JP4035990B2 - 超大入熱溶接haz靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築構造用として好適な、厚鋼板に係り、特に超大入熱溶接を施される使途に好適な建築構造用厚鋼板に関する。なお、本発明でいう「超大入熱溶接」とは、溶接入熱量が400kJ/cmを超える溶接を意味するものとする。また、厚鋼板とは、板厚30mm以上の鋼板をいうものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築構造物の大型化に伴い、使用鋼材の厚肉化が要望され、構造物の施工効率の向上と施工コストの低減の観点から、溶接効率の向上が求められ、大入熱の高能率溶接が指向されてきた。たとえば、建築構造用ボックス柱では、サブマージアーク溶接やエレクトロスラグ溶接などの溶接入熱が400kJ/cmを超えるような大入熱溶接が適用されている。
【0003】
また、近年、建築構造物の耐震性向上が求められ、建築構造物の溶接継手部にも、高い靱性を有することが要求されるようになっている。例えば、柱−梁接合部については、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが70Jを超えるような、高い靱性を有することが要求されている。また、ボックス柱の溶接部にも、同様の要求がある。
【0004】
一般に、溶接熱影響部(以下、HAZ ともいう)は、溶接時に高温に晒され、結晶粒が粗大化しやすく、しかも、溶接入熱が増大するにしたがい冷却速度が遅くなり、脆弱な上部ベイナイト組織が形成され、さらに島状マルテンサイト等の脆化組織が生成されやすく、HAZ 靱性が低下しやすいことが知られている。このような大入熱溶接HAZ の靭性の低下という問題に対し、例えば、特開平2-250917 号公報、特開平2-254118 号公報、特公平3-53367号公報には、TiN を鋼中に微細分散させ、MnS または REMオキシサルファイドと複合してオーステナイト粒の粗大化を抑制し、大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されている。
【0005】
また、特開昭60-184663 号公報には、入熱量100kJ/cmの溶接ボンド部靱性の改善をめざし、希土類元素(REM )とTiとを複合添加し、鋼中に微細粒子を分散させてオーステナイトの粒成長を抑制し、溶接ボンド部の靱性向上を図る技術が提案されている。
また、特開昭57-51243号公報には、Ti酸化物(特に一酸化チタン)を微細分散させ、大入熱溶接HAZ の高靭性化を図る技術が提案されている。また、特開昭62-170459 号公報には、Ti窒化物の微細分散と、固溶B量を低減したうえでのBNの析出を組み合わせて、大入熱溶接HAZ の高靭性化を図る技術が提案されている。
【0006】
また、特開昭60-245768 号公報、特開昭61-79745号公報等には、Tiの酸化物を微細分散させ、フェライト変態の核生成サイトとして利用し、大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されている。
また、特開昭61-253344 号公報には、溶接時の冷却過程で TiNなどの上に析出するBNをフェライト変態の核として利用し、大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されている。
【0007】
また、特開2001-107177 号公報には、固溶Nを徹底的に低減するため、Tiと十分なAl量(0.05〜0.10%)を含有させ、さらに微細酸化物としてCa酸化物を活用して、超大入熱溶接におけるHAZ 靭性を向上させる高張力鋼板が提案されている。
さらには特開昭60-204863 号公報には、Caを添加することで硫化物の形態を制御することにより、大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されている。また、特公平4-14180 号公報には、REM を添加し硫化物の形態を制御することにより、大入熱溶接HAZ の靱性を改善する技術が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したTi酸化物を用いる従来技術では、酸化物を均一かつ微細に分散させることがかなりの困難を伴い、酸化物の複合化等によりその分散能を改良すべく種々の検討がなされているが、入熱が400kJ/cmを超える超大入熱溶接においてはオーステナイト粒の成長を十分抑制することが現在までのところ難かしく、超大入熱溶接HAZ を安定して高靭性とすることが困難となる。
【0009】
また、上記したTiN を主体に利用する従来技術で製造された鋼材に、400kJ/cmを超える大入熱溶接法を適用した場合、HAZ が、TiN が溶解する高温域に長時間晒されるため、TiN による結晶粒微細化の作用がなくなり、超大入熱溶接HAZ を高靭性とすることができなくなるという問題があった。また、上記した従来技術では、固溶Tiおよび固溶Nの増加に起因して、脆化組織が生成し、著しくHAZ 靱性が低下する場合があるという問題があった。
