、普通、炭素数6〜20、特に炭素数6〜12、とりわけ炭素数7〜10のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、スチレン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼンであり、より好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クメン、テトラリンであり、最も好ましくは、クメンである。
ハロゲン化炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、非環状のものが好ましく用いられる。普通、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素が好ましく、特に塩素化炭化水素が好ましい。炭素数1〜6、特に炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜2のものが好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を挙げることができる。
好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、より好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。
脂肪酸エステル類としては、特に制限されないが、例えば、プロピオン酸エステル、酢酸エステル、ギ酸エステル等を挙げることができる。特に、酢酸エステル、ギ酸エステルが好ましく、とりわけ、酢酸エステルが好ましい。特に制限されないが、一般に、エステル基としては、炭素数1〜8のアルキル基又はアラルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が好ましく用いられる。
プロピオン酸エステルとしては、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチルを挙げることができる。
酢酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等を挙げることができる。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシルであり、より好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルであり、最も好ましくは、酢酸エチルである。
ギ酸エステルとしては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸sec−ブチル、ギ酸ペンチル等を挙げることができる。好ましくは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチルであり、最も好ましくは、ギ酸エチルである。
エーテル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数3〜20、特に炭素数4〜12、とりわけ炭素数4〜8のものが好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであり、より好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであり、さらに好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール等であり、最も好ましくは、メチルtert−ブチルエーテルである。
アルコール類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数1〜20、特に炭素数1〜12、とりわけ炭素数1〜6、なかでも炭素数1〜5の1価アルコールが好ましく、又、炭素数2〜5の2価アルコールが好ましく、又、炭素数3の3価アルコールが好ましい。
1価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、より好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコールであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコールであり、最も好ましくは、エタノールである。
2価のアルコールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等を挙げることができる。好ましくは、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールであり、最も好ましくは、1,2−エタンジオールである。
3価のアルコールとしてはグリセリン等を好適に用いることができる。
脂肪酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等を挙げることができるが、ギ酸、酢酸が好ましく、最も好ましくは酢酸である。
ケトン類としては特に制限されず、普通炭素数3〜6のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができ、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトンであり、最も好ましくは、アセトンである。
ニトリル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数2〜20、特に炭素数2〜12、とりわけ炭素数2〜8のものが好適に用いられる。
