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JP4053537B2 - カラー受像管装置 - Google Patents

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JP4053537B2
JP4053537B2 JP2004380965A JP2004380965A JP4053537B2 JP 4053537 B2 JP4053537 B2 JP 4053537B2 JP 2004380965 A JP2004380965 A JP 2004380965A JP 2004380965 A JP2004380965 A JP 2004380965A JP 4053537 B2 JP4053537 B2 JP 4053537B2
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本発明は、テレビジョンまたはコンピュータディスプレイ等に用いられるカラー受像管装置に関する。
近年の地球環境保護等の観点から、電気製品の省エネ化が促進されている。カラー受像管装置においても偏向電力を中心とした省エネ技術の導入が進められている。
偏向電力を低減するために、例えば特許文献1には図7のような偏向ヨークが記載されている。図7は管軸に垂直な面に沿った偏向ヨークの一部断面図である。図7中、X軸は水平方向軸、Y軸は垂直方向軸を示す。この偏向ヨーク100は、絶縁枠101と、絶縁枠101の内面側に設けられた上下一対のサドル型水平偏向コイル102と、絶縁枠101の外面側に設けられた左右一対のサドル型垂直偏向コイル103と、サドル型垂直偏向コイル103の外面側を覆うコア104とを備える。2は、カラー受像管のファンネルである。Y軸が交差するコア104の内面の位置近傍に上下一対の磁性体突起104aが設けられる。上下一対の磁性体突起104aは、左右一対のサドル型垂直偏向コイル103の間を通過し、上下一対のサドル型水平偏向コイル102の近傍にまで突出している。これにより上下一対の磁性体突起104aの頂部を電子ビームの偏向領域に接近させることができるので、水平偏向磁界の磁気抵抗を小さくすることができ、偏向領域における水平偏向磁界を強めることができる。その結果、偏向電力の低減が可能になる。
特開2003−208859号公報
前記の従来の偏向ヨーク100では、上下一対の磁性体突起104aの水平方向幅W0を大きくするほど偏向電力低減効果が大きくなる。ところが、水平方向幅W0を大きくすると、この磁性体突起104aとの干渉を避けるために左右一対のサドル型垂直偏向コイル103の水平方向間隔が拡大し、垂直偏向磁界のバレル磁界が必要以上に強化され、ミスコンバーゼンスやラスター歪が発生するという問題があった。
即ち、上記の従来の偏向ヨークでは、良好なコンバーゼンス及びラスターを実現できるようなバレル磁界を形成しながら、更に水平偏向電力を低減することは困難である。
本発明は、このような従来の技術が有する問題を解決するためになされたもので、省電力効果を十分に発揮しながら、良好なコンバーゼンス及びラスターを実現可能なカラー受像管装置を提供することを目的とする。
本発明のカラー受像管装置は、前面パネル及びファンネルからなる外囲器と、前記ファンネルのネック部内に設けられた電子銃と、前記電子銃からインライン状に放射された3本の電子ビームに対して水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を作用させて水平方向及び垂直方向に偏向させる偏向ヨークとを備える。前記偏向ヨークは、フェライトコアと、前記水平偏向磁界を発する水平偏向コイルと、前記垂直偏向磁界を発する垂直偏向コイルと、前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルとを絶縁する絶縁枠とを有する。管軸をZ軸、前記Z軸と直交する水平方向軸をX軸、前記Z軸及び前記X軸と直交する垂直方向軸をY軸としたとき、前記水平偏向コイルは、前記Y軸及び前記Z軸を含むYZ面と交差する位置に巻線が存在しない窓部を有する。前記偏向ヨークは、下記A〜Cを満足する前記Z軸と直交する断面を少なくとも1つ備える。
A.前記断面において、前記Y軸が交差する前記フェライトコアの内面の位置近傍に、前記Z軸に向かって突出した複数の磁性体凸部が設けられている。
