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JP4021612B2 - ベンゾオキサゼピン化合物 - Google Patents

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JP4021612B2
JP4021612B2 JP2000323310A JP2000323310A JP4021612B2 JP 4021612 B2 JP4021612 B2 JP 4021612B2 JP 2000323310 A JP2000323310 A JP 2000323310A JP 2000323310 A JP2000323310 A JP 2000323310A JP 4021612 B2 JP4021612 B2 JP 4021612B2
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秀文 行正
泰雄 杉山
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高脂血症の予防または治療に有用なコレステロール低下作用及びトリグリセライド低下作用を有するベンゾオキサゼピン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
血清脂質濃度の異常増加を高脂質血症(hyperlipidemia)または高脂血症(hyperlipemia)と呼ぶ。血清脂質にはコレステロール(コレステロールエステル,遊離コレステロール)、リン脂質(レシチン,スフィンゴミエリンなど)、トリグリセライド(中性脂肪)、遊離脂肪酸、その他のステロール類などがあるが、とくに臨床的に問題となるのは、コレステロール,トリグリセライドの増加である(COMMON DISEASE SERIES No.19 高脂血症 中村治雄編集 1991年10月10日発行南江堂)。
したがって、血中脂質値の適切なコントロールは、虚血性心疾患、脳梗塞などに代表される動脈硬化に関連した諸疾患の予防または治療に極めて重要である。また、高トリグリセライド血症は、膵障害を併発すると考えられている。
血中コレステロール値を低下させる薬剤としては、コレスチラミン(Cholestyramine)、コレスチポール(Colestipol)等の胆汁酸を捕捉してその吸収を阻害するもの(例,米国特許第4027009号)、メリナミド(Melinamide)(フランス特許第1476569号)等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル移転酵素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管吸収を抑制するもの等の他、コレステロールの生合成を抑制する薬剤が注目されている。コレステロール生合成抑制薬剤として、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻害するロバスタチン(Lovastatin)(米国特許第4231938号)、シンバスタチン(Simvastatin)(米国特許第4444784号)、プラバスタチン(Pravastatin)(米国特許第4346227号)等が医薬に供されている。しかし、HMG−CoA還元酵素を阻害するとコレステロールの生合成以外に、ユビキノン、ドリコールやヘムAの様な、その他の生体に必要な成分の生合成も阻害されるため、そられに起因する副作用が懸念されている。
またトリグリセライド低下剤としては、フィブリン酸系化合物、例えば、クロフィブラート(英国特許第860303号),フェノフィブラート(ドイツ特許第2250327号)などが医薬に供されているが、スタチン系化合物との併用は肝毒性のため禁忌となっている。
【0003】
スクアレン合成酵素は、新たなコレステロール生合成経路の必須段階に関与する酵素である。この酵素は、2分子のファルネシルピロリン酸の還元二量化を触媒してスクアレンを形成する酵素である。
一方、スクアレン合成酵素を阻害することによるコレステロールの生合成阻害作用を有する化合物としては、Journal of Medicinal Chemistry, Vol. 51,No. 10,1869頁〜1871頁,1988年、特開平1−213288号公報、特開平2−101088号公報、特開平2−235820号公報、特開平2−235821号公報、特開平3−20226号公報、特開平3−68591号公報、特開平3−148288号公報及び米国特許第5,019,390号、米国特許第5,135,935号、WO9215579号、WO9309115号に開示されている。
尚、高脂血症は、高リポ蛋白血症(hyperlipoproteinemia)とも呼ばれ、リポ蛋白の面から次のように6つの型(WHO分類)に分類されている。
I型:カイロマイクロンの増加を示す高カイロマイクロン血症、
IIa型:低比重リポ蛋白(LDL)の増加を示す高LDL血症(高コレステロール血症)、
IIb型:LDLと超低比重リポ蛋白(VLDL)の増加を示す複合型高脂血症、III型:β超低比重リポ蛋白(βVLDL)の存在を示す異常βリポ蛋白血症、IV型:VLDLの増加を示す内因性高トリグリセライド血症、
V型:VLDLとカイロマイクロンの増加を示す混合型高脂血症。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より安全で、かつより強力なスクアレン合成酵素阻害作用によるコレステロール低下作用及びトリグリセライド低下作用の脂質低下作用を通し、高脂血症の予防または治療に有用な、従って医薬としてより有用な化合物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、1位、3位、5位及び7位に特定の置換基を有する化学構造を特徴とする4,1−ベンゾオキサゼピン化合物を初めて合成し、この化合物が予想外にも該特異な化学構造に基づいて優れた脂質低下作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)式(I)
【化10】
Figure 0004021612
〔式中、Rは置換されていてもよい水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基を、Xは置換されていてもよいカルバモイル基又は脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基を、R1は低級アルキル基を、Wはハロゲン原子を示す。〕で表わされる化合物またはその塩、
(2)Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個の置換基を有していてもよいC1-6アルキルである前記(1)記載の化合物、
(3)Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個の置換基を有していてもよい分枝状のC3-6アルキルである前記(1)記載の化合物、
(4)Rが2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−アセトキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル又は3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピルである前記(1)記載の化合物、
(5)R1がメチルである前記(1)記載の化合物、
(6)Wが塩素原子である前記(1)記載の化合物、
(7)Xが式
【0006】
【化11】
Figure 0004021612
〔式中、R2及びR3はそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基又はアシル基であるか、あるいはR2及びR3は一緒になって窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個環構成原子として含んでいてもよい置換されていてもよい5員ないし6員環を形成する前記(1)記載の化合物、
(8)R2が水素原子又はC1-7アルキル基、
3
(1)(a)C1-7アルキル、(b)C3-7シクロアルキル、(c)C2-6アルケニル、(d)C6-10アリール及び(e)C6-10アリール−C1-4アルキルから選ばれる炭化水素基〔ここで(a)C1-7アルキル、(b)C3-7シクロアルキル及び(c)C2-6アルケニルはそれぞれ
(i)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(ii)C1-6アルキル又はC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、
(iii)スルホン酸基、
(iv)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基、
(v)C1-3アルキルでアルキル化されていてもよい水酸基、
(vi)C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、
(vii)カルバモイル基、
(viii)水酸基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル及びC1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基より選ばれる、1ないし5個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(ix)C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基、
【0007】
(x)ピペリジン,ピロリジン,モルホリン,チオモルホリン,ピペラジン,4−メチルピペラジン,4−ベンジルピペラジン,4−フェニルピペラジン,1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又はフタルイミドから導かれるC1-3アルキル、ベンジル又はフェニルで置換されていてもよい環状アミノ基及び
(xi)ピリジン,イミダゾール,インドール又はテトラゾ−ルから導かれる芳香族5〜6員複素環基
より選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよく、
(d)C6-10アリール及び(e)C6-10アリール−C1-4アルキルはそれぞれ
(i)C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(ii)C1-6アルキル又はC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、
(iii)スルホン酸基、
(iv)C1-4アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル又はC6-10アリール−C1-4アルキルスルホニル基、
(v)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基、
(vi)C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、スルホン酸基、C1-4アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル又はC6-10アリール−C1-4アルキルスルホニル基、C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基で置換されていてもよいC1-3アルキル基
及び
(vii)ハロゲン
より選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい〕、
(2)テトラゾリル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジニル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−イソオキサゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−イソオキサゾリル,2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−テトラゾリル又は2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−テトラゾリル基、
(3)(i)1又は2個のハロゲンで置換されていてもよいC2-7アルカノイル基、及び(ii)C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びハロゲンから選ばれる1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、C1-4アルキルスルホニル基又はC6-10アリール−C1-4アルキルスルホニル基
から選ばれるアシル基、
【0008】
又はR2及びR3は隣接の窒素原子と一緒になってピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、2−オキソピペラジン、2,6−ジオキソピペラジン、モルホリン又はチオモルホリンより導かれる5員又は6員環〔ここで、5員又は6員環は
(A)C1-3アルキル又はC2-7アルカノイルで置換されていてもよい水酸基、
(B)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(C)C1-6アルキル又はC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、
(D)スルホン酸基、
(E)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基、
(F)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、C1-6アルキル又はC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、スルホン酸基、C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基、C1-3アルキル又はC2-7アルカノイルで置換されていてもよい水酸基、C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、カルバモイル基、及び水酸基、ハロゲン、アミノスルホニル及びC1-3アルキルで置換されていてもよいアミノ基より選ばれた1ないし5個の置換基で置換されていてもよいフェニル、C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基又はテトラゾリルで置換されていてもよいC1-6アルキル及びC2-5アルケニル、
(G)C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基、
(H)ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、4−メチルピペラジン、4−ベンジルピペラジン、又は4−フェニルピペラジンから導かれる環状アミノ基、
(I)シアノ基、
(J)カルバモイル基、
(K)オキソ、
(L)テトラゾリル又は2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル基、
(M)C6-10アリールスルホニル、C1-4アルキルスルホニル又はC6-10アリール−C1-4アルキルスルホニルで置換されていてもよいカルバモイル基、
(N)C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、
及び
(O)水酸基、ハロゲン、アミノスルホニル及びC1-3アルキルで置換されていてもよいアミノ基から選ばれる1ないし5個の置換基で置換されていてもよいフェニル基
より選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい〕を形成する前記(7)記載の化合物、
【0009】
(9)R2及びR3は隣接するカルバモイル基の窒素原子と一緒になってピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、2−オキソピペラジン又は2,6−ジオキソピペラジンより導かれる5員又は6員環を形成し、その5員又は6員環はそれぞれ
(i)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(ii)C1-6アルキル又はC2-7アルカノイル−C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、
(iii)スルホン酸基、
