JP3994893B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピエゾアクチュエータを用いた内燃機関の燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン等に高圧燃料を噴射する燃料噴射弁は、アクチュエータによってノズルニードルを駆動することにより高圧燃料通路に連通する噴孔を開閉する構成となっている。かかる燃料噴射弁として、近年、応答性の良好なピエゾアクチュエータを駆動源とするものが提案されている(例えば、特許文献1等)。この燃料噴射弁は、ピエゾアクチュエータの変位を油圧てこを利用した変位拡大機構によって拡大し、バルブを動作させることにより噴射を制御している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−41125号公報
【0004】
変位拡大機構は、ピエゾアクチュエータの伸縮によって駆動される大径ピストンと、バルブを動作させる小径ピストンの間に、作動油としての燃料を充填した変位拡大室を設けてなる。変位拡大室の圧力が増減して、その圧力を受けた小径ピストンが摺動すると、これに伴いバルブ位置が切換えられ、燃料噴射がなされる。すなわち、ピエゾアクチュエータが伸長して変位拡大室の圧力が上昇し、所定の圧力に達すると、小径ピストンがバルブを押し下げる。バルブが離座してリターン通路が開放されると、ノズルニードルに油圧を作用させる制御室の圧力が低下して、ノズルニードルが開弁する。一方、ピエゾアクチュエータが収縮して変位拡大室の圧力が低下すると、バルブが着座してリターン通路を閉鎖する。これに伴い、制御室の圧力が再び上昇してノズルニードルが閉弁する。
【0005】
また、変位拡大機構では、ピエゾアクチュエータが伸長して変位拡大室の圧力を上昇させると、変位拡大室の燃料が大径ピストン、小径ピストンの摺動部クリアランスからリークする。このリーク燃料を補填するため、特許文献1では、変位拡大室に開口する通路を設けてチェック弁を設置しており、噴射終了時にチェック弁を介して流入する燃料により変位拡大室の圧力を維持している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピエゾアクチュエータの伸長時、小径ピストンが動き出すと同時に、バルブが離座し、リターン通路へ高圧燃料がスピルされるために、スピル燃料によりリターン通路の圧力が脈動する。この時、上記従来構造では、チェック弁を設けた通路の他端側がリターン通路に連通しているため、リターン通路の圧力脈動の影響を受けて、チェック弁作動が不安定になりやすい。その結果、変位拡大室への燃料充填状態が毎回変化し、噴射量特性のサイクル間変動が大きなものになってしまう懸念があった。
【0007】
本発明の目的は、変位拡大機構を備える燃料噴射弁において、変位拡大室へ燃料を補填するチェック弁の安定化した作動を実現すること、そして、変位拡大室への燃料充填状態を安定させて、サイクル間変動を小さくし、安定した噴射量特性を有する制御性の高い燃料噴射弁を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の燃料噴射弁は、ノズルニードルに閉弁方向の圧力を作用させる制御室と、該制御室とリターン通路の間を開閉することにより上記制御室の圧力を増減する制御弁と、該制御弁を駆動する駆動部を備え、上記駆動部が、ピエゾアクチュエータの伸縮に伴って摺動する大径ピストンと、上記制御弁に当接してこれと一体に摺動する小径ピストンの間に、作動流体が充填される変位拡大室を有している。燃料噴射弁には、上記変位拡大室と上記リターン通路の間に位置し、上記変位拡大室方向へのみ制御流体を流入させて上記変位拡大室に制御流体を補填するチェック弁が設けてあり、該チェック弁の上流に設けた流体室と上記リターン通路とを絞りを介して連通させてある。そして、上記大径ピストンを中空としてその内部に上記チェック弁および上記流体室を収容する構成としている。
【0009】
従来の構成では、噴射終了時に高圧のスピル燃料がリターン通路へ噴出するために、リターン通路の圧力が脈動し、その影響でチェック弁の作動が不安定となる問題があった。これに対し、本発明の構成では、チェック弁の上流に絞りを設けたので、リターン通路の圧力脈動が直接、チェック弁に作用するのを防止できる。また、チェック弁と絞りとの間に、所定容量の流体室が形成されるので、安定した圧力でチェック弁を動作させることが可能となる。従って、燃料充填状態が安定し、サイクル間変動を小さくして、制御性に優れた燃料噴射弁を実現できる。