具体例としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド、オクチルシアニド、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、トリデカンニトリル、ペンタデカンニトリル、ステアロニトリル、クロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、クロロプロピオニトリル、ブロモプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、トルニトリル、ベンゾニトリル、クロロベンゾニトリル、ブロモベンゾニトリル、シアノ安息香酸、ニトロベンゾニトリル、アニソニトリル、フタロニトリル、ブロモトルニトリル、メチルシアノベンゾエート、メトキシベンゾニトリル、アセチルベンゾニトリル、ナフトニトリル、ビフェニルカルボニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、メチルフェニルアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、ナフチルアセトニトリル、ニトロフェニルアセトニトリル、クロロベンジルシアニド、シクロプロパンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、シクロヘプタンカルボニトリル、フェニルシクロヘキサンカルボニトリル、トリルシクロヘキサンカルボニトリル等を挙げることができる。
好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、ベンゾニトリル、トルニトリル、クロロプロピオニトリルであり、より好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルであり、最も好ましくは、アセトニトリルである。
ニトリル類を除く窒素化合物類としては、例えば、ニトロメタン、アセトニトリル、トリエチルアミン、ピリジン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることができる。
とりわけ、上記溶媒のうち、アルコール類、ケトン類、窒素化合物類(ニトリル類、アミド類を含む)、水が好ましく用いられ、より好ましくは炭素数1〜3のアルコール類、アセトン、アセトニトリル又は水である。更に、エタノール又はエタノール及び水の混合溶媒を用いる場合に、本発明の効果が最大限に発揮される。
エタノールと水の混合溶媒を用いる場合、エタノールと水の割合としては、エタノールと水の合計に対してエタノールが80w/w%以上であるのが好ましく、より好ましくは90w/w%以上、さらに好ましくは91w/w%以上、さらにより好ましくは92w/w%以上、特に好ましくは93w/w%以上である。上限としては99.5w/w%が好ましく、99w/w%がより好ましく、98w/w%がさらに好ましく、97w/w%が特に好ましい。通常、90〜99.5w/w%で好適に実施でき、93〜97w/w%で最も好適に実施できる。
溶媒中の還元型補酵素Q10の濃度は特に制限されないが、高濃度溶液ほど酸化を受けにくい傾向があることから、溶媒の重量に対する還元型補酵素Q10の重量として好ましくは1w/w%以上、より好ましくは2w/w%以上の濃度で取り扱う、又は、結晶化するとより効果的である。上限は特に制限されないが、実際的な操作性という観点から、400w/w%が好ましく、200w/w%がより好ましく、100w/w%がさらに好ましく、50w/w%が特に好ましい。
なお、本発明において還元型補酵素Q10を取り扱う操作としては特に制限されないが、例えば、抽出、水洗、濃縮、カラムクロマトグラフィー等があげられ、これら操作における還元型補酵素Q10の酸化を好適に防護することができる。
次に、本発明の結晶化方法について説明する。
結晶化に用いる溶媒としては上述と同じものが挙げられるが、先述のようにアルコール類、ケトン類、窒素化合物類(ニトリル類、アミド類を含む)、水が好ましい。好適なものとして、具体的には、エタノール等の炭素数1〜3のアルコール、アセトン、アセトニトリル、又は、水であり、最も好ましくはエタノール、又は、エタノール/水の混合溶媒である。
また、アルコール類及び/又はケトン類を用いた場合に、少量の水を共存させた場合、前述の安定化だけではなく、還元型補酵素Q10の溶解性を好適に減じて高い収率を得ることができ、スラリー性状を改善し、そして特に、注目すべきことであるが、固液分離性(濾過性)を大きく改善することもできる。
水と上記アルコール類及び/又はケトン類との割合は、溶媒の種類によっても異なり、一律には規定できないが、好ましくは、水、アルコール及びケトンの合計に対して、アルコール及びケトンの合計が90w/w%以上、より好ましくは91w/w%以上、さらに好ましくは92w/w%以上、特に好ましくは93w/w%以上である。上限としては99.5w/w%が好ましく、99w/w%がより好ましく、98w/w%がさらに好ましく、97w/w%が特に好ましい。通常、90〜99.5%で好適に実施でき、93〜97w/w%で最も好適に実施できる。
本発明の還元型補酵素Q10の結晶化は、冷却、濃縮、溶媒置換、貧溶媒の使用等の一般的な結晶化操作を、単独又は適宜組み合わせて、実施することができる。特に、冷却操作(冷却晶析)を用いる、又は、併用するのが好ましい。
また、本発明の還元型補酵素Q10の結晶化は、従来公知の方法により得られた、あるいは、後述する還元方法等により製造された還元型補酵素Q10を含有する反応液や抽出液に含有される不純物の除去も兼ねて精製晶析するのが特に効果的である。これにより、共存する不純物、特に、通常除去するのが必ずしも容易ではない構造の類似した類縁化合物(具体的には、還元型補酵素Q9、還元型補酵素Q8、還元型補酵素Q7等)を母液に除去することができる。アルコール類及び/又はケトン類は、上記の構造の類似した化合物を除去するのに特に効果的な溶媒でもある。また、言うまでもなく、上記精製晶析は還元型補酵素Q10結晶を再精製するための、再結晶法としても非常に有効である。
還元型補酵素Q10の結晶化温度は、結晶化溶媒の種類や結晶化方法にもより異なるので、一律に規定できないが、25℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましく、15℃以下がさらに好ましく、10℃以下が特に好ましい。下限は、系の固化温度が好ましい。通常、0〜25℃で好適に実施できる。
得られる還元型補酵素Q10中への各種不純物の混入を最小化する、又は良好な性状のスラリーを得る目的で、晶析時の単位時間当たりの結晶の晶出量を制御することができる。好ましい単位時間当たりの晶出量は、単位時間当たり全晶出量の50%量が晶出する速度(50%量/時間)以下である。より好ましくは、単位時間当たり全晶出量の25%量が晶出する速度(即ち、25%量/時間)以下である。また、冷却晶析における冷却速度は、40℃/時間以下が好ましく、20℃/時間以下がより好ましい。
