JP4127439B2 - 車両用キーレスエントリー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車等の各種車両のドアロック等を機械式キーを用いずに制御することができる車両用キーレスエントリー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機械式キープレートを用いずに、電子的、電気的な遠隔操作によって施解錠を可能とする車両用キーレスエントリー装置が種々提案されている。
【0003】
従来技術による車両用キーレスエントリー装置としては、例えば、特開昭60−119873号公報、特公平2−22834号公報等に記載されているように、ドア側に設けたスイッチを操作することにより、ドア側に設置された固定機からリクエスト信号を送信し、携帯機はリクエスト信号の受信をトリガとして識別コードを送信するようにしたリクエスト応答型のキーレスエントリー装置が知られている。
【0004】
また、電気的遠隔操作によりステアリングロックの解除を行うシステムは、例えば、特開平3−148353号公報等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したリクエスト応答型の従来技術では、固定機からのリクエスト信号に応じて携帯機から識別コードを送信させるため、バッグ等から携帯機を取り出す必要がなく、比較的少ない操作でドアを施解錠することができる。しかし、リクエスト信号を固定機から送信させるには、固定機に対してリクエスト信号の送信を要求する何らかのトリガ信号を与える必要がある。このため、従来技術では、ドア近傍にトリガ信号入力用の特別なスイッチを設けている。しかし、特別なスイッチをドアパネル表面等に設けると、構造が複雑化し、他人によって破壊、損傷等される可能性もある。
【0006】
また、車両用キーレスエントリー装置では、携帯機の存在を殆ど意識することなく、ドアロックの解除やエンジン始動許可等を行うことができ、乗車、エンジン始動、降車等の一連の動作を滑らかに行うことができる。しかし、このような滑らかな動作の保証は、反面では、招かれていない第三者の容易な乗車を可能とするおそれもある。
【0007】
さらに、携帯機の存在感が薄いため、携帯機を車室内に置き忘れたままでドアを施錠したり、携帯機を他の場所で置き忘れてしまう可能性もあり、却って使い勝手が悪化するおそれもある。
【0008】
また、車両用キーレスエントリー装置に、ステアリングロック及びイグニッションスイッチを操作可能な手動スイッチを設ける場合もあるが、かかる手動スイッチには、誤操作防止等の観点から、例えば、ノブを押し込みながら回動操作する等の一種のインターロックをかけることが多い。ここで、ノブを押し込んだ時点で識別コードの照合を行うと、照合時間の長さにもよるが、スイッチ操作を円滑に行うことができず、操作性が低くなる。
【0009】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性及び防盗性を維持しつつ容易に施解錠等を行うことができると共に、使い勝手を向上できるようにした車両用キーレスエントリー装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明に係る車両用キーレスエントリー装置は、ハンドル操作をトリガとして送信要求信号を送信させると共に、一定条件下で携帯機からの解錠操作を禁止している。
【0011】
即ち、本発明では、携帯機と、車両側に設けられる制御装置であって、前記車両のドアロックを施錠または解錠するためのドアロック機構に接続される制御装置とを備え、前記携帯機から送信された識別コードと前記制御装置に予め登録された識別コードとを照合し、両識別コードが一致する場合には、前記ドアロックを施錠または解錠させるための所定の制御信号を前記制御装置から前記ドアロック機構に出力する車両用キーレスエントリー装置であって、前記携帯機は、送信要求信号に応じて識別コードを含んでなる送信コードを送信するものであり、前記制御装置は、車両のハンドル操作が検出された場合には、前記送信要求信号を生成して前記携帯機に送信させる送信要求信号生成手段と、前記送信要求信号に応じて前記携帯機から送信された識別コードと予め登録された識別コードとを照合する照合手段と、前記各識別コードが一致する場合には前記所定の制御信号を前記ドアロック機構に出力する制御手段と、前記車両内で前記ドアロックが施錠された場合には、前記携帯機を用いた前記ドアロックの解錠を禁止するための解錠禁止情報をセットし、前記車両内で前記ドアロックが解錠された場合には前記解錠禁止情報をリセットする解錠可否設定手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
乗車時または降車時に、ユーザーは、車両のドアハンドルを操作する。このハンドル操作の検出によって制御装置から送信要求信号を送信させることにより、ドア表面等に特別のトリガスイッチを設ける必要がなく、特別のトリガスイッチがいたずら等によって破壊、損傷等されるのを防止することができる。即ち、消費電力を節減しつつ送信要求信号を出力するためには、制御装置に対して何らかのトリガ信号を入力する必要があるが、このために特別のトリガスイッチをドアパネル表面等に設けると、このトリガスイッチ自体が破壊、損傷等される可能性がある。そこで、本発明では、車両のハンドル操作を検出して、制御装置に対するトリガ信号として利用している。なお、制御装置から常時送信要求信号を送信させる構成の場合は、このようなトリガ信号を不要にできるが、消費電力が大きくなる。
【0013】
乗車したユーザーが、インサイドロックノブにより車両内で施錠すると、解錠禁止情報がセットされ、携帯機による解錠操作が禁止される。ユーザーは既に乗車しているので、乗車後に携帯機による解錠操作を禁止しても何らの不都合も生じない。一方、第三者が許可無く乗車しようとしてドアハンドルを操作した場合は、解錠禁止情報がセットされているため、携帯機と制御装置との間で交信が行われたとしても、解錠されるおそれがなく、安全性が高まる。
