JP4032541B2 - 空気通路開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気を通過させる開口部が形成された膜状部材(フィルムドア)を空気通路中で移動させることによって空気通路を開閉する空気通路開閉装置において、特に、膜状部材の端部と回転軸との固定構造に関するもので、例えば、車両用空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平5−296553号公報には、回転軸の外周面の一部に、軸方向に延びる平坦面を形成し、この平坦面と、回転軸とは別体の抑え部材との間で膜状部材の端部を挟み込むことにより、膜状部材の端部を回転軸に固定する構造が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術によると、膜状部材と回転軸との固定のために、抑え部材という別部品を特別に必要とし、コストアップを招くという問題がある。
そこで、本発明は上記点に鑑み、膜状部材と回転軸とを、別部品を必要としない簡潔な構成で固定できるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、空気が流通可能な開口部(16a)を有する膜状部材(16)をケース(10)内に移動可能に配置し、
膜状部材(16)の一端側を第1の回転軸(14)に固定するとともに、膜状部材(16)の他端側を第2の回転軸(15)に固定し、
第1の回転軸(14)および第2の回転軸(15)に膜状部材(16)を巻き取り、巻き戻しすることにより、膜状部材(16)の開口部(16a)を移動させて、ケース(10)の空気通路(11〜13)を開閉する空気通路開閉装置において、
回転軸(14、15)の外周面の軸方向の複数箇所に凹部(30)を分割形成するとともに、この複数箇所の凹部(30)にそれぞれ突起部(31)を形成し、
かつ、突起部(31)の高さを凹部(30)の深さ(h)と同等以下にし、
膜状部材(16)の端部には、凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、
この複数の取付片(32)にそれぞれ取付孔(33)を形成し、この取付孔(33)を突起部(31)に挿通することにより取付片(32)を突起部(31)により係止して、膜状部材(16)の端部を凹部(30)に固定することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、空気が流通可能な開口部(16a)を有する膜状部材(16)をケース(10)内に移動可能に配置し、
膜状部材(16)の一端側を第1の回転軸(14)に固定するとともに、膜状部材(16)の他端側を第2の回転軸(15)に固定し、
第1の回転軸(14)および第2の回転軸(15)に膜状部材(16)を巻き取り、巻き戻しすることにより、膜状部材(16)の開口部(16a)を移動させて、ケース(10)の空気通路(11〜13)を開閉する空気通路開閉装置において、
回転軸(14、15)の外周面の軸方向の複数箇所に凹部(30)を分割形成するとともに、この複数箇所の凹部(30)にそれぞれ突起部(31)を樹脂により成形し、
かつ、突起部(31)の高さを凹部(30)の深さ(h)と同等以下にし、
膜状部材(16)の端部には、凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、
この複数の取付片(32)にそれぞれ取付孔(33)を形成し、この取付孔(33)を突起部(31)にそれぞれ挿通した後に、突起部(31)を熱かしめすることにより、膜状部材(16)の端部を凹部(30)に固定することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明では、空気が流通可能な開口部(16a)を有する膜状部材(16)をケース(10)内に移動可能に配置し、
膜状部材(16)の一端側を第1の回転軸(14)に固定するとともに、膜状部材(16)の他端側を第2の回転軸(15)に固定し、
第1の回転軸(14)および第2の回転軸(15)に膜状部材(16)を巻き取り、巻き戻しすることにより、膜状部材(16)の開口部(16a)を移動させて、ケース(10)の空気通路(11〜13)を開閉する空気通路開閉装置において、
回転軸(14、15)の外周面の軸方向の複数箇所に凹部(30)を分割形成するとともに、この複数箇所の凹部(30)にそれぞれ係止用の鉤形状を有する突起部(31)を形成し、
