JP4132755B2 - 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物、プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の分野では高密度実装技術の進歩から従来の面実装からエリア実装に移行していくトレンドが進行し、BGAやCSPなど新しいパッケージが登場、増加しつつある。そのため以前にもましてインターポーザ用リジッド基板が注目されるようになり、高耐熱、低熱膨張基板の要求が高まってきている。
【0003】
さらに近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでいる。そのため、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型化かつ高密度化が進んでいる。
このプリント配線板等の高密度化への対応としてビルドアップ多層配線板が多く採用されている。
しかし、ビルドアップ多層配線板では、微細なビアにより層間接続されるので接続強度が低下するため、高温多湿雰囲気中での機械的、電気的な接続信頼性を保持することが困難といった問題点があった。
【0004】
また、これら半導体に用いられる樹脂部材は難燃性が求められることが多い。従来この難燃性を付与するため、エポキシ樹脂においては臭素化エポキシなどのハロゲン系難燃剤を用いることが一般的であった。しかし、ハロゲン含有化合物はダイオキシン発生の原因となるおそれがあることから、昨今の環境問題の深刻化とともに、ハロゲン系難燃剤を使用することが回避されるようになり、広く産業界にハロゲンフリーの難燃化システムが求められるようになった。このような時代の要求によってリン系難燃剤が脚光を浴び、リン酸エステルや赤リンが検討されたが、これらの従来のリン系難燃剤は加水分解しやすく樹脂との反応に乏しいため、耐半田耐熱性が低下する等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、低熱膨張性および難燃性に優れた樹脂組成物、プリプレグおよびプリント配線板を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(8)記載の本発明により達成される。
(1)シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー、エポキシ樹脂および無機充填材を必須成分とする樹脂組成物。
(2)前記シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーは、ノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーである上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記シアネート樹脂は、樹脂組成物全体の5〜60重量%である上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記エポキシ樹脂は、アリールアルキレン型エポキシ樹脂である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)前記無機充填材は、平均粒径2μm以下の球状溶融シリカである上記(1)または(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6)前記無機充填材は、樹脂組成物全体の30〜80重量%である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸してなるものであるプリプレグ。
(8)上記(7)に記載のプリプレグに金属箔を積層し、加熱加圧成形してなるプリント配線板。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の樹脂組成物、プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー、エポキシ樹脂および無機充填材を必須成分とする樹脂組成物である。
本発明のプリプレグは、上記樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。
本発明のプリント配線板は、上記プリプレグを積層し、加熱加圧成形してなるものである。
【0008】
以下、樹脂組成物に関して説明する。
本発明では、シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーを用いる。これにより、本発明の樹脂組成物をプリント配線板にした場合に高耐熱且つ低熱膨張とすることができる。
前記シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーは、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これにより、架橋密度増加による耐熱性向上と、樹脂組成物等の難燃性を向上することができる。ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。
ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば式(I)で示されるものを使用することができる。
【化1】
前記式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂のnは、特に限定されないが、1〜10が好ましく、特に1〜7が好ましい。これより少ないとノボラック型シアネート樹脂は結晶化しやすくなり、汎用溶媒に対する溶解性が比較的低下するため、取り扱いが困難となる場合がある。また、これより多いと架橋密度が高くなりすぎ、吸水性の低下や、硬化物が脆くなるなどの現象を生じる場合がある。
【0009】
前記シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量500〜4500が好ましく、特に600〜3000が好ましい。これより小さいとプリプレグを作製した場合にタック性が生じ、プリプレグ同士が接触したとき互いに付着したり、樹脂の転写が生じたりする場合がある。また、これより大きいと反応が速くなりすぎ、銅張り積層板とした場合に、成形不良を生じたり、層間ピール強度が低下したりする場合がある。
前記シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の5〜60重量%が好ましく、特に10〜50重量%が好ましい。シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーが前記下限値未満では、耐熱性や低熱膨張化する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると架橋密度が高くなり自由体積が増えるため耐湿性が低下する場合がある。
【0010】
本発明では、エポキシ樹脂を用いる。これにより、シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーの反応性を向上させることが出来る。
エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもアリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、耐湿性を向上することができる。
前記アリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいう。例えばキシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は、例えば式(II)で示すことができる。
【化2】
前記式(II)で示されるビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂のnは、2〜5が好ましい。これより少ないとビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は結晶化しやすくなり、汎用溶媒に対する溶解性が比較的低下するため、取り扱いが困難となる場合がある。また、これより多いと樹脂の流動性が低下し、成形不良等の原因となる場合がある。
