JP4142313B2 - 光重合性組成物、光重合性平版印刷版及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光重合性組成物、光重合性平版印刷版、及びそれを用いた画像形成方法に関し、特に、支持体との接着性に優れると共に、高感度を示す光重合性組成物、光重合性平版印刷版、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光重合性組成物の露光による画像形成方法として、高分子結合材、エチレン性不飽和化合物、及び光重合開始剤、或いは更に増感剤等からなる光重合性組成物の層を支持体表面に形成し、画像露光して露光部のエチレン性不飽和化合物を重合、硬化させた後、非露光部を溶解除去することにより硬化レリーフ画像を形成する方法が汎用されており、又、その光重合性組成物の感度の改良を目的として、各種の、エチレン性不飽和化合物、或いは光重合開始剤、又は増感剤等に関し多くの提案がなされている。
【0003】
しかしながら、いずれも、支持体との接着力、及び感度等の面で満足できるものではなく、一方、その支持体との接着性、及び感度等の改良を目的として、カルボキシル基含有重合体のカルボキシル基の一部をエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物と反応させて側鎖にエチレン性不飽和結合を導入せしめた重合体を高分子結合材として用いた光重合性組成物も提案されている(例えば、特開平10−10719号公報等参照。)が、支持体に対する接着性の面では依然として満足できるレベルには到り得ておらず、又、感度の面でも改良の余地を残すものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、支持体との接着性に優れると共に、高感度を示す光重合性組成物、光重合性平版印刷版、及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般にラジカル重合反応において重合停止作用を有するとして知られており、光重合性組成物においても露光時の重合を阻害するため感度を低下させると考えられていたフェノール性水酸基、を有する特定の構成単位を含む重合体を高分子結合材として含有させた光重合性組成物が、驚くべきことに、前記目的を達成できることを見い出し本発明を完成したもので、即ち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなる光重合性組成物、及び、支持体表面に該光重合性組成物の層が形成されてなる光重合性平版印刷版、並びに、該光重合性平版印刷版の光重合性組成物層を400〜1,300nmの波長域のレーザー光により走査露光した後、アルカリ現像液で現像処理する画像形成方法、を要旨とする。
【0006】
(A)下記一般式(I) で表される構成単位を含む重合体からなる高分子結合材
【0007】
【化3】
【0008】
〔式(I) 中、R37は、水素原子又はメチル基を示し、Uは、(−CO−NH−V−)結合、又は(−CO−O−V−)結合を示し、Vは、直接結合、又は(−CO−NH−)結合含有2価基を示し、pは1〜5の整数である。〕
【0009】
(B)エチレン性不飽和化合物
(C)光重合開始剤
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の光重合性組成物を構成する(A)成分の高分子結合材は、後述する(B)成分のエチレン性不飽和化合物、及び(C)成分の光重合開始剤等に対するバインダーとしての機能し、光重合性組成物に塗膜性等を付与するものであり、本発明においては、その高分子結合材として前記一般式(I) で表される構成単位を含む重合体であることを必須とし、前記一般式(I) で表される構成単位を含まない場合には、本発明の目的を達成することができない。
【0011】
ここで、前記一般式(I) におけるVの(−CO−NH−)結合含有2価基としては、(−CO−NH−)結合を含む、例えば、メチレン基、エチレン基等のアルキレン基、オキシ基、イミノ基等が挙げられ、前記一般式(I) における構成単位としては、具体的には、例えば、下記のものが挙げられるが、中で、本発明においては、Vが直接結合であり、Uが(−CO−NH−)結合であるのが好ましく、又、pは1〜3であるのが好ましく、1であるのが特に好ましい。
【0012】
【化4】
【0013】
又、本発明において、前記一般式(I) で表される構成単位を含む重合体としては、前記一般式(I) で表される構成単位からなる単独重合体であってもよいが、例えば、(メタ)アクリル酸〔尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味するものとし、以降も同様とする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類等のカルボキシル基含有単量体類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸誘導体類、N−ビニルピロリドン等のビニル複素環式化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物類、及び、酢酸ビニル、塩化ビニル等のその他のビニル化合物類、等の共単量体との共重合体であるのが好ましく、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体類、又は/及び、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体類、等の共単量体との共重合体であるのが特に好ましい。
【0014】
更に、本発明においては、前記一般式(I) で表される構成単位、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位、及び(メタ)アクリル酸由来の構成単位からなる共重合体であるのが好ましく、就中、該共重合体における一部の(メタ)アクリル酸由来の構成単位のカルボキシル基にエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物のエポキシ基が開環付加され、前記一般式(I) で表される構成単位、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位、(メタ)アクリル酸由来の構成単位、及び、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基にエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物が付加された構成単位からなる共重合体であるのが好ましい。
【0015】
尚、その際のエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具体的には、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イソクロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類、2,3−エポキシシクロペンチルアルキル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアルキル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類等が挙げられる。
【0016】
中で、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基に前記エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物が付加された構成単位としては、下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物類が付加されたものが好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】
