JP4039534B2 - ビスフェノール類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ビスフェノール類の製造時に通常用いられる酸性触媒の残留がなく、このため精製時に副生物の生成がなく、色相、耐熱性などに優れたビスフェノール類を得ることができるようなビスフェノール類の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類は、従来よりポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアリレートなどのポリマー製造原料として広く用いられている。
【0003】
このようなビスフェノール類たとえばビスフェノールAは、通常、フェノールとアセトンとを、塩酸などの鉱酸あるいは強酸性イオン交換樹脂などの酸性触媒の存在下に反応させることにより製造される。
【0004】
触媒として強酸性イオン交換樹脂を用いてビスフェノール類を製造する場合には、強酸性イオン交換樹脂触媒から微量の酸性物質が溶出してくることがあった。また鉱酸触媒を用いてビスフェノール類を製造する場合には、得られるビスフェノール類から酸性物質を除去しているが、この酸性物質を完全に除去することは困難であった。
【0005】
このようにして得られるビスフェノール類中の酸性物質量は、一般的に商業プラントで生産されるもので2ppm以下(酸滴定によるp-トルエンスルホン酸換算)であるとされているが、このような量であってもビスフェノール類に着色が生じたり、またこのビスフェノール類を用いて製造されるポリマーに着色が生じたりすることがあった。これはビスフェノール類中に残存する酸性物質によってビスフェノール類の精製工程でビスフェノール類が熱分解などを生ずるためであろうと考えられる。
【0006】
またビスフェノール類中に酸性物質が微量でも残存していると、このビスフェノール類を原料としてエステル交換法でポリカーボネートなどのポリマーを製造しようとすると、酸性物質によって重合速度が大きく変化したり、得られるポリマーの物性が低下するなどの問題が生ずる。
【0007】
このような問題点を解決するため、本願出願人は、特開平8−183844号公報において、ポリカーボネートを溶融重縮合反応によって製造するに際して、(1) 粗製ビスフェノール類とフェノール類との付加体を形成し、(2) 得られた付加体に、触媒としてのアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物をビスフェノール類1モルに対して、5×10-8〜2×10-6モルの量で添加して、分散または溶解した後、(3) 該付加体からフェノール類を除去し、(4) 得られたビスフェノール類を用いてポリカーボネートを製造することを提案した。
【0008】
ところが上記の公報に開示されているビスフェノール類の精製方法では、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物をビスフェノール類1モルに対して上記のような範囲内の一定量で添加していた。このように精製されたビスフェノール類は、精製工程中にビスフェノール類が熱分解するなどし、このように得られたビスフェノール類を用いてポリカーボネートなどのポリマーを製造しようとすると、得られるポリマーの色相、耐熱性にばらつきを生じることを本発明者らは見出した。
【0009】
本発明者は上記の点についてさらに検討したところ、粗製ビスフェノール類中に含まれる不純物としての酸性物質の含有量が変化しており、このため一定量のアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を添加したのでは、充分に優れた特性を有するビスフェノール類が得られないことを見だし、このような知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、ビスフェノール類の製造時に通常用いられる酸性触媒の残留がなく、このため精製時に副生物の生成がなく、色相、耐熱性などに優れたビスフェノール類を得ることができるようなビスフェノール類の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係るビスフェノール類の製造方法は、フェノール類とケトン類との反応によってビスフェノール類を製造するに際して、
フェノール類とケトン類との反応によって得られるビスフェノール類に、
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を添加して、
ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩として1×10-8〜1×10-6モルの量に相当するように調整することを特徴としている。
