JP4084076B2 - 光伝送システムおよびそこで用いられる光送信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光伝送システムおよびそこで用いられる光送信装置に関し、より特定的には、広波長帯域の光信号を光増幅して伝送し、複数の出力ポートに同時に分配する光伝送システムおよびそこで用いられる光送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、広帯域の光信号を光増幅して、複数の受信器に同時に分配する光伝送システムが開発されている。図8を参照して、従来の上記光伝送システムの構成を示したブロック図について説明する。図8において、従来の光伝送システムは、光送信部1、光増幅部2と、伝送部3、波長ルータ4、およびn個(nは自然数)の光受信部5−1〜nを備えている。
【0003】
当該光伝送システムにおいて、光送信部1は、広帯域光源等を光源とした広波長帯域の光信号を光増幅器2に出力する。そして、光増幅部2は、光送信部1から出力された広波長帯域の光信号を増幅して伝送部3に出力する。伝送部3は、光ファイバ等の光信号の伝送路であり、光増幅部2で増幅された光信号を波長ルータ4まで伝送する。波長ルータ4は、複数の出力ポートを有し、入力された光信号の波長に応じて、それぞれ異なる出力ポートから光信号を分波して出力する機能を有しており、伝送部3を介して光増幅部2から出力された広波長帯域の光信号を複数の出力ポートに同時に分配して出力する。上記波長ルータ4の複数の出力ポートには、それぞれn個の光受信部5−1〜nが接続されており、光受信部5−1〜nは、波長ルータ4を透過して出力された光信号を電気信号に変換する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光伝送システムにおいて、光増幅部2は、光送信部1からの入力パワーが増大すると、光増幅部2からの出力パワーが飽和し利得が減少する性質を有している。したがって、上述したように光送信部1からの出力スペクトルが広波長帯域に広がっている場合、光増幅部2における上記入力パワーが大きくなるため、光増幅部2での利得が効率良く取れないという問題があった。また、従来の光伝送システムが、複数の波長を有する他の光信号と多重して伝送する場合、光送信部1の出力スペクトルは、波長帯域が広いため多重する他の光信号の波長帯域にも存在し、多重する他の光信号に影響を与えるという問題があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、広波長帯域の光信号を光増幅して伝送し、複数の出力ポートに同時に分配する光伝送システムにおいて、光増幅部の利得を効率良く利用し、さらに、複数の波長を有する光信号と多重して使用した場合においても、クロストークを抑えることができる構成を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、送信部から送信された光信号を波長ルータにおいて波長に応じて複数の出力ポートに分配して複数の受信部で受信する光伝送システムであって、
波長ルータは、複数の出力ポートにそれぞれ設定された固有の設定波長に応じて、光信号のうち当該出力ポートの設定波長および当該設定波長を基準として所定の波長間隔毎に現れる周期波長に対応する信号を各出力ポートに出力する周期分波特性を有し、
送信部は、
広波長帯域を有し、複数の受信部に共通して送信される共通送信信号で変調された広帯域光信号を出力する広帯域光送信部と、
広帯域光送信部から出力された広帯域光信号を入力し、各出力ポートの設定波長から波長間隔の0以外の整数倍分だけ変化した周期波長を含み各出力ポートの他の周期波長および設定波長は含まない帯域の所定帯域光信号のみを透過させて出力する光フィルタと、
各出力ポートの設定波長と等しい波長を有する光を、それぞれ対応する出力ポートの出力信号を受信する受信部に送信するデータ信号で変調して多重した多重光信号を出力する多重光信号送信部と、
多重光信号と所定帯域光信号とを合波して光信号を出力する合波部とを備える。
【0007】
第1の発明によれば、光フィルタを広帯域光送信部の後に挿入して、広波長帯域の光信号から所定の波長帯域の所定帯域光信号のみを抜き出すことによって、光増幅部に入力されるパワーを低減することが可能であり、光増幅器の利得を有効に活用することができる。また、光フィルタが透過する波長帯域は、各出力ポートの設定波長から波長間隔の0以外の整数倍分だけ変化した周期波長を含み、かつ他の周期波長や設定波長を含まないため、所定帯域光信号および多重光信号による互いのクロストーク等の影響を防止することができる。
【0008】
第2の発明は、
送信部から送信された光信号を波長ルータにおいて波長に応じて複数の出力ポートに分配して複数の受信部で受信する光伝送システムであって、
波長ルータは、複数の出力ポートにそれぞれ設定された固有の設定波長に応じて、光信号のうち当該出力ポートの設定波長および当該設定波長を基準として所定の波長間隔毎に現れる周期波長に対応する信号を各出力ポートに出力する周期分波特性を有し、
送信部は、
広波長帯域を有し、複数の受信部に共通して送信される共通送信信号で変調された広帯域光信号を出力する広帯域光送信部と、
広帯域光送信部から出力された広帯域光信号を入力し、各出力ポートの設定波長を含み各出力ポートの周期波長は含まない帯域の所定帯域光信号のみを透過させて出力する光フィルタと、
各出力ポートの設定波長から波長間隔の0以外の整数倍分だけ変化した周期波長と等しい波長を有する光を、それぞれ対応する出力ポートの出力信号を受信する受信部に送信するデータ信号で変調して多重した多重光信号を出力する多重光信号送信部と、
多重光信号と所定帯域光信号とを合波して光信号を出力する合波部とを備える。
【0009】