B.前記断面において、前記複数の磁性体凸部のそれぞれと前記ファンネルとの間の距離のうちの最小値をD1とすると、前記複数の磁性体凸部を除く前記フェライトコアと前記ファンネルとの間の距離は前記フェライトコアのいずれの箇所においても前記距離D1より大きい。
C.前記複数の磁性体凸部間の溝に前記垂直偏向コイルの一部が巻回されている。
本発明のカラー受像管装置によれば、省電力効果を十分に有し、且つ、コンバーゼンス及びラスターが良好な、優れた画像表示が可能なカラー受像管装置を提供できる。
上記の本発明のカラー受像管装置においては、前記断面において、前記Z軸に対して前記Y軸から±30°の範囲内に前記複数の磁性体凸部が設けられていることが好ましい。これにより、水平偏向磁界の磁気抵抗を小さくすることができるので、水平偏向電力を一層低減することができる。
前記垂直偏向コイルは、前記溝に巻回された部分ではトロイダル型となるが、これ以外の部分ではサドル型であることが好ましい。これにより、巻線の巻装位置に応じてコイルを別個に作成することができる。特に、サドル型部分が金型を利用して巻回された金型巻きコイルであると、生産性が良く、巻線位置精度及び巻線配置の自由度が向上するので好ましい。
また、前記水平偏向コイルが金型を利用して巻回された金型巻きコイルであることが好ましい。これにより、水平偏向コイルの生産性が向上し、且つ、巻線位置精度及び巻線配置の自由度が向上する。
また、前記断面において、前記絶縁枠は、前記複数の磁性体凸部と対向する領域に前記窓部に向かって突出した絶縁枠凸部を備えることが好ましい。これにより、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとの間の絶縁性を容易に確保することができ、しかも、複数の磁性体凸部をファンネルに接近させて偏向電力を低減することができる。
この場合において、前記絶縁枠凸部が前記水平偏向コイルの前記窓部内に貫入されていることが好ましい。これにより、複数の磁性体凸部をファンネルに接近させることができるので、偏向電力を更に低減することができる。
また、本発明のカラー受像管装置においては、前記断面において、前記複数の磁性体凸部が前記水平偏向コイルの前記窓部内に貫入されていることが好ましい。これにより、磁性体凸部をファンネルに接近させることができるので、偏向電力を更に低減することができる。
また、前記垂直偏向コイルは、前記溝に巻回された部分及びこれ以外の部分でトロイダル型であることが好ましい。これにより、1本の巻線を連続してフェライトコアに周回させて垂直偏向コイルを形成することができるので、垂直偏向コイルの形成作業が容易になる。
また、前記断面において、前記フェライトコアの内面の、前記水平偏向コイルの前記窓部に対向する領域以外の領域に、前記Z軸に向かって突出した複数の第2凸部を有し、前記複数の第2凸部間の第2溝に前記垂直偏向コイルの一部が巻回されていることが好ましい。第2凸部を設けることにより偏向電力を更に低減することができる。
この場合において、前記第2凸部と前記ファンネルとの間の距離をD2とすると、D1<D2であることが好ましい。これにより、水平偏向磁界の磁気抵抗をより小さくすることができる。
前記絶縁枠凸部は、これ以外の前記絶縁枠を構成する部品とは別個の部品からなることが好ましい。これにより、絶縁枠の成形性が向上する。
前記フェライトコアの前記Z軸に沿った寸法をLとしたとき、前記フェライトコアの前記電子銃側端と前記電子銃側端から前記前面パネル側に(2/3)×Lだけ離れた位置との間に、前記断面が存在することが好ましい。電子ビームまでの距離が小さな小径側の領域に上記A〜Cを満足する磁性体凸部を設けることにより、より大きな省電力効果を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を、対角サイズが36インチのカラー受像管装置に適用した数値例(以下、「実施例」という)を示しながら詳細に説明する。しかしながら、以下に示す実施形態及び数値例はあくまでも一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明を適用した平面スクリーンを有するカラー受像管装置の外観図である。以下の説明の便宜のために、管軸をZ軸、Z軸と直交する水平方向(スクリーンの長辺方向)軸をX軸、Z軸と直交する垂直方向(スクリーンの短辺方向)軸をY軸とする。X軸とY軸とはZ軸上にて交差する。