【0012】
前記ビスフェノール類の塩基性度は、該ビスフェノール類中に含まれるアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物をエステル交換反応触媒として、該ビスフェノール類と炭酸ジエステルとをエステル交換反応させたときのエステル交換反応度から求めることができる。
【0013】
本発明の好ましい具体的態様では、
(a) 酸性触媒の存在下にフェノール類とケトン類とを反応させてビスフェノール類を生成させる工程、
(b) 生成したビスフェノール類を含む反応混合物から触媒および低沸点物を除去する工程、
(c) フェノール類の添加または除去により濃度調整されたビスフェノール類の均一溶液を得る工程、
(d) 上記で得られた均一溶液を冷却し、ビスフェノール類とフェノール類との付加体を晶析させてスラリーとする工程、
(e) スラリーを固液分離して、ビスフェノール類とフェノール類との付加体を固体で得る工程、
(f) 上記で得られた固体状付加体を加熱溶融する工程、および
(g) 溶融物からフェノール類を除去する工程
によりビスフェノール類を製造工程するに際して、
工程(c) ないし工程(f) のうちの少なくとも一つの工程において、上記のようなアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を添加している。
【0014】
上記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の添加量は、最終的に得られるビスフェノール類の塩基性度に基づいて制御することが好ましい。
本発明では、ビスフェノール類はビスフェノールAであることが好ましい。
本発明では、ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩として1×10-8〜1×10-6モルの範囲から選ばれる特定の塩基性度値の10%以内に調整することが好ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るビスフェノール類の製造方法について具体的に説明する。本発明に係るビスフェノール類の製造方法では、フェノール類とケトン類との反応によってビスフェノール類を製造するに際して、
フェノール類とケトン類との反応によって得られるビスフェノール類に、
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を添加して、
ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩として1×10-8〜1×10-6モルの量に相当するように調整している。
【0016】
本発明では、下記のような工程(a) 〜(g) により、フェノール類とケトン類との反応によってビスフェノール類を生成させ、次いで得られたビスフェノール類とフェノール類との付加体を形成した後フェノール類を除去してビスフェノール類を精製するに際して、付加体からフェノール類を除去するに先立ってアルカリ金属化合物または/およびアルカリ土類金属化合物を添加して、上記のような塩基性度に調整されたビスフェノール類を得ることが好ましい。このような好ましい具体的態様を図1に示すプロセスフローを参照しながら説明する。
【0017】
工程 (a)
本発明では、まずフェノール類とケトン類とを反応させてビスフェノール類を生成させている。
本発明において、フェノール類とケトン類との反応により得られるビスフェノール類は、たとえば下記式[I]で示される。
【0018】
【化1】
【0019】
上記のような式[I]で示されるビスフェノール類としては、具体的には、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールA)、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類などが挙げられる。
【0020】
また本発明では、上記式中、Xが−O−、−S−、−SO−または−SO2−であるようなビスフェノール類も製造することができ、たとえば
4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルフィド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホキシド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホン類などを製造することもできる。
【0021】
これらのうちでも、ビスフェノールAを製造することが特に好ましい。