かつ、突起部(31)の高さを凹部(30)の深さ(h)と同等以下にし、
膜状部材(16)の端部には、凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、
この複数の取付片(32)にそれぞれ取付孔(33)を形成し、この取付孔(33)を鉤形状の突起部(31)に挿通することにより膜状部材(16)の端部を凹部(30)に固定することを特徴としている。
【0005】
上記した請求項1、請求項2及び請求項3記載の発明によると、回転軸(14、15)と一体の突起部(31)を用いて、膜状部材(16)の端部を凹部(30)に固定できるので、従来技術のような抑え部材という別部品を必要とせず、部品点数の低減によりコスト低減を達成できる。
しかも、突起部(31)の高さを凹部(30)の深さ(h)と同等以下にしているから、回転軸(14、15)の外周面より突起部(31)が突出しない。そのため、突起部(31)の存在により回転軸(14、15)の円形軸形状が阻害されることがない。
【0006】
その結果、膜状部材(16)の回転軸(14、15)への巻き取り、巻き戻し動作をスムースに行うことができるので、突起部(31)の突出により、膜状部材(16)の巻き取り時にしわが発生することを回避でき、このしわによる異音の発生等の不具合をも確実に防止できる。
また、請求項1、2、3記載の発明では、凹部(30)を、回転軸(14、15)の外周面の軸方向に複数箇所に分割形成し、膜状部材(16)の端部には、凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、この取付片(32)に取付孔(33)を形成している。
これによると、回転軸側の、複数の凹部(30)相互間に円形軸部(34)を形成できるので、この円形軸部(34)をガイドとして膜状部材(16)の回転軸(14、15)への巻き取り、巻き戻し動作を一層スムースに行うことができる。
また、請求項2記載の発明では、前述のごとく回転軸(14、15)に突起部(31)が樹脂により成形されており、この突起部(31)に膜状部材(16)の端部の取付孔(33)を挿通した後に、この突起部(31)を熱かしめすることにより、膜状部材(16)の端部を凹部(30)に固定している。
【0007】
これによると、回転軸(14、15)に一体成形した樹脂製突起部(31)を熱かしめするという簡単な工程にて膜状部材(16)の端部を確実に固定できる。
また、請求項3記載の発明では、前述のごとく突起部(31)は係止用の鉤形状を有し、この鉤形状の突起部(31)に膜状部材(16)の端部の取付孔(33)を挿通することにより膜状部材(16)の端部を凹部(30)に固定している。
【0008】
これによると、突起部(31)の鉤形状を利用して、突起部(31)に膜状部材(16)の端部の取付孔(33)を挿通するだけで、熱かしめ等も必要とせずに、より一層簡単に膜状部材(16)の端部を確実に固定できる。
【0009】
なお、上記括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図6は本発明を車両用空調装置に適用した第1実施形態を示しており、本実施形態における車両用空調装置は、樹脂製のケース10を有しており、このケース10は空調装置の空気通路を形成するもので、例えば、車室内計器盤の車両幅(左右)方向の中央部の内部に設置される。
【0011】
そして、送風ユニット(図示せず)からの送風空気がケース10内に流入して、ケース10内の図示しない蒸発器(冷却用熱交換器)、ヒータコア(加熱用熱交換器)等の熱交換器と熱交換して、温度調整された後に、ケース10の空気下流端に設けられた複数の吹出開口部11〜13から車室内の所定場所に向けて空気を吹き出すようになっている。
【0012】
この吹出開口部としては、具体的には、空調空気を車室内フロントガラス内面に向けて吹き出すためのデフロスタ開口部11と、空調空気を乗員上半身に向けて吹き出すフェイス開口部12と、空調空気を乗員の足元部に向けて吹き出すフット開口部13が設けられている。
ケース10内には、駆動軸(第1の回転軸)14と従動軸(第2の回転軸)15が、ケース10に対して回転自在に支持されている。この駆動軸14および従動軸15には、可撓性部材、具体的には、ポリエチレン樹脂のごとく可撓性、強度に優れた樹脂製フィルム部材にて構成された吹出モード切換用膜状部材16の両端が固定され、巻回されている。そして、この吹出モード切換用膜状部材16には、空気を通過させるための複数の開口部16aが形成されている。
