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JP4101050B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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  • Ink Jet (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送部材の表面上に載置されて搬送される被記録材に、インクを吐出可能な記録手段を用いて画像を記録するインクジェット記録装置に関するものである。本発明は、特に、被記録材とほぼ同じ幅の長尺のインクジェット記録ヘッドを用いて、被記録材を連続的に搬送しながらインクジェット記録ヘッドからインクを吐出することによって、高速記録が可能なインクジェット記録装置として好適である。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等における画像の記録装置としては、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材上にドットパターンから成る画像を記録するように構成されたものが知られている。このような記録装置は、その記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分けることができる。インクジェット方式は、被記録材(被記録媒体)にインクを吐出させて画像を記録するように構成されている。
【0003】
また、記録装置においては、被記録材をカセットなどの給紙位置から給紙し、さらに画像記録位置を通して排紙位置まで搬送する必要がある。その場合、被記録材の搬送は、給紙されてから画像が記録されて排紙されるまで常に一定のタイミングで制御される。特に、被記録材の給紙から画像記録までの間の搬送は、被記録材上における画像の記録位置に大きく影響するため正確であることが要求される。また、画像の記録中は、被記録材の搬送速度を一定に保つ必要があり、それが一定しない場合には、画像の倍率のズレや画像の伸び縮みが生じてしまう。特に、カラー画像などを記録するために、複数の記録ヘッド(画像記録部)を並べて用いる記録装置の場合には、それぞれの記録ヘッドによって記録する画像間にズレが生じてしまう。このズレは、カラー画像を記録するための記録装置においては、色ズレとなって現れて画像の欠陥となってしまう。
【0004】
このような不具合を防止するためには、精度よく制御された搬送手段の搬送力を被記録材に正確に伝えることが必要となる。
【0005】
このような点を考慮した被記録材の搬送系としては、従来より種々の搬送手段が提案されている。
【0006】
例えば、ローラ対によって被記録材を送り出し、その送り出された被記録材をガイドによって搬送方向に規制する方法がある。この方法は、ローラ間の圧力をもって被記録材を送り出すため、搬送力が強く、また簡単な構成によって被記録材を搬送することができる。しかし、被記録材の搬送方向上流側のローラ対と搬送方向下流側のローラ対は、搬送すべき被記録材の最小長さよりも短かい間隔で配置する必要があり、それらの配置の制約上、ハガキや名刺サイズの用紙などの短い被記録材を確実に搬送することが難しくなる。また、例えば、電子写真方式のドラムによって画像が転写された被記録材を定着位置に搬送させる場合には、その被記録材の記録面を非接触状態に保つ必要があるため、このような搬送方法は使用できない。
【0007】
このような不具合を解消するための搬送装置としては、エンドレスの搬送ベルトを使用し、静電吸着により搬送ベルトの表面に被記録材を密着させる方式の搬送装置が提案されている。
【0008】
このような静電吸着によるベルト式の搬送装置は、特に、複数の記録ヘッド(画像記録手段)を使用するカラー画像の記録装置などに用いる場合には、それぞれの記録ヘッドによる画像の記録位置を正確に定めるために、搬送ベルトの搬送速度を精密に保つことが必要となる。さらに、被記録材が搬送ベルトやドラムなどの搬送部材上にてずれたり浮いたりしないように、被記録材を搬送部材に密着させる必要がある。また、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用いる記録装置に対して、このような静電吸着によるベルト式の搬送装置を適用した場合には、被記録材の搬送不良などが生じたときに、インクジェット記録ヘッドから搬送ベルトやドラムなどの搬送部材上にインクが吐出されることがある。また、インクジェット記録ヘッドのインクの吐出特性を安定させるため、および記録速度を優先させるために、画像の記録に寄与しないインクを搬送ベルト上に吐出(予備吐出)する場合がある。搬送ベルト上に吐出されたインクは、その搬送ベルトへの被記録材の静電吸着を妨げるだけでなく、被記録材の裏面に付着して記録品位を著しく劣化させてしまうおそれがある。
【0009】
また、被記録材を搬送部材(搬送ベルトやドラムなど)の表面に静電吸着させて搬送すべく、その搬送部材の表面を絶縁体として、被記録材に電荷を注入するように構成された搬送系の場合には、導電性のインクが搬送部材に付着することにより、その搬送部材の表面抵抗が低下することがある。その場合には、電荷が漏洩するなどして被記録材の吸着力が減少し、被記録材が搬送部材の表面(案内面)から浮いて記録ヘッドに接触したり、被記録材が他のガイド部材などに突き当たったりして、搬送不良を招くおそれがある。
【0010】
特許文献1には、このような静電吸着方式の搬送系における不具合を解消するインクジェット記録装置が提案されている。かかる記録装置は、インクジェット記録ヘッドよりも被記録材の搬送方向下流側の位置に、搬送部材(搬送ベルトやドラムなど)の表面(搬送面)に接離可能なブレード部材を備え、そのブレード部材よりも被記録材の搬送方向下流側の位置に、搬送部材の表面(搬送面)に接離可能なインク吸収部材を備えている。そして、インクジェット記録ヘッドによって被記録材の画像記録面に画像を記録する際には、制御手段の制御によってブレード部材を搬送部材の表面から離間させ、一方、搬送部材の表面をクリーニングする際には、制御手段の制御によってブレード部材とインク吸収部材を搬送部材の表面に接触させる。制御手段の前者の制御は、画像記録時における被記録材の搬送負荷を低減させ、その搬送速度を高精度に維持して、記録画像の伸びや縮みや画像ずれを防止するためのである。また、制御手段の後者の制御は、被記録材を静電吸着する搬送部材の表面を確実にクリーニングしつつ、搬送部材の高い搬送精度を維持するためである。
【0011】
また、特許文献2には、インクの電気抵抗値よりも高い電気抵抗値の液体を用いて、清掃部材により静電吸着式の搬送部材を清掃するインクジェット記録装置が提案されている。このような電気抵抗値の高い液体を用いての清掃は、搬送部材の表面(被記録材の案内面)の清掃能力を向上させ、記録装置の信頼性および記録画像の品質を向上させ、加えて、搬送部材の表面の絶縁性低下による静電吸着力の低下を阻止して、被記録材の搬送不良を防止することを目的としている。
【0012】
さらに、特許文献3には、静電吸着式の搬送部材を清掃するための他の構成の清掃手段が記載されている。その清掃手段は、搬送ベルトなどの搬送部材における表面(被記録材の案内面)と対向する位置に、その搬送部材の表面上のインクを吸収するインク吸収体と、そのインク吸収体に吸収されたインクを吸引するインク吸引手段とを備えている。インク吸収体は、被記録材の搬送方向に並ぶ複数の記録ヘッドと等しい数だけ備えられ、被記録材の搬送方向に沿って記録ヘッドと交互に並び、かつ対応する記録ヘッドよりも被記録材の搬送方向下流側に位置して搬送部材の表面と対向する。また、搬送部材を洗浄する洗浄液を含浸した含浸材を搬送部材の表面に押圧して、その洗浄液を搬送部材の表面に塗布可能な洗浄液塗布手段と、その洗浄液を供給する洗浄液供給手段を備えた構成も提案されている。インクジェット記録ヘッドのインクの吐出状態を良好に保つために搬送部材上に予備吐出されたインクは、それが乾燥して固着する前に、搬送部材上から拭き取られる。
【0013】
【特許文献1】
特許第2867167号公報
【0014】
【特許文献2】
特許第2873879号公報
【0015】
【特許文献3】
特開2000−127362号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のインクジェット記録装置には、次のような問題があった。
