JP4125512B2 - 粉末製剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は担体利用型粉末製剤に関し、詳しくは製剤化が難しいペプチドやタンパク質等を容易に良好な吸入製剤とすることが可能であり、なおかつ製剤学上ハンドリングが容易で且つ分散性向上のため薬剤含量の均一保持が可能であることを特徴とする粉末製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
吸入療法は経呼吸器の薬剤使用法として気道疾患への治療はもとより疾病の診断、経気道全身薬剤投与、疾患の予防、経気道免疫減感作療法などに適応されている。しかしいずれの場合にも、この療法の適応決定法が十分に検討されておらず、また対応する吸入剤の開発が望まれているところである。ターゲッティング療法として適用するにあたり、吸入剤の選択基準方法は疾患への有効性だけではなく、薬剤粒子の発生法と到達部位、ならびにそれらと薬剤の基礎物性の関連性から考える必要がある。現状ではこの形態の薬剤としてはエアロゾル吸入療法が広く用いられている。実際には、気管支拡張剤、粘膜溶解剤、抗生物質、抗アレルギー剤、ステロイド剤、ワクチン、生理食塩水などが使用されており、これらの臨床への応用の際には吸入剤の作用部位、作用機構、組成と用法などが重要な因子と考えられている。
【0003】
さらに近年気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療において、粉末吸入剤(Dry Powder Inhaler、DPI)が注目されるようになってきた。吸入剤には他にも先述のエアロゾル剤(定量的噴霧式吸入器、Metered Dose Inhaler、 MDI)やネブライザー剤があるが、これらの薬剤は標的部位となる肺が小腸に匹敵するほどの広い表面積を有していることや、吸収された後、初回通過効果がないなどの多くの優れた性質を備えている。一般的な吸入剤の特徴としては、1)薬効が迅速に発現、2)漸進的な副作用の低減、3)小用量投与が可能、4)初回通過効果の回避等が認知されている。
【0004】
先述のように MDI は広く用いられ、今でも精力的に研究が行われているものの、噴射剤としてフロンガスを使用しなければならないため、環境上の問題が指摘されている。この問題を解決すべくフロンガスの代替品開発が行われてはいるものの、それよりもむしろフロンガスを必要とせず、かつ携帯性に優れた DPI の開発がより盛んに行われている。また、ネブライザーも、薬物を溶液状態にしてデバイス中に保管しなければならないという問題を抱えており、このため不安定な薬物には適していないと考えられ、薬物が安定な形で存在しうる DPI は長期安定性においても有用な製剤の一つである。
【0005】
DPI は包装形態によりカプセルタイプおよびブリスタータイプ、リザーバータイプなどに分類される。DPI の投与の際には、通常これらに包装された薬剤を取り出すためにデバイス操作によりカプセル等に吸入孔を開け、吸入操作により薬物が放出され、気管支や肺等に投与される。
【0006】
DPIにおいては、患者が吸入する薬物粒子の粒子径と気道への沈着に密接な関係 [ファルマシア (1997) Vol. 33, No. 6, 98-102] があり、どのような薬物粒子径が気管および肺内部に沈着するかという空気動力学的な相関が認められている。気管支や肺胞の部位まで到達できる薬物粒子の最適サイズは約 1〜6 μm の空気力学径を有する粒子であることが一般的に知られている [Int. J. Pharm. (1994) 101, 1-13]。
【0007】
数 μm の粒子は肺胞に到達し、効率的に肺粘膜から吸収され血中に移行するため、全身的な作用を期待する場合には特にこの粒子サイズが重要となる。しかしながら、粒子を細かくすればするほど、粉体の流動性は悪化し、それに伴う生産時の充填精度やハンドリング性の低下が懸念される。さらには投与時にデバイスあるいはカプセル内部に付着することも想定される。そこで DPI 製剤を取り扱う中でこれらの問題を克服すべく、これら微粉末を担体となる乳糖等の粗い粒子と微細化薬物を混合する方法が良く知られている。これは微細化した薬物を乳糖表面に分子間相互作用により吸着させることにより微細化薬物の凝集力が弱められ、さらに全体として粒子径が大きくなり、製剤として流動性が向上するためである。その他の方法としては薬物の造粒、表面改質法があげられ、例えば国際公開WO99/27911号「軟質ペレット状薬剤およびその製造方法」は薬物の造粒による流動性向上を示唆している。
【0008】
軟質ペレット剤とは異なって担体を使用した剤形については、むしろその製剤化学上均一な薬物の分布が必須条件とされる。しかし、天然物・合成品を問わず自己凝集(self-associate)という現象が確認されている薬物が多々存在し、担体との均一な混合が難しい場合も少なくない。
【0009】
なおかつ、ペプチド及びタンパク質は一般的に吸湿性が極めて高く、長時間、化合物によっては短時間でも放置した場合には潮解を示すものが多い。吸湿の製剤特性に与える影響が非常に大きいものであることは予想にたやすいところである。このことは製剤生産時における生産効率にも極めて大きな影響を与えうる。それ故、如何にしてペプチド及びタンパク質を効果的に微粉化し、かつそれを乾燥した粉末として維持できるかが極めて重要な因子の一つとして考えられる。
【0010】
上記のように、ペプチド及びタンパク質にはこのような DPI に不向きな要因が多々存在するが、これらペプチド及びタンパク質の中には実に有用な薬物が多く存在し、しかも極めて少ない投与量にて充分な薬理効果が得られることが多い。それ故、医療経済学上これらを有用に経肺剤および吸入剤とする製剤設計が求められているのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、自己凝集型の薬物を均一に担体に混和させうる製剤設計、そして極めて少量の薬物を含量均一的に担体に混和させることが可能な薬物形態を開発することにあり、溶液中では不安定であるが実に有用である数多くの薬物に対して、乾燥状態を維持し,なおかつ痛みを伴わない新規投与形態を与えることにある。また、処方形態を工夫することによって製剤生産時において良好な生産効率を維持することも重要な課題の一つである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、溶液中あるいは空気力学的粉砕器中にて然るべき賦形剤と薬物を混合し、ジェットミル等の粉砕器により目的とする粒子径の薬物を製造後、得られた薬物を担体と混和することにより、極めて均一な製剤を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。なおかつ、この際に賦形剤を乳糖もしくはエリスリトールとすることにより飛躍的に溶解性を向上させることに成功した。なお、この製剤処方は粉末経肺剤の他、粉末経鼻製剤としても利用することが出来る。 すなわち、本発明は以下の(1)〜(14)を提供する。
【0013】
(1) 粉末状薬剤と賦形剤とを含有する平均粒子径が20μm以下の微細粒子を空気力学的に許容される粒径を有する担体と混和して得られる粉末製剤。