【0013】
しかも、上記チェック弁および上記流体室を、上記大径ピストン内に設置することで、装置をより小型にできる。
【0014】
請求項2の構成では、上記絞りが、上記大径ピストンに設けられ上記流体室と上記大径ピストン外周の低圧部を連通する通孔からなる。
【0015】
具体的には、上記大径ピストン外周に上記リターン通路へ連通する空間を設け、上記大径ピストンの側壁に、該空間と上記流体室とを連通させる通孔を貫設し、上記絞りとすることができ、上記効果が容易に得られる。
【0016】
請求項3の構成では、上記絞りが、上記大径ピストンが摺動するシリンダと上記大径ピストン外周面との間に形成される摺動部クリアランスからなり、上記大径ピストンに上記流体室と上記絞りとを連通させる通路を設ける。
【0017】
あるいは、上記大径ピストン外周の摺動部クリアランスを、上記絞りとすることもでき、この摺動部クリアランスと上記流体室を上記通路を介して連通させることで、同様の効果が得られる。
【0018】
請求項4の構成では、上記大径ピストンに、一端が上記流体室に開口し他端が上記大径ピストンの外周面に開口するとともに上記大径ピストンが上端位置にある時に該大径ピストン外周の低圧部に連通して上記絞りとなる通路を設ける。
【0019】
あるいは、上記大径ピストンが上端位置となった時に、上記絞りとなるように上記通路を形成することもでき、同様の効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。図1は本発明の燃料噴射弁1の全体構成図で、例えば、ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置に適用される。燃料噴射弁1は、ディーゼルエンジンの各気筒に対応して設けられ、共通のコモンレール (図略)から燃料の供給を受けるようになっている。コモンレールには燃料タンク (図略)の燃料が高圧サプライポンプ (図略)により圧送されて噴射圧力に相当する所定の高圧で蓄えられる。
【0021】
燃料噴射弁1は、ノズルニードル3を有するノズル部101(下端部)が、図略の燃焼室内に突出するように取り付けられる。燃料噴射弁1の中間部は制御弁としてのバルブ2を有する背圧制御部102、上端部はピエゾ駆動部103を構成している。燃料噴射弁1はハウジング13を有し、ハウジング13内には上記各部101〜103を構成する各部品が収納されるとともに、燃料タンクに連通するリターン通路11、コモンレールに連通するインレットに接続される高圧通路12等の通路が形成される。
【0022】
ノズル部101は、ハウジング13の下端部内に形成した縦穴31に、段付きのノズルニードル3を摺動自在に保持している。ノズルニードル3の下半小径部の外周には環状の油溜まり室32が形成されており、常時高圧通路12と連通する油溜まり室32にコモンレールからの高圧燃料が供給されている。縦穴31の下方には、これに連なってサック部33が形成され、サック部33形成壁を貫通して燃料噴射用の噴孔34が形成される。
【0023】
ノズルニードル3は下端位置にある時に、円錐形の先端部がサック部33と縦穴31の境界部に設けたシートに着座し、サック部33を閉じて油溜まり室32から噴孔34への燃料供給を遮断する。ノズルニードル3が上昇してシートから離座し、サック部33を開くと燃料が噴射される。
【0024】
ノズルニードル3の上端面および縦穴31の壁面により画成される空間は、ノズルニードル3に背圧を与える制御室4としてある。制御室4は、メインオリフィス41を介して背圧制御部102のバルブ室21と常時連通するとともに、サブオリフィス42を介して高圧通路15と常時連通しており、これらメインオリフィス51、サブオリフィス42から導入される制御流体としての燃料が、ノズルニードル3の背圧を発生している。この背圧はノズルニードル3に下向きに作用して、制御室4内に収納されたスプリング43とともにノズルニードル3を着座方向に付勢する。一方、油溜まり室32の高圧燃料がノズルニードル3の段差面に上向きに作用しノズルニードル3を離座方向に付勢している。
【0025】
背圧制御部102は、3方弁構造のバルブ2が、バルブ室21の天井面に設けた低圧シート22または底面に設けた高圧シート23に選択的に着座して、流路を切換えるようになっている。低圧シート22と高圧シート23はバルブ室21の天井面と底面の対向位置に設けられ、低圧シート22はスピル室14を介してリターン通路11に連通している。高圧シート23は通路15を介して高圧通路12と連通している。