第2の発明によれば、光フィルタを広帯域光送信部の後に挿入して、広波長帯域の光信号から所定の波長帯域の所定帯域光信号のみを抜き出すことによって、光増幅部に入力されるパワーを低減することが可能であり、光増幅器の利得を有効に活用することができる。また、光フィルタが透過する波長帯域は、設定波長を含み、かつ周期波長を含まないため、所定帯域光信号および多重光信号による互いのクロストーク等の影響を防止することができる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、
広帯域光送信部は、広波長帯域を有する広帯域光を出力する広帯域光源と、広帯域光を共通送信信号で変調して広帯域光信号を出力する広帯域光変調部とを含む。
【0012】
第4の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、
広帯域光送信部は、広波長帯域を有する広帯域光を出力する広帯域光源を共通送信信号で直接変調して広帯域光信号を出力する。
【0014】
第5の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、
共通送信信号は、データ信号に対応したタイミング情報を示すクロック信号である。
【0015】
第5の発明によれば、タイミング情報を示すクロック信号を、波長ルータの全ての出力ポートから分配して出力することができる。
【0016】
第6の発明は、第4または第5の発明に従属する発明であって、
多重光信号送信部は、時系列に波長を切り替えて多重光信号を出力する。
【0017】
第6の発明によれば、所望の出力ポートに対して、それぞれの波長に応じて多重光信号に含まれる各光信号を時系列に切り替えて出力することによって、多重光信号を該出力ポートのみに時系列的に送信することができる。
【0018】
第7の発明は、第1または第2の発明に従属する発明であって、
多重光信号送信部は、複数の波長の光を同時に出力して多重光信号を出力する。
【0019】
第7の発明によれば、所望の複数の出力ポートに対して、多重光信号に含まれる波長の異なった各光信号を同時に出力することによって、多重光信号を該複数の出力ポートに同時に送信することができる。
【0026】
第8の発明は、第3あるいは第4の発明に従属する発明であって、
広帯域光源は、発光ダイオード(LED)である。
【0027】
第9の発明は、第3あるいは第4の発明に従属する発明であって、
広帯域光源は、増幅された自然放出光(ASE)である。
【0028】
第10の発明は、第3あるいは第4の発明に従属する発明であって、
広帯域光源は、超放射ダイオード(SLD)である。
【0029】
第8〜第10の発明によれば、広帯域光送信部が出力する広波長帯域の光信号の光源を、容易に構成することができる。
【0030】
第11の発明は、第1あるいは第2の発明に従属する発明であって、
波長ルータは、アレイ導波路格子(AWG)によって構成される。
【0031】
第11の発明によれば、波長ルータの分波機能を容易に構成することができる。
【0032】
第12の発明は、第1あるいは第2の発明に従属する発明であって、複数の受信部は、それぞれ複数の出力ポートのいずれかに接続され、当該出力ポートからの出力信号を電気信号に変換する。
【0033】
第12の発明によれば、送信部から送信された光信号を電気信号に変換して、様々な用途に利用することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムについて説明する。なお、図1は、当該光伝送システムの構成を示すブロック図である。図1において、当該光伝送システムは、送信部100および受信部200との間を光増幅部2、伝送部3、および波長ルータ4が接続している。送信部100は、広帯域光送信部10および光フィルタ20を備えており、広帯域光送信部10は、広帯域光源11および広帯域光変調部12を含んでいる。また、受信部200は、n個(nは自然数)の光受信部5−1〜nを備えている。なお、上述した従来の技術と同一のブロックについては、同一の参照符号を用いている。
【0039】
当該光伝送システムの送信部100において、広帯域光送信部10は、広帯域光源11が広波長帯域の光を広帯域光変調部12に出力し、広帯域光変調部12が広帯域光源11から出力された光を受信部200に伝送する光信号に変調し光フィルタ20に出力する。この広帯域光源11は、一般的に、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、ASE(Amplified Spontaneous Emission:増幅された自然放出光)、またはSLD(Super Luminescence Diode:超放射ダイオード)で構成される。光フィルタ20は、広帯域光送信部10から出力された広波長帯域の光信号の内、所定の波長帯域の光信号のみ透過させ、光増幅部2に出力する。なお、光フィルタ20が透過させる光信号の波長帯域の詳細については、後述する。
【0040】
光増幅部2は、光フィルタ20を透過して出力された上記波長帯域の光信号を増幅して伝送部3に出力する。つまり、光増幅部2から伝送部3へは、広帯域光変調部12で変調された広波長帯域の光信号の内、光フィルタ20を透過可能な波長帯域の光信号が光増幅部2で増幅されて伝送される。
【0041】
当該光伝送システムの伝送部3は、光ファイバ等の光信号の伝送路であり、光増幅部2で増幅された上記光信号を、波長ルータ4まで伝送する。
【0042】
波長ルータ4は、複数の出力ポートを有し、伝送された光信号の波長に応じて、それぞれ異なる出力ポート(以下、分波チャネルchとする)から光信号を分波して出力する機能を有している。この波長ルータ4は、一般的に、AWG(Arrayed−Waveguide Grating:アレイ導波路格子)で構成される。したがって、波長ルータ4は、伝送部3を介して伝送された上記光信号を、それぞれの分波チャネルchに対応する分波波長に基づいて分配することによって、透過した光信号を複数の分波チャネルchに同時に分配して出力する。この波長ルータ4が分波する光信号の波長の詳細については、後述する。上記波長ルータ4の複数の分波チャネルchには、受信部200に設けられたそれぞれn個の光受信部5−1〜nが接続されており、光受信部5−1〜nは、波長ルータ4を透過して出力された光信号を電気信号に変換する。
