JP3981423B2 - 電池用水素吸蔵合金およびニッケル水素二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用水素吸蔵合金およびその合金を使用したニッケル水素電池に係り、特に合金を電池の負電極に使用した場合に、低温度域における容量の低下が少なく、広い使用温度範囲において、高い電極容量(電池容量)および繰返しの使用に耐える長寿命特性(長サイクル特性)を共に満足させることが可能な電池用水素吸蔵合金およびニッケル水素二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子技術の進歩による省電力化、実装技術の進歩により従来では予想し得なかった電子機器が小型化およびポータブル化されてきている。それに伴い、前記電子機器の電源である二次電池に対する高容量化,長寿命化,放電電流の安定化が特に要求されている。例えばパーソナル化、ポータブル化が進むOA機器,電話機,AV機器においては、特に小型軽量化,およびコードレスでの機器使用時間の延伸などの目的で高性能電池の開発が所望されている。このような要求に対応する電池として、従来の焼結式ニッケルカドミウム電池の電極基板を三次元構造体とした非焼結式ニッケルカドミウム電池が開発されたが、顕著な容量増加は達成されていない。
【0003】
そこで、近年、負極として水素吸蔵合金粉末を集電体に固定した構造のものを使用したアルカリ二次電池(ニッケル水素二次電池)が提案され、脚光を浴びている。このニッケル水素電池に使用される負極は、一般に、下記の手順で製造される。すなわち、高周波溶解法やアーク溶解法などによって水素吸蔵合金を溶解した後に、冷却・粉砕し、得られた粉砕粉に導電剤や結合剤を添加して混練物を形成し、この混練物を集電体に塗布または圧着して製造される。この水素吸蔵合金を使用した負極は、従来の代表的なアルカリ二次電池用負極材料であるカドミウムに比較し、単位重量当りまたは単位容積当りの実効的なエネルギ密度を大きくすることができ、電池の高容量化を可能とする他、毒性が少なく環境汚染のおそれが少ないという特徴を持っている。
【0004】
しかしながら、水素吸蔵合金を含む負極は、二次電池に組み込まれた状態において電解液である濃厚なアルカリ水溶液に浸漬される他、特に過充電時には正極より発生する酸素に曝されるため、水素吸蔵合金が腐食して電極特性が劣化し易い。さらに、充放電時において前記水素吸蔵合金中への水素の吸蔵、放出に伴って体積が膨張、収縮するため、水素吸蔵合金に割れを生じ、水素吸蔵合金粉末の微粉化が進行する。水素吸蔵合金の微粉化が進行すると、水素吸蔵合金の比表面積が加速度的に増加するため、水素吸蔵合金表面のアルカリ性電解液による劣化面積の割合が増加する。しかも、水素吸蔵合金粉末と集電体との間の導電性も劣化するため、サイクル寿命が低下する上に電極特性も劣化する。
【0005】
そこで、上述した問題を解決するために水素吸蔵合金を多元化したり、水素吸蔵合金粉末表面または水素吸蔵合金を含む負極表面にニッケル薄膜や銅薄膜をめっき法、蒸着法等により付着させ電解液と直接接触しないようにして耐食性を向上させたり、機械的強度を増加させて割れを防止したり、あるいはアルカリ溶液中へ浸漬後、乾燥させることにより水素吸蔵合金表面の劣化を抑制したりという方法が提案されているが、必ずしも十分な改善を図ることができず、却って電極容量の低下を招く場合があった。
【0006】
上記アルカリ二次電池に用いられる水素吸蔵合金として、LaNi5 で代表されるAB5 系合金がある。この六方晶構造を有する合金系を使用した負極は、従来の代表的なアルカリ二次電池用負電極材料であるカドミウムを使用した場合と比較して、電池の単位重量または単位容積当りの実効的なエネルギ密度を大きくすることが可能であり、電池の高容量化を可能とする上に、カドミウム公害等の環境汚染を発生するおそれも少なく、電池特性も良好であるという特徴を有している。また上記AB5 系合金を使用した電池では大電流放電が可能であるという長所がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記Lm−Ni−Co−Al系合金(LmはLa富化ミッシュメタル)から成るAB5 系水素吸蔵合金の電極容量は、未だ300mAh/g未満という低い状態であり、また充放電によるサイクル寿命は200サイクル程度である。また上記AB5 系合金を使用した電池では放電電流を高く設定できる長所がある。しかしながら、昨今の技術的要求水準である電極容量およびサイクル寿命を共に満足する段階には到達していない。
【0008】