カラー受像管(CRT)は、内面に蛍光体スクリーン(図示せず)が形成された前面平面パネル1及びファンネル2からなる外囲器と、ファンネル2のネック部内に設けられた電子銃3とを備える。カラー受像管装置は、このカラー受像管と、ファンネル2の外周面に装着された偏向ヨーク4及びコンバーゼンスヨーク5とを含む。電子銃3は、X軸方向にインライン状に配置された3つの陰極を含み、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に対応する3本の電子ビームをインライン状に放射する。
図2は偏向ヨーク4をスクリーン側から見た外観斜視図である。また、図3は、偏向ヨーク4のフェライトコア40を含む位置でのZ軸に垂直な面での一部断面図である。偏向ヨーク4の断面形状はXZ面に対して対称であるので、図3では上側半分のみを図示している。
偏向ヨーク4は、フェライトコア40と、電子ビームを水平方向に偏向するための水平偏向磁界を発するサドル型の水平偏向コイル20と、電子ビームを垂直方向に偏向するための垂直偏向磁界を発する垂直偏向コイル30,32と、水平偏向コイル20と垂直偏向コイル30,32とを絶縁する樹脂製の絶縁枠10とを有する。実施例ではフェライトコア40のZ軸方向長さLは48mmとした。
サドル型水平偏向コイル20は、所定形状を有する金型を用いて巻線を所定形状に巻回形成して製造された金型巻きコイルであり、これが絶縁枠10に装着されている。但し、本発明はこれに限定されず、例えば絶縁枠10に形成された凹凸(例えば畝状の溝)を利用して巻線を巻装したものであっても良い。但し、金型巻きコイルの方が、生産性が良く、巻線位置精度及び巻線配置の自由度が向上するので好ましい。
第1垂直偏向コイル30は、所定形状を有する金型を用いて巻線を所定形状に巻回形成して製造されたサドル型コイルである。第2垂直偏向コイル32は、巻線をフェライトコア40に周回して形成されたトロイダル型コイルである。
図2に示されているように、偏向ヨーク4をスクリーン側から見ると、絶縁枠10の内側にXZ面を挟んで対称配置された上下一対の水平コイル20が見える。上下の各水平偏向コイル20の巻線配置はいずれもYZ面に対して略対称であり、YZ面が交差する位置に水平コイル20の巻線が存在しない開口部22が形成されている。本発明では、この開口部を水平偏向コイルの「窓部」と呼ぶ。この窓部22に向かって絶縁枠10の凸部(絶縁枠凸部)12が突出している。
図3に示されているように、フェライトコア40の内面のY軸が交差する位置近傍には、水平偏向コイル20の窓部22に向かって突出した複数の磁性体凸部42がフェライトコア40と一体に形成されている。Y軸近傍において磁性体凸部42がZ軸側に突出することによりY軸に沿った磁界、即ち水平偏向磁界の磁気抵抗が小さくなり、偏向電力を低減することができる。Z軸方向においては、複数の磁性体凸部42はフェライトコア40の全長(実施例では48mm)にわたって延設されている。
複数の磁性体凸部42はY軸近傍に設けられる。より具体的には、複数の磁性体凸部42は、Z軸に対してY軸から±30°の範囲内に設けられていることが好ましい。磁性体凸部42のZ軸に対するY軸からの角度は、磁性体凸部42のZ軸に対向する頂面のZ軸を中心とする円周方向の中央位置によって定義される。
複数の磁性体凸部42との干渉を回避するように複数の磁性体凸部42と対向する絶縁枠10の領域が窪んでおり、その結果、絶縁枠10に窓部22に向かって突出した絶縁枠凸部12が形成されている。これにより、複数の磁性体凸部42のZ軸側の先端をファンネル2に接近させることができる。単に、複数の磁性体凸部42との干渉を回避するためだけであれば、絶縁枠10の複数の磁性体凸部42と対向する領域に開口を設ければよい。ところが、本発明では、開口ではなく、絶縁枠10を変形させて絶縁枠凸部12を設けることが好ましい。絶縁枠凸部12を設けることにより、水平偏向コイル20と垂直偏向コイル30,32との間の絶縁性の確保が容易になる。
偏向電力低減の観点からは、磁性体凸部42のZ軸側の先端は可能な限りファンネル2に接近させることが好ましい。そのためには、絶縁枠凸部12が図3のように水平偏向コイル20の窓部22内に貫入されていることが好ましく、更に、磁性体凸部42が水平偏向コイル20の窓部22内に貫入されていることが好ましい。
