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JP3981638B2 - 光学フィルム、その製造方法、およびこれを用いた位相差フィルムならびに偏光板 - Google Patents

光学フィルム、その製造方法、およびこれを用いた位相差フィルムならびに偏光板 Download PDF

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JP3981638B2 JP2003010102A JP2003010102A JP3981638B2 JP 3981638 B2 JP3981638 B2 JP 3981638B2 JP 2003010102 A JP2003010102 A JP 2003010102A JP 2003010102 A JP2003010102 A JP 2003010102A JP 3981638 B2 JP3981638 B2 JP 3981638B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学フィルム、その製造方法、それを用いた位相差フィルムおよび偏光板、ならびにそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、一般に、液晶を保持した液晶セルの両面に、偏光子が配置されており、従来、前記液晶セルの複屈折による位相差を、正面方向および斜視方向において視覚補償するため、前記液晶セルと偏光子との間に、複屈折層が配置されている。この複屈折層としては、通常、配向基板上にコレステリック液晶分子を配向させた、屈折率(nx,ny,nz)が負の1軸性「nx=ny>nz」を満たす負複屈折層が使用されている。前記屈指率(nx,ny,nz)とは、前記複屈折層における3つの軸方向における屈折率をそれぞれ示す。具体的に、図2の概略図に複屈折層における屈折率(nx,ny,nz)の軸方向を矢印で示す。屈折率nx,ny,nzは、前述のように、それぞれX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、図示のように、前記X軸とは面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
【0003】
このような複屈折層としては、例えば、配向基板上に液晶ポリマーの塗工液を塗布し、前記液晶ポリマーをコレステリック配向させた補償板が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、具体的には、例えば、コレステリック構造のらせんピッチと屈折率との積が400nm以下である、コレステリック液晶ポリマーから構成される複屈折層があげられ、この複屈折層によって視角補償が行われている(例えば、特許文献2参照)。そして、前記特許文献2には、基板に対して略平行に配向したコレステリック液晶相を示す前記液晶ポリマーが、平面内では可視光に対して略等方的であるという特性を満たすためには、コレステリックピッチの大きさが、可視光波長(約400nm〜800nm)よりも小さいことが必要であることが開示されている。また、前記液晶ポリマーがコレステリック構造をとることによる選択反射が原因となる着色を防止するには、例えば、複屈折相の屈折率とらせんピッチとの積が400nmより小さいことが必要であると開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2660601号明細書
【特許文献2】
特開平3−67219号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のようなコレステリック層を有する位相差板であっても、選択反射が原因となる着色が見られ、液晶表示装置等に使用した場合に優れた表示品位を得ることができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、例えば、選択反射による着色が低減された、コレステリック層を有する光学フィルムの提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の光学フィルムは、コレステリック層を含む光学フィルムであって、
前記層の構成分子が、コレステリック構造をとって配向しており、
前記層の選択反射波長帯域が、100nm〜320nmの範囲であり、
コレステリック層構成分子が非液晶ポリマーであって、前記非液晶ポリマーが、カイラル剤によってコレステリック構造をとって配向した液晶モノマーを重合または架橋したポリマーであり、
前記液晶モノマーが、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物、下記式(7)で表される化合物、下記式(8)で表される化合物、下記式(9)で表される化合物、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物、下記式(12)で表される化合物、下記式(13)で表される化合物、下記式(14)で表される化合物、下記式(15)で表される化合物、下記式(16)で表される化合物、下記式(17)で表される化合物、下記式(18)で表される化合物および下記式(19)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの液晶モノマーであり、
前記カイラル剤が、下記式(24)で表される化合物、下記式(25)で表される化合物、下記式(26)で表される化合物、下記式(27)で表される化合物、下記式(28)で表される化合物、下記式(29)で表される化合物、下記式(30)で表される化合物、下記式(31)で表される化合物、下記式(32)で表される化合物、下記式(33)で表される化合物、下記式(34)で表される化合物、下記式(35)で表される化合物、下記式(36)で表される化合物、下記式(37)で表される化合物、下記式(38)で表される化合物、下記式(39)で表される化合物、下記式(40)で表される化合物、下記式(41)で表される化合物、下記式(42)で表される化合物、下記式(43)で表される化合物および下記式(44)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つのカイラル剤であり、
前記コレステリック層における液晶モノマーの割合が、75〜95重量%の範囲であり、
前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が、5〜23重量%の範囲であることを特徴とする。
【0008】
【化5】
Figure 0003981638
Figure 0003981638
【0009】
【化6】
Figure 0003981638
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【0010】
本発明においてコレステリック層とは、前記層の構成分子がらせん構造をとり、そのらせん軸が面方向にほぼ垂直に配向している、いわゆる平面組織またはグランジャン組織と呼ばれる擬似層構造を有する層ということもできる。また、本発明において「構成分子がコレステリック構造をとっている」とは、例えば、液晶化合物が、コレステリック液晶相となっている場合には限定されず、液晶相では無いが、非液晶化合物が、前記コレステリック液晶相のようにねじれた状態で配向しているものも含む。
【0011】
本発明らは、前記課題を解決すべく詳細な検討を行った。その結果、選択反射波長が400nm以下、すなわち330nm〜400nmのコレステリック層を有する位相差板であっても、液晶化合物がらせん構造をとることによる選択反射が原因となって着色が生じ、この着色の影響によって、透過率の測定時における単体色相b値が1.2以上となることがわかった。また、この位相差板を偏光板と貼合せた場合、クロスニコル状態で、法線方向における光漏れが全面に生じ、427nmの直交透過率も、前記偏光板のみの直交透過率より0.235%も大きくなるという問題が生じることをつきとめた。目視でクロスニコル状態の黒表示を確認した結果、前面が青く見えるという現象もわかった。これらの結果から、このような光漏れは、選択反射が可視光範囲(約400nm〜700nm)に影響を及ぼすために生じると考え、330nm〜400nmの選択反射波長であっても、複屈折層として使用した場合、優れた表示品位をもつ液晶表示装置を形成することは困難であるとの知見を得たのである。
【0012】
そこで、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、前記のような「液晶モノマー」と前記のようなカイラル剤とを使用し、この液晶モノマーとカイラル剤との配合割合をコントロールして、前記液晶モノマーをカイラル剤によってコレステリック構造に配向させた後、その配向を重合や架橋により固定することによって形成したコレステリック層であれば、前記選択反射波長帯域を100nm〜320nmに制御することができ、その範囲であれば、従来のような光漏れの問題を回避できることを見出したのである。なお、液晶モノマーを使用し、前記配合割合のコントロールすることによって、選択反射波長帯域が制御可能になることは、本発明者らが初めて見出したことである。
【0013】
このように選択反射波長帯域が前記範囲に制御された光学フィルムであれば、例えば、従来のような選択反射が原因となる着色が防止される。つまり、選択反射波長が可視光波長(400nm以上)に近いほど、可視光領域に影響を及ぼすため、光もれが発生し、それによって着色が見られるが、前記範囲に制御することによって光もれが抑制されるのである。このため、本発明の光学フィルムを位相差フィルムとして使用すれば、広い視野角範囲となり、正面方向および斜視方向のいずれにおいても優れた表示品位が達成できる。このため、液晶表示装置等の各種画像表示装置にも有用である。
【0014】