(2) 薬剤が分子間相互作用による自己凝集能を有するものである、上記(1)記載の粉末製剤。
(3) 薬剤が吸湿性及び/または潮解性を有するものである、上記(1)記載の粉末製剤。
(4) 薬剤がペプチドまたはタンパク質である、上記(1)から(3)のいずれかに記載の粉末製剤。
(5) 薬剤が脂質膜に封入された形態である、上記(1)から(4)のいずれかに記載の粉末製剤。
(6) 賦形剤が水易溶性のものである、上記(1)から(5)のいずれかに記載の粉末製剤。
(7) 賦形剤がエリスリトールである、上記(6)に記載の粉末製剤。
(8) 粉末状薬剤と賦形剤との比率が1:5000〜10:1の範囲である、上記(1)から(7)のいずれかに記載の粉末製剤。
(9) 微細粒子と担体との比率が1:100〜10:1の範囲である、上記(1)から(8)のいずれかに記載の粉末製剤。
(10) 担体の粒径が10〜200μmの範囲である、上記(1)から(9)のいずれかに記載の粉末製剤。
(11) 賦形剤を溶解した液に粉末状薬剤を溶解または懸濁し、そのままスプレードライ法にて微粉製剤化を行うか、あるいはその溶解液または懸濁液を凍結乾燥して得られる乾燥品を粉砕した後、空気力学的に許容される粒径を有する担体と混合することを特徴とする、粉末製剤の製造方法。
(12) 賦形剤と粉末状薬剤を空気力学的粉砕器によって同時に粉砕・混合し、空気力学的に許容される粒径を有する担体と混合することを特徴とする、粉末製剤の製造方法。
(13) 薬剤が分子間相互作用による自己凝集能を有するものである、上記(11)又は(12)に記載の粉末製剤の製造方法。
(14) 担体の平均粒径が10μm以上である、上記(11)から(13)のいずれかに記載の粉末製剤の製造方法。
【0014】
【発明を実施するための形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1] 薬剤
本発明において使用される薬剤としては、特に限定されるものではなく、医薬として使用され、または将来使用されるものが含まれる。薬剤としては、粉末状で入手できるもの、及び粉砕等の処理により粉末状に加工できるものを含む。本発明において使用できる粉末状薬剤の形状及び粒径等は特に限定されないが、薬剤が分子間相互作用による自己凝集能、吸湿性、潮解性を有するものである場合、本発明を特に効果的に使用できる。分子間相互作用による自己凝集能を有する薬剤として、例えばグルカゴン[J. Biol. Chem. (1984) 259, 7031-7]、FGF [Biochem. J. (1999) 341, 613-20]、成長ホルモン[Biochemistry (1993) 32, 1555-62]、エンドセリン[Pept. Res. (1992) 5, 97-101]、カルシトニン[Biochem. Biophys. Res. Commun. (1998) 245, 344-8]、インスリン[Int. J. Pharm. (1999) 191, 51-64]グルカゴン様ペプチド-1 [Pharmaceutical Research (1998) 15, 254-62]等が挙げられる。また、本発明において特に好ましくは、薬剤は、極めて投与量が微量であるために、製剤のための均一な混合が難解であるものである。例えば、限定されるものではないが、一連のアンジオテンシン変換酵素阻害剤、LH-RH、ACTH、セルレイン(Caerulein)、CCK、サケカルシトニン、EGF、G-CSF、GM-CSF、オキシトシン、ニューロテンシン、グレリン(Ghrelin)、PTH、PTHrP、ソマトスタチン、VIP、PACAP、バソプレッシン、エンケファリン、エンドルフィン、ダイノルフィン、サブスタンスP、β-NGF、TGF-β、エリスロポエチン、インターフェロンα、β、若しくはγ、インターロイキン、腫瘍壊死因子、GHRF、c-GRP、ANP、CRF、セクレチン、シクロスポリン等免疫抑制剤、α-MSH、トロンビンおよびプラスミン等一連のセリンプロテアーゼ類またはそれらのアゴニストおよびアンタゴニストを含む誘導体等に本発明を用いることができる。また、肺疾患治療例えば肺癌・肺気胸の直接投与方法としても本発明製剤を利用することが出来る。
【0015】
ペプチド及びタンパク質は非常に高価であるにもかかわらず、高濃度条件をはじめとする特定の条件下においては凝集することが示されており、例えば先述のカルシトニンは 50 mg/mL 以上の濃度で自己凝集することが認められている。水素結合、疎水性相互作用その他多くの相互作用がペプチド性・タンパク質性化合物群に認められ、凝集あるいは沈降といった物理化学的な変性が生産時に起こり得ることが指摘されているが、本発明によればそれらを未然に防ぐことも可能である。
【0016】
[2] 賦形剤
通常、賦形剤は散剤、錠剤などの固形製剤の増量、希釈、充填、補形等の目的で加えられるものであり、主薬の放出特性に大きく影響するので、その選択あるいは変更には注意を要する。本発明において、賦形剤は、薬剤の溶解性を高めるため、及び/又は自己凝集能を低減させるために効果的である。従って、賦形剤としては、水易溶性のものが好ましいが、著しく吸湿するものは本製剤の性質上好ましくない。本発明において、賦形剤は、一般的に使用されるデンプン類、乳糖、ブドウ糖、白糖、結晶セルロース、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等が用いられるが、生物学的に不活性であり、かつある程度の代謝が期待されるものを用いても良い。その他、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、蔗糖、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロースナトリウム、プルラン、デキストリン、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸等の脂肪酸あるいはその塩、ワックス類などを用いても良い。本発明において特に好ましい賦形剤は、乳糖及びエリスリトールである。
【0017】
本発明の製剤において、上記粉末状薬剤と賦形剤との比率は、重量で1:5000〜10:1の範囲であるのが好ましい。この範囲よりも薬剤が多くなると含量均一性に支障が生じる可能性があり、賦形剤が多くなるとある種の薬剤では薬理活性の消失の恐れがある。
【0018】
一方、近年、DPI において吸収率を向上させる技術として、エンハンサーを加えた製剤技術や薬物を脂質の層に封入した製剤処方が良く知られるようになった。エンハンサーとしてはクエン酸、カプリン酸をはじめとする有機酸やバシトラシンのような酵素阻害剤、さらには NO 発生剤などが知られている(Drug Delivery System (2001) 16, 297; Drug Delivery System (2001) 16, 299)。また、リポソームの基質としてはキトサンなどの高分子ポリマーがよく知られている。これらはあくまで薬剤の膜透過性を向上させることが主たる目的であって、必ずしも製剤の目的組織(肺・気管支)到達率が向上するわけではない。吸収率が飛躍的に向上しようとも、薬剤が目的とする組織に到達しない限りは臨床応用が可能とは必ずしも言うことはできない。従って、本製剤処方をこのような何らかの目的による工夫が施された製剤設計にも応用することは、更なる良好な製剤特性獲得を可能にするものである。
