JP3992430B2 - 血小板採取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液中から所定の血液成分を分離する血小板採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
採血を行う場合、現在では、血液の有効利用および供血者の負担軽減などの理由から、採血血液を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還する成分採血が行われている。
このような成分採血において、血小板製剤を得る場合、供血者から採血した血液を血液成分採取回路に導入し、該血液成分採取回路に設置された遠心ボウルと呼ばれる遠心分離器により、血漿、白血球、血小板および赤血球の4成分に分離し、その内の血小板を容器に回収して血小板製剤とし、血漿も別の容器に回収して血漿製剤もしくは血漿分画製剤の原料とし、残りの白血球および赤血球は、供血者に返血することが行われる。
【0003】
血小板採取方法として、例えば、特表平8−509403号公報に開示されている方法がある。この特表平8−509403号公報には、液体を全血に既定流速で加えて希釈しながら遠心ボウルに送るという第1の方式、遠心ボウルに全血を送り込み、遠心分離して低密度成分、中密度成分および高密度成分に分離し、低密度成分を第一の容器に取り出した後、回路を切り換えてその低密度成分を第一流速(定速)で循環させて遠心ボウル内の中密度成分領域を広げ、第二流速(加速)で再循環している間に中密度成分を取り出すという第2の方式が開示されている。そして、この血小板採取装置では、血小板採取終了タイミングを遠心分離器の流出口付近のラインに取り付けられたラインセンサ(濁度センサ)により検知される信号の変化を利用して行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして、血小板採取における血小板採取ステップでは、血小板流出中の血小板濃度を濁度センサによりモニターしながら血漿を遠心ボウルに送り込み、血漿速度を所定速度に達するまで加速させる。遠心ボウルから血小板が流出したことを検出した時、ボウル出口側の回路が切り替わり、血小板は血小板バッグに集められる。血小板は、遠心ボウル内でバフィーコート層を通過する血漿の線速度が血小板沈降速度を超えた時、遠心ボウルから流出する。しかし、血小板の流出しやすさはドナーの血液性状(血小板の状態、血漿の粘度)やチューブ径等のばらつきの影響を受けるため、一定の血小板採取速度では血小板が効率よく流出せず、血小板回収率が低下するケースがあった。
また、どのようなドナーでも確実に血小板採取しようとして血漿速度を高めすぎると、血小板採取末期に赤血球を取り込むという問題があるため、一律に血漿速度を高めることもできない。
本発明の目的は、供血者の血液状態に影響を受けることなく、白血球や赤血球の混入が少ない良好な血小板含有血漿を効率よく採取することができる血小板採取装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、
(1)内部に貯血空間を有する遠心分離器により血液を複数の血液成分に分離し、血小板をバッグに採取するための血小板採取装置であって、
該血小板採取装置は、採血手段と前記遠心分離器の流入口とを接続するための第1のラインと、前記遠心分離器の流出口に接続された第2のラインと、前記第1のラインの途中に接続された第1チューブおよび前記第2のラインと接続された第2チューブを有する血漿採取バッグと、前記第2のラインに接続された血小板採取バッグとからなる血液成分採取回路と、前記第1のラインに設けられた送血ポンプと、前記遠心分離器の流出口もしくは前記第2のラインに取り付けられた濁度センサと、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、前記濁度センサの出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能と、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、該センサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されるまでは、血漿成分を前記遠心分離器に加速しながら循環させるように前記送血ポンプを制御し、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断された後は、加速を終了し、前記血小板採取ステップ終了まで、血漿成分を前記遠心分離器に加速終了時の速度により定速にて循環させるように前記送血ポンプを制御する送血ポンプ制御機能を備えていることを特徴とする血小板採取装置。
【0006】
(2) 上記(1)において、前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分未満であるかを判断するものであることが好ましい。
(3) 上記(1)において、前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して5〜200回前回出力値差分以下であるかを判断するものであることが好ましい。
(4) 上記(1)において、前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であり、かつ、少なくとも1回は前回出力値差分未満であるかを判断するものであることが好ましい。
(5) 上記(1)ないし(4)において、前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値として、前記濁度センサの出力値の所定時間内平均値を用いるものであることが好ましい。
【0007】
(6) 上記(1)ないし(5)において、前記血小板採取装置は、前記遠心分離器のローターを回転させるための遠心分離器駆動装置と、前記第3のラインのための送液ポンプと、前記血液成分採取回路の流路の開閉を行うための複数の流路開閉手段と、前記遠心分離器駆動装置、前記送血ポンプ、前記送液ポンプおよび前記複数の流路開閉手段を制御するための制御装置を備え、かつ、前記送血ポンプは、前記第1のラインと前記第1チューブとの接続部より遠心分離器側に配置され、さらに、前記制御装置は、抗凝固剤が添加された血液の採取、採取された血液の分離および分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に採取する血漿採取ステップと、該血漿採取ステップにより採取された前記血漿採取バッグ内の血漿を前記遠心分離器に循環させる血漿循環ステップとからなる少なくとも1回の血漿採取・循環ステップと、該血漿採取・循環ステップの終了後に、前記送血ポンプによる血漿循環速度を加速させて、前記遠心分離器内より血小板を流出させ血小板を前記血小板採取バッグに採取する血小板採取ステップを行わせ、該血小板採取ステップの終了後、前記遠心分離器内の血液を返血する返血ステップを行わせる血小板採取操作が行われるように、前記遠心分離器駆動装置、前記送血ポンプ、前記送液ポンプおよび前記複数の流路開閉手段を制御するものであり、かつ、前記血小板採取過程パターン判断機能および前記血小板採取終了時調整機能を備えているものであることが好ましい。
(7) 上記(6)において、前記制御装置は、前記血小板採取操作が少なくとも2回行われるように、前記遠心分離器駆動装置、前記送血ポンプ、前記送液ポンプおよび前記複数の流路開閉手段を制御するものであることが好ましい。
(8) 上記(6)または(7)において、前記制御装置は、前記血漿採取・循環ステップの終了後であって、前記送血ポンプによる血漿循環速度を加速させる前に、前記送血ポンプ、送液ポンプを作動させて抗凝固剤が添加された血液を採取し、前記遠心分離器駆動装置を作動させて、血液より前記血漿採取バッグ内に所定量の血漿を採取する血漿採取ステップを行わせるものであることが好ましい。
