JP4010140B2 - 車両のシート格納構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシート格納構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、例えば2ドア又は3ドアタイプの小型車両では、乗員が後部座席に座ろうとする場合に、助手席シートのシートバックを前倒しした状態で(必要であれば、更にシート全体を前方に移動させた上で)乗車可能である。この状態では、前倒しされたシートバックやその上端側に取り付けられたヘッドレストにより、助手席シート側のサイドミラーを確認できない等、運転席からの視界が妨げられることがある。従って、助手席シートを移動可能とするシート構造では、助手席シートを、運転席からの視界が妨げられることなく、乗員が後部座席へスムーズに乗車できるような状態に設定可能であることが求められる。
【0003】
かかるシート構造への要求に関連して、近年では、車両内部等の限られたスペースの居住性を向上させるために、助手席シートや後部座席シートを所定位置に移動及び格納可能としたシート格納構造が種々考えられている。例えば、特開2000−238560号公報では、助手席シートを、ダッシュボードの下側位置と運転席シートに対して並列な通常位置との間で前後移動可能とするスライドレールが設けられるとともに、後部座席シートを左右に2分割し、助手席シート直後の一方の分割体を、他方の分割体と運転席シートとの前後方向中間位置と通常位置との間で前後移動可能とするスライドレールが設けられてなる自動車のシート構造が開示されている。このシート構造では、助手席シートの背もたれ部が、着座面に折り重なるように前倒し可能であり、助手席シートは前倒し且つヘッドレストが取り外された状態でダッシュボードの下側に格納される。また、このシート構造では、助手席シートの直後に位置する一方の後部座席シート分割体を、他方の分割体と運転席シートとの前後方向のほぼ中間位置に設定することにより、車両内部でのウォークスルーが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、車両内部の前方に配設されダッシュボードを構成するインストルメントパネルとしては、車幅方向に沿って配設されるインストルメントパネル本体と、該インストルメントパネル本体に車幅方向の略中央で直交するコンソール部とにより全体として略T字状に構成されるものが用いられる。かかるインストルメントパネルでは、通常、オーディオ及びエアコン制御用のコントロールユニットや空調ユニットに連通する空気吐出口等の各種の構成要素がコンソール部に組み込まれることから、コンソール部の車幅方向の寸法が比較的大きく設定される。
【0005】
このため、一般的な車両の構造では、助手席シートが乗員が着座可能な位置にある状態で、助手席シートの一部がコンソール部と対向し、車幅方向においてコンソール部と重なっている。これにより、前述したシート構造が、助手席シートを車両の前後方向に沿って移動可能とするように構成される場合には、助手席シートがその移動に際してコンソール部と干渉することになり、助手席シートの前方への移動が制限される。従って、この場合には、助手席シートの後方、すなわち後部座席シートの前方における広いスペースの確保及びそれによる車両内部の居住性の向上はあまり望めない。
【0006】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、インストルメントパネルのコンソール部との干渉を回避しつつ、シートをより前方へ移動させ、車両内部の居住性を一層向上させ得る車両のシート格納構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、車両内部の前方に車幅方向に沿って延びるインストルメントパネル本体と、該インストルメントパネル本体の車幅方向の略中央にてそれに直交して後方に延設されたコンソール部とを備えたインストルメントパネルと、該インストルメントパネルと対向するように配設されたシートとを有する車両のシート格納構造において、上記シートを車両の前後方向及び車幅方向に導くガイド機構が設けられ、上記シートは、略水平に支持され上記ガイド機構により車両の前後方向及び車幅方向に導かれるシートクッションと、該シートクッションの後端側にその下端側で連結された前倒し可能なシートバックと、該シートバックの上端側に設けられたヘッドレストとを有し、上記ガイド機構は、上記シートを、車両後方で該シートの少なくとも一部が車幅方向において上記コンソール部と重なる着座可能な位置と、上記シートバックが前倒しにされた状態で車幅方向における該コンソール部との干渉を回避しつつ上記インストルメントパネル本体に格納されるような、上記着座可能な位置よりも車幅方向において外側の位置との間で移動可能とするように構成されていることを特徴としたものである。
【0008】
また、本願の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明において、上記ガイド機構が、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなして配設されたレール部材を有しており、上記シートは、上記レール部材に沿ってスライドすることにより、車両前方に移動するにつれ車幅方向の外方に移動することを特徴としたものである。
【0009】
更に、本願の請求項3に係る発明は、上記請求項1に係る発明において、上記ガイド機構が、それぞれ車両の前後方向及び車幅方向に沿って配設された複数のレール部材を有しており、上記シートは、上記各レール部材に沿ってスライドすることにより、車両の前後方向及び車幅方向にそれぞれ移動することを特徴としたものである。
【0010】
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、上記請求項1に係る発明において、上記ガイド機構が、車両の前後方向に沿って配設されたレール部材と、一端側でシートの裏面に対して揺動可能に取り付けられる一方、他端側で該レール部材に対して揺動可能に取り付けられたリンク部材とを有しており、上記シートは、上記レール部材に沿ってスライドすることにより、車両の前後方向に移動し、また、上記リンク部材を介して揺動することにより、車幅方向に移動することを特徴としたものである。
【0011】
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4に係る発明のいずれか一において、上記シートバックが所定の角度に前倒し可能であり、該シートバックの上端側に設けられたヘッドレストとを有し、上記インストルメントパネルのシートと対向する側には、上記シートクッションが所定位置まで車両の前方に移動させられ、上記シートバックが所定の角度で前倒しにされた状態で、上記シートバックあるいはヘッドレストの少なくとも一部を受け入れる凹部が設けられていることを特徴としたものである。
