JP4075600B2 - ピン連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連結ピンが挿通する2つのリンクの相対回転角度が所定の回転角度以下に制限されているピン連結構造に関し、特に内燃機関の複リンク式の可変圧縮比機構に好適なピン連結構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の機関圧縮比を変更可能な複リンク式のピストン−クランク機構として、本出願人は特願2000−316020号に記載された可変圧縮比機構を以前に提案している。この可変圧縮比機構は、クランクピンに取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと内燃機関のピストンとを連繋するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結されたコントロールリンクと、を有し、このコントロールリンクの他端の支持位置を変化させることにより、機関圧縮比を連続的に変更可能である。2つのリンク、例えばアッパリンク(又はコントロールリンク)とロアリンクには、略円筒状をなすピンボス部が形成されていて、これらのピンボス部を連結ピンが挿通している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、各ピンボス部の軸方向幅は周方向に一定である。従って、ピンボス部の強度を向上するために、その軸方向幅を広くすると、その分、1つの連結ピンが挿通する複数のピンボス部全体の軸方向幅(典型的には、軸方向両側に位置するピンボス部の軸方向両端間の距離)も長くなって、内燃機関等への搭載性の低下を招く。特に、上述した可変圧縮比機構を備える内燃機関では、回転するクランクシャフトのカウンタウエイト近傍の狭いスペースに上記複数のピンボス部を配置しなければならず、その配置スペースが小さく制限されており、かつ、機関の燃焼圧力に基づく大きな燃焼荷重やリンクの慣性荷重などに耐え得るように、ピンボス部や連結ピンに高い強度が要求される。
【0004】
ところで、上記の可変圧縮比機構では、その構造上、連結ピンにより連結されるアッパリンク(又はコントロールリンク)とロアリンクとの相対的な回転角度は所定角度(例えば50〜60°)以下に制限されている。また、ピンボス部と連結ピンとが対向する軸受部分のうち、ピストンへの燃焼圧力に基づく大きな燃焼荷重が作用する周方向範囲も限定されている。本発明は、これらの点に着目してなされたものであり、複数のピンボス部全体の軸方向幅の抑制化と、燃焼荷重のような大きな荷重に対するピンボス部の強度向上並びに連結ピンの曲げ応力の低減化と、を高いレベルで両立し得る新規なピン連結構造を提供することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る可変圧縮比機構は、内燃機関のクランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと内燃機関のピストンとを連繋するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結されるコントロールリンクと、を有し、上記コントロールリンクの他端の支持位置を変化させることにより、機関圧縮比を変更することができる。第1リンクとしてのアッパリンク又はコントロールリンクには第1ピンボス部が設けられ、第2リンクとしてのロアリンクには第2ピンボス部が設けられ、これら第1ピンボス部及び第2ピンボス部の双方を連結ピンが軸方向に挿通している。上記可変圧縮比機構の構造上、上記アッパリンク又はコントロールリンクとロアリンクとの相対回転角度は所定の回転角度(例えば50〜60°)以下に制限されている。
【0006】
上記第1ピンボス部は、軸方向幅が異なる幾つかの周方向部分、詳しくは、第1幅狭部と、この幅狭部よりも軸方向幅の長い第1幅広部と、を有している。同様に、上記第2ピンボス部は、軸方向幅が異なる幾つかの周方向部分、詳しくは、第2幅狭部と、この第2幅狭部よりも軸方向幅が長い第2幅広部と、を有している。これら第1幅広部と第2幅広部とは軸方向に部分的にオーバーラップしている。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、第1ピンボス部及び第2ピンボス部の全体的な軸方向幅を抑制しつつ、燃焼荷重のような特定の荷重に対するピンボス部の強度向上並びに連結ピンの曲げ応力の低減化を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係るピン連結構造を適用したリンク機構の一例として、複リンク式のピストン−クランク機構である内燃機関の可変圧縮比機構を示している。シリンダブロック5に形成されたシリンダ6内には、ピストン1が摺動可能に配設されている。ピストン1は、その上方に画成される燃焼室から燃焼圧力を受ける。クランクシャフト3は、クランク軸受ブラケット7によってシリンダブロック5に回転可能に支持されている。