(9) 上記(6)または(7)において、前記制御装置は、前記血漿採取・循環ステップが2回行われるように制御するものであり、初回の血漿採取・循環ステップでは、前記血漿採取バッグ内の血漿を前記遠心分離器に定速にて循環させる血漿採取・定速循環ステップが行われ、2回目の血漿採取・循環ステップでは、前記血漿採取バッグ内の血漿を前記遠心分離器に加速させながら循環させる血漿採取・加速循環ステップが行われるように制御するものであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の血小板採取装置を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の血小板採取装置に使用される血液成分採取回路の構成例を示す平面図であり、図2は、図1の血液成分採取回路のカセットハウジング部分の平面図であり、図3は、血液成分採取回路に使用される遠心分離器に駆動装置が装着された状態の部分破断断面図であり、図4は、血液成分採取回路を装着した状態の本発明の血小板採取装置の一実施例の概念図である。
【0009】
本発明の血小板採取装置1は、内部に貯血空間を有する遠心分離器20により血液を複数の血液成分に分離し、特定の血液成分である血小板をバッグに採取するための血小板採取装置である。血小板採取装置1には、採血手段(採血針29もしくは血液プールへの接続部)と遠心分離器20の流入口とを接続するための第1のライン21と、遠心分離器20の流出口に接続された第2のライン22と、第1のラインの途中に接続された第1チューブ25aおよび第2のラインと接続された第2チューブ25bを有する血漿採取バッグ25と、第2のラインに接続された血小板採取バッグ26とからなる血液成分採取回路2が装着される。
血小板採取装置1は、第1のライン21に設けられた送血ポンプ11と、遠心分離器20の流出口もしくは第2のラインに取り付けられた濁度センサ14を有する。
【0010】
さらに、血小板採取装置1は、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能と、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、センサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されるまでは、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させるように送血ポンプ11を制御し、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断された後は、血漿成分を遠心分離器20に定速にて循環させるように送血ポンプ11を制御する送血ポンプ制御機能を備えている。
【0011】
つまり、血小板採取装置は、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能と、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、センサ出力値差分状態判断機能により、上記の条件充足が判断されるまでは、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させるように送血ポンプ11を制御し、上記条件充足が判断された後は、血漿成分を遠心分離器20に定速にて循環させるように送血ポンプ11を制御する送血ポンプ制御機能を備えている。
【0012】
また、この血小板採取装置1は、濁度センサを用いてモニターしながら血漿を遠心分離器に血漿速度を加速しながら送り込み、濁度センサ14が血小板成分がボウルから流出したのを検出した後、細胞成分の濃度変化の傾きが一定値(変曲点)に到達もしくは通過するまで血漿速度を加速し、一定値(変曲点)に到達もしくは通過後速やかにその速度を維持するものでもある。
【0013】
血小板採取装置1は、内部に貯血空間を有するローター142と、貯血空間に連通する流入口143および流出口144とを有し、ローター142の回転により流入口143より導入された血液を貯血空間内で遠心分離する遠心分離器20と、採血針29もしくは血液プールへの接続部と遠心分離器20の流入口143とを接続するための第1のライン21と、遠心分離器20の流出口144に接続された第2のライン22と、第1のライン21に接続され、抗凝固剤注入のための第3のライン23と、第1のライン21に接続された第1チューブ25aおよび第2のライン22と接続された第2チューブ25bを有する血漿採取バッグ25と、第2のライン22に接続された血小板採取バッグ26とを備える血液成分採取回路2のための血小板採取装置である。
血小板採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第1のライン21のための送血ポンプ11と、第3のライン23のための送液ポンプ12と、血液成分採取回路2の流路の開閉を行うための複数の流路開閉手段81,82,83,84,85,86と、遠心分離器駆動装置10、送血ポンプ11、送液ポンプ12および複数の流路開閉手段を制御するための制御装置13を備える。
この血小板採取装置は、2つのポンプにより構成されているので、装置が小型化できる。
【0014】
そこで、最初に血液成分採取回路2について説明する。
この血液成分採取回路2は、血液成分、特に血小板を採取するための回路である。血小板採取回路2は、採血針29のような採血器具、もしくは採血針または血液プール接続部を有する採血器具への接続部(採血器具接続部)、採血針29もしくは採血器具接続部と遠心分離器20の流入口143とを接続し、送血ポンプチューブ21gを備える第1のライン21(採血および返血ライン)、遠心分離器20の流出口144と第1のライン21とを接続するための第2のライン22、第1のライン21の採血針29の近くに接続され、送液ポンプチューブ23aを備える第3のライン23(抗凝固剤注入ライン)、第1のライン21のポンプチューブ21gより採血針側に位置する分岐コネクター21fに接続された第1チューブ25aおよび第2のライン22と接続された第2チューブ25bを有する血漿採取バッグ25、第2のライン22に接続された第3チューブ26aを備える血小板採取バッグ26、第2のライン22に接続された第4チューブ27aを備えるバフィーコート採取バッグ27を備える。血液成分採取回路2としては、採血針ではなく、血液バッグなどの血液プールに接続するための接続部(例えば、金属もしくは合成樹脂針)を備えるものでもよい。
【0015】
採血針29として、公知の金属針が使用される。第1のライン21は、採血針29が接続された採血針側第1ライン21aと遠心分離器20の流入口143とを接続された遠心分離器側第1ライン21bとからなる。採血針側第1ライン21aは、軟質樹脂製チューブが複数接続されて形成されている。採血針側第1ライン21aは、採血針側より、第3のライン23との接続用分岐コネクター21c、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21d、第2のライン22との接続用分岐コネクター21e、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21fを備える。チャンバー21dには、通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。遠心分離器側第1ライン21bは、第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21fに接続されており、その付近に形成されたポンプチューブ21gを有する。
【0016】
遠心分離器20の流出口144と第1のライン21とを接続する第2のライン22は、一端が遠心分離器20の流出口144に接続され、他端が第1のライン21の接続用分岐コネクター21eに接続されている。第2のライン22は、遠心分離器側から、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bならびに血小板採取バッグ26の第3チューブ26aとの接続用分岐コネクター22a、気泡除去用フィルター22fを備えるチューブとの接続用分岐コネクター22c、バフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続用分岐コネクター22dを備える。
第3のライン23は、一端が第1のライン21に設けられた接続用分岐コネクター21cに接続されている。第3のライン23は、コネクター21c側より、ポンプチューブ23a、異物除去用フィルター23b、気泡除去用チャンバー23c、抗凝固剤容器接続用針23dを備えている。