(iv)C1-6アルキル又はC6-10アリール−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基、
(v)C1-3でアルキル化されていてもよい水酸基、
(vi)C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、
(vii)カルバモイル基、
(viii)水酸基、ハロゲン、アミノスルホニル及びC1-3アルキルで置換されていてもよいアミノ基より選ばれた1ないし5個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(ix)C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基、
及び
(x)テトラゾリル
から選ばれる1〜2個の置換基を有していてもよいC1-7アルキル基で置換されていてもよい前記(7)記載の化合物、
【0010】
(10)R2が水素原子又はC1-7アルキル、R3がC1-4アルキルスルホニルである前記(7)記載の化合物、
(11)Xで表される複素環基がテトラゾリル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジニル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−イソオキサゾリル、4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−イソオキサゾリル、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−テトラゾリル又は2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−テトラゾリルである前記(1)記載の化合物、
(12)R1がメチル、
Wが塩素原子、
Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブドキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基で置換された分枝状のC3-6アルキル、
Xが式
【化12】
Figure 0004021612
〔式中、R2'は水素原子又はC1-7アルキルを示し、R3'はC1-4アルキルを示す。〕で表される前記(1)記載の化合物、
【0011】
(13)R1がメチル、
Wが塩素原子、
Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブドキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基で置換された分枝状のC3-6アルキル、
Xが式
【化13】
Figure 0004021612
〔式中、R'は水素原子又はC1-7アルキルを示し、nは1ないし5の整数を示す。〕で表される基である前記(1)記載の化合物、
(14)R1がメチル、
Wが塩素原子、
Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブドキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基で置換された分枝状のC3-6アルキル、
Xが式
【化14】
Figure 0004021612
〔式中、R"は水素原子又はC1-4アルキルを示す〕で表される基である請求項1記載の化合物、
(15)R1がメチル、
Wが塩素原子、
Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブドキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基で置換された分枝状のC3-6アルキル、
Xがテトラゾリルである前記(1)記載の化合物、
【0012】
(16)(3R,5S)−N−メタンスルホニル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
(3R,5S)−N−メタンスルホニル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
又はその塩である前記(1)記載の化合物、
(17)(3R,5S)−N−メタンスルホニル−1−〔3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
(3R,5S)−N−メタンスルホニル−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル、
又はその塩である前記(1)記載の化合物、
【0013】
(18)(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
又はその塩である前記(1)記載の化合物、
(19)(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド又はその塩である前記(1)記載の化合物、
【0014】
(20)Rが1個又は2個の水酸基で置換されていてもよい低級アルキル、
Xが(1)(a)C1-7アルキル、(b)C3-7シクロアルキル、(c)C2-6アルケニル、(d)C6-10アリール及び(e)C7-14アリールアルキル(C6-10アリ−ル−C1-4アルキル)から選ばれる炭化水素基〔ここで(a)C1-7アルキル、(b)C3-7シクロアルキル、(c)C2-6アルケニルはそれぞれ
(i)C1-6アルキル又はC7-10アリールアルキル(フェニル−C1-4アルキル)でエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(ii)リン酸基、
(iii)スルホン酸基、
(iv)C1-6アルキル又はC7-10アリールアルキル(フェニル−C1-4アルキル)で置換されていてもよいスルホンアミド基、
(v)C1-3アルキルでアルキル化されていてもよい水酸基、
(vi)C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、
(vii)カルバモイル基、
(viii)水酸基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル及びC1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基より選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(ix)C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基、
及び
(x)ピペリジン,ピロリジン,モルホリン,チオモルホリン,ピペラジン,4−メチルピペラジン,4−ベンジルピペラジン又は4−フェニルピペラジンから導かれるC1-3アルキル、ベンジル又はフェニルで置換されていてもよい環状アミノ基及び
(xi)ピリジン,イミダゾール,インドール又はテトラゾ−ルから導かれる芳香族5〜6員複素環基
より選ばれる1ないし4個の置換を有していてもよく、
(d)C6-10アリール及び(e)C7-14アリールアルキル(C6-10アリ−ル−C1-4アルキル)はそれぞれ
(i)C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(ii)リン酸基、
(iii)スルホン酸基、
(iv)C1-6アルキル又はC7-10アリールアルキル(フェニル−C1-4アルキル)で置換されていてもよいスルホンアミド基、
(v)C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、C1-6アルキル又はC7-10アリールアルキル(フェニル−C1-4アルキル)で置換されていてもよいスルホンアミド基で置換されていてもよいC1-3アルキル基
又は
(vi)ハロゲン原子
より選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい〕で置換されていてもよいカルバモイル基、
【0015】
(2)テトラゾリル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジニル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−イソオキサゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−イソオキサゾリル,2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−テトラゾリル又は2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−テトラゾリル基、
(3)(i)1又は2個のハロゲンで置換されていてもよいC2-7アルカノイル基、及び(ii)C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びハロゲンから選ばれる1ないし4個の置換基で置換されていてもよいC6-10アリールスルホニル基、C1-4アルキルスルホニル基又はC7-14アリールアルキルスルホニル基(C6-10アリール−C1-4アルキルスルホニル基)から選ばれるアシル基で置換されていてもよいカルバモイル、
又は
(4)ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、2−オキソピペラジン、2,6−ジオキソピペラジン、モルホリン及びチオモルホリンより導かれる環状アミノカルボニル基
〔ここで環状アミノカルボニル基は
(A)水酸基、
(B)C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(C)リン酸基、
(D)スルホン酸基、
(E)C1-6アルキル又はC7-10アリールアルキル(フェニル−C1-4アルキル)で置換されていてもよいスルホンアミド基、
(F)上記(A)、(B)、(C)、(D)又は(E)で置換されていてもよいC1-3アルキル又はC2-5アルケニル、
(G)C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基、
(H)ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、4−メチルピペラジン、4−ベンジルピペラジン又は4−フェニルピペラジンから導かれる環状アミノ基、
(I)シアノ基、
(J)カルバモイル基、
(K)オキソ、
(L)C1-3アルコキシ、
(M)テトラゾリル又は2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリルから導かれる複素環基及び
(N)C6-10アリールスルホニル、C1-4アルキルスルホニル又はC7-14アリールアルキルスルホニル(C6-10アリール−C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいカルバモイル基より選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい〕である前記(1)記載の化合物。
【0016】
(21)前記(1)記載の化合物を含有する組成物、
(22)前記(1)記載の化合物を含有するスクアレン合成酵素阻害剤、
(23)前記(1)記載の化合物を含有するトリグリセライド低下剤、
(24)前記(1)記載の化合物を含有する脂質低下剤、
(25)前記(1)記載の化合物を含有する高脂血症の予防治療剤、
(26)式
【化15】
Figure 0004021612
〔式中の記号は前記(1)記載と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩と式
【化16】
Figure 0004021612
〔式中の記号は前記(7)記載と同意義を示す。〕で表される化合物又はその塩とを反応させることを特徴とするXが置換されていてもよいカルバモイルである前記(1)記載の化合物の製造法、
(27)Rが2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルである前記(1)記載の化合物に関する。
【0017】
Rで示される低級アルキル基としては、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキチル等C1-6アルキルが挙げられる。なかんづくC3-6アルキル基が好ましく、C4-5アルキル基がより好ましい。とりわけイソブチル,ネオペンチル等の分枝状C4-5アルキル基が好ましい。
Rで示される低級アルキルの置換基としては例えば炭素数C2-20アルカノイル又はC1-7アルキルで置換されていてもよい水酸基などが挙げられる。このような置換基としては例えば水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシ及び2−アミノプロピオニルオキジ等が挙げられる。
このような置換基は置換可能な位置に1〜3個置換していてもよい。
さらに、Rで示される置換されていてもよい低級アルキルとしては例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル,3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル,3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル,3−アセトキシ−2−ヒトロキシメチル−2−メチル−プロピル及び3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル等が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基は式
【化17】
Figure 0004021612
のようなものが挙げられる。
【0018】
本明細書に記載の「置換されていてもよい炭化水素」としては置換されていてもよいC1-7の直鎖又は分枝状のアルキル基(例えばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,1,1−ジメチルエチル,n−ペンチル,3−メチルブチル,2−メチルブチル,1−メチルブチル,1−エチルプロピル,n−ヘキシル,4−メチルペンチル,3−メチルペンチル,2−メチルペンチル,2−エチルブチル,1−エチルブチル,ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル)、置換されていてもよいC3-7のシクロアルキル基(シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘキシルメチル等)、置換されていてもよいC2-6の直鎖又は分枝状のアルケニル基(例えば、ビニル,アリル,イソプロペニル,2−メチルアリル,1−プロペニル,2−メチル−1−プロペニル,2−メチル−2−プロペニル,1−ブテニル,2−ブテニル,3−ブテニル,2−エチル−1−ブテニル,2−メチル−2−ブテニル,3−メチル−2−ブテニル,1−ペンテニル,2−ペンテニル,3−ペンテニル,4−ペンテニル,4−メチル−3−ペンテニル,1−ヘキセニル,2−ヘキセニル,3−ヘキセニル,4−ヘキセニル,5−ヘキセニル等)、置換されていてもよいC6-10アリール基(例えば、フェニル,ナフチル基)及び置換されていてもよいC7-14アリールアルキル基(例、ベンジル,フェネチル,ナフチルメチル)等が挙げられる。
【0019】
該「置換されていてもよいC1-7の直鎖又は分枝状のアルキル基、置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基,C2-6の直鎖又は分枝状のアルケニル基」の置換基としては、C1-6のアルキル基又はC6-10アリール−C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,フェニル,ベンジル等)でエステル化されていてもよいカルボキシル基,C1-6アルキル(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル等)又はアセチルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル基のようなC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基,スルホン酸基,C1-6のアルキル基又はC6-10アリール−C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,ベンジル等)で置換されていてもよいスルホンアミド基,C1-3のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル等)でアルキル化されていてもよい水酸基及びスルフヒドリル基,カルバモイル基,1ないし5個の置換基〔例えば、水酸基,塩素,フッ素,アミノスルホニル基,C1-3のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル等)で置換されていてもよいアミノ基〕で置換されていてもよいフェニル基,C1-3のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル等)でモノ−又はジ−置換されていてもよいアミノ基,環状アミノ基(例えば、ピペリジン,ピロリジン,モルホリン,チオモルホリン,ピペラジン,4−メチルピペラジン,4−ベンジルピペラジン,4−フェニルピペラジン,1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン,フタルイミド等の環状アミンから導かれるC1-3アルキル、 ベンジル、フェニル等で置換されていてもよく、さらに酸素原子、硫黄原子を環構成原子として含んでいてもよい5〜6員環状アミノ基)及び、N,O,Sから選ばれるヘテロ原子を1〜4個含む芳香族5〜6員複素環(例えば、ピリジン,イミダゾール,インドール,テトラゾール等)が挙げられる。