次に、本発明の位相差フィルムは、前記本発明の光学フィルムを含む。また、本発明の偏光板は、前記本発明の位相差フィルムと偏光フィルムとを含み、特に光学補償用偏光板として有用である。さらに、前記本発明の位相差フィルムまたは偏光板は、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス(EL)装置等の各種画像表示装置に有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
前述のように本発明の光学フィルムは、コレステリック層を含む光学フィルムであって、
前記層の構成分子が、コレステリック構造をとって配向しており、
前記層の選択反射波長帯域が、100nm〜320nmの範囲であり、
コレステリック層構成分子が非液晶ポリマーであって、前記非液晶ポリマーが、カイラル剤によってコレステリック構造をとって配向した液晶モノマーを重合または架橋したポリマーであり、
前記液晶モノマーが、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物、下記式(7)で表される化合物、下記式(8)で表される化合物、下記式(9)で表される化合物、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物、下記式(12)で表される化合物、下記式(13)で表される化合物、下記式(14)で表される化合物、下記式(15)で表される化合物、下記式(16)で表される化合物、下記式(17)で表される化合物、下記式(18)で表される化合物および下記式(19)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの液晶モノマーであり、
前記カイラル剤が、下記式(24)で表される化合物、下記式(25)で表される化合物、下記式(26)で表される化合物、下記式(27)で表される化合物、下記式(28)で表される化合物、下記式(29)で表される化合物、下記式(30)で表される化合物、下記式(31)で表される化合物、下記式(32)で表される化合物、下記式(33)で表される化合物、下記式(34)で表される化合物、下記式(35)で表される化合物、下記式(36)で表される化合物、下記式(37)で表される化合物、下記式(38)で表される化合物、下記式(39)で表される化合物、下記式(40)で表される化合物、下記式(41)で表される化合物、下記式(42)で表される化合物、下記式(43)で表される化合物および下記式(44)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つのカイラル剤であり、
前記コレステリック層における液晶モノマーの割合が、75〜95重量%の範囲であり、
前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が、5〜23重量%の範囲であることを特徴とする。
【0016】
【化7】
Figure 0003981638
Figure 0003981638
【0017】
【化8】
Figure 0003981638
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【0018】
前記選択反射波長帯域λ(nm)の中心波長は、例えば、コレステリック層が後述するように液晶モノマーを使用して形成されている場合、下記式で表すことができる。
λ=n・P
前記式において、nは、前記液晶モノマーの平均屈折率を示し、Pは前記コレステリック層のらせんピッチ(μm)を示す。前記平均屈折率nは、「(no+ne)/2」で表され、通常、1.45〜1.65の範囲であり、noは、前記液晶モノマーの正常光屈折、neは前記液晶モノマーの異常屈折率を示す。
【0019】
前記選択反射波長帯域の上限は、前述のように320nm以下であり、好ましくは300nm以下である。一方、選択反射波長帯域の下限は、前述のように100nm以上であり、好ましくは150nm以上である。前記選択反射波長帯域が320nmを超えると、可視光領域に選択反射波長帯域が入るため、例えば、前述のような着色や色抜けという問題が生じる。一方、前記選択反射波長帯域が100nmより小さい光学フィルムは、以下のような問題がある。すなわち、後述するように、本発明の光学フィルム製造時において、選択反射波長帯域の設定は、例えば、液晶モノマー等の構成材料とカイラル剤との添加割合を制御することによって行うことができる。そして、選択反射波長帯域を短波長側にシフトする手段として、例えば、カイラル剤添加量を増加する方法があるが、カイラル剤の添加量が増えると、液晶モノマー等の構成材料がコレステリック配向をとる温度範囲、すなわち液晶相となる温度範囲が非常に狭くなるのである。そのため、製造時において前記構成材料をコレステリック配向させるための温度制御を厳密に行うことが必要となり、製造が困難になるという問題があるためである。
【0020】
本発明の光学フィルムは、例えば、前述のような3つの軸方向における屈折率(nx,ny,nz)を、nx≒ny>nzとすることが好ましい。このような光学フィルムは、いわゆるnegative C−Plateの位相差板として使用することができる。
【0021】
本発明において、前記コレステリック層の590nmにおける面内位相差(Δnd)は、例えば、2nm以下であり、好ましくは1.5nm以下である。前記面内位相差は、前記選択反射波長を100nm〜320nmの範囲に制御することによって、前述のような範囲に制御できる傾向にある。なお、前記面内位相差(Δnd)とは、下記式で表される。下記式において「nx、ny」は、それぞれ前記図2と同様に、面内において垂直の関係にあるX軸方向およびY軸方向の屈折率であり、面内において最大値の屈折率を示す方向がX軸である。また、「d」は膜厚を示す。
Δnd=(nx−ny)・d
【0022】
選択反射波長帯域を前記範囲に制御するために、前記コレステリック層は、カイラル剤を含む。本発明における前記カイラル剤とは、例えば、後述するような液晶モノマーや液晶ポリマーをコレステリック構造となるように配向する機能を有する化合物である。
【0023】
これらのカイラル剤の中でも、そのねじり力が、1×10-6nm-1・(wt%)-1以上であることが好ましく、より好ましくは1×10-5nm-1・(wt%)-1以上であり、さらに好ましくは1×10-5〜1×10-2nm-1・(wt%)-1の範囲であり、特に好ましくは1×10-4〜1×10-3nm-1・(wt%)-1の範囲である。このようなねじり力のカイラル剤を使用すれば、例えば、形成されたコレステリック層のらせんピッチを、後述する範囲に制御でき、これによって前記選択反射波長帯域を、前記範囲に制御することが十分に可能となる。
【0024】
なお、前記ねじり力とは、一般に、後述するような液晶モノマーや液晶ポリマー等の液晶材料にねじれを与え、らせん状に配向させる能力のことを示し、下記式で表すことができる。
ねじり力=1/[コレステリックピッチ(nm)×カイラル剤重量比(wt%)]
【0025】
前記式においてカイラル剤重量比とは、例えば、液晶モノマーまたは液晶ポリマーとカイラル剤とを含む混合物における前記カイラル剤の割合(重量比)をいい、下記式で表される。
カイラル剤重量比(wt%)= [X/(X+Y)]×100
X:カイラル剤重量
Y:液晶モノマー重量または液晶ポリマー重量
【0026】
また、前記コレステリック層におけるらせんピッチは、例えば、0.01〜0.25μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.03〜0.20μmの範囲、特に好ましくは0.05〜0.15μmの範囲である。前記らせんピッチが0.01μm以上であれば、例えば、十分な配向性が得られ、0.25μm以下であれば、例えば、可視光の短波長側における旋光性を十分に抑制できるため、偏光下で補償用の位相差フィルム等として使用する場合に、光漏れ等を十分に回避できる。そして、前述のようなねじり力のカイラル剤を使用すれば、形成されたコレステリック層のらせんピッチを前記範囲に制御できる。
【0027】
本発明の光学フィルムは、前述のような範囲に選択反射波長帯域が制御されているため、その単体色相b値が、例えば、1.2以下であり、着色が少なく、非常に優れた光学特性を示すといえる。前記単体色相b値は、より好ましくは1.1以下であり、特に好ましくは1.0以下である。また、その直交色相b値は、例えば、−0.5〜1.0であり、より好ましくは−0.3〜0.8であり、特に好ましくは−0.1〜0.8以下である。また、本発明の光学フィルムの430nmにおける直交透過率は、例えば、0.15以下であり、好ましくは0.10以下であり、より好ましくは0.08以下である。
【0028】
なお、前記単体色相b値は、ハンターLab表色系(Hunter, R. S.: J. Opt. Soc. Amer., 38, 661(A),1094(A)(1948); J.Opt. Soc. Amer., 48, 985(1958))により規定される。具体的には、例えば、JIS K 7105 5.3に準じて、分光測定器または光電色彩計を用いて、試料の三刺激値(X、Y、Z)を測定し、これらの値をLab空間における色差公式として以下に示すHunterの式に代入することによって、単体色相b値が算出できる。この測定には、通常、C光源が使用される。例えば、積分球式分光透過率測定器(商品名DOT−3C;村上色彩技術研究所製)によれば、透過率と共に単体色相b値が測定できる。
単体色相b=7.0×(Y−0.847Z)/Y1/2
【0029】
また、前記直交色相b値は、以下のようにして測定できる。偏光板をクロスニコルに配置し、その間に前記光学フィルムを配置して、前述のようなハンターLab表色系に基づき、色相b1を測定する。一方、光学フィルムを配置せず、クロスニコルに配置した偏光板のみで色相b2を測定する。そして、色相b1から色相b2を差し引く(b1−b2)ことによって、直交色相b値を求めることができる。
【0030】