【0019】
[3] 担体
本発明において、担体は、粉末製剤投与までの薬剤の凝集を防ぐと共に、投与時には、吸入器を用いた吸入操作の際に効率良く分離して吸収効率を高めるために使用する。DPI 処方設計に担体を使用する際は、薬剤がカプセルまたはデバイスから確実に放出され、担体表面から高い確率で薬物が分離されることが望ましく、十分配慮して製剤設計を行う必要がある。担体の使用に際しては製剤の流動性及び薬物凝集の予防、投与量増減の可否等が重要になる。従って担体の選択基準として毒性や物理化学的安定性はもちろんのこと、ハンドリングの際の容易性や作業性が問われることになり、この問題点をクリアすべく、従来その安定性も確立され、中性で反応性が少なくやや甘みもある乳糖は多くの点において有用であり、DPI 用の担体として有用性が確認されている [Int. J. Pharm. (1998) 172, 179-188]。本発明において使用し得る担体として、乳糖の他、ブドウ糖、果糖、マンニトール、蔗糖、麦芽糖およびデキストラン類の糖類、並びに硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の一般的な賦形剤も挙げることができ、特に限定するものではない。
【0020】
本発明の粉末製剤は、吸入器を用いて投与するものであり、従って、担体は、空気力学的に許容される粒径を有するものである。具体的には、担体の粒径は10〜200μmの範囲である。
担体としてのみ製剤設計上作用させたい際には、その粒径を大きくすればよいことが知られているが、同時に粒径を大きくすれば担体は咽喉あるいは口腔にて留まることも周知の事実である。従って、担体自体は生物学的にみて不活性であるものの、肺にまで到達するのを防ぐ方が望ましい場合は、その粒径を少なくとも 10 μm以上にすれば問題ない。さらに最良の条件を求める場合には主剤と混合した賦形剤との適合性等をも考慮したうえでの素材選択が望まれるが、特に大きな問題が認められない限りは賦形剤と同様の材質の担体を選択することが好ましい。
【0021】
粉末状薬剤と賦形剤とを含有する微細粒子と担体の比率は、1:100〜10:1の範囲とすることが好ましい。この範囲よりも微細粒子が多くなると含量均一性に支障が生じる可能性があり、担体が多くなるとある種の薬剤では薬理活性の消失の恐れがある。
【0022】
[4] 薬剤と賦形剤の混合・粉砕工程
本発明の粉末製剤の製造は、まず、粉末状薬剤及び賦形剤の混合・粉砕工程を含む。粉砕は、例えば、賦形剤を溶解した液に粉末状薬剤を溶解または懸濁し、その溶解液または懸濁液を凍結乾燥して得られる乾燥品を粉砕することによって行う。あるいはまた、賦形剤及び粉末状薬剤を空気力学的粉砕器によって同時に粉砕・混合することもできる。本発明の粉末製剤の製造方法は特に限定されるものではなく、当業者が通常使用する方法を適宜使用することができる。いずれの方法を使用するかは、薬剤及び賦形剤の種類、最終的な粒子の大きさ等によって適宜決定することができる。化合物の結晶状態と付着性・分散性等の製剤特性は相関することが多く、それ故本工程においては望ましくは後者の処理方法を選択するべきである。但し、エリスリトールを使用する場合においては、本化合物の極めて高い結晶配向性により、いずれの工程を選択しても良好な粉砕混合物を得ることができる。
【0023】
本発明において、薬剤及び賦形剤の粉砕には一般的な乾燥粉砕を用いることが出来るが、特に空気力学的粉砕器を使用することが好ましい。具体的には、一般的な乾燥粉砕器として、実験室用に乳鉢やボールミル等少量を効率的に粉砕する装置が繁用されている。ボールミルとしては転動ボールミル、遠心ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミルが知られており、これらは摩砕・回転・振動・衝撃などの原理で粉砕化を行うことが出来る。工業用としては媒体撹拌型ミル、高速回転摩砕・衝撃ミル、ジェットミルなどの大量の原料を効率的に粉砕することを目的とした装置が多い。高速回転摩砕ミルには、ディスクミル、ローラーミルがあり、高速回転衝撃ミルにはカッターミル(ナイフミル)、ハンマーミル(アトマイザー)、ピンミル、スクリーンミル等回転衝撃に加え、剪断力によっても粉砕を行うものが存在する。ジェットミルは主に衝撃にて粉砕を行うものが多いが、その種類としては最もオーソドックスな粒子・粒子衝突型、粒子・衝突板衝突型、ノズル吸い込み型(吹き出し)型がある。
この粉砕工程によって、粉末状薬剤は賦形剤と均一に混合され、その平均粒子径が20μm以下の微細粒子になるように粉砕される。この粒径とすることで、投与後に担体から分離し、気管支や肺胞等の目的の部位まで到達することができる。
【0024】
[5] 担体と微細粒子の混合工程
上記混合・粉砕工程で得られた微細粒子は、次いで担体と混合し、投与時まで安定な複合体を形成するようにする。
担体と微細粒子の混合は、一般的に知られている混合機を用いることが出来る。主に回分式と連続式があり、回分式にはさらに回転型と固定型の二種が存在する。回転型には水平円筒型混合機、V 型混合機、二重円錐型混合機、立方体型混合機があり、固定型にはスクリュー型(垂直、水平)混合機、旋回スクリュー型混合機、リボン型(垂直、水平)混合機が存在する。連続式もやはり回転型と固定型の二種に分かれ、回転型は水平円筒型混合機、水平円錐型混合機、そして固定型にはスクリュー型(垂直、水平)混合機、リボン型(垂直、水平)混合機、回転円盤型混合機が知られている。この他に、媒体撹拌型ミル、高速回転摩砕・衝撃ミル、ジェットミル等の空気力学的粉砕器を利用した混合方法や、ナイロン性あるいはそれに準ずる性質からなる袋を利用し、撹拌することにより均一な混合製剤を作ることが可能である。
【0025】
[6] 吸入器
上記工程で得られた本発明の粉末製剤は、経肺投与、経鼻投与などの経粘膜投与により、被験体に投与することができる。具体的には、投与経路が経肺投与である場合、当分野で使用されるいずれかの吸入器を使用して投与することができる。
吸入器としては、スピンヘラー、イーヘラー、FlowCaps、ジェットヘラー、ディスクヘラー、ローターヘーラー、インスパイヤーイース、インハレーションエイト等の吸入経肺用デバイスや定量的噴霧器等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕賦形剤粉末の作製
本発明において賦形剤として使用できる化合物のうち、乳糖、マンニトール、エリスリトールについて下記の条件にて微粉化を行った。
(粉砕条件)
使用機器: A-O-Jet Mill (セイシン企業)
原料供給方法: オートフィーダー
供給エアー圧力: 6.0 kg/cm2G
粉砕エアー圧力: 6.5 kg/cm2G
集塵方法: アウトレットバグ(ポリエチレン)
収率はそれぞれ次の通りであった。
乳糖 32.0%
マンニトール 50.5%
エリスリトール 75.7%
この結果から乳糖よりも糖アルコールの方が収率の面で優れていることが明らかとなった。
【0027】