また上記従来の水素吸蔵合金を負極材料として使用したニッケル水素電池においては、電池が使用される温度範囲(−20℃〜+80℃)の上限温度領域および下限温度領域で電池容量の低下が顕著になり、場合によっては放電しないこともあり、電池機能が著しく低下する問題点があった。特に寒冷地にて使用した場合には電圧降下が大きくなり、機器の動作不良を生じる難点があり、いずれにしても電池を駆動電源とする機器の動作信頼性が大幅に低下してしまう問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、特に低温度域における容量の低下が少なく、広い使用温度範囲において高い電極容量が得られるとともに、電池の長寿命化を実現することが可能な電池用水素吸蔵合金およびその合金を使用したニッケル水素二次電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本願発明者らは電池の動作環境に適した水素吸蔵合金について鋭意研究を重ねた。その結果、合金成分として希土類元素とニッケル(Ni)とを基本とする金属間化合物に、さらにTi,Zr,Hfなどの IVa族元素を加えて合金の組成を所定範囲に調整したときに、水素吸蔵特性および耐食性が優れた水素吸蔵合金が得られ、また、この合金を負極材料として使用した場合に電極容量と寿命特性と容量の温度特性とがバランスしたニッケル水素二次電池が得られるという知見を得た。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0011】
すなわち本発明に係る電池用水素吸蔵合金は、一般式Ra Mb M′c Ad Ni100-a-b-c-d (但し、RはY,La,Ce,Sm,NdおよびPrから選択される少なくとも1種の元素であり、MはTi,ZrおよびHfから選択される少なくとも1種の元素であり、M′はCo,Fe,Cr,MnおよびCuから選択される少なくとも1種の元素であり、AはAl,Ga,Si,Ge,Sn,V,Nb,Ta,MoおよびWから選択される少なくとも1種の元素であり、a,b,c,dは原子%でそれぞれ17≦a≦23,8≦b≦12,6.8≦c≦14,0≦d≦3である。)で表わされる組成を有することを特徴とする。また、合金の平均結晶粒径が1〜100nmの範囲であるとよい。
【0012】
本発明に係る電池用水素吸蔵合金は、通常の真空溶解・鋳造法によって製造することができる。しかしながら、後述するような鋳造凝固後に行なう均質化熱処理の条件を緩和するために、上記のような所定の組成を有する合金溶湯を、高速移動する冷却体と接触させて100℃/分以上の冷却速度で急冷凝固せしめることにより製造することが望ましい。このような急冷凝固処理によって、厚さが20〜300μm程度のフレーク形状の合金試料が得られる。この場合、合金組織をアモルファス相とすることも可能であり、このアモルファス相を有する合金を、その結晶化温度以上の温度で熱処理することにより、微細な結晶粒から成る合金が得られ、高容量で長寿命の水素吸蔵合金が得られる。
【0013】
上記急冷凝固処理により、添加成分が合金組織中に均一に分散し、また粒界析出相も微細化されて電池の長寿命化を図ることができる。ここで合金の微細結晶の大きさは平均的に1〜100nm程度である。そして結晶粒の微細化により、合金による水素吸蔵速度が早くなり、電池材料とした場合に放電容量の立上りが早くなる。
【0014】
なお、上記のような溶湯急冷法によって調製した合金中の内部歪みを除去して均質化を図るために非酸化性雰囲気中で合金を温度400〜1100℃で1〜10時間加熱する均質化熱処理を行うとよい。
【0015】
また本発明に係るニッケル水素二次電池は、上記所定の組成を有する水素吸蔵合金を含む負極と、ニッケル水酸化物を含む正極との間に電気絶縁性を有するセパレータを介装して密閉容器内に収容し、この密閉容器内にアルカリ電解液を充填したことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電池用水素吸蔵合金において、一般式中、Rは電池の高容量化の基本となる水素吸蔵能力を有する元素であり、その含有量は、容量と寿命とのバランスを考慮して、他の構成成分との比で決定される。RはY,La,Ce,Sm,NdおよびPrから選択される少なくとも1種の元素であり、通常は複数の希土類元素の混合物であるミッシュメタル(Mm)として使用される。このR成分の添加量aが10原子%未満では容量が過小になり、電池の基本特性が得られない。一方、添加量aが30原子%を超える場合には、水素平衡圧が過度に低下するために電池機能が損われる。そのためR成分の添加量aは10〜30原子%の範囲とされるが、15〜25原子%の範囲がより好ましい。さらには実施例に記載した17〜23原子%の範囲がより好ましい。
【0017】