【0017】
特許文献1には、インクジェット記録ヘッドよりも被記録材の搬送方向下流側において搬送部材の表面(搬送面)に接離可能なブレード部材と、そのブレード部材よりも被記録材の搬送方向下流側において搬送部材の表面に接離可能なインク吸収部材とによって、搬送部材に付着したインクを除去することが記載されているだけである。そのため、ブレード部材およびインク吸収部材に付着したインクの除去方法、あるいは、長時間使用した場合のクリーニング性能の低下を防止するためのインク吸収部材のリフレッシュ方法については、何ら考慮されていない。また、乾いた状態のブレード部材およびインク吸収体によっては、搬送部材上に付着して乾燥したインクを完全に除去することは不可能であり、長時間使用した際の信頼性が十分ではなかった。
【0018】
また、特許文献2には、インクよりも電気抵抗の大きいシリコンオイル等の液体を含浸させたフェルト、多孔質部材、布、紙などの清掃部材を用いて、搬送部材を清掃することが記載されているだけである。そのため、清掃部材への液体の供給方法、あるいは、長時間の使用によりインクあるいは紙粉などが付着した際の清掃部材の性能低下を防止するためのリフレッシュ方法については、何ら考慮されていない。したがって、長時間使用した際の信頼性が十分ではなかった。
【0019】
さらに、特許文献3には、インク吸収体に吸収されたインクを吸引する吸引手段と、そのインク吸収体への洗浄液の供給手段が記載されてはいるものの、洗浄液を供給する際に、その過剰な供給によって搬送部材上に洗浄液が垂れ落ちてしまうおそれがある。また、洗浄液が垂れ落ちるほどではなくてもインク吸収体に洗浄液を供給し過ぎた場合には、搬送部材上に洗浄液が残留したままとなり、それが被記録材の裏面に付着したり、吸着力の低下を招くおそれがあった。さらに、高速記録を行うためには、連続的に搬送する被記録材同士の間隔はできるだけ小さいことが望ましい。その場合、被記録材を避けてインク吸収体を搬送部材に接触させるためには、インク吸収体を短時間で上下動させて、そのインク吸収体と搬送部材との接離を被記録材が通過する毎に繰り返すことが必要となる。このような高速の繰り返し動作をするための機構は、その動作音が大きくなり、また長時間安定した動作を実現することが難しい。
【0020】
また、耐インク性を有する最適な材料として、インク吸収体に用いられるポリウレタン多孔質体(製品名:ルビーセル トーヨーポリマー製)は、インクや水などの液体吸引能力に優れるものの、完全に乾燥した状態では水やインクなどの液体を表面ではじいてしまい、本来の吸液能力が発揮できなくなることを発明者らは見出した。このように、インク吸収体が完全に乾燥した状態では、それを搬送部材に接触させて搬送部材上のインクを除去しようとしても、その搬送部材上のインクはインク吸収体にほとんど吸収されずに残ってしまう。さらに、完全に乾燥したインク吸収体に洗浄液を供給したとしても直ぐには吸液せずに不完全な吸液状態となり、部分的に乾燥したままとなって搬送部材上のインクを吸引できない部分が残ってしまうおそれがある。これを防止するためには大量の洗浄液をインク吸収体に供給することが必要となり、また、インク吸収体における十分な吸液のために多くの時間を要することになる。
【0021】
さらに、発明者らは、1分間当たりの記録速度がA4の記録用紙で60枚となるような高速記録を行う場合に、洗浄液が供給されたインク吸収体から洗浄液を吸引し、そのインク吸収体が含有する洗浄液量を減じて吸液力を高めたとしても、搬送部材が約300mm/sの高速でインク吸収体と接触したときに、インク吸収体内にわずかに残った洗浄液が搬送部材側に引き出されてしまうことを見出した。すなわち、通常の状態では吸液力を有するインク吸収体であっても、高速に移動する搬送部材の表面に接触したときには、その搬送部材の高速移動のために、インク吸収体内にわずかに残っている洗浄液が搬送部材側へ逆に付着してしまう。このような搬送部材側への洗浄液の付着は、記録紙などの被記録材の裏面を著しく汚したり、また搬送部材による被記録材の吸着力の低下を招き、被記録材が搬送部材から浮き上がってインクジェット記録ヘッドに接触して擦れたり、被記録材の搬送不良により記録品位が低下するおそれがあった。
【0022】
本発明の目的は、被記録材が載置される搬送部材の表面上からインクなどの異物を確実に除去して、それらの異物に起因する被記録材の汚れや搬送部材の表面上における被記録材の位置ずれを防止することにより、搬送部材による被記録材の高速搬送を図りつつ、高品位の画像を記録することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、搬送方向に移動する搬送部材の表面上に載置されて記録位置に搬送される被記録材に対して、インクを吐出可能な記録手段を用いて画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記搬送部材の表面に接する清掃部材と洗浄液を用いて前記搬送部材の表面を清掃する清掃手段と、前記清掃手段が前記搬送部材の表面を清掃しないときに前記清掃部材の乾燥を防止する乾燥防止手段と、を備え、前記清掃部材は前記洗浄液を吸収可能な多孔質体からなり、前記清掃手段は、前記清掃部材に前記洗浄液を供給する供給手段と、前記清掃部材に吸収されている前記洗浄液の量を減ずるために前記清掃部材から前記洗浄液を吸引する吸引手段と、を備え、前記供給手段における前記洗浄液の供給経路と、前記吸引手段における前記洗浄液の吸引経路との少なくとも一部が共通であることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置において、記録紙(被記録材)を搬送するための搬送ベルト近傍部分の斜視図である。また、図2は、その搬送ベルトの清掃状況を説明するための要部の斜視図である。
【0025】
本実施形態のインクジェット記録装置は、主として、記録紙を静電気により搬送ベルト1に吸着して搬送する用紙搬送系と、フルラインマルチヘッド系と、ベルト清掃系とによって構成される。用紙搬送系において、2は、搬送ベルト1を駆動する駆動ローラ、3は、搬送ベルト1の移動に伴って従動回転する従動ローラ、4は、駆動ローラ2と従動ローラ3の間にて搬送ベルト1が弛まないようにテンションを与えるためのテンションローラであり、これらのローラ2,3,4の間に搬送ベルト1が巻き掛けられている。フルラインマルチヘッド系において、6〜11は、図示しないヘッド枠体に保持された長尺のインクジェット記録ヘッド(以下、「フルラインヘッド」ともいう)であり、これらのヘッド6〜11から、図1中の矢印方向に搬送される記録紙にインクを吐出することによって記録を行う。ベルト清掃系は、搬送ベルト1に付着したインクを拭き清掃するベルトクリーニングユニット5を含む。
【0026】
フルラインヘッド6〜11は、記録紙の幅方向における記録領域の全域に渡って延在する長尺なインクジェット記録ヘッドであり、記録紙の搬送方向と交差する方向(通常は直交する方向)に、吐出口からインクを吐出可能な多数のノズルが設けられている。インク吐出口からインク滴を吐出するためには、ピエゾ素子や電気熱変換体を用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、それが発生する熱エネルギーによって、インク吐出口に連通するインク流路内のインクを沸騰させ、そのときの発泡エネルギーを利用してインク吐出口からインク滴を吐出することができる。
【0027】
フルラインヘッド6〜11を保持する図示しないヘッド枠体は、不図示のモータにより上下方向に移動される。記録を行わないときは、フルラインヘッド6〜11が搬送ベルト1から離れた上方に移動して退避し、フルラインヘッド6〜11と搬送ベルト1との間に図示しないキャップユニットが位置して、フルラインヘッド6〜11のノズルを乾燥させないように、キャップユニットがフルラインヘッド6〜11をキャップする。ヘッド11はブラック1(Bk1)インク吐出用のヘッド、ヘッド10はブラック2(Bk2)インク吐出用のヘッド、ヘッド9はAMM(インク定着を促進して記録品位を向上させるためのインク:記録品位向上液)吐出用のヘッド、ヘッド8はマゼンタ(M)インク吐出用のヘッド、ヘッド7はシアン(C)インク吐出用のヘッド、ヘッド6はイエロー(Y)インク吐出用のヘッドである。これらのヘッドは、11,10,9,8,7,6の順に、搬送ベルト1の用紙搬送方向(図1中の矢印方向)に沿って、その搬送方向上流側から下流側に並んでいる。
