JP4136238B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、特定の正孔輸送化合物を感光層に有する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体に用いられる光導電材料としては、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等の無機材料が知られていた。他方、有機材料であるポリビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料等は高生産性や無公害性等の利点が注目され、無機材料と比較して光導電特性や耐久性等の点で劣る傾向にあるものの、広く用いられるようになってきた。
【0003】
これらの電子写真感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の電子写真感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
【0004】
特に、繰り返し使用される電子写真感光体にあっては、その電子写真感光体の表面には帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化(例えば転写効率や滑り性の低下)、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
【0005】
一般に電子写真感光体の表面は薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等が実用化されているが、前述したような特性の全てがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に電子写真感光体の高耐久化を図る上では樹脂の被膜硬度は十分高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも繰り返し使用時において表面層の磨耗が起こり、更に傷が発生するという問題点があった。
【0006】
更に、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から電荷輸送材料等の低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多いが、この場合それら低分子量材料の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低下し、一層繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が問題となっている。また、電子写真感光体を長期にわたって保存する際に前述の低分子量成分が析出してしまい、層分離するといった問題も発生している。
【0007】
これらの問題点を解決する手段として、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが、例えば特開平2-127652号公報に開示されている。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大きく向上する。しかしながら硬化性樹脂を用いても、低分子量成分はあくまでも結着樹脂中において可塑剤として作用するので、先に述べたような析出や層分離の問題の根本的な解決にはなっていない。
【0008】
また、有機電荷輸送材料と結着樹脂とで構成される電荷輸送層においては、電荷輸送能の樹脂に対する依存度が大きく、例えば硬度が十分に高い硬化性樹脂では電荷輸送能が十分ではなく繰り返し使用時に残留電位の上昇が見られる等、両者を満足させるまでには至っていない。また、特開平5−216249号公報、特開平7−72640号公報等においては、電荷移動層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体が開示されているが、電荷輸送材はポリマー主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除できないため機械的強度が十分ではない。また、電荷輸送能の向上のために電荷輸送材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり十分な機械的強度を確保することができない。更には、重合時に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念されていた。
【0009】
また、別の解決手段として例えば特開平8-248649号公報においては、熱可塑性高分子主鎖中に電荷輸送能を有する基を導入し電荷輸送層を形成させた電子写真感光体が開示されているが、従来の分子分散型の電荷輸送層と比較して析出や層分離に対しては効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹脂の溶解性等を含めたハンドリングや生産性の面で十分であるとは言い難い。
【0010】
以上述べたように、これまでの系では高い機械的強度と電荷輸送能の両立が達成されていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の樹脂を表面層として使用した電子写真感光体の有していた問題点を解決し、膜強度を高くすることによって耐磨耗性及び耐傷性を向上させ、かつ耐析出性が良好な電子写真感光体を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、繰り返し使用や環境の変動によらず、安定して優れた電位特性を示し、カブリ等の画像欠陥のない良好な画質を与え、更に転写メモリーやフォトメモリーの極めて小さい優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の最表面層が、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有し、
該最表面層の示差走査熱分析での発熱量が、60mJ/mg以下である
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0015】
また、本発明に従って、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細を説明する。
【0017】
まず、本発明における連鎖重合性官能基について説明する。本発明における連鎖重合とは、高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出版 三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」1995年7月25日(1版8刷)24頁に説明されているように、その形態が主にラジカルあるいはイオン等の中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そして異性化重合等のことをいう。
【0018】
前記一般式(1)における連鎖重合性官能基P1及びP2とは、前述の反応形態が可能な官能基を意味するが、ここではその大半を占め応用範囲の広い不飽和重合あるいは開環重合性官能基の具体例を示す。
【0019】
不飽和重合とは、ラジカル、イオン等によって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡N等が重合する反応であるが、主にはC=Cである。不飽和重合性官能基の具体例を表1に示すがこれらに限定されるものではない。
【0020】
【表1】
【0021】
表中、Rは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
【0022】
開環重合とは、炭素環、オクソ環及び窒素ヘテロ環等のひずみを有した不安定な環状構造が触媒の作用で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返し鎖状高分子物を生成する反応であるが、この場合、基本的にはイオンが活性種として作用するものが大部分である。開環重合性官能基の具体例を表2に示すがこれらに限定されるものではない。
【0023】
【表2】
【0024】
表中、Rは置換基を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示す。
【0025】
上記で説明したような本発明に係わる連鎖重合性官能基の中でも、下記の一般式(11)〜一般式(13)で示されるものが好ましい。
【0026】
【化16】
【0027】
