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JP3979994B2 - リチウム複酸化物超微粒子の製造方法 - Google Patents

リチウム複酸化物超微粒子の製造方法 Download PDF

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雅巳 牧寺
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Description

本発明は、リチウム複酸化物超微粒子、特に、リチウムイオン二次電池の正極活物質とし
て有用なLiと、Co,Ni,Mn,Feなどとの複酸化物超微粒子の製造方法に関する
リチウムイオン二次電池に正極活物質として用いられるLiCoOなどのリチウム複酸
化物を製造する方法としては、酢酸リチウムなどのリチウム化合物と酢酸コバルトなどの
コバルト化合物の水溶液かアルコール溶液を500〜900℃で噴霧熱分解して得られる
複酸化物をアニールする方法(例えば、特許文献1)、リチウムの水溶性塩と、Ni,C
o,Mn,又はFeの少なくとも1種の遷移金属元素の水溶性塩と、リチウム及び遷移金
属元素と錯体を形成する錯化剤とを溶解した水溶液を噴霧乾燥して得られる前駆体を50
0〜850℃で焼成する方法(例えば、特許文献2)、オキシ水酸化コバルトと酢酸リチ
ウムなどのリチウム化合物との混合物を820〜1050℃で焼成する方法(例えば、特
許文献3)などが知られている。
その他にも、水和物を原料とするゾルゲル(キセロゲル)法、酢酸リチウム+酢酸コバル
ト+クエン酸を原料とするゾルゲル法、酢酸リチウム+酢酸コバルト+アクリル酸を原料
とするゾルゲル法、酢酸リチウム+酢酸コバルト+ポリエチレングリコールを原料とする
噴霧法、硝酸リチウム+硝酸コバルト+エタノールを原料とする共沈法、硝酸コバルト+
水酸化リチウムを原料とする還流法など種々の方法が知られている。
通常、これらの製造法ではリチウムとコバルトとの混合比(原子比)は1:1に調整して
製造されるが、このように厳密に1:1に調整せずに、1以上10以下なるように混合し
て熱分解し、残留する炭酸リチウムを洗浄処理して除去する方法も知られている(特許文
献4)。
平均粒径100nm以下のリチウムコバルト複酸化物微粒子の製造を特に意図したものと
しては、コバルト酸化物微結晶粒子粉末とリチウム化合物とを混合して酸素含有ガス中で
500〜850℃で焼成する方法(例えば、特許文献5)や酢酸コバルトなどのコバルト
化合物と酢酸リチウムなどのリチウム化合物のエアロゾルをレーザー熱分解する方法(例
えば、特許文献6)などが挙げられる。
特開平10−114527号公報 WO98/29915号公報 特開2003−104729号公報 特公平7−118318号公報 特開平10−324522号公報 特表2003−536231号公報
LiCoO,LiNiO2、 LiMnO,LiFeO等のリチウム複酸化物粒子
は、通常、出発原料としてLi及びCo、Ni、Mn、又はFeの酸化物、水酸化物、ハ
ロゲン化物、硝酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩、酢酸塩などを用いて、これらの混合物を大気
中1000℃前後で焼成するなどの各種の方法で反応させて、リチウム複酸化物の塊状物
を製造し、これを機械的に粉砕して必要に応じて分級してリチウム電池の正極活物質とし
て用いられる。また、Co、Ni、Mn、又はFeの一部を他の元素で置換した複酸化物
を製造する場合は、上記の混合物に元素周期表の3〜10族元素や13〜15族から選ば
れる少なくとも1種の置換元素の化合物を少量配合して反応させる。
これらのリチウム複酸化物粒子をリチウム電池の正極活物質として用いた場合、粒子が細
かいほど電池のレート特性が向上し、良好なサイクル特性と、高い充放電速度が得られる
ことが知られている。しかし、これまで報告されているリチウム複酸化物の主な製造方法
で得られる粒子の大きさは数十〜数百nmの大きさであり、もっとも小さい粒径が得られ
る共沈法やエアロゾル法でも20nm〜100nmであり、粒径は均一ではない。正極活
物質の粒径及び形状は粒径制御のための元素の添加によっても可能であるが、一般的には
焼成温度によって制御する。しかし、低温焼成すると反応が十分に進行しないので二次電
