JP4014917B2 - 電子顕微鏡及び電子顕微鏡の操作方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型、透過型などの電子顕微鏡およびその操作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、微小物体を拡大する拡大観察装置として、光学レンズを使った光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープなどの他、電子レンズを使った電子顕微鏡が利用されている。電子顕微鏡は、電子の進行方向を自由に屈折させ、光学顕微鏡のような結像システムを電子光学的に設計したものである。電子顕微鏡には、試料や標本を透過した電子を電子レンズを用いて結像する透過型の他、試料表面で反射した電子を結像する反射型、集束電子線を試料表面上に走査して各走査点からの二次電子を用いて結像する走査型電子顕微鏡、加熱あるいはイオン照射によって試料から放出される電子を結像する表面放出型(電界イオン顕微鏡)などがある。
【0003】
走査型電子顕微鏡装置(Scanning Electron Microscopy:SEM)は、対象となる試料に細い電子線(電子プローブ)を照射した際に発生する二次電子や反射電子を、二次電子検出器、反射電子検出器などそれぞれの検出器を用いて取り出し、ブラウン管やLCDなどの表示画面上に表示して、主として試料の表面形態を観察する装置である。一方、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)は、薄膜試料に電子線を透過させ、その際に試料中で原子により散乱、回折された電子を電子回折パターンまたは透過電顕像として得ることによって主に物質の内部構造を観察できる。
【0004】
電子線が固体試料に照射されたとき、電子のエネルギーによって固体中を透過するが、その際に試料を構成する原子核や電子との相互作用によって弾性的な衝突、弾性散乱やエネルギー損失を伴う非弾性散乱を生じる。非弾性散乱によって試料元素の殻内電子を励起したり、X線などを励起したり、また二次電子を放出し、それに相当するエネルギーを損失する。二次電子は衝突する角度によって放出される量が異なる。一方、弾性散乱によって後方に散乱し、試料から再び放出される反射電子は、原子番号に固有の量が放出される。走査型電子顕微鏡はこの二次電子や反射電子を利用する。走査型電子顕微鏡は電子を試料に照射し、放出される二次電子や反射電子を検出して観察像を結像している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらSEMやTEMなどの電子顕微鏡は、光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープなどの拡大観察装置に比べ、操作が難しいという問題があった。特に、観察像を撮像するための像観察条件の設定項目が多いことに加えて、実際に観察像を得るまでに時間がかかる。このため指定された像観察条件に対してどのような観察像の画面が得られるかをリアルタイムに確認できず、ある設定条件がどのように観察像の画面に反映されるかを把握することが困難であった。特に電子顕微鏡の操作に詳しくない初心者は、像観察条件のどの項目が画像にどのように影響を与えるかが予測できないため、像観察条件を様々に変更しながら試行錯誤的に観察像を模索することになる。このため電子顕微鏡を初心者が操作することは困難であり、専門のオペレータが操作することが多かった。
【0006】
また専門のオペレータは像観察条件の各項目が観察像に及ぼす一般的な効果についてはある程度予測できるものの、実際の像観察においては条件によって変化するため、結局は実際に観察像を得て確認する作業が必要となり、やはり試行錯誤的に最適条件を模索することになる。したがって専門のオペレータにとっても、様々な像観察条件で観察像がどのように変わるかを簡単に確認できる操作性のよい電子顕微鏡が望まれていた。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、電子顕微鏡の設定を容易にすべく誘導機能を設けた電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載される電子顕微鏡は、所定の像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出することで観察像を撮像する電子顕微鏡に関する。この電子顕微鏡は、前記試料に対して、観察位置の位置決めを行う観察位置決め手段と、前記位置決め手段にて位置決めされた試料の観察位置において、一の像観察条件で撮像された観察像に対して、前記位置決め手段にて位置決めされた試料の観察位置での観察像について複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として設定する像観察条件設定手段と、前記位置決め手段にて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、前記像観察条件設定手段で設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を撮像する観察像取得手段と、 前記観察像取得手段にて撮像された複数の観察像を同時に表示可能な第2表示部と、前記第2表示部にて表示された観察像から所望の観察像を選択する観察像選択手段と、前記観察像選択手段によって選択された観察像に設定された像観察条件に基づいて撮像した観察像を、拡大して表示可能な第1表示部と、を備える。
【0009】
【0010】
また、本発明の請求項2に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記像観察条件設定手段がさらに、複数の異なる像観察条件として検出器の選択を自動的に行うことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項3に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1または2に記載される特徴に加えて、前記第2表示部にて表示されるすべての複数の観察像が、複数の二次電子像であることを特徴とする。
【0012】
【0013】
さらにまた、本発明の請求項4に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1から3のいずれかに記載される特徴に加えて、前記第2表示部にて表示される複数の観察像が、少なくとも一の二次電子像と少なくとも一の反射電子像からなることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、前記第2表示部にて表示される複数の観察像が、複数の二次電子像と少なくとも一の反射電子像からなるよう構成してもよい。
【0015】
【0016】
さらにまた、本発明の請求項5に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1から4のいずれかに記載される特徴に加えて、前記第2表示部にて表示される複数の観察像の撮像は、二次電子像を撮像した後反射電子像を撮像する順に行われることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項6に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1から5のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡がさらに前記観察像選択手段によって選択された観察像に対して、少なくともフォーカス、明るさ、コントラストのいずれかについて調整可能な調整手段を備えることを特徴とする。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項7に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1から6のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡がさらに前記第2表示部にて表示される観察像の像観察条件を保存可能な保存手段を備えることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、本発明の請求項8に記載される電子顕微鏡は、前記請求項7に記載される特徴に加えて、前記保存手段で保存された像観察条件を複数呼び出し、前記呼び出された複数の像観察条件に基づいて複数の観察像を撮像し前記第2表示部に表示することを特徴とする。
【0020】
さらにまた、本発明の請求項9に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1から8のいずれかに記載される特徴に加えて、前記第2表示部にて表示される観察像から所望の観察像を選択し、前記選択された観察像の像観察条件に基づいて複数の像観察条件を新たに設定し、さらに該像観察条件が各々異なる加速電圧であって、かつ前記像観察条件設定手段にて設定された加速電圧の設定幅よりも小さく設定されており、より詳細な加速電圧条件で複数の観察像を取得して前記第2表示部に表示することを特徴とする。
【0021】
例えば、選択された観察像の加速電圧に基づいて、この値を中心に変化させた複数の像観察条件を新たに設定する。
さらにまた、本発明の請求項10に記載される電子顕微鏡は、前記請求項1から9のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡はさらに、前記選択された観察像に対応する像観察条件を、新たな像観察条件として設定可能であり、新たな像観察条件で取得する画像のフレームレートが、前記第2表示部にて表示される複数の観察像のフレームレートよりも低いことを特徴とする。
【0022】
さらにまた、本発明の請求項11に記載される電子顕微鏡の操作方法は、所定の像観察条件を設定するステップと、前記像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、前記試料に対して、観察位置の位置決めを行うステップと、前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置において、一の像観察条件で撮像された観察像に対して、前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置での観察像について複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として設定するステップと、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を撮像するステップと、前記観察像取得手段にて撮像された複数の観察像を第2表示部に同時に表示するステップと、前記第2表示部において複数表示された観察像から所望の観察像を選択するステップと、前記選択された観察像に設定された像観察条件に基づいて撮像した観察像を、拡大して第1表示部に表示するステップとを備えることを特徴とする電子顕微鏡の操作方法。
【0023】
さらにまた、本発明の請求項12に記載される電子顕微鏡の操作方法は、所定の像観察条件を設定するステップと、前記像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、前記試料に対して観察位置の位置決めを行うと共に、該位置決めされた試料に対し、像観察条件として、少なくとも試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、観察倍率を手動で設定して観察像を撮像するステップと、該位置決めされた試料の観察位置に対して、複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として自動で設定するステップと、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を撮像するステップと、前記観察像取得手段にて撮像された複数の観察像を第2表示部に同時に表示するステップと、前記第2表示部において複数表示された観察像から所望の観察像を選択するステップと、前記選択された観察像に設定された像観察条件に基づいて撮像した観察像を、拡大して第1表示部に表示するステップとを備えることを特徴とする。
【0024】
さらにまた、本発明の請求項13に記載される電子顕微鏡の操作方法は、所定の像観察条件を設定するステップと、前記像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、前記試料に対して、観察位置の位置決めを行うステップと、前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置において、一の像観察条件で撮像された観察像に対して、前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置での観察像について複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として設定するステップと、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を、予め定められた第一のフレームレートで簡易撮像するステップと、前記観察像取得手段にて簡易撮像された複数の簡易観察像を第2表示部に同時に表示するステップと、前記第2表示部において複数表示された簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、前記選択された簡易観察像の像観察条件に基づいて、予め定められたフレームレートであって、前記第一のフレームレートよりも低い第二のフレームレートで通常の撮像を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0025】
