JP3949737B2 - 多色写真要素 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー写真要素材料の分野に関し、特に、優れた調子再現および陰影部ディテールを表わすカラーネガハロゲン化銀カラープリント材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
調子および色再現は、詳細に研究されており、T.H. James編集、Macmillan Publishing Co., Inc. of New York発行による、「The Theory of the Photographic Process 4th Ed.」19章、もしくは R.W.G. Hunt編集、Fountain Press, Tolworth, England 発行による、「The Reproduction of Color 4th Ed. 」13章、等の多くの文献に、それらの結果のより詳細な議論が見受けられる。
【0003】
好ましい色および調子再現を有するカラーペーパーを設計する際に見られる問題点が、写真工業では認識されている。実際、多種多様の写真的ニーズに適合するために、現在入手可能な多くのカラーネガフィルムおよびカラーネガペーパーの選択枝がある。しかし、現在までのところ、はっきりとした好ましい調子および色再現組合せを生成するのに成功したカラーネガフィルムおよびペーパーの組合せは無い。
【0004】
一般的に、カラーネガプリントペーパーの設計では、既に露光されているカラーネガフィルムの露光およびコントラストの範囲を考慮する必要がある。カラーネガペーパーの目的は、ネガに既に記録されている色および調子情報を受け取ることであるので、得られるカラープリントが、色において、コントラスト範囲および調子の範囲の両方で、目に満足いくように、カラーぺーパーを設計しなければならない。
【0005】
加えて、カラーネガプリントペーパーが、露光時間に対して一様なスピード(感度)およびコントラスト特性を有することが、非常に望ましい。この特徴により、高速プリンター、イーゼルプリント装置および他の電子プリント装置を含む、広範囲の用途に利用が可能である。カラーペーパーの露光装置には、タングステンランプ、ハロゲンランプ、レーザー、光放出フォトダイオード(LED)もしくはその他の光源からなる光源を含むことができる。これらの種々の露光装置に適合させるために、カラーネガペーパーに用いる乳剤は、プリントスピードおよびコントラストを維持しながら、ナノ秒(1×10-9秒)から数分の露光量範囲の露光を記録することができる。
【0006】
カラーネガフィルムは、本来的に広い露光量範囲を持つように設計される。この特徴により、アマチュアおよびプロのフィルム市場に共通する、露光過度および露光不足を考慮に入れる。市販されているカラーネガフィルムの多くは、写真家に、最小2絞り(0.6対数露光量)までのフィルムの露光不足、もしくは最大4絞り(1.2対数露光量)までの露光過度を認める。この広い露光ラティチュードは、アマチュア写真家に対してより大きな融通性を提供し、元のままのオリジナルの場面の明度範囲をこのカラーネガフィルムにより捕捉することを確実にする。
【0007】
しかし、このカラーネガ材料のコントラストは、フィルムタイプの間で変ることができる。例えば、ポートレイト写真家は、より低いコントラストのフィルムを好み、標準的なアマチュア用カラーネガフィルムよりもコントラストを小さく表わすプリントを提供する。アマチュア用フィルムは、より広い種類の用途のために設計されている。彩度およびコントラストを高めることによって作品に対しより大きな注意を引こうとするため、より高いコントラストのカラーネガフィルムは、コマーシャル写真家の選択枝となることができる。
【0008】
明かに、ネガフィルムが、この広い露光量範囲を通して一定のコントラスト(即ち、ガンマ)を維持することが重要である。そうでないと、カラーネガペーパー上にプリントするときの露光の作用としてコントラストのミスマッチを起こし、正しくない色および不十分な調子再現を生じる。
カラーネガペーパーは、適当なカラーネガと共に好ましいカラープリントを提供するように、コントラストを調節しなければならない。歴史的に、このことはある範囲のコントラストをそれぞれ有する一連のカラーネガフィルムおよびペーパーを製造することにより達成されている。例えば、主としてコントラストが異なるコダックエクタカラー74(商標)およびコダックエクタカラー78(商標)ペーパーが、何年間も、多くのプロおよびアマチュアフォトフィニッシャーの選択であった。コントラストが異なる、コダックエクタカラープロフェッショナル(商標)およびコダックエクタカラープラス(商標)カラーネガペーパーにより、これらの製品は改良された。極く最近、低から中、高へとコントラスト範囲を広げた新しいカラーペーパーが、市場に導入されている。コダックエクタカラーポルトラ(Portra)(商標)(最低コントラスト)、コダックエクタカラースープラ(商標)(中コントラスト)およびコダックエクタカラーウルトラ(商標)(最高コントラスト)等の製品は、コダックエクタカラーRA−4カラーペーパープロセス(商標)として世界的に知られている急速処理サイクルに有効であり、更にそれらの市場における有用性および容易性を高める。
【0009】
しかし、いずれのカラーネガペーパーのコントラストも増加するので、より高い露光量領域(プリントのより暗い領域)において問題が生じ、ディテールを失いそして「閉塞」となる。このペーパーは、焼付けのラティチュードを失っている様に見え、陰影部ディテールのロスを生じる。ペーパーのコントラストを小さくして、陰影部を明るくすると、所望するより低いコントラスト、不飽和カラーおよび不十分なブラックであるブラック(陰影部)を生じる。結婚式もしくは多くの陰影部を有する明るく照らされる屋外場面を撮影する場合、この問題は、特に厄介である。
【0010】
結婚式の場面では、満足のいくように、そして新郎のブラックタキシードにおいて、袖のしわが消えて「閉塞」にならないように、十分にディテールを伴ってホワイトウエディングドレスをプリントすることは特に困難である。同じ様な問題は、非常に広範囲の場面の輝度が存在する屋外場面おいても存在する。例えば、建物もしくは木々に由来する陰影を伴う天気の良い日では、細部を十分に得るには暗い直接に光の当った領域をプリントして、陰影部の細部を十分に見るには明るい、暗部の陰影によって覆われた部分を維持することは、特に困難である。
【0011】
マスキング、もしくは覆い焼きおよび焼込み等の技法を用いる特注のプリントは、前記の問題点を少なくする場面照度の大きな差を含む場面をプリントするのを補助するために、プロのプリントフィニッシャーによってしばしば用いられる。場面の暗い陰影部を照らし、場面のコントラストを少なくするために、補助フラッシュがしばしば用いられる。
【0012】
カラーペーパーを設計するときの考慮すべきもう一つのファクターは、プリントを見る観察条件の影響である。ビューイングフレア(viewing flare )が、ビューイングルームのプリント上で反射される光から生じる。カラープリントに反射が加わる影響は、反射濃度、従ってコントラストを少なくすることである。ビューイングフレアの影響は対数的であるので、プリント中のより高い濃度の領域は、より低い濃度の領域よりも影響される。従って、ビューイングフレアの結果は、陰影部のコントラストを減らし細部を減らす高い方のスケール濃度を減らすことである。
【0013】
カラー写真システムにおいて配合乳剤を用いることは、新しくも新規でもない。例えば、カラーネガフィルムにおいて、より広範囲の露光ラティチュードを得るために、米国特許第3,849,138号(Wyckoff )公報には、別々の層で感度は異なるがスロープ(コントラスト)が等しい乳剤を組み合せることが記載されている。米国特許第5,039,601号(Ohya等)公報には、種粒子それ自身が本来的に感度が異なる混合したハロゲン化銀種粒子を一緒に成長させることによって、感度の異なるハロゲン化銀粒子を製造する方法が記載されている。米国特許第4,301,242号(patzold 等)公報には、カラーリバーサルペーパーのための感度が異なるハロゲン化銀粒子調製方法が記載されている。これらの例に用いられる乳剤は、異なる感度ではあるが、同じスロープ(コントラスト)を有する。従って、組み合せた場合、露光ラティチュードは増加するが、この材料のコントラストは、そのままで変らない。米国特許第4,745,047号(Asami 等)公報には、ベンジルアルコールが現像プロセスから除かれた場合に高濃度領域で階調(コントラスト)を維持するために、カラーペーパーフォーマットにおいて、異なる粒子サイズの配合乳剤を用いることが記載されている。これ等の配合乳剤の使用は、ベンジルアルコールが現像プロセスから除かれた場合に高濃度領域でコントラストを維持するためであり、コントラストを高めるためではない。
【0014】
米国特許出願第950,871号(BuhrおよびFranchino により、1992年9 月24日出願)明細書には、オリジナル場面の再現において選択的なトーンマッピングを提供するためのシステムであって、このシステムが、オリジナル場面の再現が得られる媒体上に、オリジナル場面のパラメータを捕獲する手段、そして捕獲した場面パラメータからその場面の目で見る再現を作成する手段を有するタイプであることが記載されている。しかし、そこには、カラーネガフィルムもしくはカラーペーパーのいずれかの通常のカラーネガポジフィルムシステムの場合の、それらの発明の実施方法は開示されていない。
【0015】
米国特許第4,792,518号(Kuwashima )公報には、透明もしくは反射原画を正確に再現するためには、S形状の濃度対logE特性曲線を避けた方が良く、濃度0.8〜1.8間での露光範囲を通して直線に維持するために非常な注意をはらって、「鋸(saw )状」の形状を持ち、そしてまたハイライトディテールを明確にするために急な足部を持つ、好ましい形状を形成した方が良いとの認識がなされている。瞬間コントラストが好ましい値に到達し、一般的に、全体露光量範囲の過程の上方の値を超えない場合に、この直線露光スケールは、瞬間コントラストと対数露光量との曲線を生成する。前記 Kuwashimaの特許公報の図3は、全体露光量範囲の上方おおよそ1.2の大体一定な値(例えば、この一定値は、濃度対logE曲線の直線性質による)を有する瞬間コントラストを表わす。実際、瞬間コントラスト1.2(1.0でない)を有する好ましい再現を説明するので、彼等は、彼等が述べている、正確な、忠実な再現を作成するという目標を達成できない。そうでなければ、正確な再現を作成することは、1.0である再現のコントラストを必要としたであろうから、正確な再現では無かったであろう。
【0016】
欧州特許第0533033号A1公報において、Kubotera等は、分光増感よりも高温で化学増感を実施するハロゲン化銀乳剤を製造する方法を記載する。この方法は、上部スケールにおいてコントラストを高める性能の改善を導入する。しかし、彼等は、低濃度から中濃度、高濃度への全体的な露光量範囲に渡って直線性を維持しながら、階調(コントラスト)の改善を望んでいることを指摘する。
【0017】
米国特許第4,902,609号公報において、Hahmは、少量の緑増感色素を有する赤感性乳剤を偽(false )増感することによりカラーネガペーパーの露光ラティチュードを改善する方法を記載する。この方法の成果は、高露光量領域に少量のシアン色素を加えることにより、赤等のカラーの彩度を減じることである。緑増感色素を有する赤感性層を偽増感すると、赤もしくは青等の色が加えられたシアン色素を生じる。追加されたシアンカラーが、赤もしくは青色素画像を暗くして、それがよりコントラストを有するように見えるようにする。
【0018】
Hahmに似ているものは、Waki等のものであり、米国特許第5,084,374号公報には、青増感色素を有する緑および赤感光性乳剤を偽増感することにより達成されるカラープリントの高濃度範囲の陰影部ディテールを改良することが記載されている。この技法は、彩度を減ずるHahmと同じ欠点を有している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明によって克服されるべき従来製品の欠点は、現在のカラーペーパー製品が、低露光量領域の色およびコントラストを不満足なものにする、低露光量領域のコントラストを高くすること無しには、高濃度露光量に十分な陰影部ディテールを提供できないということである。
【0020】
高濃度コントラストおよび低濃度カラーを改良した写真要素を提供することが本発明の目的である。