式中、Eは水素原子、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル基等のアリール基、CN基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、−COOR26又は−CONR27R28を示す。
【0028】
Wは置換基を有しても良いフェニレン基、ナフチレン基及びアントラセニレン基等のアリーレン基、置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びブチレン基等のアルキレン基、−COO−、−CH2−、−O−、−OO−、−S−又は−CONR29−で示される。
【0029】
R26〜R29は水素原子、フッ素、塩素及び臭素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びアンスリル基等のアリール基を示し、R27とR28は互いに同一であっても異なっても良い。また、fは0又は1を示す。
【0030】
E及びW中で有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0031】
【化17】
【0032】
式中、R30及びR31は水素原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有しても良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示し、nは1〜10の整数を示す。
【0033】
【化18】
【0034】
式中、R32及びR33は水素原子、置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有しても良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示し、nは0〜10の整数を示す。
【0035】
なお、上記一般式(12)及び(13)のR30〜R33が有しても良い置換基としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0036】
また、上記一般式(11)〜一般式(13)の中でも、更に特に好ましい連鎖重合性官能基としては、下記一般式(14)〜一般式(20)で示されるものが挙げられる。
【0037】
【化19】
【0038】
更に、上記一般式(14)〜一般式(20)の中でも、一般式(14)のアクリロイルオキシ基及び一般式(15)のメタクリロイルオキシ基が重合特性等の点から特に好ましい。
【0039】
本発明で『連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物』とは、上記で説明した連鎖重合性官能基が上記で説明した正孔輸送性化合物に官能基として2つ以上の化学結合している化合物を示す。この場合、それらの連鎖重合性官能基は全て同一でも異なったものであってもよい。
【0040】
それらの連鎖重合性官能基を2つ以上有する正孔輸送性化合物としては、下記の一般式(1)である場合が好ましい。
【0041】
【化20】
【0042】
式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重合性官能基を示し、P1とP2は同一でも異なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く、d が2以上の場合P2は同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なっても良い。
【0043】
なおここで、『aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く』とは、それぞれ異なるn種類の連鎖重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15・・・・P1nと示した場合、例えばa=3のとき正孔輸送性化合物Aに直接結合する重合性官能基P1は3つとも同じものでも、2つ同じで一つは違うもの(例えば、P11とP11とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの(例えば、P12とP15とP17とか)でも良いということを意味するものである(『dが2以上の場合P2は同一でも異なっても良く』というのも、『bが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なっても良い』というのもこれと同様なことを意味するものである)。
【0044】
上記一般式(1)のAは正孔輸送性基を示し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよく、P1やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体及びトリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。
【0045】
更に、上記正孔輸送化合物の中でも、下記一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(7)から選ばれる一般式で示される化合物、あるいは下記一般式(8)で示される基を有する縮合環炭化水素又は下記一般式(8)で示される基を有する縮合複素環であるものが好ましい。その中でも、一般式(2)、(3)及び(4)で示される化合物である場合が特に好ましい。
【0046】
【化21】
【0047】
上記一般式(2)中、R1、R2及びR3は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基及びベンゾチオフェニル基等のアリール基を示す。
【0048】
但し、R1、R2及びR3のうち少なくとも2つはアリール基を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。更に、その中でもR1、R2及びR3の全てがアリール基であるものが特に好ましい。また、上記一般式(2)のR1又はR2又はR3のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
【0049】
【化22】
【0050】
上記一般式(3)中、R4、R5、R8及びR9は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R4、R5、R8及びR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R6及びR7は置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等の炭素数10以下のアルキレン基、又は置換基を有しても良いアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り除いた基)を示し、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基を有しても良い有機基を示す。
【0051】
更にその中でも、上記一般式(3)中のR4、R5、R8及びR9のうち少なくとも2つが置換基を有しても良いアリール基であり、かつR6及びR7は置換基を有しても良いアリーレン基である場合が好ましく、更にR4、R5、R8及びR9が4つとも全てアリール基である場合が特に好ましい。また、上記一般式(3)のR4又はR5又はR6のうち任意の2つあるいはR7又はR8又はR9のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
【0052】
【化23】
【0053】
上記一般式(4)中、m1は0又は1を示し、m1=1であることが好ましく、R10〜R13は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R10〜R13はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0054】
Ar1は置換基を有してもよいアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り除いた基)を示し、Ar2はm1=0の場合、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、m1=1の場合は上記Ar1と同様なアリーレン基を示す。なお、m1=1の場合は、Ar1とAr2は同一であっても異なっていてもよい。
【0055】