【0014】
ここで、解錠操作の禁止は、請求項2に係る発明のように、施錠後にハンドル操作が行われた場合に携帯機と制御装置との間で交信は行うが、ドアロックを解除するための制御信号を出力しないことによって実現することができる。あるいは、請求項3に係る発明のように、施錠後のハンドル操作が検出された場合は、送信要求信号を送信せず、携帯機と制御装置との交信そのものを禁止することによっても実現できる。なお、解錠禁止情報の代わりに、解錠許可情報を用いることもできる。この場合は、車両内で施錠された場合に解錠許可情報をリセットし、それ以外の場合に解錠許可情報をセットすればよい。
【0015】
また、請求項4に係る発明のように、前記車両外からの施錠後に前記携帯機が前記車両内に存在するか否かを判定する判定手段を更に設け、前記解錠可否設定手段は、前記判定手段により前記携帯機が施錠後も前記車両内に存在すると判定された場合には、前記解錠禁止情報をセットすることもできる。
【0016】
携帯機の存在をユーザーは余り意識しないため、車内に携帯機を置き忘れたまま、降車して車両の外から施錠してしまうこともある。この場合、第三者がドアハンドルを操作すると、携帯機と制御装置との間で交信が行われ、ドアロックが解錠されるおそれがある。そこで、車外から施錠されたときには、車内に携帯機が置き忘れられていないかを判定し、置き忘れられている場合には、解錠禁止情報をセットし、第三者による解錠操作を防止している。
【0017】
携帯機の置き忘れ判定には、種々の方法を採用することができる。例えば、車室内を監視するモニタカメラを設け、視覚的に携帯機を検出してもよい。また、車室内に携帯機の収容場所が用意されている場合には、この収容場所に光電スイッチやマイクロスイッチ等を設けて携帯機の有無を検出することもできる。あるいは、請求項5に係る発明のように、施錠後に所定時間以上携帯機との交信が可能な場合に、置き忘れと判定することもできる。即ち、制御装置から送信要求信号を所定時間だけ繰返し送信することにより、携帯機からの応答の有無で置き忘れられたか否かを容易に判定することができる。
【0018】
請求項6に係る発明のように、制御装置には、複数の携帯機の識別コードをそれぞれ設定可能であり、前記各携帯機の識別コード毎に、前記照合及び解錠禁止情報の設定を行うことができる。
【0019】
即ち、各携帯機は、それぞれ制御装置と交信することにより、解錠、施錠、エンジン始動等を行うことができる。また、解除禁止情報も各携帯機毎にそれぞれ設定されるため、ある携帯機の置き忘れによって解除禁止情報がセットされた場合でも、他の正当な携帯機によってドアロックの解錠を行うことができる。これにより、安全性や信頼性を維持しつつ複数のユーザーによる車両の共同使用を実現することができる。
【0020】
複数の携帯機と交信可能な場合には、請求項7に係る発明のように、制御装置は、識別コードの照合履歴に応じて、各携帯機との交信順序を変更することもできる。
【0021】
混信を避けるべく、各携帯機と順番に交信を行う場合、交信順位の低い携帯機は、順番待ちの時間が長くなり、識別コードの照合時期等が遅くなる。従って、登録された携帯機の数が多いほど、また、携帯機1台当たりの交信所要時間が長くなるほど、交信順位の低い携帯機では、施錠、解錠、エンジン始動等の各操作を速やかに行うことができない。そこで、識別コードの照合履歴を採取し、照合履歴に応じて交信順序を動的に変更することにより、使用頻度の高い携帯機の交信順位を上げる。これにより、実際の使用頻度を交信順序に反映させることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0022】
例えば、請求項8に係る発明のように、前回識別コードが一致した携帯機から先に交信を行うように交信順序を変更することができる。例えば、A,B,Cの3台の携帯機があり、初期の交信順序が「A→B→C」に設定されている場合を例に挙げると、もし前回使用された携帯機がCの場合は、交信順序を「C→A→B」のように変更する。少なくとも、乗車と降車とはワンセットの動作であるから、乗車時(解錠時)に交信順序を変更すれば、エンジン始動時や降車時(施錠時)の交信待ち時間をなくして速やかな操作を行うことができる。通常は、給油や休憩、目的地での乗降等のように、1回の走行中で携帯機を複数回操作するため、利便性が高まる。なお、請求項7の発明に明らかなように、前回使用された携帯機の交信順位を先頭に上げる場合に限らない。特定の携帯機の交信順位は不動とし、それ以外の携帯機間で交信順序を変更することもできる。例えば、日頃最も頻繁に使用される又は使用されるべき携帯機の交信順位を固定化しておけば、偶発的に他の携帯機が使用された後でも、最優先の携帯機の操作性が損なわれることはない。逆に、最低順位の携帯機を固定化することも可能である。
【0023】
請求項9に係る発明のように、前記制御装置には、更に、操作可能状態に移行するための前動作と前記操作可能状態下で行われる本動作とにより操作され、エンジン始動許可信号を出力させるためのエンジン始動スイッチを設け、前記制御装置は、前記前動作が行われたときには、前記携帯機側の識別コードと前記制御装置側の識別コードとが一致すると判定されるまで前記本動作への移行を禁止し、前記各識別コードが一致すると判定された場合は、前記本動作への移行を許可して前記エンジン始動許可信号を出力する第1の操作モードと、前記前動作が行われたときには、前記本動作への移行を許可し、前記各識別コードが一致すると判定された場合に前記エンジン始動許可信号を出力する第2の操作モードとを有し、前記携帯機によって解錠された場合には、少なくとも所定時間だけ前記第2の操作モードで前記始動スイッチの操作を制御することもできる。
【0024】