【0012】
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、上記請求項1〜4に係る発明のいずれか一において、上記シートは、上記シートバックがシートクッションに重なるように前倒しされた状態で、上記インストルメントパネル本体の下側に格納されることを特徴としたものである。
【0013】
また、更に、本願の請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6に係る発明のいずれか一において、上記インストルメントパネルの内部にて、車両内外の空気を所定の状態に処理調整する空調ユニットが、車幅方向の略中央のコンソール部により規定される領域内に配設されていることを特徴としたものである。
【0014】
また、更に、本願の請求項8に係る発明は、上記請求項1〜7に係る発明のいずれか一において、上記シートは、上記車両内部の前方に運転座席シートと並列して配設される助手席シートであり、助手席シートの後方には後部座席シートが設けられていることを特徴としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るシート格納構造が構成される車両の内部を概略的に示す平面図である。なお、この図1では、図中の左側および右側を、それぞれ、車両の前方及び後方とする。車両内部の前方には、ハンドル11,メータパネル12(図2参照),中央及び側部の冷暖房用の空気吐出口13C及び13S,コントロールユニット14(図2参照),シフトチェンジレバー16等の各種構成が組み込まれたインストルメントパネル5が車幅方向に沿って配設されている。また、インストルメントパネル5に対向して、運転席シート2及び助手席シート3が、コンソールボックス9を挟みつつ並列に配設され、更に、これらのシート2,3の後方には、後部座席シート4が車幅方向に沿って配設されている。
【0016】
運転席シート2は、着座面を備えたシートクッション2aと、そのシートクッション2aの後端側にその下端側で連結されたシートバック2bと、シートバック2bの上端側に取り付けられたヘッドレスト2cとを有している。また、助手席シート3は、運転席シート2と同様に、シートクッション3a,シートバック3b及びヘッドレスト3cを有しており、更に、この助手席シート3では、シートバック3bが前倒し可能である。
【0017】
この車両は例えば2ドア又は3ドアタイプのもので、助手席シート3を車両内部の前方に移動及び前倒しさせた状態で、助手席シート3側のドアから後部座席シート4への乗車が可能となる。助手席シート3を導くガイド機構としては、一対のスライドレール30が配設されている。このスライドレール30に対して、助手席シート3のシートクッション3aがその上でスライド可能に連結されており、助手席シート3は、シートクッション3aがスライドレール30上でスライドすることにより、車両の前後方向に移動可能である。
【0018】
この実施の形態1では、助手席シート3が、スライドレール30に沿って最前方に移動させられた上で前倒しされることにより、車両内部の前方で、シートクッション3aがインストルメントパネル本体6の下側に入り込み、また、ヘッドレスト3cが所定位置に保持された状態で格納されるようになっている。図1では、車両内部の前方に格納される助手席シート3が実線で示され、乗員が着座可能である助手席シート3が仮想線(一点鎖線)で示される。
【0019】
以下、かかる助手席シート3の格納構造を詳細に説明する。図2及び図3は、それぞれ、車両内部の前方に配設されるインストルメントパネル5を示す平面図及び正面図である。インストルメントパネル5は、車幅方向に沿って配設されたインストルメントパネル本体6と、インストルメントパネル本体6に車幅方向の略中央で直交するコンソール部7とから全体として略T字状に構成されるもので、これらインストルメントパネル本体6及びコンソール部7には、それぞれ、各種の構成要素が組み込まれている。
【0020】
インストルメントパネル本体6には、運転席シート2に対応して、ハンドル11が取り付けられるとともに、各種のメータパネル12が組み込まれている。また、インストルメントパネル本体6には、助手席シート3に対応して、シート格納用の凹部6a及び6bがその外面に形成されている。この凹部6a及び6bの詳細については後述する。また、凹部6a及び6bの下側には、グローブボックス17が設けられている。グローブボックス17の外面にはノブ17aが設けられ、このノブ17aを引くことにより、グローブボックス17の蓋が開く。更に、インストルメントパネル本体6の左右の両端近傍には、それぞれ、側部吐出口13Sが設けられている。
【0021】
他方、コンソール部7には、2つの中央吐出口13Cが並列して設けられ、また、中央吐出口13Cの下側には、オーディオ及びエアコン制御用のコントロールユニット14が組み込まれている。
【0022】
インストルメントパネル本体6の外面に助手席シート3に対応して設けられた凹部6a及び6bは、インストルメントパネル本体6の上面及び助手席シート3に対向する面にわたって形成されるもので、助手席シート3がスライドレール30上で最前方まで移動させ、シートバック3bを前倒しした場合に、それぞれ、ヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部を受け入れることができる。凹部6aは、ヘッドレスト3cが凹部6aに納まった状態で、その内面がヘッドレスト3cの周囲面に適合するように形成され、同様に、凹部6bは、シートバック3bの上端部が凹部6bに納まった状態で、その内面がシートバック3bの上端部の周囲面に適合するように形成されている。また、凹部6a及び6bは、それぞれ、ヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部が納まった状態で、表側に露出したヘッドレスト3c及びシートバック3bの面が、その周囲におけるインストルメントパネル本体6の表面とほぼ面一になるように形成されている。なお、この実施の形態では、ヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部を受け入れる凹部6a及び6bがそれぞれ形成されているが、これに限定されることなく、ヘッドレストを受け入れる凹部のみが形成される構造とすることも可能である。
【0023】
この実施の形態1では、かかる凹部6a及び6bに対応して、インストルメントパネル5の内部のレイアウトが調整される。まず、インストルメントパネル5の内部には、車幅方向に沿って、車両内外の空気を所定の状態に処理調整するための空調ユニット40(一点鎖線で示す)と中央及び側部吐出口13C,13Sとに連通し、空調ユニット40と吐出口13C,13Sとの間で冷気又は暖気を送給する空調ダクト21(二点鎖線で示す)が設けられている。この空調ダクト21が、車幅方向中央から、インストルメントパネル本体6の助手席シート3側の端部近傍に設けられた空気吐出口13Sへ延びる部位で、凹部6a及び6bを迂回するように下側に曲折している。迂回部分を符号21aで示す。