【0026】
なお、サブオリフィス42は、噴射開始時に制御室4の圧力降下を緩和して、ノズルニードル3を緩やかに開弁し、一方、噴射停止時には制御室4の圧力上昇を促進して、ノズルニードル3を迅速に閉弁させる機能を有する。
【0027】
バルブ2は圧力バランス型構造で、バルブ室21内に収容される大径の弁部2aと、高圧シート23の下方に形成されるシリンダ内を摺動する摺動部2bを有している。弁部2aと摺動部2bを連結する細径部の外周には、環状空間が形成されており、ここに高圧通路12に連通する通路15が開口している。バルブ2が上端位置にある時には、弁部2aの頂面が、バルブ室21天井面の低圧シート22に着座し、バルブ室21とスピル室14との間を遮断する。バルブ2が下端位置にある時には、弁部2aの下部テーパ面が、バルブ室21底面の高圧シート22に着座し、バルブ室21と通路15との間を遮断する。
【0028】
バルブ2はピエゾ駆動部103により押圧駆動されることで、作動状態が切り換わるようになっており、これに伴いバルブ室21に連通する制御室4の圧力、すなわちノズルニードル3の背圧が増減する。ここで、低圧シート22の径と、高圧シート23の径と、摺動部2bの径は略同径となっており、バルブ2が低圧シート22に着座した状態において、バルブ室21内の高圧燃料が弁部2aを上向きに付勢する力と摺動部2bを下向きに付勢する力とがほぼ釣り合うようにしてある。これにより、燃料噴射時に弁部2aを押し下げて低圧シート22から離座させるために必要な駆動力を小さくできる。好ましくは、低圧シート22の径と高圧シート23の径を、摺動部2bの径より僅かに大きくすると、バルブ2の意図しない開弁を防止し、または噴射を速やかに終了させることができる。
【0029】
バルブ2の摺動部2b下方には、スプリング25が収容されてバルブ2を上方に付勢している。なお、スプリング25が収容される空間は、連通路24を介してスピル室14に連通しており、該空間が密室となってダンパ力が生じないようになっている。このようにするとバルブ2の下方への移動が抑制されず、噴射開始時に弁部2aを低圧シート22から速やかに離座させることができる。
【0030】
ピエゾ駆動部103は、バルブ室21の上方に配設したシリンダ形成部材8内に、上側から順にピエゾアクチュエータ51、大径ピストン52、小径ピストン54を同軸に配設してなる。大径ピストン52と小径ピストン54は、シリンダ形成部材8に設けたシリンダ内に摺動自在に保持される。大径ピストン52と小径ピストン54の間の空間には、燃料が充填されて変位拡大室53を形成している。
【0031】
ピエゾアクチュエータ51はPZT等の圧電セラミック層と電極層とが交互に積層してコンデンサ構造を有する一般的なもので、積層方向すなわち上下方向を伸縮方向としており、図示しない駆動装置により充放電されるようになっている。ピエゾアクチュエータ51には、大径ピストン52の上端部外周に設けられたピエゾスプリング55により一定の初期荷重が印加される。これにより、大径ピストン52はピエゾアクチュエータ51の伸縮に伴い、一体に上下動する。小径ピストン54は、ピン状の下端部が背圧制御部102の低圧シート22付近へ延び、バルブ室21内のバルブ2頂面に当接している。小径ピストン54の中間部外周にはフランジが形成され、該フランジ上に支持されるスプリングによって小径ピストン54が下方に付勢されている。
【0032】
従って、ピエゾアクチュエータ51が伸長して大径ピストン52を押圧すると、その押圧力が変位拡大室53の燃料を介して小径ピストン54に伝えられる。この時、小径ピストン54は、大径ピストン52よりも小径としてあるので、ピエゾアクチュエータ51の伸長量が拡大されて小径ピストン54の上下方向の変位に変換される。このように、大小2つのピストン52、54と変位拡大室53とは、油圧式変位拡大機構として機能する。
【0033】
次に、本発明の特徴部分について説明する。油圧式変位拡大機構の作動に伴い、変位拡大室53の燃料の一部が大径ピストン52、小径ピストン54の摺動部クリアランスからリークする。そのため、これを補填する機構を設けることが行われており、本実施形態では、大径ピストン52を中空として、その内部に、変位拡大室53方向へのみ燃料を流入させるチェック弁6を収容する。大径ピストン52内に形成される中空部は段付形状で、チェック弁6は、大径の下室63内に配設されたプレート状の弁体61と、該弁体61を上方に付勢して段付部に当接させるスプリング62を有している。下室63は通路64により変位拡大室53と連通している。小径の上室は流体室71となり、所定の開口面積とした絞り72を介して大径ピストン52の外周に形成される、低圧部としての空間56に連通している。絞り72は、一端が流体室71の上部内側壁に開口し他端が大径ピストン52の外周面に開口する通孔からなり、空間56は通路57にてリターン通路11に連通している。従って、変位拡大室53の圧力が低下するとチェック弁6が開弁して、リターン通路11の燃料が通路57、絞り72、流体室71を経て流入し、燃料が補充される。
