JP3992938B2 - カチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式シリカを使用し、インクジェット用記録紙の塗工液(以下、単に塗工液ともいう。)、新聞紙の内填剤、研磨剤、金属表面処理剤等の調製に有用なカチオン性樹脂変性シリカ分散液の新規な製造方法に関する。詳しくは、分散性に優れ、これを使用して塗工液を調製するときの安定性にも優れたカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造するため方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット用記録紙の塗工液には、インク吸収層を形成するために微粒子のシリカやアルミナ等の無機微粉体が使用されている。上記微粒子のうち、特にシリカ、とりわけ乾式シリカは、分散性に優れており、好適に使用されている。
【0003】
一方、インクジェット用のインクとしては、一般に、アニオン性の化合物が使われることが多く、上記インク吸収層はカチオン性を有している方が、インクジェット用記録紙の画像濃度及び耐水性向上のために有利である。
【0004】
ところが、インク吸収層を形成する無機粉体として乾式シリカを用いた場合、粒子がアニオン性を呈するため、画像濃度や耐水性に問題があった。そのため、改善策として乾式シリカに第4級アンモニウム塩基等のカチオン性基を含むカチオン性樹脂を配合したカチオン性樹脂変性シリカ分散液が提案されており、例えば、特開平11−321079号公報には、乾式シリカ分散液をカチオン性樹脂水溶液に対して添加して混合する工程を含む、混合方法を特定したカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法が開示されている。
【0005】
また、金属表面処理剤には、金属の耐食性や塗料の密着性を向上させるために、シリカ分散液にカチオン性樹脂を配合した処理剤が提案されており、例えば、特開昭56−24470号公報には、カチオン性樹脂水溶液に水分散性コロイダルシリカを攪拌下に加える方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような予めシリカ粉体を水に分散したシリカ分散液を調製してから、カチオン性樹脂水溶液と混合する方法においては、シリカ粉体を水に分散する際に発生する攪拌熱により液温の上昇したシリカ分散液を、カチオン性樹脂水溶液に添加すると、シリカ粒子が凝集してしまい、カチオン性樹脂変性シリカ分散液全体をゲル化させるという問題があった。
【0007】
また、室温のシリカ分散液をカチオン性樹脂水溶液に添加しながら、混合・分散しても、分散する際の温度が高いと得られるカチオン性樹脂変性シリカ分散液がゲル化し、一方、分散する際の温度が低いと得られるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度が高くなるなど、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度にばらつきを生じ、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の取扱いが非常に難しくなるという問題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、乾式シリカ微粒子を予め水に分散(以下、一次分散という。)させた分散液(以下、乾式シリカ分散液という。)の液温を40℃以下に保持して、カチオン性樹脂水溶液に添加しながら、混合・分散(以下、二次分散という。)する時の液温(以下、二次分散温度という。)を20℃〜45℃の温度範囲内で制御して得られた分散液(以下、二次分散液という。)を更に高圧ホモジナイザーで処理することにより、極めて安定なカチオン性樹脂変性シリカ分散液が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、カチオン性樹脂の量が、乾式シリカ100重量部あたり3〜10重量部であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法であって、該カチオン性樹脂がジアリルメチルアミン塩酸塩重合物またはジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物であるカチオン性樹脂水溶液に、液温を40℃以下に保持した乾式シリカ分散液を添加しながら、且つ液温を20℃〜45℃の温度範囲内で制御して分散せしめた後、高圧ホモジナイザーによる分散処理を行うことを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる乾式シリカ粉末は、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素炎中で燃焼させて得られる、「ヒュームドシリカ」とも称されているものが特に制限なく使用される。
【0011】
一般に、乾式シリカは、比表面積が30〜500m2/gの範囲のものが入手可能であり、これらの乾式シリカは本発明に好適に使用できる。
【0012】
本発明において使用されるカチオン性樹脂は、水に溶解したときに解離してカチオン性を呈する樹脂であれば特に限定されず、公知のカチオン性樹脂が特に制限なく使用できる。
【0013】
その中でも、第1〜3級アミン基又は4級アンモニウム塩基を有する樹脂が好適に使用できる。具体的なものを例示すると、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物及びこれらの塩酸塩、更にポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド及びそのアクリルアミド等の共重合物、ジアリルメチルアミン塩酸塩重合物、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド4級塩等を挙げることができる。
【0014】
本発明においてカチオン性樹脂水溶液には、必要に応じて有機極性溶媒を混合しても良い。かかる有機極性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などが挙げられる。
【0015】
尚、シリカ粒子の安定性や分散性を向上させるために、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤等を少量添加してもよい。
【0016】
本発明においては、カチオン性樹脂水溶液に40℃以下の乾式シリカ分散液を添加しながら、且つ20℃〜45℃の温度範囲内で二次分散する。