更にその中でも、上記一般式(4)中のR10及びR11が置換基を有しても良いアリール基である場合が好ましく、R10〜R13が4つとも全てアリール基である場合が特に好ましい。また、上記一般式(4)のR10とR11又はR12とR13又はAr1とAr2はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、カルボニル基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
【0056】
【化24】
【0057】
但し上記一般式(5)中、Ar3、Ar4及びR14のうち少なくとも1つは、下記一般式(6)で示される基を有する。
【0058】
【化25】
【0059】
上記一般式(5)及び(6)中、Ar3、Ar4及びAr5は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R14、R15及びR16は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R15及びR16はこれらのアルキル基、アラルキル基及びアリール基に加えて水素原子を示す。なお、Ar3及びAr4とR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0060】
更にその中でも、R14及びR16がアリール基である場合が特に好ましい。また、R14又はAr3又はAr4のうち任意の2つ、又はAr5及びR16はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。n1は0〜2の整数を示す。
【0061】
【化26】
【0062】
但し、上記一般式(7)は、下記一般式(8)で示される基を少なくとも一つ有する。
【0063】
【化27】
【0064】
上記一般式(7)及び(8)中、Ar6及びAr7は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R17、R18、R19及びR20は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R19及びR20はこれらのアルキル基、アラルキル基及びアリール基に加えて水素原子を示す。なお、R17とR18及びR19とR20はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0065】
その中でも、R20がアリール基である場合が好ましく、更にR17とR18がアリール基である場合が特に好ましい。また、R17又はR18又はAr6のうち任意の2つ、又はAr7及びR20はそれぞれ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。n2は0〜2の整数を示す。
【0066】
更に、上記一般式(8)で示される基を有する化合物としては、置換基を有してもよい、ナフタレン基、アントラセン基、フェナンスレン基、ペレン基、フルオレン基、フルオランセン基、アズレン基、インデン基、ペリレン基、クリセン基及びコロネン基等の縮合環炭化水素又は置換基を有しても良いベンゾフラン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズカルバゾール基、アクリジン基、フェノチアジン基及びキノリン基等の縮合複素環が挙げられる。
【0067】
また、上記一般式(1)中のZ及び上記一般式(3)中のQは、置換基を有しても良いアルキレン基、置換基を有しても良いアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR22はアルキル基、アリール基又は水素原子を示し、R21及びR22は同一でも異なっても良い)、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子より一つあるいは任意に組み合わされた有機基を示す。その中でも下記一般式(9)で示されるものが好ましく、特には下記一般式(10)で示されるものが好ましい。
【0068】
【化28】
【0069】
【化29】
【0070】
上記一般式(9)中、X1〜X3は置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等の炭素数20以下のアルキレン基、(CR23=CR24)m2、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子を示し、Ar8及びAr9は置換基を有しても良いアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いた基)を示す。R23及びR24は置換基を有しても良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示し、R23及びR24は同一でも異なっても良い。m2は1〜5の整数、p、q、r、s及びtは0〜10の整数を示す(但し、p、q、r、s及びtは同時に0であることはない)。
【0071】
上記一般式(10)中、X4及びX5は(CH2)m3、(CH=CR25)m4、C=O、又は酸素原子を示し、Ar10は置換基を有しても良いアリーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いた基)を示す。R25は置換基を有しても良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示す。m3は1〜10の整数、m4は1〜5の整数、u、v及びwは0〜10の整数を示す(特に0又は1〜5の整数の時が特に好ましい。但し、u、v及びwは同時に0であることはない)。
【0072】
なお、上述の一般式(3)〜(10)のR4〜R25、Ar1〜Ar10、X1〜X5、Z及びQがそれぞれ有しても良い置換基としてはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、水酸基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基が挙げられる。また、一般式(2)のR1〜R5が有しても良い置換基としてはアリール基を除いた上記置換基及びジフェニルアミノ基及びジ(p−トリル)アミノ基等のジアリールアミノ基が挙げられる。
【0073】
また、本発明における同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸化電位が1.2(V)以下であることが好ましく、特には0.4〜1.2(V)であることが好ましい。それは、酸化電位が1.2(V)超えると電荷発生材料からの電荷(正孔)の注入が起こり難く残留電位の上昇、感度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ易く、また0.4(V)未満では帯電能の低下等の問題の他に、化合物自体が容易に酸化されるために劣化し易く、それに起因した感度悪化、画像ボケ及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ易くなるためである。
【0074】
なお、ここで述べている酸化電位は、以下の方法によって測定される。
【0075】
(酸化電位の測定法)
飽和カロメル電極を参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4N+ClO4 -アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を酸化電位とした。詳しくは、サンプルを0.1N(n−Bu)4N+ClO4 -アセトニトリル溶液に5〜10mmol%程度の濃度になるように溶解する。そしてこのサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を低電位(0V)から高電位(+1.5V)に直線的に変化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得る。この電流−電位曲線において、電流値がピーク(ピークが複数ある場合には最初のピーク)を示したときのピークトップの位置の電位を酸化電位とした。
【0076】
また更に、上記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は正孔輸送能として1×10-7(cm2/V.sec)以上のドリフト移動度を有しているものが好ましい(但し、印加電界:5×104V/cm)。1×10-7(cm2/V.sec)未満では、電子写真感光体として露光後現像までに正孔が十分に移動できないため見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしまう問題が発生する場合がある。