【0034】
上記構成の燃料噴射弁1の作動を説明する。ピエゾアクチュエータ51が放電状態で縮小している状態(図示の状態)では、低圧シート22径≧摺動部2b径であるために、インレットより高圧通路12に供給される高圧燃料の圧力で、バルブ2は低圧シート22に着座している。この状態から、図略の駆動装置のスイッチをONとし、ピエゾアクチュエータ51に電圧を加えると、ピエゾアクチュエータ51が伸長して大径ピストン52を押し下げ、変位拡大室53の圧力が上昇する。この圧力は小径ピストン54に下向きに作用する。そして、変位拡大室53の圧力が、バルブ2の作動開始圧力〔(小径ピストン54の下向き力)>(バルブ2の上向き力)となる圧力〕に達すると、小径ピストン54がバルブ2を押し下げて、バルブ2の弁部2aが低圧シート22から離座し、さらに下方変位して高圧シート23に着座する。低圧シート22が開放されると、制御室4内の燃料がメインオリフィス41、バルブ室21およびスピル室14を経てリターン通路11に流出するために、制御室4の圧力が降下する。そして、ノズルニードル3の下向きの付勢力が上向きの付勢力を下回ると、ノズルニードル3が離座して燃料噴射が開始される。
【0035】
次に、ピエゾアクチュエータ51を放電させると、ピエゾアクチュエータ51が収縮して大径ピストン52が上方へ移動し、変位拡大室53の圧力が降下してバルブ2の押し下げ力が解除される。これにより、高圧通路12に連通する高圧シート23が開放され、制御室4に、通路15、バルブ室21およびメインオリフィス41を介して流入する高圧燃料と、サブオリフィス42を介して流入する高圧燃料とにより、制御室4圧力が再び上昇する。そして、ニードル3が着座して噴射が終了する。
【0036】
ところで、噴射開始時には、低圧シート22が開放されて、バルブ室21と制御室4内の高圧燃料がスピル室14に噴出し、このスピル燃料によりリターン通路11の圧力が脈動する。一方、噴射中は、変位拡大室の圧力が約10MPa程度まで上昇するので、変位拡大室53の燃料が大径ピストン52、小径ピストン54の摺動部クリアランスからリークする。そのため、噴射終了時に、ピエゾアクチュエータ51が収縮すると変位拡大室53の圧力が低下し、チェック弁6の弁体61が開弁して変位拡大室53に燃料を補填する。
【0037】
この時、従来の構成では、高圧スピル燃料に起因するリターン通路11の圧力脈動の影響で、チェック弁6の作動が不安定となる問題があったが、本実施の形態では、チェック弁6の上流に絞り72を設けたので、リターン通路11の圧力脈動が直接、チェック弁6に作用するのを防止できる。また、チェック弁6と絞り72との間に、所定容量の流体室71が形成されているので、安定した圧力でチェック弁6を動作させることができる。よって、燃料充填状態が安定し、サイクル間変動を小さくできるので、噴射制御性が大幅に向上する。また、チェック弁6と所定容量の流体室71を、大径ピストン52内に収容しているので、装置が大型化することがない。
【0038】
図2に、本発明の第2の実施形態を示す。上記第1の実施形態では、大径ピストン52の側壁に絞り72を貫設して、チェック弁6の上流に設けた流体室71と、大径ピストン52外周の空間56を連通させる構成としたが、図2に示すように、大径ピストン52の摺動部と、シリンダ形成部材8に設けたシリンダとの間の摺動部クリアランス73を絞りとして用いることもできる。大径ピストン52は、下半部を中空としてチェック弁6を収容し、その上流の流体室71の上部内側壁に一端が開口し他端が摺動部クリアランス73に開口する通路74が形成される。その他の基本構成は上記第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0039】
上記構成によっても、チェック弁6の上流に、所定容量の流体室71を設けて絞りとなる摺動部クリアランス73を介して、リターン通路11と連通させたので、圧力脈動の影響を受けることなく、チェック弁6を安定して作動させる同様の効果が得られる。
