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JP4001880B2 - 空間多重伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基地局もしくは端末にアンテナを実装する上でアンテナ配置の制約が生じる環境に用いて好適な空間多重伝送装置に関する。
近年、携帯電話や無線LAN(Local Area Network)システムにおいて、限られた周波数帯域で100Mbps以上の高速無線通信を実現するための検討が行われている。このような無線通信システムを実現するためには、周波数、時間、符号をユーザごとに分割するだけでなく、空間領域を用いた技術により周波数利用効率を向上させながら、伝送速度を改善するための検討が行われている。
空間多重伝送装置は、複数のアンテナ素子から異なる信号を送信することで、周波数帯域を増大することなしに高速伝送を実現する装置である。図6に従来のマルチビームを形成することで伝送品質を改善することのできる空間多重伝送用送信装置の内部構成の一例をブロック図で示す(例えば、非特許文献1参照)。
また、図7に示すような空間多重伝送装置をさらに広帯域な伝送に用いるための手法として、空間多重伝送装置を直交波周波数分割多重方式と組み合わせる方法も検討されている。直交波周波数分割多重方式とは、キャリア周波数を複数使用するマルチキャリア伝送方式で、各キャリアが互いに直交しているため、キャリアのスペクトラムの重なりが許され周波数利用効率が高いという特徴を持つ。また、広帯域伝送では、長い遅延波が伝送特性の劣化を示す要因となっているが、直交波周波数分割多重方式では、各キャリアは狭帯域なるため、このような長遅延波が到来する環境下でも良好な伝送特性が得られることが知られている.
図7に従い従来のマルチビームを形成する空間多重伝送装置について以下に説明する。図7に示す構成において、シリアルパラレル変換器部77は、シリアルデータを、L個の周波数多重とK個の空間多重の合計L×K個に信号をパラレル変換する。この変換処理により、L個の各サブキャリアにおいてそれぞれK個の送信信号系列を生成することができる。次に、各入力信号をマルチビーム形成部78に入力し、各入力信号に対し、図の重みづけ計算部74と重みづけ選択部75から得られる固有ベクトルを乗算することで、入力ごとにアンテナ指向性が異なるマルチビームを形成することができる。この演算をサブキャリアf1〜fLごとにそれぞれ行い、マルチビーム形成部78の出力を逆フーリエ変換生成部79で逆変換し、送信機80を介して信号を送信する。
以下、重みづけを行う方法について述べる。まず、伝達係数行列Hの特異値分解(H=UDV)を行い、ユニタリ行列V及び特異値√λを対角要素とする対角行列を求める。送信アンテナ数をNT、受信アンテナ数をNR 、XをNTとNTのうち小さい方の数字とし、u1〜uxをN×1の列ベクトル、NT〜vxをNR×1の列ベクトル、上添え字Hは共役転置を表すものとすると、伝達係数行列は以下の演算式(1)(2)で表される。
Figure 0004001880
Figure 0004001880
ここで、伝達係数行列の要素Hijは送信アンテナjで送信され、受信アンテナiで受信したときの伝達係数となっている。次に特異値の大きい方からK個を選択し、各特異値に対応したユニタリ行列Vの列ベクトルv1〜vL.を重みとして選択し、K個の信号T1〜TLから各列ベクトルを用いて以下の演算式(3)によって各アンテナ素子から送信する信号S1〜SNを形成する。
Figure 0004001880
ユニタリ行列Vは、伝達係数行列Hとその複素共役転置行列HHの積HHHの固有ベクトルとなっている。
このような重みづけを用いて送信を行うことで、周波数帯域を増大せずにアンテナ数倍の伝送速度を実現することが可能であり、指向性利得が得られ、さらにN素子からKビームを形成する(N≧K)とすることによって良好なビームを選択できるためダイバーシチ効果も得ることができる。送信ダイバーシチは、Space-Time-Transmission-Diversity(立川著「W-CDMA移動通信方式」丸善)、あるいはSpace-Time-Block-Code(Naguib、 et.al “Space-Time-Block-Codes: code design criteria)、 Delay Diversity 等を用いることができる。
Miyashita、 K.; Nishimura、 T.; Ohgane、 T.; Ogawa、 Y; Takatori、 Y;Keizo Cho;"High data-rate transmission with eigenbeam-space division multiplexing (E-SDM) in a MIMO channel、"Vehicular Technology Conference、 2002. Proceedings. VTC 2002-Fall. 2002 IEEE /56th、 Volume: 3 、 24-28 Sept. 2002 Pages:1302−1306 vol.3 岸野康博,上原一浩,鹿子嶋憲一,"Null成形ビ-ムによるダイバ-シティの検討" 1997年電子情報通信学会ソサイエティ大会 B−1−25.