【0017】
乾式シリカはその製造工程上、乾燥した粉末の状態で得られるため、乾式シリカを水に分散して乾式シリカ分散液を得る必要がある。乾式シリカを水に分散する際には攪拌による攪拌熱が発生し、乾式シリカ分散液の温度が上昇する。この攪拌熱は分散機の機種や分散時間、分散液中のシリカ濃度により異なる。
【0018】
攪拌熱により上昇したシリカ分散液温度が40℃を超えた場合、二次分散温度を45℃に制御していても、二次分散液全体がゲル状となる現象がおこり、再分散するのが困難となる。この原因について本発明者等も明確には説明できないが、該乾式シリカ分散液を冷却せずに液温40℃の潜熱を有した状態で、カチオン性樹脂水溶液に添加しながら混合・分散しようとすると、たとえ二次分散温度を45℃に制御していても、冷却装置による熱交換が行われる前に、攪拌熱により二次分散液温度が一時的に上昇し、局部的に45℃を越えるため、シリカ粒子が凝集を始めたためではないかと推定される。
【0019】
乾式シリカ分散液の40℃以下への冷却は、乾式シリカ粉末を水に分散させた後、40℃以上まで温度上昇した乾式シリカ分散液を40℃以下まで冷却しても良いし、一次分散時の乾式シリカ分散液の温度を40℃以下に制御しながら分散しても良い。
【0020】
本発明においては、二次分散温度は20℃から45℃の温度範囲であり、さらには25℃から40℃の温度範囲に制御することが好ましい。
【0021】
二次分散温度は、高くなるほど二次分散液の粘度は低くなるが、45℃を超えると二次分散液内のシリカ粒子が凝集し易くなり、二次分散液の粘度が急上昇して二次分散液がゲル化する傾向にある。また、二次分散温度が20℃未満の場合は、二次分散液の粘度が上昇する傾向にある。この原因について本発明者等も明確に説明できないが、二次分散液温度が20℃未満では分散液中において乾式シリカとカチオン性樹脂の分散性が低下するためではないかと推定される。更に本発明においては、該二次分散液を高圧ホモジナイザーで処理してカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得るが、二次分散液の粘度が高いほど、高圧ホモジナイザーで処理して得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度も高くなる傾向にある。カチオン性樹脂変性シリカ分散液粘度が高くなると、以降に続く製造工程においてハンドリング性が低下するので好ましくない。
【0022】
乾式シリカ分散液及び二次分散液の温度制御によるさまざまな現象は、乾式シリカ分散液中のシリカ濃度が15%以上になると顕著に見られることから、本発明は、シリカ濃度が15%以上のときにより効果を発現する。
【0023】
二次分散温度を20℃から45℃の温度範囲に制御する方式は特に制限されないが、20℃から45℃の温度範囲において任意の一定温度となるように制御することが好ましい。
【0024】
本発明において、一次分散及び二次分散に用いる分散機は特に制限されないが、プロペラ羽根、タービン羽根、パドル翼を有する一般攪拌機、ディスパーミキサー等の高速回転遠心放射形攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ウルトラミキサー等の高速回転せん断型攪拌機、コロイドミル、プラネタリーミキサーなどの乳化機等が挙げられる。
【0025】
乾式シリカ分散液中のシリカ濃度が15%以上の高濃度の乾式シリカ分散液を効率よく得る場合、及びカチオン性樹脂水溶液に前記シリカ濃度15%以上の乾式シリカ分散液を添加しながら混合・分散する場合には、上記の分散機の中でも強力なせん断力を有する分散機が好適である。具体的には、高速回転せん断型攪拌機や、プロペラ羽根及びパドル翼に更に高速回転せん断型攪拌機を組み合せた複合型分散機、プラネタリーミキサーと高速回転遠心放射形攪拌機又は高速回転せん断型攪拌機を組み合わせた複合型分散機等が挙げられる。
【0026】
カチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度は、原料である乾式シリカの比表面積とカチオン性樹脂の構造、分子量、分散液中の乾式シリカとカチオン性樹脂の含有量及びそれぞれの配合比、分散に用いる分散機の種類等にも大きく依存する。
【0027】
本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中の乾式シリカの量は、15〜40重量%の範囲が好ましい。また、カチオン性樹脂の量は、乾式シリカ100重量部あたり3〜10重量部である。
【0028】
前記カチオン性樹脂変性シリカ分散液中の乾式シリカの濃度を40重量%より多くした場合、二次分散する際に強力なせん断力をもつ分散機を使用しても、乾式シリカ分散液のカチオン性樹脂水溶液への混合が困難となる場合がある。また、15重量%より少なくした場合は、塗工液を調整後の塗工工程において一回の塗工で十分な厚みの塗工層が形成し難かったり、塗工後乾燥する際のエネルギー効率が悪くなるなどの問題がある。
【0029】
また、前記カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のカチオン性樹脂の量が、乾式シリカ100重量部に対して3重量部より少なくなるように調整した場合、乾式シリカ粒子の表面電荷のバランスが不均一となり、該シリカ粒子が強固な凝集を起こし易くなる傾向がある。また、カチオン性樹脂の量がシリカ100重量部に対して10重量部よりも多くなるように調整した場合、粘度が高くなり、分散処理が困難になる場合がある。
【0030】
本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中における、粒子の表面電荷の指標となるゼータ電位は、高いほど得られるインクジェット用記録紙の耐水性を高めることができ、一般に、+10mV以上、好ましくは+20mV以上、さらに好ましくは+30mV以上であることが好ましい。
【0031】
上記ゼータ電位は、カチオン性樹脂の混合量を多く調整することにより高くすることができるが、混合するカチオン性樹脂の種類によりゼータ電位の上昇幅は異なるため、予め実験により、最適な添加量を前記添加量より選択することが好ましい。
【0032】
本発明において、上記方法で乾式シリカ分散液とカチオン性樹脂水溶液とを混合・分散した二次分散液は、次いで、高圧ホモジナイザーを使用して分散処理することにより、極めて分散性に優れ、これを使用して塗工液を調製するときの安定性にも優れたカチオン性樹脂変性シリカ分散液が得られる。
【0033】