還元型補酵素Q10の結晶化は、強制流動下に実施するのが好ましい。過飽和の形成を抑制し、スムースに核化・結晶成長を行うためには、或いは、高品質化の観点から、単位容積当たりの撹拌所要動力として、通常約0.01kW/m3以上、好ましくは約0.1kW/m3以上、より好ましくは約0.3kW/m3以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
また、結晶化に際しては、過飽和の形成を抑制し、スムースに核化・結晶成長を行うために、種晶を添加するのが好ましい。
結晶化の濃度は、結晶化溶媒の種類や結晶化方法により異なるので、一律に規定できないが、結晶化終了時の結晶化溶媒の重量に対する還元型補酵素Q10の重量として、15w/w%以下が好ましく、13w/w%以下がより好ましく、10w/w%以下がさらに好ましい。下限は、生産性の観点から、1w/w%が好ましく、2w/w%がより好ましい。通常、5〜10w/w%で好適に実施できる。
このようにして得られる還元型補酵素Q10の結晶は、例えば、遠心分離、加圧濾過、減圧濾過等による固液分離、更に、必要に応じてケーキ洗浄を行い、湿体として取得することができる。また、更に不活性ガスに内部を置換した減圧乾燥器(真空乾燥器)に湿体を仕込み、減圧下、乾燥し、乾体として取得することができるし、乾体として取得するのが好ましい。
上記の還元型補酵素Q10の結晶化において、結晶化時に用いた強酸を結晶化後に除去するためには、結晶化後に強酸を塩基(例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物)で中和する方法、或いは、強酸として塩化水素等の揮発性の強酸を用いて、結晶化後に該強酸を蒸発させる方法等を採用することができる。
結晶化後に強酸を塩基(例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等)で中和する場合、中和により副生する塩類を母液に溶解、除去するために、結晶の分離に際して、上記塩類を溶解、除去するための水が系中に共存するようにするのも好ましい。これは、一般に、水共存下に結晶化させる、或いは、結晶の分離に際して水を添加する等により達せられる。
本発明は、脱酸素雰囲気下、具体的には、不活性ガス雰囲気下、減圧下、及び/又は、沸騰下に実施することにより、更に酸化防止効果を高めるのが好ましい。少なくとも、不活性ガス雰囲気下に実施するのが好ましい。上記不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
次に、本発明に使用するに好適な還元型補酵素Q10の合成法、すなわち、酸化型補酵素Q10から還元型補酵素Q10に還元する反応について述べる。
本発明に使用しうる還元型補酵素Q10は、先述のごとく、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により得ることができる。好ましくは、既存の高純度補酵素Q10などの酸化型補酵素Q10、又は、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の混合物を、一般的な還元剤を用いて還元することにより得ることができる。まずは、酸化型補酵素Q10を還元する方法について説明する。
還元型補酵素Q10は分子酸素によって酸化され酸化型補酵素Q10を副生しやすいため、還元工程の溶媒として酸化からの防護効果の高い溶媒を用いるのが好ましい。このような溶媒としては、先述の溶媒のうち、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち少なくとも一種を用いるのが好ましく、最も好ましくは炭化水素類である。
上記溶媒の中でも、沸点、粘性等の性質(例えば、溶解度を高めるための適度な加温ができ、且つ、湿体からの溶剤の乾燥除去や晶析濾液等からの溶剤回収の行いやすい沸点(1気圧下、約30〜150℃)、室温での取り扱い時及び室温以下に冷却した時も固化しにくい融点(約20℃以下、好ましくは約10℃以下、より好ましくは約0℃以下)を持ち、粘性が低い(20℃において約10cp以下等))を考慮して選定するのが好ましい。工業的な作業上の観点から、常温で揮発し難いものが好ましく、一般に、例えば、沸点が約80℃以上、更には約90℃以上のものが特に好ましい。
上記溶媒のうち、還元反応の溶媒としては、水と相溶性の低い溶媒を用いるのが特に好ましく、後述する還元剤や還元剤に由来する不純物を水相に抽出、除去し、還元型補酵素Q10を効率的に精製、取得するのを助成する。
還元型補酵素Q10は高濃度の溶液ほど酸化されにくい傾向にある。上記溶媒に対して還元型補酵素Q10は高い溶解性を示し、上記溶媒はこの点でも酸化防護に好適である。還元型補酵素Q10の酸化を防護するために好ましい濃度は、溶媒の種類などにより一律に規定できないが、上記溶媒に対する還元型補酵素Q10の濃度として、普通1w/w%以上、好ましくは2w/w%以上である。上限は、特に制限されないが、実際的な操作性という観点から、400w/w%、好ましくは200w/w%、より好ましくは100w/w%、とりわけ50w/w%である。
しかして、上記溶媒の使用によって、望ましくない酸素の副反応は、還元工程を通して最小化される。
還元反応は、上記の溶媒中、水素化金属化合物、鉄(金属又は塩としての鉄)、亜鉛(金属としての亜鉛)、次亜硫酸類、アスコルビン酸類等を還元剤として用いて実施することができる。
水素化金属化合物としては特に制限されないが、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等を挙げることができる。上記水素化金属化合物の使用量は、水素化金属化合物の種類により異なり、一律に規定できないが、普通、理論水素当量の1〜3倍量で好適に実施できる。
鉄または亜鉛を用いる還元は、普通、酸を使用して実施される。酸としては特に制限されないが、例えば、酢酸等の脂肪酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸や硫酸等の無機酸等を挙げることができる。好ましくは無機酸であり、より好ましくは、硫酸である。