フェライトコア40とファンネル2との間の距離は、磁性体凸部42の部分が最小である。即ち、磁性体凸部42とファンネル2との間の距離をD1とすると、磁性体凸部42を除くフェライトコア40の部分とファンネル2との間の距離は、いずれの地点においても前記距離D1より大きい。これにより、水平偏向磁界の磁気抵抗をより小さくすることができる。なお、複数の磁性体凸部42とファンネル2との間の距離は全て同じである必要はない。異なる場合には、上記距離D1はファンネル2に最も接近した磁性体凸部42について定義されるものとする。
実施例では、水平偏向コイル20と垂直偏向コイル30,32との間の絶縁を確保するために、磁性体凸部42のZ軸側の先端とファンネル2との間に厚さ1mmの絶縁枠凸部12を設けた。絶縁枠凸部12と磁性体凸部42のZ軸側の先端との間の距離は0.2mm、絶縁枠凸部12とファンネル2との間の距離は0.5mmとした。従って、磁性体凸部42のZ軸側の先端とファンネル2の外面との間の距離D1は1.7mmとした。
もちろん、水平偏向コイル20と垂直偏向コイル30,32との間の絶縁を確保できるのであれば、絶縁枠凸部12に開口を設けて、あるいは、絶縁枠凸部12を設けないでその領域に開口を設けて、複数の磁性体凸部42のうちの一部又は全部をこの開口を介してファンネル2と対向させても良い。このようにすれば、磁性体凸部42のZ軸側の先端をファンネル2に更に接近させることができるので、偏向電力を一層低減することが可能になる。
複数の磁性体凸部42はYZ面とほぼ平行に畝状に延設される。図3の例では、中央のYZ面に沿った磁性体凸部42の両側に、それぞれ1つの磁性体凸部42が形成されている。その結果、隣り合う磁性体凸部42間に、2つの溝45が形成されている。実施例では、それぞれの磁性体凸部42の幅W42を2mm、隣り合う磁性体凸部42間の溝45の幅W45を3mmとした。従って、両外側の磁性体凸部42の外寸法Wは12mmとした。
溝45内及びこれと反対側のフェライトコア40の外面を周回するように巻線が巻回されて垂直偏向磁界を発するトロイダル型の第2垂直偏向コイル32が形成されている。第2垂直偏向コイル32は、XZ面に対して対称位置に配置された図示しない第2垂直偏向コイルと直列接続され、更にサドル型の第1垂直偏向コイル30とも直列接続されて、全体として垂直偏向磁界を発する垂直偏向コイルが形成される。
本発明では、畝状の複数の磁性体凸部42間の溝45内に垂直偏向コイルの一部を第2垂直偏向コイル32として配置したので、第1垂直偏向コイル30が発生する磁界のみでは垂直偏向磁界のバレル型化が顕著になってしまうのを第2垂直偏向コイル32が発生する磁界が弱めるように作用する。その結果、良好なコンバーゼンス及びラスターを実現できる最適なバレル磁界を容易に形成することができる。
例えば、実施例では、上下ラスターのインナーピンクッション歪が上下の平均で0.7mm発生し、画面周辺のS1と呼ばれるミスコンバーゼンスが4隅の平均で0.4mm発生した。
これに対して、図7に示したように、幅W0が12mmの磁性体突起104aを有し、溝45が形成されておらず、そのために第2垂直偏向コイル32が形成されていない以外は上記の実施例と同様の従来型のカラー受像管装置では、図8に示すような上下ラスターのインナーピンクッション歪が上下の平均で1.5mm発生し、画面周辺のS1と呼ばれるミスコンバーゼンスが4隅の平均で1.0mm発生した。
このように、従来のカラー受像管装置では、幅W0の磁性体突起104aが形成された部分に垂直偏向コイル103を配置することができないので、YZ面に対して両側に配置された垂直偏向コイル103が距離W0だけ離間してしまう。その結果、垂直偏向磁界のバレル磁界が必要以上に強調されるので、ミスコンバーゼンスやラスター歪が悪化してしまう。
本発明では、YZ面に対して両側に配置された第1垂直偏向コイル30の離間距離Wが従来の離間距離W0と同一であったとしても、幅Wの領域内に複数の磁性体凸部42を形成し、これらの間の溝45内に垂直偏向コイルの一部(第2垂直偏向コイル32)を配置することにより、省電力効果を損なうことなく良好なコンバーゼンス及びラスター特性を実現することができる。
なお、磁性体凸部42はフェライトコア40と一体成形されていても良く、あるいは、フェライトコア40本体とは別に製作されたものがフェライトコア40の内面に貼り付けられていても良い。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨーク4の一部断面図である。偏向ヨーク4の断面形状はXZ面に対して対称であるので、図3と同様に、XZ面より上側半分のみを図示している。