池の充放電特性が低下するため、低温の場合でも通常は800℃程度が好ましいとされる
。一方、高温で長時間焼成して生成したリチウム複酸化物は粉末粒子同士が強固に融着し
ているので微粉末にするために機械的な粉砕が必要となり、細かい粒径のものや粒径が均
一なものを得がたい。
そこで、平均粒径が100nmよりさらに細かく、粒度分布幅が狭いリチウム複酸化物超
微粒子を機械的な粉砕工程を必要とせずに比較的低温で且つ短時間の焼成によって得られ
る製造方法が求められている。
本発明者らは、従来のリチウム複酸化物微粒子の製造方法において、分子レベルで混合し
た原料を一定温度未満の低温で焼成するとともに、原料組成をリチウム過剰に調整するこ
とによって平均粒径が50nm以下の超微粒子を容易に合成できることを見出した。
例えば、原料として、酢酸リチウム(CH3COOLi・2H2O)と酢酸コバルト(CH3COO)2Co・4H2O
)を用いた場合、コバルトに対するリチウムの原子比(Li/Co)=1:1でLiCo
が合成されることになるが、本発明者らは、酢酸リチウムを酢酸コバルトに対して相
当過剰な割合として混合する方法によって、平均粒径が数十nm以下の細かな、且つ粒径
が均一なLiCoO粒子が合成できることを見出した
すなわち、本発明は、リチウム複酸化物を構成するリチウムの無機酸塩又は有機酸塩とリ
チウム以外の金属の無機酸塩又は有機酸塩を原料として、水又はアルコールからなる第一
の溶媒中で該原料を混合した後、該第一の溶媒を除去乾燥後に焼成して焼成塊を形成し、
この焼成塊中のリチウム複酸化物微粒子以外の反応生成物を水又はアルコールからなる
二の溶媒に溶解することによって除去してリチウム複酸化物微粒子を得る方法において、
焼成温度を焼成時に生成する炭酸リチウムの融点である618℃未満とすることにより
焼成後の状態をスポンジ状の炭酸リチウムを主とするリチウム化合物にリチウム複酸化物
微粒子が分散含有された焼成塊とするとともに、リチウムの無機酸塩又は有機酸塩中のリ
チウム原子数とリチウム以外の金属の無機酸塩又は有機酸塩中の金属原子の比率が、製
造目的のリチウム複酸化物中のリチウム原子数とリチウム以外の金属の原子数の比率に比
べ、リチウムの無機酸塩又は有機酸塩中のリチウム原子数が過剰となるようにし、その過
剰の程度を、得られるリチウム複酸化物微粒子の平均粒径が50nm以下の球状物又は太
さ(直径)が50nm以下の針状物となるように調整することを特徴とするリチウム複酸
化物超微粒子の製造方法、である。
リチウム電池の正極活物質として用いられる代表的なリチウム複酸化物は、一般式LiM
(1)n1M(2)n2---O表され、M(1)は、Co,Ni,Fe,Mnから選
ばれる金属であり、M(1)で示される金属は、複数種存在することになる。M(2)は
、これらのM(1)で示される金属を一部置換する他の元素であり、元素周期表3〜10
族元素(Zr,V,Cr,Mo,Mn,Fe,Niなど)又は13〜15族元素(B,A
l,Ge,Pb,Sn,Sbなど)である。M(1)で示される金属の一部を他の元素で
置換した複酸化物を製造する場合は、元素周期表の3〜10族元素や13〜15族から選
ばれる少なくとも1種の置換元素の化合物を原料に配合する。焼成初期の段階では未反応
でLiM(1)n1M(2)n2---Oは合成されていないが、焼成温度の上昇に伴い
反応が進行すると、LiM(1)n1M(2)n2---Oの微細な粒子が多数発生する
。この微細な粒子は周囲にリチウム原子やM(1),M(2)---を含む化合物が存在する
ため成長し大きな粒子となる。また、一般には、粒子どうしが結着し更に大きくなる。
一般に、リチウム原子を含む化合物は焼成により原料である有機酸塩及び/又は焼成雰囲
気中に含まれるCやOと反応して、炭酸リチウムになる場合が多い。この場合、リチウム
原子を含む化合物の仕込み量を大きくして1000℃前後の高温で焼成(熱分解)すると
、炭酸リチウム(リチウム化合物)が溶融するため、合成された微粒子が移動し、焼結し
て粒径が大きくなる。
ところが、本発明の方法の場合は、焼成温度を618℃未満とするとともにリチウム原子
を含む化合物の仕込み量を大きくすることによって、618℃未満では炭酸リチウムが固
体であるから焼成中に焼結は進行せず粒径は変化せず、かつ反応終了時にはM(1), M
(2)---を含む化合物が無くなり微細な粒子の成長が停止するという原理を用いている