【0020】
さらにXで示される「置換されていてもよいカルバモイル基」のカルバモイル基を形成する置換されていてもよいアミノ基の置換基としてのC6-10アリール基及びC6-10アリール−C1-4アルキル基の置換基としては、C1-4のアルキル基(メチル,エチル,プロピル,t−ブチル基等)でエステル化されていてもよいカルボキシル基、C1-6アルキル(メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル)又はピバロイルオキシメチル基、アセチルオキシメチル基のようなC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキル基でモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、スルホン酸基、C1-4アルキルスルホニル、C6-10アリールスルホニル又はC6-10アリール−C1-4アルキルスルホニル、C1-6のアルキル基又はC6-10アリ−ル−C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,ベンジル等)で置換されていてもよいスルホンアミド基及びC1-4のアルキル基でエステル化されていてもよいカルボキシル基,メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル等のC1-6のアルキル基又はピバロイルオキシメチル基などのC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいリン酸基,スルホン酸基及びC1-6アルキル,C6-10アリ−ル−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基で置換されていてもよいC1-3のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル),ハロゲン(フッ素,塩素)等が挙げられる。
該「炭化水素基」は置換可能な位置に置換基を1ないし5個有していてもよい。
【0021】
本明細書に記載の「置換されていてもよい複素環基」としては、オキソ基,チオキソ基等の置換基を1〜2個好ましくは1個有していてもよい脱プロトン化しうる水素原子を有する複素環基が好ましい。かかる複素環基は、S、O、Nから選ばれるヘテロ原子を1〜4個、好ましくは2〜3個含む5〜6員複素環基が好ましい。具体的にはテトラゾリル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジニル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−イソオキサゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−イソオキサゾリル,2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−テトラゾリル及び2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−テトラゾリル等が挙げられる。とりわけテトラゾリル基が好ましい。
【0022】
本明細書に記載の「アシル基」としては、カルボン酸から誘導されるカルボン酸アシル基(例えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル,ベンゾイル等C2-7カルボン酸アシル基)及び置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホニル基,C1-4アルキルスルホニル基及びC6-10アリ−ル−C1-4アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,フェニルスルホニル,ナフチルスルホニル,フェニルメチルスルホニル,フェニルエチルスルホニル,ナフチルメチルスルホニル,ナフチルエチルスルホニル等)が挙げられる。アリール,アルキル−及びアリールアルキルスルホニル基の置換基としては、C1−C3のアルキル(例メチル,エチル,プロピル等),C1-3のアルコキシ(例メトキシ,エトキシ,プロポキシ等),ハロゲン(塩素,フッ素,臭素)等が挙げられ、これらが1〜4個好ましくは1〜2個置換可能な位置に置換していてよい。
上記、カルボン酸アシル基は、ハロゲン(塩素、フッ素、臭素)を1〜2個置換基として有していてもよい。
【0023】
2及びR3は隣接のカルバモイルの窒素原子と一緒になって形成する、C1-3アルキル又はC2-7アルカノイルで置換されていてもよい環状アミノ基としては、例えば、ピペラジン,ピペリジン,ピロリジン,ピペラジン−2−オン,ピペラジン−2,6−ジオン,モルホリン,チオモルホリンのような環状アミンであって、さらに、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個環構成原子として含んでいてもよい5−又は6員環状アミンから導かれる基が挙げられる。これらの環状アミノ基は、1〜4個、好ましくは1〜2個の置換基を有していてもよい。該置換基としては、C1-3アルキル又はC2-7アルカノイルで置換されていてもよい水酸基,C1-4のアルキル基(メチル,エチル,プロピル,t−ブチル基等)又はC7-10アリールアルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、C1-6アルキル又はC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキル基(アセチルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基)でモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基,スルホン酸基及びC1-6のアルキル基又はC6-10アリ−ル−C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,ベンジル等で置換されていてもよいスルホンアミド基、[C1-6アルキル又はC6-10アリ−ル−C1-4アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、C1-6アルキル又はC2-7アルカノイルオキシ−C1-6アルキル基(アセチルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基)でモノ又はジ−置換されていてもよいリン酸基、スルホン酸基、C1-6アルキル又はC6-10アリ−ル−C1-4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基、C1-3アルキル又はC2-7アルカノイルで置換されていてもよい水酸基、C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、カルバモイル基、1ないし5個の置換基(例えば、水酸基、ハロゲン、アミノスルホニル、C1-3アルキルで置換されていてもよいアミノ基など)で置換されていてもよいフェニル、C1-3アルキルでモノ又はジ−置換されていてもよいアミノ基又はテトラゾリルで置換されていてもよい〕C1-6アルキル及びC2-5アルケニル、C1-3のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル等)でモノ−又はジ−置換されていてもよいアミノ基,環状アミノ基(例えば、ピペリジン,ピロリジン,モルホリン,チオモルホリン,4−メチルピペラジン,4−ベンジルピペラジン,4−フェニルピペラジン等の、C1−C3アルキル,ベンジル,フェニルで置換されていてもよい。さらに窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい5−又は6−員環状アミンから導かれる基),シアノ基,カルバモイル基,オキソ基,C1-3アルコキシ(例えば、メトキシ,エトキシ,エチレンジオキシ等),上記したのと同様な脱プロトン化しうる水素原子を有するオキソ基又チオキソ基で置換されていてもよい複素環基(例えば、テトラゾリル,2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル等),Xで示される「置換されていてもよいカルバモイル基」のカルバモイルを形成する置換されていてもよいアミノ基の置換基として挙げたC6-10アリールスルホニル,C6-10アリ−ル−C1-4アルキルスルホニル及びC1-4アルキルスルホニル(メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,ブチルスルホニル,イソプロピルスルホニル,t−ブチルスルホニル,フェニル,スルホニル,ベンジルスルホニル等)、C1-3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、1ないし5個の置換基(例えば、水酸基、ハロゲン、アミノスルホニル及びC1-3アルキルで置換されていてもよいアミノ基など)で置換されていてもよいフェニルで置換されたカルバモイル基等が挙げられる。
【0024】
Xで表される置換されていてもよいカルバモイル基の例としては例えば
【化18】
Figure 0004021612
等が挙げられる。
2’及びR’としては水素原子及びC1-7アルキル等が挙げられる。とりわけ水素原子が好ましい。
2,R2'及びR'で表されるC1-7アルキルとしては前記の「炭化水素基」のC1-7アルキルと同様のものが挙げられる。
R”としては水素原子及びC1-4アルキル等が挙げられる。とりわけ水素原子が好ましい。
3'及びR"で表されるC1-4アルキルとしては例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
【0025】
Xで示される脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基としてはブレンステッド酸的活性プロトンを有する含窒素(好ましくは1〜4個の窒素原子を含む)5〜6員複素環が好ましく、窒素原子、硫黄原子、酸素原子を1〜4個好ましくは2〜3個含んでいるのがよい。これらの置換基としては、オキソ基,チオキソ基等があげられ、これらの置換基を1〜2個、特に1個有していてもよい。Xで示される「脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、テトラゾリル,2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル等Xで示される「置換されていてもよいカルバモイル基」の置換基としての「置換されていてもよい複素環基」として例示したものが挙げられる。
1で示される「低級アルキル基」としては、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,t−ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1−C6アルキル基が挙げられる。とりわけC1−C3のアルキル基が好ましい。R1としてはとくにメチル基が薬理活性面から好ましい。
Wで示される「ハロゲン原子」としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。とりわけ塩素原子が好ましい。
【0026】
化合物(I)の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機塩、例えば酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩、例えばトリエチルアミン塩、グアニジン塩、アンモニウム塩、ヒドラジン塩、キニーネ塩、シンコニン塩等の塩基の塩等の薬理学的に許容されうる塩が挙げられる。
また化合物(I)の水和物および非水和物も本発明に包含されるものである。
式(I)で表わされる化合物またはその塩は、3位と5位に不斉炭素が存在するが、7員環の面に対して、3位と5位の置換基が逆方向を向いている異性体であるトランス体が好ましく、特に3位の絶対配置がR配置で、5位の絶対配置がS配置のものが好ましい。
【0027】
本発明の化合物(I)またはその塩としては具体的には以下のものが好ましい。
(3R,5S)−N−メタンスルホニル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、(3R,5S)−N−メタンスルホニル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
【0028】
(3R,5S)−N−メタンスルホニル−1−〔3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、(3R,5S)−N−メタンスルホニル−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル、
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル、
【0029】
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾ−ル−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾ−ル−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾ−ル−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン、
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾ−ル−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−オン及び
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド。
【0030】
上記式(I)で表される化合物またはその塩は、例えば、EPA567026号、WO95/21834(特願平6−15531号に基づくPCT出願)、EPA645377(特願平6−229159号に基づく出願)、EPA645378(特願平6−229160号に基づく出願)などの公報の開示の方法、又はそれに準ずる方法にしたがって製造することができるが、例えば、次の方法に下がつて製造することもできる。
すなわち、式(I)の化合物またはその塩は、例えば下式で示されるように、対応する3位カルボキシルメチル体またはそのカルボキシル基の反応性誘導体と、式
【化19】
Figure 0004021612
で表わされる化合物またはその塩とを縮合させることにより製造することができる。
該カルボキシル基の反応性誘導体としては例えば酸無水物及び酸クロライドなどが挙げられる。
【化20】
Figure 0004021612
〔式中、各記号は上記と同意義。〕
【0031】
式(I′)で示される化合物と式
【化21】
Figure 0004021612
で示される化合物とを縮合させることにより本反応を行うことができ、例えば溶媒中、必要であれば塩基存在中、縮合剤を用いることなどにより製造することができる。用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン等が用いられる。縮合剤としては、ペプチド合成に用いられる縮合剤が挙げられ、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、シアノりん酸ジエチル、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等が挙げられる。式(I′)で示される化合物1モルに対し、式