【0009】
上記の可変圧縮比機構は、クランクシャフト3のクランクピン4に回転可能に取り付けられるロアリンク13と、このロアリンク13とピストン1とを連繋するアッパリンク11と、一端がロアリンク13に連結されるコントロールリンク15と、機関圧縮比を変更するときに、コントロールリンク15の他端の支持位置(揺動支点)16を、固定体としてのシリンダブロック5に対して変位・移動させる支持位置可変手段と、を有している。ピストン1とアッパリンク11とはピストンピン2によって相対的に揺動可能に連結されている。アッパリンク11とロアリンク13とは第1連結ピン12によって連結されている。ロアリンク13とコントロールリンク15とは第2連結ピン14によって連結されている。第1連結ピン12と第2連結ピン14とはクランクピン4を挟んで互いにほぼ反対側に配置されている。
【0010】
上記の支持位置可変手段は、クランクシャフト3の斜め下方をクランクシャフト3と平行に気筒列方向へ延びる制御軸18と、この制御軸18に偏心して固定又は一体形成された円形の偏心カム19と、制御軸18を回転駆動するアクチュエータ(図示省略)と、を有している。偏心カム19の外周面には、コントロールリンク15の他端が揺動可能に取り付けられている。制御軸18は、上記のクランク軸受ブラケット7と制御軸受ブラケット8とによってシリンダブロック5側に回転可能に支持されている。機関圧縮比を変更する際には、周知のエンジン制御部から上記のアクチュエータへ駆動信号を出力して、制御軸18を回転駆動する。これにより、コントロールリンク15の揺動支点16となる偏心カム19の中心位置がシリンダブロック5に対して変位・移動し、コントロールリンク15によるロアリンク13の運動拘束条件が変化し、クランク角に対するピストン1のストローク特性、特にその上死点位置が変化して、機関圧縮比が変化する。
【0011】
この可変圧縮比機構によれば、制御軸18を無段階に回動・保持することにより、機関圧縮比を連続的(無段階)に変更でき、かつ、その可変幅も大きい。また、比較的スペースに余裕のあるクランクシャフト3の斜め下方に制御軸18を配置しているため、機関搭載性に優れており、例えば既存の内燃機関にも大きな変更を加えることなく適用可能である。更に、クランクシャフト3の斜め下方で、かつ、オイルパンの直ぐ上方に、制御軸18を配置できるため、偏心カム19とコントロールリンク15との摺動部分を含めた制御軸18周囲の潤滑を行い易い。
【0012】
図2〜17を参照して、本発明の第1実施例を説明する。この第1実施例では、第1連結ピン12によるアッパリンク(第1リンク)11とロアリンク(第2リンク)13とのピン連結構造に本発明を適用している。
【0013】
図2〜4にも示すように、アッパリンク11の下端には略円筒状をなす第1ピンボス部21が形成されている。第1ピンボス部21は、軸方向幅が周方向に沿って一定ではなく、その周方向一部を構成する幾つかの部分、詳しくは、一定の軸方向幅bを有する第1幅狭部22と、この第1幅狭部22よりも軸方向幅の長い(広い)一定の軸方向幅aを有する第1幅広部23と、これら第1幅狭部22と第1幅広部23とを結ぶ一対の第1傾斜部24と、により構成されている。第1傾斜部24は、その軸方向端面が軸直交面に対する傾斜面となっていて、第1幅広部23から第1幅狭部22へ向けて徐々に軸方向幅が狭くなっている。
【0014】
図5〜7にも示すように、ロアリンク13は、幾つかの部材をボルト25,26,27により結合した組立体となっていて、詳しくは、クランクピン4を回転可能に支持する主軸受部材28と、この主軸受部材28を軸方向に挟み込む一対の板状部材29、等により大略構成されている。各板状部材29には、上記の第1連結ピン12が挿通する略円筒状の第2ピンボス部31と、上記の第2連結ピン14が挿通する略円筒状の第3ピンボス部35と、がそれぞれ形成されている。このように、クランクピン4に対する軸受部分を備えた主軸受部材28と、連結ピン12,14に対する軸受部分を備えた板状部材29と、を別体とすることにより、一方の軸受部分の曲げ変形が他の軸受部分へ悪影響を与えることを抑制・回避することができる。
【0015】