【0028】
ベルトクリーニングユニット5は、図1および図2に示すように、駆動ローラ2の回転軸に沿って位置する形態となっている。ユニット5において、22は、ポリウレタン多孔質体で構成される洗浄液の吸収体であり、本実施形態では製品名ルビーセル(トーヨーポリマー製)を用いることによって、吸液性とインクに対する耐性をもたせている。この吸収体22は、吸液性とインクに対する耐性を有するものであればよく、この材質に限定されるものではない。
【0029】
吸収体22は、図5にも示すように、吸収体ホルダ20と吸収体押え21との間に挟み込まれて、ビス25により固定されている。吸収体ホルダ20の両端には軸23a、23bが設けられており、搬送ベルト1に対し吸収体22が接触する位置(図2参照)と、それが接触しない位置(図3参照)との間にて回転可能となるように支持されている。
【0030】
図2に示すように、搬送ベルト1に吸収体22が接するときは、搬送ローラ2との間で搬送ベルト1を挟み込む。搬送ベルト1に対する吸収体22の接触幅は、搬送べルト1の幅より若干狭く、かつ、フルラインヘッド6〜11のインクを吐出可能な幅(ノズル列の長さ)よりも広い。また、この接触位置における吸収体22は、搬送ローラ2および搬送ベルト1側と、吸収体押え21の端面側との間にて、若干潰されるようになっている。また、一方の軸23a側から吸収体ホルダ20のほぼ全幅に渡るような穴24が明けられており、この穴24を通じて、吸収体22への洗浄液の供給と吸引が行われる。
【0031】
吸収体22の下方には、図2に示すようにキャップ31が配置されている。このキャップ31は、図示しない機構により、図3の位置と図4の位置との間にて上下動可能に支持されている。キャップ31は、耐インク性のあるゴム(塩素化ブチルゴム)からなり、図7に示すように、吸収体22を完全に覆うことができるように構成されている。すなわち、キャップ31の長さは、フルラインヘッド6〜11のノズル列方向における吸収体22の長さよりもわずかに長く、キャップ31の幅は、記録紙の搬送方向における吸収体22の幅よりもわずかに大きく、キャップ31の深さは、吸収体22が吸収体ホルダ20から突出している部分の長さよりもわずかに大きい。このような断面凹状のキャップ31は、その剛性を保つために、その周囲に接着されたキャップ枠30によって覆われている。さらに、キャップ31の一端には穴32が設けられており、この穴32によって、吸収体22への洗浄液の供給と吸引が可能となっている。
【0032】
吸収体22よりも記録紙の搬送方向下流側の位置には、搬送ベルト1上の液体を払拭するためのブレード部(図2および図6参照)が備えられている。
【0033】
ブレード部において、41は、ウレタンゴムからなるゴムブレード41である。本例のゴムブレード41は厚さが約1.5mmの板状であり、搬送ベルト1の幅方向における幅は、搬送ベルト1の幅よりも若干狭く、かつ搬送ベルト1の幅方向における吸収体22の幅より若干広い。ゴムブレード41は、図6に示すように押え板43に接着されてブレードベース40と押え板43との間に挟まれるように配置され、そしてビス42によって高さが調整された後、ビス44によってブレードベース40に固定される。ブレードベース40は、ベルトクリーニングユニット5の図示しないフレームに固定される。ベルトクリーニングユニット5が記録装置に装着されたとき、ゴムブレード41は、搬送ベルト1の表面とほぼ60°の角度をなすように配置される。また、ベルトクリーニングユニット5は、ゴムブレード41の先端を搬送ベルト1の表面に対して1mm程度押し込むように配置され、搬送ベルト1が回転しても搬送ベルト1の表面とゴムブレード41の先端とが離れない位置関係となっている。
【0034】
図8は、吸収体22への洗浄水の供給と吸引を行うための洗浄液供給・吸引機構の説明図である。洗浄液供給・吸引機構は、主に、タンク50と、ポンプ51と、四方弁52と、これらに接続されるチューブとによって構成される。
【0035】
タンク50内には、吸収体22を洗浄するための洗浄液(本例では純水)53が収容される。チューブ60は、その先端がタンク50内の洗浄液53に完全に沈められるように配置されている。チューブ60の基端は四方弁52に接続されている。その四方弁52は、洗浄液53の供給時には図8中52aの位置に切換えられ、また洗浄液53の吸引時には図8中の52bの位置に切換えられる。
【0036】
四方弁52が供給時の位置52aに切換えられているときは、チューブ60がチューブ61の一端に接続される。チューブ61の他端はポンプ51の入口側に接続されている。ポンプ51はダイヤフラムを用いたポンプであり、図8中の矢印方向に液体や気体を搬送する。ポンプ51の出口側にはチューブ62の一端が接続され、そのチューブ62の他端は四方弁52aに接続されている。また、四方弁52が供給時の位置52aのときは、チューブ62とチューブ63の一端とが接続される。チューブ63の他端は、吸収体ホルダ20の端部に設けられた穴24に対して、図示しないチューブ継手を介して接続されている。
【0037】
一方、四方弁52が吸引時の位置52bに切換えられたときは、チューブ60と62とが接続され、チューブ61と63とが接続される。
【0038】
このように、四方弁52を切換えることによって、タンク50内の洗浄液53を吸収体22へ供給したり、吸収体22内の洗浄液53を吸引することが可能となる。そして、吸収体22における洗浄液53の吸収量を調整することにより、吸収体22から洗浄液53を垂れ落とすことなく、その吸収体22を搬送ベルト1の表面に接触させることが可能となる。
【0039】
同様に、キャップ31内に溜まった洗浄液の吸引と、吸収体22を洗浄するための洗浄液をキャップ31内に供給可能な洗浄液供給・吸引機構が構成されている。
【0040】
すなわち、キャップ31の端部の穴32には、図示しないチューブ継手を介してチューブ68の一端が接続され、そのチューブ68の他端は四方弁57に接続されている。四方弁57は、洗浄液53の吸引時には図8中57aの位置に切換えられ、また洗浄液53の供給時には図8中52bの位置に切換えられる。
【0041】
四方弁57が吸引時の位置57aに切換えられているときは、チューブ68とチューブ66の一端とが接続される。チューブ66の他端はポンプ56に接続されている。ポンプ56はポンプ51と同じ形態のダイヤフラムポンプであり、図8中の矢印方向に液体や気体を搬送する。ポンプ56の出口側にはチューブ67の一端が接続され、そのチューブ67の他端は四方弁57aに接続されている。四方弁57が吸引時の位置57aのときは、チューブ67とチューブ65とが接続される。そのチューブ65の先端は、タンク55の内側に導かれている。
【0042】
一方、四方弁57が供給時の位置57bに切換えられたときは、チューブ65と66とが接続され、チューブ67と68とが接続される。
【0043】
このように、四方弁57を切換えることによって、キャップ31内から洗浄液53を吸引してタンク55内に回収したり、タンク55内の洗浄液53をキャップ31内に供給することができる。キャップ31上に位置する吸収体22に洗浄液53を供給したときに、その吸収体22において吸収しきれなかった洗浄液53が吸収体22から垂れ落ちた場合には、その洗浄液53をキャップ31内に全て収容する。そのキャップ31内に収容した洗浄液は、ポンプ56によってタンク55内に回収する。
【0044】
次に、記録紙にインクを吐出して記録を行うときの動作について説明する。
【0045】
通常のインクジェット記録装置は、それが長時間使用されないときは、記録ヘッドのノズルの形成面(「ノズル面」ともいう)をキャッピングする。記録装置が長時間使用されないときは、ノズル内のインクが乾燥し、それがノズル内で固着して、記録ヘッドのインクの不吐出が生じるおそれがあるため、このようなインクの不吐出が生じることを防止するためにノズル面をキャッピングする。
【0046】
本例のインクジェット記録装置も同様に、ヘッド6〜11を対応するキャップによってキャッピングする。また、ヘッド6〜11がキャッピングされたまま放置されて長期間使用されなかった場合には、記録動作を行う前に、ヘッド6〜11のインクの吐出状態を良好に維持するための回復動作を行って、画像の記録に寄与しないインクをノズルから排出させる。その回復動作においては、例えば、ヘッド6〜11内のインクをポンプによりノズルから押し出したり、キャップ内に負圧を導入することによってノズルからインクを吸引する。その後、ノズル面に付着して残ったインクを払拭するワイピング動作を行い、ノズル面からインク滴を完全に除去する。そして、その後に記録紙への記録動作を開始する。
