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JP4006100B2 - 複合フィルム - Google Patents

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JP4006100B2
JP4006100B2 JP17151098A JP17151098A JP4006100B2 JP 4006100 B2 JP4006100 B2 JP 4006100B2 JP 17151098 A JP17151098 A JP 17151098A JP 17151098 A JP17151098 A JP 17151098A JP 4006100 B2 JP4006100 B2 JP 4006100B2
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卓三 今泉
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Futamura Chemical Co Ltd
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Futamura Chemical Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、耐水性及びガスバリヤ性に優れる複合フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品等の酸化劣化を防ぐ目的で、基層にポリ塩化ビニリデン層を塗布形成した複数層からなるフィルムで食品を包装することがなされている。ところが、最近になって、環境問題の点からポリ塩化ビニリデンを使用していないフィルムが求められるようになった。そこで、防湿性プラスチックフィルムからなる基層にポリビニルアルコール層を塗布により積層したガスバリヤ性フィルムが研究されるようになった。
【0003】
しかしながら、ポリビニルアルコールには耐水性がなく高湿度下において接着強度が低下する問題がある。これを改善するために、ポリビニルアルコールに架橋剤を配合して耐水性を向上させる方法も検討されているが、架橋剤を加えたポリビニルアルコールの塗布液は、それ自体の架橋反応が進んで塗布液の寿命が短く、ガスバリヤ性フィルムの連続生産に適さない問題がある。その他の耐水性改善方法として、変性ポリビニルアルコールを使用することが知られている。しかし、その場合にはガスバリヤ性が低下する欠点がある。また、この種のフィルムにあっては、袋状にされる等の際に良好な滑り性も要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、ガスバリヤ性及び耐水性に優れ、しかも滑り性も良好な複合フィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基層の少なくとも片面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層を介してポリビニルアルコール層を積層した複合フィルムであって、 前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層におけるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの変性度が1〜10モル%であると共に、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールに酸触媒を加えたことを特徴とする複合フィルムに係る。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の複合フィルムは、基層の少なくとも片面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層を介してポリビニルアルコール層を被覆したものであり、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールによって耐水性を向上させ、ポリビニルアルコールによってガスバリヤ性を向上させている。
【0007】
基層は、複合フィルムに所望の強度や密封性等を付与するためのもので、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂によって構成された二軸延伸フィルムからなる。特に防湿性を考慮する場合には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。
【0008】
前記基層のアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層が設けられる面には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層との接着性を向上させるためにアンカーコート剤の層を設けるのが好ましい。このアンカーコート剤としては、公知のものが用いられる。例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエチレン系、有機チタネート系等の中から適宜のものが選択されて基層に塗布される。さらに、アンカーコート剤が塗布されるプラスチックフィルムの表面には、接着強化のための表面処理を行ってもよい。
【0009】
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層は、複合フィルムの耐水性を高め、高湿度下における複合フィルムの接着強度を向上させるもので、前記アンカーコート剤上に塗布形成される。変性ポリビニルアルコール層を構成する樹脂としては、けん化度が70〜100モル%の酢酸ビニルをカルボキシル基、スルホン酸、アセトアセチル基などで変性した変性ポリビニルアルコールがあり、特には化学反応性の点から酢酸ビニルをアセトアセチル基で変性したアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールである。なお、前記各種変性ポリビニルアルコールとポリビニルアルコールをブレンドしたものでもよい。
【0010】
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの変性度は、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを単独で使用する場合にはその変性度を、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとポリビニルアルコールをブレンドしたものを使用する場合には、それぞれの変性度の配合率による計算値を変性度とする。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの変性度は0.5モル%以下では耐水性が不十分であり、また10モル%を越えると水に対する溶解性が低下するので、1モル%以上、10モル%以下である。またアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールに塩酸、硫酸、硝酸などの酸触媒を加えてさらに耐水性を向上させる。
【0011】
ポリビニルアルコール層は、複合フィルムのガスバリヤ性を向上させるためのもので、この複合フィルムによって包装された食品等の酸化を防止する作用がある。ポリビニルアルコール層を構成する樹脂としては、けん化度が70〜100モル%の酢酸ビニルが好適であり、その塗布液を前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層上に塗布することにより、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層を覆ってポリビニルアルコール層が積層される。このポリビニルアルコール層を構成する樹脂には、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線防止剤、抗菌剤等、所望の添加剤を配合してもよい。