図8及び図9にも示すように、第2ピンボス部31は、軸方向幅が周方向で一定ではなく、その周方向一部分を構成する幾つかの部分、詳しくは、一定の軸方向幅dを有する第2幅狭部32と、この第2幅狭部32よりも軸方向幅の長い(広い)一定の軸方向幅cを有する第2幅広部33と、これら第2幅狭部32と第2幅広部33とを結ぶ一対の第2傾斜部34と、により構成されている。第2傾斜部34は、その軸方向端面が軸直交面に対して傾斜面となっていて、第2幅広部33から第2幅狭部32へ向かって徐々に軸方向幅が狭くなっている。
【0016】
第1連結ピン12は、第1ピンボス部21と、この第1ピンボス部21の軸方向両側に配置される2つの第2ピンボス部31と、を軸方向に挿通して、アッパリンク11とロアリンク13とを連結している。ここで、可変圧縮比機構の構造上、アッパリンク11とロアリンク13との相対回転角度(ロアリンク13に対するアッパリンク11の揺動角度)は、所定の回転角度に制限されている。この実施例では、リンク11,13の相対回転角度が、高圧縮比の設定状態で約55°、低圧縮比の設定状態で約50°に制限されている。図示していないが、第1連結ピン12は、適宜な手法、例えばワッシャやスナップリングを用いたフルフロート式構造あるいは圧入固定により、第2ピンボス部31に対して軸方向に抜け止めされている。
【0017】
第1幅広部23は、第2幅狭部32よりも周方向長さが短く設定されており、ピストン1の位置や制御軸18の回転位置にかかわらず、常に第2幅狭部32と軸方向に実質的に隙間無く隣接・対向している。第2幅広部33は、第1幅狭部22よりも周方向長さが短く設定されており、ピストン1の位置や制御軸18の回転位置にかかわらず、常に第1幅狭部22と軸方向に実質的に隙間無く隣接・対向している。従って、第1幅広部23と各第2幅広部33とは、所定の軸方向幅ΔDだけ軸方向にオーバーラップしている(図9参照)。すなわち、ピストン1へ作用する燃焼圧力に基づく燃焼荷重が作用する方向から見て、第1幅広部23と各第2幅広部33とが部分的に重なり合っている。
【0018】
ピンボス部21,31の内周面と第1連結ピン12の外周面との軸受部分には、主として、ピストン1へ作用する燃焼圧力に起因する燃焼荷重と、アッパリンク11やロアリンク13などの慣性荷重と、が作用する。特に、圧縮上死点近傍では大きな燃焼荷重が作用するとともに、膨張下死点近傍では上記の燃焼荷重と実質的に同方向へ膨張慣性荷重が作用する。このように大きな燃焼荷重や膨張慣性荷重が第1幅広部23及び第2幅広部33と第1連結ピン12との接触部分に作用するように、図8及び図9に示すように、燃焼荷重(及び膨張慣性荷重)の作用方向に対して第1幅広部23及び第2幅広部33が配置されている。
【0019】
図10は、最大燃焼荷重が作用する圧縮上死点近傍でのリンク配置を示している。揺動中心線53は、ロアリンク13に対するアッパリンク11の揺動角度54の中央線に相当する。これら揺動中心線53及び揺動角度54は、可変圧縮比機構を構成するリンク要素の寸法・レイアウトに応じて予め所定値に設定されている。第1連結ピン12から第1ピンボス部21へ作用する最大燃焼荷重の作用方向45は、アッパリンク11の両端のリンク連結点、すなわちピストンピン2の軸心と第1連結ピン12の軸心とを結ぶリンク中心線52に対し、慣性荷重の影響により、クランクピン4の回転方向、すなわちクランクピン4から遠ざかる方向(図10の時計回り方向)へずれている。
【0020】
この作用方向45に対してほぼ対称形状をなすように、第1幅狭部22,第1幅広部23及び第1傾斜部24が形成されている。第1幅広部23は、上記の作用方向45と同じ側に形成されており、第1幅狭部22は上記の方向45の反対側に形成されており、両者22,23は互いに対向配置されている。第1幅狭部22及び第1幅広部23は、それぞれ、上記作用方向45を挟んで周方向両側へほぼ均等に延びている。従って、最大燃焼荷重は第1幅広部23のほぼ周方向中央部へ作用する。
【0021】
図示していないが、第2ピンボス部31においても、上記の第1ピンボス部21と同様、第2幅狭部32及び第2幅広部33が第1連結ピン12から第2ピンボス部31へ作用する最大燃焼荷重の作用方向に対してほぼ対称形状をなしており、第2幅広部33の周方向中央部に最大燃焼荷重が作用するように設定されている。
【0022】