【0013】
図1に示すように、駆動軸14および従動軸15との間の中間部位には中間ガイド軸17が配置されており、この中間ガイド軸17は、ケース10の内壁面に沿って吹出モード切換用膜状部材16を屈曲させて吹出モード切換用膜状部材16の移動をガイドする。この中間ガイド軸17は、吹出モード切換用膜状部材16の移動を円滑にするために回転自在な構成としてもよいが、本例では、中間ガイド軸17を樹脂製のケース10に固定された回転不能な構成として、コスト低減を図っている。
【0014】
そして、吹出モード切換用膜状部材16は、駆動軸14と中間ガイド軸17と従動軸15とによって、前記各吹出開口部11〜13の空気上流側壁面と対向するようにして一定の張力が付与された状態で設けられ、この壁面に沿って移動するようになっている。
上記駆動軸14は図1に示すステップモータ(駆動手段)18によって回転駆動される。吹出モード切換用膜状部材16は、上記ステップモータ18により駆動軸14を正逆両方向に回転させて膜状部材16(すなわち、開口部16a)を任意の位置で停止させることによって、この開口部16aと前記各吹出開口部11〜13との連通、遮断を切り換えることにより、吹出モードが切り換えられる。
【0015】
次に、吹出モード切換用膜状部材16の駆動機構の具体的構成について詳細に説明する。駆動軸14と従動軸15はともに樹脂製であり、この両軸14、15には吹出モード切換用膜状部材16の両端部が本発明による後述の手段にて固定される。
駆動軸14は図2に示すように中空部を持たない通常の軸形状である。この駆動軸14の一端部には小径軸部14aが形成され、この小径軸部14aはケース10の軸受穴19に回転自在に支持される。また、駆動軸14の他端部には、断面D字状の連結穴14bが形成され、この連結穴14bに樹脂製の軸押さえ部材(ブッシュ)20の断面D字状の挿入部20aを嵌入して、軸押さえ部材20と駆動軸14とを回転方向に対して一体に連結する。
【0016】
軸押さえ部材20の軸部20bはケース10の軸受穴21内に回転自在に嵌入され、支持されている。すなわち、軸押さえ部材20を駆動軸14およびケース10に対して組付けることにより、駆動軸14の他端側が軸押さえ部材20を介して軸受穴21に回転自在に支持される。
軸押さえ部材20はケース10の外部に配置される円形の本体部20cを有し、この本体部20cに上記した挿入部20aと軸部20bが樹脂にて一体成形されている。
【0017】
軸押さえ部材20のうち、ケース10の外部に配置される本体部20cにはステップモータ18の出力軸18aが連結される。以上により、ステップモータ18の回転が軸押さえ部材20を介して駆動軸14に伝達されて、駆動軸14が回転するようになっている。
一方、従動軸15はその中心部に軸方向の中空穴15aを有する中空形状(円筒形状)に形成されている。従動軸15の一端部には小径軸部15bが形成され、この小径軸部15bはケース10の軸受穴22に回転自在に支持される。中空穴15aは従動軸15の一端側で閉塞し、他端側(図2の左端部)は外部へ開口している。
【0018】
そして、従動軸15の中空穴15a内には、樹脂製の案内棒23が挿入される。この案内棒23はばね取付用軸部23aを有しており、このばね取付用軸部23aは、従動軸15の中空穴15aの内周面との間にコイルばね(弾性手段)24を配置可能な空隙を形成するように案内棒23のうち最も小径に成形されている。
【0019】
コイルばね24はこの取付用軸部23aの外周面上に巻き付けられ、その一端部(図2の右端部)を取付用軸部23aの先端の係止溝23bに嵌入係止して、コイルばね24の一端部を取付用軸部23aの先端に固定するようになっている。また、案内棒23において、取付用軸部23aの根元側には、取付用軸部23aより所定量だけ外径を大きくした嵌合支持面23cが成形され、この嵌合支持面23cは所定長さにわたって従動軸15の内周面と嵌合し、この嵌合長さの部分にて従動軸15の他端側を案内棒23により回転自在に支持する。
【0020】
また、従動軸15の他端側には軸方向に所定長さにわたって延びるスリット状の係止溝15cが形成してある。また、コイルばね24の他端部24aは取付用軸部23aの外周面から半径方向の外方へ折り曲げておき、この他端部(腕部)24aを係止溝15c内に嵌入係止するようにしてある。さらに、案内棒23の嵌合支持面23cのうち、外方側の部分はケース10の固定穴25に対して圧入等の手段で嵌合固定される。
【0021】