【0028】
上記方法にて、日本薬局方乳糖(吉田製薬)及びグルカゴン乳糖百倍散凍結乾燥品について約 10 g ずつ粉砕化を行った。10 g というある程度の量を処理する場合にはそれぞれの収率は表 1 に示すとおりほぼ同等であり、目視による性状確認においても両者ほぼ同等であった。懸念されていたグルカゴンの凝集性は目で見える範囲では少なくとも問題は解決されており、殆ど乳糖と同じ性状を示す粉体であることを確認した。さらに両者の粒度分布についてレーザー回折/散乱式粒径分布測定装置 (日機装社製) にて評価を行った。図1及び2に示すように、分布の幅は多少異なるものの、ピークトップは約 3 μm 程度であり、またほぼ100%の粉末が粒径10μm以下であった。
【0029】
【表1】
【0030】
〔実施例3〕 グルカゴン粉末の微量製造
実施例1と同様の方法にて、グルカゴン乳糖百倍散凍結乾燥品およびグルカゴンエリスリトール百倍散について2 g の粉砕化を行った。この際の収率を表2に示す。この結果が示すとおり、少量の製造になった場合には吸着、吸湿をはじめとする収率を低下させる多くの要因がより明確な形で表面に出てくるため,エリスリトール利用混合物の方が製造収率が高くなった。懸念されていたグルカゴンの凝集性は目で見える範囲では少なくとも問題は解決されており、殆ど実施例1において作製した賦形剤微粉末と同じ性状を示す粉体であることを確認した。
【0031】
【表2】
【0032】
〔実施例4〕 酢酸ブセレリン粉末の作製
酢酸ブセレリン(伊藤ハム株式会社製)、酢酸ブセレリン-乳糖混合物(570 倍散)、酢酸ブセレリン-マンニトール混合物(570 倍散)、酢酸ブセレリン-エリスリトール混合物(570 倍散)について実施例1と同様にして微粉化を行った。
【0033】
収率はそれぞれ次の通りであった。
酢酸ブセレリンのみ 潮解のため未確認
酢酸ブセレリン-乳糖混合物 27.0%
酢酸ブセレリン-マンニトール混合物 41.7%
酢酸ブセレリン-エリスリトール混合物 71.7%
この結果から明らかに、ペプチドだけの粉砕は非常に難しいことが示され、乳糖もしくはエリスリトール等の賦形剤添加の効果が明らかとなった。乳糖混合物は非常に付着性が強く、バグフィルターからの回収はやや難しかったが、その反対にマンニトール、エリスリトール混合物は非常に付着性も低く、回収率の飛躍的な向上が確認された。
【0034】
〔実施例5〕 グルカゴン高濃度含有粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてグルカゴン-エリスリトール混合物(3, 5, 10, 20 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、グルカゴンとエリスリトールを下記表の様に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから微粉化されたグルカゴン-エリスリトール混合物を得た。回収率はいずれも30〜40%前後であった。グルカゴンの粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLCによる定量法にて確認した。本製剤処方では、このような高濃度ペプチド製剤の作製も可能であることが示された。
【0035】
【表3】
【0036】
〔実施例6〕 血管作動性腸管ペプチド(VIP)誘導体粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてVIP-エリスリトール混合物(400 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、特開平 8-333276 に記載の VIP 誘導体 His-Ser-Asp-Ala-Val-Phe-Thr-Asp-Asn-Tyr-Thr-Arg-Leu-Arg-Arg-Gln-Met-Ala-Val-Arg-Arg-Tyr-Leu-Asn-Ser-Ile-Leu-Asn-Gly-Arg-Arg-NH2(配列番号1)5 mg をエリスリトール 2 g と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから約 70% の回収率で微粉化された VIP 誘導体-エリスリトール混合物を得た。VIP 誘導体の粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLCによる定量法にて確認した。
【0037】
〔実施例7〕 インスリン粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてインスリン-エリスリトール混合物(20 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、ブタインスリン(伊藤ハム株式会社製) 100 mg をエリスリトール 1.9 g と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから約 60% の回収率で微粉化されたインスリン-エリスリトール混合物を得た。インスリンの粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLC による定量法にて確認した。
【0038】
〔実施例8〕 サケカルシトニン粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてサケカルシトニン-乳糖混合物(200 倍散)およびサケカルシトニン-エリスリトール混合物(200 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、サケカルシトニン(伊藤ハム株式会社製)15 mg を乳糖またはエリスリトール約 3.0 g と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから約 70%(サケカルシトニン-乳糖混合物)および約 80%(サケカルシトニン-エリスリトール混合物)の回収率で微粉化されたサケカルシトニン混合粉末を得た。サケカルシトニンの粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLC による定量法にて確認した。
【0039】
〔実施例9〕 エルカトニン粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてエルカトニン-乳糖混合物(200 倍散)およびエルカトニン-エリスリトール混合物(200 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、エルカトニン(伊藤ハム株式会社)15 mg を乳糖またはエリスリトール約 3.0 g と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから約 20%(エルカトニン-乳糖混合物)および約 70%(エルカトニン-エリスリトール混合物)の回収率で微粉化されたエルカトニン混合粉末を得た。エルカトニンの粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLC による定量法にて確認した。