鉄の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、例えば、約1/5重量以上で好適に実施できる。上限は特に制限されないが、経済性の観点等から、約2倍重量である。なお、鉄は、金属のみならず、硫酸鉄(II)等の塩の形態でも使用できる。
亜鉛の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、例えば、約1/10重量以上で好適に実施できる。上限は特に制限されないが、経済性の観点等から、約2倍重量である。
次亜硫酸類としては特に制限されず、通常、次亜硫酸の塩である。次亜硫酸の塩としては特に限定されず、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
上記次亜硫酸類の使用量は特に制限されないが、普通、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、約1/5重量以上、好ましくは約2/5重量以上、より好ましくは約3/5重量以上である。多くても特に支障はないが、経済的に不利であるため、普通、約2倍重量以下、好ましくは同重量以下で用いられる。普通、約2/5重量〜約同重量の範囲で好適に実施できる。
アスコルビン酸類としては、特に制限されず、例えば、アスコルビン酸のみならず、rhamno−アスコルビン酸、arabo−アスコルビン酸、gluco−アスコルビン酸、fuco−アスコルビン酸、glucohepto−アスコルビン酸、xylo−アスコルビン酸、galacto−アスコルビン酸、gulo−アスコルビン酸、allo−アスコルビン酸、erythro−アスコルビン酸、6−デスオキシアスコルビン酸等のアスコルビン酸に類するものを含み、更に、それらのエステル体や塩であってもかまわない。これらは、L体、D体、或いは、ラセミ体であっても良い。具体的には、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビルステアレート、D−arabo−アスコルビン酸等を挙げることができる。還元型補酵素Q10の製造において、上記のアスコルビン酸類をいずれも好適に使用しうるが、生成した還元型補酵素Q10との分離のしやすさ等を考慮すると、上記のアスコルビン酸類のうち、特に水溶性のものが好適に用いられ、最も好ましくは、入手容易性、価格等の観点から、L−アスコルビン酸、D−arabo−アスコルビン酸等のフリー体である。
上記のアスコルビン酸類の使用量は特に制限されず、酸化型補酵素Q10を還元型補酵素Q10に変換しうる有効量であればよく、一般的に、酸化型補酵素Q10に対して、普通1倍モル量以上、好ましくは1.2倍モル量以上である。上限は特に制限されないが、経済性も考慮して、普通10倍モル量、好ましくは5倍モル量、より好ましくは3倍モル量である。
上記還元剤のうち、還元能力、収率、品質といった観点から、亜鉛、次亜硫酸類、及びアスコルビン酸類が好ましく、特に次亜硫酸類(具体的には、次亜硫酸塩)、アスコルビン酸類が好ましい。
還元反応においては、前述のアルコール類及び/又は水を好適に使用することができる。水は、特に還元剤として鉄、亜鉛、次亜硫酸類を用いる場合に好適である。還元剤として水素化金属化合物やアスコルビン酸類を用いる場合にはアルコール類を使用することができる。水、アルコール類の併用は、これら水、アルコール類の特性が発揮され、反応速度の向上や反応収率の向上等に寄与する。
以下に好ましい還元方法について詳細に述べる。
上記次亜硫酸類を用いる還元は、水と、上記の炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち少なくとも一種の有機溶媒(好ましくは炭化水素類、より好ましくは脂肪族炭化水素、なかでもヘプタン類、特にヘプタン)との混合溶媒系で実施するのが好ましい。その際、反応時のpHは、収率等の観点から、普通pH7以下、好ましくはpH3〜7、より好ましくはpH3〜6で実施される。上記pHは、酸(例えば、塩酸や硫酸等の鉱酸)や塩基(例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物)を用いて、調整することができる。
上記次亜硫酸類を用いる還元において、水の使用量は特に制限されず、還元剤である次亜硫酸類を適度に溶解する量であれば良く、例えば、一般的には、上記次亜硫酸類の水に対する重量が、普通、30w/w%以下、好ましくは20w/w%以下になるように調整するのが良い。又、生産性等の観点から、普通、1w/w%以上、好ましくは5w/w%以上、より好ましくは10w/w%以上であるのが良い。
上記アスコルビン酸類を用いる還元は、前述の炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち、特に水と相溶性の高い溶媒、なかでも、水と相溶性の高いエーテル類及びニトリル類、具体的には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等を用いて実施することができる。先述したアルコール類及び/又はケトン類(好ましくは、水と相溶性の高いアルコール類及び/又はケトン類(具体的には、アルコール類としては、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3の1価又は2価(好ましくは1価)のアルコール、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等))を使用するのが特に好ましい。すなわち、アスコルビン酸類を用いる還元においては、アルコール類及び/又は水溶性有機溶媒を用いるのが好ましい。又、還元型補酵素Q10の製造における反応促進の観点から(例えば、反応温度の低下、反応時間の短縮等)、塩基性物質や亜硫酸水素塩等の反応促進効果を有する添加剤を共存させて実施することができる。