制御装置には、例えば、ステアリングロックの解除とイグニッションキーの機能を一体化してなる始動スイッチを設けることができるが、誤操作等を防止するために、一種のインターロックをかけるのが好ましい。このため、始動スイッチを、操作可能状態に移行させるための前動作と、操作可能状態下で実際に操作される本動作とにより操作できるように構成する。具体的には、例えば、ノブを押し込んでから(前動作)、該ノブを所定位置まで回動させる(本動作)ことにより、ステアリングロックの解除やエンジン始動等を行うことができるように始動スイッチを構成することができる。
【0025】
ここで、始動スイッチの操作に際しては、安全性等の観点から識別コードの照合という認証作業を行うのが好ましい。一つの方法としては、前動作が行われた時点で識別コードの照合を行い、各識別コードが一致したときに本動作への移行を許可するものが考えられる(第1の操作モード)。他の方法としては、前動作が行われた時点で本動作への移行を許可するが、各識別コードが一致しない限りエンジン始動許可信号を出力しないものが考えられる(第2の操作モード)。識別コードの照合には多少の時間を要するため、第1の操作モードでは、前動作から本動作へ滑らかに移行せず、操作の面で引っかかり感をユーザーに与えるおそれがある。そこで、携帯機による解錠が行われた場合には、所定時間だけ第2の操作モードを適用することにより、始動スイッチの速やか且つ滑らかな操作を可能とし、操作性を向上させる。
【0026】
また、請求項10に係る発明のように、制御装置は、更に、ハンドルの操作パターンが予め設定された操作パターンと一致する場合には、少なくとも解錠操作を可能とすることもできる。
【0027】
例えば、携帯機を車内に封じ込めてしまった場合や携帯機を紛失等した場合でも、ユーザーがハンドルを所定の操作パターンで操作することにより、少なくともドアロックは解錠され、乗車することができる。例えば、10進数4桁の暗証番号をハンドル操作によって入力することにより、認証を行うことができる。
【0028】
また、請求項11に係る発明のように、携帯機には、更に、操作スイッチを設け、該操作スイッチの操作によっても送信コードを送信できるように構成してもよい。
【0029】
ユーザーは、ハンドル操作による制御装置からの送信要求信号を待たずに、操作スイッチを操作するだけでも、送信コードを携帯機から送信させることができる。従って、車両に近付く前に、離れた場所から解錠等を行うこともでき、使い勝手が向上する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図13に基づき本発明の実施の形態について詳述する。
【0035】
1.第1の実施の形態
図1〜図11は第1の実施の形態に係り、図1は、車両用キーレスエントリー装置の外観的構成を示す説明図である。
【0036】
車両1のドア2には、「車両のハンドル」としてのアウトサイドハンドル3が設けられている。このアウトサイドハンドル3の近傍に設けられた図示せぬキーシリンダは、ドア2内部のドアロック機構4に連結されている。また、このドアロック機構4には、インサイドハンドル(図示せず)に加えて、ドア2の内側で上方に突出するロックノブ5が連結されている。
【0037】
携帯機11は、例えば、合成樹脂材料等から形成されたケーシング12と、「操作スイッチ」としての解錠スイッチ13及び施錠スイッチ14と、図2と共に後述する制御部15等とを含んで構成されている。携帯機11は、アウトサイドハンドル3の操作をトリガとして出力されたリクエスト信号に応答して、識別コードを含んでなる送信コードを出力するものである。ここで、送信コードは、例えば、数百MHz、好ましくは、300MHz程度の放射電磁波により送信される。以下の説明では、放射電磁波をRF信号として表現する。車両1に設けられた「制御装置」としての固定機31の構成は、図2と共に説明する。
【0038】
図2は、車両キーレスエントリー装置の機能を示すブロック図である。まず、携帯機11の構成を説明する。携帯機11は、それぞれ後述するように、制御部15と、記憶部16と、誘導電磁波(以下、「LF信号」という)として送信されるリクエスト信号を受信するLF受信部17と、リクエスト信号中のトリガを検出するトリガ検出部18と、リクエスト信号中の暗号化された識別コードを検出するコード検出部19と、送信コードをRF信号として送信するためのRF送信部20と、図示せぬ電池等の電源と、解錠スイッチ13及び施錠スイッチ14を含んで構成されている。
【0039】
制御部15は、例えばCPU等によって具体化されるものであり、リクエスト信号に応答して送信コードを生成する。この送信コードは、トリガ信号及び暗号化された識別コード(図中では、「IDコード」と表現する)とを含んで構成することができる。
【0040】
記憶部16は、例えばRAM等から構成されるもので、その内部には、少なくとも、識別コードと、識別コードを暗号化するための暗号化情報とが記憶されている。
【0041】
LF受信部17は、例えばループアンテナ等のLFアンテナ17Aによって固定機31からのリクエスト信号を受信するものである。固定機31から送信されるリクエスト信号は、トリガ信号と識別コードとを含んで構成されている。
【0042】
リクエスト信号等に含まれるトリガ信号は、トリガ検出部18によって検出される。このトリガ信号は、節電モードからのウェイクアップ要求信号として利用することができる。また、リクエスト信号に含まれる識別コードは、コード検出部19によって検出される。
【0043】
RF送信部20は、制御部15から入力された送信コードを、アンテナ20AからRF信号として送信するものである。
【0044】
次に、固定機31側の構成を説明する。「制御装置」としての固定機31は、それぞれ後述するように、例えばCPU等によって実現される制御部32と、リクエスト信号をループアンテナ等のアンテナ33Aから送信するLF送信部33と、携帯機11からの送信コードをアンテナ34Aを介して受信するRF受信部34と、記憶部35と、タイマ36等を含んで構成されている。
【0045】