図7に示されるように、上記の重みづけの演算を直交波周波数分割多重方式に適用する場合は、サブキャリアごとに、重みづけを求める必要がある。一般に、直交波周波数分割多重方式におけるサブキャリアは、各サブキャリアの伝搬特性がフラットフェージングになるように設定されており、無線LANシステムでは50キャリア程度、地上波ディジタル放送においては、数百〜数千程度のサブキャリアが設定される(この事実は、例えば、「松江、守倉監修、“802.高速無線LAN教科書”、IDGジャパン、 p132、 2003年」、「笹瀬監修、“次世代ディジタル変復調技術”、トリケップス、 pp 145-193」などに開示されている)。このように、多数のサブキャリアごとに上記の重みづけを得るために特異値分解などの計算を行うと、装置のハードウェア規模が非常に大きくなってしまうといった問題があった。
また、空間分割多重伝送装置を実現するためには、複数のアンテナ素子を必要とするが、実際は、アンテナの設置環境により、例えば、図8(a)〜(c)に示されるようにアンテナの配置できる場所は限定される。ここでは、PCカード上への実装例、ノートPC上への実装例、アクセスポイントへの実装例がそれぞれ示されている。
一般に、屋内の伝搬環境などでは、空間分割多重伝送を実現するためのアンテナ配置としては、アンテナ素子間隔を広げて水平配置にしたほうがよいことが報告されている(この事実は、立川他、電子情報通信学会ソサエティ大会B-1-46、 2003年9月)などに開示されている)。しかしながら、図8に示されるように、一般にアンテナのサイズは、通信する周波数の波長となるサイズでおおむね決定されるため、実際は、必ずしもアンテナの波長で規格化した素子間隔を大きくし、あるいは水平配置だけでアンテナを実装することはできない。
また、基地局の設置環境や端末の大きさなどで限定されるアンテナ配置において、先に示したようにサブキャリアごとに固有ベクトルを求めて、これを送信の重みづけとして用いることは、空間分割多重伝送装置における演算規模をできるだけ簡易にするという観点だけでなく、空間分割多重伝送装置による伝送特性を改善できないといった問題がある。この理由は、空間分割多重伝送装置における伝送特性の指標は、伝搬路の空間の広がりがどの程度広がっているかで決定され、この大きさはアンテナの配置や素子間隔などのアンテナ構成により大きく影響するためである。
もし、アンテナ配置に対し、伝搬路の空間のひろがりが大きく見える環境であれば、サブキャリア間の伝搬特性も大きく異なるので、サブキャリアごとに固有ベクトルを求める効果が得られるが、アンテナ配置が異なり、伝搬路の空間のひろがりが大きく見えない環境であれば、サブキャリア間の伝搬特性は一様に近くなり、サブキャリア間で異なる固有ベクトルを送信ウエイトとして用いても、伝送特性は大きく改善されない。従って、限定されたアンテナ配置を考慮して広帯域の空間分割多重伝送装置を実現するためには、簡易に送信重みづけを求めるための方法を実現することが課題となっていた。
本発明は上記諸々の事情に鑑みてなされたものであり、サブキャリア毎の送信重みづけの計算を、アンテナ配置を考慮して簡易に効率的に実行することにより、計算のためのハードウェア規模の削減をはかった空間多重伝送装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために本発明は、N素子のアンテナ素子を用い、直交周波数分割多重方式を用いたF個の周波数多重とK個の空間多重による送信を行う空間多重伝送装置であって、前記アンテナ素子に接続され、前記複数のアンテナ素子を任意の組み合わせから成る複数の群に分別するための選択を行うアンテナ群選択部と、前記選択された各群に入力される信号間から得られる固有ベクトルを用いて周波数相関を求める周波数相関演算部と、前記周波数相関演算部で得られた前記アンテナ群ごとの相関値から、前記アンテナ群ごとの送信重みづけに用いる固有ベクトルの数を決定する重