【0017】
血漿採取バッグ25は、第1のライン21のポンプチューブ21gより採血針側に位置する分岐コネクター21fに接続された第1チューブ25a、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続された第2チューブ25bを有する。血小板採取バッグ26は、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続された第3チューブ26aを備える。バフィーコート採取バッグ27は、第2のライン22の分岐コネクター22dに接続された第4チューブ27aを備える。
【0018】
そして、血液成分採取回路2の主要部分は、図2に示すように、カセット式となっている。血液成分採取回路2は、すべてのライン(第1のライン、第2のライン、第3のライン)およびすべてのチューブ(第1チューブ、第2チューブ、第3チューブ、第4チューブ)を部分的に収納しかつ部分的にそれらを保持し、言い換えれば、部分的にそれらが固定されたカセットハウジング28を備える。カセットハウジング28には、送血ポンプチューブ21gの両端および送液ポンプチューブ23aの両端が固定され、これらポンプチューブ21g,23aは、カセットハウジング28より、ローラーポンプの形状に対応したループ状に突出している。このため、第1および送液ポンプチューブ21g,23aは、ローラーポンプへの装着が容易である。
【0019】
さらに、カセットハウジング28は、カセットハウジング28内に位置する複数の開口部を備えている。具体的には、ポンプチューブ21gより採血針側部分の第1のライン21を露出させかつ、血小板採取装置1の第1の流路開閉手段81の侵入が可能な第1の開口部91、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aを露出させかつ血小板採取装置1の第2の流路開閉手段82の侵入が可能な第2の開口部92、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bを露出させかつ血小板採取装置1の第3の流路開閉手段83の侵入が可能な第3の開口部93、血小板採取バッグ26の第3チューブ26aを露出させかつ血小板採取装置1の第4の流路開閉手段84の侵入が可能な第4の開口部94、第2のライン22とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続部より遠心分離器側(上流側)の位置の第2のライン22を露出させかつ血小板採取装置1の第5の流路開閉手段85の侵入が可能な第5の開口部95、第1のライン21との接続部とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続部との間(第2のライン22と第4チューブ27aとの接続部より下流側)の第2のライン22を露出させかつ血小板採取装置1の第6の流路開閉手段86の侵入が可能な第6の開口部96を備えている。
【0020】
また、カセットハウジング28の内面には、上述した分岐コネクターが固定されている。さらに、カセットハウジング28の側面付近には、ハウジングの側面より突出するラインおよびチューブを保持し、かつハウジング部分での折れ曲がりを防止するための補強チューブが設けられている。カセットハウジング28は、内部に図2において破線で示す部分を収納可能な箱状体となっている。そして、カセットハウジング28は、ある程度の剛性を有する合成樹脂により形成されている。
血小板採取装置1は、このカセットハウジング装着部(図示せず)を備えている。このため、カセットハウジング28を血小板採取装置1のカセットハウジング装着部に装着することにより、カセットハウジング28の開口部より露出する部分の各ラインおよび各チューブが、自動的に対応する流路開閉手段に装着される。これにより回路の装着が容易であるとともに、血液成分採取準備も迅速に行われる。また、血小板採取装置1には、カセットハウジング装着部に近接して2つのポンプが設けられている。このため、カセットハウジング28より露出するポンプチューブのポンプへの装着も容易である。
【0021】
血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常遠心ボウルと呼ばれており、遠心力により血液成分を分離する。遠心分離器20は、図3に示すように、上端に流入口143が形成された鉛直方向に伸びる管体141と、管体141の周りで回転し、上部145に対し液密にシールされた中空のローター142とで構成されている。ローター142には、その底部および周壁内面に沿って流路(貯血空間)が形成され、この流路の上部に連通するように流出口144が形成されている。この場合、ローター142の容積は、例えば、100〜350ml程度とされる。
ローター142は、血小板採取装置1が備えるローター回転駆動装置10によりあらかじめ設定された所定の遠心条件(回転速度および回転時間)で回転される。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。本実施例では、図3に示すように、血液がローター142の流路内で内層より血漿層131、バフィーコート層132および赤血球層133に分離されるように遠心条件が設定される。
【0022】
次に、図4、図5に示す本発明の血小板採取装置1について説明する。
血小板採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第1のライン21のための送血ポンプ11と、第3のライン23のための送液ポンプ12と、血液成分採取回路2の流路の開閉を行うための複数の流路開閉手段81,82,83,84,85,86と、遠心分離器駆動装置10、送血ポンプ11、送液ポンプ12および複数の流路開閉手段を制御するための制御装置13を備える。さらに、血小板採取装置1は、第2チューブ25bとの接続部22aより遠心分離器側(上流側)の第2のライン22に装着される濁度センサ14、遠心分離器20の上方に取り付けられた光学式センサ15と、血漿採取バッグ25の重量を検知するための重量センサ16を備える。
制御装置13は、図5に示すように、制御部50、送血ポンプ11のためのポンプコントローラ53および送液ポンプ12のためのポンプコントローラ54を備える。制御装置13の制御機構である制御部50と送血ポンプ11および送液ポンプ12とはポンプコントローラ53,54を介して電気的に接続されている。さらに、遠心分離器駆動装置(ローター駆動装置)10が備える駆動コントローラ55とも電気的に接続されている。また、流路開閉手段81,82,83,84,85,86も、すべて制御装置13に接続され、それらの開閉は制御装置13により制御されている。さらに、濁度センサ14、遠心分離器20の上方に取り付けられた光学式センサ15、血漿採取バッグ25の重量を検知するための重量センサ16も、制御装置13と電気的に接続され、それらより出力される信号は制御装置13に入力される。制御装置13は、例えばマイクロコンピュータで構成される制御機構およびローター回転数演算機能を有し、上述した重量センサ16、光学式センサ15、濁度センサ14からの検出信号は、制御装置13へ随時入力される。制御装置13は、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16からの信号に基づき、各ポンプの回転、停止、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段の開閉および遠心分離器回転駆動装置10の作動(ローターの回転)を制御する。
【0023】