【0047】
記録紙への記録を開始後は、全てのノズルがインクを吐出するわけではなく、記録される画像に応じて、インクを吐出するノズルとインクを吐出しないノズルが存在する。連続して複数枚の記録紙に同一画像を記録する場合には、インクを吐出するノズルに特に問題は生じない。しかし、複数毎の記録紙に対する記録の間にインクを吐出しなかったノズルがその後に初めてインクの吐出するときには、その最初の数発分のインク滴が吐出できなかったり、真っ直ぐに吐出されずに斜めに吐出されるヨレと呼ばれる現象が生じることがある。その原因としては、ノズル内のインクの水分量が蒸発により減少して、そのインクの粘度が増加したことが考えられる。このようなインクの不吐出やヨレは、最初の数発分のインク滴の吐出時に発生し、その後は通常の吐出状態に戻ることが知られている。したがって、実際に記録紙への記録の開始前に、記録紙以外の場所へ画像の記録に寄与しないインクを数発から数10発吐出(「予備の吐出動作」ともいう)し、正常なインク吐出状態としてから記録紙への記録を開始する。
【0048】
また、記録速度を落とさないために、記録紙と記録紙との間における搬送ベルト1上の位置に向かって予備の吐出動作を行う。具体的には、記録紙を1枚記録する毎、あるいは、記録紙を複数枚記録する毎に1回の予備の吐出動作を行って、全フルラインヘッド6〜11の全ノズルから10発ずつ程度のインク滴を搬送ベルト1上の位置に吐出させる。
【0049】
搬送ベルト1上に吐出されたインクを放置した場合には、記録紙の裏面にインクが付着して汚れるだけではなく、搬送ベルト1上の表面抵抗が低下することによって、記録紙を静電気により吸着させる吸着力が弱くなり、記録紙の搬送精度の悪化による記録品位の低下を招いてしまう。そこで、搬送ベルト1の搬送方向下流側に位置するベルトクリーニングユニット5によって、搬送ベルト1上に吐出されたインクを除去する。
【0050】
以下、ベルトクリーニングユニット5の動作について説明する。
【0051】
記録装置が記録動作を行っていないときは、図4に示すように、クリーニングユニット5の吸収体22がキャップ31によって覆われて、吸収体22の乾燥が防止されている。この時、吸収体22は適度に吸液した状態で保たれる。記録をするための信号が記録装置に入力されたときは、図3に示すように、キャップ上下機構によって、キャップ31が吸収体22から遠ざかる方向に移動される。次に、図2に示すように、吸収体ホルダ20が図示しない回転機構によって軸23を中心として回転し、吸収体22の側面が搬送ベルト1の表面に接触する。このとき、ゴムブレード41は、その先端が搬送ベルト1の表面に接触したままである。
【0052】
記録動作を開始すると搬送ベルト1が回転を始める。本例においては、A4サイズの記録紙を1分間に60枚記録するために、搬送ベルト1の移動速度を300mm/sとしている。搬送ベルト1上における搬送方向下流側の記録紙の後端と、搬送方向上流側の次の記録紙の先端との間隔は90mmである。複数毎の記録紙に対して連続的に記録動作を行うときには、その90mmの記録紙同士間に位置する搬送ベルト1の表面上に、上述した予備の吐出動作を行う。この予備の吐出動作時におけるインクの吐出回数などは、記録装置の配置環境などに応じて最適に設定する。例えば、高温低湿で乾燥しやすい状況下や、低温でインクの粘度が高くなっている状況下においては、記録紙1枚毎における記録紙相互間の搬送ベルト1上にインク滴を10発ずつ吐出する。また、25℃、50%程度の温湿度の通常のオフィスなどの環境下においては、記録紙5枚毎における記録紙相互間の搬送ベルト1上にインク滴を5発程度ずつ吐出する。
【0053】
記録済みの記録紙が搬送ベルト1上から離されて、予備の吐出動作によってインクが吐出された搬送ベルト1の部分がクリーニングユニット5の位置を通過する際には、図2のように搬送ベルト1に接する吸収体22によって、その搬送ベルト1上のインクの一部が吸収される。しかし、搬送ベルト1上の多くのインクは、搬送ベルト1上に残る。すなわち、適度に吸液した吸収体22からは、高速で移動する搬送ベルト1との接触によって洗浄液が引き出される。そのため、搬送ベルト1上の多くのインクは、吸収体22から引き出された洗浄液とが交じり合って搬送ベルト1上に残る。このとき、搬送ベルト1上の洗浄液の量は、搬送ベルト1上のインクの量に対して数倍から数10倍となる。このように大量の洗浄水で薄められた搬送ベルト1上のインクは、吸収体22よりも搬送方向下流側にあるゴムブレード41によって払拭される。
【0054】
このように、搬送ベルト1上に洗浄液である純水を供給して、その搬送ベルト1上のインクの濃度を大幅に薄めることによって、300mm/sの高速に移動する搬送ベルト1上のインクであってもゴムブレード41によって確実に払拭することができた。ちなみに、搬送ベルト1上に洗浄水が存在せずにインクのみを存在させた場合には、そのインクが極めて微量であるために、その搬送ベルト1上のインクがその吐出位置からクリーニング位置に搬送されてくるわずかの時間内であっても、そのインク中の水分の蒸発が進行して搬送ベルト1上にこびり付いてしまい、そのインクをゴムブレード41のみによって確実に払拭することはできなかった。
【0055】
したがって、本例のように、搬送ベルト1上に洗浄液を積極的に供給して、予備の吐出動作によって搬送ベルト1上に吐出されたインクを確実に除去することにより、インクが吐出された搬送ベルト1上の位置に次の記録紙を吸着する場合であっても、記録紙の裏汚れや、記録紙の吸着不良による記録品位の低下を防止することができる。
【0056】
一連の記録動作が終了した後は、搬送ベルト1が回転を停止し、吸収体ホルダ20が図3に示す位置にまで回転し、吸収体22が搬送ベルト1から離れる。この状態において、四方弁52を図8に示すような供給時の位置52に切換えて、ポンプ51を数秒間動作させる。これにより、タンク50内の洗浄液である純水53は、チューブ60,61,62,63と、吸収体ホルダ20を介して吸収体22へ供給され、吸収体22の洗浄動作が行われる。この結果、吸収体22に吸収されたインクや、吸収体22を搬送ベルト1に接触させて回転させたときに吸収体22に付着した紙粉などの不要物が吸収体22から洗い流される。
【0057】
この時、キャップ31は、図3のように吸収体22の直下に位置しているため、吸収体22から流れ落ちる洗浄液を全て回収する。さらに、四方弁57を図8のような吸引時の位置57aに切換えて、ポンプ56を動作させることにより、キャップ31内に回収された洗浄後の洗浄液をチューブ68,66,67,65を介してタンク55内に回収する。したがって、吸収体22を洗浄する際にも記録装置内が洗浄液によって汚されることはない。
【0058】
このようにして吸収体22を洗浄した後には、吸収体22に含まれる洗浄液を若干量吸引する。すなわち、四方弁52を吸引時の位置52bに切換えてから、ポンプ51を一定時間動作させることにより、吸収体22に含まれる洗浄液をチューブ63,61,62,60を介してタンク50内に吸引排出する。このような吸引動作後における吸収体22の吸液量は、それがフルに吸液した状態に対して半分以上の吸液量であることが望ましい。このように吸収体22から若干量の洗浄液を吸引することにより、吸収体22が後に搬送ベルト1に接触したときに、その吸収体22から洗浄液が垂れ落ちることを防止することができる。仮に、吸収体22を洗浄した後、その吸収体から洗浄液を吸引せずに、次の記録動作を再開しようとした場合には、図2のように吸収体22が搬送ベルト1に接触して折り曲げられたときに、吸収体22に吸収されていた洗浄液が絞られて垂れ落ちるおそれがある。
【0059】
このようにして吸収体22の洗浄と吸引動作を行った後は、図4に示すようにキャップ31を上昇させて吸収体22をキャップし、吸収体22の乾燥を防ぐ。したがって、次の記録動作までに吸収体22を吸湿状態のまま保つことができ、次の記録動作時にも搬送ベルト1上のインクを良好に洗浄することができる。
【0060】
以上のように、フルラインヘッド6〜11の予備の吐出動作によって搬送ベルト1上に吐出されたインクは、クリーニングユニット5によって確実に拭き取られる。したがって、搬送ベルト1が1回転して次の記録紙を吸着するときに、その記録紙の裏面にインクが付着することはない。また、搬送ベルト1における記録紙の吸着能力を低下させることがなく、記録紙の搬送精度の低下による記録品位の低下も防止することができる。