みづけ決定部と、送信信号をシリアルバラレル変換し、前記群ごとに前記送信信号を入力するシリアルパラレル変換部と、前記重みづけ決定部で得られる重みづけ値と前記シリアルパラレル変換部の各群から出力される送信信号とを乗算して送信するマルチビーム形成部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明において、前記周波数相関演算部は、前記アンテナ素子から前記アンテナ群選択部で選択された各アンテナに対し、前記周波数多重された受信信号の少なくとも2個から伝達係数行列を生成する伝達係数行列推定手段と、前記生成された伝達係数行列から得られる固有ベクトルを前記周波数多重の少なくとも2個から算出する固有ベクトル演算手段と、前記算出される周波数多重間での固有ベクトル間の相関値を算出する相関演算手段と、を具備することを特徴とする。
また、本発明において、前記重みづけ決定部は、前記周波数相関演算部から得られる相関値の相関帯域幅に基づき、前記アンテナ群ごとに用いる前記周波数多重数に対する送信の重みづけ値における固有ベクトルの数を決定することを特徴とする。
また、本発明において、前記アンテナ素子は、垂直配置と水平配置のアンテナ素子群で構成され、前記アンテナ群選択部は、前記垂直配置のアンテナ群と水平配置のアンテナ群をそれぞれ同一のアンテナ群として分別のために選択し、前記重みづけ決定部は、固有ベクトルの値を共通とする周波数多重の間隔を、前記垂直配置のアンテナ群と水平配置のアンテナ群で得られる相関帯域幅に基づき設定することを特徴とする。
また、本発明は、N素子のアンテナ素子を用い、直交周波数分割多重を用いたF個の周波数多重とK個の空間多重による送信を行う空間多重伝送用装置であって、垂直方向と水平方向に配置される前記アンテナ素子に接続され、前記複数のアンテナ素子を垂直方向素子と水平方向素子群に分離するアンテナ群選択部と、前記垂直方向に配置された前記アンテナ素子群に対して、垂直配置素子の合成指向性の水平方向が略ヌル状態となるように重みづけ値を設定する垂直配置用重みづけ決定部と、前記水平配置アンテナ素子群に対して、前記垂直配置用重みづけ決定部で得られる重みづけ値を用いて合成された出力結果を考慮して得られる入力信号から、任意の1個の周波数キャリアにおける伝達係数行列から得られる固有ベクトルを求める水平配置用重みづけ決定部と、送信すべき信号をシリアルパラレル変換し、前記水平配置アンテナ素子群ごとに前記送信信号を入力するシリアルパラレル変換部と、前記垂直配置用および水平配置用重みづけ決定部で得られる重みづけ値と前記シリアルパラレル変換部の各群から出力される送信信号とを乗算して送信するマルチビーム形成部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、固有ベクトルに対する周波数相関を用いて必要とする送信重みづけの数を決定することで、固有ベクトルの演算がサブキャリア数だけ必要だった従来例と比較して低減することができ、このため、計算量の大幅な削減を見込むことができ、このために要するハードウェア規模の削減が可能である。
また、送信に用いる重みづけの方法を、垂直配置と水平配置のアンテナ群に分けることで、垂直配置については固定の値のみで重みづけを設定し、水平配置についても任意の1個のサブキャリアに着目した固有ベクトル演算のみで重みづけを決定できるため、送信重みづけを決定するための計算量を大幅に削減することができ、ハードウェア規模の削減に寄与できる。
以下、図面を参照しながら第1の実施形態と第2の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る空間多重伝送装置の構成を図1に示す。第1の実施形態は、アンテナ配置の違いによる周波数相関の違いを用いて広帯域伝送時における送信重みづけの数を省略することで、全体の計算量を削減するものである。ここでは、N素子のアンテナ素子21を有する。また、アンテナ素子21は垂直と水平配置の素子で構成されているが、これは、これらの配置に限定されるものではない。