第1の流路開閉手段81は、ポンプチューブ21gより採血針側において第1のライン21を開閉するために設けられている。第2の流路開閉手段82は、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aを開閉するために設けられている。第3の流路開閉手段83は、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bを開閉するために設けられている。第4の流路開閉手段84は、血小板採取バッグ26の第3チューブ26aを開閉するために設けられている。第5の流路開閉手段85は、第2のライン22とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続部22dより遠心分離器側(上流側)の位置にて、第2のライン22を開閉するために設けられている。第6の流路開閉手段86は、第1のライン21との接続部21eと第4チューブ27aとの接続部との間(第2のライン22と第4チューブ27aとの接続部より下流側)の位置にて、第2のライン22を開閉するために設けられている。流路開閉手段は、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モータ、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有する。具体的には、空気圧で作動する空圧シリンダクランプが好適である。流路開閉手段のクランプは、制御装置13からの信号に基づいて作動する。
【0024】
ローター駆動装置10は、図3に示すように、遠心分離器20を収納するローター回転駆動装置ハウジング151と、脚部152と、駆動源であるモータ153と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台155とで構成されている。ハウジング151は、脚部152の上部に載置、固定されている。また、ハウジング151の下面には、ボルト156によりスペーサー157を介してモータ153が固定されている。モータ153の回転軸154の先端部には、固定台155が回転軸154と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、固定台155の上部には、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されている。また、遠心分離器20の上部145は、図示しない固定部材によりハウジング151に固定されている。ローター回転駆動装置10では、モータ153を駆動すると、固定台155およびそれに固定されたローター142が、例えば、回転数3000〜6000rpmで回転する。
【0025】
また、ローター回転駆動装置ハウジング151の内壁には、遠心分離器内の分離された血液成分の界面(例えば、血漿層131とバフィーコート層132との界面B、バフィーコート層132と赤血球層133との界面)の位置を光学的に検出する光学式センサ(界面センサ)15が、取付部材158により設置、固定されている。この界面センサ15としては、遠心分離器20の外周面に沿って上下方向に走査し得る光学式センサが用いられる。このセンサは、遠心分離器20の肩の部分に向けて光を照射する光源と、遠心ボウルから反射して戻ってくる光を受光する受光部で構成されている。つまり、LEDまたはレーザーのような発光素子と受光素子とが列状に配置され、発光素子から発せられた光の血液成分での反射光を受光素子により受光し、その受光光量を光電変換するように構成されている。分離された血液成分(例えば、血漿層131とバフィーコート層132)により反射光の強度が異なるため、受光光量が変化した受光素子に対応する位置が、界面Bの位置として検出される。より具体的には、遠心分離器20の光が通過する位置が透明な液体(血漿や水)で充填されている時と、バフィーコート層で充填されている時の、受光部での受光量の差から、バフィーコート層が光通過部に到達したことが検知される。バフィーコート層を検出する位置は、光がボウル内を通過する位置を変えることで調節され、通常は、光線通過位置を決めたら、そこで固定する。
【0026】
濁度センサ14は、第2のライン22中を流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
第1のライン21のポンプチューブ21gが装着される送血ポンプ11ならびに第3のライン23のポンプチューブ23aが装着される送液ポンプ12としては、ローラーポンプ、ペリスタリックポンプなどの非血液接触型ポンプが好適である。また、送血ポンプ11(血液ポンプ)としては、いずれの方向にも血液を送ることができるものが使用される。具体的には、正回転と逆回転が可能なローラーポンプが用いられている。
【0027】
制御装置13は、抗凝固剤が添加された血液の採取、採取された血液の分離および分離された血漿を血漿採取バッグ内に採取する血漿採取ステップと、この血漿採取ステップにより採取された血漿採取バッグ内の血漿を遠心分離器に循環させる血漿循環ステップとからなる少なくとも1回の血漿採取・循環ステップと、この血漿採取・循環ステップの終了後に、送血ポンプによる血漿循環速度を加速させて、遠心分離器内より血小板を流出させ血小板を血小板採取バッグに採取する血小板採取ステップと、この血小板採取ステップの終了後、遠心分離器内の血液を返血する返血ステップを行わせるものである。
なお、血小板採取ステップでは、濁度センサ14を用いて逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下となるまで、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させ、連続して所定回前回出力値差分以下となった後は、加速を終了し、終了時の速度を維持して定速にて血漿を循環して血小板を採取する。
【0028】
そして、1回の血小板採取操作中に、採血を一時中止しそして採取された血漿を遠心分離器に再循環する血漿再循環ステップが少なくとも2回行われ、かつ、後半の血漿再循環ステップが加速循環となっているため、遠心分離器内での血球層、バフィーコート層(BC層)が過剰圧縮されることを抑制し、赤血球層に埋もれた血小板を舞い上げ、BC層に取り込むことができる。また、BC層自体も舞い上がるため、BC層内の血小板と白血球との分離と整列を促進する。このため、白血球の混入が少なく、かつ血小板の採取効率も高い血小板含有液(濃厚血小板血漿)を得ることができる。
【0029】
さらに、この実施例の血小板採取装置1の制御装置13は、上述した血漿採取・定速循環ステップ、血漿採取・加速循環ステップ、血小板採取ステップ、返血ステップからなる血小板採取操作が2回行われるように、遠心分離器駆動装置10、送血ポンプ11、送液ポンプ12および複数の流路開閉手段を制御するものである。
さらに、この実施例の血小板採取装置1の制御装置13は、血小板採取ステップ終了後であって、返血ステップ前に、送血ポンプ11による血漿循環速度を血小板採取ステップにおける最終速度よりも高くし、遠心分離器20内よりバフィーコートを流出させバフィーコートをバフィーコート採取バッグ27に採取するバフィーコート採取ステップを行うように制御する。なお、バフィーコート採取ステップは、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、送血ポンプ11による血漿循環速度を血小板採取ステップにおける最終速度を維持し、かつ、遠心分離器20のローターの回転速度を下げることにより行ってもよい。さらに、バフィーコート採取ステップは、送血ポンプによる血漿循環速度を血小板採取ステップにおける最終速度より高くするとともに、遠心分離器のローターの回転速度を下げることにより行ってもよい。
【0030】
そして、バフィーコート採取ステップの終了後、採取されたバフィーコートを次の採血ステップの前に遠心分離器20内に返還するバフィーコート返還ステップを行わせるように、送血ポンプ11および複数の流路開閉手段を制御する。
【0031】
そして、制御装置13は、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能と、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、センサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されるまでは、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させるように送血ポンプ11を制御し、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断された後は、血漿成分を遠心分離器20に定速にて循環させるように送血ポンプ11を制御する送血ポンプ制御機能を備えている。
【0032】