簡易撮像とは、最適な像観察条件で観察像を得るために、通常の撮像を行う前に予備的に像観察条件を一以上設定し、この像観察条件に基づいて一以上の簡易観察像を撮像することをいう。
【0026】
【0027】
さらにまた、本発明の請求項14に記載される電子顕微鏡の操作方法は、所定の像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加し、加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて前記試料の観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、前記試料に対して、観察位置の位置決めを行うステップと、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、所定の像観察条件として少なくとも試料の特性を設定するステップと、前記試料の特性およびその他の条件に基づいて必要な像観察条件を演算し、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、前記演算された像観察条件に基づいて、予め定められた第一のフレームレートで簡易撮像した簡易観察像を第1表示部に表示するステップと、前記第1表示部に表示される簡易観察像に基づいて、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、新たな像観察条件として加速電圧を低いものから高いものへと順に変更した1以上の簡易像観察条件を設定するステップと、前記1以上の簡易像観察条件に基づいて、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、予め定められた第一のフレームレートで簡易撮像した1以上の簡易観察像をそれぞれ第2表示部に表示するステップと、前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、前記選択された簡易観察像に対して、少なくとも倍率調整と位置調整を必要に応じて行うステップと、前記倍率および位置において、前記選択された簡易観察像の簡易像観察条件に基づいて、予め定められたフレームレートであって、前記第一のフレームレートよりも低い第二のフレームレートで通常の撮像を行い前記第1表示部に表示するステップと、を備えることを特徴とする。
【0028】
【0029】
さらにまた、本発明の請求項15に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項13又は14に記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択した後、前記選択された簡易観察像に対して、新たな像観察条件として少なくとも加速電圧または検出器を変更した1以上の簡易像観察条件を設定するステップと、前記1以上の簡易像観察条件に基づいて簡易撮像した1以上の簡易観察像をそれぞれ第2表示部に表示するステップと、前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、前記選択された簡易観察像を第1表示部に表示するよう表示を変更するステップとを備えることを特徴とする。
【0030】
さらにまた、本発明の請求項16に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項13から15のいずれかに記載される特徴に加えて、前記簡易撮像が予め設定された像観察条件に基づいて行われることを特徴とする。
【0031】
さらにまた、本発明の請求項17に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項13から16のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡の操作方法がさらに、撮像された観察像のデータを印刷するステップと、必要に応じて観察像のデータを保存するステップを備えることを特徴とする。
【0032】
さらにまた、本発明の請求項18に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項17に記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、前記印刷ステップの前に、選択された観察像に対して、新たな像観察条件として少なくとも加速電圧または検出器を変更した1以上の簡易像観察条件を設定するステップと、前記1以上の簡易像観察条件に基づいて簡易撮像した1以上の簡易観察像をそれぞれ第2表示部に表示するステップと、前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、前記選択された簡易観察像を第1表示部に表示するよう表示を変更するステップとを備えることを特徴とする。
【0033】
さらにまた、本発明の請求項19に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項13から18のいずれかに記載される特徴に加えて、前記第2表示部に表示される簡易観察像が、1以上の二次電子像または1以上の反射電子像を含むことを特徴とする。
【0034】
さらにまた、本発明の請求項20に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項10から19のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡の操作方法がさらに像観察条件の履歴を保存するステップを備え、必要に応じて履歴を呼び出し、履歴中から所望の像観察条件を選択することで、選択された像観察条件と同一の像観察条件にて撮像または簡易撮像が可能であることを特徴とする。
【0035】
さらにまた、本発明の請求項21に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項10から20のいずれかに記載される特徴に加えて、前記電子顕微鏡の操作方法がさらに必要に応じて像観察条件を保存するステップを備え、前記保存された像観察条件を必要に応じて呼び出し、前記保存された像観察条件と同一の像観察条件にて撮像または簡易撮像が可能であることを特徴とする。
【0036】
さらにまた、本発明の請求項22に記載される電子顕微鏡の操作方法は、前記請求項20または21に記載される特徴に加えて、前記保存された像観察条件から複数の像観察条件を選択し、前記選択された複数の像観察条件に基づいて複数の観察像を簡易撮像して前記第2表示部に表示可能であることを特徴とする。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法を例示するものであって、本発明は電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法を以下のものに特定しない。
【0041】
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0042】
本明細書において電子顕微鏡とコンピュータ、あるいはプリンタなどその他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232CやRS−422、USBなどのシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TXなどのネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、無線LANやBluetoothなどの電波、赤外線、光通信などを利用した無線接続などでもよい。さらに観察像のデータ保存などを行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
【0043】
以下の実施例では、図1のコンピュータ1に電子顕微鏡操作プログラムをインストールして使用する例について説明する。イメージデータはアナログ信号がAD変換されデジタル信号として処理される。デジタル信号の画像データは画像の劣化がなく、画調変更、画像積算、疑似カラー化などが容易である。ただし、必ずしもデジタル信号に変換する必要はなく、アナログ信号の画像を扱うこともできる。
【0044】
本明細書においてコンピュータとは、電子顕微鏡を接続したコンピュータに限られない。例えば、操作者が電子顕微鏡の操作方法を習得するために、電子顕微鏡と接続されないコンピュータに電子顕微鏡操作プログラムをインストールして動作させる態様でも本発明の電子顕微鏡操作プログラムは利用できる。またコンピュータには電子顕微鏡操作プログラムをインストールした汎用または専用のコンピュータ、ワークステーション、端末その他の電子デバイスの他、電子顕微鏡操作機能を組み込んだ専用装置のようなハードウェアや電子顕微鏡そのものも含む。またプログラムとは、プラグイン、オブジェクト、ライブラリ、アプレット、コンパイラなどソフトウェアとして特定の機能を実現するあらゆる形態を包含する。
【0045】
以下の操作は、コンピュータまたは電子顕微鏡に接続されたマウス、トラックボール、トラックポイント、ライトペン、デジタイザその他の入力手段から行う。また、電子顕微鏡のコンソールに設けられた各種操作ボタンやつまみを使用して操作、設定することも可能である。
【0046】
また本明細書においてボタンを押下するとは、ボタンがコンピュータのモニタ画面上に仮想的に構成されたものである場合は、マウスなどの入力装置でクリックすることにより擬似的に押すことを意味する。ただ、この方法に限られず操作画面に応じて種々の機構が利用できる。例えば、操作卓がタッチスクリーンやタッチパネル上に構成されている場合は、操作者が直接手で触れることにより操作できる。あるいはライトペンなどを使用して指定することもできるし、物理的な操作盤にて構成されている場合は操作者が物理的に操作する。
【0047】
以下の実施例ではSEMについて説明する。但し、本発明はTEMやその他の電子顕微鏡関連装置においても利用できる。本発明を具現化した一実施例に係るSEMについて、図1に基づいて説明する。SEMは一般に加速電子の電子線を発生させ試料に到達させるまでの光学系と、試料を配置する試料室と、試料室内を真空にするための排気系と、像観察のための操作系で構成される。
【0048】
光学系は、加速電子の電子線を発生させる電子銃7、加速電子の束を絞り込んで細束化するレンズ系、試料から発生する二次電子や反射電子を検出する検出器を備える。図1に示す走査型電子顕微鏡は、光学系として電子線を照射する電子銃7と、電子銃7から照射される電子線がレンズ系の中心を通過するように補正するガンアライメントコイル9と、電子線のスポットの大きさをを細く絞る収束レンズ12であるコンデンサレンズと、収束レンズ12で収束された電子線を試料20上で走査させる電子線偏向走査コイル18と、走査に伴い試料20から放出される二次電子を検出する二次電子検出器21と、反射電子を検出する反射電子検出器22を備える。
【0049】
試料室には、試料台、試料導入装置、X線検出用分光器などが備えられる。試料台はX、Y、Z移動、回転、傾斜機能を備える。
【0050】
排気系は、加速電子の電子線が気体成分通過中に極力エネルギーを失うことなく試料に到達するために必要で、ロータリーポンプ、油拡散ポンプが主として用いられる。
【0051】
操作系は二次電子像、反射電子像、X線像などを表示、観察しながら照射電流の調整、焦点合わせなどを行う。二次電子像などの出力は、アナログ信号であれば写真機によるフィルム撮影が一般的であったが、近年は画像をデジタル信号に変換した出力が可能となり、データの保存や画像処理、印刷のなどの多種多様な処理が可能である。図1のSEMは、二次電子像や反射電子像などの観察像を表示する表示部28と印刷のためのプリンタ29を備える。また操作系は、像観察条件として少なくとも加速電圧またはスポットサイズを設定するために必要な設定項目の設定手順を誘導する誘導手段を備える。
【0052】
図1に示すSEMは、コンピュータ1と接続され、コンピュータ1を電子顕微鏡の操作を行うコンソールとして使用し、また必要に応じて像観察条件や画像データを保存したり、画像処理や演算を行う。図1に示すCPUやLSIなどで構成される中央演算処理部2は、走査型電子顕微鏡を構成する各ブロックを制御する。電子銃高圧電源3を制御することにより、フィラメント4、ウェーネルト5、アノード6からなる電子銃7より電子線を発生させる。電子銃7から発生された電子線8は、必ずしもレンズ系の中心を通過するとは限らず、ガンアライメントコイル9をガンアライメントコイル制御部10によって制御することで、レンズ系の中心を通過するように補正を行う。次に、電子線8は収束レンズ制御部11によって制御される収束レンズ12であるコンデンサコイルによって細く絞られる。収束された電子線8は、電子線8を偏向する非点収差補正コイル17、電子線偏向走査コイル18、対物レンズ19、および電子線8のビーム開き角を決定する対物レンズ絞り13を通過し、試料20に至る。非点収差補正コイル17は非点収差補正コイル制御部14によって制御され、走査速度等を制御する。同様に電子線偏向走査コイル18は電子線偏向走査コイル制御部15によって、対物レンズ19は対物レンズ制御部16によって、それぞれ制御され、これらの作用によって試料上を走査する。試料20上を電子線8が走査することにより、試料20から二次電子、反射電子等の情報信号が発生され、この情報信号は二次電子検出器21、反射電子検出器22によりそれぞれ検出される。検出された二次電子の情報信号は二次電子検出増幅部23を経て、また反射電子の情報信号は反射電子検出器22で検出されて反射電子検出増幅部24を経て、それぞれA/D変換器25、26によりA/D変換され、画像データ生成部27に送られ、画像データとして構成される。この画像データはコンピュータ1に送られ、コンピュータ1に接続されたモニタなどの表示部28にて表示され、必要に応じてプリンタ29にて印刷される。
