JP4055877B2 - 潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機 - Google Patents
潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4055877B2 JP4055877B2 JP34654498A JP34654498A JP4055877B2 JP 4055877 B2 JP4055877 B2 JP 4055877B2 JP 34654498 A JP34654498 A JP 34654498A JP 34654498 A JP34654498 A JP 34654498A JP 4055877 B2 JP4055877 B2 JP 4055877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricating oil
- piston
- cylinder
- supply device
- oil supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉容器内に潤滑油を封入するリニア圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
リニア圧縮機は、従来から多く利用されてきたレシプロ式圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機と比較すると、オイルレス化を図りやすいタイプの圧縮機として知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのリニア圧縮機においても、シリンダとピストンとの間には摺動面が存在し、この摺動面の摺動性の良否がリニア圧縮機の効率や耐久性に影響を与える。そのため、リニア圧縮機をオイルレスにすることはかなり複雑な対応が必要となる。
【0004】
そこで本発明は、潤滑油を必要な箇所に確実に供給することで、高効率且つ高信頼性を有するリニア圧縮機を提供することを目的とする。
また、本発明は、必要箇所への潤滑を効果的に行わせることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機は、密閉容器の内部に弾性支持されるシリンダと、前記シリンダと同一軸心でその軸線方向に沿って摺動自在に支持されるピストンと、前記ピストンに固定される可動部と前記シリンダに固定される固定部とで磁路を形成して前記ピストンを軸線方向に往復動させる推力を発生させるリニアモータ部とを有し、前記密閉容器内に潤滑油を封入するリニア圧縮機であって、前記シリンダの下部に潤滑油供給装置を設け、前記潤滑油供給装置は、前記シリンダの振動によって、前記密閉容器内底部に貯溜する潤滑油を前記ピストンと前記シリンダとの間の摺動面に供給し、前記ピストンの外周又は前記シリンダの内周の少なくとも一方にライナを設け、前記ライナを、前記ピストンの軸線方向に分割して設け、前記潤滑油供給装置によって供給される潤滑油を、分割した前記ライナ間に供給することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、前記潤滑油供給装置は、シリンダケースに摺動自在に支持される摺動部材を有し、前記摺動部材の摺動方向を、前記ピストンの軸線方向としたことを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、前記摺動部材を前記シリンダケース内に弾性部材で支持していることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、前記ピストンの圧縮室側にピストン頭部を形成し、前記シリンダ内周面に前記ピストン頭部の外周面に潤滑油を供給する油溝を形成し、前記油溝は、前記ピストン頭部の摺動領域の中央位置よりも前記圧縮室と反対側に位置していることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項1に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、前記シリンダの軸線方向を水平方向としたことを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、前記潤滑油供給装置によって供給される潤滑油を、前記ピストンの外周に下方側から供給し、前記ピストンの上部には前記ピストンの内孔に連通する貫通孔を形成して、前記ピストンの外周に供給された潤滑油を前記貫通孔から前記内孔に導出することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明による第1の実施の形態は、シリンダの下部に潤滑油供給装置を設け、この潤滑油供給装置は、シリンダの振動によって、密閉容器内底部に貯溜する潤滑油をピストンとシリンダとの間の摺動面に供給し、ピストンの外周又はシリンダの内周の少なくとも一方にライナを設け、ライナを、ピストンの軸線方向に分割して設け、潤滑油供給装置によって供給される潤滑油を、分割したライナ間に供給するものである。このように、潤滑油をピストンとシリンダとの間の摺動面に供給するための潤滑油供給装置は、シリンダの振動を利用することで、確実に潤滑油を供給することができる。従って、高効率且つ高信頼性を有するリニア圧縮機が提供できる。また、分割したライナの間に潤滑油を供給することで、ライナの間にできるピストンとシリンダとの間の空間に潤滑油を保持することができる。