本実施の形態2は、実施の形態1に対して以下の点で相違する。即ち、実施の形態1の垂直偏向コイルは、溝45に巻回されたトロイダル型の第2垂直偏向コイル32と、これ以外の部分に巻回されたサドル型の第1垂直偏向コイル30とからなるのに対して、本実施の形態2の垂直偏向コイル35は、全ての部分で巻線がトロイダル型に巻回されている。これにより、溝45の部分及びこれ以外の部分で、1本の巻線を連続してフェライトコア40に周回させてトロイダル型垂直偏向コイル35を形成することができるので、垂直偏向コイル35の形成作業が容易になる。
本実施の形態2は、上記以外は実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の効果を奏する。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨーク4の一部断面図である。偏向ヨーク4の断面形状はXZ面に対して対称であるので、図3及び図4と同様に、XZ面より上側半分のみを図示している。
実施の形態2に対する相違点を中心に本実施の形態3を説明する。
本実施の形態3では、フェライトコア40内側面の、水平偏向コイル20の窓部22に対向する領域以外の領域に、絶縁枠に向かって突出した畝状の複数の第2凸部47が形成されている。Z軸方向においては、第2凸部47はZ軸を含む面にほぼ沿って、フェライトコア40のZ軸方向の両端にまで延設されている。このような第2凸部47を設けたフェライトコアは一般にスロットコアと呼ばれている。
そして、周方向に隣り合う第2凸部47間の第2溝49内に垂直偏向コイル35の巻線がトロイダル型に巻回されている。従って、実施の形態2と同様に、第2溝49及び溝(第1溝)45内に、1本の巻線を連続してフェライトコア40に周回させてトロイダル型垂直偏向コイル35を形成することができるので、垂直偏向コイル35の形成作業が容易になる。
第2凸部47を形成することにより、フェライトコア40をファンネル2に接近させることができるので、偏向効率が向上し、消費電力を低減することができる。
なお、図5では、第2溝49及び溝45内に巻線をトロイダル型に巻装する例を示したが、第2溝49及び溝45のうちの一方又は両方に巻線をサドル型に巻装することも可能である。
また、図5では、X軸近傍に第2凸部47を設けない例を示したが、偏向電力低減の観点から、X軸近傍にも第2凸部47を設けても良い。
偏向電力低減の観点からは、第2凸部47のZ軸側の先端は可能な限りファンネル2に接近させることが好ましい。但し、水平偏向コイル20の窓部22に向かって突出した磁性体凸部42と異なり、第2凸部47とファンネル2との間には水平偏向コイル20が存在するために、限界がある。即ち、磁性体凸部42のZ軸側の先端とファンネル2との間の距離をD1、第2凸部47のZ軸側の先端とファンネル2との間の距離をD2としたとき、D2>D1である。
上記の実施例においては、D1=1.7mmとした。磁性体凸部42とファンネル2との間には絶縁枠10のみが存在するから、一般には、絶縁枠10の厚みを0.8〜1.2mm、磁性体凸部42と絶縁枠10との間の隙間を0.2mm、絶縁枠10とファンネル2との間の隙間を0.5mmとすると、上記距離D1は1.9mm以下にすることができる。
一方、第2凸部47とファンネル2との間には更に水平偏向コイル20が存在するから、水平偏向コイル20の最小厚みを0.4mm、絶縁枠10の厚みを0.8〜1.2mm、磁性体凸部42と絶縁枠10との間の隙間を0.2mm、絶縁枠10とファンネル2との間の隙間を0.5mmとすると、上記距離D2は1.9mm以上となる。
図5に示したように複数の磁性体凸部42及び複数の第2凸部47を備える場合において、それぞれのZ軸側の先端とファンネル2との間の距離が互いに異なるとき、距離D1,D2は以下のように定義される。距離D1は、XY断面において、Z軸に対してY軸から±30°の範囲内に存在する複数の凸部のそれぞれとファンネル2との間の距離のうちの最小値とする。また、距離D2は、XY断面において、Z軸に対してY軸から±30°を超える範囲に存在する複数の凸部のそれぞれとファンネル2との間の距離のうちの最小値とする。
(実施の形態4)