図1において、受信機12により受信された信号に対し、直交周波数分割多重方式における復調を行うため、フーリエ変換処理部13でフーリエ変換が行われる。このフーリエ変換処理部13により変換された各サブキャリアの受信信号に対し、後述する周波数相関の演算を行うためにアンテナ素子群の選択を行うアンテナ群選択部14を有する。このアンテナ素子群は、アンテナ間の組み合わせの違いにより周波数相関がどの程度異なるかをいくつかの組み合わせで調べるために設けている。アンテナ群選択部14は、アンテナ群の組み合わせにつき、例えば、垂直配置どうしや水平配置どうしの組み合わせ、あるいは隣接する素子どうし等を選択する。但し、ここではその組み合わせにつきM種類用意するが、特にその組み合わせの方法については特に限定しないものとする。
アンテナ群選択部14には、周波数相関演算部15が接続される。図2に、周波数相関演算部の詳細が示されている。図2に示されるように、アンテナ群mと周波数多重番号jにおける受信信号ベクトルをXmjとすると、伝達係数行列推定手段151は、受信信号ベクトルXmjから、先に述べた伝達係数行列を得る。但し、ここでは従来例と異なり、全部の周波数多重数で伝達係数行列を取得しない。後述する周波数相関を演算するためには、少なくとも2個の周波数多重数における伝達係数行列が求まればよい。例えば、周波数多重数をLとすると、最も周波数の離れるサブキャリアf1とサブキャリアfLの2箇所の伝達係数行列を取得すればよい。精度を高めるためには、中央のサブキャリアにおける伝達係数行列をあわせて取得すればよい。
この後、固有ベクトル計算手段152により、各アンテナ群における各伝達係数行列から固有ベクトルを得る。固有ベクトルを得る手法は、従来同様、演算式(1)〜(3)で述べた方法と同様の手法で得ることができる。
得られた固有ベクトルより、相関演算手段153において、周波数多重におけるサブキャリア間の固有ベクトルの周波数相関を求める。サブキャリア#1とサブキャリア#Lの固有ベクトルをそれぞれe1とeLとすれば、周波数相関ρは以下の演算式(4)で与えることができる。
Figure 0004001880
次に、上記した演算式(4)で与えられる周波数相関をアンテナ素子群ごとに計算する。周波数相関の相関値が大きい場合は、周波数多重におけるサプキャリア間の伝搬路がほぼ同一であるとみなすことができる。すなわち、送信で用いる固有ベクトルをサブキャリア間で同一としてもよく、従来計算で求めていた部分を省略することができる。反対に、周波数相関が小さい値となれば、サブキャリア間の伝搬路は異なっていると判断できるため、この場合は、送信で用いる固有ベクトルをサブキャリア間ごとに求めたものを使用する。
厳密には、隣接するサブキャリア間隔ごとに演算式(4)を求めると、厳密な相関値が求まるが、その場合、サブキャリアごとに固有ベクトルを結局求めなければならない。ここでは、これを回避するために、先に述べたように、サブキャリア#1と#Lの間、もしくはその中間のサブキャリアの間で演算式(4)を求め、後は、補完することでその間の相関値を推定する。従って、本発明実施形態では、すべてのサブキャリアにおける伝達係数行列と固有ベクトルを求めなくても、周波数相関を得ることで、送信で用いるべき送信重みづけの数を推定することが可能となる。
具体的には、図1に示す重みづけ決定部16において、上記の周波数相関を得る計算をした後、アンテナ群ごとの送信に用いる固有ベクトルの数を決定する。この散は、サブキャリア間の周波数間隔に対する周波数相関から得られる相関帯域幅より算出する。相関帯域幅は、通常、周波数相関値が0.7もしくは0.9程度の値となる周波数間隔を示す。相関帯域幅をBWとし、サブキャリア数Lで1サブキャリアの信号帯域をSBWとした場合のアンテナ群ごとの送信に用いる固有ベクトルの数SLは、以下の演算式(5)で与えられる。