【0024】
また、空調ユニット40が車幅方向の略中央に配置され、車幅方向において、コンソール部7により規定される領域内に納められている。すなわち、空調ユニット40は、助手席シート3に対応してインストルメントパネル本体6に設けられる凹部6a及び6bとは車幅方向において重ならない位置に配設されている。これにより、インストルメントパネル本体6の助手席シート3と対向する側で、凹部6a及び6bが形成されるスペースを十分に確保することができる。また、これにより、インストルメントパネル本体6の下側では、シートクッション3aが入り込むスペースを十分に確保することができる。
【0025】
続いて、図4は、図2におけるX−X線に沿った、車幅方向中央におけるインストルメントパネル5の縦断面説明図である。この図から分かるように、コンソール部7には、その外面側に情報表示部や操作部などの制御用のコントローラを備えたオーディオ装置14Aおよびエアコン制御用のコントローラ14Bが組み込まれ、コントロールユニット14を構成している。更に、コントロールユニット14の下側には、シフトチェンジレバー16が設けられている。
【0026】
インストルメントパネル5の内部にて、コンソール部7により規定される領域内に納められた空調ユニット40は、ブロア41と、エバポレータ42と、ヒータコア43とを有しており、これらの構成から生成した冷気又は暖気を空調ダクト21(図2及び3参照)を通じて送給する。また、コンソール部7により規定される領域を通過する構成として、図4では、空調ユニット40内に通過するクロスカービーム45と、カウルボックス46と、ダッシュパネル47と、ダッシュクロスメンバ48とが示されている。なお、これらの構成は従来知られるものである。
【0027】
更に、この実施の形態1では、インストルメントパネル本体6の強度を確保するために、樹脂パネル部材49が、車幅方向に配設されている。また、図4では、その上に車両内部のフロアマット39が設けられるフロアパネル37が示されている。
【0028】
図5の(a)及び(b)は、助手席シート3が、それぞれ、乗員が着座可能なにある状態および車両内部の前方に格納された状態を示す斜視図である。図5の(a)から分かるように、助手席シート3が乗員が着座可能な状態にあり、この状態では、助手席シート3のシートバック3bがシートクッション3aに対してほぼ直立した姿勢で保持されている。助手席シート3側のサイドウィンドウの前側には、車幅方向にて外方へ突出するサイドミラー19が取り付けられている。
【0029】
他方、図5の(b)では、助手席シート3の全体が車両の前方へ移動させられた上で、シートバック3aが前倒しされた状態にあり、この状態では、助手席シート3のヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部が、それぞれ、インストルメントパネル本体6に形成された凹部6a及び6b内に納まり、ヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部の露出面がその周囲におけるインストルメントパネル本体6の表面とほぼ面一になる。これにより、見た目良好にシートを格納することが可能となる。また、この場合には、前倒しされた助手席シート3によってサイドミラー19を含む運転席からの視界が妨げられることなく、良好な視界を得ることができる。
【0030】
更に、図6は、助手席シート3が車両内部の前方に格納される状態を側面視方向から示す説明図である。なお、この図6では、乗員が着座可能である助手席シート3を一点鎖線で、また、車両内部の前方に格納される助手席シート3を実線で示す。インストルメントパネル本体6には、助手席シート3に対応して、その外面に、シート格納用の凹部6a及び6b(ここでは凹部6bは不図示)が形成され、凹部6a及び6bの下側にはグローブボックス17が設けられている。また、インストルメントパネル本体6の内部では、凹部6a及び6bの前方にエアバッグ35が組み込まれ、この凹部6a及び6bの下方には、空調ダクト21が通過している。更に、グローブボックス17の下側には、インストルメントパネル5の内部で車幅方向に延びるクロスカービーム45が通過している。
【0031】
前述したように、助手席シート3を導くガイド機構としては、スライドレール30が配設されており、その上面はフロアパネル37上に設けられたフロアマット39上面とほぼ面一になるように設定されている。助手席シート3は、複数(この実施の形態1では4つ)のスライダ32を介して、スライドレール30と連結されている。スライダ32は、スライドレール30に対しそれに沿ってスライド可能に取り付けられ、また、その一端側で、シートクッション3aの裏面側に固定されている。これによって、助手席シート3は、シートクッション3aがスライドレール30上で移動することにより、車両の前後方向に移動可能となる。
【0032】
なお、特に図示しないが、スライダ32は、スライドレール30の前後方向における所定の位置で固定される構造を有している。図6に示す助手席シート3が乗員が着座可能である状態(一点鎖線)および車両内部の前方に格納された状態(実線)では、それぞれ、スライダ32がスライドレール30に対して固定されている。
【0033】
シートクッション3aをスライドレール30上でその最前の位置に移動させ、インストルメントパネル本体6の下側に押し込み、この状態から、シートバック3bを前倒しして、ヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部をそれぞれ凹部6a及び6b内に納めることにより、助手席シート3が所定の姿勢で車両内部の前方に格納されることになる。この図6からよく分かるように、凹部6a及び6b内に納まったヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部の露出面は、その周囲におけるインストルメントパネル本体6の表面とほぼ面一となり、見た目良好に助手席シート3を格納することができる。
【0034】
図7は、助手席シート3のシートクッション3aがスライドレール30上で車両内部の前方へ移動する様子を示す説明図である。図7からよく分かるように、シートクッション3aが乗員が着座可能な位置(図では右側の位置)にある場合には、シートクッション3aの側部が、車幅方向において、インストルメントパネル5の略中央に位置するコンソール部7と重なる。したがって、シートクッション3aがそのまま車両の前後方向に沿って前方へ移動させられると、それがコンソール部7と干渉して、シートクッション3aの前方への移動が限定されることになる。
【0035】