次に、案内棒23およびコイルばね24部分の組付方法について説明すると、案内棒23の取付用軸部23aにコイルばね24を巻き付け、取付用軸部23aの先端の係止溝部23bにコイルばね24の一端部を固定する。一方、コイルばね24の他端部24aは半径方向の外方へ折り曲げておく。次に、ケース10の固定穴25を通して案内棒23の取付用軸部23aを従動軸15の中空穴15a内に挿入する。
【0022】
そして、この取付用軸部23aの挿入作業を進行させて、コイルばね24の他端部24aが従動軸15の他端側に近接すると、この他端部24aを従動軸15のスリット状係止溝15c内に嵌入し、他端部24aをスリット状係止溝15cの軸方向の最も奥部(図2参照)まで移動させて係止する。これにより、コイルばね24の他端部24aを従動軸15の他端側に固定できる。これと同時に、案内棒23の嵌合支持面23cの外方側部分をケース10の固定穴25に圧入等の手段で固定する。これにより、従動軸15の他端側を案内棒23により回転自在に支持できる。
【0023】
以上のように、コイルばね24の一端部は、ケース10に固定されている案内棒23に連結され、他端部24aはケース10に対して回転自在な従動軸15に連結されているので、コイルばね24は従動軸15の一方向への回転により弾性的に巻き締められ、弾性力が蓄えられる。そして、従動軸15の一方向への回転力が解放されると、コイルばね24は自身のばね力により巻き戻されて、従動軸15を他方向(逆方向)へ回転させることになる。
【0024】
なお、本実施形態では、コイルばね24の巻き締め、巻き戻し方向と、吹出モード切換用膜状部材16の移動方向との関係は次のごとく設定している。すなわち、図1では、吹出モード切換用膜状部材16の開口部16aがデフロスタ開口部11と連通するデフロスタモードの状態を示しており、▲1▼は吹出モード切換用膜状部材16がデフロスタモード→フェイスモードへの切換を行う移動方向を示し、▲2▼は逆にフェイスモード→デフロスタモードへの切換を行う移動方向を示している。
【0025】
そして、吹出モード切換用膜状部材16の▲1▼方向への移動は、ステップモータ18の回転力により膜状部材16の一端側を駆動軸14に巻き取ることにより行う。このとき、膜状部材16が▲1▼方向へ移動するに伴って、従動軸15が回転し、この従動軸15の回転によりコイルばね24が弾性変形し、巻き締められるように、コイルばね24の巻き締め方向を設定している。
【0026】
これに対し、ステップモータ18を上記と逆方向に回転して、駆動軸14を逆方向に回転させ、駆動軸14から膜状部材16の一端側を巻き戻す(送り出す)と、コイルばね24にいままで作用していた巻き締め方向の力が消滅するので、コイルばね24はそれ自身のばね力により巻き戻る。
その結果、コイルばね24のばね力により従動軸15が逆方向に回転して、従動軸15に膜状部材16の他端側を巻き取ることができるので、膜状部材16が▲2▼方向へ移動して、フェイスモード→デフロスタモードへの切換を行う。
【0027】
なお、ステップモータ18の制御は図1に示す空調用制御装置26により行うようになっている。この空調用制御装置26は例えばマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されるもので、予め設定されたプログラムに従って所定の演算処理を行って、車両用空調装置の電気機器を制御する。
ステップモータ18は吹出モード切換用膜状部材16の駆動手段であって、本実施形態では、空調用制御装置26のマイクロコンピュータにより算出された吹出モード信号もしくは乗員により手動設定された吹出モード信号に基づいてステップモータ18の回転量(回転角度)および回転方向が制御される。空調用制御装置26には、周知のごとく車室内の空調に影響する内気温度、外気温、日射量等の環境因子のセンサ群27および空調制御パネル28の操作スイッチ群29からの信号が入力される。
【0028】
次に、第1実施形態における膜状部材16と駆動軸14および従動軸15との固定構造を図4〜6により説明すると、図4〜6は膜状部材16と駆動軸14との固定構造を示しているが、膜状部材16と従動軸15との固定構造も全く同一でよい。
軸14、15の外周面の軸方向の複数箇所(図示の例では4か所)に凹部30が等間隔で分割形成してある。この凹部30は、軸14、15の外周面から所定の深さ(高さ)hだけ低い部位に位置する平坦面により形成されている。そして、この凹部30の中央部にはそれぞれ円柱状のピン形状からなる突起部31が樹脂にて軸14、15と一体に突出成形されている。なお、突起部31の高さは図5に破線図示するように熱かしめの前の状態では軸14、15の外周面より外側へ突出する高さを有している。