更に、前述のシアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー(特にノボラック型シアネート樹脂)とアリールアルキレン型エポキシ樹脂(特にビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂)との組合せを用いて銅張り積層板を作製した場合、優れた寸法安定性を得ることが出来る。
【0011】
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量500〜20000が好ましく、特に800〜15000が好ましい。重量平均分子量が前記範囲より少ないとプリプレグにタック性が生じるなどの問題が起こる場合が有り、これより多いとプリプレグ作製時、基材への含浸性が低下し、均一な製品が得られないなどの問題が起こる場合がある。
前記エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の1〜55重量%が好ましく、特に2〜40重量%が好ましい。樹脂が前記下限値未満では、シアネート樹脂の反応性が低下したり、得られる製品の耐湿性が低下したり場合があり、前記上限値を超えると耐熱性が低下する場合がある。
【0012】
本発明では、無機充填材を用いるものである。これにより、低熱膨張化、及び難燃性の向上が図られる。
また、前述したシアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー(特にノボラック型シアネート樹脂)と無機充填材との組合せにより、弾性率を向上することができる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましく、溶融シリカが低膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、ガラス基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用方法が採用される。
【0013】
前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmが好ましく、特に0.2〜2μmが好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値より少ないとワニスの粘度が高くなるため、プリプレグ作製時の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値より多いと、ワニス中で無機充填剤の沈降等の現象が起こるため望ましくない。
更に平均粒径5μm以下の球状溶融シリカが好ましく、特に平均粒径2μm以下の球状溶融シリカが好ましい。これにより、無機充填剤の充填性を向上させることができる。
前記無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体の30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。無機充填材が前記範囲内であると低熱膨張、低吸水とすることができる。
【0014】
本発明の樹脂組成物には、特に限定されないが、樹脂成分としてさらにフェノール樹脂を組合せることが好ましい。フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でもアリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましい。これにより、さらに耐熱性を向上させることができる。
前記アリールアルキレン型フェノール樹脂としては、例えばキシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂等が挙げられる。ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂は、例えば式(III)で示すことができる。
【化3】
前記式(III)で示されるビフェニルジメチレン型フェノール樹脂のnは、特に限定されないが、1〜12が好ましく、特に2〜8が好ましい。これより少ないと耐熱性が低下する場合がある。また、これより多いと他の樹脂との相溶性が低下し、作業性が悪くなる場合があるため好ましくない。
前述のシアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー(特にノボラック型シアネート樹脂)とアリールアルキレン型フェノール樹脂との組合せにより、架橋密度をコントロールし、金属と樹脂との密着性を向上することができる。
【0015】
前記フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の1〜55重量%が好ましく、特に5〜40重量%が好ましい。フェノール樹脂が前記下限値未満では耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を超えると低熱膨張の特性が損なわれる場合がある。
前記フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量400〜18000が好ましく、特に500〜15000が好ましい。重量平均分子量が前記範囲より少ないとプリプレグにタック性が生じるなどの問題が起こる場合が有り、これより多いとプリプレグ作製時、基材への含浸性が低下し、均一な製品が得られないなどの問題が起こる場合がある。
【0016】
本発明の樹脂組成物では、上記シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の一部をビニルエステル樹脂、メラミン樹脂等の他の熱硬化性樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の熱可塑性樹脂と併用しても良い。
【0017】
本発明の樹脂組成物では、特に限定されないが、カップリング剤を用いることが好ましい。カップリング剤は樹脂と無機充填剤の界面の濡れ性を向上させることにより、基材に対して樹脂および充填剤を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良するために配合する。カップリング剤としては通常用いられるものなら何でも使用できるが、これらの中でもエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが無機充填剤界面との濡れ性が高く、耐熱性向上の点で好ましい。本発明でカップリング剤は、無機充填剤に対して0.05重量%以上、3重量%以下が望ましい。これより少ないと充填剤を十分に被覆できず十分な耐熱性が得られない場合があり、これより多いと反応に影響を与え、曲げ強度等が低下するようになるためこの範囲での使用が望ましい。
【0018】
本発明の樹脂組成物では、必要に応じて硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤としては公知の物を用いることが出来る。たとえば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノー等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。
【0019】
本発明の樹脂組成物では、必要に応じて、上記成分以外の添加物を特性を損なわない範囲で添加することが出来る。
【0020】
次に、本発明のプリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは上記樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れたプリプレグを得ることができる。
前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不繊布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
【0021】
前記樹脂組成物を前記基材に含浸させる方法は、例えば基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