【化22】
Figure 0004021612
で示される化合物は通常0.5〜2モル当量、好ましくは1〜1.2モル当量用い、縮合剤は通常0.5〜5モル当量、好ましくは1〜2モル当量用いる。反応温度は通常0〜100℃、好ましくは20〜50℃、反応時間は通常0.5〜24時間,好ましくは1〜5時間程度である。
【0032】
化合物(I)のXが脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基,又は脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基で置換されたカルバモイル基の製造は、Xがカルボキシル基又はカルボキシル基を有する置換基で置換されたカルバモイル基におけるカルボキシル基を例えばカルボン酸アミドに変換し、さらにそれを脱水することによりシアノ基に変換した後、脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基に変換すること等ができる。
上記カルボン酸をカルボン酸アミドに変換するには、自体公知の方法で行なうことができる。例えばカルボキシル基を有する化合物とアンモニア又は塩化アンモニウムを、必要であれば塩基(トリエチルアミン,ジメチルアミノベンゼン,ピリジン,炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸水素ナトリウム等)の存在下、シアノりん酸ジエチルエステル,ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤を用い行なうことができる。用いる溶媒としてはジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒,ジメチルホルムアミド,アセトニトリル等があげられ、これらの溶媒中、カルボキシル基を有する化合物1モルに対し、アンモニア又は塩化アンモニウムを通常1〜100モル当量、好ましくは1〜5モル当量程度、反応温度は通常0℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃、反応時間は通常0.1時間〜24時間、好ましくは0.5〜5時間程度である。
【0033】
以上得られたカルボン酸アミドをシアノ基に変換するには、ベンゼン,ヘキサン,トルエン,キシレン等の溶媒中、カルボン酸アミドを有する化合物を、例えば塩化チオニル等で処理することにより得ることができる。
カルボン酸アミドを有する化合物1モルに対し、塩化チオニルは通常1〜10モル当量、好ましくは1〜3モル当量、反応温度は通常50°〜200℃、好ましくは70°〜150℃、反応時間は通常0.5〜10時間、好ましくは0.5〜3時間程度である。
上記シアノ基を脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい複素環基、例えばテトラゾリル環に変換するには、ベンゼン,ヘキサン,トルエン,キシレン等の溶媒中、シアノ基を有する化合物に例えばトリメチルシリルアジドと酸化ジブチルすず(IV)を反応させること等により得ることができる。
シアノ基を有する化合物1モルに対し、トリメチルシリルアジドは通常0.5〜10モル当量、好ましくは1〜3モル当量、酸化ジブチルすず(IV)は通常0.01〜3モル当量、好ましくは0.05〜1モル当量程度、反応温度は通常0℃〜200℃、好ましくは50°〜150℃、反応時間は通常10〜48時間、好ましくは15〜30時間程度、さらに例えば2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル環に変換するにはシアノ基を有する化合物に、例えばヒドロキシルアミンを反応させ、さらにそれで得られた化合物をカルボニル化すること等により得ることができる。シアノ基を有する化合物に、ヒドロキシルアミンを反応させるには、炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の塩基存在下、溶媒として、メタノール,エタノール,プロパノール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド,アセトニトリル等の溶媒中、シアノ基を有する化合物1モルに対し、塩酸ヒドロキシルアミン通常1〜10当量、好ましくは1〜3当量、反応温度は30°〜150℃、好ましくは50°〜100℃、反応時間は1〜24時間、好ましくは5〜10時間程度。得られた化合物をカルボニル化するには、カルボニル化剤としては、カルボジイミダゾール,フォスゲン等を用い、溶媒としては、ジエチルエーテル,テトラヒドロフォスゲン,ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン,クロロホルム等のハロゲン系溶媒、酢酸エチルエステル中、カルボニル化剤を1〜10モル当量、好ましくは1〜3モル当量、反応温度は30°〜150℃、好ましくは50°〜100℃、反応時間は1〜24時間、好ましくは3〜100時間程度である。
【0034】
この時、合成中間体のXに相当する部分がエステル化されたカルボキシル基又はカルボキシル基の光学活性な化合物は、例えばWO95/21834の記載の方法に従って、対応するラセミ体を得て、光学活性なアミノ酸と反応させてアミド結合を生成させた後、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等を用い、光学活性異性体を分離精製し、その後アミド結合を再度切断することによって(3R,5S)体を得ることができる。あるいは、例えば、式
【化23】
Figure 0004021612
〔式中、Piv はピバロイル基を示し、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる工程で酵素的不斉加水分解を行い、ベンジルアルコール誘導体の光学活性異性体(S体)を得、この化学活性異性体を出発原料にして、EPA567026に記載の方法に従い、上記記載の化合物(I’)の(3R,5S)を得てもよい。
以上の方法によって得られる化合物は、たとえば再結晶、蒸留,クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により単離、精製することができる。かくして得られる本発明の化合物が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法(例えば、中和など)によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
得られる化合物が光学活性体である場合は、通常の光学分割手段により、d体、1体に分離することができる。
【0035】
本発明における式(I)で表わされる化合物またはその塩(以下、その塩も含めて、単に式(I)の化合物又は化合物(I)と称することがある)は、低毒性であり、スクアレン合成酵素阻害作用、トリグリセライド低下作用を有し、すぐれた脂質低下作用を有するので、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、犬、ネコ、牛、豚、ヒト等)高コレステロール血症、高トリグリセライド血症等の高脂血症の予防又は治療に有用であり、また腎炎,腎症などの腎疾患、動脈硬化、虚血性疾患、心筋梗塞、狭心症、動脈瘤、脳動脈硬化、抹消動脈硬化症、血栓症、糖尿病(例えば、インスリン抵抗性に基づく型など)、膵障害、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再狭搾の予防または治療に有用である。
【0036】
以下、本発明の有用性をさらに詳しく述べる。
式(I)の化合物のトリグリセライド低下作用及びコレステロール低下作用並びにそれらの生物学的性質を考えると、高脂血症、特に高トリグリセライド血症、高リポタンパク血症および高コレステロール血症並びにそれから生じるアテローム性動脈硬化血管病変およびそれらの続発性、例えば、冠動脈疾患、脳虚血、間欠性跛行、壊疽等の治療および予防に特に適している。
これらの疾患の治療において、一般式(I)の化合物は単独で治療のために使用されてもよく、またはその他の脂質低下薬またはコレステロール低下薬を含む他の医薬成分と共に使用されてもよく、この場合、これらの化合物は経口製剤として投与されることが好ましく、また必要により直腸製剤として坐薬の形態で投与されてもよい。この場合の可能な組み合わせ成分は、例えばフィブレート類〔例、クロフィブレート、ベンザフィブレート、ジェムフィプロジル等〕,ニコチン酸、その誘導体および類縁体〔例、アシピモックスおよびプロブコール〕,胆汁酸結合樹脂〔例、コレスチラミン、コレスチポール等〕,コレステロール吸収を抑制する化合物〔例、シトステロールやネオマイシン等〕,コレステロール生合成を阻害する化合物〔例、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン等のHMG−CoA還元酵素阻害薬〕,スクアレンエポキシダーゼ阻害薬〔例、NB−598および類縁化合物等〕が挙げられる。
更に別の可能な組み合わせ成分は、オキシドスクアレン−ラノステロールサイクラーゼ、例えばデカリン誘導体、アザデカリン誘導体およびインダン誘導体である。
【0037】
加えて、一般式(I)の化合物は、高カイロミクロン血症に関連する疾患、例えば、急性膵炎の治療に適している。膵炎発症の機序については、カイロミクロンによって膵毛細血管に微小塞栓がおこる、あるいは高カイロミクロン血症のため膵リパーゼによってトリグリセライドが分解されて生成する遊離脂肪酸が増加し局所を強く刺激するためにおこるともいわれている。したがって、本発明の式(I)の化合物はトリグリセライド低下作用を有するので膵炎の治療が可能であり、単独で、または既知の治療法と組み合わせて膵炎の治療に使用し得る。本疾患の治療のために、式(I)の化合物は経口投与または局所投与でき、またはそれらは単独であるいは既知の活性化合物と組み合わせて使用し得る。この場合の可能な組み合わせ成分は、例えば抗酵素療用にアプロチニン(トラジロール),メシル酸ガベキサート(エフオーワイFOY),メシル酸ナファモスタット(フサン),シチコリン(ニコリン),ウリナスタチン(ミラクリッド)等があげられる。又疼痛の除去の目的で、抗コリン作動薬、非麻薬性鎮痛薬、麻薬も使用される。
一般式(I)の化合物の更に注目に値する適用例として、続発性高脂血症がある。これには、糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群あるいは慢性腎不全などが含まれ、これらの疾患によって高脂血症が発症するのが多くの場合、高脂血症がこれらの疾患を憎悪させる、いわゆる悪循環を形成しているといわれている。脂質低下作用から考えて、一般式(I)の化合物はこれらの疾患の治療および進展予防にも適しており、その際それらは単独で、または以下に挙げる医薬と組み合わせて投与できる。
【0038】
糖尿病治療薬:キネダック,ベンフィル,ヒューマリン,オイグルコン,グリミクロン,ダオニール,ノボリン,モノタード,インシュリン類,グルコバイ,ジメリン,ラスチノン,バシルコン,デアメリンS,イスジリン類;
甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺(チレオイド),レボチロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロニジンナトリウム(サイロニン、チロミン);ネフローゼ症候群治療薬:通常、第一選択として採用されるステロイド療法には、プレドニゾロン(プレドニン),コハク酸プレドニゾロンナトリウム(プレドニン),コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル・メドロール),ベタメタゾン(リンデロン)等が用いられる。又抗凝固療法にはジピリダモール(ベルサンチン),塩酸ジラゼプ(コメリアン)等の抗血小板薬が用いられる;
慢性腎不全治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシックス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイアート)〕,降圧薬(例、ACE阻害薬、(マレイン酸エナラプリル(レニベース))及びCa 拮抗薬(マニンヒロン)、α受容体遮断薬などと組み合わせて、投与する際、好ましくは経口投与で使用し得る。
【0039】
本発明の一般式(I)の化合物の更に可能な用途は、血栓形成の抑制である。血中トリグリセライド値と血液凝固に関与する第VII因子とは正相関し、ω−3系脂肪酸の摂取によりトリグリセライドが低下すると共に、凝固は抑制されることから、高TG血症が血栓形成を促進するとも考えられている。また、正脂血症者よりも高脂血症患者のVLDLが血管内皮細胞からのプラスミノーゲンアクチベータインヒビター分泌を強く増加させたことから、トリグリセライド(以下TG)が線溶能を低下させるとも考えられる。それゆえ、TG低下作用から考えて、一般式(I)の化合物は血栓形成の予防および治療に適している。その際それらは単独で、または既知の下記治療薬と組み合わせて、好ましくは経口投与で使用し得る。
血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬〔例、ヘパリンナトリウム,ヘパリンカルシウム,ワルファリンカルシウム(ワーファリン)〕,血栓溶解薬〔例、ウロキナーゼ〕,抗血小板薬〔例、アスピリン,スルフィンピラゾロ(アンツーラン),ジピリダモール(ペルサンチン),アクロピジン(パナルジン),シロスタゾール(プレタール)〕
化合物(I)は経口的に、あるいは非経口的に、注射、点滴、吸入法、直腸投入、あるいは局所投与により用いることができ、そのま、あるいは医薬品組成物の製剤(例えば、粉末、顆粒、錠剤、ピル剤、カプセル剤、注射剤、シロプップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤など)として用いることができる。すなわち少なくとも一つの本発明の化合物を単独で、あるいは医薬として許容される担体(アジュバンド剤、賦形剤、補形剤及び/又は希釈剤など)と混合して用いることができる。
【0040】
医薬用の組成物は通常の方法にしたがって製剤化することができる。かかる製剤は通常活性成分を賦型剤、希釈剤、担体等の添加剤と混合/練合することにより製造することができる。本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含むものである。注射用調剤、例えば、無菌注射用水性懸濁物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製されうる。その無菌注射用調剤は、また、例えば水溶液などの非毒性の非経口投与することのできる希釈剤あるいは溶剤中の無菌で注射のできる溶液または懸濁液であってよい。使用することのできるベーヒクルあるいは溶剤として許されるものとしては、水、リンゲル液、等張食塩液などがあげられる。さらに、通常溶剤または懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いられうる。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪性油又は脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグリセライド類も含められる。
直腸投与用の座剤は、その薬物と適当な非刺激性の補形剤、例えば、ココアバターやポリエチレングリコール類といった常温では固体であるが腸管の温度では液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものなどと混合して製造されることができる。
【0041】