また、固定機31には、ドアの開閉状態を検出するドアスイッチ37と、ステアリングロック機構38のステアリングロック解錠とイグニッションスイッチの機能とを一体化させてなる始動スイッチ39と、アウトサイドハンドル3の操作を検出するフックスイッチ40と、ブザー41とが接続されている。これら各スイッチ類は、通常、車体1側に予め設けられているものであり、固定機31自体が備える必要はない。なお、図中では、スイッチを「SW」と表現する。
【0046】
始動スイッチ39は、図3(a)に示すように、ステアリングロック等を行うためのLOCK位置、各種アクセサリ部品への給電を許可するためのACC位置、ON位置、エンジンを始動させるためのSTART位置の各位置を備えている。始動スイッチ39は、図3(b)に示すように、ノブ39Aを回動可能状態に移行させるための押し込み操作(前動作)と、ノブ39Aを所望位置まで回動させる回動操作(本動作)とにより、2段階で操作される。図3(b)に示すように、初期状態b1にあるノブ39Aを把持して押し込むと(b2)、ノブ39Aは回動可能状態に移行する。次に、ユーザーは、ノブ39Aを把持したまま所望の位置まで回動操作する(b3)。ユーザーが手を離すと、ノブ39Aは初期状態と同じ水平位置まで復帰する(b4)。このように、始動スイッチ39は2段階で操作されるため、ユーザーが誤ってノブ39Aに触れた場合でも、意図せぬ操作が行われることはない。なお、作動状態検出手段として把握可能な状態検出スイッチ42は、ドアロック機構4の作動状態を検出するものである。
【0047】
固定機31の制御部32は、「制御手段」に該当するものであり、フックスイッチ40の検出信号によって、リクエスト信号を生成し、このリクエスト信号をLF信号として携帯機11に送信させる。また、制御部32は、携帯機11からRF信号として受信した送信コードを復号化し、該送信コード中の識別コードと記憶部35内に登録された識別コードとを照合し、両識別コードが一致する場合には、ドアロック機構4を作動させる。さらに、制御部32は、後述のように、所定条件下で携帯機11による解錠操作を禁止し、また、始動スイッチ39の操作モードを切り換えるようになっている。
【0048】
次に、図4〜図11を参照して本実施の形態の作用を説明する。なお、以下に示すフローチャートは、処理の流れの一例を示すものであり、実際のプログラムとは相違することがある。図4は、携帯機11側で実行される処理を示すフローチャートである。
【0049】
まず、固定機31からのリクエスト信号を受信したか否かを判定し(S1)、リクエスト信号を受信した場合には識別コードを含んでなる送信コードを生成し(S2)、この送信コードをRF信号により送信する(S3)。このように、ハンドル操作、リクエスト信号の受信、送信コードの送信による段階を経て固定機31を遠隔操作するモードを、本明細書では、「パッシブエントリーモード」と呼ぶ。
【0050】
一方、リクエスト信号を受信していない場合は(S1:NO)、解錠スイッチ13が操作されたか否かを判定する(S4)。解錠スイッチ13が操作された場合は、識別コードと解錠操作を示す機能コードとを含んでなる解錠用の送信コードを生成し(S5)、固定機31に送信する(S3)。解錠スイッチ13の操作でもない場合は(S4:NO)、次に、施錠スイッチ14が操作されたか否かを判定する(S6)。施錠スイッチ14が操作された場合は、識別コード及び施錠操作を示す機能コードを含んでなる施錠用の送信コードを生成し(S7)、固定機31に送信する(S3)。このように、リクエスト信号を待たずに、解錠スイッチ13又は施錠スイッチ14の操作によって送信コードを送信し、固定機31を遠隔操作するモードを、本明細書では「アクティブエントリーモード」と呼ぶ。
【0051】
上述の通り、携帯機11は、ドアハンドル3の操作をトリガとして実行されるパッシブエントリーモードと、解錠スイッチ13又は施錠スイッチ14によるアクティブエントリーモードとの2種類の遠隔操作モードを備えている。なお、特に図示はしないが、従来の機械式エンジンキーによる操作モードを例えば「エマージェンシーモード」として加えることもできる。
【0052】
図5〜図11は、固定機31側の処理を示す。図5は、固定機31側で実行される主要な処理の流れを概略的に示している。主要な処理としては、それぞれ後述するように、乗車時における解錠処理M1、乗車後に車内側で施錠されたときのインサイド施錠時処理M2、エンジン始動処理M3、降車時の施錠処理M4、降車後の携帯機置き忘れ防止処理M5に大別することができる。
【0053】
図6は、乗車時における解錠処理M1の一例を示す。まず、フックスイッチ40からの信号がオン状態か否か、即ち、アウトサイドハンドル3が引かれたか否かを判定する(S11)。アウトサイドハンドル3が引かれた場合は、例えば5秒程度の比較的短時間t1を計時するタイマをスタートさせ(S12)、リクエスト信号を送信させる(S13)。一方、アウトサイドハンドル3が操作されていない場合は、S12及びS13をスキップしてS14に移る。
【0054】
S14では、RF受信部34により受信された識別コードが予め登録された識別コードと一致するか否かを判定する。各識別コードが一致する場合は、パッシブエントリーモードであるか否かを判定する(S15)。ここで、パッシブエントリーモードであるかアクティブエントリーモードであるかの判別は、例えば、各モードで送信する送信コードを違えることにより容易に行うことができる。あるいは、アウトサイドハンドル3の操作の有無によっていずれのモードであるかを判別することもできる。
【0055】
パッシブエントリーモードであると判定された場合は、パッシブエントリーモードの機能を停止させる「解錠禁止情報」としての機能停止フラグがセットされているか否かを判定する(S16)。なお、機能停止フラグについては、図8と共に後述する。
【0056】