この問題に対処すべく、本実施の形態1では、一対のスライドレール30が、それらの前端部(図7における左側の端部)が車幅方向において後端部より外側(図7における下側)に位置させられ、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなすように配置されている。このようなスライドレール30の配置によれば、助手席シート3は、車両の前後方向に対して斜め方向(矢印34)に移動することとなり、車両内部の前方に移動するに伴い、車幅方向において外側にシフトする。この移動に際して、シートクッション3aの向きは一定に保持される。シートクッション3aがスライドレール30上の最前の位置にある状態で、すなわち、助手席シート3が車両内部の前方に格納される状態で、シートクッション3aは、その前端側でコンソール部7とフロアパネル37の側壁面との間に納まり、コンソール部7の後端よりも車両の前方に位置することになる。
【0036】
このように、スライドレール30の配置によれば、シートの格納に際して、インストルメントパネル5の中央に所定幅を備えて広がるコンソール部7との干渉なく、シートクッション3aをより前方に移動させることができる。また、これにより、助手席シート3の後方(後部座席シート4の前方)には一層大きなスペースを確保することができ、車両内部の居住性を向上させることが可能である。
【0037】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態1では、助手席シート3を車両内部の前方に移動させた上で前倒しして、助手席シート3の一部(この実施の形態1ではヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部)を、インストルメントパネル本体6に形成された凹部6a及び6b内に、露出面がその周囲におけるインストルメントパネル本体6の表面とほぼ面一になるように納めることにより、運転席からの視界が妨げられないように、容易にまた見た目良好に、助手席シート3を車両内部の前方にて格納することができる。
【0038】
また、空調ユニット40が車幅方向において凹部6a及び6bと重ならないように配設されることにより、インストルメントパネル本体6の助手席シート3と対向する側で、凹部6a及び6bが形成されるスペースを十分に確保することができる。この場合には、凹部6a及び6bに対応して、インストルメントパネル5の内部で車幅方向に延びる空調ダクト21が、凹部6a及び6bを迂回すべく曲折して形成されて、インストルメントパネル本体6の端部近傍に設けられた空気吐出口13Sへ延びるように調整可能である。
【0039】
更に、本実施の形態1では、その上でシートクッション3aが移動するスライドレール30を、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなすように配置することにより、コンソール部7との干渉なく、コンソール部7の大きさを確保しつつ、シートクッション3aをより前方に移動させることができる。図1からよく分かるように、助手席シート3が車両内部の前方に格納された状態では、後部座席シート4の前方に広いスペースを確保することができ、車両内部の居住性を向上させることができる。また、助手席シート3が車両内部の前方に格納された状態では、乗員が助手席シート3側のドアから後部座席にスムーズに乗り込むことができる。
【0040】
次に、本発明の別の実施の形態について説明する。なお、以下では、上記実施の形態1における場合と同じものについては同一の符号を付し、それ以上の説明を省略する。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、助手席シートを前後方向に移動させるに伴い車幅方向においてシフトさせるための上記実施の形態1における場合とは異なるシートのガイド機構が採用される。図8は、本発明の実施の形態2に係るシート格納構造における助手席シートのガイド機構を示す平面図である。この実施の形態2では、助手席シート3のガイド機構として、一対の前後方向移動用のスライドレール50が配設され、車両の前後方向(一点鎖線で示す)に沿って配置されている。また、このスライドレール50は、その上面がフロアパネル37上に設けられたフロアマット39の上面とほぼ面一になるように配設されている。
【0041】
更に、シートクッション3aの裏面側には、一対の車幅方向移動用のスライドレール52が固定されている。図8では、各シートクッション3aについて、前側のスライドレール52のみ示す。このスライドレール52は、前後方向移動用のスライドレール50と平面視方向においてはほぼ直交し、車幅方向に延びるように設定される。
【0042】
これらのスライドレール50及び52は、複数のスライダ55を介して、互いに連結されている。この実施の形態2では、シートクッション3aの裏面側で前後にそれぞれ一対のスライダ55が設けられており、図8では、前側の一対のみ示されている。
【0043】
スライダ55は、それぞれ、スライドレール50及び52に対しそれに沿ってスライド可能に取り付けられている。スライダ55がスライドレール50に沿ってスライドすることにより、シートクッション3aが車両の前後方向(符号53で示す)に移動し、他方、スライダ55がスライドレール52に沿ってスライドすることにより、シートクッション3aが車幅方向(符号54で示す)に移動する。これによって、助手席シート3は、車両内部の前方へ移動するに伴い、車幅方向において外方へシフトすることができる。
【0044】
かかる助手席シート3のガイド機構によれば、助手席シート3を、インストルメントパネル5の中央に位置するコンソール部7との干渉なく、より前方に移動させることができ、シートの格納性を実現することができる。その結果、助手席シート3が車両内部の前方に格納された状態では、後部座席シート4の前方に広いスペースを確保することができ、車両内部の居住性を向上させることができる。
【0045】
図9は、助手席シート3が車両内部の前方に格納される状態を側面視方向から示す説明図である。なお、ここでは、図6に示す場合と同様に、乗員が着座可能である助手席シート3を一点鎖線で、また、車両内部の前方に格納される助手席シート3を実線で示す。シートクッション3aをスライドレール50上でその最前の位置に移動させつつ、スライドレール52を介して車幅方向(紙面に対して垂直な方向)の外側に移動させて、インストルメントパネル本体6の下側に押し込み、その状態から、シートバック3bを前倒しにして、ヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部を凹部6a及び6b(ここでは凹部6bは不図示)内に納めることにより、助手席シート3が所定の姿勢で車両内部の前方に格納されることになる。この実施の形態2においても、凹部6a及び6b内に納まったヘッドレスト3c及びシートバック3bの上端部の露出面は、その周囲におけるインストルメントパネル本体6の表面とほぼ面一となり、見た目良好なシート格納性を実現することができる。
【0046】
実施の形態3.