。例えば、過剰なLi源をCo源と分子レベルで混合すると、焼成時に、反応初期(低温
)では、Coが存在するのである程度粒径が大きくなるが、生成するLiCoO粒子の
周囲を過剰な炭酸リチウムを主として、酸化リチウム、水酸化リチウムを少量含むリチウ
ム化合物が覆いLiCoOの粒成長が抑制され、ナノサイズのLiCoO粒子をリチ
ウム化合物内に分散包含した焼成塊が形成される。
図1に、このときの焼成温度と粒径の関係を模式的に示す。618℃以上では炭酸リチウ
ム(リチウム化合物)が溶融するため、合成された微粒子が移動し、焼結して粒径が大き
くなる。また、618℃未満では炭酸リチウムが固体であるから焼結は進行せず粒径は変
化しない。Li/Coが大きいとCoが少ないので粒径は小さくなる。
得られた焼成塊中のLiCoO超微粒子以外の反応生成物であるリチウム化合物は水や
アルコール類などの極性を持った溶媒に溶解しやすく、焼成塊を極性を持った溶媒中に入
れたり、焼成塊に極性を持った溶媒をかけたりするとナノサイズのLiCoO粒子を容
易に分離できる。
リチウム複酸化物の原料である酢酸リチウムや硝酸リチウムなどのリチウム塩をCo,N
i,Mn,Feなどの遷移金属の水溶性塩に対して過剰に加えるという簡単な手法で、こ
れまでに報告されていないような細かなリチウム複酸化物粒子の合成に成功した。粒径も
非常に均一であった。この合成法は、強酸や強アルカリを使用せずに、また、有害な有機
ガス、有機廃液、も生じず、環境にやさしい合成法である。本発明の方法では、多量のリ
チウム塩を使用するが、過剰のリチウムは溶媒中に溶解している形で回収可能である。ま
た、高価な原料や機器を使用する必要がなく経済的にも優れた合成法である。
以下、本発明の実施の形態をLiCoO超微粒子を製造する場合を例に説明するが本発
明の方法はリチウム複酸化物の製造一般に適用できる。
原料の酢酸コバルトや硝酸コバルトなどのコバルト塩からなるリチウム以外の金属の無機
酸塩又は有機酸塩の粉末と酢酸リチウムや硝酸リチウムなどのリチウム塩の粉末を水やア
ルコールなどの極性を持った第一の溶媒に溶解し十分に攪拌して混合する。コバルト塩の
粉末とリチウム塩の粉末の大きさは特に制約されず、通常市販品として入手できる平均粒
径100μm程度のものを使用することができる。
リチウム塩はコバルト塩に対してリチウム原子数がコバルト原子数に対して1:1よりも
相当量過剰となるようにする。リチウム塩の過剰量を大きくすればするほど得られる粒子
の粒径は小さくなる。したがって、焼成温度に応じてリチウム塩の過剰量を調整すること
によって得られる粒子の平均粒径を50nm以下とすることができる。この比はリチウム
以外の原子の金属の種類を問わず、約7倍以上、好ましくは10倍以上である。30倍を
超えても効果の大きな差異はないので30倍程度までが効率的である。この比を約15程
度よりも大きくすると粒子の形状は次第に針状になる傾向が見られる。
原料を第一の溶媒中で混合し、該第一の溶媒を除去乾燥後焼成する方法は、特に限定され
ず、原料が分子レベルで混合される方法であれば溶液乾燥法、共沈法、ゾルゲル法、噴霧
乾燥法など既知の種々の方法を採用できる。
原料を分子レベルで第一の溶媒中で混合した溶液は、ロータリーエバポレータや恒温槽な
どによって該第一の溶媒を除去する。次いで、焼成炉中で焼成する。焼成温度は焼成時に
生成されるリチウム化合物の融点未満とする。焼成時に合成されるリチウム化合物の主成
分である炭酸リチウムの融点である618℃以上になると炭酸リチウムが液体となり、L
iCoO粒子を固定できなくなり、LiCoO粒子同士が接触するため粒成長が生じ
るので好ましくない。焼成温度があまり低いと、目的物が合成出来ない。ゾルゲル法や溶
液乾燥法を用いると通常の焼成で作るより低い温度で焼成が可能ではあるが、やはりある
程度は温度を高くしないと目的物が合成出来ない。また、焼成温度が低いと結晶性が悪く
アモルファス状態となる場合がある。ゾルゲル法では、焼成温度が低いと粒径が小さいが
、焼成温度を高くして行くと粒子同士が焼結して粒径が大きくなる。したがって、焼成温
度の好ましい下限温度は原料の混合、乾燥、焼成法に応じて、異なる。
焼成炉中の雰囲気を空気雰囲気とする場合は、酸素過剰の条件であるから、酸素量のコン
トロールができず違う物質になる場合もある。LiM(1)n1M(2)n2---O