〔式(II)中、R38、R39、及びR40は各々独立して、水素原子又はメチル基を示す。〕
【0019】
尚、本発明における(A)成分の高分子結合材としては、前記一般式(I) で表される構成単位を0.1〜60モル%含む共重合体であるのが好ましく、1〜30モル%含む共重合体であるのが更に好ましく、2〜20モル%含む共重合体であるのが特に好ましい。前記一般式の構成単位の含有量が前記範囲未満では、光重合性組成物として支持体に対する接着性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、光重合性組成物として画像形成性が悪化する傾向となる。
【0020】
又、本発明における高分子結合材としては、前記(A)成分の高分子結合材の外に、前記(A)成分以外の高分子結合材を含有していてもよく、その高分子結合材としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独又は共重合体、並びに、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、アセチルセルロース等が挙げられるが、中で、アルカリ現像性の面から、カルボキシル基含有重合体が好適であり、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、又は、更にスチレンを共重合成分として含有する共重合体が好ましく、このカルボキシル基含有重合体の酸価は10〜250、重量平均分子量は0.5〜200万であるのが好ましい。
【0021】
更に、そのカルボキシル基含有重合体として、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好適であり、具体的には、例えば、前記カルボキシル基含有重合体に、前述の如き脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物又は脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
【0022】
又、本発明における光重合性組成物を構成する(B)成分のエチレン性不飽和化合物は、光重合性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(C)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0023】
本発明におけるエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、並びに、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等、であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0024】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0025】
そのエステル類としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0026】
更に、そのエステル類として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0027】
又、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中で、下記一般式(IIIa)又は(IIIb)で表されるものが好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】
〔式(IIIa)及び(IIIb)中、R36は、水素原子又はメチル基を示し、nは1〜25の整数、mは1、2、又は3である。〕
【0030】
ここで、nは1〜10、特に1〜4であるのが好ましく、これらの具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
【0031】
又、そのウレタン(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0032】
中で、ウレタン(メタ)アクリレート類としては、1分子中に4個以上のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕及び4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、該化合物は、例えば、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1)、或いは、エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成工業社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2)、或いは、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等の、1分子中に4個以上、好ましくは6個以上のイソシアネート基を有する化合物等、具体的には、例えば、旭化成工業社製「デュラネートME20−100」(i)と、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(ii)とを、反応させることにより得ることができる。
【0033】
ここで、前記化合物(i)の分子量は、500〜200,000であるのが好ましく、1,000〜150,000であるのが特に好ましい。又、前記のようなウレタン(メタ)アクリレート類の分子量は、600〜150,000であるのが好ましい。又、ウレタン結合を6個以上有するのが好ましく、8個以上有するのが特に好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基を6個以上有するのが好ましく、8個以上有するのが特に好ましい。
【0034】
尚、このようなウレタン(メタ)アクリレート類は、例えば、前記化合物(i)と前記化合物(ii)とを、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒中で、前者のイソシアネート基と後者の水酸基とのモル比を1/10〜10/1の割合として、必要に応じてジラウリン酸n−ブチル錫等の触媒を用いて、10〜150℃で5分〜3時間程度反応させる方法により製造することができる。
【0035】
本発明において、前記ウレタン(メタ)アクリレート類の中でも、下記一般式(IV)で表されるものが特に好ましい。
【0036】
【化7】
【0037】
〔式(IV)中、Raは、アルキレンオキシ基又はアリーレンオキシ基の繰り返し構造を有し、且つ、Rbと結合し得るオキシ基を4〜20個有する基を示し、Rb及びRcは各々独立して、炭素数が1〜10のアルキレン基を示し、Rdは(メタ)アクリロイルオキシ基を1〜10個有する有機残基を示し、Ra、Rb、Rc、及びRdは置換基を有していてもよく、xは4〜20の整数、yは0〜15の整数、zは1〜15の整数である。〕
【0038】
ここで、式(IV)中のRaのアルキレンオキシ基の繰り返し構造としては、例えば、プロピレントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等に由来するものが、又、アリーレンオキシ基の繰り返し構造としては、例えば、ピロガロール、1,3,5−ベンゼントリオール等に由来するものが、それぞれ挙げられる。又、Rb及びRcのアルキレン基の炭素数は、各々独立して1〜5であるのが好ましく、又、Rdにおける(メタ)アクリロイルオキシ基は1〜7個であるのが好ましい。又、xは4〜15、yは1〜10、zは1〜10であるのが、それぞれ好ましい。
【0039】
更に、Raとしては下記式〔尚、式中、kは2〜10の整数である。〕であるのが、又、Rb及びRcとしては各々独立して、ジメチレン基、モノメチルジメチレン基、又は、トリメチレン基であるのが、又、Rdとしては下記式であるのが、それぞれ特に好ましい。