なお、寿命を延ばす観点からは、R成分として特にLa,CeおよびPrを使用することが好ましく、特に高容量化を図るためには、Laが有効である。
【0018】
MはTi,ZrおよびそのHfから選択される少なくとも1種の元素であり、これらのM成分は水素吸蔵量の増大と寿命特性の安定化とに有効な元素である。このM成分の添加量bが5原子%未満では上記効果が不十分である一方、添加量bが20原子%を超える場合には寿命特性が低下する。したがってM成分の添加量bは5〜20原子%とされるが、7〜15原子%の範囲がより好ましい。さらには実施例に記載した8〜12原子%の範囲がより好ましい。なお長寿命化の観点から、M成分としてZrおよびTiを使用することが好ましい。
【0019】
また、M′成分は、Co,Fe,Cr,MnおよびCuから選択される少なくとも1種の元素である。これらのM′成分は合金界面での触媒作用を高め、水素の拡散速度を早める効果をもたらす成分であり、その添加量Cは、0〜30原子%の範囲に設定される。添加量Cが30原子%を超えると電池容量が過少になり、電池としての基本要求特性を満足することが困難である。好ましい添加量Cは25原子%以下である。さらには実施例に記載した6.8〜14原子%の範囲がより好ましい。
【0020】
さらにAはAl,Ga,Si,Ge,Sn,V,Nb,Ta,MoおよびWから選ばれる少なくとも1種であり、これらの元素はいずれも合金の寿命改善に有効である。これらのA成分の添加量dが10原子%を超える場合には容量の低下を招く。より好ましくは実施例に記載した3原子%以下の範囲が好ましい。
【0021】
Niは希土類成分(R)と合金化されて、耐食性に優れた希土類−Ni系水素吸蔵合金を形成して水素の吸蔵・放出を行うための基本元素であり、上記R,M,M′,A成分の残部成分として添加される。上記Niの添加量の範囲内において、密閉型電池における水素吸蔵平衡圧を適正に設定することができる。
【0022】
また上記M′成分のうち、Mnは、水素吸蔵合金を含む負電極の高容量化、不働態膜の形成促進による耐食性改善および水素の吸蔵放出圧力(平衡圧)の低下調整に有効である。またA成分としてのAlはMnと同様に水素の吸蔵放出圧力(解離圧)を、密閉型電池に好適な操作圧力まで下げる作用を有するとともに耐久性を増加させることができる。
【0023】
またM′成分としてのCoは、電解液等に対する合金の耐食性を向上させる上で有効であり、合金の微粉化は顕著に抑制され、電池の寿命特性が改善される。なおCo添加量を増やすとサイクル寿命は向上する反面、電極容量が低下する傾向があるため、電池の用途に応じてCo添加量の最適化を図る必要がある。
【0024】
この他、本発明に係る水素吸蔵合金には、Pb,C,N,O,FおよびClなどの元素が不純物として本願発明合金の特性を阻害しない範囲で含まれていてもよい。なお、これらの不純物の含有量はそれぞれ6000ppm以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは5000ppm以下、さらに好ましくは4000ppm以下が良い。
【0025】
上記のような一般式で表わされる組成を有する合金溶湯を100℃/分以上の冷却速度条件で急冷凝固せしめることにより、特に限られた範囲の水素平衡圧を有する水素吸蔵合金であり、電池の負極材料として使用した場合に広い温度範囲において高容量が維持でき、温度依存性が少ない水素吸蔵合金が得られる。具体的に、この温度依存性が少ない合金の水素平衡圧は、温度60℃における評価基準で0.05〜0.6atm の範囲である。
【0026】
ここで水素平衡圧は、金属1原子あたりに吸蔵される水素原子数が0.4のときの水素圧である。この水素平衡圧が0.05atm 未満では、電池電圧が低くなり過ぎ、特に0℃以下の低温度使用条件下での放電容量が小さくなる。一方、水素平衡圧が0.6atm を超える場合には、例えば80℃以上の高温度での容量低下が大きくなり、高温条件下での電池の使用が困難になる。
【0027】
本発明に係る水素吸蔵合金においては、所定組成の合金溶湯を急冷処理して調製しているため、合金組織を構成している結晶粒が微細化し、水素の吸蔵および放出に必要な経路が十分に確保される。そして、その経路を経由して水素の吸蔵および放出が容易に進行する。すなわち水素の移動方式について、温度の影響を受け易い合金内拡散に依存する割合が低下するため、0℃以下の低温条件下においても、容量の低下が効果的に抑制される結果、温度依存性の少ない水素吸蔵合金が得られるものと考えられる。
【0028】
本発明に係る電池用水素吸蔵合金の製造方法としては、合金組成を均一化して偏析を防止し得る方法であれば特に限定されない。すなわち所定組成を有するように調合した原料混合体をアーク炉等で加熱して合金溶湯を調製し、しかる後に通常の鋳造法,ガスアトマイズ法.回転ディスク法,遠心噴霧法,単ロール法,双ロール法などを使用して上記合金溶湯を冷却凝固せしめて形成される。