上記高圧ホモジナイザーは、公知の構造を有するものが特に制限なく使用されるが、代表的なものを具体的に例示すると、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることができる。
【0034】
上記の高圧ホモジナイザーを用いて、二次分散液を、処理圧力300kgf/cm2以上で対向衝突させるか、或いはオリフィスの入口側と出口側の差圧が300kgf/cm2以上の条件でオリフィスを通過させることによって好適な範囲の平均凝集粒子径を持ったカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができる。
【0035】
上記高圧ホモジナイザーによる分散の程度は、得られるカチオン性樹脂変性シリカ分散液中の平均凝集粒子径が、10〜1000nmの範囲、好ましくは50〜300nmの範囲となるように行うことが好ましい。
【0036】
即ち、平均凝集粒子径が10nmよりも小さい場合は、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度が高くなり、例えば、インクジェット記録紙用塗工液とした場合、扱い難いことがある。平均粒子径が1000nmよりも大きい場合は、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中で乾式シリカが沈降して相分離し易くなる場合がある。
【0037】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、乾式シリカ分散液とカチオン性樹脂水溶液とを混合・分散することにより得られる二次分散液がゲル化することなく、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができる。また、得られるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度が低くて、且つばらつきが少ないという特徴がある。
【0038】
また、乾式シリカ濃度が高いカチオン樹脂変性シリカ分散液を容易に得ることができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0040】
なお、以下の方法によって、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性測定を行った。
【0041】
(平均粒子径の測定)
カチオン性樹脂変性シリカ分散液の濃度が10重量%となるように、該分散液をイオン交換水に希釈した後、光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター製、コールターLS−230)を用いて、体積基準算術平均径D50を測定し、この値を平均径として採用した。
【0042】
なお、測定に際しては、水(分散媒)の屈折率1.332及びシリカの屈折率1.458をパラメーターとして入力した。
【0043】
(粘度測定)
二次分散液又はカチオン性樹脂変性シリカ分散液300gを500cc容器に採取し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)を用いて、20,000rpmで5分間攪拌した。次に30℃の恒温槽に10分間つけた後、B型粘度計(トキメック製、BL)を用いて60rpmの条件で二次分散液とカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度を測定した。
【0044】
(ゼータ電位の測定)
カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ粒子のゼータ電位をレーザーゼータ電位計(大塚電子製、LEZA−600)を用いて測定した。まず、シリカ分散液中のシリカ濃度を300ppmになるように10ppmのNaCl水溶液で希釈し、超音波バスで5分間分散した。次に、測定セルに該希釈液を入れて印加電圧80V、測定角度20°、測定温度25℃の条件で測定した。
【0045】
実施例1
比表面積が140m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−10)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は49℃であった。この乾式シリカ分散液を35℃まで冷却した後、該乾式シリカ分散液を常温のカチオン性樹脂濃度60%のジアリルメチルアミン塩酸塩重合物水溶液33gに添加しながら、液温度を40℃に維持して、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより二次分散液を得た。二次分散液の液温は39℃であった。この二次分散液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液及び二次分散液の物性を表1に示した。
【0046】
実施例2
比表面積が300m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−30)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は50℃であった。この乾式シリカ分散液を35℃まで冷却した後、該乾式シリカ分散液を常温のカチオン性樹脂濃度25%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液48gに添加しながら、液温度を40℃に維持して、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより二次分散液を得た。二次分散液の液温は40℃であった。この二次分散液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液及び二次分散液の物性を表1に示した。
【0047】
実施例3
比表面積が300m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−30)400gを純水1600gに添加し、液温度を30℃に維持しながらホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は30℃であった。この乾式シリカ分散液を常温のカチオン性樹脂濃度25%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液48gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより二次分散液を得た。二次分散液の液温は30℃であった。この二次分散液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液及び二次分散液の物性を表1に示した。