機能停止フラグがセットされていない場合は、フックスイッチ40がオフ状態となるのを待ち(S17)、アウトサイドハンドル3が戻されたのを確認した後で解錠信号をドアロック機構4に出力する(S18)。機能停止フラグがセットされている場合は(S16:YES)、パッシブエントリーによるサービスの停止が指示されている場合なので、S17及びS18をスキップして処理を終了する。
【0057】
一方、ユーザーが解錠スイッチ13又は施錠スイッチ14を操作した場合は、アクティブエントリーモードによる操作が行われている場合なので、前記S15で「NO」と判定される。そして、解錠用の送信コードを受信したか否かを判定し(S19)、解錠用の送信コードである場合は、S18に移って解錠信号を出力させる。解錠用送信コードではない場合は(S19:NO)、施錠用の送信コードであるか否かを判定し(S20)、施錠用送信コードである場合は、施錠信号をドアロック機構4に出力させる(S21)。なお、施錠用信号でもない場合は、処理を終了する。
【0058】
一方、S14で「NO」と判定された場合、即ち、携帯機11から識別コード(送信コード)を受信できなかった場合又は受信した識別コードが固定機31側の識別コードと一致しない場合は、暗証番号によるエントリーモードに移行する(S22)。
【0059】
図7は、暗証番号によるエントリーモードの一例を示す。まず、フックスイッチ40がオフ状態に戻ったか否かを判定し(S31)、次に、図6中の前記S12で計時が開始されてから時間t1が経過したか否かを判定する(S32)。時間t1が経過する前にアウトサイドハンドル3が戻されると処理は終了し、時間t1が経過してもなおアウトサイドハンドル3が引かれている場合は、ブザー41を鳴動させて暗証番号エントリーモードに移行したことをユーザーに通知する(S33)。つまり、アウトサイドハンドル3を所定時間t1以上継続して引いている場合に、暗証番号エントリーモードに移行することができる。
【0060】
次に、フックスイッチ40がオフ状態に戻るのを待ち(S34)、フックスイッチ40がオフ状態になると、ブザー41の作動を停止させる(S35)。ユーザーは、暗証番号に即してアウトサイドハンドル3を所定回数だけ操作することにより、例えば4桁の番号を入力する(S36)。全桁の入力が完了した場合は(S37:YES)、入力された暗証番号と予め登録された暗証番号とが一致するか否かを判定し(S38)、両者が一致する場合にはドアロック機構4に解錠信号を出力する(S39)。
【0061】
次に、図8は、インサイド施錠時処理M2の一例を示す。まず、ドアロック機構4が解錠状態であるか否かを判定し(S41)、解錠状態である場合には、機能停止フラグをリセットする(S42)。解錠状態ではない場合は(S41:NO)、車両内で施錠されたか否か、例えば、ロックノブ5によって、固定機31の制御信号を介さずに、施錠されているか否かを判定する(S43)。車両内で施錠されている場合は機能停止フラグをセットし(S44)、車両内で施錠されていない場合は、S44をスキップして処理を終了する。
【0062】
つまり、ユーザーが乗車してロックノブ5等により施錠を行うと(S43:YES)、機能停止フラグがセットされる(S44)。機能停止フラグがセットされている場合は、図6中のS16に示すように、解錠信号が出力されない。従って、ユーザーが乗車して内側から施錠した直後に、招かれざる第三者がアウトサイドハンドル3を引いても、携帯機11によるパッシブエントリー機能は停止されているため、この第三者はユーザーの許可無く乗車することができない。
【0063】
次に、図9は、エンジン始動処理M3の一例を示す。まず、ドアロック機構4が携帯機11によって電気的に解錠されたか否かを判定し(S51)、携帯機11による解錠である場合は、例えば30秒程度の時間t2を計時するタイマをスタートさせる(S52)。そして、始動スイッチ39のノブ39Aが押し込まれたか否か、即ち、前動作が行われたか否かを判定する(S53)。所定時間t2が経過するまで(S54)、ノブ39Aの押し込み動作(プッシュ操作)の有無が監視される。
【0064】
ノブ39Aが押し込まれると(S53:YES)、固定機31は直ちにノブ39Aの回動を許可し(S55)、リクエスト信号を送信する(S56)。ノブ39Aの回動が直ちに許可されるため、ユーザーは、押し込んだノブ39Aを滑らかに回動操作することができる。回動操作の期間中に識別コードの照合が行われ(S57)、両者の識別コードが一致する場合は、エンジン始動許可信号がエンジンコントロールユニットに出力される(S58)。このように、ノブ39Aの回動を先に許可し、回動操作中に識別コードの照合を行うモードが「第2の操作モード」に該当する。ドアロックが解錠された場合には、所定時間t2だけ第2の操作モードに移行し、滑らかな操作が行えるようにしている。
【0065】
一方、機械式のキーによる解錠等の携帯機以外で解錠された場合、あるいは、解錠状態ではないと判定された場合は(S51:NO)、始動スイッチ39を第1の操作モードによって操作することになる。即ち、ノブ39Aが押し込まれたか否かを判定し(S59)、ノブ39Aが押し込まれた場合には、ノブ39Aの回動を許可せずにリクエスト信号を送信する(S60)。そして、受信された識別コードが予め登録された識別コードと一致する場合には(S61:YES)、ここで初めてノブ39Aの回動を許可し(S62)、エンジン始動許可信号を出力する(S63)。従って、例えば、乗車したままでエンジンを再始動するような場合には、始動スイッチ39は第1の操作モードにより操作される。
【0066】
次に、図10は、降車時の施錠処理M4の一例を示す。まず、S71では、ドアスイッチ37の検出信号に基づいてドア2が開いたか否かを監視している。ドア2が開いた場合は、フックスイッチ40がオン状態になるまで待機する(S72)。フックスイッチ40がオン状態になった場合、つまり、ユーザーが車外からアウトサイドハンドル3を操作したときは、リクエスト信号を送信する(S73)。
【0067】