【0040】
【化8】
【0041】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
【0042】
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0043】
以上の(B)成分のエチレン性不飽和化合物として、本発明においては、エステル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が特に好ましい。(A)成分のエチレン性不飽和化合物全体に対して、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としてはその占める割合が1〜60重量%であるのが好ましく、2〜40重量%であるのが特に好ましく、又、ウレタン(メタ)アクリレート類としてはその占める割合が0.5〜50重量%であるのが好ましく、2〜40重量%であるのが特に好ましい。
【0044】
又、本発明における光重合性組成物を構成する(C)成分の光重合開始剤は、後述する(D)成分の増感剤等との共存下で光照射されたときに、活性ラジカルを発生するラジカル発生剤であって、代表的には、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、チタノセン誘導体類、有機硼素酸塩類、ジアリールヨードニウム塩類、カルボニル化合物類、及び有機過酸化物類等が挙げられ、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、チタノセン誘導体類、及び有機硼素酸塩類が好ましい。
【0045】
ここで、そのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、少なくとも1つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合した誘導体が好ましく、下記一般式(V) で表されるものが特に好ましい。
【0046】
【化9】
【0047】
〔式(V) 中、R35は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を示し、Wは置換基を有していてもよいアリール基又は複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示し、rは0〜2の整数である。〕
【0048】
これらのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、具体的には、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が好ましい。
【0049】
又、そのハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2−(p−メトキシフェニル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−メトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(o−ベンゾフリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−〔β−(o−ベンゾフリル)ビニル〕−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
【0050】
又、そのヘキサアリールビイミダゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m,m−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられ、中で、ヘキサフェニルビイミダゾール誘導体が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位のベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。
【0051】
又、そのチタノセン誘導体類としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕等が挙げら、中で、ジシクロペンタジエニル構造とビフェニル構造を有する誘導体類が好ましく、ビフェニル環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが特に好ましい。
【0052】
又、その有機硼素酸塩類としては、特に、下記一般式(VI)で表されるものが好ましい。
【0053】
【化10】
【0054】
〔式(VI)中、R17、R18、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基である。Xb + は対カチオンである。〕
【0055】
ここで、式(VI)中のR17、R18、R19、及びR20がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。
【0056】
これらの式(VI)で表される有機硼素酸塩の有機硼素アニオンとしては、具体的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(3−フルオロ−4−メチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0057】
又、対カチオンXb + としては、例えば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チアピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましい。又、本発明において、(C)成分の光重合開始剤としての有機硼素酸塩類を光重合性組成物中に存在させる方法として、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオンとの塩を配合する通常の方法の他、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと後述する(D)成分の増感剤の色素カチオンとで形成された塩を配合する方法も採ることができる。
【0058】
以上の光重合開始剤は、後述する露光波長に応じて適宜選択して用いられるが、露光波長が650nm以下の波長域においては、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、及びチタノセン誘導体類が、又、650nm以上の波長域においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、及び有機硼素酸塩類が、光重合性組成物としての感度、支持体への接着性、及び保存安定性等の面から、それぞれ好ましい。
【0059】
本発明における光重合性組成物としての、前記(A)成分の高分子結合材、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物、及び前記(C)成分の光重合開始剤の各含有割合は、(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、(A)成分の高分子結合材が、好ましくは10〜400重量部、更に好ましくは20〜200重量部、(C)成分の光重合開始剤が、好ましくは0.1〜80重量部、更に好ましくは0.5〜60重量部の範囲である。
【0060】
本発明の光重合性組成物は、前記(A)成分の高分子結合材、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物、及び前記(C)成分の光重合開始剤の外に、増感剤(D)成分を含有しているのが好ましく、その増感剤としては、特に400〜1,300nmの波長域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを前記(C)成分の光重合開始剤に伝え、該光重合開始剤を分解し、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する光吸収色素が好ましい。