【0077】
以下に本発明に係わる、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の代表例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】
【化32】
【0081】
【化33】
【0082】
【化34】
【0083】
【化35】
【0084】
【化36】
【0085】
【化37】
【0086】
【化38】
【0087】
【化39】
【0088】
【化40】
【0089】
【化41】
【0090】
【化42】
【0091】
【化43】
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】
【化46】
【0095】
【化47】
【0096】
【化48】
【0097】
【化49】
【0098】
【化50】
【0099】
【化51】
【0100】
【化52】
【0101】
【化53】
【0102】
【化54】
【0103】
【化55】
【0104】
【化56】
【0105】
【化57】
【0106】
【化58】
【0107】
【化59】
【0108】
【化60】
【0109】
【化61】
【0110】
【化62】
【0111】
【化63】
【0112】
【化64】
【0113】
【化65】
【0114】
【化66】
【0115】
【化67】
【0116】
【化68】
【0117】
【化69】
【0118】
【化70】
【0119】
【化71】
【0120】
【化72】
【0121】
【化73】
【0122】
【化74】
【0123】
【化75】
【0124】
【化76】
【0125】
【化77】
【0126】
【化78】
【0127】
【化79】
【0128】
【化80】
【0129】
【化81】
【0130】
【化82】
【0131】
【化83】
【0132】
【化84】
【0133】
【化85】
【0134】
【化86】
【0135】
【化87】
【0136】
【化88】
【0137】
【化89】
【0138】
【化90】
【0139】
【化91】
【0140】
【化92】
【0141】
【化93】
【0142】
【化94】
【0143】
【化95】
【0144】
【化96】
【0145】
【化97】
【0146】
【化98】
【0147】
【化99】
【0148】
【化100】
【0149】
【化101】
【0150】
【化102】
【0151】
【化103】
【0152】
【化104】
【0153】
【化105】
【0154】
【化106】
【0155】
【化107】
【0156】
【化108】
【0157】
【化109】
【0158】
【化110】
【0159】
【化111】
【0160】
【化112】
【0161】
【化113】
【0162】
【化114】
【0163】
【化115】
【0164】
【化116】
【0165】
【化117】
【0166】
【化118】
【0167】
本発明において、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の代表的な合成方法を以下に示す。
【0168】
(合成例1:化合物例No.6の合成)
以下のルートに従い合成した。
【0169】
【化119】
【0170】
1(50g:0.47mol)、2(406g:1.4mol)、無水炭酸カリウム(193g)及び銅粉(445g)を1,2−ジクロロベンゼン1200gと共に180〜190℃で加熱撹拌を15時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を132g得た。
【0171】
3(120g:0.28mol)をメチルセルソルブ1500gに加え室温で撹拌しながらナトリウムメチラート(150g)をゆっくり添加した。添加終了後、そのまま室温で1時間撹拌後、更に70〜80℃で10時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけ希塩酸で中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を78g得た。
【0172】
4(70g:0.2mol)及びトリエチルアミン( 40g:0.4mol)を、乾燥テトラヒドロフラン(THF)400mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル(55g:0.6mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でそのまま4時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い5(化合物例No.6)を42g得た。
【0173】
(合成例2:化合物例No.71の合成)
上記合成例1で得られた4(10g:29mmol)を乾燥THF50mlに加え、0〜5℃に冷却後、油性水素化ナトリウム(約60%)3.5gをゆっくり添加した。添加終了後、室温に戻し1時間撹拌後再び0〜5℃に冷却し、アリルブロマイド(17.5g:145mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま1時間撹拌後に室温に戻し、更に5時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い目的化合物(化合物例No.71)を5.6g得た。
【0174】
(合成例3:化合物例No.55の合成)
上記合成例2で得られた化合物No.71 3.0gをジクロロメタン20mlに溶解後0〜5℃に冷却し、m−クロロ過安息香酸(〜70%)5.2gをゆっくり添加し、そのまま1時間撹拌後に室温に戻し12時間撹拌を行った。反応液を水にあけジクロロメタンで抽出を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い目的化合物(化合物例No.55)を2.1g得た。
(合成例4:化合物例No.152の合成)
以下のルートに従い合成した。
【0175】
【化120】
【0176】
1(70g:0.35mol)、2(98g:0.42 mol)、無水炭酸カリウム(73g)及び銅粉(111g)を1,2−ジクロロベンゼン600gと共に180〜190℃で加熱撹拌を10時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を86.2 g得た。
【0177】
3( 80g:0.26mol)をN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)300gに加え室温で撹拌しながらエタンオールナトリウム塩(約90%:62g)をゆっくり添加した。添加終了後、そのまま室温で1時間撹拌後、更に還流下で3時間加熱撹拌を行った。冷却後、反応液を水にあけ希塩酸で弱酸性にし、酢酸エチルで抽出し有機層を更に1.2mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水層を希塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を64g得た。
【0178】
4を(60g:0.21 mol)をN,N−ジメチルフォルムアミド300gに加え室温で撹拌しながら苛性ソーダ(8.3g)をゆっくり添加した。添加終了後、そのまま室温で30分間撹拌後、1,2−ジヨードエタン(31.7g:0.1mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、30分間の撹拌後に更に70℃で5時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけトルエンで抽出を行い、有機層を更に水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い5を49.1 g得た。
【0179】
DMF182gを0〜5℃に冷却後、オキシ塩化リン63.6gを10℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、15分間そのまま撹拌後、5(42.2g:0.07mol)/DMF102g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま30分間撹拌した後に室温に戻し2時間撹拌し、更に80〜85℃に加熱し15時間撹拌を行った。反応液を約15質量%の酢酸ナトリウム水溶液1500gにあけ12時間撹拌を行った。それを中和後、トルエンを用い抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い6を23g得た。