本発明において、前記構成分子は、例えば、非液晶ポリマーであって、前記非液晶ポリマーは、コレステリック構造をとって配向した液晶モノマーを重合または架橋したポリマーである。このような構成であれば、後述するように、前記モノマーが液晶性を示すため、コレステリック構造をとって配向させることができ、かつ、さらにモノマー間を重合等させることによって前記配向を固定できる。そして、液晶モノマーを使用するが、前記固定によって、重合したポリマーは非液晶性となる。このため、形成されたコレステリック層は、コレステリック液晶相のようなコレステリック構造をとるが、液晶分子から構成されていないため、例えば、液晶分子に特有の、温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への変化が起きることもない。したがって、そのコレステリック構造が温度変化に影響されない、極めて安定性に優れた光学フィルムとなり、例えば、特に光学補償用位相差フィルムとして有用であるといえる。
【0031】
前記液晶モノマーは、前記の化学式で表されるモノマーである。このような液晶モノマーは、一般に、ネマチック性液晶モノマーであるが、本発明においては、前記カイラル剤によってねじりが付与され、最終的には、コレステリック構造をとるようになる。また、前記コレステリック層においては、配向固定のために、前記モノマー間が重合または架橋される必要があるため、前記モノマーは、重合性モノマーおよび架橋性モノマーの少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0032】
前記コレステリック層は、さらに、重合剤および架橋剤の少なくとも一方を含むことが好ましく、例えば、紫外線硬化剤、光硬化剤、熱硬化剤等の物質が使用できる。
【0033】
前記コレステリック層における液晶モノマーの割合は、75〜95重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは80〜90重量%の範囲である。また、前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合は、5〜23重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜20重量%の範囲である。また、前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の割合は、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8重量%の範囲であり、特に好ましくは1〜5重量%の範囲である。
【0034】
前記光学フィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、補償用等の位相差フィルムとして使用する場合、配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射性、着色防止、生産性等の点から、0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8μmの範囲、特に好ましくは1〜5μmの範囲である。
【0035】
本発明の光学フィルムは、例えば、前述のようなコレステリック層のみから形成されてもよいが、さらに基板を含み、前記基板上に前記コレステリック層が積層された積層体であってもよい。
【0036】
つぎに、本発明の光学フィルムの製造方法は、
コレステリック層を含み、前記層の構成分子が、コレステリック構造をとって配向している光学フィルムの製造方法であって、
前記式(4)で表される化合物、前記式(5)で表される化合物、前記式(6)で表される化合物、前記式(7)で表される化合物、前記式(8)で表される化合物、前記式(9)で表される化合物、前記式(10)で表される化合物、前記式(11)で表される化合物、前記式(12)で表される化合物、前記式(13)で表される化合物、前記式(14)で表される化合物、前記式(15)で表される化合物、前記式(16)で表される化合物、前記式(17)で表される化合物、前記式(18)で表される化合物および前記式(19)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの液晶モノマーと、前記式(24)で表される化合物、前記式(25)で表される化合物、前記式(26)で表される化合物、前記式(27)で表される化合物、前記式(28)で表される化合物、前記式(29)で表される化合物、前記式(30)で表される化合物、前記式(31)で表される化合物、前記式(32)で表される化合物、前記式(33)で表される化合物、前記式(34)で表される化合物、前記式(35)で表される化合物、前記式(36)で表される化合物、前記式(37)で表される化合物、前記式(38)で表される化合物、前記式(39)で表される化合物、前記式(40)で表される化合物、前記式(41)で表される化合物、前記式(42)で表される化合物、前記式(43)で表される化合物および前記式(44)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つのカイラル剤と、重合剤および架橋剤の少なくとも一方とを含み、かつ、前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が5〜23重量%の範囲である塗工液を配向基材上に展開して、展開層を形成する工程、
前記液晶モノマーがコレステリック構造をとった配向となるように、前記展開層に加熱処理を施す工程、および、
前記液晶モノマーの配向を固定して非液晶ポリマーのコレステリック層を形成するために、前記展開層に重合処理および架橋処理の少なくとも一方の処理を施す工程を含み、
前記コレステリック層における液晶モノマーの割合が、75〜95重量%の範囲であり、前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が、5〜23重量%の範囲である製造方法である。このような製造方法によれば、前述のような選択反射波長帯域である本発明の光学フィルムを製造できる。このように液晶モノマーとカイラル剤との配合割合をコントロールすることによって、前記選択反射波長帯域を100nm〜320nmの範囲に制御できることは、本発明者らが初めて見出したことである。
【0037】
本発明の光学フィルムの製造方法の一例について、以下に具体的に説明する。まず、前記液晶モノマーと、前記カイラル剤と、前記架橋剤および重合剤の少なくとも一方とを含む塗工液を準備する。
【0038】
前記液晶モノマーとしては、前記式(4)で表される化合物、前記式(5)で表される化合物、前記式(6)で表される化合物、前記式(7)で表される化合物、前記式(8)で表される化合物、前記式(9)で表される化合物、前記式(10)で表される化合物、前記式(11)で表される化合物、前記式(12)で表される化合物、前記式(13)で表される化合物、前記式(14)で表される化合物、前記式(15)で表される化合物、前記式(16)で表される化合物、前記式(17)で表される化合物、前記式(18)で表される化合物または前記式(19)で表される化合物があげられる。これらの液晶モノマーは、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0039】
前記液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なるが、例えば、40〜120℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範囲であり、特に好ましくは60〜90℃の範囲である。
【0040】
前記カイラル化剤としては、前述のように、前記液晶モノマーにねじりを付与してコレステリック構造となるように配向させるものであり、重合性カイラル化剤であることが好ましく、前記式(24)で表される化合物、前記式(25)で表される化合物、前記式(26)で表される化合物、前記式(27)で表される化合物、前記式(28)で表される化合物、前記式(29)で表される化合物、前記式(30)で表される化合物、前記式(31)で表される化合物、前記式(32)で表される化合物、前記式(33)で表される化合物、前記式(34)で表される化合物、前記式(35)で表される化合物、前記式(36)で表される化合物、前記式(37)で表される化合物、前記式(38)で表される化合物、前記式(39)で表される化合物、前記式(40)で表される化合物、前記式(41)で表される化合物、前記式(42)で表される化合物、前記式(43)で表される化合物または前記式(44)で表される化合物である。これらのカイラル剤は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0041】
なお、これらのカイラル化合物は、ねじり力が1×10-6nm-1・(wt%)-1以上である。
【0042】
前記重合剤および架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、以下のようなものが使用できる。前記重合剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が使用でき、前記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が使用できる。これらはずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0043】
前記塗工液は、例えば、前記液晶モノマー等を、適当な溶媒に溶解・分散することによって調製できる。前記溶媒としては、特に制限されないが、例えば、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル系溶媒、あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が使用できる。これらの中でも好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、MEK、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチルセロソルブである。これらの溶剤は、例えば、一種類でもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