そして、携帯機11から受信した識別コードと固定機31に登録された識別コードとが一致するか否かを判定し(S74)、両者が一致する場合には、タイマ36をスタートさせて(S75)、ブザー41を例えば1秒間隔で作動させる(S76)。このブザー41の間欠作動により、ユーザーはパッシブエントリーモードによる施錠操作が可能になったことを知る。次に、ドア2が閉じたか否かを監視し(S77)、ドア2が閉じられた場合には、ブザー41を停止させて(S78)、施錠信号を出力し(S79)、ブザー41を例えば3秒間だけ作動させる(S80)。ユーザーは、ロック時の作動音だけでなく、ブザー41の音によっても施錠されたことを確認することができる。一方、例えば10秒間程度の所定時間t3が経過するまでに、ドア2が閉まらない場合は(S81:YES)、ブザー41を停止させて(S82)、処理を終了する。なお、特に図示していないが、施錠スイッチ14によるアクティブエントリーモードによっても施錠を行うことができる。
【0068】
次に、図11は、携帯機置き忘れ防止処理M5の一例を示す。まず、車外から施錠されたか否かを判定する(S91)。例えば、ドアスイッチ37からの信号と状態検出スイッチ42からの信号とに基づいて、車外から施錠されたか否かを判定することができる。
【0069】
車外から施錠された場合は(S91:YES)、例えば、10秒程度の時間t4を計時するタイマをスタートさせ(S92)、ドアハンドル3の操作とは無関係にリクエスト信号を送信する(S93)。そして、受信された識別コードと予め登録された識別コードとが一致するか否かを判定し(S94)、両者が一致する場合には、所定時間t4が経過したか否かを判定する(S95)。所定時間t4が経過するまで繰返しリクエスト信号が送信され、識別コードの照合が行われる。
【0070】
所定時間t4が経過したときは(S95:YES)、携帯機11が所定時間t4以上交信範囲内に存在する場合、即ち、携帯機11が車内に置き忘れられたとみなせる場合なので、所定時間だけブザー41を鳴動させてユーザーに注意を促すと共に(S96)、パッシブエントリーモードのサービスを停止させる機能停止フラグをセットする(S97)。一方、携帯機11を所持したユーザーが所定時間t4の経過前に交信範囲外に移動した場合は、前記S94で「NO」と判定されるため、タイマをリセットして処理を終了する(S98)。
【0071】
このように、車外から施錠された場合は、固定機31は携帯機11との交信を試み、所定時間t4以上交信可能な場合は、置き忘れと判定して警報を出力すると共に、機能停止フラグをセットする。従って、パッシブエントリーモードが停止されるため、第三者がアウトサイドハンドル3を引いただけでドアロックが解錠されることはない。なお、パッシブエントリーモードが停止された場合でも、正当なユーザーは、解錠スイッチ13の操作、暗証番号の入力、機械式エンジンキーの各ルートから解錠することができる。
【0072】
このように構成される本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0073】
第1に、アウトサイドハンドル3の操作をフックスイッチ40により検出し、アウトサイドハンドル3の操作によって固定機31からリクエスト信号を送信させる構成のため、全体構成を簡素化することができ、また、信頼性等を大幅に向上することができる。
【0074】
つまり、ドアの表面に特別なスイッチを露出させて設ける従来技術では、かかる特別なスイッチが人目を引きやすく、子供等にいたずら心を誘発させる可能性がある。しかし、本実施の形態では、フックスイッチ40の検出信号をリクエスト信号送信のトリガ入力とするため、本装置を搭載した車両の外観は、通常の車両の外観と何ら異ならず、他人の注意を喚起することがなく、いたずらを誘発しにくいので、防盗性や信頼性が向上する。
【0075】
第2に、車両内で施錠された場合は、機能停止フラグをセットしてパッシブエントリーモードによる解錠を禁止するため、第三者の無断乗車を未然に阻止することができ、安全性が向上する。
【0076】
第3に、携帯機11を車内に置き忘れた場合にも、機能停止フラグをセットしてパッシブエントリーモードによる解錠を禁止するため、防盗性を大幅に向上させることができる。
【0077】
第4に、所定時間t4以上交信が可能な場合に、携帯機11の車内置き忘れであると判定するため、特別なセンサやカメラ等を用いずに簡素な構造で携帯機11の置き忘れを検出することができる。
【0078】
第5に、解錠時には、所定時間t2だけ始動スイッチ39の操作モードを第2の操作モードに切り換え、ノブ39Aの回動操作を許可しておくため、識別コードの照合を終了した後に回動操作を許可する第1の操作モードに比較して、滑らかに始動スイッチ39を操作することができ、操作性が向上する。また、ノブ39Aの回動操作期間内で識別コードの照合を行い、識別コードが一致する場合にのみエンジン始動許可信号を出力するため、操作性を高めつつキーレスエントリー装置の信頼性を維持することができる。
【0079】
第6に、暗証番号に応じてアウトサイドハンドル3を操作することにより解錠可能なため、携帯機11を所持していない場合でも、正当なユーザーであれば、ドアロックを解錠することができ、使い勝手が向上する。
【0080】
第7に、パッシブエントリーモードに加えて解錠スイッチ13及び施錠スイッチ14によるアクティブエントリーモードをも備えているため、ユーザーは状況に応じてモードを使い分けることができ、使い勝手が向上する。例えば、後部座席から荷物を降ろすような場合は、運転席側のドア2に戻らずに、その場所で施錠スイッチ14を操作するだけでドアロックを施錠できる。また、複数人でドライブをするような場合は、携帯機11を所持していない人がドライバーよりも先に車両に乗車しようとしたときに、車両から離れた場所でドアロックを解錠することができる。
【0081】
第8に、機能停止フラグをセットしてパッシブエントリーモードによる解錠を禁止した場合でも、アクティブエントリーモードや暗証番号によるエントリーモードによってドアロックを解錠できるため、安全性と使い勝手とを両立させることができる。