【0180】
乾燥THF100mlに水素化リチウムアルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところへ6(15g:0.023mol)/乾燥THF100ml溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹拌後、5質量%塩酸水溶液200mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い7を13.6g得た。
【0181】
7( 10g:0.015mol )及びトリエチルアミン(6.1g:0.06mol)を、乾燥THF120 mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル( 4.1g:0.045mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でそのまま6時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い8(化合物例No.152)を6.4g得た(酸化電位:0.88V)。
(合成例5:化合物例No.263の合成)
以下のルートに従い合成した。
【0182】
【化121】
【0183】
1(50 g:0.123mol)、2(62.4 g:0.369mol)、無水炭酸カリウム(25.5g)及び銅粉(32g)を1,2−ジクロロベンゼン200gと共に180〜190℃で加熱撹拌を18時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物をトルエン/メタノール混合溶媒で2回再結晶を行い3を60.2g得た。
【0184】
DMF242gを0〜5℃に冷却後、オキシ塩化リン(84.8g:553.2mmol)を10℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、15分間そのまま撹拌後、3(45.0g:92.2mmol)/DMF135g溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま30分間撹拌した後に室温に戻し2時間撹拌し、更に80〜85℃に加熱し8時間撹拌を行った。反応液を約15質量%の酢酸ナトリウム水溶液2500gにあけ12時間撹拌を行った。それを中和後、トルエンを用い抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を40.5g得た。
【0185】
乾燥THF100mlに水素化リチウムアルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところへ4(37g:68mmol)/乾燥THF600ml溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹拌後、5質量%塩酸水溶液500mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い5を26.3g得た。
【0186】
5(20g:36mmol)及びトリエチルアミン(12.8g:126mol)を、乾燥THF130mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル( 9.8g:108mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でそのまま6時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い6(化合物例No.263)を11.2g得た(酸化電位:0.80V)。
【0187】
本発明においては、前記同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合することで、感光層中において、正孔輸送能を有する化合物は二つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造を形成する。前記正孔輸送性化合物はそれのみを重合させる、あるいは他の連鎖重合性官能基を有する化合物と混合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率は全て任意である。ここでいう他の連鎖重合性官能基を有する化合物とは、連鎖重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。
【0188】
正孔輸送性化合物の官能基とその他の連鎖重合性化合物の官能基が同一の基あるいは互いに重合可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能である。両者の官能基が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は二つ以上の3次元硬化物の混合物あるいは主成分の3次元硬化物中に他の連鎖重合性化合物単量体あるいはその硬化物を含んだものとして構成されるが、その配合比率/製膜方法をうまくコントロールすることで、IPN(Inter Penetrating Network)すなわち相互進入網目構造を形成することも可能である。
【0189】
また、前記正孔輸送性化合物と連鎖重合性官能基を有しない単量体あるいはオリゴマー/ポリマーや連鎖重合官能性以外の重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマー等から感光層を形成してもよい。
【0190】
更に、場合によっては3次元架橋構造に化学結合的に組み込まれないすなわち連鎖重合性官能基を有しない正孔輸送性化合物を含有することも可能である。また、その他の各種添加剤、フッ素原子含有樹脂微粒子等の潤剤その他を含有してもよい。
【0191】
本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持体上に感光層として、少なくとも電荷発生材料を含有する電荷発生層及び少なくとも電荷輸送材料を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構成である。
【0192】
電荷輸送層には、先の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合・硬化した化合物を含有しており、その電荷輸送層の膜厚は1μm〜50μmが好ましく、特に好ましくは5〜30μmであり、後述の第2の電荷輸送層として使用する場合は、その膜厚は1〜20μmが好ましく、特には1〜6μmが好ましい。
【0193】
次に、本発明による電子写真感光体の製造方法を具体的に示す。
【0194】
電子写真感光体の支持体としては導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性材料を単独又は結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
【0195】
本発明においては、導電性支持体の上にはバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
【0196】
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が知られている。これらは、それぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1〜2μmが好ましい。
【0197】
本発明の電子写真感光体は、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する機能分離型の電子写真感光体である。電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等が挙げられる。
【0198】
電荷発生層は、前記電荷発生材料を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共ににホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法で良く分散し、分散液を塗布し、乾燥されて形成されるか、又は前記電荷発生材料の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0199】
結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0200】
