JP4035590B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートバックにランバーサポート機構を備えた車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のランバーサポート機構としては、例えば特開2001-145539の公報に開示されている技術が公知である。この技術では、シートバックフレームの内側に弾性的に支持されたシートバネの裏側において、ランバーサポート機構のクランクロッドが偏心回転できるように配置されている。ランバーサポート機構のアクチュエータ(電動モータ)をスイッチ操作で駆動制御することにより、クランクロッドが偏心回転してシートバネの外枠部分を裏側から押し出す。したがってクランクロッドの回転位置を調整することにより、着座者の腰部に対する受け面の押し出し量が調整される。
【0003】
ランバーサポート機構は、着座者の体格や姿勢に合わせた押し出し位置において腰部を面で受け、腰部のサポート感を高めて疲労を抑えることが重要であり、腰部を点や線で受けることは避ける構造になっている。これに対してマッサージ機構は、車両用シートあるいは一般のシートを問わず、着座者の背中や腰に局部的な刺激を加えて血行を促進することが使命である。なおマッサージ機能を備えた車両用シートの技術は、例えば実公平4-17147号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ランバーサポート機能を備えた車両用シートに対し、例えば前記の公報に開示されているマッサージ機構を採用した場合、両機構における個々の機能を得ることは可能である。しかしながら、これらの機能はそれぞれ個別に得られるものであり、例えばランバーサポート機構によるサポート位置を変えてみてもマッサージ機構による指圧の機能には何ら寄与しない。
本発明は前記課題を解決しようとするもので、その目的は、ランバーサポートおよびマッサージの両機能を適正に得ることを可能とし、かつランバーサポートの位置に応じてマッサージ機構による指圧の機能にも差をもたせるといった相乗効果を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するためのもので、請求項1に記載の発明は、着座者の腰部に対するシートバックの受け面の突出量を変化させることが可能なランバーサポート機構と、着座者の腰部に局部的な刺激を加えるための指圧動作が可能なマッサージ機構とを備えた車両用シートであって、前記ランバーサポート機構は、シートバックの受け面の突出量を変化させるための進退動作が可能な押圧部材を備えている。また、前記マッサージ機構は、押圧部材に支持されたロッドの軸上において指圧動作が可能に設けられた指圧部材を備えている。この指圧部材の指圧動作は、押圧部材の進退動作に伴うロッドの位置に応じて押圧部材からの指圧部材の突出量が変化するように設定されている。
これにより、ランバーサポート機構による腰部のサポート機能と、マッサージ機構による腰部への指圧機能とをともに得ることができ、かつランバーサポート機構における押圧部材の進退位置を基準としてマッサージ機構の指圧部材による局部的な刺激を腰部に加えることができる。したがって両機構の相乗的効果、つまり押圧部材の位置を変えることで、指圧部材による腰部への指圧効果にも変化をもたせることができる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された車両用シートであって、前記ランバーサポート機構およびマッサージ機構がそれぞれ個別の駆動源を備えているとともに、前記ランバーサポート機構の前記駆動源によって前記押圧部材が進退動作をするように構成されている。前記ロッドが押圧部材に対して軸心まわりの回転可能に支持されているとともに、このロッドの軸上に前記指圧部材が設けられている。前記マッサージ機構の前記駆動源による回転駆動がコネクティング部材の往復動作を通じて前記ロッドを軸心まわりに往復回動させることにより、前記指圧部材が指圧動作をするように構成されている。
このようにランバーサポート機構とマッサージ機構とが独立した駆動源をもつことで、両機構の使い分けが容易となり、例えば車両の走行中にマッサージ機構の指圧部材が着座者の腰部を押した状態にあるのは却って乗り心地を阻害するので、この指圧部材を後退させることができる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載された車両用シートであって、前記コネクティング部材の一端部は、前記ロッドに固定されたリンク部材に相対的な回動が自在に連結されている。また前記コネクティング部材の他端部は、前記マッサージ機構における前記駆動源の出力部材に対し、前記ロッドへの動力伝達可能で、かつこのロッドの回転軸心と前記出力部材の回転中心との間の距離が変化するのを許容するように結合されている。
