JP4035760B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電容量の大きな非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用の携帯電話、ポータブル電子機器や携帯情報端末などの急速な小型軽量化・多様化に伴い、その電源である電池に対して、小型で軽量かつ高エネルギー密度で、さらに長期間繰り返し充放電が実現できる二次電池の開発が強く要求されている。
【0003】
中でも、水溶液系電解液を使用する鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、これらの要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池が実用化され、活発な研究がおこなわれている。
【0004】
このような非水電解質二次電池は、例えばリチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質が集電体に保持されてなる正極板、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質が集電体に保持されてなる負極板、非プロトン性の有機溶媒にLiBF4やLiPF6などのリチウム塩が溶解された電解液を保持するとともに、正極板と負極板との間に介在して両極の短絡を防止するセパレータから構成されている。
【0005】
非水電解質二次電池の電解質には、一般的に、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒との混合溶媒に、LiBF4やLiPF6などの支持塩を溶解させたものが使用されている。
【0006】
非水電解質二次電池の正極活物質には、二硫化チタン、五酸化バナジウム、三酸化や、一般式LixMO2(ただし、Mは一種以上の遷移金属)で表される種々の化合物が検討されている。
【0007】
中でも、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびリチウムマンガン複合酸化物などは、4V(vs.Li/Li+)以上の、極めて貴な電位で充放電をおこなうため、正極活物質として用いることで、高い放電電圧を有する非水電解質二次電池を実現することができる。
【0008】
非水電解質二次電池の負極活物質には、リチウムを含む合金をはじめとして、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料が研究されているが、中でも炭素材料を使用すると、サイクル寿命の長い非水電解質二次電池が得られ、かつ安全性が高いという利点があり、現在は実用化にいたっている。
【0009】
また最近では、リチウムの吸蔵量の多い金属、半金属や合金系の負極活物質として、特開平10−3920号や特開平2000−215887号などのような、金属、半金属粒子を炭素材料で被覆した形態の負極活物質を用いた非水電解質二次電池なども提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
負極活物質に炭素系材料を使用した場合、吸蔵・放出できるリチウムの理論容量に限界があり、より高容量および高エネルギー密度の非水電解質二次電池を得るための障害となっていた。そのため、炭素材料に代わる負極活物質として、珪素やその合金、酸化物を用いた非水電解質二次電池が検討されている。
【0011】
これらの負極活物質を使用した場合、活物質自体の理論容量は高いが、電池に使用した場合、充放電に伴う活物質の膨張収縮の影響が大きく、集電性の劣化が生じやすいことや、活物質そのものの電子伝導性が低いために、初回の充放電効率が低くなり、電池としては高いエネルギー密度が得られないという問題があった。最近では、特開2000−215887号や特開2000−285919号で、珪素の表面に炭素材料を被覆して集電性を高める手段も提案されているが、上記問題を解決するまでには至っていない。
【0012】
本発明は、珪素を負極活物質に使用した非水電解質二次電池における上記問題点を解決するためになされたもので、放電容量の大きい非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を負極材料として用いることを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明によれば、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を負極材料として用いることで、炭素材料を被覆した球状や塊状の珪素を負極活物質に使用した場合よりも接触集電性が確保でき、放電容量の大きい非水電解質二次電池を得ることができる。
【0015】
請求項2の発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素と炭素材料との混合物を負極材料として用いることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明によれば、負極に炭素材料が加わることにより、集電性がより高くなり、放電容量の大きい非水電解質二次電池を得ることができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の非水電解質二次電池における、表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素において、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量が3〜60重量%であることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明によれば、負極活物質と集電体の密着性が良好な非水電解質二次電池を得ることができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1、2または3記載の非水電解質二次電池において、表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素の繊維径が0.01〜50μmであることを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明によれば、負極活物質中でのリチウムの拡散が速く、分極の小さい、優れた充放電特性を示す非水電解質二次電池を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を負極材料として用いることを特徴とする。