経口投与用の固形投与剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記したものがあげられる。そのような剤型の製剤は、活性成分化合物と、少なくとも一つの添加物、例えば、ショ糖、乳糖(ラクトース)、セルロース糖、マンニトール(D−マンニトール)、マルチトール、デキストラン、デンプン類(例、コーンスターチ)、微結晶セルロース、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合成又は半合成のポリマー類又はグリセリド類とを混合及び/又は練合することにより製造することができる。そのような剤型物はまた、通常の如く、さらなる添加物を含むことができ、例えば不活性希釈剤、ステアリン酸、マグネシウムなどの滑沢剤、パラベン類、ソルビン類などの保存剤、アスコルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗酸化剤、崩壊剤(例、フロスカロメロースナトリウム)、結合剤(例、ヒドロキシプロピルセルロース)、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤などがあげられる。錠剤及びピル剤はさらにエンテリックコーティングされて製造されることもできる。経口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などがあげられ、それらは当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、例えば水及び必要により添加物を含んでいてよい。これら経口用液剤は、活性成分化合物と不活性希釈剤、及び必要により他の添加剤を混合する等慣用方法に従い、製造することができる。
【0042】
経口投与剤には剤形にもよるが、通常0.01〜99W%、好ましくは0.1〜90W%通常0.5〜50%の本発明の活性成分化合物を配合するのがよい。
ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わせ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
本発明の化合物(I)を含有してなるトリグリセライド低下剤等の脂質低下剤は、低毒性で安全に使用することができ、その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、高脂血症予防、治療剤として使用する場合、成人(体重約60kgとして)1日当たりの投与量は、経口剤の場合有効成分〔化合物(I)〕として、約1〜500mg、好ましくは約10〜200mgであり、非経口剤の場合、有効成分として約0.1〜100mg、好ましくは約1〜50mg、通常約1〜20mgであり、この範囲では何ら毒性は見られない。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に実施例、製剤例、実験例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
実施例1
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−カルボン酸 メチルエステル
【化24】
Figure 0004021612
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸(0.5g)とピペリジン−4−カルボン酸 メチルエステル塩酸塩0.25gのジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、室温でシアノりん酸ジエチルエステル(0.28g)とトリエチルアミン(0.38ml)を加え1時間撹拌した。水(100ml)と酢酸エチルエステル(100ml)を加え、有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗絛後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1(v/v))で分離精製し、融点124−126℃の無色結晶0.62gを得た。
元素分析値 C3139ClN27・0.3H2Oとして
理論値:C 62.84 H 6.74 N 4.73
実測値:C 62.78 H 6.69 N 4.72
【0045】
実施例2
実施例1と同様の方法により、〔表1〕に示す化合物を得た。
【表1】
Figure 0004021612
Figure 0004021612
Figure 0004021612
Figure 0004021612
【0046】
実施例3
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−カルボン酸
【化25】
Figure 0004021612
実施例1で得た化合物(0.5g)を1規定水酸化ナトリウム水溶液(4ml),メタノール(10ml),テトラヒドロフラン(5ml)の混合溶液に溶解し、室温で1時間撹拌した。1規定塩酸(50ml)と酢酸エチルエステル(100ml)を加え、有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除き、残渣をヘキサン−ジエチルエーテルより再結晶し、融点145−147℃の無色結晶0.47gを得た。
元素分析値 C3037ClN27・0.3H2Oとして
理論値:C 62.29 H 6.55 N 4.84
実測値:C 62.20 H 6.65 N 4.83
【0047】
実施例4
実施例2で得た化合物を、実施例3と同様にして、〔表2〕で示す化合物を得た。
【表2】
Figure 0004021612
Figure 0004021612
Figure 0004021612
Figure 0004021612
【0048】
実施例5
3−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミノ〕プロピルアミン 塩酸塩
【化26】
Figure 0004021612
実施例6−31で得た化合物(0.2g)とヒドラジン・一水和物(0.10g)のエタノール溶液を70℃で1時間加熱撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え水洗後、乾燥し、溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルエステル(50ml)に溶解し、それに4規定塩化水素の酢酸エチルエステル溶液(0.1ml)を加え、溶媒を留去後、残渣をエタノール−ジエチルエーテルより再結晶し、融点158−163℃の無色結晶50mgを得た。
元素分析値 C2737Cl235・1.7H2Oとして
理論値:C 55.42 H 6.92 N 7.18
実測値:C 55.21 H 6.90 N 7.12
【0049】
実施例6
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸を用い実施例1と同様の操作により〔表3〕に示す化合物を得た。
【表3】
Figure 0004021612
Figure 0004021612
Figure 0004021612
Figure 0004021612
【0050】
実施例7
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−(1H(又は3H)−テトラゾリル−5−イル)メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン
【化27】
Figure 0004021612
(1) (3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸(2.0g),塩化アンモニウム(1.2g),トリエチルアミン(1.0ml)のジメチルホルムアミド溶液を氷冷し、それにシアノりん酸ジエチルエステル(0.85g)とトリエチルアミン(0.5ml)を加え、さらに20分間撹拌した。氷水を加え、酢酸エチルエステルで抽出後、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルより再結晶し、融点170−172℃の無色結晶である(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸アミド1.0gを得た。
【0051】
(2) (1)で得た化合物(3.2g)と塩化チオニル(1.8ml)をトルエン(40ml)に懸濁させ、110−120℃で1時間加熱撹拌した。溶媒を除き、酢酸エチルエステル(100ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加え、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチルエステル=3:1(v/v))で精製し、融点193−194℃の無色結晶(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−シアノメチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン1.7gを得た。
(3) (2)で得た化合物(1.7g)のトルエン(20ml)溶液に、トリメチルシリルアジド(0.45g),酸化ジブチルすず(IV)(30mg)を加え、110−120℃で24時間加熱撹拌した。濃縮後、ジエチルエーテル(20ml)を加え、水酸化ナトリウム水溶液で洗い、水層を1規定塩酸で酸性にした後、酢酸エチルエステルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去後、残渣をジクロロメタン−ヘキサンより再結晶し、融点148−150℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C2428ClN54・0.5H2Oとして
理論値:C 58.24 H 5.91 N 14.15
実測値:C 58.43 H 6.18 N 13.76
【0052】
実施例8
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−3−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル−3−イル)メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン
【化28】
Figure 0004021612
実施例7−(2)で得た化合物(0.5g),塩酸ヒドロキシルアミン(0.25g),炭酸ナトリウム(0.55g)をエタノール(15ml)に加え、8時間加熱還流させた。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルエステル(20ml)と水(20ml)を加え、有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣(0.55g)とカルボジイミダゾリル(0.5g),トリエチルアミン(0.3ml)を酢酸エチルエステル(30ml)に加え、6時間加熱還流させた。反応液を水洗し、乾燥後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン:メタノール:H2O=250:5:0.5(v/v))で分離精製し、融点130−133℃の無色結晶0.44gを得た。
元素分析値 C2528ClN36として
理論値:C 59.82 H 5.62 N 8.37
実測値:C 59.57 H 5.78 N 7.97
【0053】
実施例9
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−(テトラゾリル−5−イル)メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン ナトリウム塩
【化29】
Figure 0004021612
実施例7で得た化合物(0.6g)のメタノール(10ml)溶液に1規定水酸化ナトリウム(1.02ml)を加え減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルエステル(30ml)に溶解し、減圧濃縮した。得られる粉末に、ジエチルエーテル(20ml)を加え濾取し、白色粉末0.61gを得た。
元素分析値 C2427ClN54Na・H2Oとして
理論値:C 54.81 H 5.56 N 13.31
実測値:C 54.59 H 5.82 N 13.03
【0054】
実施例10
5−〔2−〔N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−イル〕〕−1H(又は3H)−テトラゾール
【化30】
Figure 0004021612
実施例6−29で得た化合物(0.3g)より、実施例7−(3)と同様の操作により、融点185−187℃の無色結晶0.25gを得た。
元素分析値 C3037ClN65・H2Oとして
理論値:C 58.58 H 6.39 N 13.66
実測値:C 58.84 H 6.15 N 13.46
【0055】
実施例11
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾリル−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン
【化31】
Figure 0004021612
(1) (S)−4−クロロ−2−(2,3−ジメトキシ−α−ヒドロキシベンジル)アニリン(2.0g),炭酸水素ナトリウム(0.86g)の酢酸エチルエステル(20ml)溶液に、塩化ジメチルマロン酸モノエチルエステル(1.3g)の酢酸エチルエステル(20ml)溶液を滴下し、氷冷下3時間撹拌した。溶液に水(30ml)を加え、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、無色油状化合物である(S)−2−〔N−(2,3−ジメトキシ−α−ヒドロキシベンジル)−4−クロロフェニル〕カルバモイル〕−2,2−ジメチル酢酸 エチルエステル(2.92g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.22(3H,t,J=7.4Hz), 1.37(3H,s), 1.42(3H,s), 3.84(3H,s), 3.89(3H,s), 4.05-4.19(3H,m), 6.01(1H,s), 6.61(1H,dd,J=1.8, 7.4Hz), 6.90-7.05(3H,m), 7.28(1H,dd,J=3.0, 8.8Hz), 8.07(1H,d,J=8.4Hz), 9.49(1H,br)
【0056】
(2) (1)で得た化合物(2.83g)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、水素化リチウムアルミニウム(0.5g)を氷冷下加え、3時間室温で撹拌した。反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(13ml)と水(50ml)を加え、不溶物を濾去した。濾液を酢酸エチルエステルで抽出し、水洗後乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1(v/v))で分離精製し、無色の油状化合物として、(S)−〔5−クロロ−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)アミノフェニル〕(2,3−ジメトキシフェニル)メタノール(0.88g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.91(3H,s), 0.93(3H,s), 2.95(2H,s), 3.37(2H,s), 3.83(3H,s), 3.88(3H,s), 5.99(1H,s), 6.63(1H,d,J=8.8Hz), 6.77(1H,dd,J=1.6, 7.6Hz), 6.90(1H,dd,J=1.6, 7.6Hz), 7.03(1H,d,J=2.6Hz), 7.03(1H,t,J=7.6Hz), 7.13(1H,dd,J=2.6, 8.8Hz)
(3) (2)で得た化合物(0.88g)の酢酸エチルエステル(10ml)溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.39g)を加え、それに塩化フマル酸モノエチルエステル(0.45g)の酢酸エチルエステル(10ml)溶液を加え、室温で30分間撹拌した。反応溶液を水洗後、乾燥し、溶媒を留去した。残留物をエタノール(10ml)に溶解し、それに炭酸カリウム(0.70g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液に酢酸エチルエステル(50ml)を加え、水洗後乾燥し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルエステル−ヘキサンより再結晶し、融点188−190℃の無色結晶として、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸 エチルエステル(0.57g)を得た。
【0057】
(4) (3)で得た化合物(0.5g)をテトラヒドロフラン(5ml)とエタノール(3ml)の混合溶媒に溶かし、1規定水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え60℃で20分間加熱撹拌した。水(50ml)を加え、酢酸エチルエステルで抽出後、乾燥し、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルエステル−ヘキサンより再結晶し、融点199−202℃の無色結晶として、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸(0.33g)を得た。