これにより、コネクティング部材はランバーサポート機構の押圧部材がいかなる操作位置にあっても、それによる規制を受けることなく、マッサージ機構の指圧部材を作動させることができる。そこで、例えば好みのランバーサポート位置においてマッサージ機構による指圧を好きなだけ繰り返すことが可能となる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載された車両用シートであって、前記ロッドの回転軸心と前記出力部材の回転中心との間の距離が、前記ランバーサポート機構の前記押圧部材が後退位置にある状態で最大となり、前記押圧部材が後退位置から進出位置に向かうストローク後半の任意の位置で最小となるように設定されている。
これにより、ランバーサポートの押圧部材を進出させたサポート位置においてマッサージ機構の指圧部材を作動させれば、腰部に対する局部的な刺激をより強く感じさせることができる。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載された車両用シートであって、前記マッサージ機構における前記駆動源の前記出力部材はカムを備え、前記コネクティング部材は前記カムに接触したローラを備えている。前記カムの回転に伴ってこのカムの回転中心から前記ローラまでの距離が増減し、それに基づく前記コネクティング部材の往復動作を通じて前記ロッドが軸心まわりに往復回動するように設定されている。
この構成によれば、カムの曲面形状をどのように設定するかにより、ロッドの往復回動、つまりマッサージ機構における指圧部材の作動スピードやタイミングを調整することができる。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載された車両用シートであって、前記ローラが接触する前記カムの曲面形状は、このカムの回転軸心と前記ローラとの間の距離が増大するピークを少なくとも二つ備えている。
これにより、カムの一回転においてマッサージ機構の押圧部材に少なくとも二回の指圧動作をさせることができ、カムの回転速度は一定でも指圧動作の間隔を短縮できる。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載された車両用シートであって、前記マッサージ機構における前記駆動源の前記出力部材は、その回転中心から偏倚した箇所にピンを備えている。一方、前記コネクティング部材がその往復動作方向に長い連結孔を備え、この連結孔と前記ピンとが相対的なスライド可能に係合されている。
これにより、マッサージ機構の出力部材からカムやローラを廃止でき、その構造を簡素化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず図1〜8によって実施の形態1を説明する。
図1は車両用シートにおけるシートバックの内部構造を表した斜視図である。この図面で示すようにシートバックフレーム10の内側には、弾性を有する複数本の線材を組み合わせて構成されたシートバネ12が取り付けられている。このシートバネ12の両側にある縦向きの外枠14は、他より太い線材が使用されている。そして外枠14はシートバックフレーム10の複数箇所に固定されたフック11に対し、所定のテンションが付与された状態で支持されている。またシートバックフレーム10の内側には、ランバーサポート機構20およびマッサージ機構40がそれぞれ組み付けられている。なおシートバックフレーム10にはパッド材が組み付けられ、さらにその表面が表皮材で被われる。
【0013】
図2は図1で示されているランバーサポート機構20およびマッサージ機構40を拡大して表した斜視図、図3は図2の一部を別の方向からみた斜視図、図4はランバーサポート機構20およびマッサージ機構40を図2の右側からみた側面図である。