【0007】
本発明による第2の実施の形態は、第1の実施の形態における潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、潤滑油供給装置は、シリンダケースに摺動自在に支持される摺動部材を有し、この摺動部材の摺動方向を、ピストンの軸線方向としたものである。このように、摺動部材の摺動方向をピストンの軸線方向とすることで、潤滑油供給装置は、ピストンの動作に伴って生じるシリンダの振動を有効に利用することができるので、シリンダケース内で摺動部材の動作を確実に行わせることができる。
【0008】
本発明による第3の実施の形態は、第2の実施の形態における潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、摺動部材をシリンダケース内に弾性部材で支持したものである。このように、摺動部材を弾性部材で支持することで、シリンダの振動を有効に利用して摺動部材を振動させることができる。
【0009】
本発明による第4の実施の形態は、第1の実施の形態における潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、ピストンの圧縮室側にピストン頭部を形成し、シリンダ内周面にピストン頭部の外周面に潤滑油を供給する油溝を形成し、この油溝は、ピストン頭部の摺動領域の中央位置よりも圧縮室と反対側に位置している。このように、油溝を圧縮室から離れた位置に配置することで、圧縮室内に潤滑油が流入することを少なくし、また、ピストン頭部の摺動面を潤滑できる。従って、潤滑油が圧縮冷媒とともに密閉容器から吐出することを防止することができる。
【0010】
本発明による第5の実施の形態は、第1の実施の形態における潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、シリンダの軸線方向を水平方向としたものである。このようにシリンダの軸線方向を水平方向として、横型のリニア圧縮機とすることで、ピストンとシリンダとの摺動箇所を、密閉容器底部の潤滑油面に近づけることができる。従って、潤滑箇所を低くすることができるとともに、潤滑油の供給路を短くすることができ、少ない潤滑油量でも確実に供給することができる。
【0011】
本発明による第6の実施の形態は、第5の実施の形態における潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機において、潤滑油供給装置によって供給される潤滑油を、ピストンの外周に下方側から供給し、ピストンの上部にはピストンの中心孔に連面する貫通孔を形成して、ピストンの外周に供給された潤滑油を貫通孔から中心孔に導出するものである。このように、潤滑油をピストンの下方向から供給することで供給路を短くすることができる。また、ピストンの外周に供給された潤滑油を、ピストンの上部に形成した貫通孔から中心孔に導出することで、ピストンの上部にまで確実に潤滑油を供給することができる。すなわち、リニア圧縮機においては、ピストンは回転動作を行わず、水平方向に摺動動作を行うために、下部から供給された潤滑油は、上方へまわりにくいが、本実施の形態のように、上部から導出させることで、下方から側方を経由して上方に向かう潤滑油の流れを形成することで、ピストンの側面部から上部に至るまで潤滑油を供給することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は全体構成を示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図である。まず、本発明のリニア圧縮機の全体構成を説明する。このリニア圧縮機は、潤滑油供給装置1と、シリンダ部10と、ピストン部20と、リニアモータ部30を構成する可動部40及び固定部50と、吐出機構部60と、バネ機構部70と、密閉容器80及び支持機構部90等とから構成される。
【0013】
潤滑油供給装置1は、シリンダケース1Aと、このシリンダケース1A内に往復動可能に収納されているピストン1Bと、ピストン1Bの両端とシリンダケース1Aの端面との間に形成される吸入空間1Cと排出空間1Dにそれぞれ配設されるスプリング1E,1Fとからなる。シリンダケース1Aは、その一端側の吸入空間1Cに連通する吸入口1Gと、その他端側の排出空間1Dに連通する排出口1Hを形成している。
ピストン1Bは、吸入空間1Cと排出空間1Dとを連通する通路1Iを有し、この通路1Iには、吸入空間1Cから排出空間1Dへのみ潤滑油が移動可能な弁体1Jを備えている。
本実施例では、潤滑油供給装置1はシリンダ部10の下部に固定されている。
【0014】