【0040】
なお、摺動部クリアランス73は、大径ピストン52外径およびシリンダ内径を一定径として、開口面積が軸方向で一定となるようにしても、大径ピストン52外径またはシリンダ内径を一定とせず、摺動部クリアランス73の軸方向の開口面積が変化するように、例えば、変位拡大室53側の摺動部クリアランス73よりも、空間56側すなわちリターン通路11側の摺動部クリアランス73の方が大きくなるように設定してもよい。
【0041】
図3に、本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態では、大径ピストン52の下半部を中空としてチェック弁6を収容し、その上流の流体室71の上部内側壁から側方へ延びる通路74を形成する。通路74は、大径ピストン52が上端位置にある図示の状態において、大径ピストン52外周の空間56と、所定の開口面積で連通する絞り75を形成するように構成される。その他の基本構成は上記第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0042】
上記構成によっても、チェック弁6の上流に、所定容量の流体室71を設けるとともに、噴射終了時に絞り75を介してリターン通路11と連通させることにより、圧力脈動の影響を受けることなく、チェック弁6を安定して作動させる同様の効果が得られる。
【0043】
上記各実施の形態では、バルブ2を3方弁構造としたが、2方弁を用いてノズルニードル3を開閉する構成とすることもできる。また、上記各実施の形態では、メインオリフィス51とサブオリフィス42の両方を設けているが、サブオリフィス42を設けない構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における燃料噴射弁の全体断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における燃料噴射弁の全体断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における燃料噴射弁の全体断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁
11 リターン通路
12 高圧通路
13 ハウジング
14 スピル室
2 バルブ
2a 弁部
2b 摺動部
21 バルブ室
22 低圧シート
23 高圧シート
26 スピル室
3 ノズルニードル
34 噴孔
4 制御室
41 メインオリフィス
42 サブオリフィス
51 ピエゾアクチュエータ
52 大径ピストン
53 変位拡大室
54 小径ピストン
56 空間(低圧部)
6 チェック弁
61 弁体
62 スプリング
71 流体室
72 絞り
73 摺動部クリアランス(絞り)
74 通路
75 絞り
8 シリンダ形成部材
101 ノズル部
102 背圧制御部
103 ピエゾ駆動部(駆動部)
Claims (4)
- ノズルニードルに閉弁方向の圧力を作用させる制御室と、該制御室とリターン通路の間を開閉することにより上記制御室の圧力を増減する制御弁と、該制御弁を駆動する駆動部を備え、上記駆動部が、ピエゾアクチュエータの伸縮に伴って摺動する大径ピストンと、上記制御弁に当接してこれと一体に摺動する小径ピストンの間に、作動流体が充填される変位拡大室を有している燃料噴射弁であって、上記変位拡大室と上記リターン通路の間に位置し、上記変位拡大室方向へのみ制御流体を流入させて上記変位拡大室に制御流体を補填するチェック弁を設けるとともに、該チェック弁の上流に設けた流体室と上記リターン通路とを絞りを介して連通させ、かつ上記大径ピストンを中空としてその内部に上記チェック弁および上記流体室を収容したことを特徴とする燃料噴射弁。
- 上記絞りが、上記大径ピストンに設けられ上記流体室と上記大径ピストン外周の低圧部を連通する通孔からなる請求項1記載の燃料噴射弁。
- 上記絞りが、上記大径ピストンが摺動するシリンダと上記大径ピストン外周面との間に形成される摺動部クリアランスからなり、上記大径ピストンに上記流体室と上記絞りとを連通させる通路を設けた請求項1記載の燃料噴射弁。
- 上記大径ピストンに、一端が上記流体室に開口し他端が上記大径ピストンの外周面に開口するとともに上記大径ピストンが上端位置にある時に該大径ピストン外周の低圧部に連通して上記絞りとなる通路を設けた請求項1記載の燃料噴射弁。
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