本発明における前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物は、前述した電荷発生層上に電荷輸送層として、もしくは電荷発生層上に連鎖重合性官能基を有さない電荷輸送材料と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に第2の電荷輸送層として用いることができる。いずれの場合も前記表面層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合させるのが一般的であるが、前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に再度溶剤中に分散あるいは溶解させたもの等を用いて、表面層を形成することも可能である。
【0201】
これらの溶液を塗布する方法は、例えば浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。また、蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
【0202】
本発明において連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、熱、可視光や紫外線等の光、更に電子線により重合することができる。従って、本発明における感光層の形成は、感光層用の塗工液に前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と必要によっては重合開始剤を含有させ、塗工液を用いて形成した塗工膜に熱、光又は電子線を照射することによって連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させる。なお、本発明においては、その中でも電子線によって連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合することが好ましい。電子線による重合の最大の利点は、重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な3次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、更には電子線の透過性の良さから、厚膜時や添加剤等の遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げられる。但し、連鎖重合性官能基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。
【0203】
電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型及びパルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明の電子写真感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また、線量は好ましくは1Mrad〜100Mradの範囲、より好ましくは3Mrad〜50Mradの範囲である。加速電圧が250kVを超えると電子写真感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が1Mradよりも少ない場合には硬化が不十分となり易く、線量が100Mradを超えた場合には電子写真感光体特性の劣化が起こり易いので注意が必要である。
【0204】
前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を電荷輸送層として用いた場合の前記正孔輸送性化合物の量は、重合硬化後の電荷輸送層膜の全質量に対して、前記一般式(1)で示される連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性基Aの水素付加物が20質量%以上が好ましく、特には40質量%以上含有されていることが好ましい。20質量%未満であると電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じ易い。
【0205】
前記正孔輸送性化合物を電荷発生層/電荷輸送層上に第2の電荷輸送層として用いた場合、その下層に当たる電荷輸送層は適当な電荷輸送材料、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物等を適当な結着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂の中から選択できる)と共に溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。この場合の電荷輸送材料と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送材料の質量が30〜100が好ましく、より好ましくは50〜100の範囲で適宜選択される。電荷輸送材料の量がそれ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じ易い。
【0206】
上記に記載したように、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合・硬化した電荷輸送層は下記の方法で示唆熱分析を行った場合、発熱量が60mJ/mg以下であり、好ましくは40mJ/mg以下である。この発熱は、主に電荷輸送層中の未反応の連鎖重合性官能基の反応による物と推定されるが、この発熱量の値が電子写真感光体の耐磨耗性は勿論、繰り返し使用や環境の変動による電位変動、更には転写メモリーやフォトメモリー等の各種メモリーにも極めて相関があり、上記値の場合が極めて良好な特性を発現することが判明した。
【0207】
(示差走査熱量測定法)
電子写真感光体ドラムの電荷輸送層を、最表面からある特定の深さの成分に偏ることなく均等に削り取り、これを乳鉢等ですりつぶして小さな均一な粒子とした物を試料とした。なお、試料は電子写真感光体ドラムの任意の3ヶ所からそれぞれ採取し、それらを下記の方法で測定を行い、3点の平均を取って本発明の発熱量とした。
【0208】
示差走査熱量測定は、上記のように採取した試料数mgをアルミニウム製容器の底部に一様に入れ、ふたをクリンプして測定サンプルを作製した。同様に、何も入れていないアルミニウム製容器にふたをクリンプしたものをリファレンスとした。これらを示差走査熱量測定装置にセットし、1分間あたり10℃ずつ昇温させ、50分間で500℃昇温させた(尚、サンプル周辺の雰囲気を制御するために、測定中は窒素ガスを50ml/minでフローして行った)。このときに現れる発熱ピークを測定し、発熱ピーク面積から発熱量を決定した。
【0209】
なお、本発明における感光層には、各種添加剤を添加することができる。該添加剤としては、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等の劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂微粒子等の潤剤等が挙げられる。
【0210】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を示す。
【0211】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0212】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0213】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0214】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0215】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器11に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0216】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0217】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0218】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
【0219】
(実施例1)
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10質量%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、150℃で30分間乾燥することによって、膜厚が18μmの導電層を形成した。