【0040】
〔実施例10〕 ヒト成長ホルモン(GH)粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてヒト成長ホルモン-エリスリトール混合物(50 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、ヒト成長ホルモン混合物(Jiangxi Chinese Import & Export Co. Ltd) 30 mg(ヒト成長ホルモン 10 mg, ヒトアルブミン 10 mg, グリシン 10 mg)をエリスリトール約 470 mg と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから約 50% の回収率で微粉化されたヒト成長ホルモン-エリスリトール混合物を得た。ヒト成長ホルモンの粉体中含量はほぼ理論値であることをHPLCによる定量法にて確認し、なおかつその安定性についても同時に確認した。これにより、非常に不安定で扱い難いとされるヒト成長ホルモンのような高分子化合物においても本製剤処方は適用可能であることが示された。
【0041】
〔実施例11〕 シクロスポリン粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてシクロスポリン-エリスリトール混合物(10 倍散)について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、シクロスポリンA(和光純薬株式会社製) 100 mg をエリスリトール約 900 mg と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施し、粉体捕集用バグフィルターから約 60% の回収率で微粉化されたシクロスポリン-エリスリトール混合物を得た。シクロスポリンの粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLC による定量法にて確認した。
【0042】
〔実施例12〕 クエン酸含有グルカゴン粉末の作製
実施例1記載の方法と同様にジェットミルを用いてグルカゴン-クエン酸混合物およびグルカゴン-クエン酸-エリスリトール混合物について次の条件にて微粉化を行った。すなわち、グルカゴン(伊藤ハム株式会社製) 80 mg をクエン酸 80 mg と混和するか、あるいはグルカゴン 80 mg をクエン酸 80 mg とエリスリトール約 640 mg と適度に混和し、ジェットミルを用いて実施例1にて示した条件下で微細粒子加工を施した。グルカゴン-クエン酸混合物の粉砕物は速やかに潮解を起こし、回収が極めて難しかったが、グルカゴン-クエン酸-エリスリトール混合物は吸湿による潮解を認めず非常に取り扱いやすく、粉体捕集用バグフィルターからの回収率は約 40% であった。このことから,潮解性を示す添加物混入においても本製剤設計は有用であることが示された。グルカゴンの粉体中含量はほぼ理論値であることを HPLC による定量法にて確認した。
【0043】
〔実施例13〕 グルカゴンのリポソーム封入物作製
グルカゴン(伊藤ハム株式会社製)を 0.1% トリフルオロ酢酸水溶液にて 10 mg/mL に調製し、これを L-α-ジパルミトイルホスファチジルコリン、コレステロール、L-α-ジパルミトイルホスファチジルグリセロールから構成される乾燥中空リポソーム(粒径:100_300 nm, コートソーム EL シリーズ,日本油脂株式会社)に添加した。数分間振盪後、凍結乾燥(バーチス社製凍結乾燥機,ユニトップ HL,フリーズモビル 25 EL)した。凍結乾燥前のサンプルから 約 200 μL採取し、遠心式少量限外ろ過ユニット ULTRAFREE-0.5 (Mw 10000 以下カット) を用いて遠心(10 分間,12,000 x g)した。ろ液中のグルカゴン含量を定量し、これをリポソームに封入されなかった量として算出した。定量 (HPLC) 条件は下記の通りである。
(HPLC 条件)
使用カラム: TSK gel ODS-120 T (TOSO)
検出器: RF_535 (Shimadzu)
励起波長: 280 nm
蛍光波長: 346 nm
Pump: LC-10AD (Shimadzu)
Mobile Phase: 35% CH3CN (0.1% TFA acidified)
移動相流速: 1.0 mL/min
HPLC による定量の結果、グルカゴンのリポソームへの封入率は 98%であり、極めて高い封入効率であることが示された。
【0044】
〔実施例14〕 リポソーム封入グルカゴン粉末(1% グルカゴン粉体)の作製
実施例13記載の方法によって得られたグルカゴン-リポソーム封入物約200 mg に、エリスリトール 約 800 mg を適度に混和し、実施例1と同様にしてジェットミルにて微粉化を行った。粉体捕集用バグフィルターから約 50% の回収率で微粉化されたグルカゴン-リポソーム封入物-エリスリトール混合物を得た。得られた粉体は極めて流動性が高く、製剤特性上良好な粒子であった。この粉体中グルカゴン含量はほぼ理論値であることを HPLC による定量法にて確認した。これによって、リポソーム製剤にも本製剤処方が利用可能であり、製造中に薬物が潮解することなく生産可能であることが示された。
【0045】
〔実施例15〕 粉末と担体の混合
実施例2にて得られた乳糖およびグルカゴン乳糖百倍散のそれぞれの粉末を速やかに表4記載の条件で担体(Pharmatose 325 M;DMV社製;平均粒径 50±10μm)と混合し、50 mL ディスポチューブにて乾燥・保管した。なお、その際の(目視での)性状を併せて表4に記載する。乳糖粉末とグルカゴン乳糖百倍散粉末を担体に添加した際には、その流動性を含む多くの性状は両者同じであり、これはグルカゴンの望ましくない性質である自己凝集性を抑制できたものと判断することができた。なお、担体との混合をしていないグルカゴン乳糖百倍散微粉化物について着目した際、少なくとも 24 時間経過時には顕著な凝集塊の形成を認めた。
この結果から明らかな如く、本発明の粉末製剤は、自己凝集が抑制され、投与にとって非常に好適なものであった。
【0046】
【表4】
【0047】
〔実施例16〕担体とグルカゴン百倍散粉砕物の混合物粒度分布について
SK レーザーマイクロンサイザー LMS-30 (セイシン企業) にて、担体(Pharmatose 325 M)のみ、および担体とグルカゴン百倍散粉砕物を混和したものの双方についてそれぞれ粒度分布を検討した(図3及び4)。その結果、2.0 kg/cm2 の圧力にて粉体を分散させたところ、図4に示すように、明瞭に担体と薬物の分離が示されており、しかも分離したグルカゴン百倍散は自己凝集による粒度増大を示さなかった。
この結果から明らかな如く、本発明の粉末製剤は、自己凝集が見られない上、投与の際には容易に薬剤が担体と分離し、薬剤を含有する微細粒子のみが目的部位まで到達可能となる。
【0048】
〔実施例17〕グルカゴン含量の均一性評価
グルカゴンの自己凝集性を抑制し、なおかつ流動性を向上させることにより、担体混合後の薬物含量均一性が極めて向上するであろうと推測される。そこで、実施例16で得られた粉末からランダムに薬物を採取し、HPLC による定量分析を行うことにより、その均一性を評価した。以下方法を示す。