Figure 0004001880
次に、演算式(5)で得られた結果から、アンテナ群ごとに、SL個の固有ベクトルを計算し、SL個の固有ベクトルをL個のサブキャリアごとに分割して、マルチビーム形成部18に入力する。例えば、図1においては、アンテナ群#1の周波数相関の相関帯域幅が小さく、サブキャリアごとに固有ベクトルを設定する例を示している。一方、アンテナ群#Mに対しては、相関帯域幅が大きくなるため、サブキャリアごとに共通の固有ベクトルを設定する例を示している。アンテナ群#2に対しては、2個のサブキャリアごとに共通の固有ベクトルを用いる例を示している。
マルチビーム形成部18では、入力された固有ベクトルとシリアルパラレルされた送信信号が乗算され、さらに乗算された信号をアンテナ素子ごとに加算される。最後に、マルチビーム形成部18から出力された信号を逆フーリエ変換生成部19で逆フーリエ変換し、この信号を、送信機20経由で送受信選択部11を介して、送信する。
上記した第1の実施形態によれば、固有ベクトルに対する周波数相関を用いて必要とする送信重みづけの数を決定するため、従来は固有ベクトルの演算がサブキャリア数Lだけ必要だったものが、SL個に低減することができ、計算量の大幅な削減を見込むことができる。このため、計算に要するハードウェア規模の削減も可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る空間多重伝送装置の構成を図3に示す。図3中、図1と同一番号が付されたブロックは、図1に示すそれと同じとする。第1の実施形態が示される図1との構成上の差異は、ここでは、アンテナ素子が垂直方向と水平方向に配置されることを前提としており、アンテナ群選択部(垂直・水平配置アンテナ群選択部14)において、アンテナ群を、垂直配置と水平配置のアンテナ素子群として選択することにある。また、図3に示す重みづけ決定部16は、垂直配置素子用の重みづけ決定部161と、水平配置素子用の重みづけ決定部162から構成される。
第2の実施形態では、垂直と水平配置というアンテナ素子配置の違いを利用して、マルチビーム形成に必要な固有ベクトルの演算量を削減する構成である。以下、第2の実施形態について、図3以降を参照しながら詳細に説明する。
屋内環境などの環境においては、一般にアンテナを水平方向に配置した場合と垂直に配置した場合で、到来波の角度ひろがりが異なることが知られている。図4は、10m×10m×3m(縦×横×高さ)の部屋における水平方向および垂直方向における遅延時間と到来方向および受信電力の関係を示した図である。水平方向を(a)に、垂直方向を(b)に示す。図4(a)(b)に示す結果は、搬送波周波数を5GHzとし、幾何光学的手法による計算により得られたものである。図4(a)(b)からわかるように、垂直方向と水平方向では、長い遅延波に対する角度ひろがりが大きく異なる。
広帯域伝送の環境においては、長い遅延波が伝送品質に影響を与えることが知られており、垂直面の指向性を下向きに向け、水平方向はほぼ指向性のヌル(Null)になるように垂直面のアンテナ素子の振幅と位相を重みづけすることで、水平方向から到来する長遅延波をアンテナ指向性で除去することができ、伝送品質を大幅に改善できることが報告されている(非特許文献2参照)。
一方、水平方向については、長い遅延波においても、ある程度の角度広がりをもっているため、垂直方向における制御のように、固定の指向性では長遅延波を除去することができない。
第2の実施形態における重みづけ決定部16では、上記の垂直配置と水平配置の違いで生じる伝搬特性の差を利用した制御方法を行う。図5に、図3における重みづけ決定部16の内部構成の詳細を示す。
図5においては、アンテナ素子と垂直配置素子における重みづけが接続されているが、これは原理を説明するために便宜上示したもので、実際は、図3に示す接続が正しい接続である。また、便宜上、垂直方向おけるアンテナ素子数を4、水平方向におけるアンテナ素子数をJとしているが、特にこの数は制限されない。以下、図5を用いて重みづけ決定部16における重みづけ決定動作について説明する。