(5) (4)で得た化合物(2g)と3−アミノプロピオニトリル(0.29g)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液に、室温でシアノりん酸ジエチルエステル(0.75g)とトリエチルアミン(0.51g)を加え、30分間撹拌した。それに酢酸エチルエステル(100ml)を加え、水洗後乾燥し、溶媒を留去した。残渣をヘキサンより再結晶し、融点118−121℃の無色結晶として、3−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕アミノプロピオニトリル(2.25g)を得た。
【0058】
(6) (5)で得た化合物(2g)と無水酢酸(0.39g)をピリジン(20ml)に溶解し、それにジメチルアミノピリジン(0.1g)を加え、室温で30分間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルエステル(100ml)に溶解させた後、1規定塩酸、水で洗絛した。溶液を乾燥し、溶媒を留去することにより、無色の非結晶状固体として、3−〔(3R,5S)−1−(3−アセチルオキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕アミノプロピオニトリル(2.2g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.95(3H,s), 1.01(3H,s), 2.03(3H,s), 2.55-2.71(2H,m), 2.92(1H,dd,J=8.0, 14.4Hz), 3.41-3.59(3H,m), 3.62(3H,s), 3.72(1H,d,J=11.2Hz), 3.86(1H,d,J=11.2Hz), 3.90(3H,s), 4.33(1H,dd,J=5.0, 8.0Hz), 4.56(1H,d,J=14.2Hz), 6.26(1H,s), 6.50-6.60(1H,br), 6.64(1H,s), 6.97-7.38(5H,m)
(7) (6)で得た化合物(2.2g),トリフェニルホスフィン(2.0g),ジエチルアゾジカルボキシレート(0.87g),トリエチルシリルアジド(1.3g)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を60℃で2時間加熱撹拌した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチルエステル=1:1(v/v))で分離精製し、無色油状化合物として、(3R,5S)−7−クロロ−3−〔1−(2−シアノエチル)−1H−テトラゾ−ル−5−イル〕メチル−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オンを得た。この化合物をメタノール(10ml)とテトラヒドロフラン(10ml)の混合溶媒に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(8ml)を加え、60℃で1時間加熱撹拌した。反応液に水(50ml)を加え、1N−塩酸で酸性にした後、酢酸エチルエステルで抽出した。乾燥後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルエステル−ヘキサンより再結晶し、融点158−160℃の無色結晶0.96gを得た。
元素分析値 C2428ClN55として
理論値:C 57.43 H 5.62 N 13.95
実測値:C 57.55 H 5.58 N 13.75
【0059】
実施例12
実施例11−(4)で得た化合物から、実施例1と同様の操作により〔表4〕に示す化合物を得た。
【表4】
Figure 0004021612
【0060】
実施例13
実施例12で得た化合物を、実施例3と同様の操作により〔表5〕に示す化合物を得た。
【表5】
Figure 0004021612
【0061】
実施例14
N−(γ−トルエンスルホニル)−(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化32】
Figure 0004021612
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸(0.5g),p−トルエンスルホンアミド(0.22g)のジクロロメタン溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.27g)とジメチルアミノピリジン(20mg)を加え、室温で3時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣を酢酸エチルエステル(100ml)に溶解し、水洗後、溶液を乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン:メタノール:水=200:10:1(v/v))で分離精製し、融点110−113℃の無色結晶0.6gを得た。
元素分析値 C3135ClN27S・H2Oとして
理論値:C 58.81 H 5.89 N 4.42
実測値:C 58.73 H 5.73 N 4.62
【0062】
実施例15
N−メチルスルホニル−〔N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン〕4−アセトアミド
【化33】
Figure 0004021612
実施例4−2で得たN−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸(0.5g)とメチルスルホン酸アミド(0.4g)を用い、実施例14と同様の操作により、融点158−160℃の無色結晶0.3gを得た。
元素分析値 C3242ClN38S・0.5H2Oとして
理論値:C 57.09 H 6.44 N 6.24
実測値:C 56.85 H 6.47 N 6.09
【0063】
実施例16
N−メチルスルホニル−(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化34】
Figure 0004021612
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸とメチルスルホン酸アミドから実施例14と同様な操作により融点212℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C2531ClN27として
理論値:C 55.70 H 5.80 N 5.20
実測値:C 55.95 H 6.01 N 4.99
【0064】
実施例17
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸とオルトメチルフェニルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、イソプロピルスルホンアミド、エチルスルホンアミドとから、実施例14と同様の操作により〔表6〕に示す化合物を得た。
【表6】
Figure 0004021612
【0065】
実施例18
N−メチルスルホニル−〔N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン〕−4−カルボキサミド
【化35】
Figure 0004021612
実施例3で得た化合物と(0.5g)とメタンスルホンアミド(0.1g)を用い、実施例14と同様の操作により、融点187−189℃の無色結晶0.41gを得た。
元素分析値 C3140ClN38S・1/2H2Oとして
理論値:C 56.48 H 6.27 N 6.37
実測値:C 56.28 H 6.41 N 6.29
【0066】
実施例19
(3R,5S)−N−メチルスルホニル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化36】
Figure 0004021612
実施例11−(4)で得た化合物(0.4g)とメタンスルホンアミド(0.1g)を用い、実施例14と同様の操作により、融点221−223℃の無色結晶0.075gを得た。
元素分析値 C2531ClN28Sとして
理論値:C 54.10 H 5.63 N 5.05
実測値:C 54.30 H 5.69 N 4.87
【0067】
実施例20
(3R,5S)−N−メチルスルホニル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフエニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化37】
Figure 0004021612
(1) オキザリルクロリド(2.2ml)のジクロロメタン(120ml)溶液に、ジメチルスルホキシド(2.4ml)のジクロロメタン(20ml)溶液を−78℃で滴下した。10分間−78℃で撹拌後、5−(ヒドロキシメチル)−2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(2g)のジクロロメタン(40ml)溶液を加え、さらに−78℃で15分間撹拌した。この溶液にトリエチルアミン(13.2ml)を加え、0℃に昇温後、飽和塩化アンモニム水溶液(40ml)を加えた。有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル(3:1))で分離精製し2gの無色油状化合物のアルデヒドを得た。このアルデヒド2gのメタノール溶液に、(S)−4−クロロ−2−〔α−ヒドロキシ−(2,3−ジメトキシフェニル)メチル〕アニリン(3.3g)と酢酸(0.75g)を加え、室温で10分間撹拌した後、シアン化水素化ホウ素ナトリウム(0.8g)を加え、60℃で終夜加熱撹拌した。水を加え、酢酸エチルエステルで抽出後、1規定水酸化ナトリウム水溶液、水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除き残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル(2:1))で分離精製し、3.7gの無色油状化合物、(S)−〔2−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イルメチル)アミノ−5−クロロフェニル〕(2,3−ジメトキシフェニル)メタノールを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.81(3H,s), 1.38-1.45(6H,m), 3.22(2H,s), 3.30-3.40(1H,br), 3.60(4H,s), 3.83(3H,s), 3.89(3H,s), 4.90-5.00(1H,br), 5.97(1H,s), 6.71-7.27(6H,m)
【0068】
(2) (1)で得た化合物(3.7g)の酢酸エチルエステル(40ml)溶液に、炭酸水素ナトリウム(1.78g)を加え、それに塩化フマル酸モノエチルエステル(1.41g)を0℃で加え、室温で30分間撹拌した。溶液に水を加え、有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去することにより得た残留物(5.2g)のエタノール(100ml)溶液に、炭酸カリウム(1.1g)を加え、室温で終夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルエステルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル(2:1)→酢酸エチルエステル)で分離精製し、無色非結晶性固体の(3R,5S)−7−クロロ−1−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イルメチル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸 エチルエステル(A)(2.65g)及び(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸 エチルエステル(B)(1.12g)を得た。
A:1H−NMR(CDCl3)δ: 0.95(3H,s), 1.24(3H,t,J=7.0Hz), 1.36, 1.39(each 3H,s), 2.77(1H,dd,J=5.8, 16.4Hz), 3.04(1H,dd,J=7.8, 16.4Hz), 3.29(1H,d,J=12.2Hz), 3.40(1H,d,J=12.2Hz), 3.58(3H,s), 3.68(2H,s), 3.89(3H,s), 4.07-4.19(3H,m), 4.40(1H,dd,J=5.8, 7.8Hz), 4.48(1H,d,J=14.2Hz), 6.16(1H,s), 6.63(1H,d,J=1.8Hz), 6.95-7.45(6H,m)
B:1H−NMR(CDCl3)δ: 0.62(3H,s), 1.25(3H,t,J=7.0Hz), 2.78(1H,dd,J=5.2, 16.6Hz), 3.07(1H,dd,J=8.2, 16.6Hz), 3.39-3.80(4H,m), 3.60(3H,s), 3.89(3H,s), 4.13(2H,dq,J=1.8, 7.0Hz), 4.20-4.28(1H,m), 4.41(1H,dd,J=5.2, 18.2Hz), 4.85(1H,d,J=14.6Hz), 6.12(1H,s), 6.63(1H,s), 6.89-7.39(6H,m)
【0069】
(3) (2)で得た化合物(A)(2.25g)のエタノール溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(4.0ml)を加え、60℃で1時間加熱撹拌した。水を加え、1規定塩酸で中和後、酢酸エチルエステルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、無色非結晶性固体の(3R,5S)−7−クロロ−1−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イルメチル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸を2.3g得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.95(3H,s), 1.35, 1.39(each 3H,s), 2.84(1H,dd,J=5.4, 16.4Hz), 3.08(1H,dd,J=7.8, 16.4Hz), 3.28(1H,d,J=12.2Hz), 3.41(1H,d,J=12.2Hz), 3.58(3H,s), 3.69(2H,s), 3.89(3H,s), 4.16(1H,d,J=13.8Hz), 4.35(1H,dd,J=5.4, 7.8Hz), 4.89(1H,d,J=13.8Hz), 6.16(1H,s), 6.65(1H,d,J=2.0Hz), 6.96-7.47(5H,m)
(4) (3)で得た化合物(0.15g)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液に、メタンスルホンアミド(29mg)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(65mg)とジメチルアミノピリジン(10mg)を加え、室温で終夜撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をアセトン(2ml)に溶解し、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.1g)を加え、室温で終夜撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をエチルエーテル−ヘキサン(1:1)の混合溶媒で洗い、濾取することにより無色非結晶性固体40mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.63(3H,s), 2.85-2.92(2H,m), 3.28(3H,s), 3.25-3.70(5H,m), 3.59(3H,s), 3.89(3H,s), 4.43(1H,t,J=6.1Hz), 4.78(1H,d,J=14.2Hz), 6.16(1H,s), 6.67(1H,s), 6.95-7.40(6H,m)
【0070】
実施例21
N−メチルスルホニル−〔N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン〕−4−アセトアミド