本発明の目的は、全体的に調子再現が改良され、陰影部ディテールが高められた、カラーネガ反射プリント感光性材料を提供することである。
本発明の更なる目的は、より低濃度で好ましい彩度およびコントラストを維持しながら、高濃度での彩度を改良したカラープリントを作成することである。
【0021】
更に、本発明の目的は、カラーネガペーパーのプリントのラティチュードを高めることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記等の目的は、一般的に、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層であって、前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記層の瞬間コントラストが、前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって増加する露光量の関数として増加する層を提供することによって達成される。
【0023】
【具体的な態様】
濃度対logE曲線を用いることは、写真工業で普通に行われ、対数的に増加する露光量(E)に従って得られる濃度(D)の量の関係を記載する。図1および2では、二種類の市販のカラーネガペーパーの赤(R)、緑(G)および青(B)特性レスポンス(実線)を、対数露光量増加の関数として与える。
【0024】
本明細書で用いる「ポイントガンマ」、もしくは「瞬間コントラスト」の用語を、露光量変化の関数としての濃度変化量として定義する。
従って:
ポイントガンマ=瞬間コントラスト=dD/dlog−E
である。
【0025】
瞬間コントラストもしくはポイントガンマの定義は、先に参照したKuwashima ケース(米国特許第4,792,518号)に定義されるものと同じである。図1および2では、赤(R’)、緑(G’)および青(B’)レスポンスの瞬間コントラスト(点線)もまた、対数露光量増加の関数として示されている。
図1および2から明かなように、対数露光量の関数としての瞬間コントラストは釣鐘形状分布である。これは、瞬間コントラストが露光量の関数として連続的に変化することを意味する。低露光量では、最小濃度(Dmin)で、瞬間コントラストはゼロであり、一本調子に最大まで増加する。より高い露光量では、瞬間コントラストは、最大露光量(Dmax)に到達するまで減少し、そして瞬間コントラストはゼロになる。
【0026】
本発明は、瞬間コントラストがより高い露光量で減少し、そしてこの減少が、得られるプリントの陰影部ディテール損失の理由であるとの認識に基いている。
従って、望ましいのは、ディテールを高めるために最小露光量から最大露光量まで連続的に増加する瞬間コントラストを得ることである。最小露光量を、瞬間コントラストが、1.0の値に到達する対数露光量軸上の点として定義する。最大有効露光量を、加わる露光量が、瞬間コントラストの増加を生成できない(そして従って、瞬間コントラストは、1.0より下のレベルまで落ちる)、同軸上の点として定義する。コントラストが1.0よりも小さい場合、調子変化を目で見て認識することは非常に困難である。従って、二点間の差は、要素の有効露光量範囲を表わし、対数露光量単位で表わされる。
【0027】
この露光量範囲において、露光量範囲全体に渡ってコントラストが連続的に、通常通りに増加することが重要である。最適な調子再現のために、ペーパーを、適正に露光した適当なコントラストのカラーネガを用いてプリントする方が良い。このペーパーの露光量範囲は、ネガに記録されている情報の全ての要素を再現できることを確実なものとするために、0.6対数露光量単位よりも大きい方が良い。コントラストがDmin とDmax との間で連続的に増加することは、一般的に現実的でないので、上部スケール濃度の弱まり(減少)は、露光量の増加に従って予想されることである。
【0028】
しかし、最適な調子および色再現のためには、瞬間コントラストが有効露光量範囲の70%を超えて増加する方が良いことを我々は見出した。この比率を、瞬間コントラストが1.0の初期値に達する点から最大瞬間コントラストの露光量範囲を測定することにより決定する。この露光量範囲を、「a」とする。総露光量範囲は、瞬間コントラストが1.0より下に下がる瞬間コントラスト範囲上の点の間の露光量範囲である。「b」値は、最大瞬間コントラストと瞬間コントラストが1.0より下に下がる点との間の露光量範囲を表わす。そして、増加するコントラストの部分の比率「f」を、次式によって表わす:
f=a/(a+b)×100
濃度対logE曲線中の本発明のこれらの非線型条件は、同じスペクトル感受性であるが、同一の色記録中で異なる感度およびコントラストを有する二つ以上のハロゲン化銀乳剤層を組み合せることによって達成されている。最も簡単な場合では、同じスペクトル感受性を有する二種類の乳剤を、カラーネガペーパーの単一の層中で組み合せる。それらの個々の感受性を、粒子エッジ長もしくはサイズまたはサイズ分散度を変える等の種々の技法を用いて、または各粒子に与える増感剤もしくは減感剤の量を変えることによって、調節することができる。コントラストコントロールを、単に、存在する各乳剤の量を変えること、または増感剤もしくは減感剤として作用する有機もしくは無機添加剤を乳剤に用いることにより、行うことができる。
【0029】
本発明を達成する好ましい方法では、各色記録は、感光性要素中の別の層に塗布しても良い同じスペクトル感受性の二種類以上のハロゲン化銀乳剤からなり、もしくはそれ等を、前記感光性要素の単一の層中に組み合せてもよい。同じスペクトル感受性の二つ乳剤の組合せは、他方とはそれ等自身の唯一の感受性およびコントラストが異なる。それ等の組合わさったレスポンスは、唯一かつ好ましい調子スケールおよび改良された色再現を有するカラーネガプリントを作成する様式等において、カラーペーパー上への露光量が増加するにつれて瞬間コントラストが増加する独特の調子スケールを提供する。
【0030】
従って、本発明の好ましいカラーペーパーを作成するため、カラーペーパーの上部スケール(高濃度)ラティチュードを拡張し、同時に、より低いスケール(低濃度)コントラストを高くすること無しに、上部スケールコントラストを増加することにより、拡張することが必要である。カラーペーパーのこの複雑さは、本発明まで決して達成されていない。
【0031】
この好ましい態様を達成するため、概して単一の乳剤構成より多い複合特性曲線を、各色記録において用いなければならないことを我々は見出した。さらに、各乳剤は、異なる感度でなければならず、個々の特性曲線を組み合せたとき、好まし特性曲線が生じるように、二つの乳剤は、コントラストが異ならなければならない。
【0032】
好ましくは、本発明のカラーペーパー上の好ましい画像は、少なくとも、赤増感乳剤もしくは乳剤(複数)を含む層が、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6logEを超える露光量範囲(aRed )を有し、そして前記要素の瞬間ガンマが、前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として増加する場合に形成される。より好ましい露光量範囲は、高濃度範囲での良好なコントラストのために、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.7logEである。
【0033】
本発明のカラー写真用ペーパーは、赤増感乳剤もしくは緑増感乳剤を持つ層のみが、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6logEを超える規定する露光量範囲を有し、そして前記瞬間ガンマが、前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として増加する場合に改良された性能を有する。しかし、本発明のより好ましいカラーペーパーは、赤および緑感性層の両方が、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6logEを超える露光量範囲を有し、そして前記緑層の瞬間ガンマが、前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として増加する場合に形成されるということが見出された。三種類の色記録層、青、緑および赤増感層の全てが、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6log−Eを超える露光量範囲を有し、そして前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として各層の瞬間ガンマが増加することが最も好ましい。
【0034】
前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数としての瞬間ガンマ増加は、連続となることができる。あるいは、瞬間ガンマ増加は、連続増加から約15%までのずれ、もしくはより好ましくは連続増加から10%までのずれを含んでも良い。そのようなずれは、カラープリントの観者に著しく目立ちはしないが、低濃度領域の良好な彩度およびコントラストを有する、最良の高濃度コントラストのためには、一般的に連続増加が好ましいと信じられている。本明細書で用いる「赤感性層」、「青感性層」、もしくは「緑感性層」の用語は、同じ感光性であるが異なるスピードおよびコントラスト特性を有する複数の層を含むと考えることができる。これらの乳剤は、別の層の形となっても良く、もしくは配合乳剤の単一色増感単一層を写真要素に用いるように、この乳剤を混合しても良い。
【0035】
本発明の乳剤もしくは乳剤(複数)に使用するのに適した材料についての以下の考察では、リサーチディスクロージャー,1989年12月、アイテム 308119を参照する。そしてこの文献を以後「リサーチディスクロージャー」の用語で示す。本願で引用する特許および刊行物を含む上記リサーチディスクロージャー内容は参照することにより本発明の内容とする。次の引用する章はリサーチディスクロージャーの章である。
【0036】
この乳剤を、ポリメチン色素クラス等(シアニン類、メロシアニン類、複合シアニン類およびメロシアニン類、オキソノール類、ヘミオキソノール類、スチリル類、メロスチリル類およびストレプトシアニン類等を含む)の写真技術分野において公知の色素を用いて分光増感することができる。特に、本発明の要素に関連して、すでに特許されている、米国特許出願第07/978,589号(1992年11月19日出願)および同07/978,568号(1992年11月19日出願)各明細書に開示される低汚染増感色素を用いることは有利であろう。
【0037】
更に、この乳剤を、乳剤粒子の表面で混合した色素凝集体を形成する二種類以上の増感色素の混合物を用いて増感することができる。混合色素凝集体を使用すると、乳剤の分光感度を、二種類以上の色素のピーク感度(λ−max )波長の極大間のいずれの波長にも調節することが可能となる。二種類以上の増感色素が、スペクトル(即ち、青、または緑もしくは赤、および緑以外+赤もしくは青+赤または緑+青)の同じ部分を吸収する場合、これを実施することは特に価値がある。分光増感色素の機能は、画像色素として記録するネガに記録される情報を調節することであるので、カラーネガの画像色素のλ−max に、もしくはλ−max の近くにピーク分光感度を置くことにより、最適な好ましいレスポンスを生成する。 更に、本発明のの乳剤は、その光吸収特性が実質的に異なる分光増感色素の混合物を含むことができる。例えば、米国特許第4,902,609号公報において、Hahmは、より少量の緑分光増感色素を、主に赤分光感度を有するハロゲン化銀乳剤に加えることにより、カラーネガペーパーの有効露光ラティチュードを拡張する方法を記載する。この場合、赤増感乳剤を緑光に対して露光する場合、有るとしてもレスポンスは小さい。しかし、大量の緑光に対して露光する場合、適当な量のシアン画像色素が、マゼンタ画像色素に加えて生成され、それが追加的なコントラスト、そして拡張した露光ラティチュードを持つように見せる。
【0038】
米国特許第5,084,374号公報において、Waki等は、赤分光増感した層および緑分光増感した層の両方を青光に対して増感したハロゲン化銀カラー写真要素を記載する。Hahm同様、第二の増感剤を少量、主たる増感剤に加える。これらの画像生成層に青光照射の大量の十分な露光を与えると、イエロー画像色素を生成して主たる露光を補足する。主吸収が異なる第二の分光増感色素を加えるこの方法を「偽増感」と呼ぶ。
【0039】