【0010】
また、特開2001-107177 号公報に記載された技術では、靱性に悪影響を及ぼす固溶N量の低減と溶融点近傍の高温域でも粒径微細化効果を有する酸化物を活用することで、超大入熱溶接における HAZ靱性の向上させたものであり、過剰にAlを含有させることが特徴である。しかし、多量のAl添加は、溶接時に溶接金属中に混入して脱酸反応に影響し、溶接部靱性を低下させるという問題があった。
【0011】
また、建築構造物では、鋼材の塑性変形を一部許容することで地震エネルギーを吸収する設計法がとられることから、建築構造物用鋼材は、降伏比:80%以下の低降伏比鋼材とすることが要求されている。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、母材降伏強さが490MPa以上と高く、かつ母材降伏比が80%以下と低降伏比であり、さらに溶接入熱量が400kJ/cmを超える超大入熱溶接においても優れたHAZ 靱性を有する、超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。なお、本発明で「超大入熱溶接HAZ 靱性に優れる」とは、400kJ/cmを超える大入熱溶接のHAZ における、0℃におけるシャルピー吸収エネルギー VEO が70J以上を有する場合をいうものとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、入熱が400kJ/cmを超える超大入熱溶接HAZ の靱性におよぼす各種要因について、研究、検討を重ねた。その結果、超大入熱溶接HAZ において、高靱性を得るためには、高温に加熱された領域におけるオーステナイト粒の粗大化抑制と、冷却時にフェライト変態を促進する変態核の微細分散が重要であることを見出した。従来は、これらが不十分であったために、溶接部を安定して高靭性とすることができなかった。
【0013】
本発明者らは、フェライト変態核の微細分散のために、硫化物の形態制御の役割を担うCaに注目し、凝固時にCaS を晶出させることを想到した。CaS は酸化物に比べて低温で晶出するため、鋼中で微細かつ均一な分散が可能となる。CaS の晶出のためには、まずCa添加時の溶鋼中の溶在酸素量を0.0050mass%以下に調整することが肝要である。そして、Ca添加時の溶鋼中の溶存酸素量を0.0050mass%以下に調整したうえで、Ca,Sの添加量を次(1)式
ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1)
ここで、Ca,O,S:各合金元素の含有量(mass%)
で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足するように調整する。これにより、CaS の晶出後に固溶S量が確保でき、CaS の表面上にMnS が析出する複合硫化物を形成することを見出した。MnS はフェライト核生成能があることが知られており、さらにはその周囲にMnの希薄帯が形成されフェライト変態がさらに促進される。また、MnS 上にTiN ,BN,AlN 等のフェライト生成核が析出することによっても、より一層フェライト変態が促進することも新たに発見した。
【0014】
また、400kJ/cm以上の超大入熱溶接HAZ では、高温における滞留時間が増加するため、高温滞留域におけるオーステナイト粒の一層の微細化が必要であることに鑑み、本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、分散粒子のサイズおよび形態を制御することが重要であることに思い至り、超大入熱溶接HAZ の高靭性化のためには、分散粒子の平均粒径を50nm以下、粒数密度を1×106 個/mm2 以上とする必要があることを見いだした。
【0015】
分散粒子のサイズおよび形態を上記した範囲に制御するためには、転炉、電気炉、真空溶解炉などの通常公知の方法で溶製し、脱酸処理や脱ガスプロセスにて、溶存酸素量を0.0050mass%以下に制御したのち、ACR が 0.3〜 0.8の範囲となるようにCa添加することで介在物制御を行ったうえで、連続鋳造法により鋼素材とすることが肝要である。なお、連続鋳造時の鋳込速度は概ね 0.1m/min 以上とすることが望ましい。
【0016】
また、本発明者らは、母材厚鋼板を低降伏比鋼板とするには、熱間圧延条件およびその後の冷却を制御することが重要であることを見出した。
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明は、mass%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5 〜2.0 %、P:0.03%以下、S:0.0005〜0.0030%、Al:0.005 %以上 0.05 %未満、Ti:0.004 〜0.02%、N:0.0020〜0.0070%、Ca:0.0005〜0.0030%、O:0.0050%以下を含有し、かつ次(1)式
ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1)
(ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%))
で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつCaS 表面上に MnS が析出した複合硫化物を含む分散粒子の平均粒径が50nm以下、粒数密度が1×106 個/mm2 以上である組織を有することを特徴とする降伏比80%以下を有し、超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた、低降伏比建築構造用厚鋼板である。また、本発明では、前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.05%以下、V:0.2 %以下、Cu:1.0 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:0.7 %以下、Mo:0.7 %以下、B:0.0003〜0.0025%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、mass%で、C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5 〜2.0 %、P:0.03%以下、S:0.0005〜0.0030%、Al:0.005 %以上 0.05 %未満、Ti:0.004 〜0.02%、N:0.0020〜0.0070%、Ca:0.0005〜0.0030%、O:0.0050%以下を含有し、かつ前記(1)式で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足する組成を有し、溶鋼中の溶存酸素量を 0.0050mass %以下に調整したのち Ca を添加し、前記 ACR が 0.3 以上 0.8 以下を満足するように、 Ca ,S含有量を調整したのち、連続鋳造してなる鋼素材を、1000℃〜1250℃に再加熱後、圧延終了温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施し、ついで、1℃/s以上の平均冷却速度で冷却し、冷却停止温度:600 〜250 ℃とする加速冷却を行った後、空冷することを特徴とする降伏比80%以下を有し超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板の製造方法である。分散粒子のサイズおよび形態を上記した範囲に制御するためには、転炉、電気炉、真空溶解炉などの通常公知の方法で溶製し、脱酸処理や脱ガスプロセスにて溶存酸素量を0.0050mass%以下に制御したのち、ACR が 0.3〜 0.8の範囲となるようにCa添加することで介在物制御を行ったうえで、連続鋳造法により鋼素材とすることが肝要である。なお、連続鋳造時の鋳込み速度は概ね 0.1m/min 以上とすることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、厚鋼板の組成限定理由について説明する。なお、以下、mass%は単に%で表示する。
C:0.03〜0.15%
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、建築構造用厚鋼板として必要な強度(母材降伏強さ:490MPa以上)を得るためには、少なくとも0.03%は必要である。しかし、過剰に含有すると、溶接部の靱性、耐溶接割れ性を低下させる。このため、本発明では、Cは0.03〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.03〜0.12%である。
【0019】
Si:0.05〜0.50%
Siは、脱酸剤として作用し、製鋼上0.05%以上の含有が必要であるが、0.50%を超えて含有すると、母材靱性が劣化するとともに、超大入熱溶接HAZ において島状マルテンサイトが生成し、HAZ 靱性が顕著に劣化する。このため、Siは0.05〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.05〜0.40%である。
【0020】
Mn:0.5 〜2.0 %
Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、本発明では所定の母材強度を確保するため、0.5 %以上の含有を必要とする。一方、2.0 %を超える過剰の含有は、溶接部の靱性を著しく劣化させる。このため、本発明では、Mnは0.5 〜2.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.6 〜 1.6%である。
【0021】
P:0.03%以下
Pは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であり、鋼の靭性を劣化させるため、できるだけ低減することが好ましい。とくに、0.03%を超える含有は、HAZ の靱性劣化が著しくなる。このため、Pは0.03%以下に限定した。なお、過度のP低減は精錬コストを高騰させ経済的に不利となるため、0.005 %以上とすることが好ましい。