上記の塩基性物質としては特に制限されず、例えば、無機化合物、有機化合物を問わず使用しうる。上記無機化合物としては特に制限されないが、例えば、金属(好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属等)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩やアンモニア等を挙げることができる。その代表的なものとして、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等を挙げることができる。上記有機化合物としては特に制限されないが、例えば、トリエチルアミン等のアミン等を挙げることができる。上記の塩基性物質のうち、金属(好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属等)の炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア等の無機化合物;トリエチルアミン等のアミン等の有機化合物といった弱い塩基性物質(弱塩基又は弱アルカリ)を特に好ましく使用できる。より好ましくは、上記の弱塩基性の無機化合物である。
また、亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸水素塩等を好適なものとして挙げることができる。
上記添加剤の量は、期待する程度の反応促進効果を発揮しうる量(有効量)であればよく、特に制限されないが、一般的に、経済性も考慮して、アスコルビン酸類に対して、普通20倍モル量以下、好ましくは10倍モル量以下、より好ましくは5倍モル量以下、特に2倍モル以下である。下限は特に制限されないが、普通0.01倍モル量、好ましくは0.05倍モル量、より好ましくは0.1倍モル量、特に0.2倍モル量である。
還元反応は、強制流動下に実施するのが好ましい。単位容積当たりの撹拌所要動力として、通常約0.01kW/m3以上、好ましくは約0.1kW/m3以上、より好ましくは約0.3kW/m3以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
還元温度は、還元剤の種類や量によって異なり、一律に規定できない。例えば、次亜硫酸類を用いる還元においては、普通100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下で実施される。下限は、系の固化温度である。通常、0〜100℃程度、好ましくは0〜80℃程度、より好ましくは0〜60℃程度で好適に実施できる。アスコルビン酸類を用いる還元においては、普通30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上で実施される。上限は系の沸点である。通常、30〜150℃程度、好ましくは40〜120℃程度、より好ましくは50〜100℃程度で好適に実施できる。
反応濃度は特に制限はないが、一般に、溶媒の重量に対する酸化型補酵素Q10の重量として、普通約1w/w%以上、好ましくは3w/w%以上、より好ましくは10w/w%以上、とりわけ15w/w%以上である。上限は特に制限されないが、普通60w/w%以下、好ましくは50w/w%以下、より好ましくは40w/w%以下、とりわけ30w/w%以下である。通常、約1〜60w/w%、好ましくは約3〜50w/w%、より好ましくは約10〜40w/w%で好適に実施できる。
還元反応は、通常、48時間以内、好ましくは24時間以内、より好ましくは10時間以内、とりわけ5時間以内に完了させることができる。
このようにして得られた還元反応液は、生成した還元型補酵素Q10を含有する有機相を採取し、必要に応じ(好ましくは)、有機相を更に、繰り返し、例えば、水や食塩水等を用いて水洗して夾雑物を完全に除去することができる。特に、還元剤として、次亜硫酸類を用いた場合には、次亜硫酸類由来の夾雑物を完全に除去する、或いは水相のpHを安定させるために、繰り返し水洗することが望ましい。又、所望の還元型補酵素Q10を含有する溶液を得るために、必要に応じ、還元反応液を濃縮、溶媒置換してもよい。
なお、上記還元反応および後処理は、脱酸素雰囲気下で実施するのが極めて好ましく、驚くべきことには、特に次亜硫酸類を用いた還元反応では、還元反応収率向上や還元剤量の削減に大きく寄与することも見い出した。脱酸素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
以上、本発明によれば、上記強酸の使用によって、望ましくない酸素による副反応は、還元型補酵素Q10の結晶化の工程において最小化される。又、還元型補酵素Q10を、強酸の存在下に取り扱うことにより、分子酸素による酸化を防護し、還元型補酵素Q10を安定化させることができるので、抽出、水洗、濃縮、カラムクロマトグラフィー等の操作を好適に実施することができる。
本発明の結晶化方法により得られる還元型補酵素Q10結晶は、極めて高品質であり、還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比として、98/2以上、好ましくは99/1以上が期待できる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中の還元型補酵素Q10の純度、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比は下記HPLC分析により求めたが、得られた還元型補酵素Q10の純度は本発明における純度の限界値を規定するものではなく、また、同様に、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比も、その上限値を規定するものではない。
(HPLC分析条件)
カラム:SYMMETRY C18(Waters製)250mm(長さ)4.6mm(内径)、移動相;C2H5OH:CH3OH=4:3(v:v)、検出波長;210nm、流速;1ml/min、還元型補酵素Q10の保持時間;9.1min、酸化型補酵素Q10の保持時間;13.3min。
(実施例1)
10gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を25℃で100gのヘプタンに溶解させた。攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)10gを100mlの水に加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、25℃で還元反応を行った。2時間後、反応液から水相を除去し、飽和食塩水100gに0.1N塩酸2gを加えた洗浄液でヘプタン相を6回水洗した。以上すべての操作は窒素雰囲気下で行った。このヘプタン相を減圧下にて溶媒置換し、還元型補酵素Q10の1%(w/w)エタノール溶液を調製した。