【0061】
また、キャップ31などの乾燥防止手段によって吸収体22の乾燥を防止することにより、搬送ベルト1上に吐出されたインクなどの異物を安定的に除去することができる。したがって、記録装置が長時間使用された際や長期間放置された後であっても、吸収体22と洗浄液を用いて搬送ベルト1上からインクなどを異物を確実に除去することことができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、図9、10を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。
【0063】
本実施形態における記録装置の基本構成は、前述した第1の実施形態の記録装置と同様であるため、その説明は省略する。また、搬送ベルト1上に吐出されたインクを除去するためのクリーニングユニット5の構成において、前述した第1の実施形態と同様の部分についての説明は省略する。
【0064】
本実施形態においては、図9に示すように、タンク50と吸収体22との間に洗浄水の供給系のみが構成されており、前述した第1の実施形態における洗浄水の吸引系、つまり図8中における洗浄水吸収体22からタンク50への洗浄水の吸引系が省略されている。また、搬送ベルト1への洗浄液の供給時には、図10に示すように、吸収体22の端部の角部分をわずかに搬送ベルト1へ接触させるのみとした。このように、吸収体22を搬送ベルト1にわずかに接触させることにより、吸収体22は大きな変形を伴って搬送ベルト1に押し付けられることがなく、その押し付け動作によって吸収体22から洗浄液が漏れることはない。このように構成した場合であっても、搬送ベルト1に対して吸収体22が接触することにより、前述した第1の実施形態と同様に、吸収体22の含有する洗浄液が高速移動する搬送ベルト1側へ供給され、搬送ベルト1上に付着するインクの濃度を大幅に薄めることが可能である。この結果、搬送方向下流側のゴムブレード41によって、搬送ベルト1上のインクを確実に払拭することができる。
【0065】
本実施形態においては、吸収体22の広い範囲に渡って、それを搬送ベルト1に押し付けていないため、搬送ベルト1を回転させるための駆動トルクを減少させることが可能となり、また、より高精度の記録紙搬送を実現することができる。さらに、洗浄水吸収体22への洗浄水の供給機構がより簡単化できるため、装置のコストダウンと小型化を実現することができる。
【0066】
(第3の実施形態)
次に図11を用いて本発明の第3の実施形態について説明する。
【0067】
本実施形態において、搬送ベルト1上に吐出されたインクを洗浄するための洗浄液は、第7のフルラインヘッド12によって搬送ベルト1上に供給される。その洗浄液の供給量は、前述した予備の吐出動作によって搬送ベルト1上に吐出されるインク量の数倍から数十倍とする。洗浄液供給用の第7のフルラインヘッド12は、他のフルラインヘッド6〜11と同様の構成として、インクの代わりに洗浄液をノズルから吐出させることができる。クリーニングユニット5は、前述した第1,第2の実施形態と同様に、洗浄水吸収体22とゴムブレード41を配置した構成とする。本実施形態における吸収体22は、搬送ベルト1上に付着する紙粉やごみなどをゴムブレード41の手前側にて回収できるものであればよく、前述した実施形態のような多孔質吸収体でなくてもよい。
【0068】
このように構成することによって、予備の吐出動作を行ったときのみにヘッド12から洗浄液を供給することができる。また、洗浄液の供給量を正確に計量することができるため、必要最小限の量の洗浄液を供給して洗浄液の使用量を大幅に削減することができる。また、クリーニングユニット5に配置した吸収体22にも洗浄液が吸収されるため、洗浄液を供給するフルラインヘッド12は、多少のノズルに洗浄液の不吐出が生じてもあまり問題にはならない。そのため、通常のインク吐出用のヘッドとしては不良品となるようなフルラインヘッドであっても洗浄液供給用のヘッド12として使用することができ、装置のコストアップを抑えることができる。
【0069】
また、本実施形態では、洗浄液の供給手段として、実際の記録に使用するインク吐出用のフルラインヘッドを用いた。しかし、洗浄液の供給手段としては、洗浄液を供給可能なものであればこれに限定されるものでなく、短い長さのインク吐出用のインクジェットヘッドを搬送ベルト1の幅方向に複数本並べて、それらのヘッドから洗浄液を吐出するようにしてもよい。また、より多くの洗浄液を供給可能なように、吐出量の大きなインクジェットヘッドを用いてもよい。また、搬送ベルト1の幅方向に沿ってライン状に洗浄液の微小液滴を噴霧するようなスプレーノズルを用いてもよい。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、図12,13,14を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0071】
本実施形態においては、吸収体として、図12に示すようなローラ状の吸収体27を用いる。吸収体27は、第1の実施形態における吸収体と同様に多孔質吸収体によって構成され、かつ軸26の周りにローラ状に形成されている。軸26は図示しない回転駆動機構に連結されており、その軸26を中心として吸収体27が回転可能となっている。軸26は、図示しない別の駆動機構によって、図12に示すような位置と図13に示すような洗浄液受け35内の位置との2つの位置に移動される。洗浄液受け35の中には洗浄液が供給される。
【0072】
洗浄液受け35には、ヒンジ部37を回転中心として回転可能な洗浄液受けキャップ36が設けられている。洗浄液受け35と洗浄液受けキャップ36の双方には、軸26と干渉しないように、溝39a,39b,39cが形成されている。洗浄液受けキャップ36において、溝39cが形成された側部と反対側の側部にも溝39cと同様な溝が形成されている。また、洗浄液受け35の一側には穴38が設けられており、この穴38は、図示しないチューブ継手を介して、第1の実施形態と同様に図8中のチューブ68に接続されている。したがって、第1の実施形態と同様に、タンク55内の洗浄液を洗浄液受け35へ供給することができる。また、図示しない液面検知センサにより洗浄液受け35内の洗浄液の液面を検知し、洗浄液受け35内の洗浄液の量が少なくなってきたときに、ポンプ56によって洗浄液を供給するようになっている。また、洗浄液受けキャップ36は、図14に示すようにヒンジ部37を中心として回動することにより、洗浄液受け35との間に軸26を挟み込むようにして、洗浄液受け35内に吸収体27全体を密閉する。
【0073】
記録動作を行うときには、図12に示すように、搬送ベルト1の表面に吸収体27を接触させる。吸収体27は、搬送ベルト1が回転しても追従回転しないように図12の位置に固定しておく。吸収体27は、予め、洗浄液受け35の中において洗浄液を吸収しており、搬送ベルト1の高速回転により、吸収体27に吸収されている洗浄液が搬送ベルト1上へ供給される。大量の記録紙に対して連続的に記録を行う場合には、一定時間が経過する毎に、吸収体27を図示しない回転駆動機構により軸26を中心としてわずかに図中の反時計方向に回転させて、吸収体27の別の面を新たに搬送ベルト1の表面に接触させる。これにより、吸収体27の表面に溜まった紙粉やごみなどを搬送方向下流側のゴムブレード41の方へ流すことなく、吸収体27の新しい面から洗浄液を供給することができる。
【0074】
一連の記録動作が終了した後は、図13に示すように、吸収体27は、軸26が溝39a、39b内にはまるように移動し、吸収体27の下側部分が洗浄液受け35内の洗浄液に漬かる。この状態のまま、図示しない回転機構により軸26と共に吸収体27を回転させることによって、吸収体27の表面に付いた紙粉やごみなどを洗い流す。また同時に、吸収体27へ洗浄液が供給される。
【0075】
このような洗浄動作が終了した後、次の記録動作を行わないときは、図14に示すように、洗浄液受けキャップ36によって、吸収体27を内在させるように洗浄液受け35を密閉して、洗浄液の蒸発を防止する。次の記録動作を行うときは、図13のように洗浄液受けキャップ36を開けてから、図12のように吸収体27を搬送ベルト1に接触させることによって、搬送ベルト1上のインクのクリーニング動作を行うことができる。