【0049】
なお、製剤含有グルカゴンの高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 分析条件は以下の通りである。
(HPLC分析条件)
使用カラム: TOSO ODS-120 T(トーソー)
検出器: Jusco 870-UV
UV 検出波長: 220 nm
移動相流速: 1.0 mL/min
移動相: 35 % CH3CN aq (0.1 % TFA acidified)
ポンプ: Jusco 880-PU
Inject 量: 50 μL
カラムオーブン温度 : 40 ℃
(方法)
対象サンプル
グルカゴン粉体(DPG080700)Pharmatose 混合物
(混合比、グルカゴン乳糖百倍散:担体 = 1:2)
【0050】
本検体(容量:25 mL)を 50 mL ディスポチューブにてほぼ均等に三等分し、それぞれのセクションからランダムに 3 検体(サンプル1〜3)を約 10 mg 量り取る。0.1 N HCl にて10 mg/mL に調製し、RP-HPLC にて分析を行い、各検体間のグルカゴン相当ピーク面積の値に関して比較検討する。
各セクション間でのグルカゴン相当ピークについて、図5に示す。
図5から明らかな如く、ランダムに採取したサンプルにおいてほぼ同量の薬剤が検出でき、本発明の粉末製剤は、流動性が改善され、ほぼ均一に担体と混和していることが示されている。
【0051】
〔実施例18〕 カスケードインパクターによるグルカゴンおよびエルカトニン製剤評価
粉体の空気力学的粒径に関して調査を行うため、人工気道および肺モデルであるカスケードインパクターにて検討を行った。本体は8段のステージと最終フィルターを重ねたものであり、これに流速計と吸引ポンプを組み合わせたものである。基本的な方法はUSP 2000 "Physical Tests and Determinations/Aerosols" 中 "Multistage Cascade Impactor Apparatus"記載の手法を適用した。具体的な方法は次の通りである。
(結果)
HPLCにおける各定量値を下記に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
本モデルによればステージ3以降に捕集される薬物は気管支および肺へと移行するが、両製剤についてはステージ3以降に約3〜4割の主剤が存在していることを考慮に入れれば、体内に入る薬物のうち約3〜4割に望ましい薬効を期待できる。
【0055】
〔実施例19〕 担体-薬物微粒子混合比による製剤特性への影響
実施例1に記載した製造方法と同様に日局乳糖(吉田製薬)を微粉化し、得られた粉末を非帯電袋を用いて下記の条件で担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。
【0056】
【表7】
【0057】
この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。RF 値について表8に示す。この RF 値は各ステージに捕集された粉体重量を秤量し、ステージ 2〜5 における捕集総量を製剤中含有微粉化物総量で割った数字である。
【0058】
【表8】
【0059】
この結果から、賦形剤と粒子の混合比率が大きく製剤特性に関与していることが示され、担体に対する薬物の含量は少ない方が好ましいことが明らかとなった。
【0060】
〔実施例20〕 リポソーム封入グルカゴン製剤の含量均一性評価
実施例14にて作製したグルカゴン-リポソーム封入物の粉末を非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。実施例17にて示した方法に従い、3 つのセクションから一定量秤量し、その中に含まれるグルカゴン含量について HPLC にて定量を行った。HPLC 条件を下記に示す。
(HPLC 条件)
使用カラム: TOSO ODS-120 T(トーソー)
検出器: RF-535 (Shimadzu)
励起波長: 280 nm
蛍光波長: 346 nm
移動相流速: 1.0 mL/min
移動相: 35% CH3CN aq (0.1% TFA acidified)
ポンプ: LC-10 AD (Shimadzu)
カラムオーブン温度 : 40 ℃
3 つのセクションから抜き出した検体について上記条件における定量を行ったところ、それぞれ 2.32 μg/mg-製剤、2.43 μg/mg-製剤、2.41 μg/mg-製剤であり、平均値は 2.39 μμg/mg-製剤 であった。リポソームのように会合・凝集しやすい分子を用いた本ケースのような場合においても、発明製剤処方は概ね含量均一な製剤を供給可能であることを確認した。
【0061】
〔実施例21〕 サケカルシトニン製剤の含量均一性評価
実施例8にて作製したサケカルシトニン粉末を非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。実施例17にて示した方法に従い、3 つのセクションから一定量秤量し、その中に含まれるサケカルシトニン含量について HPLC にて定量を行った。HPLC 条件を下記に示す。
(HPLC 条件)
使用カラム: TOSO ODS-120 T(トーソー)
検出器: RF-535 (Shimadzu)
励起波長: 280 nm
蛍光波長: 320 nm
移動相流速: 1.0 mL/min
移動相: 38% CH3CN aq (0.1% TFA acidified)
ポンプ: Jusco 880-PU
カラムオーブン温度 : 40 ℃
3 つのセクションから抜き出した検体について上記条件における定量を行ったところ、それぞれ 3.95 μg/mg-製剤、4.29 μg/mg-製剤、4.05 μg/mg-製剤であり、平均値は 4.09 μg/mg-製剤 であった。含量が極めて低い本ケースのような場合においても、発明製剤処方は概ね含量均一な製剤を供給可能であることを確認した。
【0062】
〔実施例22〕 カスケードインパクターによるグルカゴン製剤評価
実施例3の方法で作成したグルカゴン粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。RF 値とカプセル残存について表9に示す。この RF 値は各ステージに捕集された製剤中グルカゴンを HPLC にて定量し、ステージ 2〜 5 におけるグルカゴン総量をカプセル充填製剤中グルカゴン総量で割った数字である。なお、HPLC における分析条件を下記に示す。
(対象製剤)
グルカゴン-乳糖百倍散-乳糖担体混合物
グルカゴン-エリスリトール百倍散-乳糖担体混合物
(HPLC分析条件)
使用カラム: ODS-120 T (トーソー)
検出器: RF-535 (島津)
ポンプ: LC-10 AD (島津)
励起波長: 280 nm
蛍光検出波長: 346 nm
移動相流速: 1.0 mL/min
移動相: 35 % CH3CN aq (0.1 % TFA acidified)
カラムオーブン温度: 室温
この検討によって乳糖使用製剤とエリスリトール使用製剤のカプセルからの放出特性およびその後の分散性、そして担体との解離の容易さは明瞭に示された。