酸素のnが目的物質と異なる物質になる場合である。LiCoOやLiNiOでは問
題ないが、LiMnOでは異なる物質になる。しかし、このような場合でも、酸素量を
制御すれば原理的に目的物質を得ることができる。例えば、水素を混合したアルゴンガス
雰囲気で焼成するとよい。
焼成時間は5時間以上が望ましい。時間が短い場合、未反応物質が残存しても、焼成塊を
溶媒で処理する際に除去できる。ただし、収率が悪くなる。焼成が終了したら炉冷し、炉
から取り出す。焼成後の状態はスポンジ状のリチウム化合物にナノサイズのLiCoO
超微粒子が分散含有された塊である。この塊を水やアルコールなどの第二の溶媒の中に入
れるとリチウム化合物が溶解するので遠心分離機でLiCoO超微粒子を沈降させ、上
澄みを除去することによってLiCoO超微粒子の沈殿を回収する。炭酸リチウムを主
とするリチウム化合物と未反応物質は上澄み液として回収される。得られた沈殿を乾燥す
ることによって、平均粒径が50nm以下の球状物又は太さ(直径)が50nm以下の針
状物、より好ましくは、粒径又は太さが10〜30nm程度のLiCoO超微粒子が得
られる。なお、本発明において、平均粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって撮
影した写真から直接、粒子の径を測定する一般的に行われている微粒子の大きさ、形状の
測定法に基づく数平均粒径である。
酢酸リチウム:酢酸コバルト=9:1(Li/Coの原子比)となるように、酢酸リチウ
ム(純度:99%)86.08gと、酢酸コバルト(純度:99%)23.35gを第一
の溶媒である水200mlに加えた後、これを据え置き型攪拌機で約3時間攪拌し溶解さ
せた。この混合物溶液を150℃で24時間脱水乾燥した後、次のようにして焼成した。
すなわち、アルミナ坩堝を用いて、大気中(炉内容積:約900m3)、加熱速度5℃/
分で600℃まで昇温し、6時間保持した後炉冷した。
図2に、得られた焼成塊のSEM観察像を示す。サイズの均一な、大きさ約45nmの粒
子が観察された。図3に、この焼成塊を第二の溶媒である純水中に入れて遠心分離機に
よって上澄み液と沈殿を分離して乾燥した後の粒子のSEM観察像を示す。SEM観察に
よる数平均粒径が約20nm〜30nmの、サイズが大体均一な超微粒子が観察された。
図4に、得られた超微粒子のXRD測定結果を示す。図4から、得られた超微粒子はLi
CoOの単相であることがわかる。LiCoOの収率は仕込みCo量に対して87%
であった。
酢酸リチウム:酢酸コバルト=13:1(Li/Coの原子比)とした他は実施例1と同
じ条件で焼成した。図5に、得られた焼成塊のSEM観察像を示す。サイズが均一で、実
施例1で得られた焼成塊よりも小さな、大きさ約35nmの粒子が観察された。図6に、
この焼成塊を純水中に入れて遠心分離機によって上澄み液と沈殿を分離して乾燥した後の
粒子のSEM観察像を示す。実施例1で得られた超微粒子よりもサイズが均一で細かな、
SEM観察による数平均粒径が約15mの粒子が観察された。図7に、得られた超微粒子
のXRD測定結果を示す。図7から、得られた超微粒子はLiCoOの単相であること
がわかる。LiCoOの収率は仕込みCo量に対して94%であった。
酢酸リチウム:酢酸コバルト=21:1(Li/Coの原子比)とした他は実施例1と同
じ条件で焼成した。この焼成塊を純水中に入れて遠心分離機によって上澄み液と沈殿を分
離して乾燥した後の粒子は、図8に示すように、SEM観察により、直径約5nm長さ約
100nmの針状であることが観察された。また、図9に示すように、XRD測定結果よ
り、得られた超微粒子はLiCoOの単相であることがわかる。
(比較例1)
酢酸リチウム:酢酸コバルト=5:1(Li/Coの原子比)とした他は実施例1と同じ
条件で焼成した。図10に、得られた焼成塊のSEM観察像を示す。大きさ数3μmの棒
状の粒子が観察された。図11に、この焼成塊を純水中に入れて上澄み液と沈殿を分離し
て乾燥した後の粒子のSEM観察像を示す。SEM観察による数平均粒径が約500nm
の棒状の粒子が見られた。
(比較例2)
酢酸リチウム:酢酸コバルト=1:1(Li/Coの原子比)とした他は実施例1と同じ
条件で焼成した。図12に、得られた焼成塊のSEM観察像を示す。大きさ約500nm
の粒子が観察された。この粒子はX線測定からLiCoOのみの粒子であった。