【0053】
排気系ポンプ30は、試料室31内部を真空状態にする。排気系ポンプ30に接続された排気制御部32が真空度を調整し、試料20や観察目的に応じて高真空から低真空まで制御する。
【0054】
電子銃7はあるエネルギーをもった加速電子を発生させるソースとなる部分で、W(タングステン)フィラメントやLaB6フィラメントを加熱して電子を放出させる熱電子銃の他、尖状に構成したWの先端に強電界を印加して電子を放出させる電界放射電子銃がある。レンズ系には、収束レンズ、対物レンズ、対物レンズ絞り、電子線偏向走査コイル、非点収差補正コイルなどが装着されている。収束レンズは電子銃で発生した電子線をさらに収斂して細くする。対物レンズは最終的に電子プローブを試料に焦点合わせするためのレンズである。対物レンズ絞りは収差を小さくするために用いられる。検出器には、二次電子を検出する二次電子検出器と反射電子を検出する反射電子検出器がある。二次電子はエネルギーが低いのでコレクタにより捕獲され、シンチレータにより光電子に変換されて、光電子倍増管で信号増幅される。一方、反射電子の検出にはシンチレータあるいは半導体型が用いられる。
【0055】
[試料台]
観察位置の位置決めは、試料20を載置した試料台33を物理的に移動させて行う。この場合は観察位置決め手段が試料台33で構成される。試料台33は試料20の観察位置を調整可能なように様々な方向への移動、調整が可能である。移動、調整の方向は、試料台の観察位置を移動、調整させるため、試料台のX軸方向、Y軸方向、R軸方向への移動および微調整が可能である他、試料の傾斜角度を調整するために試料台のT軸方向の調整、ならびに対物レンズと試料との距離(ワーキングディスタンス)を調整するために試料台のZ軸方向の調整が可能である。
【0056】
SEMの観察像に影響を与える試料の条件には、導電性の有無、導通を得ることなどを目的として試料に付着された金蒸着の有無、水分等の揮発成分の有無、表面の凹凸の有無および凹凸の細かさ、試料を構成する物質が純物質か混合物か、構成物質の元素番号の大小、などがある。これらの条件によって、所定の像観察条件においてどのような画像イメージとなるかが決まる。しかしながら、現実の測定においては、これらの試料の条件を全て把握することは困難である。電子顕微鏡の操作者は、上記のような試料の条件に加えて、観察の目的に応じてSEMの像観察条件を決定している。観察の目的とは、試料のどのような特徴を観察したいのかということであり、例えば、試料の凹凸を観察したい、試料の組成の違いを観察したい、試料のごく表面を観察したいのか、あるいは試料の表面に付着した油分などを無視した観察をしたいのか、またどのくらいの倍率で観察したいのか、分解能を重視した観察をしたいか、あるいはS/N比を重視した観察か、はたまた拡大さえできれば良いのか、などの目的が考えられる。
【0057】
以上のような試料の特性と観察の目的を考慮しながら、これに適した像観察条件を設定する。SEMの像観察条件には、加速電圧、検出器の種類、真空度、倍率、スポットサイズ、試料の観察位置(試料台のXYR軸位置、試料の傾斜角度(試料台のT軸位置)、試料と対物レンズとのワーキングデイスタンス(試料台のZ軸位置)対物レンズ絞り径などがある。その他、試料のコンタミネーション、試料の損傷や蒸発による変形なども考慮される。
【0058】
このような像観察条件に対し、電子顕微鏡の操作者は観察しようとする試料の特性や観察の目的に応じて、各項目を設定していく。手動で像観察条件を設定する手順は、一般に以下のようになる。
【0059】
まず仮の像観察条件として、最も良いと予想される像観察条件を一つ決めてSEMを設定する。得られた観察像の画像イメージに対し、倍率や位置決め、フォーカスなど各調整項目を調整し、その像観察条件で最適な画像とする。このようにして一の像観察条件に対して観察像を取得する。ただ、この観察像が最適なものかどうかが判らないため、他の像観察条件の観察像と比較しながら最適な像観察条件を試行錯誤的に探していく必要がある。まず得られた観察像を後で比較できるように、画像データを一時的に保存、印刷または記憶しておく。そして、像観察条件を画像がより良くなると予想される条件に変更し、再度各調整項目を調整し別の像観察条件での観察像を取得する。この観察像についても保存、印刷などを行う。この動作を何回か繰り返し、複数の像観察条件でそれぞれの観察像を取得する。そして、複数の像観察条件の観察像を相互に比較し、最終的に最適な像観察条件を決定する。また、この最適な像観察条件にSEMを再度設定し、調整して観察像を取得し、必要に応じて所望の操作を行う。
【0060】
このように、最適な像観察条件は様々な条件に設定して各々の画像を比較して決定するという試行錯誤的な手法によらなければならず、極めて面倒でかつ熟練を要する作業であった。SEMでの観察に熟練した操作者であれば、像観察条件が観察像に与える影響がどのようなものであるか、おおよその傾向を推測することはできるが、それでも実際に得られる画像は取得して確認してみないと判らないため、熟練者であっても作業が面倒であることに変わりはない。また撮像された観察像に対して調整を行う作業が必要となり、このことも操作の手間に拍車をかけていた。
【0061】
さらに初心者であれば、なおさら困難となる。試料の特性をすべて把握することができず、また各条件や調整項目が直感的にどのような作用があるのかが理解できない。さらに像観察条件の設定項目間に相関や制限があることを理解できない。例えば、倍率が低いときはスポットサイズを大きく、逆に高いときは小さくしなければならないこと、あるいは検出器に反射電子検出器を使用するときは低加速電圧での観察ができないなどの条件があるため、これらを理解しないと正しい設定ができない。さらに対物レンズを試料に接触させて装置を破損するおそれもある。対物レンズと試料との距離は、近いほど対物レンズと試料との間の空気が少なくなるので一般に良い画像が得られるが、近づきすぎると対物レンズが試料に接触して破損することが起こる。このように設定条件の決定には経験と勘が必要となり、時間がかかる上、最適値に調整しきれないなどの問題があった。
【0062】
これに対し本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法は、熟練者でなくてもSEMの最適な観察条件を決定できる方法を提供する。また熟練者に対しても、短時間で手間を掛けずにSEMの最適な観察条件を決定できる方法を提供する。
【0063】
SEMで観察した観察像の評価は、次のような基準の複合で行われる。例えばチャージアップが画像に表れているか、画質がソフトかざらざらしたハードなものか、S/N比の良し悪し、分解能の高低、凹凸情報が表現されているか、材質の遠いが表現されているか、試料の情報源が浅いか深いか、角、突起の見え方、立体感の有無などである。
【0064】
本発明の実施例では、これらの画像の評価を、異なる像観察条件で得られた複数の観察像で実際に比較して行い、最適な像観察条件を選択する。像観察条件の設定や観察像の取得は自動的に行われる。これによって、手間をかけず短時間で、しかもSEMに関する特別な知識がなくても、最適な条件をイメージを見ながら条件選択できる。
【0065】
これを実現するために、本発明の実施例ではeプレビューを実行する。eプレビューとは、最適な観測条件を得るために電子顕微鏡もしくはコンピュータ側で推奨の観測条件を簡易的に複数作成し、各々の観測条件で観察像を取得し、複数の簡易観察像として一覧表示するものである。まずSEMの像観察条件の設定項目の内、1つまたは複数を変化させた設定を、簡易的な像観察条件として複数組準備しておく。例えば加速電圧や検出器の種類を変更した複数の簡易像観察条件を自動的に生成する。そして準備した複数組の簡易像観察条件を順にSEMに設定し、それぞれの条件で試料を連続的に観察する。観察した複数の簡易観察像は一時的に保存し、第2表示部で一覧表示する。一覧表示の際には、簡易観察像を縮小して同時に表示させることができる。操作者は、表示された複数の簡易観察像を比較し、最適と思われる画像を選択する。また選択された画像に属する簡易像観察条件をあらためてSEMに設定し、通常の撮像を行い観察像を取得する。
【0066】
なお、eプレビューで簡易的な撮像でなく、通常の撮像を行うこともできる。この場合、各観察像の描画に時間がかかるが、選択された観察像については再度撮像を行うことなく、そのままの画像データを利用することができる。
【0067】
[eプレビューの動作の流れ]
eプレビューの動作の流れを、図27のフローチャートに基づいて説明する。eプレビューに先立ち、上述の手順により予めeプレビューを行う複数の簡易像観察条件群を設定しているものとする。
【0068】
まずステップS’1で、複数の簡易像観察条件から一の像観察条件を設定する。簡易像観察条件を設定する順番は規定されており、加速電圧の低いものから高いものへと順に、また先に二次電子検出器を使用し、次いで反射電子検出器を使用する順で設定される。
【0069】
そして設定された簡易像観察条件に基づいて、ステップS’2で簡易観察像を取得する。取得された簡易観察像に対して、画像の仮調整を行う。この調整は自動的に行われる。調整された画像は、ステップS’3で一時的に保存される。画像データはメモリや記録媒体で保持される。以上のようにして、一の像観察条件に対して一の簡易観察像を得る。
【0070】
ステップS’4で、簡易像観察条件がまだあるかどうか判定する。まだ簡易観察像を取得していない簡易像観察条件がある場合は、ステップS’1に戻り上記のステップを繰り返す。上記の実施例では4つの簡易観察像を得るために4つの簡易観察条件を用意しているので、ステップS’1〜ステップS’4のループが4回繰り返されることになる。
【0071】
以上のようにしてすべての簡易像観察条件に対して各々の簡易観察像を得られたらステップS’5に進み、これらの簡易観察像を第2表示部に一覧表示する。
【0072】
以上のステップS’1〜5の一連の動作は、装置側で自動的に行われる。このため操作者は特に意識することなくステップS’5でeプレビューの結果として、一覧表示された簡易観察像を得ることができる。自動調整によってある程度の画像イメージを得ることができるものの、最適な画像を得ることは一般に困難である。ただ、ここでは観察像がどのような画像イメージとなるか、全体が把握できれば足りるので、簡易的な画像でも十分目的を達成することができる。簡易的な像観察条件、簡易的な画像調整で簡易的な表示を行い、最終的な像観察条件が決定されれば、それに基づいて最適な画像イメージの観察像を得ることができる。また、ここでは拡大倍率が最高1万倍などに抑えられる。これによって全体像が把握でき、また後述する非点収差補正などを行わなくても十分な表示が可能となる。
【0073】
ステップS’6では、一覧表示された簡易観察像の中から所望の画像イメージを選択し、これを取得した簡易像観察条件を通常の像観察条件として設定する。これによってあらためて通常の撮像を行い、ステップS’7では得られた観察像に対して必要な調整を行う。ここでの調整は手動で行う。またこのようにして得られた観察像に対し、必要に応じて印刷や保存など所望の操作を行う。
【0074】
[複数回のeプレビュー]
また必要な場合は、eプレビューを複数回行ってより良い観察像を取得できる最適条件を探すこともできる。図28に基づいて説明すると、まずステップS”1でeプレビューを行う簡易像観察条件を複数生成する。そしてこの簡易像観察条件群に基づいてeプレビューを行う。eプレビュー動作は、前記図27のステップS’1〜ステップS’5の手順と同様である。このようにして得られた簡易観察像群が一覧表示された中から、ステップS”3で所望の画像イメージを得ている簡易観察像を選択する。さらに、再度eプレビューを行うかどうかをステップS”4で判定する。再度eプレビューを行う目的としては、像観察条件をより詳細に設定するために、条件の絞り込みを行う場合や、所望の画像イメージが得られなかった場合に別の条件でeプレビューをやり直す場合などがある。eプレビューを再度行う場合は、ステップS”7にジャンプして新たな簡易像観察条件群を設定する。その際、必要に応じて試料の除電を行うことができる。簡易撮像によって試料がチャージアップする場合があるからである。
【0075】
以上の手順によって最終的に所望の画像イメージの簡易観察像が得られれば、ステップS”6に進み図27のステップS’7と同様の調整作業を必要に応じて行う。
[複数回eプレビューを繰り返す場合の像観察条件の設定]
複数回eプレビューを繰り返す場合の像観察条件の設定は、以下のようにして行う。
【0076】