更に、本発明の実施の形態3では、助手席シートを前後方向に移動させるに伴い車幅方向においてシフトさせるための上記実施の形態1及び2における場合とは異なるシートのガイド機構が採用される。図10は、本発明の実施の形態3に係るシート格納構造における助手席シートのガイド機構を平面視方向から示す説明図である。助手席シート3のガイド機構としては、上記実施の形態2におけるスライドレール50と同様に、一対の前後方向移動用のスライドレール60が配設され、車両の前後方向に沿って配置されている。このスライドレール60には、複数のスライダ61がそれに沿ってスライド可能に取り付けられている。
【0047】
この実施の形態3では、各スライダ61に対して、所定長さをもつリンク部材62がその一端側で枢支され、枢軸O1まわりに水平面に沿って揺動可能である。また、シートクッション3aの裏面側には、リンク部材62の数に対応する数のブラケット66が固定されており、リンク部材62はブラケット66に対してその他端側で枢支され、枢軸O2まわりに水平面に沿って揺動可能である。このように、シートクッション3aは、スライダ61,リンク部材62,ブラケット66からなるリンク機構を介して、スライドレール60に連結されている。
【0048】
なお、この実施の形態3では、シートクッション3aの裏面側の前後に対応して、それぞれ一対のスライダ61,リンク部材62及びブラケット66からなるリンク機構が設けられるが、図10では、前側の一対のみ示されている。
【0049】
かかるリンク機構の動作に伴うシートの移動について説明する。シートクッション3aが乗員が着座可能である状態にある場合に、リンク部材62のブラケット66に枢支される側、すなわちスライドレール60に対して枢軸O1まわりに揺動する側が車両の内方に位置し、リンク部材62は車幅方向に沿って延びるように位置させられる。
【0050】
助手席シート3が車両内部の前方に格納されるに際して、リンク部材62が、車両内方に向く状態から車両前方に向くように、矢印65で示す方向に90度揺動させられる。これにより、リンク部材62は、スライドレール60の長手方向に沿って延びるように位置させられる。このようなリンク機構の動作(リンク部材62の揺動)に伴い、シートクッション3aは車幅方向において外方へ移動する。これによって、助手席シート3は、車両前方へ移動するに伴い、車幅方向において外方へシフトすることができる。
【0051】
図11の(a)及び(b)に、それぞれ、シートクッション3aの車幅方向の移動をもたらすリンク機構の動作前後の状態を示す。この図11は、リンク機構を車両の後方からみた図である。ここで、スライドレール60は、フロアマット39の上面とほぼ面一になるように設定されている。リンク部材62は、その一端側で、スライドレール60に沿ってスライド可能に取り付けられたスライダ61に対して、枢軸O1まわりに揺動可能に枢支されるとともに、その他端側で、シートクッション3aの裏面側に固定されたブラケット66に対して、枢軸O2まわりに揺動可能に枢支されている。枢軸O1とO2とは、距離Dをおいて隔てられている。
【0052】
助手席シート3が格納されるに際して、リンク部材62が、車両内方に向く状態から車両前方に向くように、枢軸O1まわりに90度揺動させられると、枢軸O1とO2とは車両の前後方向に沿って配列することとなる。すなわち、リンク部材62の揺動により、枢軸O2は車幅方向において距離Dだけ移動させられる。このリンク部材62の揺動に伴い、シートクッション3aが車幅方向に移動する。これによって、助手席シート3は、車幅方向において外方へ距離Dだけシフトすることができる。
【0053】
かかる助手席シート3のガイド機構によれば、助手席シート3を、インストルメントパネルの略中央に位置するコンソール部7との干渉なく、より前方に移動させることができ、シートの格納性を実現することができる。その結果、助手席シート3が車両内部の前方に格納された状態では、後部座席シート4の前方に広いスペースを確保することができ、車両内部の居住性を向上させることができる。
【0054】
実施の形態4.