【0043】
次に、図2を参照して、当該光伝送システムが伝送する光信号の波長について説明する。なお、図2は光フィルタ20の透過波長帯域および波長ルータ4の分波波長帯域の波長特性を示す概略図である。
【0044】
図2において、上述したように波長ルータ4は、分波チャネルch1〜nに接続されたn個の光受信部5−1〜nに対して、受信した光信号の波長に応じて、それぞれ異なる分波チャネルch1〜nから光信号を分波して出力する(図2における波長ルータ分波波長特性Rc)。この波長ルータ4に設定されているn個の分波チャネルch1〜nのそれぞれの分波波長(以下、分波チャネル波長λch1〜n)が全て含まれる波長帯域を、波長ルータ4の分波波長帯域とする。光フィルタ20の透過波長帯域は、上記波長ルータ4の分波波長帯域と同じあるいは含むように設定される(図2における光フィルタ透過特性Fc)。このように光フィルタ20の透過波長帯域を設定することによって、光増幅部2へ出力する光信号の波長帯域を限定するため、上記光信号の入力パワーが減少して光増幅部2の出力パワーの飽和を防止することができ、利得を効率よく取ることができる。また、光フィルタ20で限定された光信号の波長帯域は、受信する波長ルータ4の分波波長帯域と同じあるいは含んでおり、波長ルータ4に設定されているn個の分波チャネルch1〜nに対するそれぞれの分波チャネル波長λch1〜nに影響を与えない。
【0045】
ところで、波長ルータ4は、一般的に上記分波チャネルchが設定されているそれぞれの分波チャネル波長λchに対する周期的な別の波長λchtに基づいても、入力した光信号を分波する機能を有している。つまり、分波チャネルchには、分波チャネル波長λchの光信号に加えて周期波長λchtの光信号も分波されて出力される。この周期波長λchtは、次の式で表される。
λchtm=λch+m*λt
ここで、波長λtは、同一分波チャネルchに対して周期的に現れる周期波長λchtの波長間隔であり、mは、0以外の整数である。例えば、分波チャネルch1の分波チャネル波長λch1に対して、周期波長λch1tmは、長波長側に
λch1t1=λch1+λt
λch1t2=λch1+2λt
λch1t3=λch1+3λt・・・
のように現れ、短波長側に
λch1t-1=λch1−λt
λch1t-2=λch1−2λt
λch1t-3=λch1−3λt・・・
のように現れる。
【0046】
上述した波長ルータ4の分波波長特性Rcは、分波チャネルch1〜nにおける分波チャネル波長λch1〜nに対して、同一分波チャネルch毎に波長間隔λtを有した周期波長λch1t〜λchntが現れる。なお、図2では、説明を簡単にするために分波チャネルch1における分波チャネル波長λch1に対して、波長間隔λtを有した周期波長λch1t-1およびλch1t1のみを示している。光フィルタ20の透過波長帯域は、いずれの上記波長ルータ4の周期波長λch1t〜λchntを含まない、すなわち上記波長ルータ4の同一分波チャネルch毎の波長間隔λtより狭い範囲設定される(図2における光フィルタ透過特性Fc)。このように光フィルタ20の透過波長帯域を設定することによって、波長ルータ4の分波チャネルchに接続された光受信部5−1〜nには、それぞれの分波チャネルch1〜nにおける分波チャネル波長λch1〜nに基づいて分配された光信号のみが出力される。つまり、光受信部5−1〜nには、波長ルータ4の周期波長λch1t〜λchntの光信号が透過して出力されないため、周期波長λch1t〜λchntの光信号によるクロストーク等の影響を防止することができる。
【0047】
このように、第1の実施形態に係る光伝送システムでは、光フィルタの透過波長帯域が、波長ルータの分波波長帯域と同じあるいは含むように設定され、かつ波長ルータの周期波長を含まない、すなわち波長ルータの同一分波チャネル毎の周期的な分波の波長間隔より狭い範囲設定される。このような光フィルタを光送信部の後に挿入して、広波長帯域の光信号から必要な波長帯域幅の光信号のみを抜き出すことによって、光増幅部に入力されるパワーを最小限に押さえることが可能であり、光増幅器の利得を有効に活用することができる。また、光受信部には、波長ルータの同一分波チャネル毎に周期的に現れる周期波長の光信号が透過して出力されないため、上記周期波長の光信号によるクロストーク等の影響を防止することができる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、電気信号の変調を広帯域光変調部12で行っているが、広帯域光源11を直接変調してもかまわない。
【0049】
(第2の実施形態)
図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係る光伝送システムについて説明する。なお、図3は、当該光伝送システムの構成を示すブロック図である。図3において、当該光伝送システムは、第1の実施形態で説明した光伝送システムに対して、波長多重光送信部30および合波部40を追加し、透過波長帯域を変更した光フィルタ21を設けて送信部110にしたものであり、他の機能ブロックは第1の実施形態と同様である。なお、第2の実施形態に係る光伝送システムの説明では、第1の実施形態に係る光伝送システムと同様の機能ブロックについては、同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0050】
当該光伝送システムの送信部110において、波長多重光送信部30は、波長可変光源31および波長多重光変調部32を含んでいる。波長可変光源31は、互いに異なる波長λch1〜n(すなわち、波長ルータ4の分波チャネル波長λch1〜n)の光を所定の時間間隔で切り替えて波長多重光変調部32に出力する。波長多重光変調部32は、波長可変光源31から出力された波長λch1〜nの光に応じて、電気信号E1〜nでデータ光信号に変調および多重して合波部40に出力する。合波部40は、光フィルタ21および光増幅部2の間に設けられており、光フィルタ21および波長多重光変調部32からの光信号を合波して、光増幅部2に出力する。