【0044】
前記カイラル剤の添加割合は、例えば、所望のらせんピッチ、所望の選択反射波長帯域に応じて適宜決定されるが、前記液晶モノマーに対する添加割合は、5〜23重量%の範囲であり、好ましくは10〜20重量%の範囲である。前述のように、液晶モノマーとカイラル剤との添加割合をこのように制御することによって、形成される光学フィルムの選択波長帯域を前述の範囲に設定できるのである。液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が5重量%よりも小さい場合、形成される光学フィルムの選択反射波長帯域を低波長側に制御することが困難となる。また、前記割合が23重量%よりも大きい場合は、液晶モノマーがコレステリック配向する温度範囲、すなわち前記液晶モノマーが液晶相となる温度範囲が狭くなるため、後述する配向工程における温度制御を厳密に行うことが必要となり、製造が困難となる。
【0045】
例えば、同じねじり力のカイラル剤を使用した場合、液晶モノマーに対するカイラル剤の添加割合が多い方が、形成される選択反射波長帯域は低波長側となる。また、例えば、液晶モノマーに対するカイラル剤の添加割合が同じ場合には、例えば、カイラル剤のねじり力が大きい方が、形成される光学フィルムの選択反射波長帯域は、低波長側となる。具体例として、形成される光学フィルムの前記選択反射波長帯域を200〜220nmの範囲に設定する場合には、例えば、ねじり力が5×10-4nm-1・(wt%)-1のカイラル剤を、液晶モノマーに対して11〜13重量%となるように配合すればよく、前記選択反射波長帯域を290〜310nmの範囲に設定する場合には、例えば、ねじれ力が5×10-4nm-1・(wt%)-1のカイラル剤を、液晶モノマーに対して7〜9重量%となるように配合すればよい。
【0046】
また、前記液晶モノマーと前記カイラル剤との組み合わせとしては、特に制限されないが、具体的には、前記式(10)のモノマー剤と、前記式(38)のカイラル剤との組み合わせ、前記式(11)のモノマー剤と、前記式(39)のカイラル剤との組み合わせ等があげられる。
【0047】
また、前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の添加割合は、例えば、0.1〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜8重量%の範囲、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の割合が、0.1重量%以上であれば、例えば、コレステリック層の硬化が十分容易となり、また、10重量%以下であれば、例えば、前記液晶モノマーがコレステリック配向する温度範囲、すなわち前記液晶モノマーが液晶相となる温度が十分な範囲となるため、後述する配向工程における温度制御がより一層容易となる。
【0048】
また、前記塗工液には、例えば、必要に応じて各種添加物を適宜配合してもよい。前記添加物としては、例えば、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等があげられる。これらの添加剤は、例えば、いずれか一種を添加してもよいし、二種類以上を併用してもよい。具体的に、前記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等、前記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類やアルコール類等、従来公知のものがそれぞれ使用できる。また、前記界面活性剤は、例えば、光学フィルムの表面を平滑にするために添加され、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の界面活性剤が使用でき、特にシリコーン系が好ましい。
【0049】
このように液晶モノマーを使用した場合、調製した塗工液は、例えば、塗工・展開等の作業性に優れた粘性を示す。前記塗工液の粘度は、通常、前記液晶モノマーの濃度や温度等に応じて異なるが、前記塗工液におけるモノマー濃度が前記範囲5〜70重量%の場合、その粘度は、例えば、0.2〜20mPa・sの範囲であり、好ましくは0.5〜15mPa・sであり、特に好ましくは1〜10mPa・sである。具体的には、前記塗工液におけるモノマー濃度が、30重量%の場合、例えば、2〜5mPa・sの範囲であり、好ましくは3〜4mPa・sである。前記塗工液の粘度が0.2mPa・s以上であれば、例えば、塗工液を走行することによる液流れの発生がより一層防止でき、また、20mPa・s以下であれば、例えば、表面平滑性がより一層優れ、厚みムラを一層防止でき、塗工性にも優れる。なお、前記粘度としては、温度20〜30℃における範囲を示したが、この温度には限定されない。
【0050】
つぎに、前記塗工液を、配向基板上に塗布して展開層を形成する。
【0051】
前記塗工液は、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等の従来公知の方法によって流動展開させればよく、この中でも、塗布効率の点からスピンコート、エクストルージョンコートが好ましい。
【0052】
前記配向基板としては、前記液晶モノマーを配向できるものであれば特に制限されず、例えば、各種プラスチックフィルムやプラスチックシートの表面を、レーヨン布等でラビング処理したものが使用できる。前記プラスチックとしては、特に制限されないが、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等があげられる。また、アルミ、銅、鉄等の金属製基板、セラミック製基板、ガラス製基板等の表面に、前述のようなプラスチックフィルムやシートを配置したり、前記表面にSiO2斜方蒸着膜を形成したもの等も使用できる。また、前述のようなプラスチックフィルムやシートに、一軸延伸等の延伸処理を施した複屈折性を有する延伸フィルム等を配向膜として積層した積層体も、配向基板として使用することができる。さらに、基板自体が複屈折性を有する場合は、前述のようなラビング処理や、表面に複屈折性フィルムを積層すること等が不要であるため、好ましい。このように基板自体に複屈折性を付与する方法としては、基板の形成において、例えば、延伸処理の他に、キャスティングや押し出し成型等を行う方法があげられる。
【0053】
続いて、前記展開層に加熱処理を施すことによって、液晶状態で前記液晶モノマーを配向させる。前記展開層には、前記液晶モノマーと共にカイラル剤が含まれているため、液晶相(液晶状態)となった液晶モノマーが、前記カイラル剤によってねじりを付与された状態で配向する。つまり、液晶モノマーがコレステリック構造(らせん構造)を示すのである。
【0054】
前記加熱処理の温度条件は、例えば、前記液晶モノマーの種類、具体的には前記液晶モノマーが液晶性を示す温度に応じて適宜決定できるが、通常、40〜120℃の範囲であり、好ましくは50〜100℃の範囲であり、より好ましくは60〜90℃の範囲である。前記温度が40℃以上であれば、通常、十分に液晶モノマーを配向することができ、前記温度が120℃以下であれば、例えば、耐熱性の面において前述のような各種配向基材の選択性も広い。
【0055】
次に、前記液晶モノマーが配向した前記展開層に架橋処理または重合処理を施すことによって、前記液晶モノマーとカイラル剤とを重合または架橋させる。これによって、液晶モノマーは、コレステリック構造をとって配向した状態のまま、相互に重合・架橋、またはカイラル剤と重合・架橋し、前記配向状態が固定される。そして、形成されたポリマーは、前記配向状態の固定によって、非液晶ポリマーとなる。
【0056】
前記重合処理や架橋処理は、例えば、使用する重合剤や架橋剤の種類によって適宜決定できる。例えば、光重合剤や光架橋剤を使用した場合には、光照射を施し、紫外線重合剤や紫外線架橋剤を使用した場合には、紫外線照射を施せばよい。
【0057】
このような製造方法によって、前記配向基板上に、コレステリック構造をとって配向した非液晶性ポリマーから形成された、選択反射波長帯域100nm〜320nmの光学フィルムが得られる。この光学フィルムは、前述のようにその配向が固定されているため非液晶性である。したがって、温度変化によって、例えば、液晶相、ガラス相、結晶相に変化することがなく、温度による配向変化が生じない。このため、温度に影響を受けることがない、高性能の位相差フィルムとして使用できる。また、選択反射波長帯域が前記範囲に制御されているため、前述のような光もれ等が抑制される。
【0058】
なお、本発明の光学フィルムは、本発明者らが、前述のような液晶モノマーを使用することによって初めて実現できたものであるが、その製造方法は、このような方法には制限されず、前述のような液晶ポリマーを使用してもよい。なお、液晶モノマーを使用すれば、前記選択反射波長帯域をより一層制御し易いだけでなく、前述のように塗工液の粘度等の設定も容易なため、薄層の形成が一層容易になり、取り扱い性にも非常に優れる。また、形成されたコレステリック層も、その表面が平坦性に優れたものとなる。このため、より一層優れた品質であり、かつ、薄型化の光学フィルムが形成できるといえる。
【0059】
また、前記光学フィルムは、例えば、前記配向基板から剥離して、そのまま前述のような補償用等の位相差フィルムとして使用してもよいし、前記配向基板に積層された状態で、位相差板として使用することもできる。
【0060】