【0061】
これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造を基本構造とするものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピリリウム系等のシアニン系色素、及びポリメチン系色素が好ましい。
【0062】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(VIIa) 、(VIIb)、又は(VIIc)で表されるものが好ましい。
【0063】
【化11】
【0064】
〔式(VIIa)、(VIIb)、及び(VIIc)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0065】
ここで、式(VIIa)、(VIIb)、及び(VIIc)中のR1 及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0066】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(VIII)で表されるものが好ましい。
【0067】
【化12】
【0068】
〔式(VIII)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0069】
ここで、式(VIII)中のR3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0070】
又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IXa) 、(IXb) 、又は(IXc) で表されるものが好ましい。
【0071】
【化13】
【0072】
〔式(IXa) 、(IXb) 、及び(IXc) 中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチオピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0073】
ここで、式(IXa) 、(IXb) 、及び(IXc) 中のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチオピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0074】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(X) で表されるものが好ましい。
【0075】
【化14】
【0076】
〔式(X) 中、R9 、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0077】
ここで、式(X) 中のR9 、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0078】
尚、前記一般式(VIIa 〜c)、(VIII)、(IXa〜c)、及び(X) における対アニオンXa - としては、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、AsF6 - 、及び、BF4 - 、BCl4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0079】
又、前記一般式(VIIa 〜c)、(VIII)、(IXa〜c)、及び(X) において、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖上に、下記一般式(XIa) で表されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を置換基として有することにより、又は、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖中に、下記一般式(XIb) で表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオン基、或いは、下記一般式(XIc) で表されるクロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成することにより、分子内塩を形成していてもよい。
【0080】
【化15】
【0081】
〔式(XIa) 、(XIb) 、及び(XIc) 中、Z3 、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 、及びZ8 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R15及びR16は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
【0082】
ここで、式(XIa) 中のR15及びR16がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等が挙げられる。
【0083】
以上の前記一般式(VIIa 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(VIII)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IXa〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、及び前記一般式(X) で表されるポリメチン系色素の中で、本発明においては、前記一般式(VIII)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素が特に好ましい。
【0084】
又、本発明における増感剤としては、アザポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とする、所謂フタロシアニン系色素も挙げられ、そのフタロシアニン系色素としては、下記一般式(XII) で表されるものが好ましい。
【0085】
【化16】
【0086】
〔式(XII) 中、R21、及びR22は各々独立して、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Mは、Zn、Cu、Ni、SnCl2 、AlCl、又は水素原子を示し、又、ベンゼン環における隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0087】
ここで、式(XII) 中のR21、及びR22がアルコキシ基、チオアルコキシ基、又はアルキルアミノ基であるときの炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4であり、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、又はアリールアミノ基としては、フェノキシ基、チオフェノキシ基、又はフェニルアミノ基等が挙げられ、又、Mとしては、Zn、又はSnCl2 であるのが好ましい。
【0088】
又、本発明における増感剤としては、ジアルキルアミノベンゼン系化合物も挙げられ、その中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0089】
そのジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(XIIIa) で表されるものが好ましい。
【0090】
【化17】
【0091】