このエタノール溶液を100gずつ分注し、エタノールに対して100mmol/kgかつ還元型補酵素Q10に対し1000mol%となるように表1に記載した強酸を各々添加し、空気中で攪拌した(なお塩化水素については、12N塩酸として添加した)。24時間後のエタノール溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を表1に示す。なお、比較のため、酢酸(エタノールに対し100mmol/kg)を添加した場合、および酸を添加しなかった場合の結果も合わせて示す。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、還元型補酵素Q10のヘプタン溶液を得た。このヘプタン溶液を減圧下にて溶媒置換し、還元型補酵素Q10の1%(W/W)ジメチルホルムアミド溶液を調製した。このジメチルホルムアミド溶液を100gずつ分注し、ジメチルホルムアミドに対して100mmol/kgかつ還元型補酵素Q10に対し1000mol%となるように表2に記載した強酸を各々添加し、空気中で攪拌した(なお塩化水素については、12N塩酸として添加した)。24時間後のジメチルホルムアミド溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を表2に示す。なお、比較のため、酢酸(ジメチルホルムアミドに対し100mmol/kg)を添加した場合、又は酸を添加しなかった場合の結果も合わせて示す。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により得られた還元型補酵素Q10の1%(w/w)エタノール溶液100gに、塩化水素として100mmol/kg(対エタノール)かつ還元型補酵素Q10に対し1000mol%になるように12N塩酸を添加し、窒素雰囲気下で攪拌した。24時間後、エタノール溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6であった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法により得られた還元型補酵素Q10の1%(w/w)エタノール溶液100gに、1N塩酸1g(塩化水素としてエタノールに対し10mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し100mol%)を添加し、空気中で攪拌した。24時間後、エタノール溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は98.7/1.3であった。
(実施例5)
実施例1と同様の方法により得られた還元型補酵素Q10の1%(w/w)エタノール溶液100gに、0.1N塩酸1g(塩化水素としてエタノールに対し1mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し10mol%)添加し、空気中で攪拌した。24時間後、エタノール溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は98.7/1.3であった。
(実施例6)
実施例1と同様の方法により得られた還元型補酵素Q10の1%(w/w)エタノール溶液100gに、0.01N塩酸1g(塩化水素としてエタノールに対し0.1mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し1mol%)添加し、空気中で攪拌した。24時間後、エタノール溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は98.5/1.5であった。
(実施例7)
実施例1と同様の方法により、還元型補酵素Q10のヘプタン相を得た。このヘプタン溶液を減圧下で溶媒置換し、還元型補酵素Q10の7%(w/w)エタノール溶液を得た。このエタノール溶液に1N塩酸1.4g(塩化水素としてエタノールに対し10mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し12mol%)を添加し、空気中で攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら2℃まで冷却することにより、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノール、で順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.5gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.1/0.9、還元型補酵素Q10の純度は98.9%であった。
(実施例8)
結晶化の際、1N塩酸に代えて0.01N塩酸を1.4g(塩化水素としてエタノールに対し0.1mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し0.1mol%)添加する以外はすべて実施例7と同様に行い、白色の乾燥結晶9.5gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.0/1.0、還元型補酵素Q10の純度は98.9%であった。
(実施例9)
結晶化を窒素雰囲気下で行なうこと以外はすべて実施例7と同様に行い、白色の乾燥結晶9.5gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5、還元型楠酵素Q10の純度は99.3%であった。
(実施例10)
実施例9と同様の方法により、還元型補酵素の白色スラリーを得た。得られたスラリーを5%炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、さらに減圧ろ過して、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノール、で順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)した。洗浄後の湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)し、白色の乾燥結晶9.5gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の比率は99.5/0.5、還元型補酵素Q10の純度は99.3%であった。