前記光学フィルムと前記配向基板との積層体として使用する際には、前記配向基板は、透光性のプラスチックフィルムであることが好ましい。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、TAC等のセルロース系、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリノルボルネン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、液晶ポリマー等から形成されるフィルムがあげられる。これらのフィルムは、光学的に等方性であっても、異方性であっても差し支えない。これらのプラスチックフィルムの中でも、耐溶剤性や耐熱性の観点から、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートから形成された各フィルムが好ましい。
【0061】
前述のような透光性配向基板は、例えば、単層でもよいが、例えば、強度、耐熱性、ポリマーや液晶モノマーの密着性を向上する点から、異種ポリマーを積層した積層体であってもよい。
【0062】
また、複屈折による位相差を生じないものでもよいし、例えば、偏光分離層で反射された光の偏光状態の解消を目的として、複屈折による位相差を生じるものであってもよい。このような偏光状態の解消は、光利用効率の向上や、光源光との同一化によって、視覚による色相変化の抑制に友好である。前記複屈折による位相差を生じる透明基板としては、例えば、各種ポリマー製の延伸フィルム等が使用でき、厚み方向の屈折率を制御したものであってもよい。前記制御は、例えば、ポリマーフィルムを熱収縮フィルムと接着して、加熱延伸すること等によって行うことができる。
【0063】
前記プラスチックフィルムの厚みは、通常、5μm〜500μm、好ましくは10〜200μmであり、好ましくは15〜150μmである。前記厚みが5μm以上であれば、基板として十分な強度を有するため、例えば、製造時に破断する等の問題の発生を防止できる。
【0064】
また、前記光学フィルムを前記配向基板(以下、「第1の基板」という)から他の基板(以下、「第2の基板」という)に転写し、前記第2の基板に前記光学フィルムを積層した状態で、例えば、位相差板として使用することもできる。具体的には、前記第2の基板の少なくとも一方の表面に接着剤層または粘着剤層(以下、「接着剤層等」という)を積層し、この接着剤層等を、前記第1の基板上の光学フィルムと接着してから、前記第1の基板を前記光学フィルムから剥離すればよい。
【0065】
この場合、前記塗工液を展開する配向基板としては、例えば、その透光性や厚み等には制限されず、耐熱性や強度の点から選択することが好ましい。
【0066】
一方、前記第2の基板は、例えば、耐熱性等については制限されない。例えば、透光性基板や、透光性保護フィルム等が好ましく、具体的には、透明なガラスやプラスチックフィルム等があげられる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ノルボルネン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等のフィルムがあげられる。この他にも、例えば、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムがあげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチレンマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。この他にも、コーティング偏光子を第2の偏光子として使用することもできる。
【0067】
また、前記第2の基板は、例えば、光学的に等方性であることが好ましいが、前記光学フィルムの用途に応じて、光学的異方性であってもよい。このような光学的異方性を有する第2の基板としては、例えば、前記プラスチックフィルムに延伸処理等を施した位相差フィルムや、光散乱性を有する光散乱フィルム、回折能を有する回折フィルム、偏光フィルム等でもよい。
【0068】
なお、前記コレステリック層と前記各種透光性基板等との積層体とする場合、前記コレステリック層は、前記透光性基板の両面に積層してもよいし、その積層数も、一層でもよいし、二層以上であってもよい。
【0069】
本発明の光学フィルムは、さらに、その表面に粘着層や接着層が積層されてもよい。このように粘着層等を積層することによって、例えば、偏光板等の他の光学層や、液晶セル等の部材との積層が容易になり、光学フィルムの剥離を防止することができる。
【0070】
前記接着層の材料としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、イソシアネート系接着剤、ゴム系接着剤等が使用できる。また、前記粘着層の材料としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ゴム系等の粘着剤が使用できる。また、これらの材料に、微粒子を含有させて光拡散性を示す層としてもよい。これらの中でも、例えば、吸湿性や耐熱性に優れる材料が好ましい。このような性質であれば、例えば、液晶表示装置に使用した場合に、吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下や、液晶セルの反り等を防止でき、高品質で耐久性にも優れる表示装置となる。
【0071】
本発明の偏光フィルムや位相差フィルムは、前述のように、単独で使用してもよいし、必要に応じて、他の光学部材と組み合わせた積層体として、各種の光学用途に供してもよい。具体的には、光学補償部材等として、特に液晶表示素子の光学補償部材として有用である。前記他の光学部材としては、例えば、他の屈折率構造を有する位相差フィルム、液晶フィルム、光散乱フィルム、回折フィルム、偏光フィルム等があげられる。
【0072】
つぎに、本発明の偏光板は、前記本発明の位相差フィルム(本発明の偏光フィルムも含む)と偏光フィルムとを含む偏光板である。
【0073】
前記偏光板の一例としては、例えば、偏光フィルム(偏光子)の少なくとも一方の表面に、接着層または粘着層(以下、「接着層等」ともいう)を介して保護層が積層され、前記位相差フィルムが、前記保護層上に接着層を介して積層された構造である。前記保護層は、前記偏光フィルムの片面のみ、または、両面に積層してもよく、両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護層を使用しても、異なる種類の透明保護層を使用してもよい。また、前記位相差フィルムは、偏光子の片面に積層されても両面に積層されてもよく、この積層は前記保護層を介してもよいし、直接であってもよい。また、本発明の位相差フィルムに加えて、さらに他の位相差フィルムが積層されてもよい。
【0074】
前記偏光フィルムとしては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
【0075】
前記保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
【0076】
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムがあげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチレンマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
【0077】
また、前記保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、下記式で表されるフィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。なお、下記式において、nx,ny,nzおよびdは、前述と同様である。
Rth=[[(nx+ny)/2]−nz]・d
【0078】
また、前記透明保護層は、さらに光学補償機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を有する透明保護層としては、例えば、液晶セルにおける位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のものが使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液晶ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これらの中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、前記液晶ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、ディスコティック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が好ましい。このような光学補償位相差板としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム」等の市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム等のフィルム支持体を2層以上積層させることによって、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
【0079】
前記透明保護層の厚みは、特に制限されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、通常、5mm以下であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは1〜500μm以下、特に好ましくは5から150μmの範囲である
【0080】
前記透明保護層は、例えば、偏光フィルムに前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光フィルムに前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
【0081】
また、前記透明保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。