続いて、本発明の実施の形態4では、上記実施の形態1における場合とは異なり、折り畳まれた上で格納される助手席シートが採用され、また、車両内部の前方には、これに対応したシート格納構造が構成される。図12及び13は、それぞれ、本発明の実施の形態4に係るシート格納構造において、助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を示す平面図及びそれを側面視方向から示す図である。なお、図12及び13では、乗員が着座可能である助手席シート73を一点鎖線で、また、車両内部の前方に格納される助手席シート73を実線で示す。
【0055】
助手席シート73は、シートクッション73aと、シートクッション73aの後方端部にその下端側で連結されるシートバック73bと、シートバック73bの上端側に取り付けられたヘッドレスト73cとを有している。この助手席シート73では、ヘッドレスト73cはシートバック73bから取外し可能である。また、シートバック73bは連結部材74を介してシートクッション73aに連結され、シートクッション73aに密着して折り重なるように前倒し可能である。
【0056】
この実施の形態4では、前方スライダ78A及び後方スライダ78Bが、スライドレール30に沿ってスライド可能に取り付けられている。また、シートクッション73aの裏面側には、前方スライダ78A及び後方スライダ78Bと対応して、それぞれ、前方連結部材79A及び後方連結部材79Bが固定されている。前方連結部材79Aは、フロアマット39に直交し前後方向に広がる平面に沿って所定の範囲内で回動可能に前方スライダ78Aに取り付けられる。他方、後方連結部材79Bは、後方スライダ78Bに対して着脱可能である。
【0057】
このようなシートクッション73a及びスライドレール30の連結構造によれば、後方連結部材79Bを後方スライダ78Bから取り外し、シートクッション73aの後方端部を持ち上げると、前方連結部材79Aが前方スライダ78Aに対して回動し、シートクッション73aはフロアマット39上に直立した状態で保持され得る。
【0058】
助手席シート73を車両内部の前方に格納するに際しては、まず、ヘッドレスト73cが取り外された状態で、シートバック73bがシートクッション73aに密着して折り重なるように前倒しされる。次に、シートクッション73aの後方端部が持ち上げられ、シートクッション73a及びそれに密着するシートバック73bがフロアマット39上に直立する。助手席シート73は、このように折り畳まれた状態(所謂ダブルフォールドされた状態)のまま、スライドレール30に沿って車両内部の前方に移動させられ格納される。
【0059】
図14及び15は、このように折り畳まれた助手席シートに対応したシート格納構造が構成される、車両内部の前方に配設されるインストルメントパネル75を示す平面図及び正面図である。インストルメントパネル本体76には、助手席シート73を受けるための凹部76aがその外面に形成されている。この実施の形態4では、凹部76aが、インストルメントパネル本体76において、シートクッション73aとともに直立させられたシートバック73bの背面に対向する部位に設けられており、この凹部76aは、スライドレール30に沿って車両の前方に移動させられてきたシートバック73bを、その背面側から受け入れる。凹部76aの内部形状は、それに納まるシートバック73bの外形に適合するように設定されている。なお、凹部76aにおけるシートバック73bの背面に対向する面(すなわち凹部76aの奥壁面)には、グローブボックス17が設けられている。
【0060】
図12及び13からよく分かるように、この実施の形態4では、ダブルフォールドされた状態でスライドレール30に沿って車両の前方に移動させられてきた助手席シート73の一部(この実施の形態4ではシートバック73bの一部)が、凹部76a内に納まるため、運転席からの視界が妨げられないように、助手席シート73を車両内部の前方にて容易に格納することができる。
【0061】
また、この実施の形態4では、上記実施の形態1における場合と同様に、空調ユニット40が、車幅方向において、凹部76aと重ならずに位置するように、インストルメントパネル75を構成するコンソール部7により規定される領域内に配設されている。これにより、インストルメントパネル本体76の助手席シート73と対向する側で、凹部76aが形成されるスペースを十分に確保することができる。更に、これにより、インストルメントパネル本体76の下側にシートクッション73aが入り込むスペースを十分に確保することができる。また、この場合には、凹部76aに対応して、インストルメントパネル75の内部で車幅方向に延びる空調ダクト77が、凹部76aを迂回すべく曲折して形成されて、インストルメントパネル本体6の端部近傍に設けられた空気吐出口13Sへ延びるように調整可能である。
【0062】
なお、この実施の形態4では、シートのガイド機構として、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなすように配設されたスライドレール30が採用されているが、これに限定されることなく、実施の形態2及び3に係るガイド機構を採用してもよい。
【0063】
実施の形態5.
更に、本発明の実施の形態5では、助手席シートが上記実施の形態4における場合とは異なる折り畳み状態で格納され、また、車両内部の前方には、これに対応したシート格納構造が構成される。図16及び17は、それぞれ、本発明の実施の形態5に係るシート格納装置、助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を示す平面図及びそれを側面視方向から示す図である。なお、図16及び17では、乗員が着座可能である助手席シート83を一点鎖線で、また、車両内部の前方に格納される助手席シート83を実線で示す。
【0064】
助手席シート83は、シートクッション83aと、シートクッション83aの後方端部にその下端側で連結されるシートバック83bと、シートバック83bの上端側に取り付けられたヘッドレスト83cとを有している。この助手席シート83では、ヘッドレスト83cがシートバック83bから取外し可能である。また、シートバック83bは連結部材84を介してシートクッション73aに連結され、シートクッション83aに密着して折り重なるように前倒し可能である。シートクッション83aは、上記実施の形態1における場合と同様に、スライドレール30に沿って移動可能に取り付けられた複数のスライダ32を介して、スライドレール30に連結されている。
【0065】
助手席シート83を車両内部の前方に格納するに際しては、まず、ヘッドレスト83cが取り外された状態で、シートバック83bがシートクッション73aに密着して折り重なるように前倒しされる。助手席シート83は、このように折り畳まれた状態のまま、スライドレール30に沿って車両内部の前方に移動させられ格納される。
【0066】
また、一方、インストルメントパネル本体86には、助手席シート83を受け入れるための凹部86aがその外面に形成されている。この実施の形態5では、凹部86aが、インストルメントパネル本体86において、シートクッション83a及びその上に折り重ねられたシートバック83bの前端側に対向する部位に設けられており、この凹部86aは、スライドレール30に沿って車両の前方に移動させられてきたシートクッション83a及びシートバック83bを、その前端側から受け入れる。凹部86aの内部形状は、それに納まるシートクッション83a及びシートバック83bの外形に適合するように設定されている。また、この実施の形態5では、グローブボックス17が凹部86aの上側にて車両後方へ突出するように設けられている。