具体的には、制御装置13の制御部50は、上述した濁度センサ14と、濁度センサ14の電圧信号を制御部50の演算ユニットに変換伝達するためのアナログ/デジタル変換器(図示せず)を備え、制御部50は、信号処理するための演算ユニット、信号データの記憶および判断を実行するプログラムの記憶のためのRAM,ROM等の記憶ユニットを備える。
そして、図6は、血小板採取時における濁度センサにより検知される信号の正常な変化パターンを示す図である。
図6に示すように、血小板が流出している状態では濁度センサ14の信号は時間と共に減少または増加を示す変化をしており、微小な時間間隔(1/1000秒〜2秒、好ましくは1/100秒〜1秒)での信号変化を見ると、血小板流出が開始した時点では「−」の傾きであり、血小板流出がピークを迎えた辺りでその傾きは「0」となる。その後血小板流出は徐々に減少するため傾きは「+」に変化する。血小板の流出が完全に終了するか、または白血球や赤血球の流出が始まるとこの傾きが再び「0」から「−」に変化する。
【0033】
特に、血小板流出開始時点の「−」の傾き開始から血小板流出がピークを迎える傾きは「0」までの部分を注目してみると、いわゆる3次曲線であり、点Pにおいて、左側が上に凸の曲線を描き、点Pより右側が下に凸の曲線を描き、点Pが両者の境界になっている。この点を変曲点と定義する。そして、本発明の血小板採取装置では、この変曲点の経過を検知し、この検知を利用して、送液ポンプを加速制御から定速制御に変更する機能を備えている。
変曲点通過検知のために、制御装置13は、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能を備える。
図6における第1の頂点Tから変曲点Pまでは上に凸の曲線であるため、個々の所定時間(例えば、1秒間)におけるマイナスの傾きは徐々に増加し、変曲点P付近においてピークとなり、変曲点Pを越えると、下に凸の曲線に変化するため、マイナスの傾きは徐々に減少し第2の頂点Dに到達する。なお、ミクロに見ると、変曲点Pの前後において同じマイナスの傾きが継続する部分を持つ場合もある。同じ傾きとは、直線状態となっていることを示す。
【0034】
本発明の血小板採取装置では、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断することにより、変曲点Pの通過を確認できる。なお、連続して所定回前回出力値と同じである場合、必ずしも変曲点Pの通過と言えない場合も考えられるが、変曲点付近において長く直線性を持つことは考えにくく、変曲点Pを通過したと判断してもよい。
なお、センサ出力値差分状態判断機能は、濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分未満であるかを判断するものであってもよい。また、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であり、かつ少なくとも1回は所定回前回出力値差分未満であるかを判断するものであってもよい。これらのようにすることにより、確実に変曲点Pの通過を確認できる。
【0035】
また、濁度センサ14の出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、逐次算出される出力値差分が、1回のみもしくは所定回に到達しない回数前回出力値差分以下であっても、その後前回出力値以上の場合には、変曲点Pの通過と見るべきではない。上記のように連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断すべきである。また、所定回は、各差分値出力時間間隔により相違するが、5〜200回程度が好適と考える。例えば、各差分出力時間間隔が、0.005秒〜0.02秒である場合、所定回数は、5〜200回程度が好適と考え、特に、5〜100回程度が好適と考える。所定回数を時間で見ると、0.025秒〜4秒程度が好適と考え、特に、0.025秒〜2秒程度が好適である。
【0036】
そして、濁度センサ14の出力値からの逐次所定時間間隔にて出力値差分の算出は、濁度センサ14の出力値の所定時間内平均値を用いるものであることが好ましい。具体的には、5〜20msec毎に、濁度センサ14出力値をサンプリングし、0.01〜1秒間当たりの平均を用いることが好ましい。そして、このように算出される所定時間平均センサ出力値Aは、A1,A2,A3,A4,A5・・・・と制御部に入力される。制御部50では、センサ出力値Aより逐次所定時間間隔にて出力値差分B(=前回出力値−今回出力値)、具体的には、B1(=A1−A2),B2(=A2−A3),B3(=A3−A4),B4(=A4−A5)・・・・・を順次演算して行き、逐次算出される出力値差分Bが連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断する。具体的には、制御部50は、出力値差分Bより、出力値差分差C(=今回出力値差分差−前回出力値差分差)であるC1(=B2−B1),C2(=B3−B2),C3(=B4−B3)・・・・・を順次演算するとともに、差分差Cが連続して所定回(例えば、5〜200回)マイナスもしくはゼロであるかどうか判断する。なお、上述したように、制御部50としては、差分差Cが連続して所定回(例えば、5〜200回)マイナスであるかどうか判断するものであってもよい。さらに、上述したように、制御部50としては、差分差Cが連続して所定回(例えば、5〜200回)マイナスもしくはゼロであり、かつその連続する所定回数内において少なくとも1回は差分差がマイナスであったかどうか判断するものであってもよい。
【0037】
そして、本発明の血小板採取装置では、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、センサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されるまでは、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させるように送血ポンプ11を制御し、上記条件充足を判断した後は、血漿成分を遠心分離器20に、条件充足判断時の速度にて定速にて循環させるように送血ポンプ11を制御する送血ポンプ制御機能を備えている。なお、上述のように、センサ出力値差分状態判断機能が、連続して所定回前回出力値差分未満であることを判断する場合には、この条件充足を判断するまでは、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させるように送血ポンプ11を制御し、上記条件充足を判断した後は、血漿成分を遠心分離器20に条件充足判断時の速度にて定速にて循環させるように送血ポンプ11を制御する。さらに、上述のように、センサ出力値差分状態判断機能が、連続して所定回前回出力値差分以下かつそのうち1回は前回出力値差分未満であることを判断する場合には、この条件充足が判断されるまでは、血漿成分を遠心分離器20に加速しながら循環させるように送血ポンプ11を制御し、上記条件充足が判断された後は、血漿成分を遠心分離器20に条件充足判断時の速度にて定速にて循環させるように送血ポンプ11を制御する。
このように、血小板採取ステップにおける血漿循環速度の加速を、図6に示す変曲点の通過後すみやかに加速を終了し加速終了時の速度を維持した定速循環に変更することにより、白血球や赤血球の混入が少ない濃厚血小板血漿を効率よく採取することができる。
【0038】
血小板採取操作をより具体的に説明する。
全血に抗凝固剤を所定(全血に対して、1/8〜1/20、具体的には1/10)比率で加え、所定速度(250ml/min以下;好ましくは、150〜40ml/min以下、具体的には、60ml/min以下)で第1のライン21を介して遠心分離器20に送り、遠心分離器20を所定回転数(3000〜8000rpm、好ましくは、4000〜5800rpmの範囲で回転させて血液を血漿、バフィーコート、赤血球の各成分に分離し、血漿が遠心分離器20をオーバーフローしたら血漿バッグに採取し、血漿を所定量(10〜150ml、好ましくは、20〜30ml)採取した時点で送血を停止して、血漿を所定条件(採血量よりも大きい速度であり、60〜250ml/minで10〜90sec、具体的には、第1循環が200ml/minx30sec)で、第1のライン21および第2のライン22を通して遠心分離器20に戻す、定速血漿循環を行う。