図5において、重みづけ決定部16は、まず、垂直配置用重みづけ決定部62は、垂直方向に配置されたアンテナ素子に対する重みづけを決定する。先に説明したように、垂直方向における長い遅延波は、ほぼ水平方向から到来するため、あらかじめ、アンテナ素子数と素子間隔で決定される水平方向における指向性がほぼNullになるような重みづけの値をあらかじめ重み設定用メモリ621に用意しておき、この重み設定用メモリ621から重みづけ値を設定し、垂直配置のアンテナ素子ごとに重みづけを行った後、垂直配置素子における合成出力を得る。この合成出力からは、長遅延波成分はほぼ除去されており、伝搬路はほぼ短遅延の波だけで構成される。
次に、水平配置用重みづけ決定部61は、上記した合成出力から得られる受信信号を水平配置素子成分ごとに取り出し、伝達係数行列推定部611で水平配置素子間の伝達係数行列を推定し、固有ベクトル計算部612でその伝達係数行列から固有ベクトルを算出する。ここで重要な点は、伝搬環境がほとんどフラットフェージング環境とみなすことができるため、従来の方法のように、周波数多重のすべてのサブキャリアにおいて伝達係数行列を求める必要はない。図3に示す本発明の第2の実施形態では、サブキャリア#1の情報を用いて伝達係数行列を求めているが、実際はサブキャリア#1〜#Lまでの間で任意のサブキャリアの情報から伝達係数行列を求めればよい。すなわち、ここでは、伝達係数行列を推定し、固有ベクトルを求める演算を従来の方法に対して1/Lに削減することが可能となる。
説明を図3に戻し、最後に、上記の重みづけ決定部16で得られた重みづけを、シリアルパラレル変換部17でパラレル変換された送信信号とマルチビーム形成部18において乗算し、乗算された結果をアンテナ素子ごとに足し合わせる。このマルチビーム形成部18から出力された信号を、逆フーリエ変換生成部19で逆フーリエ変換し、この信号を、送信機20経由で送受信選択部11を介して、送信する。
本発明の第2の実施形態によれば、送信に用いる重みづけの方法を垂直配置と水平配置のアンテナ群に分けることで、垂直配置については固定の値のみで重みづけを設定し、水平配置についても任意の1個のサブキャリアに着目した固有ベクトル演算のみで重みづけを決定できるため、従来の方法に対して送信重みづけを決定するための計算を大幅に削減することができる。勿論、このためのハードウェア規模の削減も可能になる。
以上説明のように、本発明は、アンテナ配置の違いによる周波数相関の違いを用いて広帯域伝送時における送信重みづけの数を省略して全体の計算量を削減し(第1の実施形態)、あるいは、垂直と水平配置というアンテナ素子配置の違いを利用して、マルチビーム形成に必要な固有ベクトルの演算量を削減し(第2の実施形態)、このことにより、ハードウェア規模の削減をはかるものである。
本発明の第1の実施形態に係る空間分割多重伝送用装置の構成を示す図である。 図1に示す周波数相関演算部の内部構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間分割多重伝送用装置の構成を示す図である。 屋内環境における垂直方向と水平方向の到来方向と遅延時間と受信電力の関係の一例を幾何学的手法によりグラフ表示した図である。 図3に示す垂直配置用重みづけ決定部と水平配置用重みづけ決定部の関係を表す図である。 従来の空間分割多重伝送用装置の構成の一例を示す図である。 従来の空間分割多重伝送用装置の構成の一例を示す図である。 実際のアンテナ配置における形態の一例を示す図である。
符号の説明
11…送受信選択部、12…受信機、13…フーリエ変換処理部、14…アンテナ群選択部、15…周波数相関演算部、16…重みづけ決定部、17…シリアルパラレル変換部、18…マルチビーム形成部、19…逆フーリエ変換生成部、20…送信機、21…アンテナ素子