図11は、最も大きな慣性荷重が作用するときのリンク配置を簡略的に示している。第1連結ピン12から第1ピンボス部21へ作用する最大膨張慣性荷重(慣性荷重と燃焼荷重とを併せた荷重)の作用方向47は、最も大きな慣性荷重の影響により、リンク中心線52に対して、上述した最大燃焼荷重の作用方向45よりも更にクランクピン回転方向(図11の時計回り方向)へずれている。この最大膨張慣性荷重が第1幅広部23へ確実に作用するように、第1幅広部23が充分に広い周方向範囲に延設されている。すなわち、第1幅広部23は、燃焼荷重や膨張慣性荷重が確実に作用するように、最大燃焼荷重が作用する部分を中央として周方向に広く形成されている。
【0023】
図12に示すように、第1幅広部23は、リンク中心線52に対して非対称形状をなしており、詳しくは、リンク中心線52に対してクランクピン4から遠ざかる方向(図の時計回り方向)へ延びる長区間23aと、リンク中心線52からクランクピン4へ近づく方向(図の反時計回り方向)へ延び、上記の長区間23aよりも周方向長さが短い短区間23bと、により構成される。上記の長区間23aに、径方向に貫通する1つの油孔40が形成されている。
【0024】
図13(a)及び図14(a),(c)は、第1,第2ピンボス部21’,31’の軸方向幅が全周にわたって一定である比較例のピン連結構造を簡略的に示しており、図13(b)及び図14(b),(d)は、本実施例のピン連結構造を簡略的に示している。
【0025】
第1,第2ピンボス部全体の軸方向幅(両側の第2ピンボス部の軸方向端面間の距離)L1,L2、すなわちピンボス部全体の軸方向配置スペースは、クランクシャフト3のカウンタウエイト17(図1参照)等との干渉を避けるなどの理由により短く制限されている。しかしながら、比較例では、燃焼荷重や膨張慣性荷重が作用するピンボス部の軸方向幅(軸受面積)を本実施例と同じだけ確保しようとすると、ピンボス部全体の軸方向幅L1が本実施例の軸方向幅L2に比して大幅に長くなってしまう。具体的には、上述した第1ピンボス部21と第2ピンボス部31とが軸方向にオーバーラップする距離(ΔD×2)の分、比較例の軸方向寸法が長くなってしまう。本実施例では、大きな燃焼荷重や膨張慣性荷重が作用するピンボス部21,31の幅広部23,33の軸方向幅を短くすることなく、ピンボス部全体の軸方向幅L2を短かくすることができる。言い換えると、ピンボス部21,31全体の軸方向寸法L2を増加することなく、個々のピンボス部21,31の軸方向幅を部分的に長くして、その強度を有効に向上することができる。従って、ピンボス部全体の軸方向幅の抑制化による機関搭載性の向上と、大きな荷重に対するピンボス部21,31の強度向上と、を高いレベルで両立することができる。
【0026】
図14を参照して、燃焼荷重や膨張慣性荷重が作用するときの第1連結ピン12の曲げ応力について考察する。本実施例では、第1幅広部23及び第2幅広部33から第1連結ピン12には互いに反対向きの燃焼荷重や膨張慣性荷重が作用するため、図14の(d)の符号36に示すように、両者23,33がオーバーラップする部分で荷重が打ち消し合うことになり、比較例に比して第1連結ピン12の曲げ応力が著しく抑制される。従って、第1連結ピン12の小径化,軽量化が可能となる。また、第1連結ピン12の曲げ応力が小さくなることから、ピンボス部21,31に対する第1連結ピン12の片当り現象も抑制され、第1連結ピン12とピンボス部21,31との軸受部分のフリクションも著しく低減される。
【0027】
なお、図8に示すように、第1連結ピン12から第1ピンボス部21へ作用する排気慣性荷重の作用方向は、上述した燃焼荷重や膨張慣性荷重の作用方向とほぼ逆向きとなる。従って、排気慣性荷重は第1連結ピン12と幅狭部22,32との接触部分に作用することとなる。このため、上述したような曲げ応力の低減効果は得られない。しかしながら、この排気慣性荷重は上記の燃焼荷重に比して充分に小さく、排気慣性荷重に基づく曲げ応力も燃焼荷重に基づく曲げ応力に比して充分に小さいため、実用上問題となることはない。
【0028】
図10に示すように、この可変圧縮比機構にあっては、最大燃焼荷重が作用するとき、アッパリンク11はロアリンク13に対してクランクピン4から最も離れる方向(図10の時計回り方向)へ揺動した姿勢となっている。第1幅広部23はリンク中心線52に対して非対称形状であり、かつ、リンク中心線52に対して最大燃焼荷重の作用方向45と同方向に延びる長区間23aの周方向長さが相対的に長く設定されている。このような設定により、第1幅広部23とロアリンク13の第2ピンボス部31との干渉を回避しつつ、第1幅広部23を周方向に充分に長くすることが可能となっている。
【0029】