(比較例1)
結晶化の際、1N塩酸に代えて水1.4gを添加する以外はすべて実施例7と同様に行い、白色の乾燥結晶9.5gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は97.4/2.6、還元型補酵素Q10の純度は97.2%であった。
(実施例11)
実施例1と同様の方法により、還元型補酵素Q10のヘプタン相を得た。このヘプタン溶液を減圧下で溶媒置換し、5%含水エタノールを用いて還元型補酵素Q10の7%(w/w)溶液を得た。このエタノール溶液に1N塩酸1.4g(塩化水素としてエタノールに対し10mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し12mol%)を添加し、空気中で攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら2℃まで冷却することにより、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧ろ過し(実施例7に比べ濾過性は良好)、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノール、で順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.7gを得た(有姿収率97モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.1/0.9、還元型補酵素Q10の純度は98.9%であった。
(実施例12)
結晶化を窒素雰囲気下で行なうこと以外はすべて実施例11と同様に行い、白色の乾燥結晶9.7gを得た(有姿収率97モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5、還元型補酵素Q10の純度は99.3%であった。
(実施例13)
使用した酸化型補酵素Q10の純度が98.4%(酸化型補酵素Q9を1.00%、酸化型補酵素Q8を0.30%、及び、酸化型補酵素Q7を0.04%含有)であること以外は、実施例1と同様にして、還元型補酵素Q10のヘプタン相を得た(還元型補酵素Q9を1.00%、還元型補酵素Q8を0.30%、及び、還元型補酵素Q7を0.04%含有)。このヘプタン溶液を減圧下で溶媒置換し、還元型補酵素Q10の7%(w/w)エタノール溶液を得た。このエタノール溶液に1N塩酸1.4g(塩化水素としてエタノールに対し10mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し12mol%)を添加し、空気中で攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら2℃まで冷却することにより、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノール、で順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.5g(還元型補酵素Q9を0.52%含有、除去率48%、還元型補酵素Q8及び酸化型補酵素Q7は検出されず)を得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.1/0.9、還元型補酵素Q10の純度は98.9%であった。
(実施例14)
100gのエタノール中に、10gの酸化型補酵素Q10、6gのL−アスコルビン酸、3gの炭酸水素ナトリウムを加え、78℃にて攪拌し、還元反応を行った。3時間後、50℃に冷却し、反応液にヘプタン100g、脱気した水100gを加えて25℃に冷却した。水層を除去した後、更に脱気した飽和食塩水100gでヘプタン相を6回水洗した。このヘプタン溶液を減圧下で溶媒置換し、還元型補酵素Q10の7%(w/w)エタノール溶液を得た。このエタノール溶液に1N塩酸1.4g(塩化水素としてエタノールに対し10mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し12mol%)を添加し、空気中で攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら2℃まで冷却することにより、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノール、で順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.5gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.1/0.9、還元型補酵素Q10の純度は98.9%であった。
(実施例15)
実施例1と同様の方法により、還元型補酵素Q10のヘプタン溶液を得た。このヘプタン溶液を減圧下にて溶媒置換し、還元型補酵素Q10の7%(w/w)アセトン溶液を調製した。このアセトン溶液に1N塩酸1.4g(塩化水素としてアセトンに対し10mmol/kg、還元型補酵素Q10に対し12mol%)を添加し、空気中で攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら2℃まで冷却することにより、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を冷アセトン、冷水、冷アセトン、で順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.4gを得た(有姿収率94モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.3/0.7、還元型補酵素Q10の純度は99.0%であった。
(比較例2)
結晶化の際、1N塩酸に代えて水1.4gを添加する以外はすべて実施例11と同様に行い、白色の乾燥結晶9.7gを得た(有姿収率97モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は97.4/2.6、還元型補酵素Q10の純度は97.2%であった。
(参考例1)