あるパラメータの最適値を探すには、できるだけ細かい変化量で全範囲を検索し、各々について簡易観察像を取得して比較検討する方法があるが、時間がかかってしまう。そこでまず変化量を大きく取り粗く検索してある程度領域を特定した上で、さらに細かく検索する。これによって時間を短縮することができる。この方法ではeプレビューを複数回行うことになる。
【0077】
例えば、パラメータとしてチャージアップしない加速電圧の最大値を探す場合を考えると、まず1回目のeプレビューでは変化量を0.3kVに設定し、0.8kV、1.1kV、1.4kV、1.7kVの4つの加速電圧を簡易像観察条件群として設定する。その結果、0.8kVと1.1kVではチャージアップが生じず、1.4kV以上でチャージアップが生じた簡易観察像が取得された。この場合は1.1kV〜1.4kVの間でチャージアップが生じたことになるので、2回目のeプレビューでは変化量をより細かく0.1kVに設定して、最適な加速電圧の絞り込みを行う。そして2回目のeプレビューで1.1kV、1.2kV、1.3kV、1.4kVのそれぞれについて簡易観察像を取得し、1.3kVまでチャージアップが生じず、1.4kVでチャージアップしていることが明らかになれば、チャージアップしない最大加速電圧として1.3kVを得ることができる。もちろん、各eプレビュー動作では除電動作を行って試料にたまった電荷を除去しておくことはいうまでもない。またeプレビューの回数を画面上に表示させても良い。例えば図15の画面で「eプレビュー 2回目」などと表示させる。
【0078】
[eプレビューを行う際の条件]
eプレビューにおいては、各画像の調整は自動的に行う。これによって、複数の画像を取得する一連の動作を、操作者が調整することなく完了でき、スムーズに迅速に行うことができる。なお自動調整によれば、手動調整に比較すると精度が若干低下する。ただ、eプレビューは簡易的な撮像であり、最適な像観察条件を選択するための画像評価ができる程度であれば足りるので、問題はない。
【0079】
各画像の一時保存は、フレームレートを上げた画像で行う。これによって、複数の画像を取得する時間を短縮することができる。通常、SEMで高精細な画像を描画するには、一画像あたり30秒〜1分間必要になる。さらに一枚の画像ではS/N比が悪いため、通常の撮像時には一画像1/4秒程度のフレームレートで10画像以上取得して、平均をかけて表示している。したがって、一画像を得るには2秒以上かかることになる。印刷用の詳細な観察像に至っては30秒以上かかることもある。そこで本発明の実施例では、平均をかける枚数を8枚や4枚に少なくしたり、試料に対する電子線の走査範囲を狭くするなどの制限をかけたり、走査を間引くなどの処理によってフレームレートを上げて、画像を取得するまでの時間を短縮している。
【0080】
[非点収差補正]
また、非点収差を行わないで済むように、最高倍率を制限する。これにより非点収差補正の手間を省き、かつ処理時間を短縮することができる。非点収差補正については自動調整がうまく機能しないことがあり、自動調整が失敗して画像が表れなくなると画像評価に支障をきたし、手動調整が必要となってしまう。そこで、eプレビューの段階ではあまり拡大倍率を上げることができないように制限して、非点収差補正の調整の必要性を減じさせる。例えば最高倍率を1万倍に設定すると、非点収差は既定の初期値のままで十分な画像評価レベルを維持することができる。自動調整を行わなくても十分な画像を得られることで、調整作業を省き簡単かつ迅速に進めることができる。あるいは、各条件における非点収差補正の値を予めテーブルなどに保持しておき、これを参照することで適切な非点収差補正の値を設定するよう構成しても良い。
【0081】
[eプレビューの実行順序]
eプレビューにおいて複数の像観察条件にて簡易観察像を取得する際に、各条件を実行する順序を考慮することが望ましい。
チャージアップの影響を受けない順序
加速電圧は、電圧値の低いものから高いものへと順に電圧値を上げていくように低い順に設定する。一般に加速電圧が高いほど試料がチャージアップしやすくなるため、低い電圧から徐々に電圧を上げていくことによって、チャージアップの影響を少なくできる。
【0082】
[二次電子検出器から反射電子検出器へ]
検出器の種類を変更する場合は、まず二次電子検出器で実行した後反射電子検出器に変更する。二次電子は遅い加速電圧でも検出可能である。これに対し反射電子は低い加速電圧では検出器まで到達しないので、一般に二次電子に比して高い加速電圧が必要となる。したがって、低い加速電圧で加速電子を照射する二次電子検出器の観測を先に行い、その後反射電子検出器の測定を行う。
【0083】
さらに、加速電圧を変更すると、最適な像観察条件も変わってしまうので調整作業を再度やり直す必要がある。逆に加速電圧が一定であれば調整作業は一度行えば再設定は不要となる。このため、まず二次電子検出器の測定を行った後、同じ加速電圧で反射電子検出器に切り替えた場合は、同じ加速電圧で他の設定項目を変更しない場合は調整作業が不要になる。したがって、自動調整の作業を省いて時間を短縮できる。
【0084】
[eプレビュー用の簡易像観察条件群の設定]
複数の簡易像観察条件を設定する方法には、以下の方法がそれぞれ利用できる。
(1)簡易像観察条件の数と、その内容を固定値とする。例えば、簡易像観察条件を2つとし、その内容は検出器を二次電子検出器と反射電子検出器にそれぞれ設定する。その他の項目は、それぞれの検出器に適した条件とする。
(2)変化させる項目を指定する。例えば、加速電圧のみを変化させる条件を指定した場合、0.5kV、1.0kV、2.0kV、5.0kV、15kV、20kV、などに設定する。変化量は一定値としても良いし、増減させたり不規則な値を指定することもできる。その他の項目は、それぞれの値に適した条件とする。
【0085】
(3)予め複数の設定を用意しておく。観察する試料や観察の目的などに応じて選択できるように、それぞれの条件に適した簡易像観察条件を提示して選択させる。例えば、試料が絶縁物である、あるいはチャージアップ確認用の設定として、加速電圧を0.5kV、0.8kV、1.1kV、1.5kVにそれぞれ変更する設定群、あるいは導体試料の観察用に加速電圧と検出器の組み合わせによる設定として、二次電子検出器で加速電圧1kV、5kV、20kV、および反射電子検出器で20kVの設定群、または倍率決定用に倍率のみを100倍、1000倍、10000倍にそれぞれ変更する設定群、あるいは真空度決定用に真空度を200pa、100pa、50pa、10paにそれぞれ変更する設定群など、一または複数の設定項目に対し条件を変更した設定群を用意しておく。
【0086】
(4)特定の設定項目のみを連続的に変更するのでなく、特定の試料や観察目的に適するようすべての設定項目が調整された像観察条件を複数用意し、所望の条件を選択する。操作者は所望の条件の選択肢を選択し、それぞれの条件で簡易観察像を得ることができる。特定のパラメータから最適な値を探すのでなく、まずどのような画像が得られるかを検討するのに適している。例えば、試料が繊維である場合に適した条件、分解能を重視した条件、試料ダメージを軽減した条件、生物系の試料に適した条件、低倍率向けの条件、試料のコンタミネーションが少ない条件など、それぞれの条件に適した簡易像観察条件を準備する。各条件には、それぞれすべての設定項目が含まれている。
【0087】
(5)以前に行った像観察条件を使用する。従前使用した観察像やその像観察条件を記録、保持しておき、これらを呼び出すことでその条件を設定できるようにする。例えば、撮像した観察像を保存したフォルダの中から所望の画像を選択し、その画像を観察したときの条件をコピーして同一の簡易像観察条件に設定する。この方法では、従前使用した像観察条件を記録、保持しておく必要がある。後に選択しやすいように、例えば取得した画像データをサムネイルで表示させて、どのような画像や条件であったかをイメージで思い出させるようにしたり、画像やその像観察条件に日付や試料その他の説明を名前を付けて保存することで、後で選択、検索する際に利用しやすくできる。
【0088】
(6)操作者がすべての条件を任意に設定できる。図4に示すような従来型のマニュアル設定である。
(7)前回使用した簡易像観察条件に基づいて、新たな条件群を生成する。例えば、直前に行った像観察条件が加速電圧2.0kVの場合、この値の前後の値となるように加速電圧を変更した設定条件とする。例えば、マニュアル観察モードで取得した観察像に対し、微調整を行うような場合に利用できる。
【0089】
[eプレビューの使用形態]
図29の例では、オート観察モードでのeプレビューの使用について説明する。オート観察モードでは、後述するようにガイダンス機能によって操作者に対し操作を誘導する。
【0090】
[ステップS11 試料の材質選択]
まず試料の材質を選択する。これに応じて仮の像観察条件を設定し、この設定に基づき電子線の照射を開始し、仮の観察像を取得する。仮の観察像は調整しやすいように、最初は低倍率で第1表示部に表示させる。
【0091】
[ステップS12 観察位置決め]
次に、仮の観察像に基づいて、観察位置の位置決めと倍率調整を行う。
【0092】
[ステップS13 eプレビュー]
ステップS12で位置決めと倍率調整された仮の観察像に基づいて、複数の像観察条件を演算する。演算された像観察条件に基づいてeプレビューを実施し、複数の簡易観察像を取得し、これらを第2表示部に同時に一覧表示する。
【0093】
[ステップS14 各種操作]
表示された簡易観察像の中から、所望の簡易観察像を選択し、選択された簡易観察像の像観察条件を設定し通常の撮像を行う。このようにして得られた観察像に対し、所望の操作を行う。例えば、画像の印刷、保存、寸法測定などを行う。
【0094】
また図30の例では、マニュアル観察モードで操作者が像観察条件を設定した後、eプレビューを行う。
【0095】
[ステップS21 像観察条件を手動設定]
まず操作者が最適と思われる像観察条件を手動で設定する。図4のマニュアル観察モードを選択し、設定項目として検出器の種類、試料室内の真空度、加速電圧、スポットサイズを設定する。これらの像観察条件を設定した後、電子線の照射を開始し、観察像を取得する。さらに観察像に対して、観察位置の位置決めと倍率調整を必要に応じて行う。
【0096】
[ステップS22 eプレビュー]
現在表示中の観察像に対して、さらに像観察条件を変更したeプレビューを実施する。手動で最適と思われる条件に設定して得られた観察像が、本当に最適なものなのか判断することは困難であり、もっと良い画像にできないか、様々な条件に変更して試行錯誤しながら最適な条件を模索することがある。このような場合にeプレビューを実行して、設定項目を変更した複数の像観察条件を自動的に設定し、それぞれの簡易観察像を簡単に取得することができる。eプレビューの結果第2表示部に一覧表示された簡易観察像を比較検討し、操作者は所望の簡易観察像を選択し、必要に応じてさらに調整を行う。
【0097】
[ステップS23 所望の観察像が得られたか]
また、ステップS22のeプレビューにより得られた観察像に対し、さらにeプレビューを行うこともできる。このeプレビューは、上記ステップS22と同様の条件群を設定する他、前回のeプレビューと異なる条件、例えば加速電圧の設定幅を小さくするなど、より詳細な条件に変更することができる。eプレビューを繰り返し行うことによって、さらに細かく最適条件を模索することができる。これによって、熟練した操作者であっても様々な条件を自動的に設定してそれぞれの条件における観察像を確認、比較できるので、最適条件の検索を容易に行うことができる。
【0098】
このステップは任意であり、eプレビューの回数は1回のみ行うように構成しても良いし、あるいは2回以上何回でも行えるように構成することもできる。
【0099】
[ステップS24 各種操作]
以上のようにして所望の観察像が得られたら、上記と同様に所望の操作を行う。
【0100】
[従前の像観察条件を選択]
また図31に示すように、以前に像観察を行った像観察条件を使って撮像し、さらにeプレビューを行うことができる。例えば、像観察の履歴を記録しておき、過去に使用した条件の中から所望の条件を使って撮像する。履歴は、電子顕微鏡もしくはコンピュータが撮像の度に自動的に記録するよう予め設定しておく。保存は自動でなく操作者が任意に行うようにしてもよい。また保存形態は、所定のデータ量として古いデータを順に消去する一時保存としても、すべてのデータを保持する永久保存としても良い。記録された履歴データは保存されているので、必要に応じて呼び出すことができる。また履歴の各々のデータに対し、撮像した日時や使用された回数などの属性を共に記憶しておくこともできる。これを使えば、履歴のデータを日付順、使用頻度順などでソートしたり、検索するといった処理も可能となる。検索は像観察条件の設定内容からも可能で、例えば加速電圧20kV以上の条件を抽出するといった処理も考えられる。また各々の像観察条件で取得された観察像のデータとの関連付けも可能である。例えば観察像のイメージデータの保存場所を記憶しておき、必要に応じて観察像を呼び出したり、イメージデータを縮小してアイコン表示させることで、操作者がイメージで選択、あるいは以前の操作を思い起こし易くするといった使い勝手面での改善も可能である。
【0101】
さらに図32のフローチャートは、オート観察モードでのeプレビューの他の使用形態を示す。この例では、位置決めや倍率調整の前にeプレビューを行うことにより、適切な条件で撮像された観察像を先に取得しておき、綺麗な画像に基づいて位置決めなどの調整を行うものである。これによって、より正確な調整が可能となり、最適画像の取得後に再調整する手間が軽減される。