【0029】
一方、膜状部材16の長手方向の両端部には複数(図示の例では4個)の取付片32が突出成形されており、この取付片32の幅を凹部30の軸方向長さLと同等以下に設定することにより、取付片32は凹部30に嵌まり込むようになっている。この取付片32の中央部にはそれぞれ突起部31に嵌入し得る径寸法を持った円形の取付孔33が形成してある。
【0030】
従って、軸14、15の凹部30の突起部31に、膜状部材16の端部の取付片32の取付孔33を挿通した後に、樹脂製突起部31の先端を熱かしめて、取付孔33より十分大きい外径を持つ拡大頭部31a(図5、6)を形成することにより、この拡大頭部31aにて取付片32を確実に係止できるので、突起部31により膜状部材16の端部の取付片32を軸14、15の凹部30に固定することができる。
【0031】
そして、突起部31の高さは、図5に示すように熱かしめ後の状態では、軸14、15の外周面より突出しない高さ、すなわち、前述の深さhに対して同等以下に設定してあるので、突起部31の存在により軸14、15の円形軸形状が阻害されることはない。また、凹部30を複数に分割形成することにより、この複数の凹部30相互間に円形軸部34が形成される。
【0032】
その結果、膜状部材16を軸14、15に巻き取り、あるいは巻き戻すときに、膜状部材16の巻き取り、巻き戻し動作をスムースに行うことができる。もし、軸14、15の外周面より突起部31が突出していると、膜状部材16の巻き取り時にしわが発生して異音発生の原因になるが、本実施形態によると、このような不具合の発生を確実に防止できる。
【0033】
(第2実施形態)
図7、図8は第2実施形態を示すもので、第1実施形態では凹部30の中央部に円柱状のピン形状からなる突起部31を突出成形しているが、第2実施形態では突起部31を直角状の曲げ係止部31bを有する鉤形状に形成している。この鉤形状の突起部31の高さは、凹部30の深さhより同等以下に形成してある。
【0034】
第2実施形態によると、軸14、15の凹部30の突起部31に、膜状部材16の端部の取付片32の取付孔33を挿通することにより、突起部31を熱かしめしなくても、突起部31の曲げ係止部31bにより取付孔33の抜け止めを確実に行うことができるので、突起部31により膜状部材16の端部を軸14、15の凹部30に固定することができる。
【0035】
第2実施形態においても、鉤形状の突起部31の高さが凹部30の深さhより小さくなっているので、突起部31の存在により軸14、15の円形軸形状が阻害されない。そのため、膜状部材16を軸14、15に巻き取り、あるいは巻き戻す動作を第1実施形態と同様にスムースに行うことができる。
(他の実施形態)
▲1▼上記の実施形態では、吹出モード切換用膜状部材16の駆動機構について本発明を適用しているが、車両用空調装置における、内外気切換用膜状部材、あるいはエアミックス用膜状部材の駆動機構にも本発明を同様に適用できる。
【0036】
さらには、車両用空調装置に限らず、空気通路開閉装置として種々な用途に本発明は広く適用できるものである。
▲2▼上記の実施形態では、膜状部材16の駆動用モータとしてステップモータ18を用いる場合について説明したが、この駆動用モータとして直流モータを用いることもできる。
【0037】
さらに、上記の実施形態では、膜状部材16の駆動手段としてモータを用いる場合について説明したが、空調制御パネル28に備えられて乗員により手動操作されるダイヤル、レバー等の手動操作機構を適宜の連結機構を介して膜状部材16に連結し、この手動操作機構を膜状部材16の駆動手段として用いることもできる。
【0038】
▲3▼上記の実施形態では従動軸15に連結される弾性手段として、従動軸15の中空穴15a内に配置されるコイルばね24を用いているが、コイルばね24の代わりに、ケース10の外部に、従動軸15の外径より大きい外径を有する渦巻き状のぜんまいばねを配置し、このぜんまいばねを弾性手段として用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の吹出モード切換装置部分の分解斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図1、2の要部の分解状態の斜視図である。
【図4】第1実施形態による膜状部材固定構造の分解斜視図である。