【化38】
Figure 0004021612
実施例13−1で得た化合物(0.5g)とメタンスルホンアミド(0.1g)を用い、実施例14と同様の操作により、融点175−180℃の無色結晶90mgを得た。
元素分析値 C3242ClN39Sとして
理論値:C 56.50 H 6.22 N 6.18
実測値:C 56.70 H 6.50 N 5.90
【0071】
実施例22
(3R,5S)−N−ホスホノメチル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化39】
Figure 0004021612
実施例2−38で得た化合物(1.0g)のジクロロメタン(5ml)溶液に臭素化トリメチルシリル(0.38g)を加え、室温で終夜撹拌した。酢酸エチルエステル(100ml)を加え、0.5規定水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をエタノール−ジエチルエーテル(1:10)の混合溶媒より再結晶し、融点152−155℃の無色結晶0.41gを得た。
元素分析値 C2532ClN28P・1.7H2Oとして
理論値:C 51.28 H 6.09 N 4.78
実測値:C 51.20 H 6.11 N 4.77
【0072】
実施例23
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕−4−ホスホノメチルピペリジン
【化40】
Figure 0004021612
実施例2−37で得た化合物(2g)より実施例22と同様の操作により融点174−175℃の無色結晶1gを得た。
元素分析値 C3041ClN28Pとして
理論値:C 56.12 H 6.75 N 4.36
実測値:C 55.95 H 6.58 N 4.05
【0073】
実施例24
5−〔〔N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−イル〕メチル〕−1H(又は3H)−テトラゾール
【化41】
Figure 0004021612
(1) 実施例4−2で得た化合物(1.5g)と塩化アンモニウム(0.7g)のジメチルホルムアミド(12ml)溶液に0℃で、トリエチルアミン(2.0ml)とシアノりん酸ジエチル(0.5g)を加え40分間撹拌した。水を加えた後、酢酸エチルエステルで抽出し、水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をヘキサン−酢酸エチルエステルより再結晶し、融点189−190℃のアミド化合物1.3gを得た。
(2) (1)で得た化合物(1.0g)のトルエン(20ml)の懸濁液に、塩化チオニル(1ml)を加え、90℃で30分間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウムを加え、酢酸エチルエステルで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル−メタノール(15:10:1))で分離精製し、有機層150−152℃の無色結晶0.69gを得た。
(3) (2)で得た化合物(0.4g)とトリメチルシリルアジド(0.16g)、酸化ジブチルすず(IV)(20mg)を用い、実施例7−(3)と同様の操作により融点168−170℃の無色結晶0.37gを得た。
元素分析値 C3139ClN65・H2Oとして
理論値:C 59.18 H 6.58 N 13.36
実測値:C 59.16 H 6.43 N 13.03
【0074】
実施例25
5−〔2−〔N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−イル〕エチル〕−1H(又は3H)−テトラゾール
【化42】
Figure 0004021612
実施例4−34で得た化合物(0.3g)を実施例24と同様の操作により、融点155−158℃の無色結晶0.25gを得た。
元素分析値 C3241ClN65・H2Oとして
理論値:C 59.76 H 6.74 N 13.07
実測値:C 59.91 H 6.75 N 12.87
【0075】
実施例26
(3R,5S)−N−ビス(エトキシ)ホスフィニルメチル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化43】
Figure 0004021612
実施例11−(4)で得た化合物(1.0g)とジエチル アミノメチルホスホネート(0.38g)を用い、実施例1と同様の操作により、融点138−140℃の無色結晶1.24gを得た。
元素分析値 C2940ClN29Pとして
理論値:C 55.55 H 6.43 N 4.47
実測値:C 55.25 H 6.47 N 4.44
【0076】
実施例27
(3R,5S)−N−ホスホノメチル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化44】
Figure 0004021612
実施例26で得た化合物(0.3g)を実施例22と同様の操作により、非結晶性固体0.26gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.84(3H,s), 0.93(3H,s), 2.75-2.82(2H,m), 3.20(1H,d,J=11.4Hz), 3.40-3.70(3H,m), 3.58(3H,s), 3.89(3H,s), 4.35-4.46(2H,m), 6.18(1H,s), 6.53(1H,d,J=2.2Hz), 7.08-7.61(5H,m)
【0077】
実施例28
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕−4−(ビスピバロイルオキシメチル)ホスフィニルメチルピペリジン
【化45】
Figure 0004021612
実施例23で得た化合物(0.15g)と水酸化カリウム(28.2mg)の水(1.5ml)溶液に硝酸銀(102mg)の水(0.5ml)溶液を加えた。溶液を15分間撹拌し、不溶物を濾取し、水、ジエチルエーテルで洗い、減圧下乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(2ml)に懸濁し、モレキュラーシーブ(3A)(200mg)を加え、40分撹拌した。混合物にアニソール(0.1g)とヨウ化ピバロイルオキシメチル(0.27g)を加え、室温で40分間撹拌し不溶物を濾取した。濾液に酢酸エチルエステル(50mg)を加え、水洗、乾燥後溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル(1:1))で分離精製し、無色非結晶性固体56mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.94(9H,s), 1.23(18H,s), 1.50-1.95(7H,m), 2.54-2.75(2H,m), 2.97-3.18(2H,m), 3.37(1H,d,J=14.4Hz), 3.62(3H,s), 3.89(3H,s), 3.90-4.00(1H,m), 4.48-4.54(3H,m), 5.64(2H,s), 5.70(2H,s), 6.27(1H,s), 6.59(1H,s), 6.95-7.33(5H,m)
【0078】
実施例29
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−1−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イルメチル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル
【化46】
Figure 0004021612
実施例20−(3)で得た化合物(2g)とピペリジン−4−酢酸 エチルエステル塩酸塩(0.7g)を用い実施例1と同様の操作により、無色非結晶性固体2.4gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.96(3H,s), 1.25(3H,t,J=7.2Hz), 1.36, 1.39(each 3H,s), 1.65-1.82(4H,m), 1.85-2.08(1H,m), 2.18-2.26(2H,m), 2.49-2.63(1H,m), 2.73(1H,dd,J=4.8, 15.8Hz), 2.92-3.06(1H,m), 3.12(1H,dd,J=8.2, 15.8Hz), 3.31(1H,d,J=12.0Hz), 3.40(1H,d,J=12.0Hz), 3.58(3H,s), 3.65(1H,d,J=11.8Hz), 3.73(1H,d,J=11.8Hz), 3.89(3H,s), 3.94-3.99(1H,m), 4.04-4.18(3H,m), 4.46-4.56(3H,m), 6.16(1H,s), 6.60-6.62(1H,m), 6.95-7.46(5H,m)
【0079】
実施例30
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル
【化47】
Figure 0004021612
実施例29で得た化合物(2.0g)のアセトン(20ml)溶液に、パラトルエンスルホン酸一水和物(35mg)と水(2ml)を加え、50℃で6時間加熱撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、1規定水酸化ナトリウム水溶液、水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去することにより、無色非結晶性固体1.62gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.62(3H,s), 1.00-1.34(2H,m), 1.26(3H,t,J=7.4Hz), 1.70-1.81(2H,m), 1.95-2.08(1H,m), 2.19-2.28(2H,m), 2.51-2.78(2H,m), 3.01-3.,08(1H,m), 3.17(1H,dd,J=9.0, 15.2Hz), 3.40-3.74(5H,m), 3.60(3H,s), 3.89(3H,s), 3.89-3.94(1H,m), 4.13(2H,q,J=7.4Hz), 4.48-4.54(2H,m), 4.83(1H,d,J=14.6Hz), 6.13(1H,s), 6.61(1H,d,J=1.8Hz), 6.97-7.44(5H,m)
【0080】
実施例31
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸
【化48】
Figure 0004021612
実施例30で得た化合物(1g)のエタノール(10ml)溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.6ml)を加え、60℃で2時間加熱撹拌した。水(100ml)と酢酸エチルエステル(50ml)を加え、1規定塩酸で酸性にした後、有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、無色非結晶性固体0.94gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.63(3H,s), 1.05-1.36(2H,m), 1.70-1.85(2H,m), 1.92-2.05(1H,m), 2.23-2.32(2H,m), 2.51-2.80(2H,m), 2.96-3.23(2H,m), 3.44-3.70(5H,m), 3.60(3H,s), 3.89(3H,s), 3.91-4.00(1H,m), 4.48-4.54(2H,m), 4.78(1H,d,J=15.2Hz), 6.12(1H,s), 6.61(1H,s), 6.97-7.39(5H,m)
【0081】
実施例32
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル
【化49】
Figure 0004021612
実施例30で得た化合物(0.5g)のピリジン(5ml)溶液に、無水酢酸(0.20g)とジメチルアミノピリジン(10mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に酢酸エチルエステル(50ml)を加え、1規定塩酸、水で洗った後乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチルエステル)で分離精製し、無色非結晶性固体0.50gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 1.02(3H,s), 1.00-1.40(2H,m), 1.25, 1.26(total 3H,each t,J=7.2Hz), 1.60-1.80(2H,m), 1.92-2.05(1H,m), 2.00(3H,s), 2.03(3H,s), 2.16-2.26(2H,m), 2.46-2.65(1H,m), 2.67-2.77(1H,m), 2.99-3.19(2H,m), 3.60(3H,s), 3.64-4.19(6H,m), 3.89(3H,s), 4.44-4.54(2H,m), 4.67(1H,d,J=14.6Hz), 6.23(1H,s), 6.65(1H,s), 6.96-7.34(5H,m)
【0082】
実施例33
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸
【化50】
Figure 0004021612
実施例31で得た化合物(0.5g)を用い、実施例32と同様の操作により、無色非結晶性固体0.28gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.95-1.36(2H,m), 1.03(3H,s), 1.71-1.83(2H,m), 1.93-2.07(1H,m), 2.00(3H,s), 2.05(3H,s), 2.23-2.33(2H,m), 2.48-2.63(1H,m), 2.65-2.78(1H,m), 3.00-3.18(2H,m), 3.60(3H,s), 3.65-4.14(6H,m), 3.89(3H,s), 4.46-4.56(2H,m), 4.66(1H,d,J=14.8Hz), 6.24(1H,s), 6.64(1H,s), 6.96-7.34(5H,m)
【0083】
実施例34
(3R,5S)−N−メチルスルホニル−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化51】
Figure 0004021612
実施例20で得た化合物(0.1g)と無水酢酸(39mg)、ジメチルアミノピリジン(5mg)を用い実施例32と同様の操作により、無色非結晶性固体70mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 1.00(3H,s), 2.00, 2.02(each 3H,s), 2.85(1H,dd,J=5.4, 15.4Hz), 2.98(1H,dd,J=7.2, 15.4Hz), 3.26(3H,s), 3.61(3H,s), 3.70(1H,d,J=14.2Hz), 3.84(1H,d,J=11.4Hz), 3.89(3H,s), 3.94-3.99(2H,m), 4.11(1H,d,J=11.4Hz), 4.40(1H,d,J=6.2Hz)
【0084】
実施例35
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル
【化52】
Figure 0004021612
実施例12−1で得た化合物(0.5g)を用い、実施例32と同様の操作により、無色非結晶性固体0.35gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.93(3H,s), 1.02(3H,s), 1.26(3H,t), 2.02(3H,s), 3.61(3H,s), 3.89(3H,s), 4.14(2H,q), 4.5(3H,m), 6.26(1H,s), 6.62(1H,s), 6.9-7.4(5H,m)
【0085】
実施例36
N−〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸
【化53】
Figure 0004021612
実施例13−1で得た化合物(0.37g)を用い、実施例32と同様の操作により、融点194−196℃の無色結晶0.35gを得た。
元素分析値 C3341ClN29として
理論値:C 61.44 H 6.41 N 4.34
実測値:C 61.23 H 6.18 N 4.39
【0086】
実施例37