【0051】
光フィルタ21は、広帯域光送信部10から出力された広波長帯域の光信号の内、所定の波長帯域の光信号のみ透過させ、光増幅部2に出力する。ここで、図4を参照して、光フィルタ21の透過特性Fcについて説明する。
【0052】
図4において、上述したように波長ルータ4は、複数の分波チャネルchに接続されたn個の光受信部5−1〜nに対して、伝送された光信号の波長に応じて、それぞれ異なる分波チャネルch1〜nから光信号を分波して出力する(図4における波長ルータ分波波長特性Rc)。この波長ルータ4に設定されているn個の分波チャネルch1〜nのそれぞれの分波チャネル波長λch1〜nが全て含まれる波長帯域を、波長ルータ4の分波波長帯域とする。
【0053】
また、波長ルータ4は、上述したように、上記分波チャネルchが設定されているそれぞれの分波チャネル波長λchに対する周期的な別の波長λchtに基づいても、伝送された光信号を分波する機能を有している。
【0054】
上述した波長ルータ4の分波波長特性Rcは、分波チャネルch1〜nにおける分波チャネル波長λch1〜nに対して、同一分波チャネルch毎に波長間隔λtを有した周期波長λch1t〜λchntが現れる。なお、図4では、説明を簡単にするために分波チャネルch1における分波チャネル波長λch1に対して、波長間隔λtを有した周期波長λch1t-1およびλch1t1、および分波チャネルchnにおける分波チャネル波長λchnに対して、波長間隔λtを有した周期波長λchnt-1のみを示している。
【0055】
光フィルタ21の透過波長帯域は、上記波長ルータ4の同一分波チャネルch毎の波長間隔λtを有した1周期分の上記周期波長λch1t〜λchntを含むように設定する。図4で示す光フィルタ21の透過特性Fcは、波長ルータ4の分波波長帯域に対して、短波長側に1周期分の周期波長λch1t-1〜λchnt-1を含んでいる。また、光フィルタ21の透過波長帯域は、波長ルータ4の上記分波波長帯域を含まないように設定する。つまり、光フィルタ21の透過波長帯域は、少なくとも波長ルータ4の1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含み、かつ波長ルータ4の上記分波波長帯域を含まないように設定する。なお、図4では、光フィルタ21の透過波長帯域を、短波長側に1周期分の周期波長λch1t-1〜λchnt-1を含む例を説明したが、長波長側の1周期分の周期波長λch1t1〜λchnt1を含むように設定してもかまわないし、2周期目以降に現れる周期波長λch1t-2〜λchnt-2等を含むように設定してもかまわない。
【0056】
ここで、光フィルタ21の透過波長帯域が、波長ルータ4の1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含むように設定されるため、光フィルタ21の透過波長帯域幅は、上記波長ルータ4の分波波長帯域幅と同じあるいは含むように設定される(図4における光フィルタ透過特性Fc)。このように光フィルタ21の透過波長帯域を設定することによって、光増幅部2へ出力する光信号の波長帯域を限定するため、上記光信号の入力パワーが減少して光増幅部2の出力パワーの飽和を防止することができ、利得を効率よく取ることができる。
【0057】
次に、第2の実施形態に係る光伝送システムの光信号の伝送動作について説明する。図3に戻り、当該光伝送システムの送信部110において、広帯域光送信部10の広帯域光源11は、広波長帯域の光を広帯域光変調部12に出力する。そして、広帯域光変調部12は、例えば広帯域光源11から出力された光をクロック信号で変調することによって、クロック光を光フィルタ21に出力する。光フィルタ21は、上述したように、広帯域光変調部12から出力された広波長帯域のクロック光の内、少なくとも波長ルータ4の1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含み、かつ波長ルータ4の分波波長帯域を含まない波長帯域のクロック光のみ透過させ、合波部40に出力する。
【0058】
一方、波長多重光送信部30からは、上述したように波長λch1〜nの光に応じて、電気信号E1〜nで変調および多重された光信号が所定の時間間隔で出力している。ここで、波長多重光送信部30は、送信したい光受信部5−1〜nに対して、それぞれ設定されている分波チャネル波長λch1〜nで光信号を多重して送信する。例えば、波長ルータ4の分波チャネルch1に接続されている光受信部5−1に対して電気信号E1を送信したい場合、波長可変光源31が波長λch1の光を出力し、波長多重光変調部32で電気信号E1で光信号に変調して、合波部40に出力する。
【0059】
合波部40は、光フィルタ21から出力されるクロック光および波長多重光送信部30から出力される光信号とを合波する。光増幅部2は、光フィルタ21を透過して出力された上記クロック光および波長多重光送信部30から出力される光信号を増幅して伝送部3に出力する。つまり、送信部110から伝送部3へは、広帯域光変調部12で変調された広波長帯域のクロック光の内、光フィルタ21を透過可能な波長帯域のクロック光と、波長多重光送信部30から送信したい光受信部5−1〜nに対して、それぞれ設定されている分波チャネル波長λch1〜nの光信号とが、光増幅部2で増幅されて伝送される。
【0060】
当該光伝送システムの伝送部3は、光ファイバ等の光信号の伝送路であり、光増幅部2で増幅された上記クロック光および光信号を、波長ルータ4まで伝送する。
【0061】