〔式(XIIIa) 中、R23、R24、R25、及びR26は各々独立して、アルキル基を示し、R27、R28、R29、及びR30は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R23とR24、R25とR26、R23とR27、R24とR28、R25とR29、及びR26とR30とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0092】
ここで、式(XIIIa) 中のR23、R24、R25、及びR26のアルキル基の炭素数、並びに、R27、R28、R29、及びR30がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。
【0093】
前記一般式(XIIIa) で表される化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0094】
【化18】
【0095】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物における複素環基としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む5又は6員環のものが好ましく、縮合ベンゼン環を有する5員環が特に好ましく、そのジアルキルアミノベンゼン系化合物としては下記一般式(XIIIb) で表されるものが特に好ましい。
【0096】
【化19】
【0097】
〔式(XIIIb) 中、R31及びR32は各々独立して、アルキル基を示し、R33及びR34は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y3 は、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、該Y3 を含む複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
【0098】
ここで、式(XIIIb) 中のR31及びR32のアルキル基の炭素数、並びに、R33及びR34がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。又、Yがジアルキルメチレン基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、アルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましい。
【0099】
前記一般式(XIIIb) で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0100】
【化20】
【0101】
又、前記一般式(XIIIb) で表される化合物以外の、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
【0102】
更に、本発明における増感剤としては、例えば、米国特許第3479185号明細書に開示されるロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーン等のトリフェニルメタン系ロイコ色素類、エリスロシンやエオシンY等の光還元性染料類、米国特許第3549367号、同第3652275号各明細書に開示されるミヒラーズケトンやアミノスチリルケトン等のアミノフェニルケトン類、米国特許第3844790号明細書に開示されるβ−ジケトン類、米国特許第4162162号明細書に開示されるインダノン類、特開平6−301208号、特開平8−129258号、特開平8−129259号、特開平8−146605号、特開平8−211605号各公報に開示されるクマリン系色素類、特開昭52−112681号公報に開示されるケトクマリン系色素類、特開昭59−56403号公報に開示されるアミノスチレン誘導体類やアミノフェニルブタジエン誘導体類、米国特許第4594310号明細書に開示されるアミノフェニル複素環類、米国特許第4966830号明細書に開示されるジュロリジン複素環類、特開平5−241338号、特開平7−5685号、特開平10−144242号各公報に開示されるピロメテン系色素類等の化合物が挙げられる。
【0103】
以上の増感剤は、後述する露光波長に応じて適宜選択して用いられるが、露光波長が430nm以下の波長域においてはジアルキルアミノベンゼン系化合物が、又、400〜650nmの波長域においては、ケトクマリン系色素類及びピロメテン系色素類が、又、650nm以上の波長域においてはシアニン系色素が、それぞれ好ましい。
【0104】
本発明における光重合性組成物としての前記(D)成分の増感剤の含有割合は、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.01〜20重量部であるのが好ましく、0.05〜10重量部であるのが更に好ましい。
【0105】
又、本発明における光重合性組成物は、前記成分以外に、光重合開始能力の向上を目的として、更に、水素供与性化合物(E)成分を含有していてもよく、その水素供与性化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、エチレングリコールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプト基含有化合物類、ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等の多官能チオール化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、同上のエステル等の誘導体、フェニルアラニン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、同上のエステル等の誘導体等の芳香族環を有するアミノ酸又はその誘導体類等が挙げられる。中で、本発明においては、メルカプト基含有化合物類、及び、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、同上のエステル等の誘導体が好ましい。
【0106】
本発明における光重合性組成物としての前記(E)成分の水素供与性化合物の含有割合は、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜50重量部であるのが好ましく、0.5〜30重量部であるのが更に好ましい。
【0107】
又、本発明における光重合性組成物は、前記成分以外に、光重合性組成物に保存安定性を付与することを目的として、更に、アミン化合物(F)成分を含有していてもよく、そのアミン化合物としては、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであってもよいが、pKb(解離定数)が7以下であるものが好ましい。
【0108】
そのアミン化合物としては、具体的には、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよい脂肪族アミンが挙げられる。中で、本発明においては、トリベンジルアミンが好ましい。
【0109】
本発明における光重合性組成物としての前記(F)成分のアミン化合物の含有割合は、前記(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜20重量部であるのが好ましく、0.5〜10重量部であるのが更に好ましい。
【0110】
更に、本発明における光重合性組成物としては、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤を、(B)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して2重量部以下、有機又は無機の染顔料からなる着色剤を同じく20重量部以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤を同じく40重量部以下、三級アミンやチオール等の感度特性改善剤、フッ素系等の界面活性剤等の塗布性改良剤や現像促進剤を同じく10重量部以下、色素前駆体を同じく30重量部以下、の割合で含有していてもよい。