【0039】
そして、再び、全血に抗凝固剤を所定(全血に対して、1/8〜1/20、具体的には1/10)比率で加え、所定速度(250ml/min以下;好ましくは、150〜40ml/min以下、具体的には、60ml/min以下)で第1のライン21を介して遠心分離器20に送り、遠心分離器20を所定回転数(3000〜8000rpm、好ましくは、4000〜5800rpm)で回転させて血液を血漿、バフィーコート、赤血球の各成分に分離し、遠心分離器20内部の血球界面位置をバフィーコート界面検出センサにて検出した時点で送血を停止して、血漿を所定条件(初速60〜80ml/min、最終到達速度(設定速度)150〜250 ml/min、加速条件(1秒間毎に)2〜10ml/minの速度上昇、循環時間10〜90sec)で、第1のライン21および第2のライン22を通して遠心分離器20に戻す、加速血漿循環を行う。
そして、所定条件(採血量;100〜2500/Hct%[ml]、具体的には、250〜1000/Hct%[ml])条件で再び抗凝固剤を添加しながら微量の全血を採血する。
【0040】
最後の採血が行われた後、血漿を所定条件で第1および第2のライン22を通して遠心分離器20に戻し、所定条件にて段階的に加速度を上昇させて(ステップワイズな加速;0.1〜99ml/min/sec,具体的には、2〜10ml/min/sec)血小板採取速度(60〜250ml/min)に到達させ、遠心分離器20より、流出してきた血小板を血小板採取バッグ26に採取するとともに、濁度センサからの出力値を用いるセンサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されると、加速を終了し、血漿を加速終了時の速度により、遠心分離器20内に送り込み、遠心分離器から流出する血小板を血小板採取バッグ26に採取する。そして、濁度センサが、終了電圧を検知することにより血小板採取ステップが終了する。
【0041】
さらに、この装置では、血小板採取後、血液循環速度を維持(60〜250ml/min、具体的には、200ml/min)し、かつ、回路を切り換えることにより、遠心分離器20から流出してきたバフィーコートを採取し、次のサイクルの採血を行う前に、採取したバフィーコートを遠心分離器20に供給するようになっている。なお、バフィーコートの採取は、血小板採取後、血液循環速度を所定速度(血小板採取速度以上、好ましくは、60〜250ml/min、具体的には、205ml/min)に加速することにより行ってもよい。
【0042】
この実施例の血小板採取装置1による血液成分採取工程(第1回目の血小板採取操作)を図7ないし図12のフローチャートを用いて説明する。この実施例では、血小板採取操作を繰り返して2回行い、さらに、最終回以外の血小板採取ステップ終了後であって、返血ステップ前に、バフィーコート採取ステップを行いかつ次の採血ステップの前に遠心分離器20にこれを返還するバフィーコート返還ステップを行うようになっている。
まず、最初に、第3のライン23と採血針29を抗凝固剤でプライミングし、その後ドナーに穿刺針を穿刺する。
そして、遠心分離器駆動装置10はローターを回転させて、血液より血漿採取バッグ25内に第1の所定量の血漿を採取する第1の血漿採取ステップを行う。
【0043】
最初の採血が開始されると、血液ポンプ11が所定速度(例えば、60ml/min)で採血を開始する。このとき、抗凝固剤ポンプである送液ポンプ12も同時に所定速度(例えば、血液ポンプ速度の1/10)で抗凝固剤(例えば、ACD−A液)を供給する。ドナーから採取された血液はACD−A液と混合され、第1のライン21を流れ、チャンバー、第1の流路開閉手段81を通過し、遠心分離器20に流入する。このとき、第6の流路開閉手段86、第5の流路開閉手段85、第2の流路開閉手段82,第3の流路開閉手段83は閉じており、第1の流路開閉手段81、第4の流路開閉手段84は開いている。遠心分離器20にACD−A液添加血液(ACD加血液)が供給されると、遠心分離器20に入っていた滅菌空気は第2のライン22を流れ、第4の流路開閉手段84を通過し、血小板採取バッグ26内に流入する。採血工程開始と同時に遠心分離器20が所定速度で回転を開始し、遠心分離器20は回転しながらACD加血液の供給を受けるので、分離器内では血液の遠心分離が行われ、血液は、内側から血漿層、バフィーコート層(BC層)、赤血球層の3層に分離され、分離器の容量を越えるACD加血液(約270ml)が供給されると、遠心分離器20内は完全に血液により満たされ、遠心分離器20の流出口から血漿が流出する。遠心分離器20の流出口と接続された第2のライン22に取り付けられた濁度センサ14は、ライン中を流れる流体が、空気から血漿に変わったことを検知し、制御装置13は、この濁度センサ14の検知信号に基づき第4の流路開閉手段84を閉塞させ、かつ第3の流路開閉手段83を開放させて、血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御装置13に入力されている。このため、血漿採取バッグ25に採取された血漿重量が第1の所定量(10〜150g、例えば、30g)増加すると、制御装置13は、第1の流路開閉手段81を閉塞させ、第2の流路開閉手段82を開放させて、定速血漿循環ステップに移行する。
【0044】
定速血漿循環ステップでは、採血を一時中断し、かつ、遠心分離器駆動装置10を作動させて、血漿採取バッグ25内に採取された血漿を遠心分離器20に定速にて循環させる。
定速血漿循環ステップに入ると、制御装置13は、第1の流路開閉手段81の閉塞状態および第2の流路開閉手段82の開放状態を維持し、ACDポンプ12は停止し、血液ポンプ11は所定速度(60〜250ml/min、例えば、200ml/min)で作動し、血漿採取バッグ25の血漿は第2の流路開閉手段82を通って、所定速度で回転する遠心分離器20に送られる。同時に遠心分離器20から流出してきた血漿は濁度センサ14、第3の流路開閉手段83を通って血漿採取バッグ25に流入する。定速血漿循環ステップが始まって所定時間(10〜90秒、例えば、30秒)が経過すると、制御装置13は、第2の流路開閉手段82を閉じ、第1の流路開閉手段81を開いて、第2の血漿採取ステップに移行する。第1の血漿循環は、少なくとも60ml/min以上の流速で、10秒以上行うことが好ましい。
【0045】
第2の血漿採取ステップでは、送血ポンプ11、送液ポンプ12を作動させて抗凝固剤が添加された血液を採取し、通常、バッグ内の血漿量の増加により、光学式センサ15が、分離器のバフィーコート層を検出すると、この信号が制御装置13に送られ、制御部13は、第1の流路開閉手段81を閉塞させ、第2の流路開閉手段82を開放させて、加速血漿循環ステップに移行する。
具体的には、送血ポンプ11が所定速度(例えば、60ml/min)で採血を開始する。このとき、抗凝固剤ポンプである送液ポンプも同時に所定速度(例えば、血液ポンプ速度の1/10)で抗凝固剤(例えば、ACD−A液)を供給する。ドナーから採取された血液はACD−A液と混合され、所定速度で回転する遠心分離器20に流入し、血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。通常、バッグ内の血漿量の増加により、光学式センサ15が、分離器のバフィーコート層を検出すると、この信号が制御部13に送られ、制御部13は、第1の流路開閉手段81を閉塞させ、第2の流路開閉手段82を開放させて、加速血漿循環ステップに移行する。血漿採取ステップでは、センサ15がバフィーコート(BC界面:血漿層とバフィーコート層との界面)を検知するまで血漿を採取する。
【0046】
加速血漿循環ステップでは、採血を一時中断し、かつ、遠心分離器駆動装置10を作動させて、血漿採取バッグ25内の血漿を遠心分離器20に加速させながら循環させる。このときの、血液ポンプ速度は、定速血漿循環ステップより遅く、例えば、60ml/minでスタートし、最終速度が150〜200ml/minに到達するまで、加速する。加速条件としては、1秒間毎に2〜10ml/min速度が上昇する、200ml/min到達時間約14〜70秒で行う。この循環ステップ終了後、図8の▲1▼に移行し、界面調整用の少量血漿採取ステップを行う。
【0047】