【図5】第1実施形態による膜状部材固定構造の組付後の部分断面図である。
【図6】第1実施形態による膜状部材固定構造の組付後の部分断面図である。
【図7】第2実施形態による膜状部材固定構造の分解斜視図である。
【図8】第2実施形態による膜状部材固定構造の組付後の部分断面図である。
【符号の説明】
10…ケース、11…デフロスタ開口部、12…フェイス開口部、
13…フット開口部、14…駆動軸(第1の回転軸)、
15…従動軸(第2の回転軸)、16…膜状部材、
18…ステップモータ(駆動手段)、24…コイルばね(弾性手段)、
30…凹部、31…突起部、32…取付片、33…取付孔。
Claims (3)
- 空気が流通可能な開口部(16a)を有する膜状部材(16)をケース(10)内に移動可能に配置し、
前記膜状部材(16)の一端側を第1の回転軸(14)に固定するとともに、前記膜状部材(16)の他端側を第2の回転軸(15)に固定し、
前記第1の回転軸(14)および前記第2の回転軸(15)に前記膜状部材(16)を巻き取り、巻き戻しすることにより、前記膜状部材(16)の前記開口部(16a)を移動させて、ケース(10)の空気通路(11〜13)を開閉する空気通路開閉装置において、
前記回転軸(14、15)の外周面の軸方向の複数箇所に凹部(30)を分割形成するとともに、この複数箇所の凹部(30)にそれぞれ突起部(31)を形成し、
かつ、前記突起部(31)の高さを前記凹部(30)の深さ(h)と同等以下にし、
前記膜状部材(16)の端部には、前記凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、
この複数の取付片(32)にそれぞれ取付孔(33)を形成し、この取付孔(33)を前記突起部(31)に挿通することにより前記取付片(32)を前記突起部(31)により係止して、前記膜状部材(16)の端部を前記凹部(30)に固定することを特徴とする空気通路開閉装置。 - 空気が流通可能な開口部(16a)を有する膜状部材(16)をケース(10)内に移動可能に配置し、
前記膜状部材(16)の一端側を第1の回転軸(14)に固定するとともに、前記膜状部材(16)の他端側を第2の回転軸(15)に固定し、
前記第1の回転軸(14)および前記第2の回転軸(15)に前記膜状部材(16)を巻き取り、巻き戻しすることにより、前記膜状部材(16)の前記開口部(16a)を移動させて、ケース(10)の空気通路(11〜13)を開閉する空気通路開閉装置において、
前記回転軸(14、15)の外周面の軸方向の複数箇所に凹部(30)を分割形成するとともに、この複数箇所の凹部(30)にそれぞれ突起部(31)を樹脂により成形し、
かつ、前記突起部(31)の高さを前記凹部(30)の深さ(h)と同等以下にし、
前記膜状部材(16)の端部には、前記凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、
この複数の取付片(32)にそれぞれ取付孔(33)を形成し、この取付孔(33)を前記突起部(31)にそれぞれ挿通した後に、前記突起部(31)を熱かしめすることにより、前記膜状部材(16)の端部を前記凹部(30)に固定することを特徴とする空気通路開閉装置。 - 空気が流通可能な開口部(16a)を有する膜状部材(16)をケース(10)内に移動可能に配置し、
前記膜状部材(16)の一端側を第1の回転軸(14)に固定するとともに、前記膜状部材(16)の他端側を第2の回転軸(15)に固定し、
前記第1の回転軸(14)および前記第2の回転軸(15)に前記膜状部材(16)を巻き取り、巻き戻しすることにより、前記膜状部材(16)の前記開口部(16a)を移動させて、ケース(10)の空気通路(11〜13)を開閉する空気通路開閉装置において、
前記回転軸(14、15)の外周面の軸方向の複数箇所に凹部(30)を分割形成するとともに、この複数箇所の凹部(30)にそれぞれ係止用の鉤形状を有する突起部(31)を形成し、
かつ、前記突起部(31)の高さを前記凹部(30)の深さ(h)と同等以下にし、
前記膜状部材(16)の端部には、前記凹部(30)に嵌まり込む複数の取付片(32)を突出形成し、
この複数の取付片(32)にそれぞれ取付孔(33)を形成し、この取付孔(33)を 前記鉤形状の突起部(31)に挿通することにより前記膜状部材(16)の端部を前記凹部(30)に固定することを特徴とする空気通路開閉装置。
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