【0220】
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥することによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0221】
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2度)が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名:エスレックBM2、積水化学(株)製)3.5部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して90℃で10分間乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0222】
次いで、化合物例No.6の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、加速電圧150kV、線量7Mradの条件で電子線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0223】
この電子写真感光体をレーザービームプリンター(Laser Writer16/600PS:Apple社製)の改造機に装着し、常温常湿下(23℃/55%RH)(N/N)で、初期暗部電位(Vd)が−700(V)になるように帯電設定をし、これに波長780(nm)のレーザー光を照射して−700(V)の電位を−200(V)まで下げるのに必要な光量(EΔ500)を測定し感度とした。更に、20(μJ/cm2)の光量を照射した場合の電位を残留電位(Vr)として初期特性を測定した。なお、その他の条件は、転写電流:+5.5μA、プロセススピード:96mm/secで行った。その後、環境を高温高湿下(32℃/85%RH)(H/H)に代え、Vlの常温常湿下からの変動量(ΔVl)を測定した。
【0224】
次に、新たに上記と同様の方法で作製した電子写真感光体を、上記と同様の改造機に装着して常温低湿環境下(23℃/10%RH)(N/L)で連続5000枚の通紙耐久を行って、初期と耐久直後の暗部電位と明部電位の変動量をΔVd1とΔVl1を測定した。更に、その電子写真感光体の削れ量をケットで測定を行った。
【0225】
また更に、以下のようにして転写メモリー及びフォトメモリーの測定を行った。転写メモリーの測定は、新たに上記と同様の方法で作製した電子写真感光体を、上記と同様の改造機に装着し N/Nで、転写電流OFF時の一次帯電電位をVd2、転写電流ON時の一次帯電電位をVd3として、│Vd2−Vd3│を測定した。更に、白色光に対するフォトメモリーの測定として、新たに上記と同様の方法で作製した電子写真感光体を上記と同様の改造機に装着し(低温低湿環境下N/N)で、初期暗部電位(Vd)/初期明部電位(Vl)が−700(V)/−200(V)になるように帯電及び露光光量を設定し、次に、この電子写真感光体に暗部と明部ができるようにマスキングし、蛍光灯下で3000lux、20分間光照射した後、5分間放置し、同様に電位を測定し暗部電位の初期との変化量の絶対値(ΔVd4)をフォトメモリーとして測定した。
【0226】
更に、上記と同様にして作製した電子写真感光体ドラムの電荷輸送層部分を先に示した方法でサンプリングし示差走査熱量測定を行った。上記のそれぞれの結果を表3に示す。
【0227】
(実施例2〜34及び比較例1〜20)
正孔輸送性化合物、電子線の照射線量を表3及び表4のように代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0228】
(比較例21)
実施例1において電荷発生層迄を形成した後、下記構造式のトリアリールアミン化合物(A)20部及びポリカーボネート樹脂Z型(平均分子量2万)10部をモノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン20部の混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成し電子写真感光体を得た。このときの電荷輸送層の膜厚は18μmであった。この電子写真感光体を実施例1と同様にして評価し、結果を表4に示す。
【0229】
【化122】
【0230】
(比較例22)
比較例21の電荷輸送化合物を下記のスチリル系化合物(B)に代えた以外は、比較例21と同様な方法で電子写真感光体を作製し、同様な評価を行った。結果を表4に示す。
【0231】
【化123】
【0232】
(比較例23)
実施例1において電荷発生層迄を形成した後、特開平8-248649号公報の10〜11頁に記載されている製造法に従って合成した下記構造式のポリカーボネート樹脂(C)20部をテトラヒドロフラン80部に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成した。このときの電荷輸送層の膜厚は18μmであった。この電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0233】
【化124】
【0234】
表3及び表4より明らかなように、本発明の電子写真感光体では高感度、低残留電位であり、各種環境での電位変動も極めて小さく、安定した特性を有している。更に、転写メモリーやフォトメモリー等も極めて小さく優れた特性を発現することが明らかである。なお、これらの特性は電荷輸送層の示差走査熱量測定の発熱量と相関が見られ、発熱量が60mJ/mg以下の場合が良好で、40mJ/mg以下の場合が特に良好であることが明確である。
【0235】
(実施例35)
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥することによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0236】
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥することによって、膜厚が0.65μmの中間層を形成した。
【0237】
次に、下記のビスアゾ顔料5部、ポリビニルブチラール樹脂2部及びシクロヘキサノン60部を、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24時間分散し、更にテトラヒドロフラン60部を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、100℃で15分間乾燥することによって、膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0238】
【化125】
【0239】
次いで、化合物例No.263の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の電荷発生層上にコーティングし、加速電圧150kV、線量30Mradの条件で電子線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚が13μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0240】
この様にして作製した電子写真感光体を、パルス変調装置を搭載しているキヤノン製プリンターLBP−2000に装着し、以下の画像評価を行った。
【0241】
(ドット、文字再現性の評価)
暗部電位Vd=−650V、明部電位Vl=−200Vに設定し、1ドット1スペース画像と文字(5ポイント)画像の出力を行った。
【0242】
(ゴーストの評価)
常温常湿下(23℃/55%RH)(N/N)で、初期に、ドラム一周分適当な文字パターンを印字し、その後全面ハーフトーン画像を取りゴースト現象が出ているかどうかを確認した。次に、下記耐久パターンを2000枚連続プリントし耐久後に全面ハーフトーン画像を取り耐久後のゴースト現象が出ているかどうかを確認した。耐久パターンは約2mm幅の線を縦横7mmおきに印字した。画像サンプルは全面黒と、1ドット1スペースのドット密度の画像を用い、機械の現像ヴォリューム、F5(中心値)とF9(濃度薄い)で各々サンプリングした。評価基準はゴーストが見えないものをランク5とし、1ドット1スペースF9で見えるものをランク4、1ドット1スペースF5で見えるものをランク3、全面黒F9で見えるものをランク2、全面黒F5で見えるものをランク1とした。
【0243】