【0111】
本発明の前記光重合性組成物の感光材料としての使用形態は、使用目的に応じて、例えば、無溶剤で又は適当な溶剤で希釈して支持体表面に塗布し、乾燥させた形態、或いは更にその上に酸素遮断のためのオーバーコート層を設けた形態、異相媒体中に小滴分散させて複数種の感光材として多層に塗布した形態、マイクロカプセル中に内包させて支持体上に塗布した形態等を採り得るが、本発明の光重合性組成物は、該組成物を適当な溶剤に溶解或いは分散させた溶液或いは分散液として支持体表面に塗布した後、加熱、乾燥させることにより、支持体表面に本発明の光重合性組成物の層が形成された光重合性平版印刷版としての使用形態が好適である。
【0112】
ここで、本発明における光重合性平版印刷版の支持体としては、金属板や合成樹脂フィルム等、平版印刷版において用いられている公知の支持体を用いることができるが、アルミニウム、又は、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等とのアルミニウム合金からなるアルミニウム板が好ましく、その板としての厚さは、通常0.01〜10mm程度、好ましくは0.05〜1mm程度である。又、アルミニウム板は、通常、表面を粗面化処理した後、陽極酸化処理したものが用いられる。
【0113】
その粗面化処理(砂目立て処理)は、ブラシ研磨法、ボール研磨法、ブラスト研磨法、液体ホーニング研磨法、バフ研磨法等の機械的処理方法、或いは、電解エッチング法、化学エッチング法等の常法を用い得るが、中で、ブラシ研磨法、ボール研磨法、液体ホーニング研磨法、電解エッチング法、化学エッチング法等によるのが好ましく、特に、塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により電解を行う電解エッチング法が好ましく、その際、0.5〜5重量%程度の酸濃度、20〜200A/dm2 程度の電流密度、10〜40V程度の電圧として、20〜50℃程度の温度で処理するのが好ましい。この粗面化処理により、JIS B0601に規定される表面粗さRaが、通常0.1〜1.5μm程度、好ましくは0.2〜1.0μm程度とされる。
【0114】
又、粗面化処理した後、必要に応じて、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、クロム酸等の酸、或いは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウム等のアルカリの水溶液に浸漬するか、又は、それらの水溶液を噴霧する等の常法により、前記粗面化処理によって支持体表面に生じたスマットを取り除くためのデスマット処理が施される。このデスマット処理により、前記粗面化処理後の反射濃度(A)と後記陽極酸化処理後の反射濃度(B)との差(A−B)を0.1以下とするのが好ましい。
【0115】
又、その陽極酸化処理は、通常、硫酸単独、又は硫酸を主体とし、修酸、燐酸、クロム酸、マロン酸等を含む水溶液を電解液とし、アルミニウム板を陽極として電解を行うことによりなされ、その際、5〜50重量%程度、好ましくは15〜30重量%程度の酸濃度、1〜60A/dm2 程度の電流密度、1〜150V程度の電圧として、5〜50℃程度、好ましくは15〜35℃程度の温度、5〜60秒程度の電解時間で処理するのが好ましい。この陽極酸化処理により、形成される酸化皮膜量は、通常1〜100mg/dm2 、好ましくは10〜50mg/dm2 とされる。
【0116】
又、更に必要に応じて、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリや熱水による処理、カチオン性4級アンモニウム塩基を有する樹脂やポリビニルスルホン酸等の水溶性高分子化合物の水溶液への浸漬処理等が施される。
【0117】
前記支持体表面に前記光重合性組成物を塗布液として塗布する際の溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶媒、或いはこれらの混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶媒の使用割合は、光重合性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0118】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、ディップ塗布、スピナー塗布、スプレー塗布、ロール塗布、コーティングロッド等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、0.1〜10g/m2 の範囲とするのが好ましく、0.5〜5g/m2 の範囲とするのが更に好ましい。
【0119】
本発明における光重合性平版印刷版は、前述の如くして前記アルミニウム板支持体表面に形成された前記光重合性組成物層上に、光重合性組成物の酸素による重合禁止作用を防止するための酸素遮断層が形成されていてもよい。
【0120】
その酸素遮断層を構成するものとしては、水、又は、水と、メタノール、エタノール、プロパノール、イソノニルアルコール等のアルコールやテトラヒドロフラン等の水混和性有機溶剤との混合溶剤に可溶の水溶性高分子であって、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、及びその部分アセタール化物、4級アンモニウム塩等によるそのカチオン変性物、スルホン酸ナトリウム等によるそのアニオン変性物等の誘導体、ポリピニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0121】
それらの中で、酸素遮断性等の面からポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく、又、その鹸化度が、70モル%以上、更には80モル%以上で、その重量平均分子量が、0.2〜50万、更には0.4〜10万であるものが好ましい。
【0122】
又、その酸素遮断層としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体の含有割合が30重量%以上であるのが好ましく、40〜100重量%であるのが更に好ましい。又、感光性層との密着性等の面から、ポリビニルピロリドンやビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等のビニルピロリドン系重合体、アクリル系重合体エマルジョン、ジイソシアネート化合物、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシ酢酸等を含有するのが好ましく、それらの中でビニルピロリドン系重合体が好ましく、本発明における酸素遮断層としては、ビニルピロリドン系重合体の含有割合が0.1〜70重量%であるのが好ましく、5〜60重量%であるのが更に好ましい。
【0123】
更に又、酸素遮断層としては、保存性付与等の面から、琥珀酸等の有機酸やエチレンジアミンテトラ酢酸等の有機酸塩等を含有するのが好ましく、又、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性等の界面活性剤、消泡剤、色素、可塑剤、pH調整剤等を含有していてもよく、それらの合計含有割合は、10重量%以下であるのが好ましく、5重量%以下であるのが更に好ましい。
【0124】
前記酸素遮断層は、水又は水と水混和性有機溶剤との混合溶剤の溶液として、前述の感光性層と同様の塗布法によって形成され、その塗布量は、乾燥膜厚として、1〜10g/m2 の範囲とするのが好ましく、1.5〜7g/m2 の範囲とするのが更に好ましい。
【0125】
尚、本発明の光重合性組成物は、高感度であり、支持体との接着性にも優れるため、光重合性組成物層上に前述した酸素遮断層を有さずとも良好な性能を発現することができる。