波長ルータ4は、上述したように複数の分波チャネルchを有し、伝送された光信号の波長に応じて、それぞれ異なる分波チャネルchから光信号を分波して出力する機能を有している。つまり、波長ルータ4は、伝送部3を伝送してきた上記光信号に対して、上記光信号の波長に応じて、分波チャネルch1〜nに設定されている分波チャネル波長λch1〜nに基づいて、その分波チャネルchから上記光信号を分波して出力する。また、波長ルータ4は、伝送部3を伝送してきた上記クロック光に対して、上記クロック光の波長に応じて、分波チャネルch1〜nから上記クロック光を同時に分配して出力する。また、上述したように、波長ルータ4は、分波チャネルchが設定されているそれぞれの分波チャネル波長λchに対する周期的な別の波長λchtに基づいても、光信号を分波する機能を有している。つまり、分波チャネルchには、それぞれの分波チャネル波長λch1〜nの光信号に加えて周期波長λch1t〜λchntの光信号も分波されて透過する。したがって、波長ルータ4は、伝送部3を介して伝送された上記クロック光および光信号を、それぞれの分波チャネルchに対応する分波チャネル波長λch1〜nおよびその周期波長λch1t〜λchntに基づいて同時分配および分波し透過させる。つまり、波長ルータ4は、上記光信号の波長に応じて、その分波チャネルchから該光信号を分波して出力し、上記クロック光の波長に応じて、複数の分波チャネルch1〜nから該クロック光を同時に分配し、透過したクロック光および光信号を分波チャネルchに出力する。
【0062】
波長ルータ4の複数の分波チャネルchには、それぞれn個の光受信部5−1〜nが接続されており、光受信部5−1〜nは、波長ルータ4で同時分配および分波され透過したクロック光および光信号をクロック信号および電気信号E1〜nに変換する。
【0063】
次に、図5を参照して、当該光伝送システムが伝送するクロック光および光信号について説明する。なお、図5は、当該光伝送システムで伝送される各構成ブロックにおけるクロック光および光信号の状態を、縦軸光電力−横軸時間で示す概略図である。
【0064】
図5において、送信部110から受信部200の光受信部5−1に電気信号E1を送信する場合の、当該光伝送システムが伝送するクロック光および光信号を一例として説明する。上述したように広帯域光送信部10から出力された広波長帯域のクロック光から、光フィルタ21の透過波長帯域のクロック光Lcのみが合波部40に出力される。典型的には、クロック光Lcは、0−1が繰り返される交番信号である。ここでは、光フィルタ21の透過波長帯域が、波長ルータ4の分波波長帯域の短波長側に、1周期分の周期波長λch1t-1〜λchnt-1を含んでいるため、光フィルタ21からは、波長λch1t-1〜λchnt-1のクロック光Lcが出力される。
【0065】
一方、波長多重光送信部30では、波長可変光源31が波長λch1の光を出力し、波長多重光変調部32が波長λch1の光を電気信号E1で光信号Lsに変調して、合波部40に出力される。なお、図5では、上述したように光受信部5−1に電気信号E1を送信する場合を簡単に説明するために、波長λch1の光信号Lsを単独で示しているが、実際には、波長多重光変調部32から他の波長を有する光信号(図5の破線で示す光信号)も送信されている。
【0066】
上記クロック光Lcおよび光信号Lsは、合波部40で合波され、光増幅部2で増幅された後、伝送部3を伝送する。伝送部3では、クロック信号で変調されたクロック光Lsおよび波長λch1の光信号Lsが合波されて、伝送される。
【0067】
そして、波長ルータ4では、伝送部3を伝送してきた上記クロック光Lcを、クロック光Lcの波長に応じて、分波チャネルch1〜nに同時に分配して出力する。また、波長ルータ4では、伝送部3を伝送してきた上記光信号Lsを、光信号Lsの波長に応じて、それぞれの分波チャネルchに対応する分波チャネル波長λch1〜nに基づいて、その分波チャネルchから分波して出力する。分波チャネルch1に接続されている光受信部5−1には、分波チャネル波長λch1の光信号Lsが波長ルータ4を透過して出力される。さらに、分波チャネルch1には、分波チャネル波長λch1に対して周期的に分波される周期波長λch1tの光信号も透過して出力される。したがって、光フィルタ21の透過波長帯域を有するクロック光Lcは、上述したように波長ルータ4の分波波長帯域の短波長側に、1周期分の周期波長λch1t-1〜λchnt-1であるため、その周期波長帯域のクロック光Lcの内、周期波長λch1t-1のクロック光Lcが分配され光受信部5−1に出力される。つまり、光受信部5−1には、波長ルータ4において、周期波長λch1t-1のクロック光Lcが分配され、分波チャネル波長λch1の光信号Lsが分波されて透過し出力される。
【0068】
一方、他の光受信部5−2〜nには、波長ルータ4で分波されることによって分波チャネル波長λch2〜nの光が透過して出力される。さらに、他の光受信部5−2〜nには、波長ルータ4で分波されることによって、分波チャネル波長λch2〜nに対して周期的に分波される周期波長λch2t〜λchntの光信号も透過して出力される。したがって、光フィルタ21の透過波長帯域を有するクロック光Lcは、上述したように波長ルータ4の分波波長帯域の短波長側に、1周期分の周期波長λch1t-1〜λchnt-1であるため、その周期波長帯域のクロック光Lcの内、周期波長λch2t-1〜λchnt-1のクロック光Lcが同時に分配されて光受信部5−2〜nに出力する。また、上記光信号Lsは、波長λch1で伝送されているため、波長ルータ4で分波されることによって、光受信部5−2〜nには透過せず出力されない。つまり、光受信部5−2〜nには、周期波長λch2t-1〜λchnt-1のクロック光Lcのみが、同時に分配されて出力される。このように、送信部110から出力された光信号Lsは、該光信号Lsが有する分波チャネル波長λch1〜nに応じて、その分波チャネルch1〜nに分波され、クロック光Lcは、全ての分波チャネルch1〜nに同時に分配される。したがって、図5の例では、光受信部5−1には、光信号Lsおよびクロック光Lcが伝送され、光受信部5−2〜nには、クロック光Lcのみが伝送される。
【0069】