【0022】
S:0.0005〜0.0030%
Sは、Caを含有する本発明では、Caと結合しCaS 粒子として凝固段階で微細に晶出し、さらに溶接時にCaS 粒子上にMnS として析出し、フェライト変態核として作用し溶接部靭性を向上させる効果を有する。このような効果はS:0.0005%以上の含有で認められる。一方、0.0030%を超えて含有すると、母材および溶接部の靱性を劣化させる。このため、Sは0.0005〜0.0030%に限定した。
【0023】
Al:0.005 %以上 0.05 %未満
Alは、脱酸剤として作用し、鋼の脱酸上0.005 %以上の含有を必要とするが、0.05 %以上含有すると、母材の靱性が低下し、同時に溶接時に溶接金属部に混入して、靱性を劣化させる。このため、Alは0.005 %以上 0.05 %未満の範囲に限定した。
【0024】
Ti:0.004 〜0.02%
Tiは、Nとの親和力が強く凝固時にTiN として析出して、HAZ でのオーステナイト粒の粗大化を抑制し、あるいはフェライト変態核としてHAZ の高靱性化に寄与する。このような効果は、0.004 %以上の含有で認められるが、0.02%を超えて含有すると、TiN 粒子が粗大化し、上記した効果が期待できなくなる。このため、Tiは0.004 〜0.02%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.005 〜 0.018%である。
【0025】
N:0.0020〜0.0070%
Nは、Tiと結合しTiN として析出して、HAZ でのオーステナイト粒の粗大化を抑制し、あるいはフェライト変態核としてHAZ の高靱性化に寄与する。このような効果を有するTiN の必要量を確保するために、0.0020%以上のNを含有する必要がある。一方、0.0070%を超えて含有すると、溶接時にTiN が溶解する温度まで加熱される領域では、固溶N量が増加し、靱性が著しく低下する。このため、Nは0.0020〜0.0070%の範囲に限定した。
【0026】
Ca:0.0005〜0.0030%
Caは、硫化物の形態を制御して鋼の延性向上に寄与する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.0005%含有することが必要であるが、0.0030%を超えて含有しても効果が飽和する。このため、本発明では、Caは0.0005〜0.0030%の範囲に限定した。なお、本発明では、後述するように、Ca添加直前の溶存酸素量を0.0050%以下に調整したのち、Caを添加して、Ca酸化物の生成を抑制してCaS を晶出させる。CaS は、溶鋼中で酸化物に比べて低温で晶出するため、鋼中で微細かつ均一な分散が可能となり、このCaS 微細粒子はMnS と複合して溶接時にフェライト変態核として作用し、HAZ 靭性の向上に寄与する。
【0027】
O:0.0050%以下
Oは、不可避的不純物として含有され、鋼中では酸化物として存在し、清浄度を低下させる。このため、本発明ではできるだけ低減することが好ましい。O含有量が0.0050%を超えるとCaO系介在物が粗大化して、靭性に悪影響を及ぼす。また、本発明では、CaをCaS として晶出させるために、Caとの結合力が強いOはCa添加前に、脱ガスを強化するか、脱酸剤を投入して、溶鋼中のOを0.0050%以下に低減しておくことが好ましい。
【0028】
また、本発明では、Ca添加時の溶鋼中の溶在酸素量を0.0050mass%以下に調整したうえで、Ca,Sを次(1)式
ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1)
(ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%))
で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足するように添加、調整する。
【0029】
ACR が、0.3 未満では、CaS が晶出しないため、SはMnS 単独の形態で析出する。このMnS は鋼板製造時の圧延で伸長されて均一かつ微細に分散しないため、母材の靱性低下を引き起こすとともに、超大入熱溶接HAZ においてMnS が溶融し微細分散が達成されないため、HAZ の靭性向上が達成できない。一方、ACR が、0.8 超えると、Sが完全にCaによって固定され、フェライト生成核として働くMnS がCaS 上に析出しない。このため、HAZ 靭性の向上が達成されない。ACR が、0.3 以上0.8 以下を満足してはじめて、CaS 上にMnS が析出した複合硫化物の形態となる。この複合硫化物の存在により、フェライト変態の核として機能し、HAZ の組織が微細化され、HAZ 靭性が向上する。
【0030】
上記した基本組成に加えてさらに、強度増加の目的で必要に応じ、Nb:0.05%以下、V:0.2 %以下、Cu:1.0 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:0.7 %以下、Mo:0.7 %以下、B:0.0003〜0.0025%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することができる。