【0012】
なお、前記各層の原料を塗布する方法に限定はなく、グラビアコート、エアナイフコートなど適宜の方法が用いられる。さらに、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層およびポリビニルアルコール層は、基層の片面だけでなく両面に設けてさらに耐水性やガズバリヤ性を高めてもよく、複合フィルムに求められる耐水性やガスバリヤ性等に応じて適宜決定される。
【0013】
【実施例】
次に、本発明の複合フィルムの実施例を比較例と共に示すが、本発明はその実施例に限定されるものではない。
【0014】
[比較例1]
基層として厚み20μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、その基層の片面にアンカーコート層としてウレタン系アンカーコート剤を0.4g/m2の割合で塗布し、その上にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層としてけん化度99モル%、変性度5モル%のアセトアセチル基変性酢酸ビニルを0.5g/m2の割合で塗布し、さらにその上にポリビニルアルコールとしてけん化度99モル%の酢酸ビニルを0.5g/m2の割合で塗布して、基層/アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層/ポリビニルアルコール層からなる3層の複合フィルムを製造した。
【0015】
[実施例]
基層として厚み20μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、その基層の片面にアンカーコート層としてアクリル系アンカーコート剤を0.4g/m2の割合で塗布し、その上にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層としてけん化度99モル%、変性度5モル%のアセトアセチル基変性酢酸ビニルとけん化度99モル%、変性度0モル%の酢酸ビニルを4対6の割合でブレンドして変性度2モル%としたものにさらに塩酸を1%配合した塗液を0.4g/m2の割合で塗布し、その上にポリビニルアルコール層としてけん化度99モル%の酢酸ビニルにカルナパワックスを3.6重量%と1.5μのアクリル粒子を0.2重量%配合したものを0.4g/m2の割合で塗布して、基層/アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層/ポリビニルアルコール層からなる3層の複合フィルムを製造した。
【0016】
[比較例]
基層として厚み20μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、その基層の片面にアンカーコート層としてウレタン系アンカーコート剤を0.4g/m2の割合で塗布し、その上にポリビニルアルコールとしてけん化度99モル%の酢酸ビニルを1.0g/m2の割合で塗布して、基層/ポリビニルアルコール層からなる2層の複合フィルムを製造した。
【0017】
[比較例]
基層として厚み20μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、その基層の片面にアンカーコート層としてウレタン系アンカーコート剤を0.4g/m2の割合で塗布し、その上にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層としてけん化度99モル%、変性度5モル%のアセトアセチル基変性酢酸ビニルを1.0g/m2の割合で塗布し、基層/アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層からなる2層の複合フィルムを製造した。
【0018】
前記比較例1ないし3で得られた複合フィルムに対し、次の方法によって酸素透過度(ガスバリヤ性)、ラミネート強度(接着性)を測定した。その結果は表1に示す通りである。また実施例及び比較例については、それらの測定項目に加え、滑り性についても測定した。その結果は表2に示す通りである。なお、耐水性については、湿度50%、100%の条件でラミネート強度(接着性)を測定し、その値によって判断した。
【0019】
(1)酸素透過度(ガスバリヤ性)
モーコン社製ガス透過試験機を用いて酸素透過度を測定した。単位は、cc/m2・24h(23℃、湿度50%)である。
【0020】
(2)ラミネート強度(接着性)
複合フィルムにおいて各層が積層された側の最外層表面に、ポリエステル系ドライラミネート用接着剤を介して20μの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせ、引張試験機により、温度23℃、湿度50%の状態、及び温度23℃、湿度100%の条件下、引張強度200mm/minでラミネート強度を測定した。単位はgf/15mmである。
【0021】
(3)滑り性
東洋精機製スリップテスターを使用して測定した。
【0022】
【表1】
Figure 0004006100
【0023】
【表2】
Figure 0004006100
【0024】
前記測定の結果、実施例1の複合フィルムは、ガスバリヤ性が良好で、接着性(耐水性)についても湿度50%、100%のいずれにおいても良好であった。それに対し、比較例ではガスバリヤ性については比較例、接着性(耐水性)については比較例で大きく劣っていた。
【0025】
また、滑り性についても実施例の複合フィルムは良好な値を示した。それに対し、比較例は滑り性の悪いものであった。さらに、実施例ではアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールに塩酸を加えたことにより耐水性が一層向上しており、その結果高湿度(100%時)におけるラミネート強度が比較例1よりも大の値を示している。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合フィルムは、基層の少なくとも片面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層を介してポリビニルアルコール層を積層した複合フィルムであって、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層におけるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの変性度が1〜10モル%であると共に、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールに酸触媒を加えたため、耐水性とガスバリヤ性の両方に優れる効果がある。また、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコールを使用し、ポリ塩化ビニリデンを使用していないため、環境に悪影響を与える恐れもない。
【0027】
さらに、ポリビニルアルコール層には耐水性を高めるための架橋剤を含んでいないため、ポリビニルアルコール塗布液の安定性に優れ、その塗布液を用いて連続的に複合フィルムを生産することができるので、効率的かつ経済的に本発明の複合フィルムを得ることができるようになる。

Claims (1)

  1. 基層の少なくとも片面に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層を介してポリビニルアルコール層を積層した複合フィルムであって、
    前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール層におけるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの変性度が1〜10モル%であると共に、前記アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールに酸触媒を加えたことを特徴とする複合フィルム。
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