【0022】
負極活物質として、表面を炭素材料で被覆した塊状粉末状珪素よりも、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を使用した方が、初回の充放電効率が向上し、放電容量の大きい非水電解質電池が得られる。この理由として、負極活物質の形状が繊維状であることで、集電性が十分に確保でき、また、被覆炭素が充放電時に伴う膨張収縮の程度を抑制することにより、集電劣化による充放電効率の低下が抑制されるものと考えられる。
【0023】
また、本発明の負極活物質は、天然黒鉛を負極活物質として使用していた従来の電池よりも、大きい放電容量が得られる。この理由として、負極のリチウムイオン吸蔵能力が、従来の黒鉛系負極よりも珪素と炭素の複合体を使用することで向上していることが挙げられる。
【0024】
なお、繊維状珪素材料としては、珪素単体もしくはその炭化物、酸化物などの珪素化合物を使用することができ、本発明を超えない範囲で異種元素を含有するものや、リチウムとの化合物であってもかまわない。
【0025】
また、被覆炭素の結晶性については、充分に電子伝導性が確保できる範囲であれば構わないが、なかでもd002=0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料を用いる。
【0026】
繊維状珪素の表面を炭素材料で被覆する方法としては、化学的に炭素を蒸着させる方法、ピッチ、タール、フェノール樹脂、イミド樹脂、フラン樹脂、ポリアクリロニトリル、フルフリルアルコールなどを珪素表面に保持して焼成する方法、繊維状珪素と炭素材との間に機械的エネルギーを作用させて炭素材料を被覆する方法などを用いることができる。
【0027】
なお、炭素材料は、繊維状珪素の表面を完全に被覆していてもよいし、繊維状珪素の表面の一部を被覆し、珪素の一部が露出していてもよい。
【0028】
また、本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素と炭素材料との混合物を負極材料として用いることを特徴とする。
【0029】
負極活物質としての表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素に、炭素材料を混合することにより、集電性をより向上させることができる。この場合、混合する炭素材料は天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維からなる1種類もしくは混合系の炭素材料を用いることが好ましい。
【0030】
本発明の表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素において、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量が3〜60重量%であることが好ましい。炭素材料の被覆量が60重量%よりも多いと、集電体との密着性が低下するためか充放電効率が劣り、容量低下が生じ、また、被覆炭素量が3重量%よりも少ないと充分に集電性を確保するまでには至らないものである。
【0031】
本発明の、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素において、繊維径が0.01〜50μmの範囲であることが好ましい。繊維径が50μmよりも大きいと活物質内のリチウムイオンの拡散が遅くなり、分極が大きくなることで容量低下が生じるものと考えられる。また、繊維径が0.01μmよりも小さいと、取り扱いが困難になって、負極作製時の工程が複雑になる。
【0032】
本発明における非水電解質二次電池の正極活物質としては、LixMO2、LiyM2O4(ただし、Mは一種以上の遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表わされる複合酸化物、トンネル構造または層状構造の金属カルコゲン化物、金属酸化物および金属硫化物を単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。その具体例としては、LiCoO2、LiCoxNi1−xO2、LxiMnO4、LiMn2O4、LiFePO4、MnO2、TiO2、V2O5、FeS2、TiS2、Li1+xNiO2、LiNixMn2−xO4などが挙げられる。特に、放電電圧の高さから、遷移金属MとしてCo、Ni、Mnを使用することが好ましい。また、有機化合物として例えばポリアニリンなどの導電性ポリマーや硫黄化合物等が挙げられる。
【0033】
非水電解質の溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル―γ―ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1,2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルアセテート、アセトニトリル等を単独でまたは二種以上を混合して使用することができる。特に酸化・還元に対する安定性から環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合系が好ましい。
【0034】
電解質はこれらの非水溶媒に支持塩を溶解して使用する。支持塩としてLiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO3、LiCF3CF2CF2SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiPF3(CF3)3、LiCF3CO2、LiCl、LiBr、LiSCN等のリチウム塩を単独でまたは二種以上を混合して使用することができる。支持塩としては中でもLiPF6を用いるのが好ましい。