【0029】
合金溶湯を冷却するに際し、冷却速度を100℃/分以上,好ましくは300℃/分以上、さらに好ましくは2500℃/分以上に設定することにより、ミッシュメタルとしてLaを相対的に多量に含有した場合においても、組織が均一であり、偏析が少ない合金が得られる。上記の合金溶湯の冷却凝固法としては、例えば水冷したCu製円板上に合金溶湯を注ぎ、10〜50mm程度の厚さを有する合金ブロックを作製する方法を使用してもよい。この冷却凝固処理と後述する熱処理とを実施することにより、高容量かつ長寿命の電池用水素吸蔵合金が得られる。
【0030】
さらに高速移動する冷却体上に合金溶融を射出し、厚さ20〜300μm程度のフレーク状合金とした場合には、1〜100nm程度の微細な結晶粒から成る水素吸蔵合金が得られ、高容量かつ長寿命の電池を形成することができる。また結晶粒の微細化により、合金の水素吸収速度が速くなり、二次電池とした場合に放電容量の立上がりが早くなる。
【0031】
さらに合金溶湯の冷却凝固法として、特にガスアトマイズ法,回転ディスク法,遠心噴霧法,単ロール法、双ロール法等のように溶融状態にある合金溶湯を急冷する溶湯急冷法を用い、冷却ロールの材質および表面性,冷却ロールの回転数(走行面の周速),溶湯温度,冷却ロール用の冷却水温度,冷却チャンバ内のガス種,圧力,溶湯噴射ノズル径,噴射量等の製造条件を最適化することにより合金を安定的に大量に製造することができる。
【0032】
単ロール法
図1は、単ロール法による水素吸蔵合金製造装置を示す。この製造装置は、銅、ニッケル等の熱導伝性に優れる直径400mm程度の冷却ロール5と、取鍋2から供給された水素吸蔵合金溶湯3を貯留した後に前記冷却ロール5の走行面に噴射する注湯ノズル4とを備えた構成となっている。前記冷却ロール5等は不活性ガス雰囲気に調整された冷却チャンバー1内に収納されている。また、前記冷却ロール5の回転数は、冷却ロール5の濡性と冷却速度および水素吸蔵合金溶湯3の噴射量に依存するが、概ね300〜5000rpmに設定される。
【0033】
上述した図1に示す製造装置において、取鍋2から供給された水素吸蔵合金溶湯3を注湯ノズル4より冷却ロール5の走行面へ噴射すると、合金溶湯は冷却ロール5に接する面より固化し、結晶成長が始まり、冷却ロール5より離脱するまでに完全に固化が終了する。その後、冷却チャンバー1内を飛翔する間に更に冷却が進み、偏析が少なく結晶成長方向が揃った水素吸蔵合金6が製造される。
【0034】
双ロール法
図2は、双ロール法による水素吸蔵合金製造装置を示す。この製造装置は、冷却チャンバー1内に各走行面が対向するように配置された1対以上の冷却ロール5a,5bと、原料金属を溶解し水素吸蔵合金溶湯3を調製する溶解炉7と、この溶解炉7からの水素吸蔵合金溶湯3をタンディッシュ8を経て前記冷却ロール5a,5bの間に噴射する注湯ノズル4を備えた構成になっている。
【0035】
前記冷却ロール5a,5bは、銅、鉄等の熱導伝性に優れた材質で形成された直径300mm程度のものである。前記冷却ロール5a,5bは0〜0.5mm程度の微少な間隙dを維持しながら300〜2000rpm程度の回転数で高速回転する。なお、冷却ロールとしては図2に示すように走行面が平行になっているものの他、走行面の断面形状をU字型やV字型とした、いわゆる型ロールを採用することもできる。また、冷却ロール5a,5bの間隙dを過大にすると、冷却方向が揃わず、その結果結晶成長方向が揃わない水素吸蔵合金が製造されるため、0.2mm以下に設定することが好ましい。
【0036】
上述した図2に示す製造装置において、注湯ノズル4から水素吸蔵合金溶湯3を冷却ロール5a,5bの間隙方向へ噴射すると、水素吸蔵合金溶湯が両側の冷却ロール5a,5bに接する側より固化、結晶成長が始まり、冷却ロール5a,5bより離脱するまでに完全に固化が終了する。その後、冷却チャンバー1内を飛翔する間に更に冷却が進み、偏析が少なく結晶成長方向が揃った水素吸蔵合金6が製造される。
【0037】
上記のような冷却凝固法を使用して、ブロック状,リボン状,フレーク状または粒状の水素吸蔵合金を製造する場合、合金溶湯の凝固時の試料内温度勾配、冷却ロールや回転ディスクの材質、合金溶湯の供給量等の条件により等軸晶組織や柱状晶組織やアモルファス相が合金内に形成される。
【0038】
上記合金粒子の製造工程において、100℃/分以上、好ましくは300℃/分以上、さらに好ましくは1800℃/分以上の冷却速度にて溶湯を急冷処理して水素吸蔵合金を製造すると、合金を構成する各結晶粒が1〜100nm程度と微細化し、合金強度が高まるとともに、粒界の乱れが減少するため、水素の吸蔵量が増大し、電極容量を高めることができる。