シリンダ部10は、鍔部11と、鍔部11から図の左方に向かって突出するボス部12と、ピストン部20を保持する筒体部13等を一体構造に形成したものからなる。ボス部12の内部には、ピストン頭部28を配設した圧縮室を形成する空間部14が形成される。また、鍔部11側に設けた吸入口15は空間部14内に連通する。また、筒体部13の内部に形成されたシリンダ孔16は、空間部14に連通すると共に後端側を開口する。また、シリンダ孔16の内面には薄肉の金属材料からなるリング体のライナ17A,17Bが嵌着される。なお、本実施例ではシリンダ部10はアルミニウム材で構成したもので、このライナ17A,17Bは摺動性向上のために設けられたものである。シリンダ部10の内周面には、ピストン部20の軸線方向に沿って油溝2が形成されている。この油溝2は、シリンダ部10の後端まで連続して設けている。
【0015】
一方、ピストン部20のピストン頭部28が挿入されるシリンダ部10のボス部12には、ライナ17Cが嵌着されている。そしてこのライナ17Cには油孔4が形成されている。この油孔4は、ピストン頭部28の摺動領域の中央位置よりも、圧縮室と反対側に位置させて設けられている。シリンダ10には、油溝5がこの油孔4と連通するように形成されている。
また、シリンダ部10には、潤滑油供給装置1の排出口1Hと油溝2とを連通する油路6が設けられ、この油路6は油路7を介して油溝5に連通している。
【0016】
ピストン部20は、内孔21を形成する棒体22とピストン頭部28からなり、本実施例ではアルミニウム材から形成される。ピストン部20をアルミニウム材とすることにより軽量化でき、後に説明するバネ機構部70の剛性を低くすることができる。なお、ピストン部20は、耐摩耗性を高めるために、棒体22及びピストン頭部28の外周に分割された鋼鉄製薄肉ライナ23を嵌着している。この鋼鉄製薄肉ライナ23は、シリンダ部10側のリング体17に摺動自在に保持されている。ピストン部20の後端にはフランジ部24が、前端にはピストン頭部28が設けられる。フランジ部24は、ピストン部20を嵌合する穴24Aを中央部に形成し、ピストン部20の軸心と同心円状の側面部24Bと、ピストン部20の軸線に対して直交し側面部24Bに隣接して形成される端面部24Cと、バネ機構部70と連結する連結軸部25を有する。また、フランジ部24には端面部24Cに当接するリング体状の押し板26が固定される。以上のように、フランジ部24がピストン部20に着脱可能に螺着されているため、鋼鉄製薄肉ライナ23はピストン部20の棒体22の外周にフランジ部24側から挿入されて段付部で位置規制されて挿着される。また、前後の鋼鉄製薄肉ライナ23,23間には隙間27が形成され、隙間27と相対向するピストン部20の棒体22の外周の上方側には貫通孔3が形成される。なお、貫通孔3は内孔21に連通している。
【0017】
ピストン頭部28は、ピストン部20の前端の開口部側に設けられる開閉バルブ29と、開閉バルブ29を軸線方向に沿って移動可能に支持すると共に移動量を規制するストッパ部30を形成するストッパ部材31を備えている。その前端の開口部側にはテーパ面32が形成される。また、吸入冷媒の通る複数の貫通孔33が形成され、貫通孔33は吸入口15にそれぞれ連通する。ストッパ部材31は、ピストン部20の内孔21内に軸部を嵌着してピストン頭部28の先端に固定される。一方、開閉バルブ29は、ピストン本体28のテーパ面32に当接するテーパ部34を有し、前端側に平坦面35が形成するコーン状部材からなり、ピストン部20の先端に摺動可能に支持される。
また、開閉バルブ29には適宜間隔を介してストッパ部30に当接する段付面36が形成される。以上の構造により開閉バルブ29は前記間隔の分だけピストン部20の軸線方向に沿って移動可能であり、ピストン部20の冷媒圧縮方向への移動時には開閉バルブ29のテーパ部34がピストン頭部28のテーパ面32に当接し貫通孔33を閉止する。
なお、本実施例では、棒体22とピストン頭部28は一体形成されているが別体でもよい。
【0018】
次に、リニアモータ部30を説明する。前記したように、リニアモータ部30は、可動部40と固定部50とからなる。まず、可動部40は、円筒保持部材41と、永久磁石42と、筒体43等とから構成される。また、固定部50は、インナヨーク51、アウタヨーク52、コイル53等とから構成される。可動部40の円筒保持部材41、永久磁石42、筒体43は、すべて円筒体状であり、ピストン部20と同心円状に配設される。円筒保持部材41は薄肉部材からなり、その後端側はフランジ部24の側面部24Bに外接した状態で配設される。なお、円筒保持部材41はフランジ部24に嵌着するか又は図略の固定手段により固持される。以上により円筒保持部材41はピストン部20と同心円状に配置される。
【0019】
永久磁石42は円筒保持部材41に外接した状態で配設される。また、筒体43は永久磁石42に外接した状態で配設される。なお、本実施例では永久磁石42は円筒保持部材41と筒体43とにより挟持される。以上により、円筒保持部材41、永久磁石42、筒体43はピストン部20に対し同心円状に高精度に配設される。