本発明の前記要素に用いるハロゲン化銀乳剤は、一般的にネガ型である。適切な乳剤とその製造法ならびに化学増感および分光増感方法はI〜IV章に記載されている。着色物質および現像改良剤はV 章と XXI章に記載されている。ベヒクルはIX章に記載され、各種の添加剤、例えば、蛍光増白剤、カブリ防止剤、安定剤、光吸収材料および光散乱材料、硬膜剤、塗布助剤、可塑剤、滑剤およびつや消し剤は、例えば、V 、VI, VIII, X 、XI, XII および XVIの章に記載されている。製造法は XIV章とXV章に、他の層と支持体はXIII章とXVII章に、処理法と薬剤は XIX章とXX章に、および各種露光法はXVIII 章にそれぞれ記載されている。製造方法は、XIV 章およびXV章に記載され、その他の層および支持体はXIII章およびXVII章に、処理方法および処理剤はXIX 章およびXX章に、そして露光代替物はXVIII 章に記載されている。
【0040】
塩化銀、塩臭化銀、塩臭沃化銀、臭化銀、臭沃化銀、もしくは塩沃化銀等のいずれのハロゲン化銀の組合せも用いることができる。カラーペーパーの急速処理の必要性のために、塩化銀乳剤が好ましい。いくつかの場合では、少量の臭化物、もしくは沃化物、または臭化物および沃化物を含有する塩化銀乳剤を含有する塩化銀乳剤が好ましく、一般的には、臭化物は2.0モル%未満、沃化物は1.0モル%未満である。乳剤を生成する場合の臭化物もしくは沃化物添加は、沃化カリウムもしくは臭化ナトリウム等の可溶性ハロゲン化物源、または有機臭化物もしくは沃化物、または臭化銀もしくは沃化銀等の無機不溶性ハロゲン化物から生じる。
【0041】
ハロゲン化銀乳剤粒子の形状は、立方、疑似立方、八面体、十四面体もしくは平板状となることができる。熟成環境、もしくは還元環境等のいずれの適当な環境においても沈澱させることができる。ハロゲン化物割合および形態が異なる乳剤の沈澱に関する詳細な文献は、米国特許第3,618,622号(Evans );同4,269,927号(Atwell);同4,414,306号(Wey );同4,400,463号(Maskasky);同4,713,323号(Maskasky);同4,804,621号(Tufano等);同4,738,398号(Takada等);同4,952,491号(Nishikawa 等);同4,493,508号(Ishiguro等);同4,820,624号(Hasebe等);同5,264,337号(Maskasky);および欧州特許第534,395号(Brust )の各公報である。
【0042】
一つ以上の層において、同じ様に分光増感した乳剤を組み合せることができるが、得られる濃度対logE曲線およびその対応する瞬間コントラスト曲線が、同じ様に分光増感した乳剤を組み合せた瞬間コントラストが一般的に露光量の関数として増加するようになるべきであり、同じ分光感度を有する乳剤の組合せは、
そのようになる方が良い。
【0043】
乳剤沈澱は、銀イオン、ハロゲン化物イオンの存在下、そして少なくとも粒子成長時に、解こう剤を含む水性分散媒体の存在下で実施される。沈澱温度、pHおよび分散媒体中の銀イオンおよびハロゲン化物イオンの相対的割合をコントロールすることにより、粒子構造および特性を選択することができる。カブリを避けるためには、習慣的に沈澱を平衡点(銀イオンおよびハロゲン化物イオン活性度が等しくなる点)のハロゲン化物側で実施する。これらの基本的パラメーターの操作は、乳剤沈澱記載を含む引例によって具体的に説明されており、更に、米国特許第4,497,895号(Matsuzaka 等)、同4,728,603号(Yagi等)、同4,755,456号(Sugimoto)、同4,847,190号(Kishita 等)、同5,017,468号(Joly等)、同5,166,045号(Wu)、欧州特許第0328042号(Shibayama 等)および同0531799号(Kawai )の各公報に具体的に説明されている。
【0044】
沈澱時に分散媒体中に存在する還元剤を用いて、粒子の感度を高めることができ、それは米国特許第5,061,614号(Takada等)、同5,079,138号および欧州特許第0434012号(Takada)、米国特許第5,185,241号(Inoue )、欧州特許第0369491号(Yamashita 等)、同0371338号(Ohashi等)、同435270号および同0435355号(Katsumi )、並びに同第0438791号(Shibayama )の各公報に具体的に説明されている。化学増感したコア粒子は、シェルの沈澱のためのホストとしてはたらくことができ、米国特許第3,206,313号および同3,327,322号(Porter等)、同3,761,276号(Evans )、同4,035,185号(Atwell)、並びに同4,504,570号(Evans )の各公報に具体的に説明されている。
【0045】
ドーパント(銀イオンおよびハロゲン化物イオン以外の粒子吸蔵)を用いて、粒子構造および特性を改良することができる。第VIII族金属イオン(Fe、Co、Niおよびプラチナ金属(pm)、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir並びにPt)、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、As、Se、Sr、Y、Mo、Zr、Nb、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、W、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、CeおよびUを含む周期律3〜7のイオン類を、沈澱中に導入することができる。このドーパント類を用いて、
(a)(a1)直接陽画もしくは(a2)ネガ型乳剤の感度を高め、
(b)(b1)高照度相反則不軌もしくは(b2)低照度相反則不軌を減らし、
(c)コントラストを(c1)強くし、(c2)弱くし、もしくは(c3)コントラストの変動を少なくし、
(d)圧力感受性を減らし、
(e)色素減感を減らし、
(f)安定性を増加し、
(g)最小濃度を少なくし、
(h)最大濃度を増加し、
(i)室内光下ハンドリングを改良し、
(j)より短い波長(例えば、X線もしくはガンマ線)照射に応答する潜像生成を強めることができる。いくつかの場合、多価金属イオン(pvmi)が有効である。
【0046】
ホスト粒子およびドーパントの選択(その濃度、いくつかの使用では、ホスト粒子内の位置および/もしくはその原子価を含む)を変えて、目的の写真特性を達成することができる。それは、B. H. Carroll による、Photographic Science and Engineering, vol.24, No.6 1980 11/12, 265-267ページ(pm、Ir、a、bおよびd);米国特許第1,951,933号(Hochstetter )公報(Cu);米国特許第2,628,167号(De Witt )公報(Tl、a、c);米国特許第2,950,972号(Mueller )公報(Cd、j);米国特許第3,687,676号(Spance等)公報および米国特許第3,761,267号(Gilman等)公報(Pb、Sb、Bi、As、Au、Os、Ir、a);米国特許第3,890,154号(Ohkubu等)公報(VIII、a);米国特許第3,901,711号(Iwaosa等)公報(Cd、Zn、Co、Ni、Tl、U、Th、Ir、Sr、Pb、b1);米国特許第4,173,483号(Habu等)公報(VIII、b1);米国特許第4,269,927号(Atwell)公報(Cd、Pb、Cu、Zn、a2);米国特許第4,413,055号(Weyde )公報(Cu、Co、Ce、a2);米国特許第4,452,882号(Akimura 等)公報(Rh、i);米国特許第4,477,561号(Menjo 等)公報(pm、f);米国特許第4,581,327号(Habu)公報(Rh、c1、f);米国特許第4,643,965号(Kobuta等)公報(VIII、Cd、Pb、f、c2);米国特許第4,806,462号(Yamashita 等)公報(pvmi、a2、g);米国特許第4,828,962号(Grzeskowiak 等)公報(Ru+Ir、b1);米国特許第4,835,093号(Janusonis )公報(Re、a1);米国特許第4,902,611号(Leubner 等)公報(Ir+4);米国特許第4,981,780号(Inoue 等)公報(Mn、Cu、Zn、Cd、Pb、Bi、In、Tl、Zr、La、Cr、Re、VIII、c1、g、h);米国特許第4,997,751号(Kim )公報(Ir、b2);米国特許第5,057,402号(Kuno)公報(Fe、b、f);米国特許第5,134,060号(Maekawa 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,134,060号(Maekawa 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,164,292号(Kawai 等)公報(Ir+Se、b);米国特許第5,166,044号および同5,204,234号(Asami )公報(Fe+Ir、a2、b、c1、c3);米国特許第5,166,045号(Wu)公報(Se、a2);米国特許第5,229,263号(Yoshida 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,134,060号(Maekawa 等)公報(Ir+Fe/Re/Ru/Os、a2、b1);米国特許第5,264,336号(Merchetti 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,134,060号および同5,268,264号(Maekawa 等)公報(Fe、g);欧州特許第0244184号(Komarita等)公報(Ir、Cd、Pb、Cu、Zn、Rh、Pd、Pt、Tl、Fe、d);欧州特許第0488737号および同0488601号(Miyoshi 等)公報(Ir+VIII /Sc/Ti/V/Cr/Mn/Y/Zr/Nb/Mo/La/Ta/W/Re、a2、b、g);欧州特許第0368304号(Ihama 等)公報(Pd、a2、g);欧州特許第0509674号(Murakami等)公報(VIII、Cr、Zn、Mo、Cd、W、Re、Au、a2、b、g)および国際公開第WO93/02390号(Budz)公報(Au、g);米国特許第3,672,901号(Ohkubo等)公報(Fe、a2、ol);米国特許第3,901,713号(Yamasue 等)公報(Ir+Rh、f);並びに欧州特許第0488737号(Miyoshi 等)公報に具体的に説明されている。
【0047】
ドーパント金属が配位錯体の形状(特に、テトラ−およびヘキサ−配位錯体)で沈澱時に存在するする場合、金属イオンおよび配位リガンドを粒子内に吸蔵することができる。ハロ、アクオ、シアノ、シアネート、フルミネート、チオシアネート、セレノシアネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルおよびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)リガンド等の配位リガンドが、開示されており、いくつかの場合では、乳剤特性を改良することが観察されている。このことは、米国特許第4,847,191号(Grzeskowiak );同4,933,272号、同4,981,781号、および同5,037,732号(McDugle 等);同4,937,180号(Marchetti );同4,945,035号(Keevert 等);同5,112,732号(Hayashi );欧州特許第0509674号(Murakami等);同0513738号(Ohya等);国際公開第91/10166号(Janusonis );同92/16876号(Beavers );ドイツ国特許DD298、320号各公報、並びに米国特許出願第08/091,148号(Olm 等)明細書に具体的に記載されている。
【0048】
米国特許第5,024,931号(Evans 等)公報に説明されているように、オリゴマー配位錯体を用いても粒子特性を改良することができる。