Nb、V、Cu、Ni、Cr、Mo、Bは、いずれも鋼の強度を増加させる元素であり、母材強度、溶接継手部強度の確保のために、必要に応じ選択して含有することが好ましい。
【0031】
Nbは、母材の強度および靱性を向上させるとともに、継手部強度を増加させる作用を有する。このような効果は、0.005 %以上の含有で顕著となるが、0.05%を超える含有は、HAZ 靱性の低下を招く。このため、本発明では、Nbは0.05%以下に限定することが好ましい。
Vは、母材の強度および靱性を向上させるとともに、VNとして析出し、フェライト変態の核として作用する。このような効果は、0.01%以上の含有で顕著となるが、0.2 %を超える含有は、かえって靱性の低下を招く。このため、Vは0.2 %以下に限定することが好ましい。
【0032】
Niは、母材の高靱性を保ちつつ強度を増加させる元素であり、本発明では0.05%以上の含有が望ましいが、1.5 %を超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、本発明では、Niは1.5 %以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは 0.1〜 1.0%である。
【0033】
Cuは、Niと同様、強度を増加するとともに、靭性を向上させる作用を有する。このような効果は0.05%以上の含有で顕著となるが、1.0 %を超える含有は熱間脆性を生じ、鋼板の表面性状が劣化する。このため、Cuは1.0 %以下に限定することが好ましい。
また、Cr,Moは、いずれも鋼材(母材)の高強度化に有効に作用する元素である。このような効果は、Cr:0.05%以上、Mo:0.05%以上の含有で顕著となる。一方、過剰に含有すると、いずれも靱性に悪影響を与えるため、Cr:0.7 %以下、Mo:0.7 %以下にそれぞれ限定することが好ましい。
【0034】
Bは、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有するとともに、HAZ ではBNを形成し、固溶Nの低減とフェライト変態核として働く。このような効果は、0.0003%以下ではその効果が十分ではなく、一方、0.0025%を超えて含有すると焼入れ性が著しく増加し母剤靱性の劣化を招く恐れがある。このため、Bは0.0003〜0.0025%の範囲に限定することが好ましい。
【0035】
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
また、本発明の厚鋼板は、CaS 表面上に MnS が析出した複合硫化物を含む分散粒子の平均粒径が50nm以下、粒数密度が1×106 個/mm2 以上である組織を有する。
分散粒子の平均粒径が50nmを超えると、HAZ の高温滞留域における分散粒子のオーステナイト粒ピン止め効果が小さくなり、HAZ が粗粒化するためHAZ 靱性が低下する。また、分散粒子の粒数密度が1×106 個/mm2 未満では、同様に、HAZ の高温滞留域でのオーステナイト粒のピン止め効果が小さくなり、HAZ が粗粒化しHAZ 靱性が低下する。このようなことから、分散粒子は、平均粒径を50nm以下とし、その粒数密度を1×106 個/mm2 以上に限定した。なお、本発明でいう分散粒子は、TiN や表面に MnS が析出したCa硫化物/酸化物などで代表される粒子である。
【0036】
なお、分散粒子の平均粒径および単位面積当たりの粒数密度は、鋼板から採取した試験片のL断面を研磨し、さらに研磨面を電解腐食して分散粒子を現出したのち、走査型電子顕微鏡を用いて倍率:2000倍で各10視野観察し、撮像して、得られた画像を、画像解析装置を用いて処理し算出するものとする。
つぎに、本発明厚鋼板の製造方法について説明する。
【0037】
上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等通常公知の方法で溶製し、脱酸処理や脱ガスプロセスにて、ガス成分の制御を行ったのち、CaSiワイヤの添加による介在物制御したうえで連続鋳造法などの鋳造方法で鋼素材(スラブ)とする。なお、溶製時に、CaをCaS として晶出させるために、Caとの結合力が強いOはCa添加前に、脱ガスを強化するか、脱酸剤を投入して、溶鋼中のOを0.0050%以下に低減しておくことが好ましい。また、本発明では、Ca添加時の溶鋼中の溶在酸素量を0.0050%以下に調整したうえで、ACR が0.3 以上0.8 以下を満足するようにCa,Sを添加、調整することが好ましい。
【0038】
また、分散粒子のサイズおよび形態を上記した範囲に制御するためには、凝固段階においては、連続鋳造時の鋳込速度や、冷却速度を制御して、凝固組織の微細化を図ることが好ましい。
ついで、これら鋼素材を、1000〜1250℃に再加熱する。