【0020】
固定部50は、インナヨーク51と、アウタヨーク52及びコイル53からなる。インナヨーク51は円筒体からなり、本実施例ではシリンダ部10の筒体部13に外接され、鍔部11に固定される。なお、インナヨーク51の外周と円筒保持部材41との間には微少隙間が形成される。以上により、インナヨーク51はシリンダ部10及びピストン部20と同心円状に配置される。一方、アウタヨーク52は、同じく円筒体からなり、筒体43の外周に微少隙間を形成するように配設され、シリンダ部10の鍔部11に固定される。以上により、可動部40と固定部50とは同心円状に高精度に保持される。
【0021】
次に吐出機構部60について説明する。吐出バルブ支持体61はシリンダ部10の前端に固定され、その中心部には吐出孔62が形成される。また、吐出孔62には吐出バルブ63が設けられる。マフラ64は吐出バルブ支持体61に固定される。一方、渦巻状吐出管65はその基端側をマフラ64の吐出口66に連結すると共に前端側に吐出管67を形成する。渦巻状吐出管65は図に示すように、パイプ材を渦巻状に曲げたものからなり、その一部分はシリンダ部10やマフラ64の外周空間に巻回されるなお、渦巻状吐出管65と吐出管67とは、一体に構成されていても別部材のものを連結したものであっても構わない。
【0022】
次に、バネ機構部70、密閉容器80、支持機構部90について図1に基づいて説明する。
バネ機構部70は、後方側に配置される平板状のバネ板71からなる。図示のように、バネ板71はシリンダ部10に端縁側を支持されると共にフランジ部24に連結される。バネ板71は複数枚のバネ材72を重ねたものからなる。
【0023】
密閉容器80は、後端板81と前端板82とこれ等の間に円筒状の胴体83を固着した筒体状の容器からなり、内部に空間部84を形成する。そして空間部84に、リニア圧縮機の構成要素が収納される。また、後端板81には吸入管85を、前端板82には吐出管67を設けている。
【0024】
支持機構部90は、他端側コイルバネ91と一端側コイルバネ92とからなる。他端側コイルバネ91は、シリンダ部10に固定される架設板93と密閉容器80の後端板81との間に、一端側コイルバネ92は、マフラ64と密閉容器80の前端板82との間に配設される。なお、他端側コイルバネ91及び一端側コイルバネ92は、シリンダ部10に伝達される振動を密閉容器80に伝達するのを防止するものである。
【0025】
次に、本実施例のリニア圧縮機の作用を説明する。
まず、固定部50のコイル53に通電すると、可動部40の永久磁石42との間にフレミングの左手の法則に従って電流に比例した推力が発生する。この推力の発生により可動部40に軸線方向に沿って後退する駆動力が作用する。可動部40の円筒保持部材41はフランジ部24に固持され、フランジ部24はピストン部20に連結されているため、ピストン部20が後退する。ピストン部20は、シリンダ部10に摺動自在に支持されているため、その軸線方向に沿って後退する。
【0026】
一方、ピストン部20の後退に伴って開閉バルブ29はピストン頭部28に自由に支持されているため、ピストン部20の後退によりその間に隙間が生ずる。
ここで、コイル53への通電は、正弦波で与えられ、リニアモータ部には正逆の推力が交互に発生する。そしてこの交互に発生する正逆の推力によってピストン部20は往復運動を行うことになる。
【0027】
冷媒は、吸入管85から密閉容器80内に導入される。この密閉容器80内に導入された冷媒は、主にアウターヨーク52の外周を通って、シリンダ部10の吸入口15からシリンダ部10の空間部14内に導入される。そしてこの冷媒は、ピストン部20の後退によって、開閉バルブ29のテーパ部34とピストン本体28のテーパ面32との間に生じる隙間から吸入圧縮室68内に入る。そして、ピストン部20の前進によって吸入圧縮室68内の冷媒を圧縮する。圧縮された冷媒は、吐出バルブ63を開放し、吐出バルブ支持体61の吐出孔62を通って、マフラ64内に入り、拡散されて消音され、吐出口66から渦巻状吐出管65内に入り、吐出管67から外方に吐出される。
以上のようなピストン部20の往復動に伴って生じるシリンダ部10の振動は、他端側及び一端側コイルバネ91,92により制振される。
【0028】
次に、本実施例における潤滑油供給装置1の作動によるシリンダ部10及びピストン部20の潤滑作用を説明する。前記したように、シリンダ部10は、密閉容器80に弾性支持されているために、ピストン部20の往復動によってシリンダ部10は振動する。この振動に伴ってシリンダ部10に固定されている潤滑油供給装置1も振動する。
【0029】