このように、第2の実施形態に係る光伝送システムでは、光フィルタの透過波長帯域が、受信部の波長ルータの1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含むように、かつ波長ルータの分波波長帯域を含まないように設定される。このような光フィルタを光送信部の後に挿入して、広波長帯域のクロック光から必要な波長帯域のクロック光のみを抜き出すことによって、光増幅部に入力されるパワーを最小限に押さえることが可能であり、光増幅器の利得を有効に活用することができる。また、光受信部には、波長ルータの出力ポート毎に設定されている分波チャネル波長に応じた光信号が透過し、その分波チャネル波長に対して周期的に現れる周期波長のクロック光が同時に分配されるため、上記分波チャネル波長の光信号および上記周期波長のクロック光によるクロストーク等の影響を防止することができる。
【0070】
なお、第2の実施形態においては、クロック光を波長ルータの分波チャネル波長に対して周期的に現れる周期波長で伝送し、光信号を波長ルータの分波チャネル波長で伝送するシステムを説明したが、光信号を波長ルータの分波チャネル波長に対して周期的に現れる周期波長で伝送し、クロック光を波長ルータの分波チャネル波長で伝送してもかまわない。
【0071】
また、本実施形態においては、クロック信号による変調を広帯域光変調部12で行っているが、広帯域光源11を直接変調してもかまわない。同様に、電気信号E1〜nの変調を波長多重光変調部32で行っているが、波長可変光源31を直接変調してもかまわない。
【0072】
さらに、本実施形態においては、広帯域の光信号としてクロック光を用いて説明したが、本発明で用いられる広帯域の光信号はクロック光に限定されない。例えば、映像データを広帯域の光信号として伝送し、光受信部に応じたデータ信号を波長多重光信号として伝送しても、本発明を実現できることは言うまでもない。つまり、本発明は、広帯域の光信号として複数の光受信部に共通して送信するデータを伝送し、波長多重光信号として光受信部の要求に応じたデータ信号を伝送することによって、有効に利用することができる。
【0073】
また、波長可変光源31は、複数の波長を有する光を波長多重光変調部32に出力してもかまわない。このように構成することによって、複数の光受信部5に同時に複数の波長で多重された光信号を伝送することができる。さらに、波長可変光源31は、複数の単一波長光源によって構成されても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0074】
(第3の実施形態)
図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係る光伝送システムについて説明する。なお、図6は、当該光伝送システムの構成を示すブロック図である。図6において、当該光伝送システムは、第2の実施形態で説明した光伝送システムに対して、広帯域光送信部10を第1の広帯域光送信部50とし、第2の広帯域光送信部60および光フィルタ22を追加して送信部120にしたものであり、他の機能ブロックは第2の実施形態と同様である。なお、第3の実施形態に係る光伝送システムの説明では、第2の実施形態に係る光伝送システムと同様の機能ブロックについては、同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0075】
当該光伝送システムの送信部120において、第1の広帯域光送信部50は、広帯域光源51および第1の広帯域光変調部52を含んでいる。なお、広帯域光源51および第1の広帯域光変調部52は、第2の実施形態で説明した広帯域光源11および広帯域光変調部12と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、第2の広帯域光送信部60は、広帯域光源61および第2の広帯域光変調部62を含んでいる。この広帯域光源61は、広帯域光源11と同様に、LED、ASE、またはSLDで構成される。第2の広帯域光変調部62は、広帯域光源61から出力された広波長帯域の光を、電気信号Eでデータ光信号に変調して光フィルタ22に出力する。光フィルタ22は、第2の広帯域光送信部60および合波部40の間に設けられており、合波部40は、光フィルタ21および22からの光信号を合波して、光増幅部2に出力する。
【0076】
光フィルタ22は、第2の広帯域光送信部60から出力された広波長帯域の光信号の内、所定の波長帯域の光信号のみ透過させ、光増幅部2に出力する。ここで、図7を参照して、光フィルタ22の透過特性Fc2について説明する。
【0077】
図7において、上述したように波長ルータ4は、複数の分波チャネルchに接続されたn個の光受信部5−1〜nに対して、伝送された光信号をそれぞれ異なった分波チャネル波長λch1〜nに応じて、それぞれ異なる分波チャネルchから同時に分配して出力する(図7における波長ルータ分波波長特性Rc)。この波長ルータ4に設定されているn個の分波チャネルch1〜nのそれぞれの分波チャネル波長λch1〜nが全て含まれる波長帯域を、波長ルータ4の分波波長帯域とする。
【0078】
また、波長ルータ4は、上述したように、上記分波チャネルchが設定されているそれぞれの分波チャネル波長λchに対する周期的な別の波長λchtに基づいても、伝送した光信号を分配する機能を有している。つまり、分波チャネルchには、分波チャネル波長λchの光信号に加えて周期波長λchtの光信号も同時に分配されて透過する。
【0079】
図7において、上述した波長ルータ4の分波波長特性Rcは、分波チャネルch1〜nにおける分波チャネル波長λch1〜nに対して、同一分波チャネルch毎に波長間隔λtを有した周期波長λch1t〜λchntが現れる。なお、図7では、説明を簡単にするために分波チャネルch1における分波チャネル波長λch1に対して、波長間隔λtを有した周期波長λch1t-1およびλch1t1、および分波チャネルchnにおける分波チャネル波長λchnに対して、波長間隔λtを有した周期波長λchnt-1のみを示している。
【0080】