表3に示す各種溶媒20gに1gの還元型補酵素Q10(還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.6/0.4)を、25℃下で溶解した。大気中、25℃で24時間の攪拌後、液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を測定した結果を表3に示す。
(参考例2)
表4に示す各種溶媒100gに1gの還元型補酵素Q10(還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.6/0.4)を、35℃下で溶解した。大気中、35℃で24時間の攪拌後、液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を測定した結果を表4に示す。
産業上の利用の可能性
本発明は、上述の構成よりなるので、工業的規模での生産に適した方法で、高品質の還元型補酵素Q10を簡便且つ効率的に得ることができる。
Claims (30)
- 還元型補酵素Q10を、強酸を含有する溶媒と接触させて取り扱うことにより、分子酸素による還元型補酵素Q10の酸化を防護することを特徴とする、還元型補酵素Q10の安定化方法であって、
強酸が、水溶液中におけるpKaが2.5以下を示すものである安定化方法。 - 強酸が、無機酸である請求の範囲第1項記載の安定化方法。
- 強酸の使用量は、還元型補酵素Q10の1モルに対して0.1モル%以上である請求の範囲第1又は2項記載の安定化方法。
- 溶媒中の強酸濃度は、溶媒重量に対する強酸のモル量として、0.1mmol/kg以上である請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の安定化方法。
- 溶媒が、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、窒素化合物類、硫黄化合物類、及び、水からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の安定化方法。
- 溶媒が、アルコール類、ケトン類、窒素化合物類、及び、水からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第5項記載の安定化方法。
- 溶媒が、炭素数1〜3のアルコール類、アセトン、アセトニトリル、及び、水からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第6項記載の安定化方法。
- 溶媒が、エタノール、又は、エタノール/水の混合溶媒である請求の範囲第7項記載の安定化方法。
- エタノール/水の混合溶媒中のエタノールの割合が、90〜99.5w/w%である請求の範囲第8項記載の安定化方法。
- 溶媒に対する還元型補酵素Q10の濃度が1w/w%以上である請求の範囲第1〜9項のいずれかに記載の安定化方法。
- 還元型補酵素Q10を取り扱う操作が、抽出、水洗、濃縮及びカラムクロマトグラフィーからなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第1〜10項のいずれかに記載の安定化方法。
- 脱酸素雰囲気下に還元型補酵素Q10を取り扱う請求の範囲第1〜11項のいずれかに記載の安定化方法。
- 還元型補酵素Q10を、強酸を含有する溶媒中で結晶化させることを特徴とする、還元型補酵素Q10の結晶化方法であって、
強酸が、水溶液中におけるpKaが2.5以下を示すものである結晶化方法。 - 強酸が、無機酸である請求の範囲第13項記載の結晶化方法。
- 強酸の使用量は、還元型補酵素Q10の1モルに対して0.1モル%以上である請求の範囲第13又は14項記載の結晶化方法。
- 溶媒中の強酸濃度は、溶媒重量に対する強酸のモル量として、0.1mmol/kg以上である請求の範囲第13〜15項のいずれかに記載の結晶化方法。
- 溶媒が、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、窒素化合物類、硫黄化合物類、及び、水からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第13〜16項のいずれかに記載の結晶化方法。
- 溶媒が、アルコール類、ケトン類、窒素化合物類、及び、水からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第17項記載の結晶化方法。
- 溶媒が、炭素数1〜3のアルコール類、アセトン、アセトニトリル、及び、水からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第18項記載の結晶化方法。
- 溶媒が、エタノール、又は、エタノール/水の混合溶媒である請求の範囲第19項記載の結晶化方法。
- エタノール/水の混合溶媒中のエタノールの割合が、90〜99.5w/w%である請求の範囲第20項記載の結晶化方法。
- 不純物を母液に除去する請求の範囲第13〜21項のいずれかに記載の結晶化方法。
- 除去される不純物が、還元型補酵素Q9、還元型補酵素Q8、及び、還元型補酵素Q7からなる群より選択される少なくとも一種である請求の範囲第22項記載の結晶化方法。
- 結晶化濃度が、結晶化終了時の結晶化溶媒の重量に対する還元型補酵素Q10の重量として、1w/w%以上である請求の範囲第13〜23項のいずれかに記載の結晶化方法。
- 結晶化濃度が、結晶化終了時の結晶化溶媒の重量に対する還元型補酵素Q10の重量として、5〜10w/w%である請求の範囲第24項記載の結晶化方法。
- 強酸として、揮発性の強酸を用い、還元型補酵素Q10の結晶化後に、該強酸を蒸発させる請求の範囲第13〜25項のいずれかに記載の結晶化方法。
- 結晶化後に、強酸を塩基で中和する請求の範囲第13〜26項のいずれかに記載の結晶化方法。
- 塩基が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又は、アルカリ金属炭酸水素塩である請求の範囲第27項記載の結晶化方法。
- 還元型補酵素Q10結晶の分離に際して、中和により生じた塩類を溶解、除去するための水を系中に共存させる請求の範囲第27又は28項記載の結晶化方法。
- 脱酸素雰囲気下に行う請求の範囲第13〜29項のいずれかに記載の結晶化方法。
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