従って、シリンダケース1Aにスプリングで支持されているピストン1Bは、シリンダーケース1A内で水平方向に往復動作を行う。このピストン1Bが吸入空間1C側に移動することによって、吸入空間1Cの潤滑油は、通路1Iを通って排出空間1Dに移動する。ここでピストン1Bが排出空間1D側に移動する時には、弁体1Jは通路1Iを閉鎖するために、排出空間1D内の潤滑油は、排出口1Hから油路6内に導入される。油路6に入った潤滑油は油路7側に進むものとそのまま油溝2側に進むものとに分かれる。油路6に進んだ潤滑油は油溝5に入り油孔4からシリンダ部10のライナ17Cの内面とピストン頭部28の外面の鋼鉄製薄肉ライナ23との間に侵入し潤滑を行う。一方、油溝2に進んだ潤滑油はライナ17A,17Bの間から鋼鉄製薄肉ライナ23の隙間27に侵入して、潤滑を行う。また、隙間27に導入された潤滑油は上部に貫通孔3を形成しているため、潤滑油は、下方から上方に誘導され、側方や上方側の潤滑を行う。なお、潤滑油は、貫通孔3から後端に開口している内孔21を通って密閉容器80内底部に流れ落ちるため、潤滑油供給装置1側からは常に新しい油が供給されることになる。
【0030】
本実施例ではピストン部20の棒体22に鋼鉄製薄肉ライナ23を嵌着したが、棒体22の外周に油溝を形成してもよい。また、油路6,7の構造やこれに連通する油溝2,5等の形状,個数についても前記の実施例の内容に限定するものではない。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、潤滑油を必要な箇所に確実に供給することで、高効率且つ高信頼性を有するリニア圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機の全体構造を示す断面図
【図2】 本発明の一実施例の油潤滑系路を詳細に示すための要部拡大断面図
【符号の説明】
1 潤滑油供給装置
1A シリンダケース
1B ピストン(摺動部材)
1E スプリング(弾性部材)
1F スプリング(弾性部材)
10 シリンダ部
14 空間部
17 ライナ
20 ピストン部
21 内孔
22 棒体
23 鋼鉄製薄肉ライナ
27 隙間
28 ピストン頭部
40 可動部
50 固定部
80 密閉容器
90 支持機構部
Claims (6)
- 密閉容器の内部に弾性支持されるシリンダと、前記シリンダと同一軸心でその軸線方向に沿って摺動自在に支持されるピストンと、前記ピストンに固定される可動部と前記シリンダに固定される固定部とで磁路を形成して前記ピストンを軸線方向に往復動させる推力を発生させるリニアモータ部とを有し、前記密閉容器内に潤滑油を封入するリニア圧縮機であって、前記シリンダの下部に潤滑油供給装置を設け、前記潤滑油供給装置は、前記シリンダの振動によって、前記密閉容器内底部に貯溜する潤滑油を前記ピストンと前記シリンダとの間の摺動面に供給し、前記ピストンの外周又は前記シリンダの内周の少なくとも一方にライナを設け、前記ライナを、前記ピストンの軸線方向に分割して設け、前記潤滑油供給装置によって供給される潤滑油を、分割した前記ライナ間に供給することを特徴とする潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機。
- 前記潤滑油供給装置は、シリンダケースに摺動自在に支持される摺動部材を有し、前記摺動部材の摺動方向を、前記ピストンの軸線方向としたことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機。
- 前記摺動部材を前記シリンダケース内に弾性部材で支持していることを特徴とする請求項2に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機。
- 前記ピストンの圧縮室側にピストン頭部を形成し、前記シリンダ内周面に前記ピストン頭部の外周面に潤滑油を供給する油溝を形成し、前記油溝は、前記ピストン頭部の摺動領域の中央位置よりも前記圧縮室と反対側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機。
- 前記シリンダの軸線方向を水平方向としたことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機。
- 前記潤滑油供給装置によって供給される潤滑油を、前記ピストンの外周に下方側から供給し、前記ピストンの上部には前記ピストンの内孔に連通する貫通孔を形成して、前記ピストンの外周に供給された潤滑油を前記貫通孔から前記内孔に導出することを特徴とする請求項5に記載の潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34654498A JP4055877B2 (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機 |
US09/415,502 US6273688B1 (en) | 1998-10-13 | 1999-10-12 | Linear compressor |
EP99120411A EP0994253B1 (en) | 1998-10-13 | 1999-10-13 | Linear compressor |
DE69943065T DE69943065D1 (de) | 1998-10-13 | 1999-10-13 | Linearkompressor |
EP04026581A EP1503079B1 (en) | 1998-10-13 | 1999-10-13 | Linear compressor |