【0067】
この実施の形態5では、シートクッション83a上にシートバック83bが積み重ねられた状態でスライドレール30に沿って車両の前方に移動させられてきた助手席シート83の一部(この実施の形態5ではシートクッション83a及びシートバック83bの一部)が凹部86a内に納まるため、運転席からの視界が妨げられないように、助手席シート83を車両内部の前方にて容易に格納することができる。
【0068】
また、特に図示しないが、この実施の形態5では、前述した実施の形態における場合と同様に、空調ユニット40が、車幅方向において、凹部86aと重ならずに位置するように、インストルメントパネル85を構成するコンソール部7により規定される領域内に配設されている。これにより、インストルメントパネル本体86の助手席シート83と対向する側で、凹部86aが形成されるスペースを十分に確保することができる。更に、これにより、インストルメントパネル本体86の下側にシートクッション83aが入り込むスペースを十分に確保することができる。
【0069】
なお、この実施の形態5では、シートのガイド機構として、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなすように配設されたスライドレール30が採用されているが、これに限定されることなく、前述した実施の形態2及び3に係るガイド機構を採用してもよい。
【0070】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】
本願の請求項1に係る発明によれば、車両内部の前方に車幅方向に沿って延びるインストルメントパネル本体と該インストルメントパネル本体の車幅方向の略中央にてそれに直交して後方に延設されたコンソール部とを備えたインストルメントパネルと、該インストルメントパネルと対向するように配設されたシートとを有する車両のシート格納構造において、上記シートを車両の前後方向及び車幅方向に導くガイド機構が設けられ、上記シートは、略水平に支持され上記ガイド機構により車両の前後方向及び車幅方向に導かれるシートクッションと、該シートクッションの後端側にその下端側で連結された前倒し可能なシートバックと、該シートバックの上端側に設けられたヘッドレストとを有し、上記ガイド機構は、上記シートを、車両後方で該シートの少なくとも一部が車幅方向において上記コンソール部と重なる着座可能な位置と、上記シートバックが前倒しにされた状態で車幅方向における該コンソール部との干渉を回避しつつ上記インストルメントパネル本体に格納されるような、上記着座可能な位置よりも車幅方向において外側の位置との間で移動可能とするように構成されているため、シート格納に際して、インストルメントパネルのコンソール部との干渉なく、シートをより前方へ移動させることができ、その結果、車両内部の居住性を一層向上させることができる。
【0072】
また、本願の請求項2に係る発明によれば、上記ガイド機構が、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなして配設されたレール部材を有しており、上記シートは、上記レール部材に沿ってスライドすることにより、車両前方に移動するにつれ車幅方向の外方に移動するため、上記請求項1に係る発明と同様の効果を奏することができる。
【0073】
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、上記ガイド機構が、それぞれ車両の前後方向及び車幅方向に沿って配設された複数のレール部材を有しており、上記シートは、上記各レール部材に沿ってスライドすることにより、車両の前後方向及び車幅方向にそれぞれ移動するため、上記請求項1に係る発明と同様の効果を奏することができる。
【0074】
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、上記ガイド機構が、車両の前後方向に沿って配設されたレール部材と、一端側でシートの裏面に対して揺動可能に取り付けられる一方、他端側で該レール部材に対して揺動可能に取り付けられたリンク部材とを有しており、上記シートは、上記レール部材に沿ってスライドすることにより、車両の前後方向に移動し、また、上記リンク部材を介して揺動することにより、車幅方向に移動するため、上記請求項1に係る発明と同様の効果を奏することができる。
【0075】
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、基本的には、上記請求項1〜4に係る発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。その上、更に、上記シートバックが所定の角度に前倒し可能であり、上記インストルメントパネルのシートと対向する側には、上記シートクッションが所定位置まで車両の前方に移動させられ、上記シートバックが所定の角度で前倒しにされた状態で、上記シートバックあるいはヘッドレストの少なくとも一部を受け入れる凹部が設けられているため、シートを比較的簡単に格納することができる。
【0076】
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、基本的には、上記請求項1〜4に係る発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。その上、更に、上記シートは、上記シートバックがシートクッションに重なるように前倒しされた状態で車両の前方に格納されるため、シートを車両のより前方に移動させることができる。
【0077】
また、更に、本願の請求項7に係る発明によれば、基本的には、上記請求項1〜6に係る発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。その上、更に、上記インストルメントパネルの内部にて、車両内外の空気を所定の状態に処理調整する空調ユニットが、車幅方向の略中央のコンソール部により規定される領域内に配設されているため、シートが車両のより前方に移動可能となるように、インストルメントパネル側でのシートの格納スペースを一層大きく確保することができる。
【0078】
また、更に、本願の請求項8に係る発明によれば、基本的には、上記請求項1〜7に係る発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。その上、更に、上記シートは、上記車両内部の前方に運転座席シートと並列して配設される助手席シートであり、助手席シートの後方には後部座席シートが設けられているため、車両の前方に助手席シートが格納された場合には、後部座席シートの前方に比較的広いスペースが生じ、車両内部の居住性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るシート格納構造が構成される車両の内部を概略的に示す平面図である。
【図2】 インストルメントパネルを示す平面図である。