【0102】
[ステップS41 試料の材質選択]
試料の材質を選択する。これに応じて仮の像観察条件を設定し、この設定に基づき電子線の照射を開始し、仮の観察像を取得する。仮の観察像は調整しやすいように、最初は低倍率で第1表示部に表示させる。
【0103】
[ステップS42 eプレビュー]
調整前に低倍率表示された仮の観察像に基づいて、複数の像観察条件を演算する。演算された像観察条件に基づいてeプレビューを実施し、複数の簡易観察像を取得し、これらを第2表示部に同時に一覧表示する。
【0104】
[ステップS43 観察位置決め]
表示された簡易観察像の中から、所望の簡易観察像を選択し、この簡易観察像に対して観察位置の位置決めと倍率調整を行う。この時点で所望の簡易観察像が選択されているので、操作者は綺麗な画像で調整を行える。
【0105】
[ステップS44 各種操作]
必要に応じて、調整された観察像に対し所望の操作を行う。
【0106】
さらにまた、予め設定された条件に基づいてeプレビューを行うこともできる。様々な試料に対して適切と思われる像観察条件を予め複数登録しておき、操作者に選択させ、あるいは電子顕微鏡やコンピュータが試料の種別や像観察条件を自動検出することにより、規定値での像観察を行う。初期設定での観測となるため、調整のとれた画像が得られるとは限らないが、操作者は所望の条件設定を選択するのみであるので、極めて簡単にある程度の画像を得ることができる。また必要に応じてさらに上述のようなeプレビューなどで調整を加えることが可能であることはいうまでもない。
【0107】
[所望の操作の前にeプレビュー]
図33の例は、保存や印刷などの操作の前にeプレビューを行うものである。例えば、ディスプレイなど表示部の画面上では十分な画像が得られているが、印刷や保存の前にさらに良い画質としておきたいような場合にeプレビューを行い、より望ましい画像を選択、調整する。また、印刷に適した画像、保存に適した画像とするように個別の調整を加えても良い。
【0108】
[モード]
この電子顕微鏡は、操作を簡単とするように設定を誘導するガイダンス機能を持たせた第1像観察モード画面と、従来型の設定が可能な第2像観察モード画面を備える。第1像観察モード画面は、電子顕微鏡の操作に慣れていなくてもある程度の観察像を取得できるように、必要項目の設定を誘導して自動である程度の設定を可能とする、いわばイージーモードである。第1像観察モードは図2に示す電子顕微鏡操作プログラムのメニュー画面において、「オート観察」40と表記される。なお図2および図4以降は、電子顕微鏡操作プログラムのユーザインターフェース画面のイメージ図を示している。
【0109】
一方第2像観察モード画面は、通常の設定画面であって電子顕微鏡の操作に習熟した者が詳細な設定を行い、最適な観察像を得ることができるいわばプロモードである。第2像観察モードは図2において「マニュアル観察」41と表記される。マニュアル観察モードの画面例を図4に示す。マニュアル観察モードにおいては、すべての設定項目を操作者が設定する。この画面では、設定を誘導するガイダンスがなく、どのタイミングでどの操作をするべきかの判断を操作者が行って操作ができるように、いつでもすべての操作ができる。
【0110】
[像観察条件]
SEMで観察像を得るために必要な条件である像観察条件は、例えば加速電圧においては電子銃高圧電源3などを調整することで、試料に応じて適切な加速電圧値を決定すること、電子銃から照射される電子線を、試料上で所望のスポットサイズ(入射電子線束の直径)に設定することなどである。加速電圧やスポットサイズ以外の像観察条件としては、検出器として二次電子検出器あるいは反射電子検出器などのいずれを選択するか、試料室31内の真空度、倍率、試料の観察位置すなわち試料台のX、Y、R軸位置、試料の傾斜角度すなわち試料台のT軸位置、ワーキングディスタンスすなわち試料台のZ軸位置、対物絞り径などがある。
【0111】
調整項目には、一度調整すればよい項目と、像観察条件を変更するたびに調整する必要のある項目がある。例えば、フィラメントを加熱して電子銃から熱電子を発生させるための電流値の調整は、電子顕微鏡の操作開始時に一度調整すればよい。これに対し、取得された観察像を調整する項目としては、フォーカス、コントラスト、ブライトネス(明るさ)、非点収差補正、光軸調整(ガンアライメント)などがある。一般に高倍率になると、各項目の調整が難しくなり、調整をしない場合と調整した場合の画像との差が顕著になる。操作者は画面上から必要なボタンやメニューを操作して各項目を設定する。
【0112】
電子顕微鏡の操作者は必要に応じてオード観察モードとマニュアル観察モードを切り替えて設定することができる。切替には、図4において下部に設けられた「オート観察」タブ42、「マニュアル観察」タブ43を選択することにより行う。マニュアル観察モードからオード観察モードへの切替、あるいはマニュアル観察モードからオート観察モードへの切替は、随時行うことができる。これによって、例えばオート観察モードである程度の観察像を取得した後、マニュアル観察モードに切り替えて最適な設定に調整してより詳細な観察像を得るといった使用形態が可能となる。
【0113】
[オート観察モードの操作方法]
以下、本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作方法として、オート観察モードによる像観察を図3のフローチャート、図6〜15、図24〜図26の操作画面に基づいて説明する。なおこれらの図面は、コンピュータもしくは電子顕微鏡に表示されるユーザインターフェース画面の一例を示している。各画面のデザインやレイアウト、画面やボタンの配置、配色やアイコンの形状などは必要に応じて適宜変更できることはいうまでもない。
【0114】
まず電子顕微鏡操作プログラムを起動すると、図1のコンピュータ1の画面上に図2の選択画面が表示される。選択画面においては、各々の操作を選択するためのボタンが、操作内容の説明と共に表示される。操作者はこの中から所望の操作を選択し、選択ボタンを押下する。ここで「オート観察」40を押下すると、図6の画面になりオート観察モードが開始される。オート観察モードでは、ガイダンス機能によって必要な設定項目が画面毎に示される。必要に応じて、設定項目の説明をテキストや音声、イラストや写真などの静止画、アニメーションなどの動画などを単独もしくは組み合わせて説明する。また必要な設定項目については点滅やハイライト表示、反転などによって強調させることもできる。加えて、適宜メッセージを表示して注意を促すこともできる。例えば、オート観察モードに移行する際に図5のようなメッセージ画面を表示し、操作者に対し注意すべき事項を確認させることができる。
【0115】
さらに、各設定項目において許容できない設定が入力されたとき、入力内容に誤りがある旨を知らせる警告手段を設けても良い。警告はテキストでメッセージを表示させる方式の他、警告音を発したり音声メッセージを再生させるなどの方法が利用できる。また特定の項目に設定や変更ができないように制限をかけて、誤動作を防止することもできる。さらにまた、設定の不要な操作項目は画面に表示させないようにしても良い。
【0116】
操作者は各画面で設定終了後に「次へ」ボタンを押下して次画面の設定項目に進むという操作を繰り返す。これによって段階的に必要な設定を順次行って、最終的に観察像を得ることができる。設定画面を前の画面に戻りたい場合は、「ひとつ前にもどる」ボタンを押下する。これによって、設定をやり直すことができる。
【0117】
[ステップS1 試料の材質を選択する]
図6は試料分類画面であり、操作者に試料の材質を選択させる試料分類欄44を設ける。像観察の対象となる試料が導体のみからなるのか、あるいは絶縁体や半導体を含むのかをラジオボタンにより選択する。試料の導電性に応じて、加速電圧とスポットサイズが決定される。導電性のある試料の場合はチャージアップのおそれがないが、絶縁体や半導体を含む場合は電荷がたまってチャージアップが生じるおそれがあるため、加速電圧を上げすぎないように注意する必要があるからである。ここでの選択に従って加速電圧とスポットサイズの両方を電子顕微鏡あるいはコンピュータ側が自動的に決定する。
【0118】
ここでの設定は、次画面で位置決めを行うための観察像を取得するための設定であって、最適な観察像を取得するためのものでない。観察像を得るためには何らかの条件で電子線を照射しなければならないが、この時点では最適な条件を判断することはできない。ここでは、位置決めが行える程度に全体像が判別できる観察像が取得できるように、観察像の品質を優先せず、観察像の取得を目標とした安全値に加速電圧およびスポットサイズを設定する。さらに像の全体を得られるよう倍率を低めに設定する。試料の材質を選択すると、「次へ」ボタン45がグレーアウトした状態から選択可能になる。「次へ」ボタン45を押下すると、図7の位置決め画面に移行し、設定された加速電圧に基づいて電子線の照射を開始し、低倍率での像観察を行う。
【0119】
なお、前回行った像観察条件と同じ条件で観察を行う場合は、「前回の像観察条件を使用する」欄46をチェックする。この欄をチェックして「次へ」ボタン45を押下すると、ガイダンスを省略して直ちに像観察に進むことができる。
【0120】
[簡易的な加速電圧およびスポットサイズの決定手法]
ここで、電子顕微鏡またはコンピュータが簡易的に加速電圧とスポットサイズを決定する手法について説明する。簡易的な観察とはいっても、いくつかの条件を満たすことが望ましい。例えば、チャージアップし易い試料を観察する場合は、チャージアップしない条件での観察とする必要がある。また試料が熱変形や蒸発といった損傷を受けやすい場合は、試料に損傷を与えないような条件としなければならない。これらに加えて、可能な限りきれいに観察できるように条件を設定する必要がある。さらに加速電圧とスポットサイズのみならず、実際に観察像を結像するためには、観察に必要なすべてのパラメータを設定しなければならない。
【0121】
簡易的に加速電圧とスポットサイズを決定する手法には、以下の手順が利用できる。
[試料の特性]
まず試料の導電率を指定する。例えば試料の導電性の有無を選択する。または半導体か、あるいはこれらが混在した試料かを選択させる。
【0122】
さらに試料の耐熱性を指定する。試料が熱で変形しやすい性質かどうか、水分など蒸発しやすい成分が含まれているかどうかを指定する。金属のような安定した試料であれば、電子線を照射しても問題がないし、不安定な試料であれば電子線照射によって試料にダメージを与えるおそれがある。このため、試料の性質に応じて電子線照射の条件を調整する。
【0123】
また試料の構造を指定する。例えば試料が塊状なのか、紛状体なのか、粒状体なのか、繊維のような細長いものの集合体なのかを指定し、それぞれに応じた条件の設定を仮設定候補群として用意しておく。また試料が塊状である場合、表面に微細な凹凸を有しているのか、平坦なのか、あるいは表面に金蒸着などによるコーティングその他の前処理が施されているかといったさらに詳細な条件を指定させ、それぞれに適した条件を用意しておく。
【0124】
さらにまた、予め観察目的に応じた設定群を用意しておき、観察目的を指定させることで自動的に対応する設定値をセットする。例えば、X線元素分析を行うのか、試料を構成する組成の分布を確認するのか、凹凸状体を確認するのか、試料表面に付着する薄い油分などを透かして確認するのか、といった目的を選択させ、予め用意されたそれぞれに適した設定群を利用する。
【0125】
以上のようにして簡易的に設定された加速電圧とスポットサイズに応じて、他の像観測条件のパラメータを設定する。例えば、光軸の調整、すなわち光学系を通っている線で光学系のレンズ、絞りなどの中心を連ねる直線を調整するには、加速電圧とスポットサイズの関係に応じて適切な光軸調整値を予めテーブルとして備えておき、テーブルを参照することで該当する光軸調整を行わせる。
【0126】
なお、加速電圧とスポットサイズの設定は、両者を調整する方法とする以外にも、いずれか一方を固定値として、他方を調整する方法としてもよい。
【0127】
また別に、上記の手法でなく加速電圧およびスポットサイズの両方を固定値で観察させることもできる。その際、上述のように加速電圧およびスポットサイズは最適画像の取得を主眼とするのでなく、観察像の取得を主眼とした無難な設定とすることが望ましい。
【0128】
[ステップS2 観察位置決めおよび倍率調整を行う]
図7は位置決め画面であり、操作者に観察位置の位置決めと拡大倍率を手動で設定させる。図7の画面は、主たる表示を行うための第1表示部47と、第1表示部47での表示を設定するための補助的な第2表示部48を備える。また画面上には各種の設定ボタンが配置される。各ボタンはツールチップ機能により、図8に示すようにマウスポインタをボタンの上に重ね合わせることにより各ボタンの機能説明やヒントがチップ画面49に表示される。さらに、マウスポインタが重ね合わせられたボタンや項目には、枠を表示したりボタンが押下されたイメージを表示するなどして強調表示し、現在選択しようとしている項目を明確にすることもできる。
【0129】
第2表示部48は、タブを選択することにより広域画像50、eプレビュー51のいずれかを表示内容を切り替える。図7の例では、第2表示部48には図6の入力および設定に基づいて、観察像の全体を表示される「広域画像50」が選択されている。一方第1表示部47には、第2表示部48に対して設定や処理がなされた画像が表示される。図8の例では、第2表示部48の一部が拡大されて表示されている。