まずランバーサポート機構20について説明すると、この機構はシートバックフレーム10に取り付けられた電動モータなどのアクチュエータ22(駆動源)を備えている(図2)。このアクチュエータ22の駆動ギヤ24と噛み合っているセクタギヤ26は、シートバックフレーム10に固定されたブラケット16に対し、回動支点26aの軸心まわりに回動できるように支持されている。そこでアクチュエータ22の駆動制御によって駆動ギヤ24を正逆回転させると、その回転がセクタギヤ26に減速(トルクが増幅)されて伝わり、このセクタギヤ26が回動支点26aの軸心まわりに往復回動する。
【0014】
またシートバネ12の裏側にはシートバックの幅方向に長い支持ロッド28が配置されている。この支持ロッド28のストレートな一端部は、セクタギヤ26に対してその回動支点26aからオフセットさせた部位において固定している。支持ロッド28の他方の端部は偏心軸部28aになっていて、この偏心軸部28aがシートバックフレーム10に回転自在に支持されている。セクタギヤ26の回動支点26aと偏心軸部28aとは同軸線上に設定されており(図4)、したがって支持ロッド28と、その両端部の回動支点とのオフセット量は等しい。
【0015】
支持ロッド28の軸上には左右一対の押圧部材30が設けられている。これらの押圧部材30を構成しているアーム部分32の一端側は、その結合部34により支持ロッド28に溶接などで固定されている。またアーム部分32の他端側には、前方に膨らんだ湾曲面形状の押圧フランジ36が形成されている。両アーム部分32の押圧フランジ36は、シートバネ12における左右両側の外枠14に対して裏側から接触できる位置に設定されている。
【0016】
先に説明したようにアクチュエータ22の駆動制御によるセクタギヤ26の往復回動により、支持ロッド28がその両端部のオフセット量を回転半径として前後に回動する。これによって両押圧部材30も前後に回動し、個々の押圧フランジ36が前方に押し出されたり、逆に後退するといった進退動作をすることになる。押圧フランジ36が進出することで、シートバネ12の外枠14に当たり、かつこの外枠14を前方に押し出す。このランバーサポートの機能については後で詳細に説明する。
【0017】
つぎにマッサージ機構40について説明すると、ランバーサポート機構20の両押圧部材30には支持ロッド28とほぼ平行に配置されたロッド60が支持されている。つまり押圧部材30のアーム部分32に形成された支持孔38に対してロッド60の両端部が、その軸線まわりの回転が可能に支持されている。ただし、ロッド60の回転は所定の回転角度を超えないように規制されている。そしてロッド60の軸上には、シートバックのセンターに対して左右対称に配置された一対の指圧部材62が設けられている。これらの指圧部材62は、ロッド60に一端部が固定されたアーム64の他端部(自由端部)に指圧ローラ68が回転可能に支持された構成になっている。
【0018】
図3で明らかなようにロッド60の一端部と、それが支持されている押圧部材30のアーム部分32との間にはトーションスプリング61が設けられている。このスプリング61の弾性力により、ロッド60は押圧部材30に対して図3の矢印方向への回転力、つまり指圧部材62の指圧ローラ68を前方へ押し出す方向の力を受けている。またロッド60の他端部は、それが支持されている押圧部材30のアーム部分32を貫通し、そこにリンク部材69の基端部が固定されている。
【0019】
図2に示されているマッサージ機構40のアクチュエータ42(駆動源)についても、シートバックフレーム10に取り付けられた電動モータなどが使用されている。このアクチュエータ42の駆動ギヤ44と噛み合っている大径の連動ギヤ46は、シートバックフレーム10に固定されたブラケット18に対して回転自在に支持されている。アクチュエータ42の駆動によって駆動ギヤ44が回転すると、その回転が連動ギヤ46に減速(トルクが増幅)されて伝わり、この連動ギヤ46がその軸心まわりに一方向へ連続回転する(図4)。
【0020】
アクチュエータ42の出力部材である連動ギヤ46には、外周曲面に二つのピーク50A,50B(図4)をもつカム50が固定されているとともに、カム50(連動ギヤ46)の回転軸心と同軸上においてヒンジピン48が固定されている。そしてアクチュエータ42の駆動をロッド60(指圧部材62)に伝達するためのコネクティング部材70は、その一端部(上側端部)がリンク部材69の先端部に連結ピン71によって回転自在に連結されている。またコネクティング部材70の他端部には、このコネクティング部材70の長さ方向に延びた連結孔72があり、この連結孔72にヒンジピン48が入っている。したがってコネクティング部材70は連結孔72の長さの範囲内において、ほぼ上下方向へ往復動作することが可能である。
【0021】