【0039】
上記溶湯急冷処理により、少なくとも一部に柱状晶組織を発達させた水素吸蔵合金を形成することができる。ここで柱状晶とは、短径と長径との比(アスペクト比)が1:2以上である柱状結晶粒をいう。上記柱状晶組織においては、等軸晶組織とは異なり、結晶方位が揃っているため、粒界の乱れが少なく、水素の吸蔵量が増し、電極容量を増大化できることが本発明者らの実験により確認された。
【0040】
すなわち柱状晶組織においては、その界面に沿って、水素分子または水素原子の通路が形成されるため、合金内への水素の吸蔵あるいは放出が容易になり、電極容量が増加する。また柱状晶組織における偏析は、極めて少なくなる。従って偏析による局部電池の形成が少なく、合金組織の微細化による寿命低下も効果的に防止できる。
【0041】
上記のように調製した合金に対しては、結晶粒度の調整を行なうなどの要求に応じて再結晶化熱処理などの各種熱処理を実施することが好ましい。例えば、アモルファス化した合金に対しては、その合金の結晶化温度以上の温度で熱処理を実施し結晶粒度の調整を行なう。
【0042】
ここで上記再結晶化熱処理は、合金を真空中または不活性ガス雰囲気中で10℃/min の昇温速度で加熱したときに得られる結晶化温度の−50℃から+200℃の温度範囲で10分ないし24時間加熱して実施される。
【0043】
上記の結晶化のための熱処理において、加熱温度が結晶化温度の−50℃以下では結晶化が起こりにくく、また長時間の熱処理では合金表面の酸化が顕著になってくる。また結晶化温度を200℃超える加熱温度では、結晶粒の粗大化が起こり始め、合金を使用した電極の特性が低下してしまう。また熱処理時間が10分未満の場合には結晶化が十分起こらず、また24時間以上では合金表面の酸化が問題となる。
【0044】
また上記のように冷却凝固法により調製した合金においては、内部歪みが発生し易い一方、鋳造法により調製した合金においては偏析が発生し易く、いずれの場合にも合金を負極材料として用いた場合に電極容量および寿命が低下する場合が多い。
【0045】
そこで冷却凝固せしめて調製した合金を、場合により、温度400〜1100℃で1〜10時間加熱する均質化熱処理を予め行なうことが望ましい。
【0046】
上記均質化熱処理の温度が400℃未満の場合には、内部歪の除去が困難となる一方、温度が1100℃を超える場合には、希土類元素あるいはIVa族元素の酸化や蒸発による組成変動を引き起こしたり、二次再結晶化による合金強度の低下を引起こす。そのため熱処理温度は400〜1100℃の範囲に設定される。特に電極特性を向上させるためには、500〜800℃の範囲が好ましい。
【0047】
また熱処理時間が1時間未満の場合は、内部歪の除去効果が少ない。一方処理時間が10時間を超える程度に長期化すると結晶粒の粗大化を引起すおそれが高くなるため、製造効率も勘案すると2〜5時間が好ましい。
【0048】
なお熱処理雰囲気は、水素吸蔵合金の高温酸化を防止するために、Arなどの不活性ガス雰囲気または真空が好ましい。
【0049】
上記のような条件で均質化熱処理を実施することにより、合金の均質性を保ちながら内部歪を効果的に除去することが可能となり、電極容量および寿命をさらに高めることができる。
【0050】
また上記のように調製した水素吸蔵合金に対して下記のような表面処理を実施することにより、電極材料として使用した場合に活性や立上り性などの電極特性を改善することができる。すなわち、酸処理,アルカリ処理,ふっ化処理等の表面処理を実施することにより、合金表面の活性や電池としての立上り性を高めることができる。上記表面処理のうち、特にKOHやNaOHを使用したアルカリ処理が特に有効である。これらの表面処理は、急冷凝固したままの形状の状態で実施してもよい。さらに粉砕した後の状態でも、または粉砕中の状態で実施してもよい。
【0051】
次に、上記電池用水素吸蔵合金を負極活物質として使用した本発明に係るニッケル水素二次電池(円筒形ニッケル水素二次電池)について図3を参照して説明する。
【0052】
本発明に係るニッケル水素二次電池は、前記の一般式RaMbM′cAdNi100−a−b−c−dで表わされる電池用水素吸蔵合金を含む負極11とニッケル水酸化物を含む正極12との間に電気絶縁性を有するセパレータ13を介装して密閉容器14内に収容し、この密閉容器14内にアルカリ電解液を充填して構成される。
【0053】