【0035】
また、このような液状の電解質の代わりにイオン伝導性ポリマー電解質と有機電解液とを組み合わせて使用することができる。イオン伝導性ポリマー電解質は、具体的にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンアシパミド、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレンおよびこれらの誘導体を単独であるいは混合して用いることができる。
【0036】
また、上記ポリマーを構成する各種モノマーを含むポリマーを用いてもよい。また、ポリマー電解質以外に、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質との混合材料、もしくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを使用することができる。
【0037】
また、本発明の非水電解質二次電池はその構成として正極、負極およびセパレータと非水電解質との組み合わせからなっているが、セパレータとしては、織布、不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリイミド、多孔性ポリフッ化ビニリデン膜などの多孔性ポリマー膜やイオン伝導性ポリマー電解質膜を単独または組み合わせで使用することができる。
【0038】
さらに電池の形状としては円筒形、角形、コイン型、ボタン型、ラミネート型などの種々の形状にすることができる。電池ケースの材質としてはステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、アルミニウム、チタンもしくはこれらの合金およびメッキ加工のものを使用することができる。ラミネート樹脂フィルムの材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン箔などを使用することができる。金属ラミネート樹脂フィルムの熱溶着部の材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性高分子材料であればどのような材質でもよい。また、金属ラミネート樹脂層や金属箔層はそれぞれ1層に限定されるものではなく2層以上であっても構わない。
【0039】
【実施例】
本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本実施例に限定されるものではなく、その主旨を超えない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0040】
ここで使用した角形非水電解質二次電池の概略断面構造を図1に示す。図1において、1は非水電解質電池、2は発電要素、3は正極板、4は負極板、5はセパレータ、6は電池ケース、7は電池蓋、8は安全弁、9は正極端子、10は正極リードである。
【0041】
非水電解質二次電池1は厚みが5.0mmであり、アルミニウム製集電体に正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極板3と、銅製集電体に負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極板4とを、非水電解液を注入したセパレータ5を介して巻回した巻回型発電要素2を、鉄にニッケルメッキした電池ケース6に収納してなるものである。電池ケース6には、安全弁8を設けた電池蓋7をレーザー溶接することによって取り付けられ、正極端子9は正極リード10を介して正極板3と接続され、負極板4は電池ケース6の内壁と接触により接続されている。
【0042】
正極は、活物質としてLiCoO290重量%と、導電剤としてのアセチレンブラック5重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量%とを混合して正極合剤とし、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりスラリーを調整した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム製集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型して、厚み180μmにすることにより作製した。
【0043】
負極は、負極活物質90重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン10重量%とを混合して負極合剤とし、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりスラリーを調整した。このスラリーを厚さ10μmの銅製集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型して、厚み180μmにすることにより作製した。
【0044】
セパレータとしては、厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。また電解質には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比で1:1で混合し、リチウム塩としてLiPF6を1.0mol/l溶解した電解液を使用して電池を作製した。
【0045】
作製した非水電解質二次電池を、25℃において1Cの電流で3.9Vまで定電流定電圧充電を3時間おこなって満充電状態とした。続いて1Cの電流で2.75Vまで放電させ、この1サイクル目の放電容量および充放電効率を測定した。
【0046】
[実施例1]