粒子沈澱時もしくは沈澱後(あるいはハロゲン化物添加を伴う)のいずれかで、添加剤、カブリ防止剤、色素、および安定剤と一緒にドーパントを加えることができる。これらの方法により、僅かに表面下の型の近くもしくは中にドーパントの堆積(あるいは乳剤改良効果を伴うかもしれない)を生じることができる。これらは、米国特許第4,693,965号(Ihama 等)公報(Ir、a2);同3,790,390号(Shiba 等)公報(VIII族、a2、b1);同4,147,542号(Habu等)公報(VIII族、a2、b1);欧州特許第0273430号(Hasebe等)公報(Ir、Rh、Pt);同0312999号(Ohshima 等)公報(Ir、f);およびOgawa の米国法定発明登録第H760号(Ir、Au、Hg、T1、Cu、Pb、Pt、Pd、Rh、b、f)の各公報に具体的に説明されている。
【0049】
減感もしくはコントラスト増加イオンまたは錯体は、典型的に、追加のエネルギーレベルをホスト物質のバンドギャップ内深くに導くことにより、光発生ホールもしくは電子を捕獲するように機能するドーパントである。これらの例には、これに限定されないが、第八〜十族遷移金属(例えば、ロジウム、イリジウム、コバルト、ルテニウム、およびオスミウム)の簡単な塩類および錯体類、並びに米国特許第4,933,272号(Mcdugle 等)公報に記載されるニトロシルもしくはチオニトロシルリガンドを含有する遷移金属錯体が含まれる。具体的な例には、K3 RhCl6 、(NH4 )2 Rh(Cl5 )H2 O、K2 IrCl6 、K3 IrCl6 、K2 IrBr6 、K2 IrBr6 、K2 RuCl6 、K2 Ru(NO)Br5 、K2 Ru(NS)Br5 、K2 OsCl6 、Cs2 Os(NO)Cl5 、およびK2 Os(NS)Cl5 が含まれる。
【0050】
表層電子トラップイオン類もしくは錯体類は、ホスト粒子の格子位置上に追加の正味正電荷を導入し、そしてまた、追加の空のもしくは部分的に満たされているエネルギーレベルをホスト粒子のバンドギャップ内深くに導くことをしないドーパントである。
六配位遷移金属ドーパント錯体の場合、ホスト粒子内への置換は、銀イオンおよび六つの隣接ハロゲン化物イオン(集合的に七空格子点イオンと呼ぶ)の結晶構造からの脱落が必要である。七空格子点イオンは、−5の正味電荷を表わす。−5よりも正である正味電荷を有する六配位ドーパント錯体は、局部格子位置上へ正味正電荷を導入し、表層電子トラップとして機能することができる。追加の正電荷が存在すると、クーロン力に抗する散乱中心として作用し、これにより、潜像生成の速度性を変える。
【0051】
電子的構造に基づいて、普通の表層電子トラップイオンもしくは錯体を、(i )充填原子化殻もしくは(ii)リガンドによって与えられる大きな結晶場エネルギーのために、リガンドもしくは金属に基づく低位未充填もしくは部分充填軌道を持たない低スピン、半充填d殻金属イオンもしくは錯体、を有する金属イオンもしくは錯体として分類することができる。クラス(i )タイプドーパントの古典的例は、第二族の二価の金属錯体、例えば、Mg(2+)、Pb(2+)、Cd(2+)、Zn(2+)、Hg(2+)、およびTl(3+)である。いくつかのタイプ(ii)ドーパントには、シアニドおよびチオシアネート等の強結晶場リガンドを持つ八族錯体が含まれる。これらには限定されないが、例には、米国特許第3,672,901号(Ohkubo)公報に記載されている鉄錯体;並びに米国特許第4,945,035号(Keevert )公報に開示されているレニウム、ルテニウム、およびオスミウム錯体;並びに米国特許第5,252,456号(Ohshima 等)公報に開示されているイリジウムおよびプラチナ錯体が含まれる。好ましい錯体は、K4 Fe(CN)6 、K4 Ru(CN)6 、K4 Os(CN)6 、K2 Pt(CN)4 、およびK3 Ir(CN)6 等の低原子価シアニド錯体のアンモニウムおよびアルカリ金属塩である。このタイプのより高い酸化状態の錯体(K3 Fe(CN)6 およびK3 Ru(CN)6 等)も、表層電子トラップ特性を持つことができる。特に、ホスト粒子のバンドギャップ内に存在するいくつかの部分充填電子状態が、光チャージキャリアーとの限定される相互作用を示す場合である。
【0052】
粒子表面に取り込む、カブリ防止剤、安定剤および色素等の乳剤添加物も、沈澱時に乳剤に添加することができる。分光増感色素の存在下での沈澱は、米国特許第4,183,756号(Locker)、同4,225,666号(Locker等)、同4,683,193号および同4,828,972号(Ihama 等)、同4,912,017号(Takagi等)、同4,983,508号(Ishiguro等)、同4,996,140号(Nakayama等)、同5,077,190号(steiger )、同5,141,845号(Brugger 等)、同5,153,116号(Metoki等)、欧州特許第0287100号(Asami 等)、並びに同0301508号(Tadaaki 等)各公報に具体的に説明されている。非色素添加物は、米国特許第4,705,747号(Klotzer 等)、同4,868,102号(Ogi 等)、同5,015,563号(Ohya等)、同5,045,444号(Bahnmuller等)、同5,070,008号(Maeka 等)、および欧州特許第0392092号(Vandenabeele等)各公報に具体的に説明されている。
【0053】
本発明では、前記材料の化学増感を、種々の公知の化学増感剤のいずれによっても達成することができる。本明細書に記載した乳剤は、増感色素、強式増感剤、乳剤熟成剤、ゼラチンもしくはハロゲン転化抑制剤等のその他の添加物を、追加の化学増感の前、途中もしくは後に、有していてもよく、もしくは有していなくても良い。
【0054】
硫黄、硫黄+金もしくは金のみの増感を用いることは、非常に有効な増感剤となる。典型的な金増感剤は、塩化金、ジチオ硫酸金、水性コロイド状金スルフィドもしくは金(アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)・テトラフルオロボレートである。硫黄増感剤には、チオ硫酸塩、チオシアネートもしくはN,N’−カルボボチオイル−ビス(N−メチルグリシン)を含んでも良い。
【0055】
汚染還元剤として一種類以上のカブリ防止剤を添加することも、ハロゲン化銀システムでは一般的である。4−ヒドロキシ−6−メチル−(1,3,3a,7)−テトラアザインデン等のテトラアザインデン類を、安定剤として一般的に用いる。1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールもしくはアセトアミド−1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等のメルカプトテトラゾール類も有効である。アリールチオスルフィネート類(トリル−チオスルホネート、またはトリルチオスルフィネートもしくはそれのエステル類等、のアリールスルフィネート類)も、特に有用である。
【0056】
本発明の材料を、当該技術分野のおいて公知のいずれの方法およびいずれの組合せでも、写真要素に用いることができる。典型的には、この写真材料を、ハロゲン化銀乳剤に組み入れ、この乳剤を層として支持体上に塗布し写真要素の一部を形成する。あるいは、この材料を、現像時に、この材料が、酸化した発色現像主薬等の現像生成物と反応的に組合わさる、前記ハロゲン化銀乳剤層に隣接する位置に組み入れることができる。このように、本明細書で用いるように、「組合わさる」の用語は、化合物が、ハロゲン化銀乳剤層、もしくは処理時にハロゲン化銀現像生成物と反応できる隣接位置に存在することを意味する。
【0057】
種々の成分の移動をコントロールするため、成分分子中に高分子量の疎水性物質もしくは「バラスト」基を含むことが望ましい。代表的なバラスト基には、置換または非置換の炭素数8〜40のアルキルもしくはアリール基が含まれる。代表的な、それらの基上の置換基には、典型的に炭素数1〜40である、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルホンアミド、およびスルファモイル基が含まれる。また、そのような置換基は、更に置換されていても良い。
【0058】
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、置換可能な水素を持つ基(例えば、アルキル、アミン、アリール、アルコキシ、複素環等)を同一視することによるいずれの言及する置換基も、それらの置換基の非置換形態ばかりでなく、それらの、いずれの写真的に有用な置換基で置換した形態をも包含すると理解される。通常、前記置換基は炭素数30未満であり、典型的には、20未満である。
【0059】
置換基の典型例には、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキルが含まれ、更に典型的な例は、ハロゲン、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環式オキシ、シロキシ(siloxy)、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環式チオ、スピロ化合物残基および架橋炭化水素化合物残基である。
【0060】
この写真要素は、単色要素もしくは好ましくは多色要素となることができる。
多色要素は、スペクトルの三原色の領域のそれぞれに感度を有する画像色素生成ユニットを持つ。各ユニットは、与えられるスペクトル領域に感度を有する単一乳剤層もしくは複数の乳剤層を含む。前記要素の層(画像生成ユニットの層を含む)を、当該技術分野において知られている種々の順序で配列することができる。別のフォーマットでは、スペクトルの三原色領域のそれぞれに感度を有する乳剤を単一のセグメント層として配置することができる。
【0061】
典型的な多色写真要素は、それと組合わさる少なくとも一つのシアン色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るシアン色素画像生成ユニット、それと組合わさる少なくとも一つのマゼンタ色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るマゼンタ色素画像生成ユニット、およびそれと組合わさる少なくとも一つのイエロー色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの青感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るイエロー色素画像生成単位を坦持する支持体から成る。
【0062】
本発明の実施では、シアン、マゼンタ、およびイエロー色素画像生成ユニットの一つ以上を、その補色(それぞれ、赤、緑、および青)以外のスペクトル領域に対して分光増感しても良いことが考えられる。特に、米国特許第4,619,892号(Simpson 等)公報に記載するように、色素画像生成ユニットの一つ以上を、赤外のスペクトル領域に対して増感しても良い。この写真要素は、フィルター層、中間層、上塗り層、下引き層等の追加の層を含むことができる。
【0063】
本発明の写真要素に用いることができる典型的なカプラー、安定剤、およびカプラー溶剤は、以下に示すものである:
【0064】
【化1】
【0065】
【化2】
【0066】
【化3】
【0067】
【化4】
【0068】
【化5】
【0069】
【化6】
【0070】
【化7】
【0071】
【化8】
【0072】
【化9】
【0073】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
安定剤
【0077】
【化12】
【0078】
【化13】
【0079】
必要ならば、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure )、アイテム 34390 1992 年11月,(Kenneth Mason Publication Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England によって出版) に記載されるように、この写真要素を塗布した磁性層と一緒に用いることもできる。
本発明の要素に関連して、種々のタイプの硬膜剤が有用である。特に、ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、1,2−ビス(ビニルスルホニル−アセトアミド)エタン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン、トリアクリロイルトリアジン、およびピリジニウム,1−(4−モルホリニルカルボニル)−4−(2−スルホエチル)−,分子内塩が有用である。また、米国特許第4,418,142号、同4,618,573号、同4,673,632号、同4,863,841号、同4,877,724号、同5,009,990号および同5,236,822号各公報に開示されている、いわゆる即動型硬膜剤も有用である。
【0080】
カップリング脱離基は、当該技術分野では周知である。これ等の基は、カプラーの化学当量を決定(即ち、それが、二当量カプラーであるか、もしくは四当量カプラーであるかどうか)することができ、またはカプラーの反応性を改良することができる。それらの基は、カプラーから放出された後に、色素生成、色素色相調節、現像促進もしくは抑制、漂白促進もしくは抑制、電子移動促進、色補正等の機能を果たすことにより、カプラーが塗布されている層もしくは写真記録材料中の他の層に、有利な影響を及ぼすことができる。
【0081】
カップリング位置に水素があると、四当量カプラーを提供し、もう一つのカップリング脱離基があると、通常二当量カプラーを提供する。そのようなカップリング脱離基の代表的クラスには、例えば、クロロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロ−オキシ、スルホニルオキシ、アシルオキシ、アシル、ヘテロシクリル、スルホンアミド、メルカプトテトラゾール、ベンゾチアゾール、メルカプトプロピオン酸、ホスホニルオキシ、アリールチオ、およびアリールアゾが含まれる。これらのカップリング脱離基は、当該技術分野の例えば、米国特許第2,455,169号、同3,227,551号、同3,432,521号、同3,476,563号、同3,617,291号、同3,880,661号、同4,052,212号、および同4,134,766号;並びに英国特許公報および公開された出願明細書第1,466,728号、同1,531,927号、同1,533,039号、同2,006,755A号および同2,017,704A号に記載されている(参照することにより本明細書の内容とする)。
【0082】
酸化した発色現像主薬と反応してマゼンタ色素を生成するカプラーは:
米国特許第2,600,788号、同2,369,489号、同2,343,703号、2,311,082号、同2,908,573号、同3,062,653号、同3,152,896号、同3,159,429号各公報および「Farbkuppler-Eine Literatur Ubersicht」、Agfa Mitteilungen 発行、Band III、126-156 頁(1961)、のような代表的な特許公報および刊行物に記載されている。好ましくは、その様なカプラーは、酸化した発色現像主薬と反応してマゼンタ色素を生成するピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類、もしくはピラゾロベンゾイミダゾール類である。
【0083】
特に好ましいカプラーは、1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾール、および1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールである。1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾールカプラーの例は、英国特許第1,247,493号、同1,252,418号、同1,398,979号、米国特許第4,443,536号、同4,514,490号、同4,540,654号、同4,590,153号、同4,665,015号、同4,822,730、同4,945,034号、同5,017,465号、および同5,023,170各公報に記載されている。1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールの例は、欧州特許出願第176,804号、同177、765号明細書、米国特許第4,659,652号、同5,066,575号、および同5,250,400号各公報に見出すことができる。
【0084】
典型的なピラゾロトリアゾールカプラーを、次式のマゼンタ−1で表わす:
【0085】
【化14】
【0086】
(式中、R1 およびR2 は、独立して、Hもしくは置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;そして
Za 、Zb 、およびZc は、独立して、置換メチン基、=N−、=C−、もしくは−NH−である、但し、Za −Zb 結合もしくはZb −Zc 結合のいずれか一方が二重結合であり、他方が単結合であり、そしてZb −Zc 結合が炭素−炭素二重結合で有る場合には、それは芳香環の一部を形成することができ、そしてZa 、Zb 、およびZc の少なくとも一つが、基R2と結合するメチン基を表わすことを条件とする)
酸化した発色現像主薬と反応してイエロー色素を生成するカプラーは:
米国特許第2,875,057号、同2,407,210号、同3,265,506号、2,298,443号、同3,048,194号、3,447,928号公報および「Farbkuppler-Eine Literatur Ubersicht」、Agfa Mitteilungen 発行、Band III、112-126 頁(1961)、のような代表的な特許公報および刊行物に記載されている。そのようなカプラーは、典型的に開鎖ケトメチレン化合物である。
【0087】
特に好ましいものは、例えば、欧州特許出願第482,552号、同510,535号、同524,540号、同543,367号各明細書、および米国特許第5,238,803号公報に記載されるイエローカプラーである。
典型的な好ましいイエローカプラーを、次式で表わす:
【0088】
【化15】
【0089】
(式中、R3 、Z1 およびZ2 は、それぞれ置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;
Yは、アリール基もしくは複素環式基を表わし;
Z3 は、>N−と一緒に、窒素含有複素環式基を形成するのに必要な有機残基であり;そして
Qは、3員〜5員の炭化水素環もしくは環中にN、O、SおよびPから選ばれる少なくとも一種類のヘテロ原子を持つ3員〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わす)
特に好ましいものは、Z1 およびZ2 がそれぞれ独立してアルキル基、アリール基もしくは複素環式基である場合である。
【0090】
米国特許第2,367,531号、同2,423,730号、同2,474,293号、同2,772,162号、同2,895,826号、同3,002,836号、同3,034,892号、同3,041,236号、同4,883,746号公報、および「Farbkuppler-Eine Literatur Ubersicht」、Agfa Mitteilungen 発行、Band III、156-175 頁(1961)、
のような代表的な特許公報および感光物に記載されている、酸化した発色現像主薬と反応してシアン色素生成するカプラーのような画像色素生成カプラーを前記要素に含むことができる。好ましくは、そのようなカプラーは、酸化した発色現像主薬と反応してシアン色素生成するフェノール類およびナフトール類である。
【0091】
更に好ましいものは、例えば、欧州特許出願第544,322号、同556,700号、同556,777号、同565,096号、同570,006号および同574,948号各明細書に記載されるシアンカプラーである。
典型的な好ましいシアンカプラーを、次式で表わす:
【0092】
【化16】
【0093】
(式中、R4 、R8 およびR11は、それぞれ水素もしくは置換基を表わし;
R5 は、置換基を表わし;
R6 、R7 およびR10は、それぞれ0.2以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし、かつR6 およびR7 のσpara値の合計は0.65以上であり;
R9 は、0.35以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基を表わし;
Z4 は、少なくとも一つの解離基を持つ窒素含有6員複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わし;
Zd は、−C(R10)=および−N=を表わし;そして
Ze およびZf は、それぞれ−C(R11)=および−N=を表わす)
解離基は、好ましくは水中で3〜12のpKa値を持つ酸性プロトン(例えば、−NH−、−CH(R)−、等)を有する。ハメット則は、置換基を有しているベンゼン誘導体の反応もしくは平衡に関する置換基の影響を定量的に議論する目的で、L. P. Hammett によって提唱されている経験則である。このルールは広範囲に受け入れられている。ハメット置換基定数値は、文献に記載されているように認めるか、測定することができる。例えば、C. Hansch および A.J. Leo による、J. Med. Chem., 16, 1207(1973) ;J. Med. Chem., 20, 304(1977);および J.A. Deanによる、Lange's Handbook of Chemistry, 12 版. (1979)(McGraw-Hill) を参照されたい。
【0094】
米国特許第4,301,235号;同4,853,319号および同4,351,897号各公報に記載されるもののような、公知のバラスト基もしくはカップリング脱離基のいずれも有することができるカプラーの組合せを用いることは有用であろう。
本発明の材料を、処理工程(例えば、漂白もしくは定着)を促進もしくは改良して画像品質を改良する物質と一緒に用いることもできる。欧州特許第193,389号、同301,477号;米国特許第4,163,669号、同4,865,956号、および同4,923,784号の各公報に記載されるような漂白促進剤放出型カプラーが有用である。また、考えられることは、核生成剤、現像促進剤もしくはそれ等の先駆物質(英国特許第2,097,140号、同2,131,188号各公報)、電子移動剤(米国特許第4,859,578号、同4,912,025号各公報)、カブリ防止剤および混色防止剤(ヒドロキノン、アミノフェノール、アミン、没食子酸の誘導体;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド;スルホンアミドフェノール等)、および非カラー生成カプラー、と組合わさる組成物の使用である。
【0095】
適当なヒドロキノンカラーカブリ抑制剤には、これらに限定されないが、欧州特許第69,079号;同98,241号;同265,808号;特開昭61−233744号;同62−178250号;および同62−178257号各公報に開示されている化合物が含まれる。更に、特に考えられるものは、1,4−ベンゼンジペンタン酸,2,5−ジヒドロキシ−D,D,D’,D’−テトラメチル−,ジヘキシルエステル;1,4−ベンゼンジペンタン酸,2−ヒドロキシ−5−メトキシ−D,D,D’,D’−テトラメチル−,ジヘキシルエステル;および2,5−ジメトキシ−D,D,D’,D’−テトラメチル−,ジヘキシルエステルである。更に、本発明の材料を、米国特許第4,992,358号;同4,975,360号;および同4,587,346号各公報に記載されるような、いわゆる液体紫外線吸収剤と共に用いることができることが企図される。
【0096】
本発明の要素と一緒に種々の退色抑制剤を用いることができる。有機退色抑制剤の典型的な例には、ヒドロキノンに代表されるヒンダードフェノール類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクロマン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類およびビスフェノール類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、アミノフェノール類、ヒンダードアミン類、および上記化合物のフェノール性ヒドロキシ基をシリル化、アルキル化もしくはアシル化することにより得られるエーテルまたはエステル誘導体が含まれる。また、(ビス−サリチルアルドキシメート)ニッケル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバメート)ニッケル錯体に代表される金属錯体塩類も、退色抑制剤として使用できる。
【0097】
有機退色抑制剤の具体的な例を以下に表わす。例えば、ヒドロキノン類の例は、米国特許第2,360,290号;同2,418,613号;同2,700,453号;同2,701,197号;同2,710,801号;同2,816,028号;同2,728,659号;同2,732,300号;同2,735,765号;同3,982,944号;および同4,430,425号;並びに英国特許第1,363,921号、等の公報に記載されており;6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクロマン類、スピロクロマン類は、米国特許第3,432,300号;同3,573,050号;同3,574,627号;同3,698,909号および同3,764,337号;並びに特開昭52−152225号等の公報に開示されており;スピロインダン類は、米国特許第4,360,589号公報に開示されており;アルコキシフェノール類の例は、米国特許第2,735,765号;英国特許第2,066,975号;特開昭59−010539および同57−019765等の公報に開示されており;ヒンダードフェノール類は、米国特許第3,700,455号;同4,228,235号;特開昭52−072224号および同52−006623号等の公報に記載されており;没食子酸誘導体、メチレンジオキベンゼン類およびアミノフェノール類は、米国特許第3,457,079号;同4,332,886号;および特開昭56−021144号の公報にそれぞれ開示されており;ヒンダードアミン類は、米国特許第3,336,135号;同4,268,593号;英国特許第1,326,889号;同1,354,313号および同1,410,846号;特開昭51−001420号;同58−114036号;同59−053846号;同59−078344号等の公報に開示されており;フェノール性ヒドロキシ基のエーテルもしくはエステル誘導体の例は、米国特許第4,155,765号;同4,174,220号;同4,254,216号;同4,279,990号;特開昭54−145530号;同55−006321号;同58−105147号;同59−010539号;同57−037856号;同53−003263号等の公報に開示されており;そして金属錯体の例は、米国特許第4,050,938号および同4,241,155号の公報に開示されている。
【0098】
本発明の要素と一緒に、種々のタイプのポリマー添加物を有利に使用することができた。最近の特許公報(特に、カラーペーパーに関するもの)には、カプラー分散体中で油溶性水不溶性ポリマーを使用して、光、熱および湿度に対する安定性、並びに耐摩耗性を含むその他の利点、および製品の製造性を改良することが記載されている。これらは、例えば、欧州特許第324,476号、米国特許第4,857,449号、同5,006,453号および同5,055,386号各公報に記載されている。好ましい態様では、イエローもしくはシアン画像カプラー、永久溶剤、並びに高ガラス転位温度および中位分子量(約40,000)を有するビニルポリマーを、一緒に酢酸エチルで溶解して、この溶液を、ゼラチンおよび界面活性を含んだ水溶液中に乳化し、微粒子を得て、前記酢酸エチルを蒸発により除去する。好ましいポリマーには、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)およびポリ(メチルメタクリレート)が含まれる。
【0099】
本発明のコンセプトを、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure ) Item 18716, 1979 年11月,(Kenneth Mason Publication Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England によって出版) に記載される反射カラープリントを得るために用いることもできる。本発明の材料を、米国特許第4,917,994号公報に記載するpH調製した支持体上に塗布した写真要素;酸素透過性を減らした支持体上に塗布した写真要素(欧州特許第553,339号公報);エポキシ溶剤(欧州特許第164,961号公報);ニッケル錯体安定剤(例えば、米国特許第4,346,165号;同4,540,653号および同4,906,559号公報);カルシウム等の多価カチオン二対する感受性を減らす、米国特許第4,994,359号公報に有るようなバラスト化したキレート剤;および米国特許第5,068,171号公報に記載されているような汚染減少化合物;と組み合せて用いることができる。
【0100】
本発明と組み合せるのに有用なその他の化合物は、以下の受け入れ番号を持つ Derwent Abstractsに記載される日本国特許公開公報に開示されている。即ち:90−072,629、90−072,630;90−072,631;90−072,632;90−072,633;90−072,634;90−077,822;90−078,229;90−078,230;90−079,336;90−079,337;90−079,338;90−079,690;90−079,691;90−080,487;90−080,488;90−080,489;90−080,490;90−080,491;90−080,492;90−080,494;90−085,928;90−086,669;90−086,670;90−087,360;90−087,361;90−087,362;90−087,363;90−087,364;90−088,097;90−093,662;90−093,663;90−093,664;90−093,665;90−093,666;90−093,668;90−094,055;90−094,056;90−103,409;83−62,586;83−09,959である。
【0101】
本発明を、水中油滴型分散体、ラテックス分散体として、もしくは固体粒子分散体のいずれかとして、コロイド状銀ゾルまたはイエロー、シアンおよび/もしくはマゼンタフィルター色素を含んでなるフィルター色素層と一緒に用いることもできる。更に、「スミアリング(smearing)」カプラー(例えば、米国特許第4,366,237号;欧州特許第96,570号;米国特許第4,420,556号;および同4,543,323号各公報)と一緒に用いることもできる。またこの組成物を、例えば、特願昭61−258249もしくは米国特許第5,019,492号各公報に記載される保護型にブロックもしくはコートすることができる。
【0102】
多くのハロゲン化銀写真フィルムシステムでは一般的に、赤、緑、および/もしくは青光を吸収する水溶性色素を含んでいる。これの色素は、処理中に洗浄もしくは漂白のいずれかにより、処理時にフィルムから除去されるので、最終画像の一部ではない。そのような色素の例には、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スチリル色素、メロシアン色素、シアニン色素、およびアゾ色素が含まれる。これらの色素の中で、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素およびメロシアン色素が最も有用である。これらの色素はフィルム中で一つ以上の機能を有する。これらが僅かに存在すると、それらの濃度、吸光係数および分光吸収特性に比例して光を減少させるのに役立つことができる。このことは、予め分光増感されている乳剤の感度を調節する目的として有効となることができる。この色素を添加すればするほど光を吸収するので、乳剤は、より低感度を示すであろう。このことは、最適な色バランスが得られるように、規定された感度ポイントに対し、各ハロゲン化銀乳剤の感度を正確に調節する手段として、カラーリバーサル材料において特に有用である。同じ技法は、カラーペーパーの別のバッチを処理する際に、プリンターバランスを維持できるように、規定された感度に対し乳剤スピードを調節するカラーペーパーにおいても有用である。
【0103】
また、これらの色素が僅かに存在すると、処理後に得られる画像の鮮鋭度を改良する。この色素は、支持体もしくはハロゲン化銀粒子それ自体のいずれかとの相互作用中に散乱している露光プロセス中の光を吸収するのにも有用である。従って、これらの色素が存在すると、散乱光を吸収することによって行われる露光から離れた点での、ハロゲン化銀粒子の露光を防止するのに役に立つ。このコンセプトは、支持体が高反射性であり、ハロゲン化銀乳剤によって吸収されていない散乱光を吸収するためのハレーション防止層がないカラー写真要素では、特に有効である。
【0104】
これらの色素は、拡散もしくは漂白によって除去できるように、塗布時もしくは処理時に水溶性であり、またはこれらの色素を処理中に可溶性にすることができる。これらの色素を色素分散体として、もしくは固体粒子色素分散体として含めることができる。また、ポリマー中に組込むこともできる。
本発明の写真要素では、これらの色素を、要素のどの層にも含ませることができる。
【0105】
画像鮮鋭度を改良するために、ハレーション防止を含むことが良くある。これらの非画像生成層は、一般的に、ハロゲン化銀画像生成層と支持体との間に置かれる。ハレーション防止層は、親水性ゼラチンバインダー、ポリマーもしくは可溶性色素、漂白性色素、最終的に分離されるブラックコロイド状銀粒子、または他の可視光もしくは赤外光吸収物質等の一種以上の材料を含有するポリマーを混合したゼラチンを含んでなる。この層のより詳細な説明は、欧州特許第578,173号公報に見ることができる。この層は、露光プロセス時に、ハロゲン化銀画像生成乳剤によって吸収されない光を吸収し、ハレーションを防止する。このハレーション防止プロセスにより、光の散乱、非像様露光を減らし、得られる最終画像の鮮鋭度を高める。
【0106】
露光後、そして処理中に、光吸収物質を可溶性にして、要素外への拡散を起こさせるか、もしくは化学的に漂白して脱色するかのいずれかにより、この層を透明にする。
適当ないずれのベース材料も、本発明のカラーペーパーに用いることができる。典型的には、ベース材料は、紙もしくはポリエステルから作られる。この紙を樹脂コートしても良い。更に、この紙ベース材料を、二酸化チタンを含浸させたポリエチレンのように、観者に画像を明るく見せる様にする反射材料でコートしても良い。加えて、この紙もしくは樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)等の安定剤、色味、硬化剤もしくは酸素障壁剤提供材料を含有しても良い。本発明に用いる特定のベース材料は、ハロゲン化銀カラーペーパーに通常用いられるいずれの材料であっても良い。そのような材料は、リサーチディスクロージャー308119、1989年12月、1009ページに開示されている。加えて、ポリエチレンナフタレートのような材料並びに米国特許第4,770,931号;同4,942,005号;および同5,156,905号各公報に記載されている材料も使用することができる。
【0107】
感光性写真要素に親水性コロイド層を含有させると、いくつかの利点を提供することができる。コロイド層を適当に設計すると、鮮鋭度を増加し、カールを減少させ、そして画像安定性を改良することができる。
この親水性コロイド層は、白色顔料約80重量%および平均直径約0.2〜約2.0μmを有する中空微小球体約15〜約35重量%を含有する。いずれの適当な白色顔料、例えば、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、銀フレーク、シリケート、アルミナ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アセチル酢酸ジルコニウム、硫酸ナトリウムジルコニウム、カオリン、マイカ、二酸化チタン、等を用いることができる。二酸化チタンのアナターゼおよびルチル結晶形態が好ましい。その白色度のため、アナターゼ形態が最も好ましい。この白色顔料は、好ましくは、平均粒子サイズ約0.1〜約1.0μm、最も好ましくは、約0.2〜約0.5μmを有する方が良い。
【0108】
上記したように、また、親水性コロイド層は、平均直径2μm未満、好ましくは約0.1〜約1μm、最も好ましくは約0.25〜約0.8μmを有する中空微小球体を約15〜約35重量%含有する。この微小球体は、高分子壁を持つ中空もしくは空気含有マイクロカプセルポリマーである。いずれの適当な高分子材料、例えば、塩化ポリビニル、ポリスチレン、酢酸ポリビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、酢酸セルロース、エチルセルロース、直鎖ポリマー形態を持つノボラック樹脂、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等)、上記特定のものを含むエチレン系不飽和モノマーを適当に組み合せてコポリマー、等を用いることができる。本発明の使用に特に適した微小球体は、スチレンおよびアクリル酸のコポリマーから製造されるもの(ROPAQUE OP-42, OP-62およびOP-84 の商品名で、Rohom and Haas Companyにより販売されている)である。
【0109】
この親水性コロイド層の堆積に特に適した塗膜組成物は、アナターゼ二酸化チタン約10〜20重量部(UNITANE 0-310 の商品名で、Kemira Inc., Savanna Ga., から販売されているものが特に好ましい);水分散体中に固体粒子が均一に分布するのを助ける適当な分散助剤約0.015〜約0.045重量部(DISPEX N-40 の商品名でAllied Colloids から販売されているポリカルボン酸のナトリウム塩と、TSPPの商品名でFMC から販売されているピロ燐酸四ナトリウムとの混合物が特に有用な分散助剤である);適当な制生剤約0.001〜約0.0025重量部(Ottaseptの商品名でFerro Corp. から販売されているものが特に適している);ゼラチン約3〜約5重量部;中空微小球体約6.5〜約8重量部(POPAQUE OP-84 の商品名でRohom and Haas Companyから販売されているものが特に適している);蛍光増白剤約0.04〜約0.07重量部(UVITEX-OB の商品名でChiba-Geigy から市販されているものが特に適している);シアンおよびマゼンタ着色顔料の組合せ約0.001〜約0.003重量部(TINT-AYD WD-2018の商品名でDaniel Products Company から市販されているもの);および塗膜組成物を100部にするための水、からなる水分散体を含む。
【0110】
親水性コロイド層を作成する塗膜組成物の好ましい調製方法では、白色顔料、分散剤および殺生剤を、メディアミルもしくは他の適当な高剪断装置で、水に十分に混合する。次にこの顔料分散体を、微小球体、蛍光増白剤、着色助剤、等を含む残りの成分と混合し、予め溶解しているゼラチンに加える。次の表に好ましい塗膜溶解組成物を示す。
【0111】
【表1】
【0112】
ポリエステル支持体は透明もしくは多孔性となることができる。ポリエチレンテレフタレート等の透明支持体が、Mylar (商標)としてE. I. DuPontより、そしてEastar(商標)として Eastman Kodak Co.より製造されている。酢酸ポリビニル、塩化ポリビニル等のその他の透明支持体もしくはアセテートフィルム等のキャスト支持体を、一般的に用いることができる。更に、これらの支持体を、支持体の表面に反射層を与えるために、硫酸バリウム、二酸化シリコンもしくは二酸化チタンの粒子、またはその他の高反射性小粒子で含浸したポリエチレン等の樹脂コート層で処理することができる。この反射層を、水性もしくは非水性溶液から押出成形または塗布することができる。
【0113】
多孔性支持体(例えば、E. I. DuPont製 Melinex(商標))を用いても良い。
これらの支持体は、支持体材料を硫酸バリウムもしくはポリスチレンビーズで、シート形成の前に予備混合することにより作成される。シート形成時に、支持体材料を延伸して、固体粒子は延伸できないので、その回りの材料がシートの中に引っ張られると、微小孔を形成する。これらの微小孔は、光を散乱するのに有効である(即ち、反射支持体材料を生じる)。
【0114】
本発明のカラーペーパーは、任意の通常の解こう剤物質を用いることができる。カラーペーパーにおいて、解こう剤およびキャリヤーとして用いられる典型的な物質はゼラチンである。そのようなゼラチンは、カラーペーパーに普通に使用するどのゼラチンであっても良い。好ましいものは、オセインゼラチンである。更に、本発明のカラーペーパーは、米国特許第4,490,462号公報等に記載されている制生剤、殺菌剤、安定剤、中間層、上塗り保護層を含む、カラーペーパーにおいて典型的に使用される材料等を有することができる。
【0115】
本発明の要素と一緒に、直鎖構造および分子量10,000〜15,000を持ち、適当な界面活性剤と組み合せてゼラチン中に分散されている、ポリジメチルシロキサン流体(Dow Corning 製 DC200:商標)を含有する上塗り層を使用することが企図される。好ましい態様では、ポリジメチルシロキサンの通常の水中油滴型分散体を、解こう剤としてゼラチンおよび界面活性剤としてAlkanol XC(商標)(E. I. DuPont Co.)、Fluortenside FT-248 (商標)(Mobay Chemical Co.)、およびTergitol 15-S-5 (商標)(Continental Chemical Co.)を用いて作成する。
【0116】
写真要素を、化学線(典型的にスペクトルの可視領域)に対して露光し、潜像を形成し、その後処理して可視色素画像を形成することができる。可視色素画像を形成する処理には、写真要素を発色現像主薬と接触させて現像可能なハロゲン化銀を還元し、発色現像主薬を酸化する工程を含む。酸化した発色現像主薬は、次にカプラーと反応して色素を生成する。
【0117】
ネガ型ハロゲン化銀を用いると、上記処理工程によりネガ画像が得られる。記載を、British Journal of Photography Annual of 1988, 191-198ページに記載するように公知のC-41カラー処理で処理することができる。適用できる場合、この写真要素を、British Journal of Photography Annual of 1988, 198-199ページに記載される Eastman Kodak Co.の RA-4 処理、Kodak Ektaprint 薬剤を用いる、Kodak Publication No. Z-122 に記載される Kodak Ekutaprint 2 Process 、およびKodak Publication No. H-24、Manual For Processing Eastman Color Films に記載される Kodak ECP Process等のカラープリント処理に従って処理することができる。
【0118】
ポジ画像(即ち、リバーサル)を提供するためには、発色現像工程の前に、露光済みハロゲン化銀を現像するために非発色現像主薬で現像(しかし、色素を生成しない)し、次にこの要素を均一にカブらせて、未露光ハロゲン化銀を現像可能にすることができる。
これらのカラー写真システムでは、カラー生成カプラーを、現像時に、銀像現像により酸化した発色現像主薬と反応させることが、感光性写真乳剤層中で可能となるように、乳剤層に組み入れる。画像転写カラープロセスでは、受容シートに移動もしくは定着可能な拡散性色素を生成するカプラーを用いる。
【0119】
写真用カラー感光性材料は、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物および沃化物)が、少なくとも二種類のハロゲン化銀の混合物もしくは組合せとして存在するハロゲン化銀乳剤をしばしば用いる。この組合せは、ハロゲン化銀乳剤の性能特性に著しい影響を与える。米国特許第4,269,927号(Atwell)公報(1981年5 月26日発行)に説明されるように、高塩化物含量のハロゲン化銀(即ち、ハロゲン化銀粒子が少なくとも80モル%塩化銀である)は、多くの非常に有利な特性を有している。例えば、塩化銀は、臭化銀よりも、スペクトルの可視領域において本来的に感度が低く、これにより、多色感光性写真材料からイエローフィルター層を省略できる。更に、高塩化物ハロゲン化銀は、高臭化物ハロゲン化銀より可溶性であり、これにより、短時間で現像を達成することができる。更に、現像液中に塩化物が放出されても、臭化物に比べて現像の作用を抑制することが少なく、消耗する現像液量を少なくするように使用することができる。
【0120】
感光性ハロゲン化銀カラー写真材料の処理は、発色現像(感光性カラーリバーサル材料では、最初に白黒現像が必要である)および脱銀の基本的に二つの工程を含んでいる。脱銀段階は、現像済み銀をイオン性の銀状態に戻す漂白工程および前記感光性材料からイオン性銀を除去する定着工程を含む。漂白工程および定着工程を、単独もしくは漂白および定着工程を組み合せて使用できる単浴の漂白−定着工程に組み合せることができる。必要ならば、洗浄工程、停止工程、安定化工程および促進現像に対する前処理工程等の追加の工程を加えることができる。
【0121】
発色現像では、露光済みハロゲン化銀が銀に還元され、同時に酸化した芳香族一級アミン発色現像主薬が、上記反応により消費されて画像色素を生成する。このプロセスでは、銀粒子に由来するハロゲン化物イオンが現像液中に溶解し、そこで少しづつ蓄積する。更に、発色現像主薬が、前記の酸化発色現像主薬とカプラーとの反応により消費される。加えて、発色現像液の他の成分も消費され、追加の現像が起きると、次第に濃度が低下する。バッチ処理法では、現像液の能力は、ハロゲン化物イオンが蓄積し、現像液成分が消費される結果として、最終的に低下する。従って、大量の感光性ハロゲン化銀写真材料を連続的に処理する現像法(例えば、自動現像プロセッサーによる場合)では、前記成分の濃度変化により生じる仕上げ写真性能の変化を避けるため、発色現像液の成分濃度を一定範囲に維持するいくつかの手段を必要とする。
【0122】
例えば、処理タンク中の現像液を、補充液と呼ぶ別の溶液を用いて、「定常状態平衡濃度」で維持することができる。現像される感光性写真材料の量に比例する割合で補充液をタンク中に計量して補給することにより、良好な性能を与える濃度範囲内で組成物を平衡に維持することができる。現像主薬および保恒剤等の消耗される成分の場合、タンク濃度より高い濃度の組成で、補充液を調製する。いくつかの場合では、現像を抑制する効果を持つ物質が乳剤層を離れるので、補充液ではより低濃度で存在するか、あるいは全く存在しない。他の場合では、感光性写真材料から洗い出る物質の影響を除くために、補充液中に材料を含有することができる。更に別の場合、例えば、アルカリ、もしくは消耗しないキレート剤の濃度の場合、補充液のその成分は、処理タンクと同じ濃度である。典型的に、補充液は、最適な値でタンクpHを維持できるように現像およびカップリング反応時に放出される酸のために、より高いpHを有する。
【0123】
同じように、また、補充液は次の漂白、定着剤および安定剤溶液のために設計されている。消耗する成分の追加に加えて、成分を追加して、感光性写真材料によって前浴溶液がタンクに持ち込まれる場合に生じるタンクの希釈を補正する。
以下の処理工程を、本発明の処理溶液を適用する方法で実施される好ましい処理工程に含めることができる:
1)発色現像、漂白−定着、洗浄/安定化
2)発色現像、漂白、定着、洗浄/安定化
3)発色現像、漂白、漂白−定着、洗浄/安定化
4)発色現像、漂白−定着、定着、洗浄/安定化
5)発色現像、漂白、漂白−定着、定着、洗浄/安定化
上記処理工程の中で、工程1)、2)および3)が適用するのに好ましい。更に、上記各工程を、多段階プロセッサーの補充および操作のために、平流、向流、および逆相互配列を備えた、米国特許第4,719,173号(Hahm)公報に記載される多段階用途で用いることができる。あるいは、本発明の要素を、米国特許第5,179,404号(Bartell 等)公報に記載される処理装置で有利に処理する。
【0124】
本発明の使用する発色現像液は、芳香族一級アミン発色現像主薬を含有することができ、それは周知であり、種々のカラー写真処理において広く用いられる。好ましい例は、p−フェニレンジアミン誘導体である。塩の形がより安定であり、遊離アミンよりも高い水溶性を有するので、通常、塩の形でその処方にそれ等を加える。列挙した塩の中で、p−トルエンスルホネートが、発色現像主薬を高濃度化する見地からむしろ有用である。代表的な例を以下に示す:
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩、
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリンセスキ硫酸塩水和物、
4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、
4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、
4−アミノ−3−β−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩,および
4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸。
【0125】
上記発色現像主薬の中で、最初の二つを使用するのが好ましい。上記の発色現像主薬を、用途目的に合うように組み合せて使用する場合もある。