【0022】
前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記樹脂組成物の固形分30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
前記基材に前記樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば90〜180℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることが出来る。
【0023】
次に、プリント配線板について説明する。
本発明のプリント配線板は、上記のプリプレグを加熱加圧成形してなるものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れたプリント配線板を得ることができる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することでプリント配線板を得ることができる。前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1.5〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。 また、必要に応じて高温漕等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
【0024】
【実施例】
実施例1
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセット PT−60)20重量部(以下、部と略す)、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、NC−3000SH)11重量部、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851−3H)9重量部、及びエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー株式会社製、A−187)0.3重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、球状溶融シリカSFP−10X (電気化学工業株式会社製)10部及びSO−32R(株式会社アドマテックス社製)を添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌した。調製したワニスをガラス織布(厚さ200μm、日東紡績製、WEA−7628)に含浸し、120℃の加熱炉で2分乾燥してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占める成分)が約50%のプリプレグを得た。このプリプレグを所定枚数重ね、両面に18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって両面銅張積層板を得た。
【0025】
得られた両面銅張積層板の評価方法を▲1▼〜▲4▼に示す。
▲1▼ガラス転移温度
厚さ0.6mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から10mm×60mmのテストピースを切り出し、TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983を用いて3℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
【0026】
▲2▼線膨張係数
厚さ1.2mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から2mm×2mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて厚み方向(Z方向)の線膨張係数を5℃/分で測定した。
【0027】
▲3▼難燃性
UL−94規格に従い、1mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
【0028】
▲4▼吸水率
厚さ0.6mmの両面銅張り積層板を全面エッチングし、得られた積層板から50mm×50mmのテストピースを切り出し、JIS6481に従い測定した。
【0029】
▲5▼吸湿はんだ耐熱性
厚さ0.6mmの両面銅張積層板から50mm×50mmに切り出し、JIS6481に従い半面エッチングを行ってテストピースを作成した。125℃のプレッシャークッカーで処理した後、260℃のはんだ槽に銅箔面を下にして浮かべ、180秒後にフクレが発生する処理時間を計測した。
【0030】
実施例2〜7及び比較例1〜4
表1に示す配合にて、実施例1と同様の方法で両面銅張積層板を得た。評価方法も前述の通りである。
【0031】
これらの銅張積層板の評価結果を表1の下欄に示す。各実施例で得られた銅張積層板は、ハロゲン系難燃剤およびリン化合物を使用していないにもかかわらず優れた難燃性を有し、ガラス転移温度が高く、線膨張係数が小さく、吸湿はんだ耐熱性にも優れることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】
表の注
1)Primaset PT−30(ノボラック型シアネート樹脂、数平均分子量約380):ロンザジャパン株式会社製
2)Primaset PT−60(ノボラック型シアネート樹脂、数平均分子量約560):ロンザジャパン株式会社製
3)AroCy B−30(ビスフェノールA型シアネート樹脂):旭化成エポキシ株式会社製
4)NC−3000SH(ビフェニルアルキレン型エポキシ樹脂、エポキシ当量290):日本化薬株式会社製
5)エピクロン N−775(ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量190):大日本インキ化学工業株式会社製
6)PR−51714(ノボラック樹脂、水酸基当量103):住友ベークライト株式会社製
7)MEH−7851−3H(ビフェニルアルキレン型ノボラック樹脂、水酸基当量220):明和化成株式会社製
8)SFP−10X(球状溶融シリカ、平均粒径0.3μm):電気化学工業株式会社製
9)SO−32R(球状溶融シリカ、平均粒径1.5μm):株式会社アドマテックス製
10)FB−5SDX(球状溶融シリカ、平均粒径4.4μm):電気化学工業株式会社製
11)AO−802(球状アルミナ、平均粒径0.7μm):株式会社アドマテックス製
12)A−187(エポキシシラン型カップリング剤):日本ユニカー株式会社製
13)2MZ(2−メチルイミダゾール):四国化成工業株式会社製
【0034】
【発明の効果】
本発明における第一の効果は、ハロゲン化合物およびリン化合物を使用せずに優れた難燃性を有し、かつ高耐熱、低熱膨張の特性を発現しうる樹脂組成物、プリプレグ、及び銅張積層板が得られることである。
また、本発明における第二の効果は、プリプレグ等の厚み方向の熱膨張係数を制御することができることであり、これによって層間の接続強度を向上し、高温多湿雰囲気中での機械的、電気的な接続信頼性を改善することができることである。
Claims (7)
- 前記シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーは、ノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記シアネート樹脂は、樹脂組成物全体の5〜60重量%である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記無機充填材は、平均粒径2μm以下の球状溶融シリカである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記無機充填材は、樹脂組成物全体の30〜80重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸してなるものであるプリプレグ。
- 請求項6に記載のプリプレグに金属箔を積層し、加熱加圧成形してなるプリント配線板。
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