【0082】
前記アンチグレア処理とは、偏光板表面において外光が反射することによる、偏光板透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。
【0083】
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50質量部の範囲である。
【0084】
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
【0085】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に積層してもよい。
【0086】
前記偏光フィルムと前記透明保護層との接着方法は、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができる。一般には、前述と同様の粘着剤や接着剤等が使用でき、その種類は、前記偏光フィルムや透明保護層の材質等によって適宜決定できる。前述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。具体的には、前記偏光フィルムがポリビニルアルコール系フィルムである場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、ポリビニルアルコール系接着剤が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま偏光フィルムや透明保護層の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。
【0087】
本発明の位相差フィルムと前記偏光フィルムとの積層方法は、特に制限されず、前述のような接着層や粘着層等を用いた従来公知の方法が採用できる。また、偏光フィルムに位相差フィルム(本発明の光学フィルム)を形成することもできる。例えば、前記透明保護層を透明基板として、その一方の表面に配向基板を形成し、この配向基板上にコレステリック層を形成する。そして、前記透明保護層の他方の表面に偏光フィルムを接着し、前記偏光フィルムの他方の表面に、さらに透明保護層を接着することもできる。
【0088】
本発明の偏光板は、前記本発明の位相差板と同様に、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着層を有していることが好ましく、前記偏光板の片面または両面に配置することができる。また、その材質としては、前述と同様のものが使用できる。前記偏光板表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、各種材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記偏光板の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記偏光板の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような層は、偏光板のいずれの表面に形成してもよく、例えば、偏光板における前記位相差板の露出面に形成してもよい。
【0089】
このように偏光板に設けた粘着剤層の表面が露出する場合は、前記粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
【0090】
前記粘着剤層は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組み合わせた積層体を使用することもできる。また、前記偏光板の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層であってもよい。
【0091】
前記粘着剤層の厚みは、例えば、偏光板の構成等に応じて適宜に決定でき、一般には、1〜500μmである。
【0092】
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等があげられる。
【0093】
前記粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、前記粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
【0094】
なお、本発明の位相差フィルムや偏光板、この他にも、例えば、偏光フィルム、透明保護フィルム、光学層等、また粘着層や接着層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤による処理等によって紫外線吸収能を持たせたものなどであってもよい。
【0095】
本発明の位相差フィルムや偏光板は、前述のように、液晶表示装置等の各種表示装置に使用できる。前記液晶表示装置の形成は、従来公知の方法で行うことができる。すなわち、前記液晶表示装置は、一般に、液晶セルと偏光板等の光学素子、必要に応じて照明システム等の構成部品を適宜組立て、駆動回路を組込むこと等によって形成されるが、本発明においては本発明の位相差フィルムや偏光板を使用する以外は、特に限定されない。液晶セルについても、例えば、TN型やSTN型、π型等の任意のタイプのセルが使用できる。
【0096】
具体的には、本発明の位相差板や本発明の偏光板を、液晶セルの片側または両側に配置した液晶表示装置があげられる。前記液晶セルの両側に、位相差板や偏光板を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、液晶表示装置の形成に際しては、例えば、さらに、拡散板、アンチグレア層、反射防止層、保護板、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、光拡散板、バックライト、反射板、半透過反射板、輝度向上板等、適宜な部品を適宜な位置に、1層または2層以上配置してもよい。
【0097】
また、本発明の偏光板は、例えば、インライン測定によりマーキングできるため、例えば、偏光子を裁断(チップカット)した直後の外観検査や梱包などオフライン工程が不要となり、一貫して液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置に貼り合わせるインハウス製造が可能となる。これにより、例えば、表示装置の低コスト化を図ることができ、かつ、その製造工程の管理も容易となるため、工業的価値は大である。
【0098】
なお、本発明の光学フィルムや偏光板は、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)等の自発光型表示装置にも使用できる。
【0099】
つぎに、本発明の位相差フィルムおよび偏光板は、有機や無機のエレクトロルミネッセンス装置にも、前記液晶表示装置と同様にして、用いることができる。
【0100】
一般に、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機EL発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいは前記発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいは前記正孔注入層、前記発光層および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
【0101】
前記有機EL装置は、通常、前記透明電極と前記金属電極とに電圧を印加することによって、前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
【0102】
有機EL装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが好ましく、通常、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常、Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極が使用できる。
【0103】
このような構成の有機EL装置において、有機発光層は、通常、厚み10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過できる。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL装置の表示面が鏡面のように見える。
【0104】
電圧の印加によって発光する前記有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、前記有機発光層の裏面側に金属電極を備えた有機EL発光体を含む有機EL装置において、例えば、透明電極の表面側に偏光板を設け、前記透明電極と偏光板との間に位相差板を設けてもよい。この偏光板や位相差板として、本発明の偏光板や位相差フィルムが適用できる。
【0105】
前記位相板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光させる作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0106】
すなわち、この有機EL装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相板により、一般に楕円偏光となるが、特に位相板が1/4波長板であり、しかも偏光板と位相板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
【0107】
この円偏光は、通常、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相板再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0108】
【実施例】
つぎに、本発明について、以下の実施例および比較例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0109】