Claims (5)

  1. N素子のアンテナ素子を用い、直交周波数分割多重方式を用いたF個の周波数多重とK個の空間多重による送信を行う空間多重伝送装置であって、
    前記アンテナ素子に接続され、前記複数のアンテナ素子を任意の組み合わせから成る複数の群に分別するための選択を行うアンテナ群選択部と、
    前記選択された各群に入力される信号間から得られる固有ベクトルを用いて周波数相関を求める周波数相関演算部と、
    前記周波数相関演算部で得られた前記アンテナ群ごとの相関値から、前記アンテナ群ごとの送信重みづけに用いる固有ベクトルの数を決定する重みづけ決定部と、
    送信信号をシリアルバラレル変換し、前記群ごとに前記送信信号を入力するシリアルパラレル変換部と、
    前記重みづけ決定部で得られる重みづけ値と前記シリアルパラレル変換部の各群から出力される送信信号とを乗算して送信するマルチビーム形成部と、
    を具備することを特徴とする空間多重伝送装置。
  2. 前記周波数相関演算部は、
    前記アンテナ素子から前記アンテナ群選択部で選択された各アンテナに対し、前記周波数多重された受信信号の少なくとも2個から伝達係数行列を生成する伝達係数行列推定手段と、
    前記生成された伝達係数行列から得られる固有ベクトルを前記周波数多重の少なくとも2個から算出する固有ベクトル演算手段と、
    前記算出される周波数多重間での固有ベクトル間の相関値を算出する相関演算手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の空間多重伝送装置。
  3. 前記重みづけ決定部は、
    前記周波数相関演算部から得られる相関値の相関帯域幅に基づき、前記アンテナ群ごとに用いる前記周波数多重数に対する送信の重みづけ値における固有ベクトルの数を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の空間多重伝送装置。
  4. 前記アンテナ素子は、垂直配置と水平配置のアンテナ素子群で構成され、
    前記アンテナ群選択部は、前記垂直配置のアンテナ群と水平配置のアンテナ群をそれぞれ同一のアンテナ群として分別のために選択し、
    前記重みづけ決定部は、固有ベクトルの値を共通とする周波数多重の間隔を、前記垂直配置のアンテナ群と水平配置のアンテナ群で得られる相関帯域幅に基づき設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空間多重伝送装置。
  5. N素子のアンテナ素子を用い、直交周波数分割多重を用いたF個の周波数多重とK個の空間多重による送信を行う空間多重伝送用装置であって、
    垂直方向と水平方向に配置される前記アンテナ素子に接続され、前記複数のアンテナ素子を垂直方向素子と水平方向素子群に分離するアンテナ群選択部と、
    前記垂直方向に配置された前記アンテナ素子群に対して、垂直配置素子の合成指向性の水平方向が略ヌル状態となるように重みづけ値を設定する垂直配置用重みづけ決定部と、
    前記水平配置アンテナ素子群に対して、前記垂直配置用重みづけ決定部で得られる重みづけ値を用いて合成された出力結果を考慮して得られる入力信号から、任意の1個の周波数キャリアにおける伝達係数行列から得られる固有ベクトルを求める水平配置用重みづけ決定部と
    送信すべき信号をシリアルパラレル変換し、前記水平配置アンテナ素子群ごとに前記送信信号を入力するシリアルパラレル変換部と、
    前記垂直配置用および水平配置用重みづけ決定部で得られる重みづけ値と前記シリアルパラレル変換部の各群から出力される送信信号とを乗算して送信するマルチビーム形成部と、
    を具備することを特徴とする空間多重伝送装置。

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