【0082】
第9に、降車時には、アウトサイドハンドル3を引き上げてドア2を閉めるだけで施錠できるため、降車時も滑らかな動作で施錠を行うことができ、使い勝手が向上する。また、降車時には所定時間t3だけ施錠可能としているため、所定時間t3が経過した後は、ドア2を閉めても施錠されない。従って、例えば、清掃時や整備時等のように、車内に頻繁に出入りするような場合等には、ドア2を施錠せずに自由に開閉することができ、使い勝手が向上する。
【0083】
2.第2の実施の形態
次に、図12に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、以下の各実施の形態では、上述した構成要素と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施の形態の特徴は、複数の携帯機を登録している場合に、識別コードの照合履歴に応じて交信順序を変更する点にある。
【0084】
図12は、本実施の形態による乗車時の解錠処理M1の一例を示す。まず、記憶部35に保存されている最新の交信順序を読み出して予めセットしておく(S101)。説明の便宜のため、3台の携帯機に符号A,B,Cを付し、最新の交信順序を「A→B→C」とする。
【0085】
次に、フックスイッチ40がオン状態か否かを判定し(S102)、オン状態の場合は、前記最新の交信順序に基づいて1番目の携帯機Aにリクエスト信号を送信する(S103)。そして、携帯機Aからの応答があったか否か、携帯機Aからの識別コードが固定機31側の識別コードと一致するか否かを判定する(S104)。携帯機Aから正規の識別コードが送信された場合は(S104:YES)、交信順序を変更せず(S105)、解錠信号を出力させる(S106)。
【0086】
携帯機Aからの応答がない場合又は誤った識別コードを受信した場合には(S104:NO)、前記最新の交信順序に基づいて2番目の携帯機Bにリクエスト信号を送信する(S107)。そして、携帯機Bからの応答を検査し(S108)、携帯機Bから正規の識別コードを受信した場合には、交信順序を「B→A→C」に変更して携帯機Bの交信順位を上げ(S109)、解錠信号を出力させる(S106)。
【0087】
携帯機Bからの応答がない場合又は誤った識別コードを受信した場合は(S108:NO)、前記交信順序に基づいて携帯機Cとの交信に切り換え、携帯機Cにリクエスト信号を送信する(S110)。以下同様にして、携帯機Cからの応答を検査し(S111)、識別コードが一致する場合には、交信順序を「C→A→B」に変更して携帯機Cの交信順位を繰り上げ(S112)、解錠信号を出力させる(S106)。
【0088】
このように構成される本実施の形態では、第1の実施の形態で述べた効果に加えて、複数の携帯機11(A〜C)の使用頻度に応じて交信順序を動的に変更することができ、使い勝手が一層向上する。即ち、交信順序が固定化されている場合は、交信順位の低い携帯機11(C)は、常に交信順番待ちの時間が長く、無駄な待ち時間が増大する。営業車やレンタカー等のように、複数人が車両を共同使用するような場合に、所持する携帯機11の交信順位によって操作性がそれぞれ異なるため、使い勝手が低下する。また、交信順位の高い携帯機11に使用が集中すると、特定の携帯機11の電池が他よりも早く消耗する。やがて、ユーザーは、残された交信順位の低い携帯機11を使用することになるが、常に、長い待ち時間に耐えなければならない。このような問題は、複数人が1台の車両を共同使用する場合に限らず、一人のユーザーが複数の携帯機11を所持している場合にも生じる。
【0089】
これに対し、本実施の形態では、前回の識別コードの照合結果を交信順序に反映させるため、交信順位の低い携帯機11(C)であっても、最初の交信によって順位を上げることができ、以降の操作を滑らかに行うことができる。なお、固定機31側のコンピュータ資源に余裕がある場合等には、どの携帯機と何時交信したか等の詳細な照合履歴を採取しておき、より適切に交信順序を変更することも可能である。例えば、2交代制等により午前と午後又は隔日で、使用される携帯機11が規則的に変更されるような場合には、携帯機11が切り換えられる前に、使用順序を予め変更することも可能である。また、特定の携帯機11をマスターとして交信順位を固定化しておき、他の携帯機間でのみ交信順序を変更するようにしてもよい。
【0090】
3.第3の実施の形態
図13は、第3の実施の形態に係る車両用キーレスエントリー装置の乗車時処理M1の一例である。本実施の形態では、フックスイッチ40がオン状態になった場合に(S11:YES)、機能停止フラグの状態を検査し(S16)、機能停止フラグがセットされている場合には、携帯機11との交信を行わずに処理を終了するようになっている。つまり、図6に示すフローチャートとの相違は、S16がS11の次に行われる点である。これにより、無駄な交信や照合処理を避けることができ、消費電力を低減することができる。
【0091】
なお、当業者であれば、前記各実施の形態に限らず、本発明から逸脱しない範囲で種々の追加や変更等を行うことが可能である。例えば、上述した各フローチャートは処理の一例を示すに過ぎず、ステップの順番の変更や追加を行うことができる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る車両用キーレスエントリー装置によれば、送信要求信号を送信させるためのトリガとしてハンドル操作を利用するため、外観上の差異が生じるのを防止して他人によるいたずら等を防止することができると共に、指向性の弱い送信波を用いるため、携帯機の所有状態の自由度が高まり、使い勝手が向上する。
【0093】
また、車内側で施錠した後や携帯機を置き忘れたりした場合には、ハンドル操作に基づく携帯機の解錠操作を禁止するため、安全性や防盗性を向上させることができる。
【0094】