このように第1幅広部23の周方向長さを充分に長くしている関係で、ロアリンク13側の第2幅広部33の周方向長さが上記第1幅広部23に比して短くなっている。但し、図5〜7にも示すように、ロアリンク13の略円筒形をなす第2ピンボス部31の周囲には、軸直交方向に延びるリブ37等が一体的に付帯形成されているため、アッパリンク11に比してピンボス部近傍の強度・剛性が元々高く、その応力集中が問題になるおそれはほとんどない。従って、第2幅広部33の周方向長さを大きな燃焼荷重が作用する短い範囲に限定し、その周方向長さを充分に短くすることにより、ロアリンク13の軽量化を図ることができる。
【0030】
第1幅広部23の長区間23aは、最大燃焼荷重や最大膨張慣性荷重のような大きな荷重が作用するため、最も潤滑性能が要求される。この長区間23aに油孔40が形成されているため、効果的な潤滑を行うことができる。また、油孔40は、軸方向幅の長い第1幅広部23に形成されているため、その径を比較的大きく設定しても、油孔40周りの強度不足を招くおそれはない。更に、図5にも示すように、油孔40がクランクピン4に対してほぼ反対側で、かつ、ほぼ鉛直上方へ向けて開口するように設定されているため、この油孔40へ良好に潤滑油を導入させることができる。
【0031】
また、図5に示すように、第1ピンボス部21の第1幅狭部22又は第1傾斜部24と、第2ピンボス部31の第2幅狭部32又は第2傾斜部34と、が軸方向に互いに対向する部分に、第1連結ピン12の外周面に臨んだ空間42が形成される。この空間42を通して、第1連結ピン12とピンボス部21,31との軸受部分に良好に潤滑油が導入されるため、その潤滑性が更に向上する。
【0032】
図15(a)及び図16,17の特性(a)は、ピストンピンとクランクピンとを一本のコンロッドで連繋した単リンク式のピストン−クランク機構に対応している。図15(b)及び図16,17の特性(b)は、本実施例に係る可変圧縮比機構を採用した複リンク式のピストン−クランク機構に対応している。図16の縦軸は、ピストン往復軸線に対するアッパリンク(コンロッド)の揺動角を表している。
【0033】
単リンク機構では、構造上の制約により、上死点近傍のピストン最大加速度の大きさ(絶対値)が下死点近傍のピストン最小加速度の大きさよりも不可避的に大きくなる。本実施例の複リンク機構では、主に燃焼の改善及び高次振動成分の低減化を図るために、ピストンストロークをできるだけ単振動に近づけてために、単リンク機構に比して、上死点近傍のピストン最大加速度の絶対値がΔa2減少するとともに、下死点近傍のピストン最小加速度がΔa1増加しており、かつ、ピストン上死点近傍のピストン速度がピストン下死点近傍のピストン速度よりも遅くなっている。このため、単リンク機構に比して、下死点近傍で作用する膨張慣性荷重が増加するとともに、上死点近傍で作用する排気慣性荷重が低減する。また、図15に示すように、膨張慣性荷重が作用するときの揺動角α2が単リンク機構の揺動角α1に比して大きくなる。このため、膨張慣性荷重に起因してピンボス部へ作用する圧縮荷重が単リンク機構に比して大きくなるが、この圧縮荷重が作用する第1幅広部23の軸方向幅が相対的に長くなっているため、その軸受面圧及び曲げ応力を充分に抑制することができる。一方、強度的に不利な第1幅狭部22に作用することとなる下死点近傍の排気慣性荷重に起因する引張り荷重を、単リンク式の構造に比して充分に小さくすることができる。
【0034】
図18及び図19は、本発明の第2実施例に係る可変圧縮比機構のピン連結構造を示している。なお、この第2実施例では上記の第1実施例と異なる部分について主に説明し、重複する説明を適宜省略する。
【0035】
図18,19及び図1等を参照して、基本的には上記の第1実施例と同様、クランクシャフト3のクランクピン4に組み付けられるロアリンク13Aと、このロアリンク13Aとピストン1とを連繋するアッパリンク11Aと、制御軸18の偏心カム19とロアリンク13Aとを連繋するコントロールリンク15Aと、を有し、制御軸18を回転駆動することによりロアリンク13Aの運動拘束条件を変化させて、機関圧縮比を変更・制御することができる。
【0036】
アッパリンク11Aの両端には、ピストンピン2の軸受面61aが形成されたピストンピン軸受部61と、第1連結ピン12が挿通するピン孔62aが形成されたアッパリンクピンボス部62と、がそれぞれ形成されている。コントロールリンク15Aの両端には、第2連結ピン14が挿通するピン孔63aが形成されたコントロールリンクピンボス部63と、偏心カム19に嵌合する軸受面64aが形成された偏心カム軸受部64と、がそれぞれ形成されている。ロアリンク13Aには、クランクピン2の軸受面65aが形成された主軸受部65と、第1連結ピン12が挿通するピン孔が形成された第1ロアリンクピンボス部66と、第2連結ピン14が挿通するピン孔が形成された第2ロアリンクピンボス部67と、が形成されている。