図8に示すように、界面調整用の少量血漿採取ステップでは、後に行う血小板採取工程でのバフィーコート層の位置をドナーによらず一定にするために、所定の赤血球供給量分だけ採血する。赤血球供給量は採血量をドナーのヘマトクリット値で除した値で定義され、採血量は、12ml程度が一般的である。この採血においても、送血ポンプ11が所定速度(例えば、60ml/min)で採血を開始する。このとき、抗凝固剤ポンプである送液ポンプも同時に所定速度(例えば、血液ポンプ速度の1/10)で抗凝固剤(例えば、ACD−A液)を供給する。ドナーから採取された血液はACD−A液と混合され、所定速度で回転する遠心分離器20に流入され、少量の血漿採取が行われる。制御部13は、設定採取量とポンプ速度より採取時間を演算し、採取時間を経過した時に、採血を終了させる。そして、制御部13は、第1の流路開閉手段81を閉塞させ、第2の流路開閉手段82を開放させて、血小板採取ステップに移行する。
【0048】
上記ステップの終了後、送血ポンプ11による血漿循環速度を加速させて、遠心分離器20内より血小板を流出させ血小板を血小板採取バッグ26に採取する血小板採取ステップを行う。血小板採取ステップは、いわゆる加速工程とも呼ばれる。このステップでは、図8に示すように当初、血液ポンプ速度が、60ml/minから、所定時間(例えば、1秒間)毎に2ml/minずつ加速するように、制御部13は送血ポンプを制御し、血小板(PC)を採取する。血小板採取ステップが始まると、濁度センサ14が通過する液の濁度を検知し、濁度はセンサにより電圧値として出力され、制御部13に入力される。そして、制御部50は、血小板採取が開始されると、濁度センサより出力された信号より所定時間(具体的には、40msec)の平均出力値を演算し、これを用いた所定時間間隔(具体的には、10msec毎)による濁度センサ出力値差分演算を開始する。そして、所定回(具体的には、20回)連続して今回算出出力値差分が前回算出出力値差分以下であるかどうか判断する。そして、上記条件充足が判断されると、血漿循環速度加速を終了し、終了時の血漿循環速度維持による定速による送血ポンプ制御に移行する。そして、濁度センサ出力値差分演算を終了する。そして、濁度センサ14の電圧値より、RBCレベル(赤血球検出電圧)であることが検知されると、血小板採取ステップを終了する。
【0049】
そして、血小板採取ステップ終了とともに、バフィーコート採取ステップに移行する。バフィーコート採取ステップでは、上述の血小板採取ステップが終了すると、制御部13は、第4の流路開閉手段84を閉じ、第5の流路開閉手段85を開放させる。血漿採取バッグ25内の血漿は、血液ポンプ11により、遠心分離器20に送られ、同時に遠心分離器20から流出した液(バフィーコート層が流出したもの)は、バフィーコート採取バッグ27に流入する。バフィーコート採取ステップでは、血液ポンプ11の速度が血小板採取ステップにおける最終速度のまま維持され、かつ、回路を切り換えることにより、遠心分離器20内よりバフィーコートを流出させバフィーコート採取バッグ27に採取する。ドナーのヘマトクリット値と血小板採取量から演算された量を採取した時点で、血液ポンプ11は停止し、全バルブが閉じ、遠心分離器20の回転が停止してバフィーコート採取ステップが終了する。
【0050】
次に、遠心分離器20内の血液を返血する返血ステップを行う。制御部13は、血液ポンプ11を逆回転させ、また、第1の流路開閉手段81を開放し、遠心分離器20内に残った赤血球層を、第1のライン21よりドナーに返血する。これにより、1回目(初回)の血小板採取操作が終了する。
【0051】
続いて、図9に示す2回目の血小板採取操作が行われる。
最初に、図9に示すように、第1回の血小板採取操作により採取されたバフィーコートを次の血漿採取ステップの前に遠心分離器20内に返還するバフィーコート返還ステップが行われる。バフィーコート返還ステップに移行すると、制御部13は、遠心分離器20を所定回転数(初期ローター回転数演算値)で回転させ、第5の流路開閉手段85、第4の流路開閉手段84を開放し、血液ポンプ11を所定速度(デフォルトは200ml/min)で作動させる。バフィーコート採取バッグ27に入っているバフィーコートは、第5の流路開閉手段85を通り、遠心分離器20に供給される。遠心分離器20の空気は、第2のライン22、第4の流路開閉手段84を通って血小板採取バッグ26に送られる。バフィーコート採取量分だけ血液ポンプ11が回転した後、バフィーコート返還ステップは終了する。
【0052】
そして、第1の血漿採取ステップ、定速血漿循環ステップ、第2の血漿採取ステップ、加速血漿循環ステップが行われた後、図10に示す▲2▼に移行し、少量血漿採取ステップ、血小板採取ステップ、バフィーコート採取ステップ、返血ステップを順次行い、2回目の血小板採取操作が終了する。なお、この血小板採取ステップにおいても、第1回目の血小板採取ステップと同様にして血小板の採取が行われる。
【0053】
次に、図11に示す、最終回の血小板採取操作について説明する。なお、この実施例では、3回目が最終回となっているが、これに限らず、4回目以降が最終回の血小板採取操作となるものでもよい。この場合、最終回以外は、2回目の血小板採取操作(図9および図10)と同じである。
最初に、図11に示すように、最終前(2回目)の血小板採取操作により採取されたバフィーコートを次の血漿採取ステップの前に遠心分離器20内に返還するバフィーコート返還ステップを行う。
そして、第1の血漿採取ステップ、定速血漿循環ステップ、第2の血漿採取ステップ、加速血漿循環ステップが行われた後、図12に示す▲3▼に移行し、少量血漿採取ステップ、血小板採取ステップ、返血ステップを順次行い、最終回の血小板採取操作が終了する。なお、この血小板採取ステップにおいても、第1回目の血小板採取ステップと同様にして血小板の採取が行われる。
【0054】
【実施例】
図4に示すような回路構成で、抗凝固剤ポンプと血液ポンプの2台で構成される装置を作製し、血小板採取性能を比較した。同じドナーに対して、2週間以上間隔を開けて比較実験を行った。以下に評価した動作フローを比較したものを示した。n=2例で比較した。得られた濃厚血小板血漿の血小板数を血液成分測定器(商品名:Sysmex(R)XE−2100)で測定した。血小板採取量は200mlとした。
血小板採取操作は、4回とした。また、血小板採取ステップにおいて、循環初速度を60ml/minとし、循環加速度2ml/min/secとした。血小板採取ステップ開始後、濁度センサの出力値の所定時間平均値(10msec毎の40msec平均)より、1秒毎の濁度センサ出力値差分を演算し、20回連続して今回算出出力値差分が前回算出出力値差分以下であることが判断された時点において、血漿循環速度加速を終了し、終了時の血漿速度維持による定速による送血ポンプ制御に移行するものとした。また、濁度センサ14の電圧値より、RBCレベル(赤血球検出電圧)であることが検知されると、血小板採取ステップを終了するものとした。
【0055】
なお、採血速度は、60ml/min、血漿総量が30gとなった後に行う第1循環条件(200ml/min,30sec)、BC界面検出後に行う第2循環条件(初速60ml/min,到達速度170ml/min、加速条件5ml/min/sec、加速時間22sec)、バフィーコート採取量(30ml)とし、2回目から4回目は、採血前にバフィーコートを遠心分離器に返還し、4回目には、バフィーコート採取を行わなかった。遠心回転数は4800rpmとした。
【0056】
(比較例)
血小板採取操作は、4回とし、血小板採取ステップにおいて、濁度センサ出力値差分を用いた制御を行うことなく、循環初速度を60ml/minとし、循環加速度2ml/min/secとした。血小板採取速度(上限200ml/min)とした以外は、実施例と同様とした。
【0057】
(実験結果)
実施例および比較例による血小板採取を行ったところ表1および表2に示す結果が得られた。なお、実験においては、ドナーのヘマトクリット値および血小板数をあらかじめ測定した後に、目標血小板採取量を10単位(2.0x1011個)以上として採血を行った。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