(実施例1)
下記化学式(10)に示すネマチック液晶モノマー90重量部、下記式(38)に示すねじり力5.5×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤10重量部、UV重合開始剤(商品名イルガキュア907:チバスペシャリティーケミカルズ社製、以下同じ)5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを70℃で3分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。そして、前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、200〜220nmであった。
【0110】
【化9】
Figure 0003981638
【0111】
(実施例2)
実施例1と同様にして、前記化学式(10)に示すネマチック液晶モノマー92重量部、前記化学式(38)に示すねじり力5.5×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤8重量部、UV重合開始剤5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを80℃で3分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、290〜310nmであった。
【0112】
(実施例3)
実施例1と同様にして、前記化学式(10)に示すネマチック液晶モノマー91重量部、前記式(38)に示すねじり力5.5×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤9重量部、UV重合開始剤5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを80℃で3分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、240〜260nmであった。
【0113】
(実施例4)
実施例1と同様にして、下記化学式(11)に示すネマチック液晶モノマー87重量部、下記式(39)に示すねじり力6.0×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤13重量部、UV重合開始剤5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを70℃で3分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、190〜210nmであった。
【0114】
【化10】
Figure 0003981638
【0115】
(実施例5)
実施例1と同様にして、前記化学式(11)に示すネマチック液晶モノマー83重量部、前記式(39)に示すねじり力6.0×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤17重量部、UV重合開始剤5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを60℃で5分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、140〜160nmであった。
【0116】
(比較例1)
前記化学式(11)に示すネマチック液晶モノマー80重量部、下記式(44)に示すねじり力5.8×10-5nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤20重量部、UV重合開始剤5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを70℃で3分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、330〜350nmであった。
【0117】
【化11】
Figure 0003981638
【0118】
(比較例2)
前記化学式(11)に示すネマチック液晶モノマー75重量部、前記式(39)に示すねじり力6.0×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤25重量部、UV重合開始剤5重量部およびメチルエチルケトン300重量部を混合し、この混合物を配向基板(厚み75μm:ポリエステルフィルム)上に塗布した。そして、これを60℃で5分間加熱処理することによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によって前記モノマーを重合させ、その配向を固定した。前記配向基板を除去することによって、厚み約2μmの完全透明で平滑な位相差フィルムが得られた。この位相差フィルムは、nx≒ny>nzの複屈折層であり、その選択反射波長帯域は、70〜90nmであった。
【0119】
前記実施例1〜5、比較例1および2で作製した位相差フィルムについて、積分球式分光透過率測定器(商品名DOT−3C;村上色彩技術研究所製)を用いて、前記位相差フィルムの透過率および色相(単体b)を測定した。さらに、前記各種位相差フィルムを、偏光度99.95%の二枚の偏光板(日東電工(株)製、商品名HEG1425DU)をクロスニコルに配置した間に挿入し、そのときの法線方向の透過率(直交透過率)および色相(直交b)を測定した。なお、直交透過率と色相(直交b)については、前記位相差フィルムを配置せずに、クロスニコルに配置した偏光板のみについても同様に測定を行い、前述のように偏光板のみの測定値を差し引いて算出した。
【0120】
また、平行ニコル回転法を原理とする位相差計(王子計測機器社製、商品名KOBRA21−ADH)にて、前記各種位相差板の位相差を測定し、この結果より前述のnx、ny、nzを算出してΔndを求めた。
【0121】
これらの結果を下記表1および表2に示す。また、図1に、前記各種位相差フィルムの選択反射波長と透過率との関係を示す。
【0122】
【表1】
Figure 0003981638
【0123】
【表2】
Figure 0003981638
【0124】
前記表1より、本発明の位相差フィルムは単体色相b値が略1.0以下であり、単体色相b値が約1.3である比較例1と比べて、極めて着色が少なかった。また、面内位相差(Δnd)も、比較例1が4nmであるのに対して、その半分以下の値(1.6nm以下)に抑制できた。この結果から、実施例の位相差フィルムは、面内位相差のバラツキがほとんどなく、着色の影響もない、光学的に優れた複屈折層であることがわかる。また、前記表2より、比較例1の位相差フィルムの直交透過率が0.235%であるのに対して、実施例の位相差フィルムの直交透過率は0.1%以下と、比較例1の半分以下の値となり、優れた偏光特性を示した。また、実施例の位相差フィルムは、比較例に比べて、直交色相b値の絶対値が極めて低いことから、可視光領域における光漏れが殆んど起きていないことがわかる。なお、比較例2については、配向自体が不良なため、測定不可能であった。
【0125】
また、前記実施例1で作製した位相差フィルムを、垂直配向モードの液晶セルの両面に接着し、さらに前記両位相差フィルムの表面に、偏光板(商品名SEG1224DU:日東電工社製)をクロスニコルとなるようにそれぞれ配置して液晶表示装置を作製した。そして、その表示特性を目視で確認した。その結果、正面と斜視の広い視角範囲において、コントラストや、表示の均質性が優れており、良好な表示品位であることがわかった。
【0126】
(実施例6)
(1)塗工液の調製
前記式(10)に示す重合性ネマチック液晶モノマー90重量部、前記式(38)に示すねじり力5.5×10-4nm-1・(wt%)-1の重合性カイラル剤10重量%およびUV重合開始剤5重量部を、溶媒メチルエチルケトン300重量部に溶解して、塗工液を調製した。前記塗工液の粘度は、3.2mPa・sであった。
【0127】
(2)偏光板の作製
ヨウ素を含有するPVA系フィルムからなる偏光子(厚み30μm)の両面にTAC製保護層(厚み80μm)をアクリル系粘着剤により積層して、偏光板を作製した。
【0128】
一方、高延伸PETフィルム(商品名T−60:帝人社製、厚み75μm)の片面に前記塗工液を塗工し、70℃で1分間加熱処理を施すことによって、前記モノマーを配向させた後、紫外線照射によってモノマーを重合して、その配向を固定した。これによって、前記PETフィルム上に厚み3μmの位相差フィルム(補償層)が形成された。この位相差フィルムの選択反射波長帯域は200〜220nmであった。
【0129】
次に、前記偏光板の一方の表面に、アクリル製接着剤層を介して、前記PETフィルム上の位相差フィルムを接着した。そして、この積層体から、前記PETフィルムを剥離することによって、補償層付偏光板を作製した。
【0130】
この補償層付偏光板を、垂直配向モードの液晶セルの視認側に、前記補償層が接するように接着した。一方、前記液晶セルのバックライト側には、位相差フィルムを積層しなかった他は同様にして調製した偏光板を接着した。このようにして作製した液晶表示装置について、その表示特性を目視で確認した結果、正面と斜視の広い視角範囲において、コントラストや、表示の均質性が優れており、良好な表示品位であることがわかった。
【0131】
【発明の効果】
以上のように、選択反射波長帯域が100nm〜320nmである本発明の光学フィルムであれば、例えば、位相差フィルムや偏光板等の光学素子として、液晶表示装置等の各種表示装置に使用した場合、着色等の問題がないため、表示ムラがなく、優れた表示特性を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における、各波長における透過率の変化を示すグラフである。
【図2】 屈折率の軸方向を示す概略図である。

Claims (25)

  1. コレステリック層を含む光学フィルムであって、