【0130】
[倍率調整]
図7の第1表示部47において拡大倍率を決定する。操作者は第1表示部47で表示される観察像を確認しながら、所望の倍率を決定する。図7の例では、倍率値は第2表示部48で表示されるサイズに対して第1表示部47で表示されるサイズの割合を示す相対値となっている。例えば第2表示部48と同じイメージが第1表示部47に表示されるとき、倍率は「1」となる。ただ、倍率の表示はこの例に限られず、例えば試料の大きさとの絶対的な拡大率で表示しても良い。
【0131】
倍率の変更は、倍率調整手段である倍率ボタンで行う。図7の例では第1〜第3倍率ボタン53、54、55の3つが備えられている。虫眼鏡状のアイコンが付された第1倍率ボタン53を押下すると、図9の画面となってスライダ56がサブウィンドウにて表示される。このスライダ56上に表示される矢印57を入力手段により移動させると、倍率は連続的に変化する。例えばマウスでスライダ56を右方向に移動させると拡大され、左に移動させると縮小される。この指定に追従して、第1表示部47で表示される観察像はリアルタイムに拡大、縮小表示される。なお電子顕微鏡あるいはコンピュータ側の演算処理能力によって描画速度は変動し、若干遅れて表示されることがある。このときマウスのポインタはスライダ56上に合わせる必要はなく、マウスを左右方向に移動させるのみでスライダ56を操作できる。またサブウィンドウの右上には、拡大縮小が可能な範囲表示部58が表示されており、現在第1表示部47において表示中の倍率が拡大縮小範囲のどの位置にあるかが表示される。
【0132】
また第2倍率ボタン54は倍率を数値で表示する。第2倍率ボタン54は、図10に示すようにドロップダウンメニューで所定の倍率を選択することができ、また任意の倍率値を数値で直接入力することもできる。第1倍率ボタン53または第3倍率ボタン55で倍率を変更した場合でも、第2倍率ボタン54は現在第1表示部47で表示されている観察像の倍率を表示する。
【0133】
さらに第3倍率ボタン55である「最低倍率」ボタンを押下すると、所定の最低倍率(例えば「1」)が設定される。これによって、直ちに全体像の表示に復帰することができる。
【0134】
第1表示部47でイメージを拡大表示すると、図11に示すように、第1表示部47の拡大イメージが第2表示部48においてどの部分を拡大しているかが第2表示部48上に矩形状の枠59で囲まれた領域で表示される。これによって現在どの位置が表示されているかを確認することができると共に、第2表示部48を確認しながら所望の位置に移動させることができる。図7の例では、手のひら状のアイコンを付した移動ボタンとして、第1〜3移動ボタン60、61、62の3つを備えている。第1移動ボタン60をマウスでクリックすると、第1表示部47上でカーソルが手のひら状に変形し、所望の位置にてマウスの左ボタンを押下してドラッグすることにより、直接画面を把持して移動させることができる。所望の位置に移動させた後に左ボタンをリリースすれば移動状態は解除される。
【0135】
第2移動ボタン61は、指定した位置を中心に移動させることができる。第2移動ボタン61を押下すると、第1表示部47上でクリックした任意の位置を中央とするイメージが表示されるように、自動的に移動される。
【0136】
さらに第3移動ボタン62は画面の移動方向および移動速度を指定できる。第3移動ボタン62を押下すると、第1表示部47上でカーソルが標的状に変化する。さらにこの状態で左ボタンを押下し続ける間、図12のような標的状グリッド63が表示される。標的状グリッド63は第1表示部47のほぼ中央に表示され、標的状グリッド63の中心に対してマウスのポインタなどが位置する方向に画面は移動する。また中心からの距離に従って移動速度は変化し、中心に近いほど移動は遅く、離れるほど速く移動する。これによって所望の方向への画面移動が容易に操作できる。
【0137】
以上の観察位置の位置決めは、試料を載置した試料台を物理的に移動させて行う。移動ボタンの操作に従って、試料台はX方向、Y方向に移動される。ただ、第2表示部48にて表示されている範囲内で移動させるときは、試料台を移動させなくとも表示は可能である。
【0138】
観察像の位置決めや観察視野の移動には、試料台を物理的に移動させる方法に限られず、例えば電子銃から照射される電子線の走査位置をシフトさせる方法(イメージシフト)も利用できる。あるいは両者を併用する方法も利用できる。あるいはまた、広い範囲で一旦画像データを取り込み、データをソフトウェア的に処理する方法も利用できる。この方法では、一旦データが取り込まれてデータ内で処理されるため、ソフトウェア的に観察位置を移動させることが可能で、試料台の移動や電子線の走査といったハードウェア的な移動を伴わないメリットがある。予め大きな画像データを取り込む方法としては、例えば様々な位置の画像データを複数取得し、これらの画像データをつなぎ合わせることで広い面積の画像データを取得する方法がある。あるいは、低倍率で画像データを取得することによって、取得面積を広く取ることができる。
【0139】
[フォーカス調整]
また、必要に応じてフォーカス、コントラスト、明るさをそれぞれ「フォーカス」ボタン64、「コントラスト」ボタン65、「明るさ」ボタン66で調整する。「フォーカス」ボタン64を押下すると、図13に示すように第1表示部47に枠67で囲まれた領域が指定されると共にスライダ68がサブウィンドウで表示される。上記と同様にスライダ68をマウスなどで左右に移動させて枠内の領域のフォーカス調整を行う。このとき、枠67で囲まれた領域のみがフォーカス調整され、枠外の領域は変化しないため、フォーカス調整の効果が対比されて容易に確認できる。マウスの右ボタンをクリックしてフォーカス調整を終了すると、枠67が消えて第1表示部47全体の領域でフォーカス調整が実行される。同様に「コントラスト」ボタン65もスライダにてコントラストを調整し、また「明るさ」ボタン66も同様にスライダにて明るさ調整を行うことができる。
【0140】
さらに、これらフォーカス、コントラスト、明るさの調整を自動で行わせることができる。「Auto FCB」ボタン69を押下すると、第1表示部47にて表示中のイメージに最適な条件を画像処理にて演算し、自動的に調整されたイメージが第1表示部47上に表示される。
【0141】
さらに図7の画面は、SEM観察がONであることを示すSEM観察ON/OFFボタン70が左上に表示されており、このボタンを押下するとON/OFFを切り替えることができる。
【0142】
さらにまた図7の画面右上には、全画面ボタン71を備えており、画面全体を第1表示部47の領域として使用することができる。
【0143】
以上のようにして位置決めと倍率調整が行われた後、「次へ」ボタン72を押下すると図14の画面に切り替わる。
【0144】
[ステップS3 像観察条件を選択する]
図14の画面では、上記で決定された観測位置と調整において、像観察条件を選択する。ここでは複数の観測条件を設定して複数の観察像を取得するeプレビューを行うか、一の像観察条件のみを選択して一の観察像を取得するかのいずれかを指定する。eプレビューを行う場合は、「eプレビューを行います」欄72にチェックを入れる。図14〜15では、A〜Dの4つの簡易観察像を取得して第2表示部48に表示する例を示している。簡易観察像A〜Dを取得するための観測条件は、電子顕微鏡あるいはコンピュータ側が観測対象の試料に適していると予測される観測条件の候補群から選択される。特に、二次電子検出器または反射電子検出器のいずれを使用するか、さらに加速電圧をいくらに設定するかが重要な要因となる。図15の例では、簡易観察像A〜Dの内、A〜Cの3枚が二次電子像、Dの1枚が反射電子像を示している。ただし、この例に限定されるものでなく、すべてを二次電子像あるいはすべてを反射電子像としてもよいし、あるいは二次電子像を1枚として残りを反射電子像としてもよい。いずれの検出器を使用するかは、像観察条件や像観察の目的、操作者の意図などに応じて適宜設定される。
【0145】
図14の例では、簡易観察像Aの観測条件は最表面の細かい凹凸情報を取得することを主眼に設定され、簡易観察像Cはノイズを抑えて観測することを主眼に設定され、簡易観察像BはAとCの中間の条件で設定されている。また簡易観察像Dは、試料の材質の違いを判断することを主眼に設定されている。
【0146】
加速電圧は、チャージアップを避けるために増加させる方向に観測条件を変化させて観測する。簡易観察像をA〜Dの順に取得する場合は、後になるほど加速電圧は高くなる。また二次電子検出器で検出した後、反射電子検出器で観測する。例えば簡易観察像Dは反射電子検出器を使用している。
【0147】
eプレビューの例を図16〜図23に示す。図16〜図19は試料として一円玉を倍率100倍で測定したものであり、図20〜図23はガラスエポキシ基板に設けられたスルーホールの断面を倍率500倍で観測したものである。図16は二次電子検出器を用いて加速電圧2kVで観察したものであり、表面の細かい凹凸まで観測できることが判る。また図17は同じく二次電子検出器にて加速電圧5kVとした例、図18は二次電子検出器にて加速電圧20kVとして観察した例を示す。特に図18においては表面の薄い油分を透かして試料の凹凸が観察できる。このように検出器として二次電子検出器を使用すると、表面の凹凸が観測できる。さらに図19は反射電子検出器にて同じく加速電圧20kVとして観察した例であり、アルミニウムの隙間にたまったゴミの組成の相違が確認できる。このように反射電子検出器では、表面の凹凸でなく試料の組成が明らかとなる。
【0148】
また図20〜図23は、すべて二次電子検出器を使って加速電圧を上昇させながら観察した例であり、図20は0.8kV、図21は1.2kV、図22は1.6kV、図23は2.0kVとしている。これらの図から、加速電圧の上昇に伴いチャージアップが発生し、結像が乱れていることが確認できる。
【0149】
ただ、これらの設定は一例であって、試料や観察目的に応じて適宜変更できることは言うまでもない。例えばすべてを二次電子検出器で測定したり、反射電子検出器での観測を増やす、あるいは簡易観察像の枚数を増減する。
【0150】
一方、eプレビューを行わない場合は、その下の像観察条件選択欄73から所望の像観察条件を選択する。像観察条件選択欄73の選択肢は、電子顕微鏡あるいはコンピュータ側が最適と思われる観測条件の組み合わせを自動的に演算して提示する。ここでは、像観察条件選択欄73の選択肢が、上記eプレビューの各簡易観察像A〜Dに対応している。操作者は所望の観測条件を選択して「次へ」ボタン74を押下すると、第2表示部48において選択された観測条件で結像された簡易観察像が一枚表示される。この場合、一枚だけの描画であるため、プレビューが短時間で済むというメリットがある。選択する観測条件が決まっている場合、例えば類似の試料を観測したことがあり、そのときの観測条件と同じ条件を設定する場合や既に観測した試料を再度観測する場合などに利用できる。
【0151】
eプレビューを行うためチェックを入れると、その下の像観察条件選択欄73がグレーアウトして選択できなくなる。このように、不要な設定項目は選択できないようにすることで、誤動作を防止することができる。
【0152】
[条件選択]
「eプレビューを行います」欄72を選択して「次へ」ボタン74を押下すると、図15の条件選択画面となり、eプレビュー動作が開始される。このとき第2表示部48は、複数の簡易観察像を表示する「eプレビュー」51に切り替えられている。eプレビュー動作により、順次簡易観察像が描画されていく。各簡易観察像の描画には数秒〜数十秒を要する。各簡易観察像は、それぞれの観測条件に応じて特徴のある観察像が表示されている。操作者は、第2表示部48で表示される簡易観察像の中から、所望の画像を選択する。
【0153】
図15の例では4枚の簡易観察像ABCDが表示されており、各プレピュー画面にマウスのポインタを重ね合わせると説明がチップ表示される。例えば「A 低解像度だが試料に優しい (加速電圧2kV)」、「B AとCの間 (加速電圧 5kV)」、「C 高解像度だが試料にきつい (加速電圧20kV)」、「D 材質の違いが判りやすい (反射電子 20kV)」といった、簡易観察像の番号、特徴、加速電圧などが表示される。
【0154】
マウスなどで簡易観察像をクリックして選択すると、選択された観察像が第1表示部47に表示されるので、拡大画像でさらに詳細を確認できる。このようにして所望の簡易観察像を選択した後、「次へ」ボタン75を押下すると、図24の観察画面に進む。
【0155】
なお、eプレビュー動作にはすべての簡易観察像が表示し終わるまである程度時間がかかるため、操作者は所望の簡易観察像が表示された時点で、まだ他の簡易観察像が表示されていなくても所望の簡易観察像を選択して、次へ進むことができる。あるいは未だ表示されていない簡易観察像であっても選択することができる。例えば、既に同一あるいは類似の試料で観察を行ったことがあり、最適な条件を知っている、あるいは予測できる場合などは、eプレビューで表示される簡易観察像を確認しなくとも、直ちにA〜Dの所望の番号を指定すれば、指定された簡易像観察条件が観察条件としてSEMに設定される。これらの機能によって、設定に要する時間を大幅に短縮できる。
【0156】