負極活物質として、つぎの3種類を使用した電池を作製し、その特性を比較した。1)繊維径5μmの珪素繊維の表面を、平均面間隔d002=0.34nmの炭素材料で被覆したもの。ただし、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量を30重量%とした。これを電池Aとした。2)平均粒子径が20μmの塊状粉末珪素の表面を平均面間隔d002=0.34nmの炭素材料で被覆したもの。ただし、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量を30重量%とした。これを電池Bとした。3)鱗片状天然黒鉛。これを電池Cとした。測定結果を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から、電池Cの充放電効率は電池AおよびBよりも大きかったが、放電容量は小さかった。電池Aは電池Bに比べて、放電容量および充放電効率ともかなり大きくなった。このように、本発明の、表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素を負極材料として用いることにより、放電容量の大きい非水電解質二次電池が得られることがわかった。
【0049】
[実施例2]
負極活物質として、繊維径5μmの珪素繊維の表面を、平均面間隔d002=0.34nmの炭素材料で被覆したものを使用し、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量を0〜70重量%の間で変化させた7種類の電池(電池D〜電池J)を作製し、1サイクル目の充放電特性を測定した。測定結果を表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
表2から、表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素を負極活物質に用いた非水電解質二次電池において、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量が3〜60重量%である、本発明の電池E〜電池Iでは、放電容量が大きく、充放電効率も80%以上であったのに対し、炭素被覆量が本発明の範囲外である電池Dおよび電池Jでは、放電容量および充放電効率ともに小さくなることがわかった。
【0052】
[実施例3]
負極活物質として、珪素繊維の表面を平均面間隔d002=0.34nmの炭素材料で被覆したものを使用し、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量を30重量%とし、珪素繊維の繊維径を0.005〜70μmの間で変化させた6種類の電池(電池K〜電池P)を作製し、1サイクル目の充放電特性を測定した。測定結果を表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】
表3から、表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素を負極活物質に用いた非水電解質二次電池において、珪素繊維の繊維径が0.01〜50μmである、本発明の電池L〜電池Oでは、放電容量が大きく、充放電効率も80%以上であったのに対し、珪素繊維の繊維径が本発明の範囲外である電池Kおよび電池Pでは、放電容量および充放電効率ともに小さくなることがわかった。
【0055】
[実施例4]
繊維径5μmの珪素繊維の表面を、平均面間隔d002=0.34nmの炭素材料で被覆し、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量を30重量%としたものをXとする。そして、Xと炭素材料とを混合した負極活物質を使用した非水電解質二次電池を作製した。
【0056】
炭素材料として鱗片状人造黒鉛を使用し、合計重量に対するXの比率を90重量%、80重量%および60重量%とした負極活物質を使用した非水電解質二次電池と、炭素材料としてアセチレンブラックとを混合し、合計重量に対するXの比率を90重量%とした負極活物質を使用した非水電解質二次電池を作製し、1サイクル目の充放電特性を測定した。測定結果を表4に示した。
【0057】
【表4】
【0058】
表4から、電池Q〜電池Tの放電容量はほぼ同じであり、充放電効率は炭素材料の添加量が多くなるにしたがって、わずかではあるが改善されることがわかった。
【0059】
【発明の効果】
本発明になる非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を負極材料として用いることを特徴とするものである。
【0060】
負極活物質として、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を使用した場合、負極活物質の形状が繊維状であることで、集電性が十分に確保でき、また、被覆炭素が充放電時に伴う膨張収縮の程度を抑制することにより、集電劣化による充放電効率の低下が抑制されるため、初回の充放電効率が向上し、放電容量の大きい非水電解質電池が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】角形非水電解質二次電池の概略断面構造を図1に示す図。
【符号の説明】
1 非水電解質二次電池
2 発電要素
3 正極板
4 負極板
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 正極端子
10 正極リード
Claims (4)
- リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素を負極材料として用いることを特徴とする非水電解質二次電池。
- リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する物質からなる負極と、非水電解質とから構成される非水電解質二次電池において、d 002 =0.34〜0.37nmの範囲の炭素材料で表面を被覆した繊維状珪素と炭素材料との混合物を負極材料として用いることを特徴とする非水電解質二次電池。
- 表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素において、珪素と炭素の合計重量に対する炭素被覆量が3〜60重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
- 表面を炭素材料で被覆した繊維状珪素の繊維径が0.01〜50μmであることを特徴とする請求項1、2または3記載の非水電解質二次電池。
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