更に、上記と同様にして作製した電子写真感光体ドラムの電荷輸送層部分を先に示した方法でサンプリングし示差走査熱量測定を行った。上記の結果を以下の表5に示す。
【0244】
(実施例36〜42及び比較例24〜28)
正孔輸送性化合物、電子線の照射線量を表5のように代えた以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表5に示す。
【0245】
(比較例29)
実施例35において電荷発生層迄を形成した後、比較例21と全く同じ処方で電荷輸送層を作製し(但し膜厚は13μm)電子写真感光体を作製し、実施例35と同様にして評価した。結果を表5に示す。
【0246】
(比較例30)
実施例35において電荷発生層迄を形成した後、比較例23と全く同じ処方で電荷輸送層を作製し(但し膜厚は13μm)電子写真感光体を作製し、実施例35と同様にして評価した。結果を表5に示す。
【0247】
これらの結果から、本発明の電子写真感光体は、ドットの再現性や文字の再現性に優れ高解像度の出力画像が得られることがわかる。また、欠陥がなく鮮明な画像が安定して得られた。これらの結果は、電荷輸送層の示差走査熱量測定の発熱量と相関が見られ、発熱量が60mJ/mg以下の場合が良好で、40mJ/mg以下の場合が特に良好であることが明確である。
【0248】
【表3】
【0249】
【表4】
【0250】
【表5】
【0251】
【表6】
【0252】
【発明の効果】
本発明によれば、耐磨耗性が極めて良好であるばかりか、繰り返し使用や環境の変動によらず、安定して優れた電位特性を示し、転写メモリーやフォトメモリー等のメモリーも小さく、かつカブリ等の画像欠陥のない良好な画質を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ容器
12 案内手段
Claims (26)
- 導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の最表面層が、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有し、
該最表面層の示差走査熱分析での発熱量が、60mJ/mg以下である
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記最表面層の示差走査熱分析での発熱量が、40mJ/mg以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)中のAの、AとP1との結合部位及びAとZとの結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が、下記一般式(2)で示される化合物、下記一般式(3)で示される化合物、下記一般式(4)で示される化合物、下記一般式(5)で示される化合物、下記一般式(7)で示される化合物、縮合環炭化水素、及び、縮合複素環(但し、下記一般式(7)で示される化合物、縮合環炭化水素、及び、縮合複素環は、下記一般式(8)で示される置換基を1つ以上有する。)からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)中のZ又は前記一般式(3)中のQが、置換基を有しても良いアルキレン基、置換基を有しても良いアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR22は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基又は水素原子を示し、R21及びR22は同一であっても異なっていても良い。)、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子からなる群より選ばれた1つの、あるいは2つ以上が組み合わされてなる有機基である請求項3又は4に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)中のZ又は一般式(3)中のQが、下記一般式(9)で示される基である請求項3乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)中のZ又は一般式(3)中のQが、下記一般式(10)で示される基である請求項3乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(2)中のR1、R2及びR3が置換基を有しても良いアリール基である請求項4乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(3)中のR4、R5、R8及びR9のうち少なくとも2つが置換基を有しても良いアリール基であり、R 6及びR7 が置換基を有しても良いアリーレン基である請求項4乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(3)中のR4、R5、R8及びR9が置換基を有しても良いアリール基である請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(4)中のR10及びR11が置換基を有しても良いアリール基である請求項4乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(4)中のm1が1であり、R 10、R11、R12及びR13が置換基を有しても良いアリール基である請求項11に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(5)中のR14が置換基を有しても良いアリール基である請求項4乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(6)中のR16が置換基を有しても良いアリール基である請求項13に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(7)中のR17及びR18が置換基を有しても良いアリール基である請求項4乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(8)中のR20が置換基を有しても良いアリール基である請求項15に記載の電子写真感光体。
- 前記連鎖重合性官能基P1 及びP2の一方又は両方が、下記一般式(11)で示される不飽和重合性官能基である請求項3乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記連鎖重合性官能基P1 及びP2の一方又は両方が、下記一般式(12)で示される環状エーテル基である請求項3乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記連鎖重合性官能基P1 及びP2の一方又は両方が、下記一般式(13)で示される脂環式エポキシ基である請求項3乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記連鎖重合性官能基P1 及びP2の一方又は両方が、下記構造式(14)乃至(20)のいずれかで示される基である請求項3乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の酸化電位が、0.4〜1.2(V)である請求項1乃至20のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記重合が、電子線によって行われる重合である請求項1乃至21のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記電子線の加速電圧が、250kV以下である請求項22に記載の電子写真感光体。
- 前記電子線の線量が、1〜100Mradである請求項22又は23に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至24のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び、転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至24のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対して露光を行い該電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段、及び、該電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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