すなわち、水素吸蔵合金を含む水素吸蔵合金電極(負極)11は、非焼結式ニッケル電極(正極)12との間にセパレータ13を介在して渦巻状に捲回され、有底円筒状の容器14内に収納されている。アルカリ電解液は、前記容器14内に収容されている。中央に穴15を有する円形の封口板16は、前記容器14の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット17は、前記封口板16の周縁と前記容器14の上部開口部内面との間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器14に前記封口板16を前記ガスケット17を介して気密に固定している。正極リード18は、一端が前記正極12に接続され、他端が前記封口板16の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子19は、前記封口板16上に前記穴15を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁20は、前記封口板16と前記正極端子19で囲まれた空間内に前記穴15を塞ぐように配置されている。絶縁チューブ21は、前記正極端子19および前記容器14の上端に載置される鍔紙22を固定するように前記容器14の上端付近に取り付けられている。
【0054】
前記水素吸蔵合金電極11は、以下に説明するペースト式および非ペースト式のものが用いられる。
(1)ペースト式水素吸蔵合金電極は、上記水素吸蔵合金を粉砕することにより得た水素吸蔵合金粉末と高分子結着剤と必要に応じて添加される導電性粉末とを混合してペースト状とし、このペーストを集電体である導電性基板に塗布、充填、乾燥した後、ローラープレス等を施すことにより作製される。
(2)非ペースト式水素吸蔵合金電極は上記水素吸蔵合金粉末と高分子結着剤と必要に応じて添加される導電性粉末とを撹拌し、集電体である導電性基板に散布した後ローラープレス等を施すことにより作製される。
【0055】
前記水素吸蔵合金の粉砕方法としては、例えばボールミル、パルペライザー、ジェットミル等の機械的粉砕方法、または高圧の水素を吸蔵・放出させ、その際の体積膨張により粉砕する方法が採用される。
【0056】
前記高分子結着剤としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC),ポリビニルアルコール(PVA)等を挙げることができる。このような高分子結着剤は、前記水素吸蔵合金100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。ただし、前記(2)の非ペースト式水素吸蔵合金電極を作製する場合には撹拌により繊維化して前記水素吸蔵合金粉末および必要に応じて添加される導電性粉末を三次元状(網目状)に固定することが可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を高分子結着剤として用いることが好適である。
【0057】
前記導電性粉末としては、例えば黒鉛粉末、ケッチェンブラックなどのカーボン粉末、またはニッケル、銅、コバルトなどの金属粉末を挙げることができる。このような導電性粉末は、前記水素吸蔵合金100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0058】
前記導電性基板としては、例えばパンチドメタル、エキスパンドメタル、金網等の二次元基板、または発泡メタル基板、網状焼結繊維基板、不織布へ金属をめっきしたフェルトめっき基板等の三次元基板を挙げることができる。ただし、前記(2)の非ペースト式水素吸蔵合金電極を作製する場合には水素吸蔵合金粉末を含む合剤が散布されることから二次元基板を導電性基板として用いることが好適である。
【0059】
前記水素吸蔵合金電極と組み合される非焼結式ニッケル電極12は、例えば水酸化ニッケルと必要に応じて添加される水酸化コバルト(Co(OH)2 )、一酸化コバルト(CoO)、金属コバルト等との混合物にカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ソーダなどのポリアクリル酸塩を適宜配合してペーストとし、このペーストを発泡メタル基板、網状焼結繊維基板、不織布へ金属をめっきしたフェルトめっき基板などの三次元構造の基板に充填し、乾燥した後、ローラープレス等を施すことにより作製される。
【0060】
前記セパレータ13に使用される高分子繊維不織布としては、例えばナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの単体高分子繊維、またはこれら高分子繊維を混紡した複合高分子繊維を挙げることができる。
【0061】
アルカリ電解液としては、例えば6規定から9規定の濃度を有する水酸化カリウム溶液または前記水酸化カリウム溶液に水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどを混合したものが使用される。
【0062】
上記構成に係る電池用水素吸蔵合金によれば、合金を構成する希土類元素, IVa族元素,VIII族元素, IVb族元素,IIIb族元素の種類およびその組成比をNiに対して適正に設定しているため、水素の吸蔵特性および耐食性が優れた電池用水素吸蔵合金が得られる。したがって、この合金を負極材料として使用した場合に、電池容量が大きくなり、かつアルカリ溶解液による合金の微粉化劣化を防止できるため、寿命が長いニッケル水素二次電池を提供することができる。
【0063】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について以下の実施例を参照して、より具体的に説明する。
【0064】
実施例1〜12
表1の左欄に示す合金組成となるように各種金属原料粉末を配合し、得られた原料混合体を真空炉で加熱融解して各実施例用の合金溶湯(母合金)をそれぞれ調製した。
【0065】
次に得られた合金溶湯を、Ar雰囲気中で以下に示す処理条件に従って冷却凝固せしめ、それぞれブロック状またはフレーク状の合金試料を調製した。
【0066】
すなわち、実施例1〜8用の合金溶湯を図1に示すような単ロール法により急冷凝固せめしてフレーク状の合金試料をそれぞれ調製した。冷却ロールとしては、直径400mmのCu−Be製ロールを使用し、注湯ノズル(射出ノズル)と冷却ロールとの間隙は10mmに設定し、射出圧力は0.5kg/cm2 とした。また急冷操作はAr雰囲気で実施し、ロール周速は25m/秒に設定した。
【0067】
一方、実施例9〜12用の合金溶湯は、図2に示すような双ロール法により急冷凝固せしめてフレーク状の合金試料をそれぞれ調製した。双ロール法における処理雰囲気は、単ロール法の場合と同様にArガス雰囲気とした。また冷却ロールの材質はFe(SUJ−2)であり、直径が300mmの鉄製ロールを使用した。さらに冷却ロールのロールギャップはゼロとしてロール周速を10m/Sに設定し、射出圧力を0.5kg/cm2 に設定した。
【0068】
こうして得られた急冷合金試料のうち、単ロール法および双ロール法で製造された急冷合金試料の形態はいずれもフレーク状であり、その厚さは150〜200μmであった。これらのフレーク状合金試料について、1000℃で10時間の均質化熱処理を実施し、内部歪みを除去した。
【0069】
比較例1〜2
表1左欄に示す合金組成を満足するように原料粉末を配合し、得られた原料混合体を真空炉で加熱溶解して、各比較例用の合金溶湯をそれぞれ調製した。
【0070】
そして各合金溶融を鋳造法により、冷却速度を5〜60℃/分に設定して冷却凝固せしめ、それぞれ厚さ50mmの比較例1〜2に係るブロック状の合金試料を調製した。さらに得られた合金試料について1000℃で10時間加熱して均質化熱処理を実施した。
【0071】
次に得られた各合金試料について、粗粉砕後、ハンマーミルによって微粉砕を実施し、得られた粉砕粉を篩に通して75μm以下の粒度に分級して各電池用水素吸蔵合金粉末とした。なお平均粒径は35〜40μmであった。
【0072】
次に上記各実施例および比較例に係る電池用水素吸蔵合金の電池材料としての特性を評価するために、以下に示すような手順で上記各電池用水素吸蔵合金を使用して電極を形成し、その電極容量および充放電サイクル数(寿命)を測定した。
【0073】
まず上記実施例および比較例に係る電池用水素吸蔵合金粉末と、PTFE粉末と、カーボン粉末とをそれぞれ重量%で95.5%,4.0%,0.5%になるように秤量後、混練圧延して各電極シートを作成した。電極シートを所定の大きさに切り出してニッケル製集電体に圧着し、水素吸蔵合金電極をそれぞれ作成した。
【0074】
一方、水酸化ニッケル90重量%と一酸化コバルト10重量%とに少量のCMC(カルボキシメチルセルロース)と水とを添加し撹拌混合してペーストを調製した。このペーストを、三次元構造を有するニッケル多孔体に充填乾燥後、ローラプレスによって圧延することによりニッケル極を製造した。
【0075】
そして上記各水素吸蔵合金電極とニッケル極とを組み合わせて、容量については単極評価で測定する一方、寿命評価については、実際に各実施例のAA型(単三型)ニッケル水素電池を組み立てた。ここで電解液としては、8規定の水酸化カリウムと1規定の水酸化リチウムとの混合水溶液を使用した。
【0076】
そして、各水素吸蔵合金電極の容量評価では、25℃の恒温槽中で合金1g当り220mAの電流値(220mA/g)で400mAh/gまで充電した後に、上記電流値でHg/HgO参照電極に対して、−0.5Vの電位になるまで放電させ、この充放電を繰り返して放電量が最大になったときの値を容量として測定した。この25℃における容量を測定した後に、恒温槽内の温度を−20℃に調整し、その温度における容量を測定した。そして25℃における容量に対する−20℃における容量との比を算出して容量の温度依存性を評価した。