光フィルタ21の透過波長帯域は、少なくとも波長ルータ4の1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含み、かつ波長ルータ4の分波波長帯域を含まないように設定されている。なお、図7で示す光フィルタ21の透過特性Fc1における透過波長帯域は、波長ルータ4の分波波長帯域に対して、短波長側に1周期分の周期波長λch1t-1〜λchnt-1を含んでいる。これに対して、光フィルタ22の透過波長帯域は、少なくとも波長ルータ4の分波チャネル波長λch1〜λchnを含み、かつ波長ルータ4の周期波長λch1t〜λchntを含まないように設定される。つまり、光フィルタ21および22の透過波長帯域は、互いに重複せず、光フィルタ21の透過波長帯域が波長ルータ4の上記周期波長λch1t〜λchntを含むように設定され、光フィルタ22の透過波長帯域が波長ルータ4の分波チャネル波長λch1〜λchnを含むように設定される。
【0081】
ここで、光フィルタ21および22の透過波長帯域幅は、波長ルータ4の透過帯域幅と同じあるいは含む範囲で設定される(図7における光フィルタ透過特性Fc1およびFc2)。このように光フィルタ21および22の透過波長帯域を設定することによって、光増幅部2へ出力するそれぞれの光信号の波長帯域を限定するため、上記光信号の入力パワーが減少して光増幅部2の出力パワーの飽和を防止することができ、利得を効率よく取ることができる。
【0082】
次に、第3の実施形態に係る光伝送システムの光信号の伝送動作について説明する。図6に戻り、当該光伝送システムの送信部120において、上述したように第1の広帯域光送信部50の広帯域光源51は、広波長帯域の光を第1の広帯域光変調部52に出力する。そして、第1の広帯域光変調部52は、例えば広帯域光源51から出力された光をクロック信号で変調することによって、クロック光を光フィルタ21に出力する。光フィルタ21は、上述したように、第1の広帯域光変調部52から出力された広波長帯域のクロック光の内、少なくとも波長ルータ4の1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含み、かつ波長ルータ4の分波波長帯域を含まない波長帯域のクロック光のみ透過させ、合波部40に出力する。
【0083】
一方、第2の広帯域光送信部60からは、上述したように広波長帯域の光を電気信号Eで変調された光信号が光フィルタ22に出力している。光フィルタ22は、上述したように、第2の広帯域光変調部62から出力された広波長帯域の光信号の内、少なくとも波長ルータ4の分波チャネル波長λch1〜λchnを含み、かつ波長ルータ4の周期波長λch1t〜λchntを含まない波長帯域の光信号のみ透過させ、合波部40に出力する。
【0084】
合波部40は、光フィルタ21および22から出力されるクロック光および光信号を合波する。光増幅部2は、光フィルタ21および22を透過して出力された上記クロック光および光信号を増幅して伝送部3に出力する。つまり、送信部120から伝送部3へは、第1の広帯域光変調部52で変調された広波長帯域のクロック光の内、光フィルタ21を透過可能な波長帯域のクロック光と、第2の広帯域光送信部60で電気信号Eで変調された広波長帯域の光信号の内、光フィルタ22を透過可能な波長帯域の光信号とが、光増幅部2で増幅されて伝送される。
【0085】
当該光伝送システムの伝送部3は、光ファイバ等の光信号の伝送路であり、光増幅部2で増幅された上記クロック光および光信号を、波長ルータ4まで伝送する。
【0086】
波長ルータ4は、伝送されたクロック光および光信号に対して、それぞれ異なる分波チャネルchからクロック光および光信号を分波チャネル波長λch1〜nに応じて同時に分配して出力する機能を有している。また、上述したように、波長ルータ4は、分波チャネルchが設定されているそれぞれの分波チャネル波長λchに対する周期的な別の波長λchtに基づいても、入力した光信号を分波する機能を有している。つまり、分波チャネルchには、それぞれの分波チャネル波長λch1〜nの光信号に加えて周期波長λch1t〜λchntの光信号も分波されて出力される。したがって、波長ルータ4は、伝送部3を介して伝送された上記周期波長λcht〜λchntを有するクロック光を、それぞれの分波チャネルchに対応する周期波長λch1t〜λchntに基づいて分波することによって、全ての分波チャネルchに分波されたクロック光を分配して同時に出力する。また、波長ルータ4は、伝送部3を介して伝送された上記分波チャネル波長λch1〜λchnを有する光信号を、それぞれの分波チャネルchに対応する分波チャネル波長λch1〜λchnに基づいて分波することによって、全ての分波チャネルchに分波された光信号を分配して同時に出力する。つまり、波長ルータ4の全ての分波チャネルchから、第1の広帯域光送信部50からのクロック光および第2の広帯域光送信部60からの光信号が出力される。なお、上記クロック光の波長は周期波長λch1t〜λchntであり、上記光信号の波長は分波チャネル波長λch1〜λchnであるため、互いの波長は異なっており、クロストーク等は発生しない。
【0087】
波長ルータ4の複数の分波チャネルchには、受信部200に設けられたそれぞれn個の光受信部5−1〜nが接続されており、光受信部5−1〜nは、波長ルータ4で分配され出力されたクロック光および光信号をクロック信号および電気信号Eに変換する。
【0088】
このように、第3の実施形態に係る光伝送システムでは、クロック光を透過させる光フィルタの透過波長帯域が、波長ルータの1周期分の周期波長λch1t〜λchntを含むように、かつ波長ルータの分波波長帯域を含まないように設定される。また、光信号を透過させる光フィルタの透過波長帯域が、波長ルータの分波波長帯域を含み、かつ波長ルータの周期波長λch1t〜λchntを含まないように設定される。このような光フィルタをそれぞれの光送信部の後に挿入して、広波長帯域のクロック光および光信号から必要な波長帯域のクロック光および光信号のみを抜き出すことによって、光増幅部に入力されるパワーを最小限に押さえることが可能であり、光増幅器の利得を有効に活用することができる。また、光受信部には、波長ルータの全ての出力ポートに上記光信号およびクロック光が入力し、それぞれの波長は異なっているため、上記光信号およびクロック光によるクロストーク等の影響を防止することができる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、電気信号による変調を第2の広帯域光変調部62で行っているが、広帯域光源61を直接変調してもかまわない。