【図3】 インストルメントパネルを示す正面図である。
【図4】 図2におけるX−X線に沿った断面説明図である。
【図5】 (a)乗員が着座可能な状態にある助手席シートを示す斜視図である。
(b)インストルメントパネルに対して格納された状態にある助手席シートを示す斜視図である。
【図6】 助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を側面視方向から示す説明図である。
【図7】 助手席シートのシートクッションがスライドレール上で車両内部の前方へ移動する様子を示す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係るシート格納構造における助手席シートのガイド機構としてのスライドレールを示す平面図である。
【図9】 上記実施の形態2に係るシート格納構造における助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を側面視方向から示す説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係るシート格納構造における助手席シートのガイド機構(スライド機構及びリンク機構)を平面視方向から示す説明図である。
【図11】 (a)助手席シートの車幅方向の移動をもたらすリンク機構の動作前の状態を示す。
(b)助手席シートの車幅方向の移動をもたらすリンク機構の動作後の状態を示す。
【図12】 本発明の実施の形態4に係るシート格納構造において、助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を示す平面図である。
【図13】 上記実施の形態4に係るシート格納構造において、助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を側面視方向から示す説明図である。
【図14】 上記実施の形態4に係るシート格納構造が構成される、車両内部の前方に配設されたインストルメントパネルを示す平面図である。
【図15】 上記実施の形態4に係るシート格納構造が構成される、車両内部の前方に配設されたインストルメントパネルを示す正面図である。
【図16】 本発明の実施の形態5に係るシート格納構造において、助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を示す平面図である。
【図17】 上記実施の形態5に係るシート格納構造において、助手席シートが車両内部の前方に格納される状態を側面視方向から示す説明図である。
【符号の説明】
2…運転席シート
3…助手席シート
3a…シートクッション
3b…シートバック
3c…ヘッドレスト
4…後部座席シート
5…インストルメントパネル
6…インストルメントパネル本体
6a,6b…凹部
7…コンソール部
13C,13S…空気吐出口
14…コントロールユニット
17…グローブボックス
21…空調ダクト
21a…迂回部
30…スライドレール
32…スライダ
40…空調ユニット
50…前後方向移動用のスライドレール
52…車幅方向移動用のスライドレール
55…スライダ
60…前後方向移動用のスライドレール
61…スライダ
62…リンク部材
66…ブラケット
73…助手席シート
76…インストルメントパネル本体
76a…凹部
77…空調ダクト
77a…迂回部
78A…前方スライダ
78B…後方スライダ
79A…前方連結部材
79B…後方連結部材
83…助手席シート
86…インストルメントパネル本体
86a…凹部
O1,O2…枢軸
Claims (8)
- 車両内部の前方に車幅方向に沿って延びるインストルメントパネル本体と、該インストルメントパネル本体の車幅方向の略中央にてそれに直交して後方に延設されたコンソール部とを備えたインストルメントパネルと、
該インストルメントパネルと対向するように配設されたシートとを有する車両のシート格納構造において、
上記シートを車両の前後方向及び車幅方向に導くガイド機構が設けられ、
上記シートは、略水平に支持され上記ガイド機構により車両の前後方向及び車幅方向に導かれるシートクッションと、該シートクッションの後端側にその下端側で連結された前倒し可能なシートバックと、該シートバックの上端側に設けられたヘッドレストとを有し、
上記ガイド機構は、上記シートを、車両後方で該シートの少なくとも一部が車幅方向において上記コンソール部と重なる着座可能な位置と、上記シートバックが前倒しにされた状態で車幅方向における該コンソール部との干渉を回避しつつ上記インストルメントパネル本体に格納されるような、上記着座可能な位置よりも車幅方向において外側の位置との間で移動可能とするように構成されていることを特徴とする車両のシート格納構造。 - 上記ガイド機構が、車両の前後方向に対して所定の傾斜角度をなして配設されたレール部材を有しており、
上記シートは、上記レール部材に沿ってスライドすることにより、車両前方に移動するにつれ車幅方向の外方に移動することを特徴とする請求項1記載の車両のシート格納構造。 - 上記ガイド機構が、それぞれ車両の前後方向及び車幅方向に沿って配設された複数のレール部材を有しており、
上記シートは、上記各レール部材に沿ってスライドすることにより、車両の前後方向及び車幅方向にそれぞれ移動することを特徴とする請求項1記載の車両のシート格納構造。 - 上記ガイド機構が、車両の前後方向に沿って配設されたレール部材と、一端側でシートの裏面に対して揺動可能に取り付けられる一方、他端側で該レール部材に対して揺動可能に取り付けられたリンク部材とを有しており、
上記シートは、上記レール部材に沿ってスライドすることにより、車両の前後方向に移動し、また、上記リンク部材を介して揺動することにより、車幅方向に移動することを特徴とする請求項1記載の車両のシート格納構造。 - 上記シートバックが所定の角度に前倒し可能であり、
上記インストルメントパネルのシートと対向する側には、上記シートクッションが所定位置まで車両の前方に移動させられ、上記シートバックが所定の角度で前倒しにされた状態で、上記シートバックあるいはヘッドレストの少なくとも一部を受け入れる凹部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の車両のシート格納構造。 - 上記シートは、上記シートバックがシートクッションに重なるように前倒しされた状態で、上記インストルメントパネル本体の下側に格納されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の車両のシート格納構造。
- 上記インストルメントパネルの内部にて、車両内外の空気を所定の状態に処理調整する空調ユニットが、車幅方向の略中央のコンソール部により規定される領域内に配設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の車両のシート格納構造。
- 上記シートは、上記車両内部の前方に運転座席シートと並列して配設される助手席シートであり、助手席シートの後方には後部座席シートが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一に記載の車両のシート格納構造。
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