図6(A)は本発明の実施の形態4に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨーク4の一部断面図である。偏向ヨーク4の断面形状はXZ面に対して対称であるので、図3〜図5と同様に、XZ面より上側半分のみを図示している。図6(B)は図6(A)の部分6Bの拡大断面図である。
実施の形態1に対する相違点を中心に本実施の形態4を説明する。
本実施の形態4では、絶縁枠10が、絶縁枠凸部12を構成する第1部品10aと、絶縁枠凸部12以外の部分を構成する第2部品10bとの少なくとも2つの部品からなる。
一般に、略漏斗形状の絶縁枠10は、例えば、XZ面で分割された半漏斗形状の2部品をそれぞれ樹脂成形し、これらを接合することにより得られる。絶縁枠凸部12を有する半漏斗形状の部品を金型を用いて一度に樹脂成形するためには、成形品の金型からの取り外し性を考慮すると、3以上の金型部品を組み合わせる必要があり、成形コストが増大する。
本実施の形態の絶縁枠10は、それぞれ別々に樹脂成形された第1部品10aと第2部品10bとが組み合わされている。これにより、第1部品10a及び第2部品10bはいずれも2つの金型部品を用いて成形することが可能になり、全体として生産性が向上し、コストを低減できる。
絶縁枠10を第1部品10aと第2部品10bとを別部品にする場合、絶縁枠10に対して両側に配置される水平偏向コイル20と垂直偏向コイル30,32との絶縁性が低下するおそれがある。そこで、本実施の形態では、図6(B)に示したように、第1部品10aと第2部品10bとの接合部を、周方向に沿った接合面10cを有する階段状にしている。これにより、水平偏向コイル20と垂直偏向コイル30,32との間の延面距離を確保して、絶縁性の低下を防止している。
実施の形態2,3においても、上述の第1部品10a及び第2部品10bを組み合わせた絶縁枠10を用いることができる。
上記の実施の形態1〜4では磁性体凸部42はZ軸方向においてフェライトコア40の全長Lにわたって設けられていた。また、実施の形態3では第2凸部47もZ軸方向においてフェライトコア40の全長Lにわたって設けられていた。しかしながら、本発明の磁性体凸部42及び/又は第2凸部47は、これに限定されず、フェライトコア40の全長Lのうちの一部にのみ設けられていてもよい。
本発明の偏向ヨーク4は、上述した図3、図4、図5、又は図6(A)に示した断面をZ軸上のいずれかの1点において有していることが好ましい。より正確には、Z軸上の少なくとも1点でのZ軸と直交する断面において、下記A〜Cを満足する。
A.Y軸が交差するフェライトコア40の内面の位置近傍に、Z軸に向かって突出した複数の磁性体凸部42が設けられている。
B.複数の磁性体凸部42のそれぞれとファンネル2との間の距離のうちの最小値をD1とすると、複数の磁性体凸部42を除くフェライトコア40とファンネル2との間の距離はフェライトコア40のいずれの箇所においても距離D1より大きい。
C.複数の磁性体凸部42間の溝45に垂直偏向コイルの一部32が巻回されている。
この断面のZ軸方向の位置は特に限定はないが、フェライトコア40のZ軸方向の寸法をLとしたとき、フェライトコア40の電子銃3側端と電子銃3側端から前面パネル1側に(2/3)×Lだけ離れた位置との間に該断面が存在することが好ましい。フェライトコア40の小径側である電子銃側端近傍の領域では、フェライトコア40と電子ビームとの間の距離が小さいので、この領域に磁性体凸部42(好ましくは、更に第2凸部47)を設けると、フェライトコア40と電子ビームとの間の距離を大幅に削減できるので、大きな偏向電力低減効果が得られる。また、大径側に磁性体凸部42及び第2凸部47を設けないと、垂直偏向コイルの巻線配置の自由度が向上する。
本発明のカラー受像管装置の利用分野は特に限定されず、テレビジョンまたはコンピュータディスプレイ等に広範囲に利用できる。
本発明の一実施形態に係るカラー受像管装置の外観図である。 本発明の一実施形態に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨークのスクリーン側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨークの一部断面図である。 本発明の実施の形態2に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨークの一部断面図である。 本発明の実施の形態3に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨークの一部断面図である。 図6(A)は本発明の実施の形態4に係るカラー受像管装置に装着される偏向ヨークの一部断面図、図6(B)は図6(A)の部分6Bの拡大断面図である。 従来の偏向ヨークの一部断面図である。 従来のカラー受像管装置における上下ラスターのインナーピンクッション歪の例を示した図である。
符号の説明
1 前面パネル
2 ファンネル
3 電子銃
4 偏向ヨーク
5 コンバーゼンスヨーク
10 絶縁枠
12 絶縁枠凸部
20 水平偏向コイル
22 窓部
30 第1垂直偏向コイル
32 第2垂直偏向コイル
35 垂直偏向コイル
40 フェライトコア
42 磁性体凸部
45 溝
47 第2凸部
49 第2溝

Claims (10)

  1. 前面パネル及びファンネルからなる外囲器と、
    前記ファンネルのネック部内に設けられた電子銃と、
    前記電子銃からインライン状に放射された3本の電子ビームに対して水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を作用させて水平方向及び垂直方向に偏向させる偏向ヨークと
    を備えるカラー受像管装置であって、
    前記偏向ヨークは、フェライトコアと、前記水平偏向磁界を発する水平偏向コイルと、前記垂直偏向磁界を発する垂直偏向コイルと、前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルとを絶縁する絶縁枠とを有し、
    管軸をZ軸、前記Z軸と直交する水平方向軸をX軸、前記Z軸及び前記X軸と直交する垂直方向軸をY軸としたとき、前記水平偏向コイルは、前記Y軸及び前記Z軸を含むYZ面と交差する位置に巻線が存在しない窓部を有し、
    前記偏向ヨークは、下記A〜Cを満足する前記Z軸と直交する断面を少なくとも1つ備えることを特徴とするカラー受像管装置。
    A.前記断面において、前記Y軸が交差する前記フェライトコアの内面の位置近傍に、前記Z軸に向かって突出した複数の磁性体凸部が設けられている。
    B.前記断面において、前記複数の磁性体凸部のそれぞれと前記ファンネルとの間の距離のうちの最小値をD1とすると、前記複数の磁性体凸部を除く前記フェライトコアと前記ファンネルとの間の距離は前記フェライトコアのいずれの箇所においても前記距離D1より大きい。
    C.前記垂直偏向コイルが、前記複数の磁性体凸部間の溝ではトロイダル型に巻回されており、前記複数の磁性体凸部間の溝以外の部分ではサドル型に巻回されている。
  2. 前記断面において、前記Z軸に対して前記Y軸から±30°の範囲内に前記複数の磁性体凸部が設けられている請求項1に記載のカラー受像管装置。
  3. 前記水平偏向コイルが金型を利用して巻回された金型巻きコイルである請求項1に記載のカラー受像管装置。
  4. 前記断面において、前記絶縁枠は、前記複数の磁性体凸部と対向する領域に前記窓部に向かって突出した絶縁枠凸部を備える請求項1に記載のカラー受像管装置。
  5. 前記絶縁枠凸部が前記水平偏向コイルの前記窓部内に貫入されている請求項に記載のカラー受像管装置。
  6. 前記断面において、前記複数の磁性体凸部が前記水平偏向コイルの前記窓部内に貫入されている請求項1に記載のカラー受像管装置。
  7. 前記断面において、前記フェライトコアの内面の、前記水平偏向コイルの前記窓部に対向する領域以外の領域に、前記Z軸に向かって突出した複数の第2凸部を有し、前記複数の第2凸部間の第2溝に前記垂直偏向コイルの一部が巻回されている請求項1に記載のカラー受像管装置。
  8. 前記第2凸部と前記ファンネルとの間の距離をD2とすると、D1<D2である請求項に記載のカラー受像管装置。
  9. 前記絶縁枠凸部は、これ以外の前記絶縁枠を構成する部品とは別個の部品からなる請求項に記載のカラー受像管装置。
  10. 前記フェライトコアの前記Z軸に沿った寸法をLとしたとき、前記フェライトコアの前記電子銃側端と前記電子銃側端から前記前面パネル側に(2/3)×Lだけ離れた位置との間に、前記断面が存在する請求項1に記載のカラー受像管装置。
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