コネクティング部材70には、カム50の外周曲面に接触したローラ74が回転自在に取り付けられている。そこで連動ギヤ46と共にカム50が図4の矢印方向に回転すると、ローラ74がカム50の外周曲面に倣って転がりながら移動し、このローラ74とカム50の回転中心であるヒンジピン48の軸心との間の距離が増減する。このときのコネクティング部材70の往復動作により、リンク部材69を通じてロッド60が軸心まわりに往復回動し、指圧部材62がその指圧ローラ68を前後に作動させるといった指圧動作を繰り返すことになる。
なおコネクティング部材70において、連結ピン71およびローラ74の軸心は、連結孔72のセンター(ヒンジピン48の軸心)と同一軸線上、またはその近傍に位置するように設定されている。
【0022】
つづいてランバーサポート機構20およびマッサージ機構40の機能について説明する。
最初にランバーサポート機構20の基本的な機能を主として図5によって説明する。なおこの場合にマッサージ機構40のアクチュエータ42は、カム50が図5の回転位置に保持された状態で停止しているものとする。さて図5(a)で示すように押圧部材30を最も後退させた状態では、アーム部分32の押圧フランジ36はシートバネ12の外枠14から離れている。
【0023】
そこでランバーサポート機構20のアクチュエータ22をスイッチ操作で駆動制御することにより、すでに説明したようにセクタギヤ26および支持ロッド28の回動に伴い、左右一対の押圧部材30が振り子の要領で前方へ回動する。これによって両押圧部材30の押圧フランジ36が前方に進出し、図5(b)で示すように押圧フランジ36によってシートバネ12の外枠14が前方に押し出される。結果としてシートバネ12の面全体が、押圧フランジ36で押し出された箇所をピークとして滑らかな曲面で前方に膨らみ、主としてシート着座者の腰部をサポートする。そしてアクチュエータ22の駆動制御による押圧部材30の回動量(押圧フランジ36の進出量)を調整することで、腰部に対するシートバックの受け面の突出量を調整できる。
なお図5(a)(b)でも明らかなように押圧部材30の進退により、ロッド60の軸心とカム50の回転中心であるヒンジピン48との間の距離が変化している。このときにヒンジピン48に対し、コネクティング部材70が連結孔72の長さの範囲で移動することにより対処している。
【0024】
つぎにマッサージ機構40の機能を主として図6,7によって説明する。まずマッサージ機構40におけるアクチュエータ42の駆動を開始することにより、先に説明したようにカム50が一方向へ回転し始め、コネクティング部材70のローラ74がカム50の外周曲面に倣って転がりながら移動する。
図6(a)で示すように指圧部材62の指圧ローラ68が最も後退している状態からカム50が矢印方向へ回転するに連れ、カム50における第1のピーク50Aが図6(b),(c)の順でローラ74に達する。つまりローラ74は、カム50の外周曲面における滑らかな膨らみの曲面を転がりながらピーク50Aに接触する。このときにローラ74とヒンジピン48との間の距離が漸増し、それに伴うコネクティング部材70の動作により、指圧部材62がその指圧ローラ68を前方へ押し出すように回動する。ローラ74とピーク50Aとが接触した図6(c)において、指圧部材62の指圧ローラ68が最も前方に押し出される。
【0025】
カム50が図6(c)から図7(a)の状態に回転すると、ローラ74がカム50における外周曲面の凹部に位置し、それによって指圧ローラ68が一旦後退する。さらにカム50の回転が進むことで、今度は第2のピーク50Bが図7(b),(c)の順でローラ74に達する。このときのローラ74も、カム50の外周曲面における凹部から滑らかな膨らみの曲面を転がりながらピーク50Bに接触し、ローラ74とヒンジピン48との間の距離が漸増し、再び指圧ローラ68が前方へ押し出される。そして図7(c)において指圧ローラ68が最も前方に押し出される。
このような指圧部材62の作動が繰り返されることで、着座者の腰部に局部的な刺激を加えるといった指圧機能を果たす。
【0026】
指圧部材62に対しては、着座者の人体負荷によって常に後方への力が加わっている。そのためローラ74がカム50のピーク50A,50Bを過ぎて回転中心に近づき始めると、指圧部材62も後方へ回動する。また、すでに説明したように指圧部材62はトーションスプリング61により、ロッド60を通じて指圧ローラ68を前方へ押し出す方向の力を受けている。このスプリング61の弾性力は、指圧部材62が後方へ倒れ込むときのストッパーとの干渉音を避けるのに必要なクッション性があればよく、着座者が指圧ローラ68の突出感を受けない程度に弱く設定されている。