なお非点収差の補正については自動調整がうまく機能しないことがあり、仮に自動調整が失敗して簡易観察像が得られない場合は他の簡易観察像との比較ができなくなる。このため、非点収差についてはあえて補正しない方法が利用できる。例えば、非点収差は初期値を使用する、適当と思われる所定値に固定する、または非点収差の補正を行わないで済むように、他の像観察条件、例えば検出器の種類、加速電圧、スポットサイズなどに応じて非点収差の値を予めテーブルに設定しておき、テーブルを参照することで適切な非点収差の値を設定する。あるいは、拡大倍率を例えば最大1万倍に制限するなど、倍率を制限することによって非点収差が生じるおそれを回避することもできる。
【0157】
[ステップS4 画像を撮像し所望の操作を行う]
以上のようにして選択された簡易観察像の条件に基づいて、第1表示部47上に観察像が表示される。得られた観察像に対して、さらに調整を加えることができる。調整可能な項目には、上述と同様の倍率や位置決め、フォーカス調整、コントラスト調整、明るさ調整などがある。
【0158】
所望の観察像が得られると、さらに得られた画像に対して所望の操作を行う。例えば、画像の撮影や保存、印刷、寸法測定などがある。図24の画面で「撮影」ボタン76を押下すると、表示中の観察像を取り込み、画像データがデジタル信号でコンピュータのハードディスクなどの記録媒体に保存される。「撮影」ボタン76の下部には「きれい」または「速い」のいずれかを選択するラジオボタン77が設けられている。「きれい」を選択すると、観察像がより高精細な画像データとして保存される。ここで「きれい」とは、試料に照射する電子線の走査を時間をかけて行い(例えば60秒)、二次電子または反射電子のS/N比の良い信号を取り込むことであり、また「速い」とは、試料に照射する電子線の走査を短時間で行い(例えば30秒)、それによって処理時間を優先して信号を取り込むことである。「速い」を選択すると、画像データの精度は若干低下するが、より高速に保存が行われる。保存する画像データの画素数は使用目的に応じて640×480画素、1280×960画素、512×512画素、1024×1024画素、2048×2048画素など任意のサイズが利用できる。
【0159】
さらに必要に応じて次の操作を選択する。「撮影」ボタン76を再度押下すると再撮影を行うことができる。また図24の画面右下に設けられた「メニューに戻る」ボタン78を押下すると、図2のメニュー画面に戻る。その左隣には「印刷」ボタン79が設けられ、コンピュータ1もしくは電子顕微鏡に接続されたプリンタ29で印刷を行うことができる。さらにその左隣には「除電」ボタン80が設けられており、試料がチャージアップした状態で除電を行うことができる。
【0160】
[試料交換]
また、試料を交換して像観察を行う場合は、画面左に設けられた「試料交換」ボタン81を押下すると改めてガイダンス手順が最初から開始される。
【0161】
[自分で条件設定]
また、オート観察モードにおいても、ガイダンス機能による案内を停止させることができる。「自分で条件設定」ボタン82を押下すると、図25の画面が表示され、ガイダンス機能により入力される設定項目がすべてこの画面から入力可能になる。これによって、ガイダンス機能で提示される設定順序に拘わらず、操作者は任意の設定項目を指定できる。例えば、何度かオート観察モードを使用した結果操作手順が把握できた操作者が、一画面で像観察条件を設定できるように望む場合などに利用できる。この場合においても、すべての像観察条件をマニュアルで設定することなく、所定の項目のみ入力することで観察像を得ることができ便利に使用できる。
【0162】
具体的には、「試料の分類」欄83で試料が導体のみまたは絶縁体を含むものかを、ラジオボタンで指定する。「観察条件」欄84で様々な像観察条件の中から所望の像観察条件をラジオボタンで選択する。像観察条件を選択後、「上の条件に設定する」ボタン85を押下すると、像観察条件に応じた検出器、加速電圧およびスポットサイズが各条件欄に自動的に入力される。また各条件欄にはドロップダウンメニューが設けられ、表示される選択肢から所望のものに変更することもできる。さらに「eプレビューを実行」ボタン86を押下するとeプレビューが開始され、第2表示部48でタブがeプレビュー51に切り替えられてeプレビューの簡易観察像の描画が順次作成されて表示される。所望の簡易観察像を選択すると、第1表示部47にその画像が表示される。
【0163】
またガイダンス機能による誘導型の観測条件設定を使用したい場合は、「オート条件設定」ボタン87を押下すると、図6の画面に戻る。
【0164】
[像観察条件の保存、呼び出し]
像観察条件は保存することができ、保存された設定は後に読み込んで利用することができる。また、予め電子顕微鏡またはコンピュータが様々な試料や観察目的に応じて推奨の加速電圧、スポットサイズ、倍率など一連の像観察条件を予めプリセットしておき、呼び出すこともできる。操作者は状況に応じて適切な設定を適宜呼び出し、必要に応じて変更、調整して利用できる。
【0165】
以上の例では、試料として一円玉を使用し、簡易観察像には二次電子像を3枚と反射電子像を1枚表示させている。これに対し図26は、上記と同様の手順で試料として図20〜23のガラスエポキシ基板を観察する際にeプレビューを行った例を示す。図26では、すべての簡易観察像は二次電子像を表示している。このように、第2表示部48で表示させる簡易観察像は、二次電子像と反射電子像とを組み合わせて表示させる他、二次電子像のみ、もしくは反射電子像のみを表示させることもできる。
【0166】
以上の実施例では、eプレビューによって4枚の簡易観察像を撮像する例を説明したが、簡易観察像は2枚や3枚としても良いし、5枚、6枚あるいはそれ以上設けることもできる。簡易観察像をいくつ表示させるかは、各簡易観察像の描画に要する時間や像観察条件などに応じて決定される。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法によれば、最適な像観察条件を容易に探し出すことができる。それは、本発明の電子顕微鏡、電子顕微鏡の操作方法が、所定の条件に従って複数の観察像を自動的に取得して表示させ、その中から所望の画像を操作者に選択させることにより、容易に好ましい像観察条件が設定できるからである。特に、複雑な設定を指定することなく像観察条件を選択できるため、操作が極めて容易で、また実際に各条件の画像イメージを確認して対比することにより選択できるため、電子顕微鏡の操作経験の少ない操作者でも、画面イメージに基づいて操作でき、最適な像観察条件を得ることができる。また観察像の取得を簡易的に行って表示時間を短縮できるので、条件を変更した観察像をスムーズに表示でき、像観察条件と観察像の関係を把握しやすくなる。そのため電子顕微鏡の操作に慣れた操作者にとっても、条件の変更を確認して所望の条件に設定できるという極めて優れた特長を実現する。またeプレビューを複数回行って条件の絞り込みや再設定なども可能で、より詳細な条件にチューニングする作業も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムのメニュー画面を示すイメージ図である。
【図3】本発明の一実施例に係る電子顕微鏡の操作方法であるオート観察モードによる像観察のステップを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムのマニュアル観察モードを示すイメージ図である。
【図5】操作上の注意点を促すメッセージ画面の一例を示すイメージ図である。
【図6】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、オート観察モードの試料分類画面を示すイメージ図である。
【図7】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、オート観察モードの位置決め画面を示すイメージ図である。
【図8】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、ツールチップ機能を示すイメージ図である。
【図9】図7の位置決め画面において、第1倍率ボタンを操作した状態を示すイメージ図である。
【図10】図7の位置決め画面において、第2倍率ボタンにてドロップダウンメニューを表示した状態を示すイメージ図である。
【図11】図7の位置決め画面において、第1表示部で拡大イメージを表示する状態を示すイメージ図である。
【図12】図7の位置決め画面において、第3移動ボタンを操作した状態を示すイメージ図である。
【図13】図7の位置決め画面において、フォーカス調整を行う状態を示すイメージ図である。
【図14】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、オート観察モードのeプレビュー画面を示すイメージ図である。
【図15】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、オート観察モードの条件選択画面を示すイメージ図である。
【図16】倍率100倍で一円玉を二次電子検出器を用いて加速電圧2kVで観察したイメージ図である。
【図17】倍率100倍で一円玉を二次電子検出器を用いて加速電圧5kVで観察したイメージ図である。
【図18】倍率100倍で一円玉を二次電子検出器を用いて加速電圧20kVで観察したイメージ図である。
【図19】倍率100倍で一円玉を反射電子検出器を用いて加速電圧20kVで観察したイメージ図である。
【図20】倍率500倍でガラスエポキシ基板断面を二次電子検出器を用いて加速電圧0.8kVで観察したイメージ図である。
【図21】倍率500倍でガラスエポキシ基板断面を二次電子検出器を用いて加速電圧1.2kVで観察したイメージ図である。
【図22】倍率500倍でガラスエポキシ基板断面を二次電子検出器を用いて加速電圧1.6kVで観察したイメージ図である。
【図23】倍率500倍でガラスエポキシ基板断面を二次電子検出器を用いて加速電圧2.0kVで観察したイメージ図である。
【図24】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、オート観察モードの観察画面を示すイメージ図である。
【図25】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、オート観察モードの「自分で条件設定」画面を示すイメージ図である。
【図26】本発明の一実施例に係る走査型電子顕微鏡操作プログラムにおいて、図20〜23のガラスエポキシ基板をオート観察モードで観察する際にeプレビューを行った例を示すイメージ図である。
【図27】eプレビューの動作の流れを示すフローチャートである。
【図28】eプレビューを複数回行う動作の流れを示すフローチャートである。
【図29】オート観察モードでのeプレビューの一使用形態を示すフローチャートである。
【図30】マニュアル観察モードでのeプレビューの一使用形態を示すフローチャートである。
【図31】従前の像観察条件を使ってプレビューを行う使用形態を示すフローチャートである。
【図32】マニュアル観察モードでのeプレビューの他の使用形態を示すフローチャートである。
【図33】所望の操作の前にeプレビューを行う使用形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ;2・・・中央演算処理部;3・・・電子銃高圧電源;4・・・フィラメント;5・・・ウェーネルト;6・・・アノード;7・・・電子銃;8・・・電子線;9・・・ガンアライメントコイル;10・・・ガンアライメントコイル制御部;11・・・収束レンズ制御部;12・・・収束レンズ;13・・・対物レンズ絞り;14・・・非点収差補正コイル制御部;15・・・電子線偏向走査コイル制御部;16・・・対物レンズ制御部;17・・・非点収差補正コイル;18・・・電子線偏向走査コイル;19・・・対物レンズ;20・・・試料;21・・・二次電子検出器;22・・・反射電子検出器;23・・・二次電子検出増幅部;24・・・反射電子検出増幅部;25・・・A/D変換器;26・・・A/D変換器;27・・・画像データ生成部;28・・・表示部;29・・・プリンタ;30・・・排気系ポンプ;31・・・試料室;32・・・排気制御部;33・・・試料台;40・・・「オート観察」;41・・・「マニュアル観察」;42・・・「オート観察」タブ;43・・・「マニュアル観察」タブ;44・・・試料分類欄;45・・・「次へ」ボタン;46・・・「前回の像観察条件を使用する」欄;47・・・第1表示部;48・・・第2表示部;49・・・チップ画面;50・・・広域画像;51・・・eプレビュー;53・・・第1倍率ボタン;54・・・第2倍率ボタン;55・・・第3倍率ボタン;56・・・スライダ;57・・・矢印;58・・・範囲表示部;59・・・枠;60・・・第1移動ボタン;61・・・第2移動ボタン;62・・・第3移動ボタン;63・・・標的状グリッド;64・・・「フォーカス」ボタン;65・・・「コントラスト」ボタン;66・・・「明るさ」ボタン;67・・・枠;68・・・スライダ;69・・・「Auto FCB」ボタン;70・・・SEM観察ON/OFFボタン;71・・・全画面ボタン;72・・・「eプレビューを行います」欄;73・・・像観察条件選択欄;74・・・「次へ」ボタン;75・・・「次へ」ボタン;76・・・「撮影」ボタン;77・・・ラジオボタン;78・・・「メニューに戻る」ボタン;79・・・「印刷」ボタン;80・・・「除電」ボタン;81・・・「試料交換」ボタン;82・・・「自分で条件設定」ボタン;83・・・「試料の分類」欄;84・・・「観察条件」欄;85・・・「上の条件に設定する」ボタン;86・・・「eプレビューを実行」ボタン;87・・・「オート条件設定」ボタン