(比較例3)
焼成温度を800℃とした他は実施例1と同じ条件で焼成した。炭酸リチウムとLiCo
が合成され、炭酸リチウムが液体となり、坩堝の上部に炭酸リチウム層が、下部にL
iCoOを含む層が分離状態で観察され、LiCoOの粒径も100nmを超えてい
た。
本発明の方法で得られたリチウム複酸化物超微粒子は リチウムイオン電池の正極活物質
として用いた場合、電池性能を低下させずに大電流を流すことができ、また、電池の放電
電圧も上昇するので、家電製品や携帯電話などの通常の電池のみならず、特に電気自動車
や電動バイク、電動自転車、電動車椅子、電動工具用の電池に有用である。
リチウム複酸化物製造用原料の焼成温度と得られるリチウム複酸化物微粒子の粒径の関係を模式的に示すグラフである。 実施例1で得られた焼成塊のSEM観察像を示す図面代用写真である。 実施例1で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のSEM観察像を示す図面代用写真である。 実施例1で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のXRD測定図である。 実施例2で得られた焼成塊のSEM観察像を示す図面代用写真である。 実施例2で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のSEM観察像を示す図面代用写真である。 実施例2で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のXRD測定図である。 実施例3で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のSEM観察像を示す図面代用写真である。 実施例3で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のXRD測定図である。 比較例1で得られた焼成塊のSEM観察像を示す図面代用写真である。 比較例1で得られた焼成塊から分離回収した超微粒子のSEM観察像を示す図面代用写真である。 比較例2で得られた焼成塊のSEM観察像を示す図面代用写真である。

Claims (3)

  1. リチウム複酸化物を構成するリチウムの無機酸塩又は有機酸塩とリチウム以外の金属の無
    機酸塩又は有機酸塩を原料として、水又はアルコールからなる第一の溶媒中で該原料を混
    合した後、
    該第一の溶媒を除去乾燥後に焼成して焼成塊を形成し、
    この焼成塊中のリチウム複酸化物微粒子以外の反応生成物を水又はアルコールからなる
    二の溶媒に溶解することによって除去してリチウム複酸化物微粒子を得る方法において、
    焼成温度を焼成時に生成する炭酸リチウムの融点である618℃未満とすることにより
    焼成後の状態をスポンジ状の炭酸リチウムを主とするリチウム化合物にリチウム複酸化物
    微粒子が分散含有された焼成塊とするとともに、
    リチウムの無機酸塩又は有機酸塩中のリチウム原子数とリチウム以外の金属の無機酸塩又
    は有機酸塩中の金属原子の比率が、製造目的のリチウム複酸化物中のリチウム原子数と
    リチウム以外の金属の原子数の比率に比べ、リチウムの無機酸塩又は有機酸塩中のリチウ
    ム原子数が過剰となるようにし、
    その過剰の程度を、得られるリチウム複酸化物微粒子の平均粒径が50nm以下の球状物
    又は太さ(直径)が50nm以下の針状物となるように調整することを特徴とするリチウ
    ム複酸化物超微粒子の製造方法。
  2. 前記リチウム複酸化物は、LiCoO 、LiNiO2、LiMnO、LiMn
    4、LiFeO又はこれら複酸化物の1部を他の元素で置換した化合物のいずれかであ
    ることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム複酸化物超微粒子の製造方法。
  3. 前記リチウム複酸化物のCo,Ni,Mn,またはFeの一部を置換する元素周期表の3
    〜10族元素又は13〜15族元素の化合物を前記原料に配合することを特徴とする、請
    求項2に記載のリチウム複酸化物超微粒子の製造方法。
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