【0027】
カム50の外周曲面に二つのピーク50A,50Bを設けたことにより、カム50(連動ギヤ46)が一回転する間に指圧部材62が二回の指圧動作を繰り返す。したがって連動ギヤ46の回転をトルク増幅のために減速していても、指圧部材62における指圧動作の間隔は短縮される。そして指圧部材62の指圧ローラ68はシートバネ12を介することなく、シートバックのパッド材を直接押し出す。したがってマッサージ機構40の指圧部材62は、滑らかな曲面で着座者の腰部をサポートするランバーサポート機構20の機能とは対照的に、着座者の腰部に対して局部的な突起感を与え、着座者は指圧を受けている感覚になる。なお指圧部材62はシートバックの幅方向のセンターに対して左右対称に二個以上配置することも当然可能である。
【0028】
つぎにランバーサポート機構20とマッサージ機構40とによる相乗的な機能を主として図8によって説明する。この図面においては、例えば図4でも示すようにマッサージ機構40を、コネクティング部材70のローラ74がカム50におけるピーク50Bの周辺に接触した状態に保持している。そこでランバーサポート機構20の押圧部材30を、その後退位置から進出位置まで図8(a)〜(c)で示すように作動させる。そうすると、図8(b)(c)で示す押圧部材30の作動ストロークにおいて、マッサージ機構40の指圧部材62が前方へ押し出される。これは、カム50の回転中心とロッド60の回転軸心との間の距離Lが、図8(a)で最大となり、図8(b)(c)のストロークにおける任意の位置で最小となるように各構成部品をレイアウトすることで達成される。
【0029】
このような構成により、ランバーサポート機構20の押圧部材30を前方へ進出させた状態においてマッサージ機構40を作動させると、指圧部材62の指圧ローラ68による局部的な刺激を着座者により強く感じさせることができる。またランバーサポート機構20は、ロッド60を回転可能とし、このロッド60に指圧部材62を設けているため、ランバーサポート機構20にマッサージ機構40を簡単に設置することができる。
【0030】
つづいて図9〜12によって実施の形態2を説明する。
図9は実施の形態2のランバーサポート機構20およびマッサージ機構40を図4と対応させて表した側面図である。この実施の形態2では、マッサージ機構40の出力部材である連動ギヤ46から実施の形態1のカム50を廃止し、この連動ギヤ46の回転中心からオフセット(偏倚)した箇所にピン84が設けられている。一方、コネクティング部材80における連動ギヤ46の側には、その長さ方向に延びた連結孔82があり、この連結孔82にピン84が入っている。この構成においても、コネクティング部材80は連結孔82の長さの範囲内において、ほぼ上下方向へ往復動作することが可能である。
【0031】
実施の形態2におけるランバーサポート機構20の機能については、図10で示すように実施の形態1とほぼ同じである。すなわち図10(a)は押圧部材30を最も後退させた状態、図10(b)は押圧部材30を前方に進出させてシートバネ12の外枠14を押し出した状態である。なおこの場合の連動ギヤ46の回転中心とロッド60との距離の変化は、ピン84に対してコネクティング部材80が連結孔82の長さの範囲で移動することにより対処される。
【0032】
実施の形態2におけるマッサージ機構40の機能は、図11(a)(b)(c)で示すようにピン84が偏心回転することにより、コネクティング部材80が主として押し上げられ、これに連動して指圧部材62がその指圧ローラ68を前方へ押し出すように回動する。なお指圧部材62の指圧ローラ68を最も後退させた図11(a)の状態(図9の状態)においては、ピン84とその上側における連結孔82の内端との間の隙間により、指圧部材62がさらに後方へ倒れ込む可能性がある。この倒れ込みに対しても、実施の形態1で説明したようにロッド60を通じて指圧部材62に作用しているトーションスプリング61が、その防止機能を果たす。
【0033】
実施の形態2におけるランバーサポート機構20とマッサージ機構40とによる相乗的な機能については、図12(a)(b)(c)で示すように実施の形態1の場合(図8)とほぼ同じになる。そして図12でも、連動ギヤ46の回転中心とロッド60の回転軸心との間の距離Lが、図12(a)で最大となり、図12(b)(c)のストロークにおける任意の位置で最小となるように各構成部品をレイアウトしている。