Claims (22)
- 所定の像観察条件に基づいて、電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に照射し、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出することで観察像を撮像する電子顕微鏡であって、
前記試料に対して、観察位置の位置決めを行う観察位置決め手段と、
前記位置決め手段にて位置決めされた試料の観察位置において、一の像観察条件で撮像された観察像に対して、前記位置決め手段にて位置決めされた試料の観察位置での観察像について複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として設定する像観察条件設定手段と、
前記位置決め手段にて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、前記像観察条件設定手段で設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を撮像する観察像取得手段と、
前記観察像取得手段にて撮像された複数の観察像を同時に表示可能な第2表示部と、
前記第2表示部にて表示された観察像から所望の観察像を選択する観察像選択手段と、
前記観察像選択手段によって選択された観察像に設定された像観察条件に基づいて撮像した観察像を、拡大して表示可能な第1表示部と、
を備えることを特徴とする電子顕微鏡。 - 前記像観察条件設定手段がさらに、複数の異なる像観察条件として検出器の選択を自動的に行うことを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡。
- 前記第2表示部にて表示されるすべての複数の観察像が、複数の二次電子像であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子顕微鏡。
- 前記第2表示部にて表示される複数の観察像が、少なくとも一の二次電子像と少なくとも一の反射電子像からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電子顕微鏡。
- 前記第2表示部にて表示される複数の観察像の撮像は、二次電子像を撮像した後反射電子像を撮像する順に行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の電子顕微鏡。
- 前記電子顕微鏡はさらに、前記観察像選択手段によって選択された観察像に対して、少なくともフォーカス、明るさ、コントラストのいずれかについて調整可能な調整手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の電子顕微鏡。
- 前記電子顕微鏡はさらに、前記第2表示部にて表示される観察像の像観察条件を保存可能な保存手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の電子顕微鏡。
- 前記保存手段で保存された像観察条件を複数呼び出し、前記呼び出された複数の像観察条件に基づいて複数の観察像を撮像し前記第2表示部に表示することを特徴とする請求項7記載の電子顕微鏡。
- 前記第2表示部にて表示される観察像から所望の観察像を選択し、前記選択された観察像の像観察条件に基づいて複数の像観察条件を新たに設定し、さらに該像観察条件が各々異なる加速電圧であって、かつ前記像観察条件設定手段にて設定された加速電圧の設定幅よりも小さく設定されており、より詳細な加速電圧条件で複数の観察像を取得して前記第2表示部に表示することを特徴とする請求項1から8のいずれか記載の電子顕微鏡。
- 前記電子顕微鏡はさらに、前記選択された観察像に対応する像観察条件を、新たな像観察条件として設定可能であり、新たな像観察条件で取得する画像のフレームレートが、前記第2表示部にて表示される複数の観察像のフレームレートよりも低いことを特徴とする請求項1から9記載の電子顕微鏡。
- 所定の像観察条件を設定するステップと、前記像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、
前記試料に対して、観察位置の位置決めを行うステップと、
前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置において、一の像観察条件で撮像された観察像に対して、前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置での観察像について複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として設定するステップと、
前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を撮像するステップと、
前記観察像取得手段にて撮像された複数の観察像を第2表示部に同時に表示するステップと、
前記第2表示部において複数表示された観察像から所望の観察像を選択するステップと、
前記選択された観察像に設定された像観察条件に基づいて撮像した観察像を、拡大して第1表示部に表示するステップと、
を備えることを特徴とする電子顕微鏡の操作方法。 - 所定の像観察条件を設定するステップと、前記像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、
前記試料に対して観察位置の位置決めを行うと共に、該位置決めされた試料に対し、像観察条件として、少なくとも試料上の電子線のスポットサイズ、加速電圧、検出器の種類、観察倍率を手動で設定して観察像を撮像するステップと、
該位置決めされた試料の観察位置に対して、複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として自動で設定するステップと、
前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を撮像するステップと、
前記観察像取得手段にて撮像された複数の観察像を第2表示部に同時に表示するステップと、
前記第2表示部において複数表示された観察像から所望の観察像を選択するステップと、
前記選択された観察像に設定された像観察条件に基づいて撮像した観察像を、拡大して第1表示部に表示するステップと、
を備えることを特徴とする電子顕微鏡の操作方法。 - 所定の像観察条件を設定するステップと、前記像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加して加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、
前記試料に対して、観察位置の位置決めを行うステップと、
前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置において、一の像観察条件で撮像された観察像に対して、前記位置決めステップにて位置決めされた試料の観察位置での観察像について複数の異なる加速電圧条件を含む複数の像観察条件として設定するステップと、
前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、設定された複数の異なる加速電圧条件を含む像観察条件に基づいて、加速電圧の低いものから高いものへと順に複数の観察像を、予め定められた第一のフレームレートで簡易撮像するステップと、
前記観察像取得手段にて簡易撮像された複数の簡易観察像を第2表示部に同時に表示するステップと、
前記第2表示部において複数表示された簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、
前記選択された簡易観察像の像観察条件に基づいて、予め定められたフレームレートであって、前記第一のフレームレートよりも低い第二のフレームレートで通常の撮像を行うステップと
を備えることを特徴とする電子顕微鏡の操作方法。 - 所定の像観察条件に基づいて電子銃に加速電圧を印加し、加速電子を試料に対して照射するステップと、前記試料から放出される二次電子または反射電子を1以上の検出器で検出し、この情報に基づいて前記試料の観察像を撮像するステップと、前記撮像された観察像を表示部に表示するステップとを有する電子顕微鏡の操作方法であって、
前記試料に対して、観察位置の位置決めを行うステップと、
前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、所定の像観察条件として少なくとも試料の特性を設定するステップと、
前記試料の特性およびその他の条件に基づいて必要な像観察条件を演算し、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、前記演算された像観察条件に基づいて、予め定められた第一のフレームレートで簡易撮像した簡易観察像を第1表示部に表示するステップと、
前記第1表示部に表示される簡易観察像に基づいて、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、新たな像観察条件として加速電圧を低いものから高いものへと順に変更した1以上の簡易像観察条件を設定するステップと、
前記1以上の簡易像観察条件に基づいて、前記位置決めステップにて位置決めされた前記試料の観察位置に対して、予め定められた第一のフレームレートで簡易撮像した1以上の簡易観察像をそれぞれ第2表示部に表示するステップと、
前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、
前記選択された簡易観察像に対して、少なくとも倍率調整と位置調整を必要に応じて行うステップと、
前記倍率および位置において、前記選択された簡易観察像の簡易像観察条件に基づいて、予め定められたフレームレートであって、前記第一のフレームレートよりも低い第二のフレームレートで通常の撮像を行い前記第1表示部に表示するステップと、
を備えることを特徴とする電子顕微鏡の操作方法。 - 前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択した後、前記選択された簡易観察像に対して、新たな像観察条件として少なくとも加速電圧または検出器を変更した1以上の簡易像観察条件を設定するステップと、
前記1以上の簡易像観察条件に基づいて簡易撮像した1以上の簡易観察像をそれぞれ第2表示部に表示するステップと、
前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、
前記選択された簡易観察像を第1表示部に表示するよう表示を変更するステップと、
を備えることを特徴とする請求項13又は14記載の電子顕微鏡の操作方法。 - 前記簡易撮像が予め設定された像観察条件に基づいて行われることを特徴とする請求項13から15のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
- 前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、撮像された観察像のデータを印刷するステップと、
必要に応じて観察像のデータを保存するステップを備えることを特徴とする請求項13から16のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。 - 前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、前記印刷ステップの前に、
選択された観察像に対して、新たな像観察条件として少なくとも加速電圧または検出器を変更した1以上の簡易像観察条件を設定するステップと、
前記1以上の簡易像観察条件に基づいて簡易撮像した1以上の簡易観察像をそれぞれ第2表示部に表示するステップと、
前記第2表示部で表示される1以上の簡易観察像から所望の簡易観察像を選択するステップと、
前記選択された簡易観察像を第1表示部に表示するよう表示を変更するステップと、
を備えることを特徴とする請求項17記載の電子顕微鏡の操作方法。 - 前記第2表示部に表示される簡易観察像が、1以上の二次電子像または1以上の反射電子像を含むことを特徴とする請求項13から18のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。
- 前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、像観察条件の履歴を保存するステップを備え、
必要に応じて履歴を呼び出し、履歴中から所望の像観察条件を選択することで、選択された像観察条件と同一の像観察条件にて撮像または簡易撮像が可能であることを特徴とする請求項10から19のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。 - 前記電子顕微鏡の操作方法はさらに、必要に応じて像観察条件を保存するステップを備え、
前記保存された像観察条件を必要に応じて呼び出し、前記保存された像観察条件と同一の像観察条件にて撮像または簡易撮像が可能であることを特徴とする請求項10から20のいずれか記載の電子顕微鏡の操作方法。 - 前記保存された像観察条件から複数の像観察条件を選択し、前記選択された複数の像観察条件に基づいて複数の観察像を簡易撮像して前記第2表示部に表示可能であることを特徴とする請求項20または21記載の電子顕微鏡の操作方法。
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