再加熱温度が1000℃未満では、熱間圧延での変形抵抗が高くなり、1パス当たりの圧下量が大きくとれなくなることから、圧延パス数が増加し、圧延能率を招くとともに、鋼素材(スラブ)中の鋳造欠陥を圧着することができない場合がある。一方、再加熱温度が1250℃を超えると、凝固過程で析出したTiN がオストワルド成長により粗大化し、超大入熱溶接時の溶接接合部近傍におけるオーステナイトのピン止め効果が失われ、HAZ 靱性が低下する。このため、鋼素材の再加熱温度は1000〜1250℃の範囲とすることが好ましい。なお、より好ましくは、1100〜1200℃である。
【0039】
再加熱された鋼素材は、ついで、圧延終了温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施され厚鋼板とされる。圧延終了温度がAr3変態点未満の低い温度となると、フェライトが加工されるため、鋼板の降伏点が上昇し、降伏比が増加する。このため、熱間圧延の圧延終了温度はAr3変態点以上に限定することが好ましい。なお、Ar3変態点は化学組成との相関が概ね次式
Ar3=910 −273 C+25Si−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo −5Cu −1620Nb
(ただし、C,Mn,Ni,Cr,Mo,Cu:各合金元素の含有量(mass%))で整理できる。
【0040】
降伏比を安定して、80%以下とすること、さらには、音響異方性を小さくすることを考慮すると、圧延終了温度は、(Ar3変態点+70℃)以上とすることがより好ましい。また、圧延終了温度が1000℃を超えると、生成する組織が粗くなり母材の靱性が低下する。このため、圧延終了温度は1000℃以下とすることが好ましい。
【0041】
熱間圧延終了後、平均冷却速度が1℃/s以上の加速冷却を600 〜250 ℃(冷却停止温度)まで行う。加速冷却の冷却速度が1℃未満では、組織が粗大化し、母材靭性が低下する。加速冷却時の平均冷却速度の上限については本発明では特に規定しないが、条切り歪を低減するという観点からは10℃/s以下とすることが望ましい。また、加速冷却の冷却停止温度が600 ℃を超えると、引張強さTSが低くなりすぎ、一方、250 ℃未満では降伏比が増大する。このため、加速冷却の冷却停止温度は250 〜600 ℃の範囲とすることが好ましい。なお、加速冷却後は、室温まで空冷させる。
【0042】
また、本発明では、鋼板の残留応力低減の観点から、焼戻し処理を行ってもなんら問題はない。
以上のように、本発明によれば、Ca,Sを限定された範囲で含有し、かつ分散粒子サイズおよび分布を所定の範囲に制御することにより、400kJ/cmを超える超大入熱溶接におけるHAZ 靱性に優れた建築構造用厚鋼板を安価にしかも安定して製造できる。
【0043】
【実施例】
表1に示す組成の溶鋼を、転炉−脱ガスプロセスで溶製し、連続鋳造法で鋼素材(230 〜 310mm厚スラブ)とした。なお、本発明例は、溶製中で、Ca添加直前の溶存酸素量を0.0050mass%以下に調整した。ついで、鋼素材を表2に示す条件で再加熱し、表2に示す条件の熱間圧延を施し、厚鋼板とした。熱間圧延後、表2に示す条件で加速冷却を施した。なお、加速冷却後は、空冷とした。
【0044】
得られた厚鋼板について、母材組織、母材引張特性、母材靭性を調査した。
(1)母材組織
得られた厚鋼板から、試験片を採取し、分散粒子の平均粒径、および粒数密度を調べた。分散粒子の平均粒径および単位面積当たりの粒数密度は、試験片のL断面を研磨し、さらに研磨面を電解腐食して分散粒子を現出したのち、走査型電子顕微鏡を用いて倍率:2000倍で各10視野観察し、撮像して、得られた画像を、画像解析装置を用いて算出し、各視野ごとの平均値を求め、さらに各視野の平均値を求め、各鋼板の値とした。
(2)母材引張特性
得られた厚鋼板の板厚の1/4t部C方向から、JIS 4号引張試験片を採取し、JIS Z 2204の規定に準拠して引張試験を実施し、降伏点YP、引張強さTS、降伏比YRを求めた。
(3)母材靭性
得られた厚鋼板の板厚の1/4t部C方向から、JIS 4号衝撃試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrs、0℃における吸収エネルギーvE0 を求めた。
【0045】
また、得られた厚鋼板について、超大入熱溶接のHAZ 靭性を調査した。
(4)超大入熱溶接HAZ 靭性
得られた厚鋼板から採取した熱サイクル試験片を採取して、入熱400kJ/cmのサブマージアーク溶接ボンド部または入熱:800kJ/cmのエレクトロスラグ溶接ボンド部相当の熱サイクル(最高加熱温度:1400℃、800 〜500 ℃の冷却時間:550 s,平均冷却速度:0.55℃/s)、または入熱:1200kJ/cm のエレクトロスラグ溶接ボンド部相当の熱サイクル(最高加熱温度:1400℃、800 〜500 ℃の冷却時間:1000s、平均冷却速度:0.3 ℃/s)を付与した。これら熱サイクル試験片から、シャルピー衝撃試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、0℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギーvE0 (J)を求め、大入熱溶接HAZ 靭性を評価した。