DE69926585T DE69926585T2 (de) | 1998-10-13 | 1999-10-13 | Linearkompressor |
KR1019990044279A KR100609188B1 (ko) | 1998-10-13 | 1999-10-13 | 리니어압축기 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34654498A JP4055877B2 (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000161211A JP2000161211A (ja) | 2000-06-13 |
JP4055877B2 true JP4055877B2 (ja) | 2008-03-05 |
Family
ID=18384152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34654498A Expired - Fee Related JP4055877B2 (ja) | 1998-10-13 | 1998-11-19 | 潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4055877B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010081660A (ko) * | 2000-02-17 | 2001-08-29 | 구자홍 | 리니어 압축기의 오일 공급장치 |
KR100657499B1 (ko) | 2005-10-17 | 2006-12-14 | 엘지전자 주식회사 | 리니어 압축기 |
US7988430B2 (en) * | 2006-01-16 | 2011-08-02 | Lg Electronics Inc. | Linear compressor |
KR100677292B1 (ko) | 2006-02-10 | 2007-02-02 | 엘지전자 주식회사 | 왕복동식 압축기 |
-
1998
- 1998-11-19 JP JP34654498A patent/JP4055877B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000161211A (ja) | 2000-06-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6273688B1 (en) | Linear compressor | |
JP2905600B2 (ja) | リニアコンプレッサの摩擦部分用の給油装置 | |
JP4917264B2 (ja) | リニア圧縮機 | |
KR101860340B1 (ko) | 왕복동식 압축기 | |
EP1167765B1 (en) | Linear compressor | |
JP4690018B2 (ja) | 往復動式圧縮機の摩耗防止装置 | |
JP4819374B2 (ja) | リニア圧縮機 | |
US6328544B1 (en) | Linear compressor | |
JP5170952B2 (ja) | リニア圧縮機 | |
US6250895B1 (en) | Linear compressor | |
KR100851368B1 (ko) | 선형 모터를 구비한 왕복동 압축기용 피스톤 윤활 시스템 | |
JP4055877B2 (ja) | 潤滑油供給装置を有するリニア圧縮機 | |
JP5259939B2 (ja) | リニア圧縮機 | |
JP2006316783A (ja) | リニア圧縮機及びその潤滑油ポンプ | |
JP4642998B2 (ja) | パイロット式電磁弁 | |
WO2004005713A1 (en) | Piston for a hermetic compressor | |
JP5293351B2 (ja) | ポンプ装置 | |
KR0162447B1 (ko) | 리니어 압축기의 오일 흡입 및 토출장치 | |
KR19990085146A (ko) | 피스톤 | |
KR100657499B1 (ko) | 리니어 압축기 | |
JPH1077964A (ja) | リニアコンプレッサ | |
KR20030090000A (ko) | 왕복동식 압축기의 무급유 윤활 장치 | |
JP2004019489A (ja) | リニア圧縮機 | |
KR20040091875A (ko) | 리니어압축기 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050224 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070821 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071019 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |