JP3975525B2 - N−ビニルカルボン酸アミドの精製方法 - Google Patents
N−ビニルカルボン酸アミドの精製方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はN−ビニルカルボン酸アミドの蒸留精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N−ビニルカルボン酸アミドは、一般式
【0003】
【化1】
CH2 =CHNHCOR
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。)
【0004】
で示され、N−ビニルアミドあるいはN−ビニルアシルアミドとも呼ばれている重合性に富む化合物であり、具体的にはN−ビニルホルムアミドやN−ビニルアセトアミドなどが例示される。該化合物は、単独で重合させるか又は他のビニル化合物と共重合させて、種々の特性を有する重合物を得ることができる。特に、N−ビニルカルボン酸アミドは、この重合物を加水分解してそのアミド基を1級アミノ基に転換して得られるポリビニルアミン等の水溶性ポリマーの原料として、あるいは有機薬品の中間体として有用であることが知られている。
【0005】
このN−ビニルカルボン酸アミドの製造方法としては、N−(α−アルコキシエチル)カルボン酸アミドからアルコールを脱離させる方法(米国特許第3,914,304号明細書)、ホルミルアラニンニトリルからシアン化水素を脱離させる方法(特開昭61−134359号公報)、及び、エチレンビスホルムアミドあるいはエチリデンビスアセトアミドを熱分解する方法(米国特許第4,018,826号、同4,490,557号、同4,578,515号明細書)などが知られている。これらの方法は、いずれも減圧下、90〜750℃程度の高温でN−ビニルカルボン酸アミドの前駆体を熱分解し、N−ビニルカルボン酸アミドを得るものである。得られたN−ビニルカルボン酸アミドは、熱分解反応液より、通常、蒸留により回収される。ところが、N−ビニルカルボン酸アミドの熱安定性は充分ではなく、更には、熱分解反応で副生した微量の塩基性不純物が熱分解反応液中に存在してN−ビニルカルボン酸アミドの分解を促進させる。このため、蒸留精製時のN−ビニルカルボン酸アミドの回収率が低くなったり、あるいは、回収された精製N−ビニルカルボン酸アミドの純度が充分でなくポリマー原料としての重合性にも悪影響を与えるという問題がある。
【0006】
そこで、N−ビニルカルボン酸アミドのうち、特にN−ビニルホルムアミドの蒸留の際の分解等を抑える手段として以下のような方法が提案されている。
(1)蒸留を行う前に、熱分解反応液を弱酸性陽イオン交換樹脂で接触処理し、含まれる微量の塩基性不純物を除去する方法(特開昭63−190862号公報)、
(2)熱分解反応液を薄膜蒸発器にかけて混合液の大部分を蒸発分として回収し、次いで該蒸発分を蒸留塔を用いて精密蒸留する方法(特開平5−155829号公報)、
(3)粗N−ビニルホルムアミドに多量のホルムアミドを存在させることにより蒸留する方法(特公平6−99374号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)の方法では、イオン交換樹脂の再生等の操作が煩雑である。また、(2)の方法では、薄膜蒸発器での塩基性不純物の分離が完全でないため、蒸発分の中に一部混入した塩基性不純物が蒸留塔底に蓄積し、長時間の連続的蒸留においては、N−ビニルホルムアミドの安定性の向上は必ずしも十分でない。更に、(3)の方法では、熱分解反応液中には元々ホルムアミドが相当量含まれてくる方がむしろ一般的であり、安定化効果は十分とはいいがたい。