上記のようなビスフェノール類は、フェノール類とケトン類とを酸性触媒の存在下に縮合反応させる公知のビスフェノール類の生成反応により得ることができる。フェノール類としては、上記式[I]中Xで結合していない構造のフェノール類が用いられる。また上記のようなビスフェノール類を得ることができれば、フェノール類とホルムアルデヒド、スルホン酸類などとを縮合反応させてもよい。
以下、主としてフェノールとアセトンとの脱水縮合反応によりビスフェノールAを製造する場合について説明する。
【0022】
【化2】
【0023】
上記反応では、通常フェノールはアセトンに対して過剰量で用いられ、フェノールとアセトンとのモル比(フェノール/アセトン)は、通常3〜30好ましくは5〜20であることが望ましい。
【0024】
酸性触媒としては、公知の酸性イオン交換樹脂触媒を特に限定することなく用いることができるが、通常ゲル型で架橋度が1〜8%好ましくは2〜6%のスルホン酸型陽イオン交換樹脂が好ましく用いられる。
また塩酸、硫酸などの鉱酸触媒を用いることもできる。
反応は、通常、温度が30〜100℃好ましくは50〜90℃、圧力が常圧〜5kg/cm2G の条件下に行われる。
上記のようなフェノールとアセトンとの反応では、通常生成したビスフェノールAとともに未反応フェノール、未反応アセトン、反応副生水および着色物質などの反応副生物を含む反応混合物が得られる。
【0025】
工程 (b)
上記で得られたビスフェノール類を含む反応混合物から触媒および低沸点物を除去する。
上記反応触媒として鉱酸を用いたときには、反応混合物から低沸点物を蒸留除去するに先立って、水洗などの触媒の分離除去処理を行なう。イオン交換樹脂触媒が充填された固定床反応器を用いる反応では、触媒を含まない反応混合物が得られるので、脱触媒処理は通常行なわない。
反応混合物の蒸留は、通常、50〜300mmHg、70〜130℃の条件下で行われる。この減圧蒸留では、アセトン、水などの低沸点物とともに、共沸によりフェノールの一部も除去されることもある。
【0026】
工程 (c)
フェノール類の添加または除去により濃度調整されたビスフェノール類の均一溶液を得る。
フェノール類としてはフェノールが好ましく用いられ、たとえばビスフェノールAとフェノールとの付加体を生成させることが好ましい。
ビスフェノールAとフェノールとの付加体を効率よく晶析させるには、ビスフェノールAとフェノールとの均一溶液を形成し、かつ均一溶液中のビスフェノールAの濃度を20〜50重量%好ましくは30〜45重量%とすることが望ましい。この均一溶液は、上記付加体からなってもよく、また付加体とフェノールとの混合物からなってもよい。
【0027】
工程 (d)
上記で得られた均一溶液を冷却し、ビスフェノール類とフェノール類との付加体を晶析させてスラリーとする。
ビスフェノールAとフェノールとの均一溶液は、35〜60℃に冷却することが好ましく、冷却は外部熱交換器あるいは減圧による除熱などによって行うことができる。
【0028】
工程 (e)
上記で得られたスラリーを固液分離して、ビスフェノール類とフェノール類との付加体を固体で得る。
スラリーの固液分離は、遠心分離、減圧濾過などにより行うことができる。固液分離によりビスフェノール類とフェノール類との付加体結晶は、反応副生物などを含む母液から分離される。分離された付加体(ウエットケーキ)はたとえばフェノールなどで洗浄してもよい。
【0029】
工程 (f)
上記で得られた固体状付加体を加熱溶融する。
上記で分離された付加体結晶たとえばビスフェノールAとフェノールとの付加体は、通常100〜160℃で加熱溶融して、溶融物(液状混合物)とする。
【0030】
工程 (g)
溶融物からフェノール類を除去する。
溶融物(液状混合物)から減圧蒸留などによってフェノール類を除去してビスフェノール類を回収する。蒸留によりフェノールを留去させるときには、10〜100mmHgの圧力下、蒸留温度150〜190℃で減圧蒸留を行う。この際、蒸留塔内に存在するビスフェノールAとフェノールとの混合液の融点よりも少なくとも10℃高い温度で行われる。
【0031】
この工程(g) では、さらに特開平2−28126号公報、特開昭63−132850号公報などに記載された利用してビスフェノールA中に残存するフェノール類をスチームストリッピングなどにより除去してもよい。
【0032】
上記のような工程を連続的に行なってビスフェノールAを製造することが好ましい。
本発明では、上記のようにしてビスフェノールAを製造するに際して、工程(c) 〜工程(f) のうち少なくとも一つの工程において、アルカリ金属化合物または/およびアルカリ土類金属化合物(以下アルカリ(土類)金属化合物)を添加して、ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩として1×10-8〜1×10-6モルの量に相当するように調整している。
【0033】
本発明で用いられるアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好ましく挙げられる。
【0034】
具体的には、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノール類のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。これら化合物を2種以上併用することもできる。
【0035】
上記のようなアルカリ(土類)金属化合物は溶液状態で用いられることが望ましく、たとえばアルカリ(土類)金属化合物の水溶液、メタノール、エタノールなどのアルコール溶液、フェノール類溶液などで用いられる。また上記アルカリ(土類)金属化合物を含むビスフェノール類を用いることもできる。
【0036】
上記のようなアルカリ(土類)金属化合物を、工程(c) 〜工程(f) のうち少なくとも一つの工程において添加することによって、ビスフェノール類の塩基性度を調整しているが、このアルカリ(土類)金属化合物は、たとえば上記工程(c) で得られる均一溶液、工程(d) で得られるスラリー、工程(e) で固液分離された付加体(ウエットケーキ)の洗浄液に、工程(f) で得られる溶融物(液状混合物)などに添加することができる。
【0037】
ここでビスフェノール類の塩基性度は、通常、滴定により直接定量することが考えられるが、上記のように極微量のNa量に相当する塩基性度を滴定により測定することは極めて困難である。このようなビスフェノール類の塩基性度は、該ビスフェノール類中に含まれるアルカリ(土類)金属化合物がエステル交換反応触媒として有効に作用する量として求めることが正確でかつ最適であると考えられる。
【0038】
具体的には、以下のようにして求めることができる。
予め、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとをエステル交換反応させたときの触媒量(触媒として有効に作用する量)と、エステル交換反応度との関係を示す検量線を作成する。この際、純粋なビスフェノール類1モルに対するビスフェノール類の2Na塩の量を触媒量とする。なお純粋なビスフェノール類とは、実質的に酸性または塩基性不純物を含まないビスフェノール類である。エステル交換反応度は、たとえば反応により生成するフェノール類、オリゴマー、未反応のビスフェノール類または炭酸ジエステルの量などとして求めることができる。フェノール類、オリゴマーまたは未反応のビスフェノール類またはジフェニルカーボネートの量は、近赤外計、屈折率計、高速液体クロマトグラフィーなどの分析装置で測定することができる。
【0039】
上記で製造されるアルカリ(土類)金属化合物を含むビスフェノール類と、炭酸ジエステルとを、検量線を作成する際のエステル交換反応(温度、圧力)と同一条件下でエステル交換反応させたときのエステル交換反応度を測定することにより、上記検量線から、ビスフェノール類中のアルカリ(土類)金属化合物がエステル交換反応触媒として有効に作用した量、すなわち純粋なビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩含有量に相当する量としてのビスフェノール類の塩基性度を求める。
【0040】
このようなビスフェノール類の塩基性度の測定は一定時間毎に行ってもよいが、前記分析装置をビスフェノール類の製造ラインにオンラインで付設し、製造されるビスフェノール類の塩基性度を連続的に測定することはさらに好ましい。
【0041】
上記のようにして最終的に得られるビスフェノール類の塩基性度を測定し、この測定値に基づいて工程(c) 〜(d)で添加するアルカリ(土類)金属化合物の添加量を制御することにより、ビスフェノール類の塩基性度を調整することができる。
【0042】
本発明では、上記のような方法により、ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類2Na塩として1×10-8〜1×10-6モル/モル−ビスフェノール類の範囲に調整しているが、さらにはこの範囲から選ばれる特定の塩基性度値の10%以内、好ましくは6%以内に調製することが好ましい。
【0043】
上記のようなビスフェノール類の製造工程(g) では溶融状態のビスフェノール類が得られる。この溶融状態のビスフェノール類は、次いで通常、冷却、造粒工程(h) が加えられる。ビスフェノール類の造粒は、(g) で得られた溶融状態のビスフェノール類をスプレードライヤーなどを用いて噴霧、滴下、散布等の方法により液滴とし、これを窒素、空気等によって冷却固化することにより行われる。
【0044】
上記のようにして得られる精製ビスフェノール類の純度は、ビスフェノールAの場合には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定される純度が99重量%以上さらには99.5重量%以上であることが好ましい。
また本発明では色相に優れたビスフェノール類が得られる。
【0045】
【発明の効果】
本発明では、ビスフェノール類の製造時に通常用いられる酸性触媒の残留がなく、このため精製時に副生物の生成がなく、色相、耐熱性などに優れたビスフェノール類を得ることができる。
本発明で得られるビスフェノールAは、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアリレートなどのポリマー製造用原料として好適である。
【0046】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本明細書において、実施例で製造されたビスフェノールAの塩基性度、色相、純度、およびビスフェノールAを用いて製造されたポリカーボネートのMFR、色相は、以下のようにして測定した。
【0047】
[ビスフェノールAの塩基性度]
100mlスケールの反応器に、実施例で製造されたビスフェノールA(以下BPAともいう)と、ジフェニルカーボネートとを1:1のモル比で合計で200ml/hrの量で連続的に導入し、160℃で滞留時間30分でエステル交換反応させ、反応器から出てくる液を近赤外分析計で測定し、該液中のフェノール濃度(反応により生成したフェノールの量すなわちエステル交換反応度)を測定し、予め同一エステル交換反応条件下で作成された下記の検量線からビスフェノールAの塩基性度を求めた。
ビスフェノールAの塩基性度(ビスフェノールAの2Na塩量モル/モル−BPA)=3.33×10-7×フェノール濃度(重量%)
【0048】
[ビスフェノールAの色相]
ビスフェノールAを空気中で250℃にて10分間加熱した時の色相を、APHA標準比色液を用いて目視により測定した。
【0049】
[ビスフェノールAの純度]
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
[ポリカーボネートの色相(黄色度:YI)]
3mm厚の射出成形板をシリンダー温度290℃、射出圧力1000kg/cm、1サイクル45秒、金型温度100℃で成形し、X、Y、Z値を日本電色工業(株) 製の Colorand Color Defference Meter ND-1001 DP を用いて透過法で測定し、黄色度〔YI〕を測定した。
YI=100(1.277X−1.060Z)/Y
【0050】
[ポリカーボネートのMFR]
JIS K−7210の方法に準拠し、温度250℃、荷重1.2kgで測定した。
実施例では基本的に以下の製造工程を経てビスフェノールAおよびポリカーボネートを連続的に製造した。
【0051】
[ビスフェノールAの製造工程]
(a) フェノールとアセトンとを、フェノール/アセトン=5のモル比で、50℃、常圧で、酸性触媒として架橋度4%のスルホン酸型陽イオン交換樹脂を用いて反応させ、反応混合物を得た。
(b) 上記で得られた反応混合物を、200mmHg、120℃で減圧蒸留して未反応アセトン、反応副生水などを除去して粗製液(ビスフェノールA)を得た。
(c) 上記で得られた粗製液からフェノールを留去してビスフェノールAの濃度を30重量%に調整した。
(d) 上記で濃度調整された粗製液(均一溶液)を、外部熱交換器により除熱して42℃まで冷却してビスフェノールAとフェノールとの付加体を晶析し、スラリーとした。
(e) 該スラリーを遠心分離および減圧濾過することにより、付加体(結晶部)と母液とに分離した。
(f) 固液分離されたビスフェノールAとフェノールとの付加体を130℃で加熱溶融した。
(g) 溶融物(液状混合物)を、100mmHg、190℃で減圧蒸留してフェノールを除去し、溶融状態のビスフェノールAを回収した。
(h) 上記工程(g) で得られた溶融状態のビスフェノールAを、スプレードライヤーにより液滴にし、窒素で冷却固化してビスフェノールAを造粒した。
【0052】
[ポリカーボネートの製造工程]
ポリカーボネートの重合装置は、原料のミキシング用の攪拌槽を一基、前重合槽を二基、横形重合槽を二基、備え付けられたものを使用した。各々の反応条件は、下記の通りである。
反応器 圧力 温度(℃) 平均滞留時間( hr )
攪拌槽 窒素雰囲気 160 2.0
前重合槽I 100torr 230 1.0
前重合槽II 20torr 240 0.5
横形重合槽I 3〜5torr 270 0.5
横形重合槽II 0.1〜1.0torr 275 0.5
上記のビスフェノールA製造装置より、工程(g) より直接配管にて送液されてきた溶融状態のビスフェノールAまたは造粒されたビスフェノールA(供給速度36.0kg/hr)と、蒸留後に直接配管にて送液されてきた溶融状態のジフェニルカーボネート(供給速度34.7kg/hr)とを、上記の温度に保った攪拌槽に連続して供給し、ビスフェノールA換算で36.0kg/hrの供給速度で前重合槽I、前重合槽II、横形重合槽I、横形重合槽IIに順次供給し、上記反応条件下で重合を行い、目標のMFRが11.0g/10分のポリカーボネートを製造した。
2時間ごとに測定されるMFRを見ながら、横形重合槽Iと横形重合槽IIの圧力を調節して、できるだけ目標のMFRを外れないよう運転した。
【0053】
【実施例1】
ビスフェノールAの製造
上記工程(c) において、濃度調製された粗製液(ドラム)に0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液を添加して、ビスフェノールAの2Na塩として2×10-7モル/モル−BPAの量に相当する塩基性度に調整されたビスフェノールAを連続的に製造した。
【0054】
この際、上記工程(h) で得られる造粒ビスフェノールAの塩基性度を連続的に測定しながら、このビスフェノールAが、常時、ビスフェノールAの2Na塩として2×10-7モル/モル−BPAの量に相当する塩基性度を示すように、上記工程(c) で添加する0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液を添加量を制御することにより、ビスフェノールAの塩基性度を調整した。
【0055】
ポリカーボネートの製造
工程(g) より直接配管にて連続して送液されてきた溶融状態のビスフェノールAを用いて上記のポリカーボネートの重合方法にて、14日間連続して、ポリカーボネートを製造した。
ビスフェノールAとポリカーボネートは、2時間ごとにサンプルを採取し、ビスフェノールA、純度、色相、ポリカーボネートの色相、MFRを評価した。結果を表1に示す。
【0056】
【実施例2】
実施例1において、0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液の添加場所を、工程(d) で得られた付加体結晶を含んだスラリー(スラリーが流れる配管中)に変えた以外は、実施例1と同様にして、連続的にビスフェノールAを製造し、実施例1と同様にしてポリカーボネートを製造した。結果を表1に示す。
【0057】
【実施例3】
実施例1において、0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液の添加場所を、工程(e) での遠心分離と減圧濾過により得られた付加体結晶を取り出す配管に変えた以外は、実施例1と同様にして、連続的にビスフェノールAを製造し、実施例1と同様にしてポリカーボネートを製造した。結果を表1に示す。
【0058】
【実施例4】
実施例1において、0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液の添加場所を、工程(f) での付加体結晶の溶解槽中に変えた以外は、実施例1と同様にして、連続的にビスフェノールAを製造し、実施例1と同様にしてポリカーボネートを製造した。結果を表1に示す。
【0059】
【比較例1】
アルカリ(土類)金属化合物を添加することなく、上記の製造工程によりビスフェノールAを連続的に製造した。このビスフェノールAの色相、純度を表1に示す。
次いで工程(g) より直接配管にて連続して送液されてきた溶融状態の上記ビスフェノールAを攪拌槽に導き、ビスフェノールA1モルに対してビスフェノールAの2Na塩を4×10-7モルの量の割合で添加して、上記のポリカーボネートの重合方法にて、14日間連続して、ポリカーボネートを製造した。結果を表1に示す。
【0060】
【比較例2】
実施例4において、製造されるビスフェノールAの塩基性度の測定と、アルカリ(土類)金属化合物の添加量制御は行わず、工程(f) において、0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液を、ビスフェノールAの2Na塩として4×10-7モル/モル−BPAに相当する量で一定量添加した以外は、実施例4と同様にしてビスフェノールAを製造し、このビスフェノールAを用いてポリカーボネートを製造した。結果を表1に示す。
【0061】
【比較例3】
実施例4において、製造されるビスフェノールAの塩基性度がビスフェノールAの2Na塩として2×10-6/モル−BPAの量の割合に変えた以外は、実施例4と同様にしてビスフェノールAを製造し、このビスフェノールAを用いてポリカーボネートを製造した。結果を表1に示す。
比較例3のようにアルカリ(土類)金属化合物の使用量が多いと、ビスフェノールAの色相、ポリカーボネート色相(YI)に劣る。
【0062】
【表1】
【0063】
【実施例5】
実施例4において、製造されるビスフェノールAの塩基性度をビスフェノールAの2Na塩として4×10-7モル/モル−BPAの量に相当するように調整した以外は、実施例4と同様にしてビスフェノールAを製造し、このビスフェノールAを用いてポリカーボネートを製造した。結果を表2に示す。
【0064】
【実施例6】
実施例4において、製造されるビスフェノールAの塩基性度をビスフェノールAの2Na塩として8×10-7モル/モル−BPAの量に相当するように調整した以外は、実施例4と同様にしてビスフェノールAを製造し、このビスフェノールAを用いてポリカーボネートを製造した。結果を表2に示す。
【0065】
【実施例7】
実施例4において、製造されるビスフェノールAの塩基性度をビスフェノールAの2Na塩として8×10-8モル/モル−BPAの量に相当するように調整した以外は、実施例4と同様にしてビスフェノールAを製造した。
【0066】
このビスフェノールAを用いてポリカーボネートを製造する際に、重合活性を補うため、0.5%の水酸化ナトリウムのフェノール溶液をNaOHとして4×10-7モル/モル−BPAの量でポリカーボネート製造用反応器(攪拌槽)中に添加した以外は、実施例4と同様にポリカーボネートを製造した。結果を表2に示す。
【0067】
【比較例4】
実施例4において、製造されるビスフェノールAの塩基性度をビスフェノールAの2Na塩として2×10-6モル/モル−BPAの量に相当するように調整した以外は、実施例4と同様にしてビスフェノールAを製造し、このビスフェノールAを用いてポリカーボネートを製造した。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るビスフェノール類の製造方法の好ましいプロセスフロー態様を模式的に示す。
Claims (5)
- フェノール類とケトン類との反応によってビスフェノール類を製造するに際して、
フェノール類とケトン類との反応によって得られるビスフェノール類に、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を添加して、ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩として1×10-8 〜1×10-6 モルの量に相当するように調整する方法において、
得られるビスフェノール類の塩基性度を測定し、前記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の添加量を、前記測定された塩基性度に基づいて制御するとともに、
前記ビスフェノール類の塩基性度が、該ビスフェノール類中に含まれるアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物をエステル交換反応触媒として、該ビスフェノール類と炭酸ジエステルとをエステル交換反応させたときのエステル交換反応度から求められることを特徴とするビスフェノール類の製造方法。 - (a) 酸性触媒の存在下にフェノール類とケトン類とを反応させてビスフェノール類を生成させる工程、
(b) 生成したビスフェノール類を含む反応混合物から触媒および低沸点物を除去する工程、
(c) フェノール類の添加または除去により濃度調整されたビスフェノール類の均一溶液を得る工程、
(d) 上記で得られた均一溶液を冷却し、ビスフェノール類とフェノール類との付加体を晶析させてスラリーとする工程、
(e) スラリーを固液分離して、ビスフェノール類とフェノール類との付加体を固体で得る工程、
(f) 上記で得られた固体状付加体を加熱溶融する工程、および
(g) 溶融物からフェノール類を除去する工程によりビスフェノール類を製造工程するに際して、
工程(c) ないし工程(f) のうちの少なくとも一つの工程において、前記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を添加することを特徴とする請求項1に記載のビスフェノール類の製造方法。 - 前記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の添加量を、最終的に得られるビスフェノール類の塩基性度に基づいて制御することを特徴とする請求項1または2に記載のビスフェノール類の製造方法。
- ビスフェノール類がビスフェノールAであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビスフェノール類の製造方法。
- 前記ビスフェノール類の塩基性度を、ビスフェノール類1モルに対してビスフェノール類の2Na塩として1×10-8〜1×10-6モルの範囲から選ばれる特定の塩基性度値の10%以内に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のビスフェノール類の製造方法。
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