【0037】
アッパリンクピンボス部62は、略板状をなす第1ロアリンクピンボス部66を軸方向両側から挟み込むような二股形状・クレビス形状をなしている。つまりアッパリンクピンボス部62は、ピン孔62aが形成された一対の側壁間に第1ロアリンクピンボス部66を受容する略U字状の溝が形成されている。このアッパリンク11Aは、略円筒状をなすピストンピン軸受部61から二股形状のアッパリンクピンボス部62へ向けて徐々に厚肉化されている。
【0038】
コントロールリンクピンボス部63は、略板状をなす第2ロアリンクピンボス部67を軸方向両側から挟み込むような二股形状・クレビス形状をなしている。つまり、コントロールリンクピンボス部63は、ピン孔63aが形成された一対の側壁間に第2ロアリンクピンボス部67を受容する略U字状の溝が形成されている。このコントロールリンク15Aは、偏心カム軸受部64から二股形状のコントロールリンクピンボス部63へ向けて徐々に厚肉化されている。
【0039】
ロアリンク13Aは、上記第1実施例のような複数の部品をボルトにより結合した組立体ではなく、主軸受部65及びピンボス部66,67が一部品として一体的に形成された簡素な構造となっている。このロアリンク13Aは、主軸受部65の軸受強度を確保しつつリンク機構全体の軸方向寸法を抑制するために、第1ロアリンクピンボス部66及び第2ロアリンクピンボス部67が、ほぼ一定の軸方向寸法である主軸受部65に比して薄肉化されており、かつ、主軸受部65の軸方向中央部に一体的に接続している。
【0040】
第1ロアリンクピンボス部66及び第2ロアリンクピンボス部67は、それぞれ第1実施例の第1ピンボス部21に相当し、つまり、軸方向幅が周方向に沿って一定ではなく、その周方向一部を構成する幾つかの部分、詳しくは、一定の軸方向幅を有する第1幅狭部22と、この第1幅狭部22よりも軸方向幅の長い(広い)一定の軸方向幅を有する第1幅広部23と、これら第1幅狭部22と第1幅広部23とを結ぶ一対の第1傾斜部24と、により構成されている。第1傾斜部24は、その軸方向端面が軸直交面に対する傾斜面となっていて、第1幅広部23から第1幅狭部22へ向けて徐々に軸方向幅が狭くなっている。
【0041】
また、アッパリンクピンボス部62及び後コントロールリンクピンボス部63は、それぞれ第1実施例の第2ピンボス部31に相当し、つまり、軸方向幅が周方向で一定ではなく、その周方向一部分を構成する幾つかの部分、詳しくは、一定の軸方向幅を有する第2幅狭部32と、この第2幅狭部32よりも軸方向幅の長い(広い)一定の軸方向幅を有する第2幅広部33と、これら第2幅狭部32と第2幅広部33とを結ぶ一対の第2傾斜部34と、により構成されている。第2傾斜部34は、その軸方向端面が軸直交面に対して傾斜面となっていて、第2幅広部33から第2幅狭部32へ向かって徐々に軸方向幅が狭くなっている。
【0042】
第1幅広部23は第2幅狭部32と対向し、第2幅広部33は第1幅狭部22と対向している。そして、第1幅広部23と第2幅広部33とは、所定の軸方向幅だけ軸方向にオーバーラップしている。従って、上記の第1実施例と同様、幅広部23,33のオーバーラップによる強度の向上と軸方向幅の抑制化との両立等を図ることができる。
【0043】
次に、この第2実施例の特徴的な構成及び作用効果について、上記の第1実施例と比較しつつ説明する。
【0044】
第1実施例のロアリンク13は、アッパリンク11からの荷重がクランクピン軸受面の軸方向両端部へ集中しないように、ピンボス部21,31が形成された板状部材29とクランクピンの軸受部材28とを別部材としている。これに対し、第2実施例では、アッパリンクピンボス部62が二股形状であるため、アッパリンク11Aの往復慣性荷重が大きくなるものの、アッパリンクからロアリンク側へ作用する燃焼荷重や慣性荷重は、第1ロアリンクピンボス部66を経由してクランクピン軸受面65aの軸方向中央部へ入力する。従って、第1ロアリンクピンボス部66を二股形状ではなく板状として形状の簡素化・軽量化等を図りつつ、クランクピン軸受面65aの軸方向両端部への荷重の集中(いわゆる片当り)を招くことがなく、このクランクピン軸受面65aの潤滑性にも優れている。
【0045】
同様に、この第2実施例ではコントロールリンクピンボス部63を二股形状とし、第2ロアリンクピンボス部67を板状としているため、ロアリンク13Aの形状の簡素化・軽量化等を図りつつ、コントロールリンク15Aから作用する荷重がクランクピン軸受面65aの軸方向両端部に集中することがなく、潤滑性にも優れている。但し、アッパリンクピンボス部62と同様、コントロールリンクピンボス部63を二股形状としたため、コントロールリンク15A自体の重量は増加する。しかしながら、コントロールリンク15Aは、燃焼荷重を受けるアッパリンクに比してロアリンクへ作用する荷重が小さく、また、アッパリンクに比してピストン往復移動に伴う動きが緩慢で慣性荷重も小さいため、重量増加による悪影響は少ない。