さらに、解錠されたときには、所定時間だけ前動作から本動作への移行を許可し、本動作中に識別コードの照合を可能としているため、滑らかに始動スイッチを操作することができ、操作性や使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用キーレスエントリー装置の外観構成を示す構成説明図である。
【図2】携帯機及び固定機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】始動スイッチの構成及び操作方法を示す説明図である。
【図4】携帯機側処理を示すフローチャートである。
【図5】固定機側の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】乗車時の解錠処理を示すフローチャートである。
【図7】暗証番号による解錠処理を示すフローチャートである。
【図8】ユーザーが車内から施錠したときのインサイド施錠処理を示すフローチャートである。
【図9】エンジン始動処理を示すフローチャートである。
【図10】降車時の施錠処理を示すフローチャートである。
【図11】携帯機を車内に置き忘れたときの処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る乗車時の解錠処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る乗車時の解錠処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両
2 ドア
3 アウトサイドハンドル
4 ドアロック機構
11 携帯機
13 解錠スイッチ
14 施錠スイッチ
15 制御部
17 LF受信部
20 RF送信部
31 固定機
32 制御部
33 LF送信部
34 RF受信部
39 始動スイッチ
40 フックスイッチ
Claims (8)
- 携帯機と、車両側に設けられる制御装置であって、前記車両のドアロックを施錠または解錠するためのドアロック機構に接続される制御装置とを備え、前記携帯機から送信された識別コードと前記制御装置に予め登録された識別コードとを照合し、両識別コードが一致する場合には、前記ドアロックを施錠または解錠させるための所定の制御信号を前記制御装置から前記ドアロック機構に出力する車両用キーレスエントリー装置であって、
前記携帯機は、送信要求信号に応じて識別コードを含んでなる送信コードを送信するものであり、
前記制御装置は、
車両のハンドル操作が検出された場合には、前記送信要求信号を生成して前記携帯機に送信させる送信要求信号生成手段と、
前記送信要求信号に応じて前記携帯機から送信された識別コードと予め登録された識別コードとを照合する照合手段と、
前記各識別コードが一致する場合には前記所定の制御信号を前記ドアロック機構に出力する制御手段と、
前記車両内で前記ドアロックが施錠された場合には、前記携帯機を用いた前記ドアロックの解錠を禁止するための解錠禁止情報をセットし、前記車両内で前記ドアロックが解錠された場合には前記解錠禁止情報をリセットする解錠可否設定手段とを備えたことを特徴とする車両用キーレスエントリー装置。 - 前記携帯機を用いた前記ドアロックの解錠の禁止は、前記制御手段から前記ドアロック機構に、前記ドアロックを解錠するための制御信号を出力させないことにより実現される請求項1に記載の車両用キーレスエントリー装置。
- 前記携帯機を用いた前記ドアロックの解錠の禁止は、前記送信要求信号生成手段による前記送信要求信号の送信禁止により実現される請求項1に記載の車両用キーレスエントリー装置。
- 前記車両外からの施錠後に前記携帯機が前記車両内に存在するか否かを判定する判定手段を前記制御装置に更に設け、
前記解錠可否設定手段は、前記判定手段により前記携帯機が施錠後も前記車両内に存在すると判定された場合には、前記解錠禁止情報をセットする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用キーレスエントリー装置。 - 前記判定手段は、施錠後に所定時間以上前記照合手段が前記携帯機から前記識別コードを受信可能な場合に、前記携帯機が前記車両内に存在すると判定する請求項4に記載の車両用キーレスエントリー装置。
- 前記制御装置には、更に、エンジン始動許可信号を出力するためのエンジン始動スイッチを設け、このエンジン始動スイッチは、本動作が可能な状態に移行するための前動作と前記前動作の後で行われる前記本動作とによって操作されることにより、前記エンジン始動許可信号を出力するものであり、
前記制御装置は、
前記前動作が行われたときには、前記携帯機側の識別コードと前記制御装置側の識別コードとが一致すると判定されるまで前記本動作への移行を禁止し、前記各識別コードが一致すると判定された場合は、前記本動作への移行を許可して前記エンジン始動許可信号を出力する第1の操作モードと、
前記前動作が行われたときには、前記本動作への移行を許可し、前記携帯機側の識別コードと前記制御装置側の識別コードとが一致すると判定された場合に前記エンジン始動許可信号を出力する第2の操作モードとを有し、
前記携帯機によって解錠された場合には、少なくとも所定時間だけ前記第2の操作モードで前記エンジン始動スイッチの操作を制御する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車両用キーレスエントリー装置。 - 前記制御装置は、更に、前記ハンドルの操作パターンが予め設定された操作パターンと一致する場合には、少なくとも前記ドアロックの解錠を可能とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の車両用キーレスエントリー装置。
- 前記携帯機には、更に、操作スイッチを設け、該操作スイッチの操作によっても前記送信コードを送信可能な請求項1〜請求項7のいずれかに記載の車両用キーレスエントリー装置。
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