【0126】
本発明において、前記光重合性平版印刷版の光重合性組成物層を、画像露光した後、現像処理することによりネガ画像が形成された平版印刷版とされる。
【0127】
ここで、画像露光する光源としては、例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、ディープUVランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、エキシマーUVランプ等のランプ光源、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、中で、400〜1,300nmの波長域のレーザー光線を発生する光源により走査露光するのが好ましい。それらの光源としては、具体的には、405nmを発振するバイオレットレーザー、488nmを発振するアルゴンイオンレーザー、532nmを発振するFD−YAGレーザー、830nmを発振する半導体レーザー、1016nmを発振するYAGレーザー等が、好適に例として挙げられる。
【0128】
又、その走査露光方法としては、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザーの出力光強度を、短波長域においては通常1〜100mW、好ましくは3〜70mW、長波長域においては通常0.1〜100W、好ましくは0.5〜70Wとし、ビームスポット径を、前者波長域及び後者波長域共、通常2〜30μm、好ましくは4〜20μmとし、走査速度を、前者波長域においては通常50〜500m/秒、好ましくは100〜400m/秒、後者波長域においては通常0.1〜500m/秒、好ましくは0.3〜400m/秒として、感光性層上でのレーザー露光量が、前者波長域においては通常1〜100μJ/cm2 以下、好ましくは5〜50μJ/cm2 以下となるように、後者波長域においては通常1〜200mJ/cm2 以下、好ましくは5〜150mJ/cm2 以下となるようにして走査露光する。
【0129】
又、露光後の現像処理に用いられる現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、又は、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物等の0.1〜10重量%程度の水溶液からなるアルカリ現像液が用いられる。
【0130】
又、前記現像液には、画質向上、現像時間の短縮等を目的として、必要に応じて、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン性、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性、アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性の界面活性剤、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤等を添加することができる。現像液のpHは、9〜14とするのが好ましい。
【0131】
尚、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の公知の現像法により、通常、好ましくは10〜60℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。その際、酸素遮断層は、予め水等で除去しておいてもよいし、現像時に除去することとしてもよい。
【0132】
尚、本発明において、得られる画像の強度を向上させ、耐刷性等を付与するために、前記現像処理後の感光層を、更に全面後露光してもよい。
【0133】
その後露光の光源としては、前述の画像露光時の光源として挙げたランプ光源が用いられ、それらの200〜1100nmの波長の光が用いられる。中で、エキシマーUVランプ、水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、エキシマーUVランプ、水銀灯が特に好ましい。
【0134】
又、その後露光の露光エネルギーとしては、特に限定されるものではないが、画像形成工程の合理化等の面から、10mJ/cm2 〜10J/cm2 の範囲とするのが好ましく、50mJ/cm2 〜8Jcm2 の範囲とするのが更に好ましい。
【0135】
又、後露光方法としては、画像を停止させて行っても、画像を連続的に移動させながら行ってもよく、又、画像強度等の面から、画像形成面での光強度を20mW/cm2 〜1W/cm2 の範囲とするのが好ましく、30mW/cm2 〜500mW/cm2 の範囲とするのが更に好ましい。尚、画像形成面での光強度を前記範囲とするには、用いる光源の出力をを大きくするとか、棒状タイプの光源の場合は単位長さ当たりの出力を大きくする等して、光源の出力(W)を上げて露光する方法、或いは、画像形成面を光源に接近させて露光する方法等によることができる。
【0136】
尚、後露光時の温度としては、40〜300℃とするのが好ましく、その加熱方法としては、例えば、ホットプレート、ドライヤー、セラミックヒーター、及び、後露光光源の輻射熱等が挙げられる。
【0137】
又、本発明において、得られる画像の強度を向上させ、耐刷性を付与するために、前記後露光に代えて、或いは、前記後露光に併用して、前記現像処理後の感光層を、全面後加熱してもよい。
【0138】
その後加熱の方法としては、特に限定されず、例えば、後露光光源の輻射熱による加熱法、オーブンによる加熱法、ホットプレートによる加熱法、ロールによる加熱法、セラミックヒーターによる加熱法等が挙げられ、又、画像形成面の温度を、好ましくは80〜300℃、更に好ましくは100〜250℃とし、加熱時間を、好ましくは1秒〜15分、更に好ましくは1秒〜10分とする。
【0139】
又、後加熱は、画像を停止させて行っても、画像を連続的に移動させながら行ってもよく、又、前記後露光に併用して後加熱する場合、後露光後に後加熱することとしてもよく、後加熱後に後露光することとしてもよく、後加熱しながら後露光することとしてもよい。尚、必要に応じて、前記レーザー露光後、現像処理前に、前記と同様の加熱工程を設けることも有効である。
【0140】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0141】
<(A)成分の高分子結合材の製造例1>
前記一般式(I) の構成単位を構成するN−p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(10モル%)/メチルメタクリレート(70モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体(重量平均分子量5万)のメタクリル酸由来の構成単位のカルボキシル基の50モル%に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを開環付加させた、前記一般式(I) の構成単位であるN−p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(10モル%)/メチルメタクリレート(70モル%)/メタクリル酸(10モル%)/前記一般式(II)の構成単位(10モル%)の共重合体。
【0142】
<(A)成分の高分子結合材の製造例2>
前記一般式(I) の構成単位を構成するN−p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(5モル%)/メチルメタクリレート(75モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体(重量平均分子量5万)のメタクリル酸由来の構成単位のカルボキシル基の50モル%に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを開環付加させた、前記一般式(I) の構成単位であるN−p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(5モル%)/メチルメタクリレート(75モル%)/メタクリル酸(10モル%)/前記一般式(II)の構成単位(10モル%)の共重合体。