【0076】
以上のように、吸収体をローラ状に構成することによって、大量の記録紙に連続的に記録を行う場合であっても、搬送ベルト1に接する吸収体の面を次々とずらすことができる。したがって、長期間に渡って吸収体から搬送ベルト1へ洗浄液を確実に供給することができ、その供給が途切れてしまうまでの長期間において、より多くの記録紙に対する高精度の記録を続けることができる。また、吸収体において紙粉やごみなどが溜まっていく面も次々と変更可能であるため、これらの異物は搬送方向下流側に流れることがなく、ゴムブレード41はより確実に洗浄液を払拭することができる。
【0077】
(第5の実施形態)
本実施例の場合は、前述した第1の実施形態において記録動作の速度を変更した。すなわち、A4サイズの記録紙を1分間に30枚記録するために、搬送ベルト1の移動速度を150mm/sとした。搬送ベルト1上における先の記録紙の後端と次の記録紙の先端との間隔は90mmである。複数枚の記録紙に対して連続的に記録動作を行うときには、その90mmの記録紙同士間に位置する搬送ベルト1の表面上に、上述した予備の吐出動作を行う。この予備の吐出動作時におけるインクの吐出回数などは、記録装置の配置環境などに応じて最適に設定する。例えば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、高温低湿で乾燥しやすい状況下や、低温でインクの粘度が高くなっている状況下においては、記録紙1枚毎における記録紙相互間の搬送ベルト1上にインク滴を10発ずつ吐出する。また、25℃、50%程度の温湿度の通常のオフィスなどの環境下においては、記録紙5枚毎における記録紙相互間の搬送ベルト1上にインク滴を5発程度ずつ吐出する。
【0078】
記録済みの記録紙が搬送ベルト1上から離されて、インクが吐出された搬送ベルト1上の部分がクリーニングユニット5の位置を通過する際には、適度な吸湿状態の吸収体22によって搬送ベルト1上のインクが吸収されて、そのインクが搬送ベルト1上から除去される。搬送ベルト1上から除去しきれなかったインク、および吸湿状態の吸収体22から搬送ベルト1上に供給された洗浄液である純水は、搬送方向下流側のゴムブレード41によって搬送ベルト1上から掻き取られる。そのため、搬送ベルト1上のインクや洗浄液は、ゴムブレード41よりも搬送方向下流側に達することはない。
【0079】
したがって、前述した第1の実施形態の場合と同様に、インクが吐出された搬送ベルト1上の位置に次の記録紙を吸着する場合であっても、記録紙の裏汚れや、記録紙の吸着不良による記録品位の低下を防止することができた。また、吸収体22を洗浄する際に、記録装置内に洗浄液を漏れるおそれもない。さらに、記録動作を行わないときには、吸収体22を適度な吸湿状態のまま保つことができる。そのため、次の記録動作を行うときにも、時間をロスすることなくクリーニング動作可能な状態とすることができ、しかも洗浄液の使用量を少なく抑えて洗浄水用タンクを小型化し、装置の小型化を図ることができる。さらに、吸収体22への洗浄液の供給経路と吸引経路を四方弁によって切換えることにより、それらの経路において1台のポンプを共通に使用して、装置の簡単化と小型化を図ることができる。
【0080】
(第6の実施形態)
本実施形態の場合は、前述した第1の実施形態において、インク吸収体22への洗浄水の供給をキャップ31から行う。
【0081】
すなわち、図8中の四方弁57を供給時の位置57bに切換えて、ポンプ56を駆動することによって、タンク55内の洗浄液である純水をチューブ65,66,67,68を介してキャップ31内へ導入する。この時、図示しないキャップ内水位検知センサによってキャップ31内の洗浄水の量を検知し、洗浄水の水位が所定以上となったときにポンプ56の駆動を停止する。その後、図4に示すようなキャッピング状態として、吸収体22をキャップ31内の洗浄水に漬けて洗浄する。この時、四方弁52の切換えとポンプ51の駆動によって、吸収体22側においても洗浄水の供給動作と吸引動作を繰り返してもよい。これにより、より確実に吸収体22を洗浄することができる。さらに、インク吸収体22をキャップ31によってキャッピングするときに、キャップ31内に吸収体22が漬からない程度に洗浄水を供給することにより、より確実に吸収体22の乾燥を防止することもできる。
【0082】
以上のように、キャップ31内に洗浄水を供給することにより、搬送ベルト1のクリーニングを行った後の吸収体22をより確実に洗浄することができる。さらに、吸収体22のキャッピング時に、吸収体22の乾燥防止をより確実に実現することができて、より信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することができる。
【0083】
(第7の実施形態)
次に、図15を用いて本発明の第7の実施形態ついて説明する。記録装置の基本構成、および搬送ベルト1上に吐出されたインクを除去するためのクリーニングユニット5の構成は、前述した第1の実施形態と同様であるため、それらの説明は省略する。本実施形態においては、洗浄水の供給・吸引を行うポンプが主に液体を搬送するものから空気を搬送するものに変更されている。
【0084】
図15において、タンク70内には、インク吸収体22を洗浄するための洗浄液(本例では純水)73が収容される。そのタンク70内には、先端が洗浄液73中に沈まないようにチューブ83が配置される。タンク70の開口部は、このチューブ83および後述するチューブ84以外からは空気や洗浄液の出入りがないように、密閉栓74によって密閉されている。チューブ83の他端は、供給時の位置72aと吸引時の位置72bとに切換わって洗浄液の経路の変更が可能な四方弁72に接続されている。四方弁72が供給時の位置72aにあるときは、チューブ82の一端がチューブ83を介してタンク70に接続される。そのチューブ82の他端はポンプ71に接続されている。ポンプ71は、ダイヤフラムを用いたポンプであり、図中の矢印方向に気体を搬送する。ポンプ71の入口側にはチューブ81の一端が接続され、そのチューブ81の他端は四方弁72に接続されている。四方弁72が供給時の位置72aにあるときは、チューブ81がチューブ80の一端に接続される。そのチューブ80の他端は大気に開放されている。
【0085】
また、タンク70には、その内部の洗浄液73中に先端が完全に沈められるようにチューブ84が配置されている。チューブ84の基端は、図示しないチューブ継手を介して、吸収体ホルダ22の一方の端に設けられた穴24に接続されている。
【0086】
このような構成において、四方弁72を供給時の位置72aに切換えてポンプ71を駆動させることにより、タンク70内に空気を圧送し、その空気圧によってタンク70内の洗浄液73を押し出してインク吸収体22へ供給することができる。また、四方弁72を吸引時の位置72bに切換えることによって、タンク70内の空気を吸引し、その吸引力によって、インク吸収体22に吸収されている洗浄水をタンク70内に吸引排出させることができる。
【0087】
一方、キャップ31側も同様に構成されており、キャップ31内に溜まった洗浄水の吸引と、吸収体22を洗浄するための洗浄液のキャップ31内への供給が可能となっている。
【0088】
すなわち、キャップ31の端部に設けられた穴32には、図示しないチューブ継手を介してチューブ89の一端が接続されている。そのチューブ89の他端は、タンク75内の洗浄液78中に先端が完全に沈むように配置されている。タンク75の開口部は、チューブ89と後述するチューブ88以外からは空気や洗浄液の出入りがないように、密閉されている。また、タンク75には、先端が洗浄液78中に沈まないようにチューブ88が配置されている。チューブ88の他端は四方弁77に接続されている。四方弁77は、吸引時の位置77aと供給時の位置77bに切換え可能であり、吸引時の位置77aに切換えられたときに、チューブ88とチューブ86の一端とを接続する。チューブ86の他端はポンプ76の入口側に接続されている。ポンプ76は、ポンプ71と同じ形態のダイヤフラムポンプであり、図中の矢印方向に気体を搬送する。ポンプ76の出口側にはチューブ87の一端が接続され、そのチューブ87の他端は四方弁77に接続される。四方弁77が吸引時の位置77aに切換えられたときには、チューブ87がチューブ85の一端に接続される。チューブ85の他端は大気に開放されている。
【0089】