N−〔(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕−4−ヒドロキシピペリジン−4−酢酸 メチルエステル
【化54】
Figure 0004021612
(1) 実施例20−(2)で得た(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸 エチルエステル(1.0g)のエタノール(10ml)溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.0ml)を加え60℃で1時間加熱撹拌した。水を加え1規定塩酸で中和し、酢酸エチルエステルで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、酢酸エチルエステル−ヘキサン混合溶媒より再結晶し、融点208−210℃の(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸0.38gを得た。
(2) (1)で得た化合物(0.5g)と4−ヒドロキシピペリジン−4−酢酸メチルエステル塩酸塩(0.21g)を実施例1と同様の操作により無色非結晶性固体0.25gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 1.35-1.84(6H,m), 2.47(2H,d), 2.65-2.85(1H,m), 2.95-3.28(2H,m), 3.35-3.78(7H,m), 3.62(3H,s), 3.73(3H,s), 3.90(3H,s), 4.22-4.40(12H,m), 4.52(1H,dd,), 4.84(1H,dd), 6.13(1H,d), 6.62(1H,m), 6.95-7.43(5H,m)
【0087】
実施例38
(3R,5S)−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−3−(1H(or 3H)−テトラゾリル−5−イル)メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン
【化55】
Figure 0004021612
(1) 実施例20−(3)で得た化合物(0.5g)と塩化アンモニウム(0.25g)とトリエチルアミン(0.17g)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、シアノりん酸ジエチル(0.21g)とトリエチルアミン(0.17g)を加え、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチルエステル)で分離精製し、非結晶性固体のアミド化合物0.52gを得た。
(2) ジメチルホルムアミド(41mg)のアセトニトリル(1.5ml)溶液に、0℃で塩化オキザリル(65mg)を加え、さらに10分間撹拌した。この溶液に(1)で得た化合物(0.25g)のアセトニトリル(1.5ml)溶液とピリジン(82mg)を加え、0℃で10分間撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチルエステル(2:1))で分離精製し、ニトリル化合物0.31gを得た。
【0088】
(3) (2)で得た化合物(1.0g)のトルエン(15ml)溶液にトリメチルシリルアジド(0.43g)、酸化ジブチルすず(IV)(45mg)を用い、実施例7−(3)と同様の操作により、無色非結晶凄固体の(3R,5S)−7−クロロ−1−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イルメチル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−(テトラゾリル−5−イル)メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン(1.03g)を得た。
(4) (3)で得た化合物(1.0g)のアセトン(10ml)溶液に、パラトルエンスルホン酸−水和物(50mg)と水(1mg)を加え60℃で終夜加熱撹拌した。水(50ml)を加え酢酸エチルエステルで抽出後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチルエステル−メタノール(20:1))で分離精製し、無色の非結晶性固体0.87gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.69(3H,s), 3.45(1H,dd,J=4.4, 14.4Hz), 3.56-3.75(5H,m), 3.62(3H,s), 3.90(3H,s),.4.29(1H,dd,J=4.4, 8.8Hz), 4.63(1H,d,J=15.2Hz), 6.18(1H,s), 6.67(1H,d,J=2.2Hz), 7.05-7.43(5H,m)
【0089】
実施例39
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−1,2,3,5−テトラヒドロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−3−(1H(又は3H)−テトラゾリル−5−イル)メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン
【化56】
Figure 0004021612
実施例38で得た化合物(0.77g)のピリジン(7ml)溶液に、無水酢酸(0.335g)とジメチルアミノピリジン(40mg)を加え、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、1規定塩酸、水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をエチルエーテル−ヘキサン(1:1)で洗った後濾取し、無色の非結晶性固体0.80gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 098(3H,s), 2.03, 2.04(each 3H,s), 3.40(1H,dd,J=5.2, 15.8Hz), 3.55-3.67(2H,m), 3.65(3H,s), 3.82-3.91(2H,m), 3.89(3H,s), 4.04(1H,d,J=11.6Hz), 4.18(1H,d,J=11.2Hz), 4.30(1H,dd,J=5.2, 6.6Hz), 4.66(1H,d,J=14.6Hz), 6.27(1H,s), 6.69(1H,d,J=2.2Hz), 6.95-7.42(5H,m)
【0090】
実施例40
(3R,5S)−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−7−クロロ−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−3−メチルプロピル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化57】
Figure 0004021612
(1) 実施例20−(3)で得た化合物(0.5g)とシアノりん酸ジエチル(54mg)のジメチルホルムアミド(1.5ml)溶液に、1−(2−アミノエチル)ピロリジン(0.16g)を加え、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルエステル(50ml)を加え、水洗後、乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチルエステル−メタノール−トリエチルアミン(10:1:0.1))で分離精製し、無水非結晶性固体の(3R,5S)−N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−7−クロロ−1−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イルメチル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド(0.19g)を得た。
(2) (1)で得た化合物(0.19g)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に、濃塩酸(1ml)を加え、60℃で30分間加熱撹拌した。水(50ml)を加え、1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和後、酢酸エチルエステルで抽出した。水洗、乾燥後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチルエステル−メタノール−トリエチルアミン(2:1:0.1))で分離精製し、無色非結晶性固体97mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.62(3H,s), 1.75-1.80(4H,m), 2.50-2.72(7H,m), 2.87(1H,dd,J=7.0, 14.2Hz), 3.31-3.76(7H,m), 3.59(3H,s), 3.89(3H,s), 4.45(1H,t,J=6.4Hz), 4.82(1H,d,J=15.0Hz), 6.12(1H,s), 6.35-6.50(1H,br), 6.62(1H,s), 6.99-7.37(5H,m)
【0091】
実施例41
(3R,5S)−N−メチルスルホニル−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−アセトアミド
【化58】
Figure 0004021612
実施例19で得た化合物(1.2g)を実施例39と同様の操作により融点108−112℃の無色結晶1.01gを得た。
元素分析値 C2733ClN29S・1.5H2Oとして
理論値:C 51.96 H 5.81 N 4.49
実測値:C 52.01 H 5.82 N 4.30
【0092】
実施例42
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(又は3H)−テトラゾリル−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン
【化59】
Figure 0004021612
実施例11で得た化合物(80mg)を実施例39と同様の操作により無色非結晶性固体125mgを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 0.97(3H,s), 0.99(3H,s), 2.05(3H,s), 3.3-3.8(4H,m), 3.65(3H,s), 3.89(3H,s), 4.05(1H,d), 4.28(1H,dd), 4.62(1H,d), 6.27(1H,s), 6.68(1H,d,), 6.9-7.4(5H,m)
【0093】
製剤例
本発明でいう化合物(I)またはその塩を有効成分として含有する高脂血症剤は、たとえば、次の様な処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
Figure 0004021612
(1),(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0094】
2.錠剤
Figure 0004021612
(1),(2),(3),(4)の2/3および(5)の1/2を混和後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
3.注射剤
Figure 0004021612
(1),(2),(3)を全量2mlになるように、注射用蒸留水に溶かし、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0095】
実験例1
スクアレン合成酵素阻害活性
測定法
スクアレン合成酵素阻害活性は後述の調製法に従って得た酵素液を使用して次のように測定された。
すなわち、5μM〔1−3H〕ファルネシルピロリン酸(比活性25μCi/mole)、1mMのNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、5mMのMgCl2、6mMのグルタチオン、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)及び被験薬剤(水溶液又はDMSO溶液として添加)を含む溶液(全量50μl)に、下記の調製法に従って調製した酵素液(蛋白質0.8μg)を添加し、37℃で45分間反応させた。150μl のクロロホルム・メタノール(1:2)混液を添加して反応を停止させ、ついで50μl のクロロホルム及び50μl の3N水酸化ナトリウム溶液を添加した。スクアレンを主成分とした反応生成物を含むクロロホルム層(下層)50μl とトルエン系液体シンチレータ3mlを混合し、液体シンチレーションカウンターでその放射活性を測定した。スクアレン合成酵素阻害活性は、クロロホルム層へ取り込まれる放射活性を50%阻害する濃度(IC50、モル濃度(M))で示した。結果を表7に示す。
【0096】
ヒト酵素液の調製
10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地で培養(37℃、5%CO2存在下)し、得られたヒト肝癌細胞HepG2(約1×109 cells)を10ml氷冷緩衝液〔100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、30mMニコチンアミド、2.5mMのMgCl2〕に懸濁液、超音波処理(30秒間、2回)によって細胞を破砕した。得られたソニケートより10000×gで20分間(4℃)遠心分離した。得られた上清をさらに105000×gで90分間(4℃)遠心分離し、次いで沈査を氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁後、再度105000×gで90分間(4℃)遠心分離した。これを氷冷100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約4mg/ml)し、これを酵素液とした。
【表7】
Figure 0004021612
Figure 0004021612
【0097】
上記結果から明らかなように、本発明化合物はすぐれたスクワレン合成酵素阻害活性を有する。
実験例2
肝臓コレステロール合成の測定:
ラットの肝臓におけるコレステロール合成は以下の如く測定した。6週齢ウイスターファティーラットに被験化合物〔化合物4−2(0.5%メチルセルロース溶液に懸濁)〕を経口投与し、同じく対照群には、0.5%メチルセルロース溶液のみ経口投与した。1時間後に放射性同位元素14Cにて標識した酢酸ナトリウム(アマシャム製)を(一匹あたり10μCi/0.3ml生理食塩水)尾静脈より投与し、その一時間後に断首屠殺した。肝臓の第一葉1.5gを採取し、3.9mlのアルカリ性エタノール溶液(KOH:EtOH=1:2)内で100℃、2時間置くことによってケン化した後、石油エーテル5mlで3回抽出した。この抽出液を乾固し、エタノール:アセトン(1:1)3mlに溶解した後、0.5%のジギトニン−エタノール溶液2mlを加えて1時間放置後に沈殿を総ステロールとして集め、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。結果を下に示す。
Figure 0004021612
上記結果に示されるように、本発明化合物は、未処理対照群に対し、80%以上もコレステロールの合成を阻害するというすぐれた効果を奏する。
【0098】
【発明の効果】
本発明の化合物は、スクアレン合成酵素阻害作用、コレステロール低下作用、トリグリセライド低下作用を有し、脂質低下剤として高脂血症の予防・治療剤として有用であり、また動脈硬化症等の予防・治療にも有用である。

Claims (5)

  1. N−〔(3R , 5S)−1−(3−アセトキシ−2 , 2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2 , 3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1 , , , 5−テトラヒドロ−4 , 1−ベンゾオキサゼピン−3−アセチル〕ピペリジン−4−酢酸またはその塩を含有する医薬組成物。
  2. スクアレン合成酵素阻害剤である請求項記載の組成物。
  3. トリグリセライド低下剤である請求項記載の組成物。
  4. 脂質低下剤である請求項記載の組成物。
  5. 高脂血症の予防治療剤である請求項記載の組成物。
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