【0090】
また、本実施形態においては、広帯域の光信号としてクロック光を用いて説明したが、本発明で用いられる広帯域の光信号はクロック光に限定されない。例えば、映像データを広帯域の光信号として伝送しても、本発明を実現できることは言うまでもない。つまり、本発明は、広帯域の光信号として複数の光受信部に共通して送信するデータを伝送することによって、有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光フィルタ20および波長ルータ4の波長特性を示す概略図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図3の光フィルタ21および波長ルータ4の波長特性を示す概略図である。
【図5】図3の光伝送システムで伝送される各構成ブロックにおけるクロック光および光信号の状態を示す概略図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6の光フィルタ21、22、および波長ルータ4の波長特性を示す概略図である。
【図8】従来の光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2…光増幅部
3…伝送部
4…波長ルータ
5…光受信部
10…広帯域光送信部
11、51、61…広帯域光源
12…広帯域光変調部
20、21、22…光フィルタ
30…波長多重光送信部
31…波長可変光源
32…波長多重光変調部
40…合波部
50…第1の広帯域光送信部
52…第1の広帯域光変調部
60…第2の広帯域光送信部
62…第2の広帯域光変調部
100、110、120…送信部
200…受信部
ch…分波チャネル
E…電気信号
Fc…光フィルタ透過特性
Lc…クロック光
Ls…光信号
Rc…波長ルータ分波波長特性
Claims (12)
- 送信部から送信された光信号を波長ルータにおいて波長に応じて複数の出力ポートに分配して複数の受信部で受信する光伝送システムであって、
前記波長ルータは、前記複数の出力ポートにそれぞれ設定された固有の設定波長に応じて、前記光信号のうち当該出力ポートの設定波長および当該設定波長を基準として所定の波長間隔毎に現れる周期波長に対応する信号を各出力ポートに出力する周期分波特性を有し、
前記送信部は、
広波長帯域を有し、前記複数の受信部に共通して送信される共通送信信号で変調された広帯域光信号を出力する広帯域光送信部と、
前記広帯域光送信部から出力された前記広帯域光信号を入力し、前記各出力ポートの設定波長から前記波長間隔の0以外の整数倍分だけ変化した周期波長を含み前記各出力ポートの他の周期波長および設定波長は含まない帯域の所定帯域光信号のみを透過させて出力する光フィルタと、
前記各出力ポートの設定波長と等しい波長を有する光を、それぞれ対応する出力ポートの出力信号を受信する受信部に送信するデータ信号で変調して多重した多重光信号を出力する多重光信号送信部と、
前記多重光信号と前記所定帯域光信号とを合波して光信号を出力する合波部とを備えた、光伝送システム。 - 送信部から送信された光信号を波長ルータにおいて波長に応じて複数の出力ポートに分配して複数の受信部で受信する光伝送システムであって、
前記波長ルータは、前記複数の出力ポートにそれぞれ設定された固有の設定波長に応じて、前記光信号のうち当該出力ポートの設定波長および当該設定波長を基準として所定の波長間隔毎に現れる周期波長に対応する信号を各出力ポートに出力する周期分波特性を有し、
前記送信部は、
広波長帯域を有し、前記複数の受信部に共通して送信される共通送信信号で変調された広帯域光信号を出力する広帯域光送信部と、
前記広帯域光送信部から出力された前記広帯域光信号を入力し、前記各出力ポートの設定波長を含み前記各出力ポートの周期波長は含まない帯域の所定帯域光信号のみを透過させて出力する光フィルタと、
前記各出力ポートの設定波長から前記波長間隔の0以外の整数倍分だけ変化した周期波長と等しい波長を有する光を、それぞれ対応する出力ポートの出力信号を受信する受信部に送信するデータ信号で変調して多重した多重光信号を出力する多重光信号送信部と、
前記多重光信号と前記所定帯域光信号とを合波して光信号を出力する合波部とを備えた、光伝送システム。 - 前記広帯域光送信部は、
前記広波長帯域を有する広帯域光を出力する広帯域光源と、
前記広帯域光を前記共通送信信号で変調して広帯域光信号を出力する広帯域光変調部とを含む、請求項1または2記載の光伝送システム。 - 前記広帯域光送信部は、前記広波長帯域を有する広帯域光を出力する広帯域光源を前記共通送信信号で直接変調して広帯域光信号を出力する、請求項1または2記載の光伝送システム。
- 前記共通送信信号は、前記データ信号に対応したタイミング情報を示すクロック信号である、請求項1または2記載の光伝送システム。
- 前記多重光信号送信部は、時系列に波長を切り替えて前記多重光信号を出力する、請求項4または5記載の光伝送システム。
- 前記多重光信号送信部は、複数の波長の光を同時に出力して前記多重光信号を出力する、請求項1または2記載の光伝送システム。
- 前記広帯域光源は、発光ダイオード(LED)である、請求項3また は4記載の光伝送システム。
- 前記広帯域光源は、増幅された自然放出光(ASE)である、請求項3または4記載の光伝送システム。
- 前記広帯域光源は、超放射ダイオード(SLD)である、請求項3または4記載の光伝送システム。
- 前記波長ルータは、アレイ導波路格子(AWG)によって構成される、請求項1または2記載の光伝送システム。
- 前記複数の受信部は、それぞれ前記複数の出力ポートのいずれかに接続され、当該出力ポートからの出力信号を電気信号に変換する、請求項1または2記載の光伝送システム。
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