血小板が遠心分離器から流出するパターンは、それぞれのドナーの血液性状によって異なる。ケース1において、比較例を行ったところ、血小板の流出が少なく、血小板採取数が目標値に満たなかった。しかし、このドナーについて、実施例を行ったところ、目標値以上の血小板を採取することができた。
また、ケース2において、比較例および実施例を行ったところ、目標値以上の血小板を採取することができた。
【0061】
【発明の効果】
本発明の血小板採取装置は、採血手段と前記遠心分離器の流入口とを接続するための第1のラインと、前記遠心分離器の流出口に接続された第2のラインと、前記第1のラインの途中に接続された第1チューブおよび前記第2のラインと接続された第2チューブを有する血漿採取バッグと、前記第2のラインに接続された血小板採取バッグとからなる血液成分採取回路と、前記第1のラインに設けられた送血ポンプと、前記遠心分離器の流出口もしくは前記第2のラインに取り付けられた濁度センサと、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、前記濁度センサの出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能と、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、該センサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されるまでは、血漿成分を前記遠心分離器に加速しながら循環させるように前記送血ポンプを制御し、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断された後は、血漿成分を前記遠心分離器に定速にて循環させるように前記送血ポンプを制御する送血ポンプ制御機能を備えている。
このため、白血球および赤血球の混入が非常に少ない良好な血小板を効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の血小板採取装置に使用される血液成分採取回路の構成例を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の血液成分採取回路のカセットハウジング部分の平面図である。
【図3】図3は、血液成分採取回路に使用される遠心分離器に駆動装置が装着された状態の部分破断断面図である。
【図4】図4は、血液成分採取回路を装着した状態の本発明の血小板採取装置の一実施例の概念図である。
【図5】図5は、本発明の血小板採取装置の制御装置の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、血小板採取時における濁度センサにより検知される信号の正常な変化パターンを示す図である。
【図7】図7は、本発明の血小板採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の血小板採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の血小板採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の血小板採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の血小板採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の血小板採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 血小板採取装置
2 血液成分採取回路
10 遠心分離器駆動装置
11 送血ポンプ
12 送液ポンプ
13 制御装置
14 濁度センサ
15 光学式センサ
16 重量センサ
20 遠心分離器
21 第1のライン
22 第2のライン
23 第3のライン
25 血漿採取バッグ
26 血小板採取バッグ
29 採血針
Claims (6)
- 内部に貯血空間を有する遠心分離器により血液を複数の血液成分に分離し、血小板をバッグに採取するための血小板採取装置であって、
該血小板採取装置は、採血手段と前記遠心分離器の流入口とを接続するための第1のラインと、前記遠心分離器の流出口に接続された第2のラインと、前記第1のラインの途中に接続された第1チューブおよび前記第2のラインと接続された第2チューブを有する血漿採取バッグと、前記第2のラインに接続された血小板採取バッグとからなる血液成分採取回路と、前記第1のラインに設けられた送血ポンプと、前記遠心分離器の流出口もしくは前記第2のラインに取り付けられた濁度センサと、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、前記濁度センサの出力値より逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であるかを判断するためのセンサ出力値差分状態判断機能と、血小板採取操作における血小板採取ステップにおいて、該センサ出力値差分状態判断機能により、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断されるまでは、血漿成分を前記遠心分離器に加速しながら循環させるように前記送血ポンプを制御し、連続して所定回前回出力値差分以下であることが判断された後は、加速を終了し、前記血小板採取ステップ終了まで、血漿成分を前記遠心分離器に加速終了時の速度により定速にて循環させるように前記送血ポンプを制御する送血ポンプ制御機能を備えていることを特徴とする血小板採取装置。 - 前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分未満であるかを判断するものである請求項1に記載の血小板採取装置。
- 前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して5〜200回前回出力値差分以下であるかを判断するものである請求項1に記載の血小板採取装置。
- 前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値より短い時間間隔にて逐次所定時間間隔にて出力値差分を算出し、かつ、逐次算出される出力値差分が、連続して所定回前回出力値差分以下であり、かつ、少なくとも1回は前回出力値差分未満であるかを判断するものである請求項1に記載の血小板採取装置。
- 前記センサ出力値差分状態判断機能は、前記濁度センサの出力値として、前記濁度センサの出力値の所定時間内平均値を用いるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の血小板採取装置。
- 前記血小板採取装置は、前記遠心分離器のローターを回転させるための遠心分離器駆動装置と、前記第3のラインのための送液ポンプと、前記血液成分採取回路の流路の開閉を行うための複数の流路開閉手段と、前記遠心分離器駆動装置、前記送血ポンプ、前記送液ポンプおよび前記複数の流路開閉手段を制御するための制御装置を備え、かつ、前記送血ポンプは、前記第1のラインと前記第1チューブとの接続部より遠心分離器側に配置され、
さらに、前記制御装置は、抗凝固剤が添加された血液の採取、採取された血液の分離および分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に採取する血漿採取ステップと、該血漿採取ステップにより採取された前記血漿採取バッグ内の血漿を前記遠心分離器に循環させる血漿循環ステップとからなる少なくとも1回の血漿採取・循環ステップと、該血漿採取・循環ステップの終了後に、前記送血ポンプによる血漿循環速度を加速させて、前記遠心分離器内より血小板を流出させ血小板を前記血小板採取バッグに採取する血小板採取ステップを行わせ、該血小板採取ステップの終了後、前記遠心分離器内の血液を返血する返血ステップを行わせる血小板採取操作が行われるように、前記遠心分離器駆動装置、前記送血ポンプ、前記送液ポンプおよび前記複数の流路開閉手段を制御するものであり、かつ、前記血小板採取過程パターン判断機能および前記血小板採取終了時調整機能を備えているものである請求項1ないし5のいずれかに記載の血小板採取装置。
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