また、熱分解混合液にホルムアミドを追加して蒸留を行えば、その分だけN−ビニルホルムアミドとホルムアミドとの分離の手間が増大する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題点に鑑み、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルカルボン酸アミドを効率よく回収する方法につき種々検討した結果、塔頂より精製N−ビニルカルボン酸アミドを得るための精留塔を用いた蒸留方法において、N−ビニルカルボン酸アミドを含む塔底液の少なくとも一部を塔外に取り出し、これを薄膜蒸発器に供給して、未蒸発分は系外に除去し、蒸発分を精留塔に戻して再度蒸留する方法を採用すれば、精留塔の塔底液中の塩基性不純物の蓄積もなく、高純度のN−ビニルホルムアミドが高収率で蒸留回収されることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明の要旨は、粗N−ビニルカルボン酸アミドを薄膜蒸発器に供給してN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上であるN−ビニルカルボン酸アミド留分を取得する前処理工程、このN−ビニルカルボン酸アミド留分を精留塔で連続蒸留して塔頂から精製されたN−ビニルカルボン酸アミドを留出させ、塔底からN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上である塔底液を排出する精留工程、この塔底液を薄膜蒸発器に供給してN−ビニルカルボン酸アミドを含む留分と未蒸発分とに分離し、前者を精留塔に供給する後処理工程、の各工程から成ることを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法に存する。なお、後処理工程は前処理工程と一体化させる、即ち精留塔から排出された塔底液は前処理工程に循環して粗N−ビニルカルボン酸アミドと一緒に薄膜蒸発器で処理することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で対象とするN−ビニルカルボン酸アミドとしてはN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドが最も一般的であるが、N−ビニルホルムアミドが本発明の対象物質として特に好適である。N−ビニルカルボン酸アミドの製法は前記で例示したような方法であれば特に限定はないが、N−ビニルカルボン酸アミドの収率が高く、また、シアン化水素等の有害物質の副生がない点において、N−(α−アルコキシエチル)−カルボン酸アミドを熱分解してアルコールを脱離させる方法が特に好ましい。
【0011】
以上のN−ビニルカルボン酸アミドを含む反応液は、N−ビニルカルボン酸アミドの他に相当量の軽沸点や高沸点成分を含む混合物であるので、予め、軽沸点成分や高沸点成分をある程度除去した粗N−ビニルカルボン酸アミドを精留塔に供給する。軽沸点成分を蒸発処理する方法としては、該混合物中の軽沸点成分を減圧留去する方法が採用できる。例えば、N−(α−アルコキシエチル)−ホルムアミドからアルコールを脱離させる熱分解法により得られたN−ビニルホルムアミドを含む反応液は、N−ビニルホルムアミドの他に、副生するアルコールやホルムアミドを含有する混合物であるから、熱分解反応液より、減圧留去法によりメタノール、エタノールなどを軽沸点アルコールを効果的に除去することができる。
【0012】
また、反応混合物中の高沸点成分は、薄膜蒸発器を用いて除去する。この場合、蒸発分として粗N−ビニルカルボン酸アミドが回収される。薄膜蒸発器は、混合液よりN−ビニルカルボン酸アミドのような熱安定性の高くない対象物を蒸発分離させるのに適当である。その構造は市販の装置と同様なものであって特別の構造を有する必要はなく、回転型薄膜式、プレート型流下薄膜式、チューブ型流下薄膜式、ワイパー型薄膜式、遠心型薄膜式等の形式のものが例示されるが、予め含まれている、あるいは単位操作中に生成する重合物に対して、閉塞などの不具合を生じにくい型式の装置が望ましく、回転型薄膜式、ワイパー型薄膜式、遠心型薄膜式等のような機械的に薄膜を形成させる形式のものが特に好ましい。薄膜蒸発の操作条件としては、通常0.1〜3KPa、好ましくは0.3〜2KPaの減圧下、蒸気温度として、通常70〜150℃、好ましくは80〜130℃、液の平均滞留時間が通常30秒〜10分、好ましくは1〜5分が示される。かかる条件下で薄膜蒸発することにより、N−ビニルカルボン酸アミドを含む液の通常80%以上、好ましくは85%以上を蒸発分として回収する。一方、残りの未蒸発分、即ち残りの高沸点成分は薄膜蒸発器に循環させることなく、系外に除去する。
【0013】
なお、上記の薄膜蒸発器で除去可能な成分は、室温(25℃)条件下で軽沸成分等を除去した粗N−ビニルカルボン酸アミドに対して5重量倍量のアセトンを加えたときに沈殿として生じるアセトン不溶成分として定量することができる。該成分は、IRスペクトル、NMRスペクトル及び液体クロマトグラフィー等の分析より、主としてN−ビニルカルボン酸アミドの重合物からなる高沸点成分と同定される。該重合物は、粗N−ビニルカルボン酸アミドの製造において、例えば、N−(α−アルコキシエチル)カルボン酸アミドのような前駆体の熱分解工程で副生するものである。また、N−ビニルカルボン酸アミド自体の反応性が高いがゆえに、精製されたN−ビニルカルボン酸アミドの移送、貯蔵中などにおいても自然に生成増加してくるものである。このようなアセトン不溶成分は、通常の状態では粗N−ビニルカルボン酸中に溶解している。このようなアセトン不溶成分が精製原料中に含まれていると、該成分を核として重合が促進され、安定剤の存在下においてさえ、重合体の成長が避けられない。蒸留塔においては、充填物が液体によって均一に濡らされていないところで不溶物が析出しやすい。不溶物がいったん析出すると、それを核として重合物が成長し、やがて不溶不融の重合体が蓄積していくものと推定される。このような現象は、アセトン不溶成分が常に供給されている原料供給口において顕著であるので、粗N−ビニルホルムアミド中のアセトン不溶成分は、連続蒸留精製の際には常に、予め極力除去しておくことが望ましく、粗N−ビニルホルムアミド中の高分子量成分の含有量を通常400ppm以下、好ましくは200ppm以下、特に好ましくは50ppm以下とする。
【0014】
更に、N−ビニルカルボン酸アミドは、熱変化に非常に敏感である性質上、一端アセトン不溶分を除去できたとしても、薄膜蒸発器で回収される粗N−ビニルカルボン酸アミドを含む蒸気成分が冷却凝縮する際や、粗N−ビニルカルボン酸アミドを精留塔で直ちに供給して精製せず、一時的に保存や保管されるような場合も含めて、アセトン不溶分が再生しやすいので格別の注意が必要である。一般的な有機物を薄膜蒸発させる場合、蒸発分を冷却して一旦凝縮液として回収することが多いが、N−ビニルカルボン酸アミドの場合は、凝縮の際の気液接触の時間が長くなると、アセトン不溶分が再生しやすいので注意が必要である。また、この凝縮液を精留塔に供給する場合、一般的有機物を精留する場合においては、精留塔内の熱負荷をできるだけ軽減するために予備加熱して精留塔に供給する方法が一般的に望ましいが、N−ビニルカルボン酸アミドではあまり加温し過ぎるとアセトン不溶成分の再生が顕著となるのであまり好ましくなく、加温しても通常50℃以下、好ましくは40℃以下に留めるべきである。また、アセトン不溶成分の再生を回避して精留塔に供給するため、粗N−ビニルカルボン酸アミドを薄膜蒸発器に供給し、未蒸発分を除去し、一方、N−ビニルカルボン酸アミドを含む蒸発分を凝縮させることなく精留塔に供給する方法が好ましい。この際、蒸発分の通常90%以上は凝縮させることなく供給し、好ましくは実質的に全量を蒸気で精留塔に供給する。このためには、薄膜蒸発器から精留塔に至るラインのを保温状態に維持する必要がある。
【0015】
以上により調製される粗N−ビニルカルボン酸アミドの純度は、通常50重量%以上、好ましくは80〜95重量%である。なお、粗N−ビニルカルボン酸アミドとは、本発明による精製を行った後よりも純度の低いN−ビニルカルボン酸アミドを意味するものであって、上記のような反応液より軽沸点成分あるいは高沸点成分をある程度除いたような液以外にも、一旦精製してあっても長期保存により劣化して純度が低下したN−ビニルカルボン酸アミドなども含まれる。
【0016】
本発明では、以上のような粗N−ビニルカルボン酸アミドの精製を、精留塔を用いた連続蒸留により行う。使用される精留塔の構造は、一般的な蒸留塔の場合と同様であり、充てん式、棚段式等が例示される。精留塔の粗N−ビニルカルボン酸アミド液の供給口は、塔の中段であって、塔全体の下から通常1/5〜4/5の位置に設置される。蒸留の操作条件には特に制限はないが、工業的に実施しやすい条件として、塔の理論段数は通常3〜30、好ましくは5〜20であり、精留塔の塔頂圧力が通常0.1〜3KPa、好ましくは0.3〜2KPaであり、対応する塔頂温度の範囲が通常50〜100、70〜85℃である。また、本発明では、塔底温度は通常80〜120℃、好ましくは100℃以下に保持でき、N−ビニルカルボン酸アミドを従来の通常の方法で蒸留するよりも5〜10℃程度低く保持して安定な蒸留運転をすることが可能である。
【0017】
そして、精留塔に供給される粗N−ビニルカルボン酸アミドのN−ビニルカルボン酸アミド成分の通常40〜90%、好ましくは50〜80%を塔頂より留出させる。精留塔でのN−ビニルカルボン酸アミドの留出率が低すぎる場合は、薄膜蒸発器を経た後に精留塔に再度供給する場合、精留塔の塔底液の量が多くなりすぎて、薄膜蒸発器及び精留塔を大型化する必要が生じるので工業的に有利でなくなる。一方、精留塔でのN−ビニルカルボン酸アミドの留出率が高すぎる場合は、精留塔の塔底液の量が少なくなりすぎて、塔底での滞留時間が大きくなり、塔底における塩基性不純物の蓄積が無視できなくなるため、本発明の効果が十分に発揮されない。ここでの塩基性不純物は、アンモニア、ピコリン、エチルピコリン、その他構造不明の種々の塩基性物質の混合物である。なお、本発明において、塔頂とは広義の意味であって、塔頂そのものとその近傍も含まれる。即ち、塔頂より微量の軽沸点不純物を除去し、塔頂近傍より目的とするN−ビニルカルボン酸アミドに富む成分を留出させる方法も可能である。
【0018】
留出液のN−ビニルカルボン酸アミドの純度は、目的とする精製度に応じて適宜調整できるが、通常97重量%以上、好ましくは98重量%以上の高純度のN−ビニルホルムアミドを安定に得ることができる。一方、精留塔の塔底液の組成については、本発明ではN−ビニルカルボン酸アミドの塔頂からの留出率を通常90%以下に抑えることから、N−ビニルカルボン酸アミド成分が塔底液の通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上となる。
【0019】
次に、本発明では、以上のN−ビニルカルボン酸アミドを含有する塔底液を連続的に塔外に抜き出す。そして、該抜き出し液を薄膜蒸発器に供給し、薄膜蒸発器において、未蒸発分を系外に除去し、N−ビニルカルボン酸アミドを含む蒸発分を回収し、該回収分を前記精留塔の供給口に供給する。塔底液のうちで塔外に抜き出して薄膜蒸発器に供する割合は高ければ高いほど好ましく、通常50%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
【0020】
抜きだした塔底液が供される薄膜蒸発器は特に制限はなく、前述の熱分解反応液中の高沸点成分を除去した粗N−ビニルカルボン酸アミドを得るために使用した薄膜蒸発器と同様の種類、操作条件が採用できる。また、前述の薄膜蒸発器に塔底からの抜き出し液を戻すこともできるが、この方法は一つの薄膜蒸発器が有効利用されることになるので特に望ましい。薄膜蒸発器において、未蒸発分を系外に除去し、N−ビニルカルボン酸アミドを含む蒸発分を回収し、該蒸発分をそのまま、または凝縮させた液を前記精留塔の供給口に循環させる。以上の本発明の方法は、精留塔による蒸留及び薄膜蒸発器による蒸発分離を各々連続的に操作し、かつ、両者を組み合わせることで構成される。
【0021】
薄膜蒸発器において、未蒸発分は系外に除去される一方で、蒸発分は前記の精留塔の供給口に供給されるため、該精留塔での精密蒸留におけるN−ビニルカルボン酸アミドの収率をそれほど高くしなくても、高純度のN−ビニルカルボン酸アミドが高収率で蒸留回収される。精留塔の塔底での滞留時間と蒸留の留出率とは本来は反比例的な関係にあるので、単にN−ビニルカルボン酸アミドを蒸留する方法では、精留塔の塔底でのN−ビニルカルボン酸アミドの分解を防止するためには、N−ビニルカルボン酸アミドの留出率を極端に抑える必要があった。しかしながら、本発明によれば、精留塔の塔底でのN−ビニルカルボン酸アミドの分解が少なくなり、高純度のN−ビニルカルボン酸アミドを高収率で回収できる。
【0022】
なお、前記の特公平6−99374号公報には、粗N−ビニルホルムアミドに多量のホルムアミドを存在させることにより、精留塔で蒸留する際に塔底液を薄膜蒸発器を経てポンプ循環させる旨の記載がある。これは通常の蒸留でもよく行われる塔底液を効果的に加熱する方法の一つであって、抜き出したホルムアミドを主成分とする塔底液を薄膜蒸発器で加熱し、未蒸発分はそのまま塔底に循環させる一方、加熱による蒸発分も塔底に循環させるものである。即ち、薄膜蒸発器をリボイラ−として利用したものである。従って、本願発明のように、N−ビニルカルボン酸アミドを主とする塔底液を塔底より抜き出し、この抜き出し液を薄膜蒸発器に供給し、蒸発分のみを回収し、粗Nービニルカルボン酸アミドとともに精留塔に供給する方法とは相違する。
【0023】
以上の本発明の連続蒸留の際、N−ビニルカルボン酸アミドの熱重合防止に関して有効な安定剤を用いてもよい。安定剤は、上記の精製系において、薄膜蒸発器及び精留塔にN−ビニルカルボン酸アミドを供給する際に添加する方法が好ましい。有効な安定剤としては、たとえば、キノン類、キノン類のアルカリ変性物、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、チオ尿素系化合物などであり、その添加量は通常50〜10000ppm、好ましくは100〜5000ppmである。
【0024】
安定剤として特に好ましいのはキノン類のアルカリ変性物であり、キノン類の化合物としては、p−ベンゾキノン、o−ベンゾキノンなどのベンゾキノン類や、ナフトキノン類、アントラキノン類が例示されるが、これらのキノン類のアルカリ変性物を調製する場合には、N−ビニルカルボン酸アミドとの蒸留分離が容易なメタノール、エタノール、水、トルエン、ベンゼン等の溶媒、あるいは、N−ビニルカルボン酸アミドに、キノン類を通常5〜150g/lとなるように溶解し、これに苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ等のアルカリを添加して、室温ないし加温下に撹拌すればよい。アルカリの添加量は10-4〜10-2モル/l程度で十分である。キノン類は一般には重合禁止剤として作用するが、更にこのキノン類のアルカリ変性物は不揮発性であるので、連続蒸留を通じて精製N−ビニルカルボン酸アミドと容易に分離することができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」は「重量%」、「ppm」は「重量ppm」を示す。
また、実施例において、N−ビニルホルムアミド中のアセトン不溶成分の分析方法は以下の通りである。
【0026】
(アセトン不溶成分の分析方法)
室温(25℃)条件下、試料のN−ビニルホルムアミド50gにアセトン250gを添加混合し、析出物を0.5μmのテフロン製フィルターで濾取した。これを60℃で恒量になるまで減圧乾燥し、該量を測定して高分子量成分の含有量(単位:ppm)を(不溶物の乾燥重量/50)×106で表示した。
【0027】
実施例1
〔N−(α−メトキシエチル)ホルムアミド(以下「エーテル体」と言う)の製造〕
攪拌機及び温度調節器を備えた500リットルステンレス製反応器に、ホルムアミドとアセトアルデヒドとを重炭酸カリウム触媒の存在下で反応させて得たN−(αーヒドロキシエチル)ホルムアミド(以下「ヒドロキシ体」と言う)結晶(純度73重量%、ホルムアミド含量0.5重量%、重炭酸カリウム含量0.5重量%)30kgを仕込み、これにメタノール31.5kg(ヒドロキシ体に対して4モル倍)及び硫酸0.25kg(重炭酸カリウム中和量とヒドロキシ体に対して0.5モル%量の合計量に相当)を加え、攪拌下、25〜40℃の温度で反応系内のヒドロキシ体の残量が8重量%となるまでエーテル化反応を3時間行い、次いで、これに20重量%苛性ソーダを加え、触媒を中和することによりpHを7とした。更に、この液を6.7KPaの減圧下で軽沸分を蒸発させた後、0.4KPaの減圧蒸留にてエーテル体を回収した。
【0028】
〔N−ビニルホルムアミドの製造〕
上記で得たエーテル体を、ヒーターを備えた径40mm、長さ1000mmのステンレス管に、内温を400℃に保ちながら13.3KPaの減圧下、0.2kg/minの割合で供給し、一方、排出されるガスを直ちに凝縮させることにより熱分解を行い、留出液(N−ビニルホルムアミド67重量%、メタノール31重量%)23kgを回収した。
【0029】
〔粗N−ビニルホルムアミドの蒸留〕
上記留出液を、更に、圧力6.7KPa、温度50℃の条件下においてメタノール等の軽沸点成分を蒸発除去したものを蒸留処理用の粗N−ビニルホルムアミド(N−ビニルホルムアミド88重量%、ホルムアミド5重量%、エーテル体5重量%、高沸不純物2重量%)を得た。この粗N−ビニルホルムアミド中にはアセトン不溶成分が1500ppm含まれていた。
【0030】
一方、p−ベンゾキノン(パラベンゾキノン)をメタノールに5重量%濃度となるように溶解し、該溶液に苛性ソーダを20meq/kgとなるように添加し、20℃で3時間攪拌した液を調製した。該液について、液体クロマトグラフィーで分析したところ、p−ベンゾキノンは検出されず(検出下限50ppm)、すべてアルカリ変性物に転換されていた。
【0031】
前記粗N−ビニルホルムアミドに、蒸留安定剤として、上記で得たp−ベンゾキノンのアルカリ変性物(p−ベンゾキノンとして3000ppm相当量)を添加した。
以上の粗N−ビニルホルムアミドを、ガラス製流下薄膜蒸発器(伝熱面直径50mm、高さ200mm)を用い、圧力0.4KPa、蒸気温度125℃、液の平均滞留時間5分の条件にて、蒸発処理を行った。
【0032】
未蒸発分は、薄膜蒸発器に循環させることなく系外に除去した。また、蒸発分の凝縮液(アセトン不溶成分50ppm)を加温することなく、そのまま精留塔(径50mm、高さ900mm、スルーザーラボパッキングを充てん)に供給し、圧力6.7KPa、塔頂温度70℃、塔底温度90℃、理論段数15段、還流比4、塔底滞留時間2.5時間の条件にて、精密蒸留を行った。この際、該凝縮液に対し、上記p−ベンゾキノンアルカリ変性物をp−ベンゾキノンとして2000ppmとなるように連続添加した。また、該精密蒸留におけるN−ビニルホルムアミドの塔頂からの回収率は70%であり、塔頂からは純度99重量%の精製N−ビニルホルムアミドが得られた。また、塔底液は、前記の粗N−ビニルホルムアミドと合流させ、前記ガラス製流下薄膜蒸発器に供給した。
【0033】
N−ビニルホルムアミドの回収操作において、実質的にN−ビニルホルムアミドの分解はなく、塔底での分解物及び塩基性不純物の蓄積もなく、高純度(99重量%)のN−ビニルホルムアミドが一環収率93%で回収された(一環収率のベースは粗N−ビニルホルムアミドである。)
以上の精製プロセスの定常状態における関係を示すフローシートを図1に示す。図1において「VFA」はN−ビニルホルムアミド、「FA」はホルムアミド、「エーテル体」はN−(α−メトキシエチル)ホルムアミド、「塩基」は塩基性不純物を示す。各成分は液体クロマトグライフィーにより分析を行った。また、0.1N硫酸水溶液での中和滴定による値を塩基性不純物の総量とした。
【0034】
比較例1
実施例1と同じ粗N−ビニルホルムアミド液を、実施例1と同じガラス製薄膜蒸発器及び精留塔を用い、精留塔の塔底液を薄膜蒸発器に循環させることなく系外に除去した以外は実施例1と同様にして精製を行った。この際、純度99重量%のN−ビニルホルムアミドを一貫収率90%程度で得るため、N−ビニルホルムアミドの留出率を約93%までに高めたところ、精留塔での精密蒸留における塔底滞留時間が10時間を超えてしまい、塔底での分解物及び塩基性不純物の蓄積が大きく、塔底温度が90℃から110℃程度に上昇してもなお温度上昇が止まらず、連続運転ができなかった。そして、蒸留初期におけるN−ビニルホルムアミドの分解率は5%であった。
以上の精製プロセスの定常状態における関係を図2に示す。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、粗N−ビニルカルボン酸アミドの精留塔を用いた精製において、精留塔内での重合を抑制し、また、精留塔の塔底での不純物の蓄積を防止し、高純度のN−ビニルカルボン酸アミドを長期間、連続的に高収率をもって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のN−ビニルホルムアミドの精製プロセスを示すフローシートである。
【図2】比較例1のN−ビニルホルムアミドの精製プロセスを示すフローシートである。
Claims (11)