【0046】
このようにロアリンクピンボス部66,67を簡素な板状としたため、ピンボス部66,67を主軸受部65へ一体的に接続することができる。従って、第1実施例のようにロアリンクが複数の部品をボルトにより結合した組立体である場合に比して、形状が簡素なために加工が容易で、組立作業性に優れ、かつ、軽量化を図ることができる。
【0047】
但し、図18,19のようにロアリンク13Aを完全に一部品として一体形成すると、このロアリンク13Aをクランクピンに後から組み付けることができなくなるため、例えば主軸受部65を半割構造としてもよい。
【0048】
以上のように本発明を具体的な図示実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨・範囲を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記第1実施例ではアッパリンクとロアリンクとの連結部分に本発明を適用しているが、コントロールリンクとロアリンクとの連結部分に本発明を同じように適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るピン連結構造を適用した内燃機関の可変圧縮比機構を示す概略構成図。
【図2】上記実施例のアッパリンクの第1ピンボス部近傍を示す正面図。
【図3】上記アッパリンクの第1ピンボス部近傍を示す側面図。
【図4】上記アッパリンクの第1ピンボス部近傍を示す斜視図。
【図5】上記アッパリンクを組み付けた状態のロアリンクを示す斜視図。
【図6】同じく上記アッパリンクを組み付けた状態のロアリンクを示す斜視図。
【図7】上記ロアリンクを単体で示す斜視図。
【図8】燃焼荷重及び排気慣性荷重の作用方向を示す説明図。
【図9】燃焼荷重の作用方向を示す説明図。
【図10】最大燃焼荷重が作用するときのリンク配置を示す構成図。
【図11】最大膨張慣性荷重が作用するときのリンク配置を示す構成図。
【図12】上記第1ピンボス部の第1幅広部の長区間及び短区間の配置を示す構成図。
【図13】比較例に係るピン連結構造(a)及び本実施例に係るピン連結構造(b)を簡略的に示す構成図。
【図14】比較例(a),(c)及び本実施例(b),(d)に係る第1連結ピンの曲げ応力を示す作用説明図。
【図15】単リンク式(a)及び複リンク式(b)のピストン−クランク機構を示す作用説明図。
【図16】単リンク式(a)及び複リンク式(b)のピストン−クランク機構におけるコンロッド及びアッパリンクの揺動角を示す特性図。
【図17】単リンク式(a)及び複リンク式(b)のピストン−クランク機構におけるピストン加速度を示す特性図。
【図18】本発明の第2実施例に係る可変圧縮比機構のピン連結構造を示す斜視図。
【図19】同じく第2実施例に係る可変圧縮比機構のピン連結構造を示す斜視図。
【符号の説明】
11,11A…アッパリンク
12…第1連結ピン
13,13A…ロアリンク
14…第2連結ピン
15,15A…コントロールリンク
18…制御軸(支持位置可変手段)
19…偏心カム(支持位置可変手段)
21…第1ピンボス部
22…第1幅狭部
23…第1幅広部
23a…長区間
23b…短区間
31…第2ピンボス部
32…第2幅狭部
33…第2幅広部
40…油孔
Claims (10)
- 内燃機関のクランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと内燃機関のピストンとを連繋するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結されるコントロールリンクと、機関圧縮比を変更するときに、上記コントロールリンクの他端の支持位置を変化させる支持位置可変手段と、を有する可変圧縮比機構に適用され、かつ、
上記アッパリンク又はコントロールリンクに設けられた第1ピンボス部と、上記ロアリンクに設けられた第2ピンボス部と、上記第1ピンボス部及び第2ピンボス部の双方を軸方向に挿通する連結ピンと、を有し、上記アッパリンク又はコントロールリンクとロアリンクとの相対回転角度が所定の回転角度以下に制限されているピン連結構造において、
上記第1ピンボス部の周方向一部を構成する第1幅狭部と、
上記第1ピンボス部の周方向一部を構成し、かつ、上記第1幅狭部よりも軸方向幅の広い第1幅広部と、