【0143】
<(A)成分の高分子結合材の製造例3>
前記一般式(I) の構成単位を構成するN−p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(3モル%)/メチルメタクリレート(77モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体(重量平均分子量5万)のメタクリル酸由来の構成単位のカルボキシル基の50モル%に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを開環付加させた、前記一般式(I) の構成単位であるN−p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド(3モル%)/メチルメタクリレート(77モル%)/メタクリル酸(10モル%)/前記一般式(II)の構成単位(10モル%)の共重合体。
【0144】
<(A)成分の高分子結合材の製造例4(比較例用)>
メチルメタクリレート(80モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体(重量平均分子量5万)のメタクリル酸由来の構成単位のカルボキシル基の50モル%に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを開環付加させた、メチルメタクリレート(80モル%)/メタクリル酸(10モル%)/前記一般式(II)の構成単位(10モル%)の共重合体。
【0145】
実施例1〜3、比較例1〜2
アルミニウム板(厚さ0.2mm)を3重量%水酸化ナトリウム水溶液で脱脂した後、18g/リットル塩酸浴中で、25℃、80A/dm2 の電流密度で15秒間、電解エッチングし、次いで、50℃の1重量%水酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理した後、25℃の10重量%硝酸水溶液で5秒間中和し、水洗後、30重量%硫酸浴中で、30℃、10A/dm2 の電流密度で16秒間、陽極酸化処理し、水洗、乾燥することにより、酸化皮膜量2.1mg/dm2 のアルミニウム板支持体を作製した。
【0146】
得られたアルミニウム板支持体の表面に、以下に示す各成分からなる光重合性組成物を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル(30重量%/70重量%)の混合溶媒に12重量%濃度となるように溶解させた塗布液をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2g/m2 となるように塗布し、乾燥させて光重合性組成物の層を形成することにより、光重合性平版印刷版を作製した。
【0147】
(A)成分
表1に示す前記製造例1〜4の共重合体(A−1〜A−4);45重量部
(B)成分
以下の製造例の化合物(B−1);35重量部
四つ口フラスコに、酢酸エチル100ml、ジラウリン酸n−ブチル錫180mg、p−メトキシフェノール60mg、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートを主成分とする化合物(新中村化学社製「A−9530」、分子量約530)38.6gを、順次添加し、次いで、攪拌下に、「A−9530」の水酸基のモル量に対してイソシアネート基が0.9倍量になるようにポリイソシアネート化合物(旭化成社製「デュラネートME0−100」、一分子中に平均9個のイソシアネート基含有、分子量約5,000)を滴下し、滴下終了後、70℃に加熱して、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のピークが消失するまで反応させた。反応物は、理論上は9個以上のウレタン結合と45個の二重結合を有する化合物を含有するものであり、重量平均分子量は約70,000であった。
【0148】
下記の化合物(B−2);10重量部
(C)成分
2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(C−1);15重量部
(D)成分
下記の化合物(D−1);2.4重量部
【0149】
【化21】
【0150】
(F)アミン化合物
トリベンジルアミン(F−1);10重量部
その他成分
顔料(銅フタロシアニン);10重量部
分散剤(ビックケミー社製「DisperBYK 161」);5重量部
界面活性剤(花王社製「エマルゲン104P」);2重量部
界面活性剤(旭硝子社製「S−381」);0.3重量部
【0151】
得られた各光重合性平版印刷版につき、版上にステップタブレット(コニカ社製)を添付した状態で、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(クレオ社製、「Trend Setter 3244T」)を用いて50mJ/cm2 (比較例2は60mJ/cm2 )の露光量で走査露光し、次いで、A珪酸カリウム3重量%、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(花王社製「ペレックスNBL」)5重量%を含む水溶液を現像液として用い、Interplater自動現像機(G&J社製)で、90cm/分の搬送速度で現像処理を行い、その際の最高ステップ段数を読み取り、その段数を感度評価の指標として表1に示した。
【0152】
更に、得られた平版印刷版の支持体上の画像について、自動現像機のローラー等による画像の支持体からの剥離状態を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
○;画像の支持体からの剥離、及び擦れ等の傷が全く認められない。
×;画像に擦れ傷が生じ、部分的に支持体からの剥離が認められる。
【0153】
【表1】
【0154】
【発明の効果】
本発明によれば、支持体との接着性に優れると共に、高感度を示す光重合性組成物、光重合性平版印刷版、及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
Claims (7)
- 下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなることを特徴とする光重合性組成物。
(A)下記一般式(I)で表される構成単位:
(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位、(メタ)アクリル酸由来の構成単位、及び下記一般式 (II) で表される構成単位:
からなる重合体からなる高分子結合材
(B)エチレン性不飽和化合物
(C)光重合開始剤 - (A)成分における前記一般式(I)のUが(−CO−NH−)結合である請求項1に記載の光重合性組成物。
- (A)成分の重合体が、前記一般式(I)で表される構成単位を0.1〜60モル%含む共重合体である請求項1又は2に記載の光重合性組成物。
- 更に、増感剤(D)成分を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の光重合性組成物。
- 支持体表面に、請求項1乃至4のいずれかに記載の光重合性組成物の層が形成されてなることを特徴とする光重合性平版印刷版。
- 光重合性組成物層上に酸素遮断層を有しない請求項5に記載の光重合性平版印刷版。
- 請求項5又は6に記載の光重合性平版印刷版の光重合性組成物層を400〜1,300nmの波長域のレーザー光により走査露光した後、アルカリ現像液で現像処理することを特徴とする画像形成方法。
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