したがって、四方弁77を吸引時の位置77aに切換えてポンプ76を駆動させることにより、タンク75内の空気を吸引し、その吸引力によって、キャップ31内の洗浄液をタンク75内に吸引排出させることができる。また、四方弁77を供給時の位置72bに切換えることによって、タンク75内に空気を圧送し、その空気圧によってタンク75内の洗浄液78を押し出してキャップ32へ供給することができる。
【0090】
このような構成により、前述した第1の実施形態と同様に、キャップ31の上に配置された吸収体22に洗浄液を供給する際に、その吸収体22に吸収されなかった洗浄液が吸収体22から垂れ落ちた場合であっても、その洗浄液をキャップ31内にて全て回収することができる。キャップ31によって回収された洗浄液は、ポンプ76によって、タンク75内に回収される。このように、前述した各実施形態と同様の動作を実現することができる。
【0091】
本実施形態では、前述した各実施形態において用いた主に液体用のポンプの代わりに、空気用のポンプを用いているため、そのポンプや四方弁などの可動部は全て空気のみと接することになる。したがって、仮に、ポンプや四方弁が壊れて空気が漏れ出た場合には、液体が漏れ出る場合に比較して、装置内の他の部分の破損を招く可能性は極めて低い。そのため、よりメンテナンス性の優れた記録装置を提供することができる。
【0092】
以下、本発明の実施態様の例を列挙する。
[実施態様1] 所定の搬送方向に移動する搬送部材の表面上に載置されて所定の記録位置に搬送される被記録材に対して、インクを吐出可能な記録手段を用いて画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記搬送部材の表面に洗浄液を供給する供給手段と、
前記供給手段よりも前記搬送方向の下流側に位置して、前記搬送部材の表面上から前記洗浄液を払拭する払拭手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0093】
[実施態様2] 前記払拭手段は、前記搬送部材の表面に一辺が摺接する板状の弾性部材を含むことを特徴とする実施態様1に記載のインクジェット記録装置。
【0094】
[実施態様3] 前記払拭手段は、前記搬送部材の表面に摺接するゴムブレードを含むことを特徴とする実施態様1または2に記載のインクジェット記録装置。
【0095】
[実施態様4] 前記供給手段は、前記洗浄液を吸収可能な吸収体を前記搬送部材の表面に接触させることにより、前記吸収体から前記搬送部材の表面に前記洗浄液を供給することを特徴とする実施態様1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0096】
[実施態様5] 前記吸収体は板状であることを特徴とする実施態様4に記載のインクジェット記録装置。
【0097】
[実施態様6] 前記吸収体は回転可能なローラ状であることを特徴とする実施態様4に記載のインクジェット記録装置。
【0098】
[実施態様7] 前記吸収体は多孔質吸収体であることを特徴とする実施態様4から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0099】
[実施態様8] 前記吸収体に前記洗浄液を補充するための補充手段を備えることを特徴とする実施態様4から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0100】
[実施態様9] 前記吸収体に吸収されている前記洗浄液の量を減ずるために、前記吸収体から前記洗浄液を吸引する吸引手段を備えることを特徴とする実施態様4から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0101】
[実施態様10] 前記供給手段は、前記洗浄液を吐出可能な洗浄液吐出用ヘッドを含むことを特徴とする実施態様1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0102】
[実施態様11] 前記記録手段は、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを含み、
前記洗浄液吐出用ヘッドは、前記インクジェット記録ヘッドと同一形態である
ことを特徴とする実施態様10に記載のインクジェット記録装置。
【0103】
[実施態様12] 前記搬送部材の表面の単位面積当たりに対して、前記洗浄液吐出用ヘッドからの洗浄液の吐出量が前記インクジェット記録ヘッドからのインクの吐出量よりも大であることを特徴とする実施態様10または11に記載のインクジェット記録装置。
【0104】
[実施態様13] 前記洗浄液吐出用ヘッドよりも前記搬送方向の下流側、かつ前記払拭手段よりも前記搬送方向の上流側の位置に、前記搬送部材の表面上に付着した異物を除去する異物除去手段を備えたことを特徴とする実施態様10から12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0105】
[実施態様14] 前記異物除去手段は、前記搬送部材の表面に接する多孔質吸収体を含むことを特徴とする実施態様13に記載のインクジェット記録装置。
【0106】
[実施態様15] 前記洗浄液は、水を含む液体であることを特徴とする実施態様1から14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0107】
[実施態様16] 所定の搬送方向に移動する搬送部材の表面上に載置されて所定の記録位置に搬送される被記録材に対して、インクを吐出可能な記録手段を用いて画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記搬送部材の表面に接する清掃部材と洗浄液を用いて前記搬送部材の表面を清掃する清掃手段と、
前記清掃手段が前記搬送部材の表面を清掃しないときに前記清掃部材の乾燥を防止する乾燥防止手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0108】
[実施態様17] 前記洗浄液は、水を含む液体であることを特徴とする実施態様16に記載のインクジェット記録装置。
【0109】
[実施態様18] 前記乾燥防止手段は、前記清掃部材を密閉可能なキャップを含むことを特徴とする実施態様16または17に記載のインクジェット記録装置。
【0110】
[実施態様19] 清掃部材用洗浄液を用いて前記清掃部材を洗浄するための洗浄手段を備え、
前記洗浄手段は、前記キャップを前記清掃部材の下方に位置させて前記清掃部材用洗浄液を前記清掃部材に供給することにより前記清掃部材を洗浄し、かつ前記清掃部材の洗浄後の前記清掃部材用洗浄液は前記キャップ手段によって回収することを特徴とする実施態様18に記載のインクジェット記録装置。
【0111】
[実施態様20] 清掃部材用洗浄液を用いて前記清掃部材を洗浄するための洗浄手段を備え、
前記洗浄手段は、前記キャップ内に前記清掃部材用洗浄液を供給して該清掃部材用洗浄液中に前記清掃部材を浸漬することにより、前記清掃部材を洗浄することを特徴とする実施態様18に記載のインクジェット記録装置。
【0112】
[実施態様21] 前記清掃部材用洗浄液は、水を含む液体であることを特徴とする実施態様19または20に記載のインクジェット記録装置。
【0113】
[実施態様22] 前記清掃部材用洗浄液は、前記搬送部材の表面を清掃するための洗浄液と同一であることを特徴とする実施態様19から20のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0114】
[実施態様23] 前記清掃部材は前記洗浄液を吸収可能な多孔質体からなり、
前記清掃手段は、前記清掃部材に前記洗浄液を供給する供給手段と、前記清掃部材に吸収されている前記洗浄液の量を減ずるために前記清掃部材から前記洗浄液を吸引する吸引手段と、を備える
ことを特徴とする実施態様16から22のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0115】
[実施態様24] 前記供給手段における前記洗浄液の供給経路と、前記吸引手段における前記洗浄液の吸引経路との少なくとも一部が共通であることを特徴とする実施態様23に記載のインクジェット記録装置。
【0116】