【0046】
得られた結果を表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
本発明例はいずれも、TSが490MPa以上の高強度で、降伏比が75%程度と良好な母材特性と、400kJ/cmを超える超大入熱溶接のHAZ における0℃での吸収エネルギーがいずれも100J以上と、極めて良好な超大入熱溶接HAZ 靭性を有している厚鋼板である。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、とくにHAZ の組織を所定の組織とすることができず、超大入熱溶接のHAZ における0℃での吸収エネルギーがいずれも51J以下と低く、超大入熱溶接HAZ 靭性が低下した厚鋼板である。また、圧延終了温度がAr3変態点未満の比較例(鋼板No. 4)、冷却停止温度が250 ℃未満の比較例(鋼板No. 6)では、80%を超える高い降伏比を示している。また、冷却停止温度が600 ℃を超える比較例(鋼板No. 7)では、TSが490MPa未満と低強度であった。
【0051】
なお、本発明の厚鋼板は、超大入熱溶接用を想定したものであるが、炭酸ガス溶接などの小入熱溶接(入熱20kJ/cm 程度)多層溶接を行っても、十分高いHAZ 靱性が得られ、小入熱溶接用として十分適用できることはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、超大入熱溶接HAZ 靭性に優れた構造用厚鋼板が安価にしかも安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、建築構造物の接合部品質を格段に向上できるという効果もある。
Claims (3)
- mass%で、
C:0.03〜0.15%、 Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.5 〜2.0 %、 P:0.03%以下、
S:0.0005〜0.0030%、 Al:0.005 %以上 0.05 %未満
Ti:0.004 〜0.02%、 N:0.0020〜0.0070%、
Ca:0.0005〜0.0030% O:0.0050%以下
を含有し、かつ下記(1)式で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつCaS 表面上に MnS が析出した複合硫化物を含む分散粒子の平均粒径が50nm以下、粒数密度が1×106 個/mm2 以上である組織を有することを特徴とする降伏比80%以下を有し、超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板。
記
ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1)
ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%) - 前記組成に加えてさらに、mass%で、Nb:0.05%以下、V:0.2 %以下、Cu:1.0 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:0.7 %以下、Mo:0.7 %以下、B:0.0003〜0.0025%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板。
- mass%で、
C:0.03〜0.15%、 Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.5 〜2.0 %、 P:0.03%以下、
S:0.0005〜0.0030%、 Al:0.005 %以上 0.05 %未満
Ti:0.004 〜0.02%、 N:0.0020〜0.0070%、
Ca:0.0005〜0.0030%
を含有し、かつ下記(1)式で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足する組成を有し、溶鋼中の溶存酸素量を 0.0050mass %以下に調整したのち Ca を添加し、前記 ACR が 0.3 以上 0.8 以下を満足するように、 Ca 、S含有量を調整したのち、連続鋳造してなる鋼素材を、1000℃〜1250℃に再加熱後、圧延終了温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施し、ついで、1℃/s以上の平均冷却速度で冷却し、冷却停止温度:600 〜250 ℃とする加速冷却を行った後、空冷することを特徴とする降伏比80%以下を有し、超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板の製造方法。
記
ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1)
ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%)
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