【0077】
また寿命評価では、各電池について、650mAで1.5時間充電後、電池電圧が1Vになるまで1Aの電流で放電する充放電サイクルを繰り返し、電池容量が初期容量の80%になるまでのサイクル数を電池寿命として測定した。各測定結果を下記表1に示す。また合金調製時の溶湯からの冷却速度を測定し、表1に併記した。
【0078】
【表1】
【0079】
上記表1に示す結果から明らかなように、一般式中のRサイト成分である希土類元素の組成比と他の IVa族,VIII族, IVb族,IIIb族などの構成元素の組成比とを適正に設定し、冷却凝固せしめて調製した各実施例に係る水素吸蔵合金を使用して形成した電極および電池においては、従来のAB5 型の組成比を有する比較例の電池と比較して、−20℃の低温条件下における容量の低下が少なく、広い使用温度範囲において容量の温度依存性が少ないことが判明した。
【0080】
また実施例は比較例と比較して、電極容量が85〜135mAh/g増加するとともに、充放電サイクル数が3〜4.2倍程度に増加しており、電池の寿命が大幅に改善されることが確認できた。すなわち、本実施例において規定する組成範囲に設定することにより、温度依存性が少なく、高容量で、かつ長寿命のニッケル水素二次電池が得られることが判明した。
【0081】
【発明の効果】
以上説明の通り本発明に係る電池用水素吸蔵合金によれば、合金を構成する希土類元素, IVa族,VIII族, IVb族,IIIb族の種類およびその組成比をNiに対して適正に設定しているため、水素の吸蔵特性および耐食性が優れた電池用水素吸蔵合金が得られる。したがって、この合金を負極材料として使用した場合に、電池容量が大きくなり、かつアルカリ溶解液による合金の微粉化劣化を防止できるため、寿命が長いニッケル水素二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単ロール法による水素吸蔵合金製造装置の構成を示す斜視図。
【図2】双ロール法による水素吸蔵合金製造装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明に係るニッケル水素二次電池の構成例を部分的に破断して示す斜視図。
【符号の説明】
1 冷却チャンバ
2 取鍋
3 水素吸蔵合金溶湯
4 注湯ノズル
5,5a,5b 冷却ロール
6 水素吸蔵合金
7 溶解炉
8 タンディッシュ
11 水素吸蔵合金電極(負極)
12 非焼結式ニッケル電極(正極)
13 セパレータ
14 容器
15 穴
16 封口板
17 絶縁性ガスケット
18 正極リード
19 正極端子
20 安全弁
21 絶縁チューブ
22 鍔紙
d 間隙
Claims (3)
- 一般式Ra Mb M′c Ad Ni100-a-b-c-d (但し、RはY,La,Ce,Sm,NdおよびPrから選択される少なくとも1種の元素であり、MはTi,ZrおよびHfから選択される少なくとも1種の元素であり、M′はCo,Fe,Cr,MnおよびCuから選択される少なくとも1種の元素であり、AはAl,Ga,Si,Ge,Sn,V,Nb,Ta,MoおよびWから選択される少なくとも1種の元素であり、a,b,c,dは原子%でそれぞれ17≦a≦23,8≦b≦12,6.8≦c≦14,0≦d≦3である。)で表わされる組成を有することを特徴とする電池用水素吸蔵合金。
- 合金の平均結晶粒径が1〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の電池用水素吸蔵合金。
- 一般式Ra Mb M′c Ad Ni100-a-b-c-d (但し、RはY,La,Ce,Sm,NdおよびPrから選択される少なくとも1種の元素であり、MはTi,ZrおよびHfから選択される少なくとも1種の元素であり、M′はCo,Fe,Cr,MnおよびCuから選択される少なくとも1種の元素であり、AはAl,Ga,Si,Ge,Sn,V,Nb,Ta,MoおよびWから選択される少なくとも1種の元素であり、a,b,c,dは原子%でそれぞれ17≦a≦23,8≦b≦12,6.8≦c≦14,0≦d≦3である。)で表わされる組成を有する電池用水素吸蔵合金を含む負極と,ニッケル水酸化物を含む正極との間に電気絶縁性を有するセパレータを介装して密閉容器内に収容し、この密閉容器内にアルカリ電解液を充填したことを特徴とするニッケル水素二次電池。
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