[実施態様25] 前記清掃部材は、少なくとも、前記搬送部材の表面を清掃する清掃位置と、前記キャップによりキャップされる位置との2位置に移動可能であることを特徴とする実施態様18から24のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0117】
[実施態様26] 所定の搬送方向に移動する搬送部材の表面上に載置されて所定の記録位置に搬送される被記録材に対して、インクを吐出可能な記録手段を用いて画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記搬送部材の表面に洗浄液を供給する供給手段と、
前記供給手段よりも前記搬送方向の下流側に位置して、前記搬送部材の表面上から前記洗浄液を払拭する払拭手段と、
前記供給手段が前記搬送部材の表面に前記洗浄液を供給しないときに前記供給手段の乾燥を防止する乾燥防止手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0118】
[実施態様27] 前記供給手段は、前記洗浄液を吸収可能な吸収体を前記搬送部材の表面に接触させることにより、前記洗浄液を前記吸収体から前記搬送部材の表面に供給可能にし、
前記乾燥防止手段は、前記吸収体を密閉可能なキャップを含む
ことを特徴とする実施態様26に記載のインクジェット記録装置。
【0119】
[実施態様28] 前記搬送部材は、前記被記録材を表面に吸着可能な搬送ベルトであることを特徴とする実施態様1から27のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0120】
[実施態様29] 前記記録手段のインクの吐出状態を良好に維持するために、画像の記録に寄与しないインクを前記記録手段から前記搬送部材の表面に吐出させる手段を備えたことを特徴とする実施態様1から28のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0121】
[実施態様30] 前記記録手段は、電気熱変換体が発生する電気エネルギーを利用してインクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを含むことを特徴とする実施態様1から29のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、被記録材が載置される搬送部材の表面上に洗浄液を供給してから、その洗浄液を搬送部材の表面上から払拭することにより、その洗浄液と共に、搬送部材の表面上からインクなどの異物を確実に除去することができる。特に、搬送部材上の表面上に付着するインクの濃度を洗浄液によって大幅に薄めた後、その洗浄液と共にインクを払拭することにより、搬送部材の表面上のインクを確実に除去することができる。この結果、搬送部材の表面上におけるインクなどの異物に起因する被記録材の汚れや、搬送部材の表面上における被記録材の位置ずれを防止して、搬送部材による被記録材の高速搬送を図りつつ、高品位の画像を記録することができる。
【0123】
また、搬送部材の表面のインクを確実に除去することができるため、画像の記録に寄与しないインクを記録手段から搬送部材の表面に予備吐出させて、その記録手段のインクの吐出状態を良好に維持することができる。しかも、そのような予備吐出を記録動作の続行中に実施することにより、高品位の画像を高速に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録装置における要部の斜視図である。
【図2】図1のクリーニングユニットの斜視図である。
【図3】図1のクリーニングユニットの吸収体洗浄時の斜視図である。
【図4】図1のクリーニングユニットのキャッピング時の斜視図である。
【図5】図1のクリーニングユニットにおける吸収体の斜視図である。
【図6】図1のクリーニングユニットにおけるブレードの斜視図である。
【図7】図1のクリーニングユニットにおけるキャップの斜視図である。
【図8】図1のクリーニングユニットにおける洗浄液の供給経路、吸引経路、および回収経路の概略構成図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるクリーニングユニットの洗浄液の供給経路、吸引経路、および回収経路の概略構成図である。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるクリーニングユニットの斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施形態のインクジェット記録装置における要部の斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態におけるクリーニングユニットの動作時の斜視図である。
【図13】図12のクリーニングユニットの吸収体洗浄時の斜視図である。
【図14】図12のクリーニングユニットのキャッピング時の斜視図である。
【図15】本発明の第7の実施形態におけるクリーニングユニットの洗浄液の供給経路、吸引経路、および回収経路の概略構成図である。
【符号の説明】
1 搬送ベルト(搬送部材)
2 駆動ローラ
3 従動ローラ
4 テンションローラ
5 クリーニングユニット
6〜12 フルラインヘッド(インクジェット記録ヘッド)
22,27 吸収体
31 キャップ
35 洗浄液受け
36 洗浄液受けキャップ
41 ゴムブレード
50,55,70,75 タンク
52,57,72,77 四方弁
51,56,71,76 ポンプ

Claims (8)

  1. 搬送方向に移動する搬送部材の表面上に載置されて記録位置に搬送される被記録材に対して、インクを吐出可能な記録手段を用いて画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記搬送部材の表面に接する清掃部材と洗浄液を用いて前記搬送部材の表面を清掃する清掃手段と、
    前記清掃手段が前記搬送部材の表面を清掃しないときに前記清掃部材の乾燥を防止する乾燥防止手段と、
    を備え
    前記清掃部材は前記洗浄液を吸収可能な多孔質体からなり、
    前記清掃手段は、前記清掃部材に前記洗浄液を供給する供給手段と、前記清掃部材に吸収されている前記洗浄液の量を減ずるために前記清掃部材から前記洗浄液を吸引する吸引手段と、を備え、
    前記供給手段における前記洗浄液の供給経路と、前記吸引手段における前記洗浄液の吸引経路との少なくとも一部が共通である
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記洗浄液は、水を含む液体であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記乾燥防止手段は、前記清掃部材を密閉可能なキャップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 清掃部材用洗浄液を用いて前記清掃部材を洗浄するための洗浄手段を備え、
    前記洗浄手段は、前記キャップを前記清掃部材の下方に位置させて前記清掃部材用洗浄液を前記清掃部材に供給することにより前記清掃部材を洗浄し、かつ前記清掃部材の洗浄後の前記清掃部材用洗浄液は前記キャップ手段によって回収することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 清掃部材用洗浄液を用いて前記清掃部材を洗浄するための洗浄手段を備え、
    前記洗浄手段は、前記キャップ内に前記清掃部材用洗浄液を供給して該清掃部材用洗浄液中に前記清掃部材を浸漬することにより、前記清掃部材を洗浄することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記清掃部材用洗浄液は、水を含む液体であることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記清掃部材用洗浄液は、前記搬送部材の表面を清掃するための洗浄液と同一であることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記清掃部材は、少なくとも、前記搬送部材の表面を清掃する清掃位置と、前記キャップによりキャップされる位置との2位置に移動可能であることを特徴とする請求項3からのいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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