【0063】
【表9】
【0064】
〔実施例23〕 カスケードインパクターによるグルカゴン高濃度含有製剤評価
実施例3の方法で作成したグルカゴン-エリスリトール混合粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。 RF 値について表10に示す。この RF 値は各ステージに捕集された製剤中グルカゴンを HPLC にて定量し、ステージ 2〜 5 におけるグルカゴン総量をカプセル充填製剤中グルカゴン総量で割った数字である。なお、HPLC における分析条件は実施例22と同様である。
【0065】
【表10】
【0066】
この結果から、賦形剤添加の効果が明瞭に示されており、5倍散というペプチド製剤としては極めて高濃度な条件においても良好な製剤特性を保持していることを確認した。先の実施例22においても認められたように賦形剤非存在下では、臨床使用に耐えうる製剤供給が極めて難しいことから、本発明製剤処方の有用性が強く示唆される。
【0067】
〔実施例24〕 カスケードインパクターによるクエン酸含有グルカゴン製剤評価
実施例12の方法で作成したグルカゴン-クエン酸-エリスリトール混合粉末(グルカゴン 10 倍散)について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。RF 値について表11に示す。この RF 値は各ステージに捕集された製剤中グルカゴンを HPLC にて定量し、ステージ 2〜 5 におけるグルカゴン総量をカプセル充填製剤中グルカゴン総量で割った数字である。なお、HPLC における分析条件は実施例17と同様である。
【0068】
【表11】
【0069】
ペプチド及びタンパク質だけでなく、添加剤にも製剤学上取り扱いにくい化合物は多々知られている。今回使用したクエン酸もその一つであり、エリスリトール非存在下においては速やかな潮解を示しており、臨床使用においては非常に大きな問題点を提示している。しかしながら、本発明による製剤処方によれば、クエン酸存在下で、かつペプチド性薬剤の濃度が非常に高い本実施例のようなケースでも非常に良好な製剤特性を示すことが明らかとなった。
【0070】
〔実施例25〕 カスケードインパクターによるリポソーム封入グルカゴン製剤評価
実施例14の方法で作成したリポソーム封入グルカゴン粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。各ステージに捕集された粉体重量を測定した結果、気管支または肺に相当するステージ 2〜5 には約 30% の微細粒子が捕集されていることを確認した。脂質のみで構成されるリポソーム封入薬剤は脂質の特性上凝集塊を形成しやすいが、本実施例にて示されるように、臨床使用に耐えうる肺到達率を獲得させることができる。
【0071】
〔実施例26〕 カスケードインパクターによる VIP 誘導体製剤評価
実施例6の方法で作成した VIP 誘導体-エリスリトール混合粉末(VIP 誘導体 400 倍散)について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。各ステージに捕集された粉体重量を測定した結果、気管支または肺に相当するステージ 2〜5 には約 40% の微細粒子が捕集されていることを確認した。
【0072】
〔実施例27〕 カスケードインパクターによるインスリン製剤評価
実施例7の方法で作成したインスリン-エリスリトール混合粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。なお、HPLC における分析条件は下記の通りである。
(HPLC分析条件)
使用カラム: ODS-120 T (トーソー)
検出器: SPD-10 A (島津)
ポンプ: LC-10 AD (島津)
検出波長: 220 nm
移動相流速: 1.0 mL/min
移動相: 34% CH3CN aq (0.1 % TFA acidified)
カラムオーブン温度 : 室温
本検討の結果、インスリン製剤の RF 値は 22% であることが示され、本インスリン吸入製剤は充分臨床応用可能であることを確認した。
【0073】
〔実施例28〕 カスケードインパクターによるサケカルシトニン製剤評価
実施例8の方法で作成したサケカルシトニン−乳糖およびサケカルシトニン−エリスリトール混合粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV社製)と混和し DPI 製剤とした。この製剤についてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。分析後算出された RF 値について表12に示す。この RF 値は各ステージに捕集された製剤中カルシトニンを HPLC にて定量し、ステージ 2〜 5 におけるカルシトニン総量をカプセル充填製剤中カルシトニン総量で割った数字である。なお、HPLC における分析条件を下記に示す。
【0074】
【表12】
【0075】
この結果でも乳糖使用製剤とエリスリトール使用製剤のカプセルからの放出特性およびその後の分散性、そして担体との解離の容易さは明瞭に示された。
【0076】
〔実施例29〕 カスケードインパクターによるエルカトニン製剤評価
実施例9の方法で作成したエルカトニン-エリスリトール混合粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。各ステージに捕集された粉体重量を測定した結果、気管支または肺に相当するステージ 2〜5 には約 40% の微細粒子が捕集されていることを確認した。
【0077】
〔実施例30〕 カスケードインパクターによる成長ホルモン (GH) 製剤評価
実施例10の方法で作成した成長ホルモン (GH)-エリスリトール混合粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。各ステージに捕集された粉体重量を測定した結果、気管支または肺に相当するステージ 2〜5 には約 47% の微細粒子が捕集されていることを確認した。
【0078】
〔実施例31〕 カスケードインパクターによるシクロスポリン製剤評価
実施例11の方法で作成したシクロスポリン-エリスリトール混合粉末について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。この製剤を対象としてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。各ステージに捕集された粉体重量を測定した結果、気管支または肺に相当するステージ 2〜5 には約 40% の微細粒子が捕集されていることを確認した。
【0079】
〔実施例32〕 カスケードインパクターによる賦形剤粉砕物評価
実施例1の方法で作成した各種賦形剤粉末(乳糖,マンニトール,エリスリトール)について非帯電袋を用いて担体(Pharmatose 325M, DMV 社製)と混和し DPI 用製剤とした。
【0080】