なお実施の形態2において、実施の形態1と同一もしくは均等構成と考えられる部材には図面に同一符号を付すことで、重複する説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用シートにおけるシートバックの内部構造を表した斜視図
【図2】ランバーサポート機構およびマッサージ機構を拡大して表した斜視図
【図3】図2の一部を別の方向からみた斜視図
【図4】ランバーサポート機構およびマッサージ機構を図2の右側からみた側面図
【図5】ランバーサポート機構の機能を表した説明図
【図6】マッサージ機構の機能を表した説明図
【図7】マッサージ機構の機能を表した説明図
【図8】ランバーサポート機構とマッサージ機構とによる相乗的な機能を表した説明図
【図9】実施の形態2のランバーサポート機構およびマッサージ機構を表した側面図
【図10】実施の形態2におけるランバーサポート機構の機能を表した説明図
【図11】実施の形態2におけるマッサージ機構の機能を表した説明図
【図12】実施の形態2におけるランバーサポート機構とマッサージ機構とによる相乗的な機能を表した説明図
【符号の説明】
20 ランバーサポート機構
30 押圧部材
40 マッサージ機構
62 指圧部材
Claims (7)
- 着座者の腰部に対するシートバックの受け面の突出量を変化させることが可能なランバーサポート機構と、着座者の腰部に局部的な刺激を加えるための指圧動作が可能なマッサージ機構とを備えた車両用シートであって、前記ランバーサポート機構は、シートバックの受け面の突出量を変化させるための進退動作が可能な押圧部材を備え、前記マッサージ機構は、押圧部材に支持されたロッドの軸上において指圧動作が可能に設けられた指圧部材を備え、この指圧部材の指圧動作は、押圧部材の進退動作に伴うロッドの位置に応じて押圧部材からの指圧部材の突出量が変化するように設定されている車両用シート。
- 請求項1に記載された車両用シートであって、前記ランバーサポート機構およびマッサージ機構がそれぞれ個別の駆動源を備えているとともに、前記ランバーサポート機構の前記駆動源によって前記押圧部材が進退動作をするように構成されており、前記ロッドが押圧部材に対して軸心まわりの回転可能に支持されているとともに、このロッドの軸上に前記指圧部材が設けられ、前記マッサージ機構の前記駆動源による回転駆動がコネクティング部材の往復動作を通じて前記ロッドを軸心まわりに往復回動させることにより、前記指圧部材が指圧動作をするように構成されている車両用シート。
- 請求項2に記載された車両用シートであって、前記コネクティング部材の一端部は、前記ロッドに固定されたリンク部材に相対的な回動が自在に連結されているとともに、前記コネクティング部材の他端部は、前記マッサージ機構における前記駆動源の出力部材に対し、前記ロッドへの動力伝達可能で、かつこのロッドの回転軸心と前記出力部材の回転中心との間の距離が変化するのを許容するように結合されている車両用シート。
- 請求項3に記載された車両用シートであって、前記ロッドの回転軸心と前記出力部材の回転中心との間の距離が、前記ランバーサポート機構の前記押圧部材が後退位置にある状態で最大となり、前記押圧部材が後退位置から進出位置に向かうストローク後半の任意の位置で最小となるように設定されている車両用シート。
- 請求項3又は4に記載された車両用シートであって、前記マッサージ機構における前記駆動源の前記出力部材はカムを備え、前記コネクティング部材は前記カムに接触したローラを備え、前記カムの回転に伴ってこのカムの回転中心から前記ローラまでの距離が増減し、それに基づく前記コネクティング部材の往復動作を通じて前記ロッドが軸心まわりに往復回動するように設定されている車両用シート。
- 請求項5に記載された車両用シートであって、前記ローラが接触する前記カムの曲面形状は、このカムの回転軸心と前記ローラとの間の距離が増大するピークを少なくとも二つ備えている車両用シート。
- 請求項3に記載された車両用シートであって、前記マッサージ機構における前記駆動源の前記出力部材は、その回転中心から偏倚した箇所にピンを備えているとともに、前記コネクティング部材がその往復動作方向に長い連結孔を備え、この連結孔と前記ピンとが相対的なスライド可能に係合されている車両用シート。
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