    前記層の構成分子が、コレステリック構造をとって配向しており、
    前記層の選択反射波長帯域が、100nm〜320nmの範囲であり、
    コレステリック層構成分子が非液晶ポリマーであって、前記非液晶ポリマーが、カイラル剤によってコレステリック構造をとって配向した液晶モノマーを重合または架橋したポリマーであり、
    前記液晶モノマーが、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物、下記式(7)で表される化合物、下記式(8)で表される化合物、下記式(9)で表される化合物、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物、下記式(12)で表される化合物、下記式(13)で表される化合物、下記式(14)で表される化合物、下記式(15)で表される化合物、下記式(16)で表される化合物、下記式(17)で表される化合物、下記式(18)で表される化合物および下記式(19)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの液晶モノマーであり、
    前記カイラル剤が、下記式(24)で表される化合物、下記式(25)で表される化合物、下記式(26)で表される化合物、下記式(27)で表される化合物、下記式(28)で表される化合物、下記式(29)で表される化合物、下記式(30)で表される化合物、下記式(31)で表される化合物、下記式(32)で表される化合物、下記式(33)で表される化合物、下記式(34)で表される化合物、下記式(35)で表される化合物、下記式(36)で表される化合物、下記式(37)で表される化合物、下記式(38)で表される化合物、下記式(39)で表される化合物、下記式(40)で表される化合物、下記式(41)で表される化合物、下記式(42)で表される化合物、下記式(43)で表される化合物および下記式(44)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つのカイラル剤であり、
    前記コレステリック層における液晶モノマーの割合が、75〜95重量%の範囲であり、
    前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が、5〜23重量%の範囲である光学フィルム。
    Figure 0003981638
    Figure 0003981638
    Figure 0003981638
    Figure 0003981638
  2. 前記コレステリック層が、ねじり力1×10-6nm-1・(wt%)-1以上のカイラル剤を含む請求項1記載の光学フィルム。
  3. 前記コレステリック層におけるらせんピッチが、0.01〜0.25μmの範囲である請求項1または2記載の光学フィルム。
  4. 前記コレステリック層が、さらに、重合剤および架橋剤の少なくとも一方を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  5. 前記液晶モノマーに対する架橋剤または重合剤の割合が、0.1〜10重量%の範囲である請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  6. 前記液晶モノマーが、前記式(10)で表わされる液晶モノマーであり、前記カイラル剤が、前記式(38)で表わされるカイラル剤である請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7. 前記液晶モノマーが、前記式(11)で表わされる液晶モノマーであり、前記カイラル剤が、前記式(39)で表わされるカイラル剤である請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  8. さらに基板を含み、前記基板上に前記コレステリック層が積層されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9. 前記基板が、配向基板である請求項8記載の光学フィルム。
  10. 前記配向基板が、表面に配向膜を有する基板である請求項9記載の光学フィルム。
  11. 前記基板が、透明性基板である請求項8〜10のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  12. コレステリック層を含み、前記層の構成分子が、コレステリック構造をとって配向している光学フィルムの製造方法であって、
    下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物、下記式(7)で表される化合物、下記式(8)で表される化合物、下記式(9)で表される化合物、下記式(10)で表される化合物、下記式(11)で表される化合物、下記式(12)で表される化合物、下記式(13)で表される化合物、下記式(14)で表される化合物、下記式(15)で表される化合物、下記式(16)で表される化合物、下記式(17)で表される化合物、下記式(18)で表される化合物および下記式(19)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの液晶モノマーと、下記式(24)で表される化合物、下記式(25)で表される化合物、下記式(26)で表される化合物、下記式(27)で表される化合物、下記式(28)で表される化合物、下記式(29)で表される化合物、下記式(30)で表される化合物、下記式(31)で表される化合物、下記式(32)で表される化合物、下記式(33)で表される化合物、下記式(34)で表される化合物、下記式(35)で表される化合物、下記式(36)で表される化合物、下記式(37)で表される化合物、下記式(38)で表される化合物、下記式(39)で表される化合物、下記式(40)で表される化合物、下記式(41)で表される化合物、下記式(42)で表される化合物、下記式(43)で表される化合物および下記式(44)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つのカイラル剤と、重合剤および架橋剤の少なくとも一方とを含み、かつ、前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が5〜23重量%の範囲である塗工液を配向基材上に展開して、展開層を形成する工程、
    前記液晶モノマーがコレステリック構造をとった配向となるように、前記展開層に加熱処理を施す工程、および、
    前記液晶モノマーの配向を固定して非液晶ポリマーのコレステリック層を形成するために、前記展開層に重合処理および架橋処理の少なくとも一方の処理を施す工程を含み、
    前記コレステリック層における液晶モノマーの割合が、75〜95重量%の範囲であり、
    前記液晶モノマーに対するカイラル剤の割合が、5〜23重量%の範囲である光学フィルムの製造方法。
    Figure 0003981638
    Figure 0003981638
    Figure 0003981638
    Figure 0003981638
  13. カイラル剤のねじり力が、1×10-6nm-1・(wt%)-1以上である請求項12に記載の製造方法。
  14. 液晶モノマーに対する重合剤または架橋剤の添加割合が、0.1〜10重量%の範囲である請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 重合処理または架橋処理が、紫外線照射処理、光照射処理および加熱処理からなる群から選択された少なくとも一つの処理である請求項12〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 配向基板が、表面に配向膜を有する基板である請求項12〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 配向基板が、透明性基板である請求項12〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. 少なくとも一方の表面に接着層を有する透明性基板を準備し、前記配向基板上に形成された前記コレステリック層と、前記透明性基板の前記接着層とを接着し、前記配向基板を前記展開層から剥離する工程を含む請求項12〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. 透明性基板の材料が、セルロース系ポリマー、ノルボルネン系ポリマーおよびポリビニルアルコール系ポリマーからなる群から選択された少なくとも一つの物質である請求項17または18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. 前記液晶モノマーが、前記式(10)で表わされる液晶モノマーであり、前記カイラル剤が、前記式(38)で表わされるカイラル剤である請求項12〜19のいずれか一項に記載の製造方法。
  21. 前記液晶モノマーが、前記式(11)で表わされる液晶モノマーであり、前記カイラル剤が、前記式(39)で表わされるカイラル剤である請求項12〜19のいずれか一項に記載の製造方法。
  22. 請求項12〜21のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法により製造した光学フィルム。
  23. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学フィルム、および請求項22記載の光学フィルムの少なくとも一方を含む位相差フィルム。
  24. 請求項23記載の位相差フィルムと偏光フィルムとを含む偏光板。
  25. 請求項22記載の光学フィルム、請求項23記載の位相差フィルムおよび請求項24記載の偏光板からなる群から選択された少なくとも一つの光学部材を含む画像表示装置。
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