本DPI 用製剤を対象に人工気道および肺モデルであるカスケードインパクターにて USP 記載の方法に従い分析を行い、各種サンプルの分散性および組織到達度を検討した。検討方法は実施例18に記載している内容と同様である。
賦形剤微粉化物-担体混合物のカスケードインパクターによる分析結果を図6〜8に示す(棒グラフ部位は各ステージにおける捕集量の装置総捕集量に対するパーセンテージを表し、折れ線グラフ部位は累積捕集 % を示す)。
【0081】
図6はエリスリトール混合物、図7はマンニトール混合物、図8は乳糖混合物を示すが、この結果から明らかにエリスリトールとマンニトール粉砕物は担体である乳糖との付着性が低く、その結果同担体からの解離が容易であることを見出した。特筆すべきはエリスリトールの低吸湿性であり、これによって経時的な重量変化が顕著に抑えられることも、製剤特性の向上に大きく貢献していると考えられる。
【0082】
〔実施例33〕 賦形剤の異なる酢酸ブセレリン製剤の特性
実施例4にて作成した酢酸ブセレリン含有吸入製剤についてカスケードインパクターにて分析を行い、それぞれの特性について比較検討した。基本的分析方法は実施例18と同様であるが、本検討においてはデバイスを使用した。分析に際しての変更点を下記に示す。
【0083】
カスケードインパクターでの分析の結果、表13に示すように エリスリトールを賦形剤として適用した製剤は極めてカプセルからの放出能が高く、かつ高い RF 値を示すことが明らかとなった。また、マンニトールは流動性が悪く、カプセルに残存する製剤の量が比較的多いため、 RF 値も必然的に低くなることが推測される。
【0084】
【表13】
【0085】
〔実施例34〕 賦形剤の異なるグルカゴン製剤の特性
実施例3の方法で作成したグルカゴン製剤についてカスケードインパクターによる分析を検討した。基本的な分析条件は実施例18と同様である。 RF 値とカプセル残存について表14に示す。この RF 値は各ステージに捕集された製剤中グルカゴンを HPLC にて定量し、ステージ 2〜 5 におけるグルカゴン総量をカプセル充填製剤中グルカゴン総量で割った数字である。なお、HPLC における分析条件を下記に示す。
(対象製剤)
グルカゴン-乳糖百倍散-乳糖担体混合物([微粉化物]/[325M] = 0.4)
グルカゴン-エリスリトール百倍散-乳糖担体混合物([微粉化物]/[325M] = 0.2)
(HPLC分析条件)
使用カラム: TOSO ODS-120 T (トーソー)
検出器: RF-535 (島津)
ポンプ: LC-10 AD (島津)
励起波長: 280 nm
蛍光検出波長: 346 nm
移動相流速: 1.0 mL/min
移動相: 35 % CH3CN aq (0.1 % TFA acidified)
カラムオーブン温度 : 室温
この結果でも乳糖使用製剤とエリスリトール使用製剤のカプセルからの放出特性およびその後の分散性、そして担体との解離の容易さは明瞭に示された。
【0086】
【表14】
【0087】
〔実施例35〕グルカゴン製剤類のラット肺からの吸収率
実施例3にて作製したグルカゴン-DPI 製剤および実施例14にて作製したリポソーム封入グルカゴン-DPI を下記の通り実験動物に投与し、経時的に血糖値をモニタリングした。体重 300 〜 400 g の雄性 SD ラットをネンブタール麻酔下、気道内投与デバイスにて各種グルカゴン製剤を肺内に投与した。投与後、経時的に頸静脈より約 1 mL の採血を行い、4.8 mg の EDTA (2 Na) を添加後、遠心分離処理を行い、血漿サンプルを得た。血漿は直ちに −40℃ に保存した。血漿中グルコース濃度は酵素法にて算出した。リポソームに封入していないグルカゴン-DPI の経肺投与における血糖値変化を図9(a) に示す。リポソーム封入グルカゴン-DPI の投与結果を図9(b) に示す。両者共に投与前よりも血糖値が有意に上昇しており、更に特筆すべきは図9(c) にて示されるリポソーム封入グルカゴン-DPI のより強力な効果である。
【0088】
【発明の効果】
本発明の粉末製剤は、生体内において非常に有用であるペプチド・タンパク類が特定条件下にて自己凝集を起こすことを阻害し、含量均一な製剤として提供できるのみならず、かつ当該医薬化合物の性質も損なうことなく臨床に提供され、医療経済学的な見地からもその有用性がある。
【0089】
【配列表】
【0090】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1:VIP誘導体
【図面の簡単な説明】
【図1】担体との混合前の乳糖のみの微細粒子の粒子径分布を示す。
【図2】担体との混合前のグルカゴン及び乳糖を含有する微細粒子の粒子径分布を示す。
【図3】担体(Pharmatose325M)のみの粒子径分布を示す。
【図4】微細粒子と担体(Pharmatose325M)との混合後の複合体の粒子径分布を示す。
【図5】 HPLCにおける各サンプルのグルカゴンピーク面積を示す。
【図6】エリスリトール微粉化物-乳糖担体混合物のカスケードインパクターによる分析結果を示す。
【図7】マンニトール微粉化物-乳糖担体混合物のカスケードインパクターによる分析結果を示す。
【図8】乳糖微粉化物-乳糖担体混合物のカスケードインパクターによる分析結果を示す。
【図9】グルカゴン-DPIの経肺投与における血糖値変化を示す。
(a)リポソームに封入していないグルカゴン-DPIの投与前に対する投与後(15分)の血糖値上昇率
(b)リポソーム封入グルカゴン-DPIの投与前に対する投与後(15分)の血糖値上昇率
(c)リポソームに封入していないグルカゴン-DPIとリポソーム封入グルカゴン-DPIにおける血糖値変化の比較
Claims (10)
- 粉末状薬剤と賦形剤としてエリスリトールとを含有する平均粒子径が20μm以下の微細粒子を10〜200μ m の粒径を有する乳糖担体と混和して得られる粉末製剤。
- 薬剤が分子間相互作用による自己凝集能を有するものである、請求項1記載の粉末製剤。
- 薬剤が吸湿性及び/または潮解性を有するものである、請求項1記載の粉末製剤。
- 薬剤がペプチドまたはタンパク質である、請求項1から3のいずれか1項記載の粉末製剤。
- 薬剤が脂質膜に封入された形態である、請求項1から4のいずれか1項に記載の粉末製剤。
- 粉末状薬剤とエリスリトールとの比率が1:5000〜10:1の範囲である、請求項1から5のいずれか1項に記載の粉末製剤。
- 微細粒子と乳糖担体との比率が1:100〜10:1の範囲である、請求項1から6のいずれか1項に記載の粉末製剤。
- 賦形剤としてエリスリトールを溶解した液に粉末状薬剤を溶解または懸濁し、そのままスプレードライ法にて微粉製剤化を行うか、あるいはその溶解液または懸濁液を凍結乾燥して得られる乾燥品を粉砕した後、10〜200μ m の粒径を有する乳糖担体と混合することを特徴とする、粉末製剤の製造方法。
- エリスリトールと粉末状薬剤を空気力学的粉砕器によって同時に粉砕・混合し、10〜200μ m の粒径を有する乳糖担体と混合することを特徴とする、粉末製剤の製造方法。
- 薬剤が分子間相互作用による自己凝集能を有するものである、請求項8または9に記載の粉末製剤の製造方法。
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