【0048】
比較例1
比表面積が140m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−10)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は51℃であった。この乾式シリカ分散液を冷却せず、さらに二次分散温度の制御も行わずに常温のカチオン性樹脂濃度60%のジアリルメチルアミン塩酸塩重合物水溶液33gに添加しながら、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散したところ、二次分散液全体が乾式シリカ分散液の添加中にゲル化し、分散不可能となった。ゲル化した時の温度は52℃であった。
【0049】
比較例2
比表面積が300m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−30)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は50℃であった。この乾式シリカ分散液を冷却せず、さらに二次分散温度の制御も行わずに常温のカチオン性樹脂濃度25%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液48gに添加しながら、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散したところ、二次分散液全体が乾式シリカ分散液の添加中にゲル化し、分散不可能となった。ゲル化した時の温度は51℃であった。
【0050】
比較例3
比表面積が300m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−10)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は50℃であった。この乾式シリカ分散液を35℃まで冷却した後、該乾式シリカ分散液を常温のカチオン性樹脂濃度25%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液48gに添加しながら、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散した。乾式シリカ分散液を全量添加後、液温度を55℃に維持して、分散を続けたところ、二次分散液全体がゲル化し、分散が不可能となった。
【0051】
比較例4
比表面積が140m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−10)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は50℃であった。この乾式シリカ分散液を15℃まで冷却した後、該乾式シリカ分散液を常温のカチオン性樹脂濃度60%のジアリルメチルアミン塩酸塩重合物水溶液33gに添加しながら、液温度を15℃に維持して、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより二次分散液を得た。二次分散液の液温は16℃であった。この二次分散液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液及び二次分散液の物性を表1に示した。
【0052】
比較例5
比表面積が300m2/gのヒュームドシリカ(トクヤマ製、レオロシールQS−10)400gを純水1600gに添加し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより乾式シリカ分散液を得た。乾式シリカ分散液の液温度は50℃であった。この乾式シリカ分散液を15℃まで冷却した後、該乾式シリカ分散液を常温のカチオン性樹脂濃度25%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液48gに添加しながら、液温度を15℃に維持して、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)で分散することにより二次分散液を得た。二次分散液の液温は15℃であった。この二次分散液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを1回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液及び二次分散液の物性を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
表1に見られるように、40℃以下まで冷却した乾式シリカ分散液をカチオン性樹脂水溶液に添加しながら、液温20℃〜45℃の温度範囲内で混合・分散してもゲル化することなく、安定な二次分散液が得られた。
【0055】
また、二次分散液調製時に20℃から45℃の温度範囲で温度制御した実施例1,2及び3によって得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、15℃に温度制御した比較例4及び5によって得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液よりも分散液粘度が低くなった。また、二次分散温度を55℃とした比較例3においては二次分散液がゲル化した。
Claims (2)
- カチオン性樹脂の量が、乾式シリカ100重量部あたり3〜10重量部であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法であって、該カチオン性樹脂がジアリルメチルアミン塩酸塩重合物またはジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物であるカチオン性樹脂水溶液に、液温を40℃以下に保持した乾式シリカ分散液を添加しながら、且つ液温を20℃〜45℃の温度範囲内で制御して分散せしめた後、高圧ホモジナイザーによる分散処理を行うことを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
- カチオン性樹脂変性シリカ分散液中の乾式シリカの量が、15〜40重量%とすることを特徴とする請求項1に記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
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