- 粗N−ビニルカルボン酸アミドを薄膜蒸発器に供給してN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上であるN−ビニルカルボン酸アミド留分を取得する前処理工程、このN−ビニルカルボン酸アミド留分を精留塔で連続蒸留して塔頂から精製されたN−ビニルカルボン酸アミドを留出させ、塔底からN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上である塔底液を排出する精留工程、この塔底液を薄膜蒸発器に供給してN−ビニルカルボン酸アミドを含む留分と未蒸発分とに分離し、前者を精留塔に供給する後処理工程、の各工程から成ることを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 粗N−ビニルカルボン酸アミドを薄膜蒸発器に供給してN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上であるN−ビニルカルボン酸アミド留分を取得する前処理工程、このN−ビニルカルボン酸アミド留分を精留塔で連続蒸留して塔頂から精製されたN−ビニルカルボン酸アミドを留出させ、塔底からN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上である塔底液を排出する精留工程、この塔底液を前処理工程に供給して粗N−ビニルカルボン酸アミドと一緒に処理する循環工程、の各工程から成ることを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 前処理工程でN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が80〜95重量%のN−ビニルカルボン酸アミド留分を取得することを特徴とする請求項1又は2記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 前処理工程で薄膜蒸発器に供給されたN−ビニルカルボン酸アミドの80重量%以上をN−ビニルカルボン酸アミド留分として取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 前処理工程でアセトン不溶分が400ppm以下のN−ビニルカルボン酸アミド留分を取得することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 精留塔に供給されたN−ビニルカルボン酸アミドの40〜90重量%を塔頂から精製されたN−ビニルカルボン酸アミドとして留出させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 粗N−ビニルカルボン酸アミドを薄膜蒸発器に供給してN−ビニルカルボン酸アミドの80重量%以上を純度が80〜95重量%であるN−ビニルカルボン酸アミド留分として取得する前処理工程、このN−ビニルカルボン酸アミド留分を精留塔で連続
蒸留して供給されたN−ビニルカルボン酸アミドの40〜90重量%を純度97重量%以上の精製されたN−ビニルカルボン酸アミドとして塔頂から留出させ、塔底からN−ビニルカルボン酸アミドの含有量が50重量%以上である塔底液を排出する精留工程、この塔底液を前処理工程に供給して粗N−ビニルカルボン酸アミドと一緒に処理する循環工程、の各工程から成ることを特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。 - 薄膜蒸発器で発生したN−ビニルカルボン酸アミドを含む蒸気を、凝縮させることなく精留塔に供給することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- N−ビニルカルボン酸アミドがN−ビニルホルムアミドであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 粗N−ビニルカルボン酸アミドがN−(α−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを熱分解してN−ビニルカルボン酸アミドを生成させた反応混合物から、副生したアルコールを含む軽沸点留分を除去したものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
- 精留塔の塔底温度を100℃以下に保持することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のN−ビニルカルボン酸アミドの精製方法。
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