上記第2ピンボス部の周方向一部を構成する第2幅狭部と、
上記第2ピンボス部の周方向一部を構成し、かつ、上記第2幅狭部よりも軸方向幅の広い第2幅広部と、を有し、
上記第1幅広部と第2幅広部とは、軸方向に部分的にオーバーラップしているとともに、所定の第1の荷重の作用方向に応じて、その周方向範囲が設定されており、
かつ、上記第1幅広部は、上記第1の荷重の作用方向とは異なる所定の第2の荷重の作用方向に応じて、上記アッパリンク又はコントロールリンクの両端のリンク連結点を結ぶリンク中心線から周方向へ延びる短区間に比して、上記リンク中心線から周方向に上記短区間と反対方向へ延びる長区間の周方向長さが長く設定されていることを特徴とするピン連結構造。 - 上記第1幅広部の長区間を径方向に貫通する油孔を有することを特徴とする請求項1に記載のピン連結構造。
- 上記油孔が第1ピンボス部の外周面に開口していることを特徴とする請求項2に記載のピン連結構造。
- 内燃機関のクランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクと内燃機関のピストンとを連繋するアッパリンクと、一端がロアリンクに連結されるコントロールリンクと、機関圧縮比を変更するときに、上記コントロールリンクの他端の支持位置を変化させる支持位置可変手段と、を有する可変圧縮比機構に適用され、かつ、
上記アッパリンク又はコントロールリンクに設けられた第1ピンボス部と、上記ロアリンクに設けられた第2ピンボス部と、上記第1ピンボス部及び第2ピンボス部の双方を軸方向に挿通する連結ピンと、を有し、上記アッパリンク又はコントロールリンクとロアリンクとの相対回転角度が所定の回転角度以下に制限されているピン連結構造において、
上記第1ピンボス部の周方向一部を構成する第1幅狭部と、
上記第1ピンボス部の周方向一部を構成し、かつ、上記第1幅狭部よりも軸方向幅の広い第1幅広部と、
上記第2ピンボス部の周方向一部を構成する第2幅狭部と、
上記第2ピンボス部の周方向一部を構成し、かつ、上記第2幅狭部よりも軸方向幅の広い第2幅広部と、を有し、
上記第1幅広部と第2幅広部とは、軸方向に部分的にオーバーラップしているとともに、所定の第1の荷重の作用方向に応じて、その周方向範囲が設定されており、
かつ、上記第1幅広部は、上記第1の荷重の作用方向とは異なる所定の第2の荷重の作用方向に応じて、上記第2幅広部よりも周方向長さが長く設定されていることを特徴とするピン連結構造。 - 上記第1の荷重は、ピストン上死点近傍での最大燃焼荷重であって、上記第2の荷重は、ピストン下死点近傍での最大膨張慣性荷重であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピン連結構造。
- 上記可変圧縮比機構は、ピストン上死点近傍のピストン速度がピストン下死点近傍のピストン速度よりも遅く設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のピン連結構造。
- 上記アッパリンクに形成されるアッパリンクピンボス部とロアリンクに形成される第1ロアリンクピンボス部とが第1連結ピンにより連結され、
上記アッパリンクピンボス部が、上記第1ロアリンクピンボス部を挟み込む二股形状をなしていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のピン連結構造。 - 上記コントロールリンクに形成されるコントロールリンクピンボス部とロアリンクに形成される第2ロアリンクピンボス部とが第2連結ピンにより連結され、
上記コントロールリンクピンボス部が、上記第2ロアリンクピンボス部を挟み込む二股形状をなしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のピン連結構造。 - 上記ロアリンクは、クランクピンが挿通する主軸受部と、第1連結ピンが挿通する第1ロアリンクピンボス部と、第2連結ピンが挿通する第2ロアリンクピンボス部と、を有し、
これら第1ロアリンクピンボス部と第2ロアリンクピンボス部とが、上記主軸受部に一体的に接続していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のピン連結構造。 - 上記ロアリンクの第2ピンボス部の周囲に、軸直交方向へ延びるリブが一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のピン連結構造。
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