一般的に発色現像主薬を、現像液1リットル当り0.0002〜0.2モル、より好ましくは、約0.001〜0.05モルの濃度で用いる。
また、現像液は、0.006〜0.33モル/l、好ましくは0.02〜0.16モル/lの範囲で塩化物イオンを、0〜0.001モル/l、好ましくは2×10-5〜5×10-4モル/lの範囲で臭化物イオンを含有する方が良い。これらの塩化物イオンおよび臭化物イオンを、直接現像液に加えても良く、または写真材料から現像液中に溶出させても良く、乳剤もしくは乳剤以外の他の供給源から供給しても良い。
【0126】
塩化物イオンを直接発色現像液に加える場合、この塩化物イオン供給塩を、限定はされないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウム、とすることができ、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムが好ましい。
臭化物イオンを直接に発色現像液に加える場合、この臭化物イオン供給塩を、限定はされないが、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウムおよび臭化マンガンとすることができ、臭化ナトリウムおよび臭化カリウムが好ましい。
【0127】
塩化物イオンおよび臭化物イオンを、現像液のもう一つの成分の対イオン(例えば、汚染減少剤の対イオン)として供給することができる。
好ましくは発色現像液のpHは、9〜12、寄り好ましくは9.6〜11.0の範囲であり、通常の現像液の他の公知の成分を含有することができる。
上記pHを維持するため、好ましくは、種々の緩衝剤を用いる。列挙できる緩衝剤の例には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸二カリウム硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、四硼酸ナトリウム(ボラックス)、四硼酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)および5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)が含まれる。好ましくは、添加する緩衝の量は、0.1モル/l〜0.4モル/lである。
【0128】
現像液の追加の成分には、現像液の変質を防止する保恒剤が含まれる。この「保恒剤」は、一般的に、発色現像主薬の変質の速度を減少することができる化合物として特徴付けられる。カラー写真材料の処理液にそれを添加すると、空気中の酸素により引き起こされる酸化を防止する。本発明に用いる現像液は、有機保恒剤を含有するのが好ましい。特定の例には、ヒドロキシルアミン誘導体(但し、後で記載するヒドロキシルアミンを除く)、ヒドラジン類、ヒドラジド類、ヒドロキサム酸類、フェノール類、アミノケトン類、サッカリド類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物、および縮合環型アミン類が含まれる。
【0129】
上記の好ましい有機保恒剤では、典型的な化合物は下記のものであるが、本発明は、これらに限定されない。下記化合物を、0.005〜0.5モル/l、好ましくは0.025〜0.1/lの濃度で加えることが望ましい。
ヒドロキシルアミン誘導体としては、次のものが好ましい:
【0130】
【化17】
【0131】
(式中、Ra およびRb は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換のヘテロ芳香族基を表わし、同時には水素原子を表わさず、そして一緒になって窒素原子と共に複素環を形成することができる)
複素環の環構造は、5〜6員環であり、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等から作られ、飽和もしくは不飽和であっても良い。
【0132】
Ra およびRb は、それぞれ、炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルケニル基を表わすのが好ましい。Ra およびRb が一緒に結合することにより窒素を含む複素環を形成する場合の例は、ピペリジル基、ピロリジル基、N−アルキルピペラジル基、モルホリル基、インドリニル基、およびベンゾトリアゾール基である。 Ra およびRb の好ましい置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミド基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、およびアミノ基である。
【0133】
次にこの化合物を例示する:
【0134】
【化18】
【0135】
ジドラジン類およびヒドラジド類は、好ましくは次式IIで表わされるものを含む:
【0136】
【化19】
【0137】
[式中、Rc 、Rd 、およびRe は、(これらは同一でも良く、異なっていても良い)、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換複素環式基を表わし;Rf は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を含む置換または非置換の飽和または不飽和の5員もしくは6員の複素環式基、置換もしくは非置換アルコキシル基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換カルバモイル基、または置換もしくは非置換アミノ基を表わし;Xa は、−CO−、−SO2 −および−NHC−から選ばれる二価の基を表わし、nは、0もしくは1を表わし;nが0の場合は、Rf は、アルキル基、アリール基および複素環式基から選択され;Rd およびRe は、結合して複素環式基を形成しても良い]式IIで、Rc 、Rd、Rfはそれぞれ、水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル基を表わすのが好ましい。より好ましくはRc およびRd はそれぞれ、水素原子を表わす。
【0138】
好ましくは、Rf は、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、カルバモイル基、もしくはアミノ基を表わし、より好ましくは、アルキル基もしくは置換したアルキル基を表わす。アルキル基の好ましい置換基には、カルボキシル、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、ホスホノ基等が含まれる。好ましくは、Xa は、−CO−もしくは−SO2 −を表わす。
【0139】
式IIによって表わされるヒドラジン類およびヒドラジド類の具体例を次に示す:
【0140】
【化20】
【0141】
【化21】
【0142】
使用することができるその他の有機保恒剤は、以下の保恒剤クラスの各クラス、即ち:フェノール類、ヒドロキサム酸類、アミノケトン類、サッカリド類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物、および縮合環型アミン類、に由来する例のリストを有する米国特許第5,077,180号(Yocuda等)公報に述べられている。更に、スルフィン酸もしくはそれらの塩類を用いて、濃縮溶液中の発色現像主薬の安定性を改良することができる。これらの例は、米国特許第5,204,229号(Nakamura等)公報に記載されている。
【0143】
必要に応じて、発色現像組成物に含ませて発色現像液の安定性を改良し、安定な継続処理を確実にする更なる成分を次式III により表わす:
【0144】
【化22】
【0145】
(式中、Rg 、Rh およびRi は、それぞれ水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アラルキル基、または置換もしくは非置換複素環式基を表わし;または、Rg およびRh 、Rg およびRi 、もしくはRh およびRi を、結合して窒素含有複素環を形成しても良い)
米国特許第4,170,478号(Case等)公報に記載されているように、式III の好ましい例は、式中、Rg がヒドロキシアルキル基であり、Rh およびRi のそれぞれが、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、もしくは−Cn H2nN(Y)Z基(ここで、nは1〜6の整数であり、YおよびZのそれぞれは、水素原子、アルキル基もしくはヒドロキシルアルキル基である)、である、アルカノールアミン類である。
【0146】
式III により表わされるアミンおよびヒドロキシルアミン化合物の具体例は次の通りである:
【0147】
【化23】
【0148】
【化24】
【0149】
必要に応じて、少量の亜硫酸塩を、本発明と一緒に用いる現像組成物中に組み入れて、酸化に対してさらに保護することができる。酸化した発色現像主薬のために、亜硫酸塩が現像液中でカプラーと競争し、望ましい色素生成を少なくする結果の効果を有するという事実から、亜硫酸塩の量は、極く少量、例えば、0〜0.04モル/lの範囲であること好ましい。発色現像液組成物が、濃縮溶液を酸化から保護するために濃縮した形態に納める場合、少量の亜硫酸塩を用いることは特に望ましい。
【0150】
本発明に関して用いる場合、しばしば現像保恒剤として用いられるヒドロキシルアミンを、現像液が実質的に含まないことが好ましい。これは、ヒドロキシルアミンが、銀現像時に望ましくない効果を有し、結果として画像色素生成が低収量となるからである。「実質的にヒドロキシルアミンを含まない」とは、現像液1リットル当り、ヒドロキシルアミンが僅か0.005モル/l以下であることを意味する。
【0151】
運転している現像液の透明性を改良し、ターリング(tarring )が起きる傾向を少なくするために、現像液に水溶性スルホン化ポリスチレンを組み入れるのが好ましい。このスルホン化ポリスチレンを、遊離酸形態もしくは塩形態で用いる。スルホン化ポリスチレンの遊離酸形態は、次式の単位を含む:
【0152】
【化25】
【0153】
(式中、Xは、高分子鎖中の反復単位数を表わす整数であり、典型的に約10〜約3,000、より好ましくは約100〜1,000の範囲である。
スルホン化ポリスチレンの塩形態は、次式の単位を含む:
【0154】
【化26】
【0155】
(式中、Xは、上記定義と同じであり、Mは、例えば、アルカリ金属イオン等の一価のカチオンである)
本発明に関する現像組成物に用いられるスルホン化ポリスチレン類を、ハロゲン原子、ヒドロキシ原子、および置換もしくは非置換アルキル基等の置換基を用いて置換することができる。例えば、それ等は、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、等のスルホン誘導体となることができる。分子量がそんなに高くなく、スルホン化の程度も水性アルカリ性写真用発色現像溶液にスルホン化ポリスチレンを不溶性にするほど低くない方が良いということ以外は、分子量もスルホン化度も決められてない。典型的に平均スルホン化度、即ち反復スチレン単位当りのスルホン酸の数は、約0.5〜4、より好ましくは約1〜2.5の範囲である。種々のスルホン化ポリスチレンを用いることができ、アルカリ金属塩類に加えて、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピリジン、ピコリン、キノリン、等のアミン塩類が含まれる。
【0156】
このスルホン化ポリスチレンをいずれの有効量でも、運転中の現像液に使用することができる。典型的に、現像液1リットル当り約0.05〜約30g、より好ましくは通常約0.1〜約15g、そして更に好ましくは0.2〜約5gの量で用いる。
更に、また種々のキレート剤を現像液に加えて、カルシウムもしくはマグネシウムが沈澱するのを防止し、発色現像液の安定改良することができる。具体例は、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレン四アミン六酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドリキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジアセテートN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、カテコール−3,4,6−トリスルホン酸、カテコール−3,5−ジスルホン酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホサリチル酸である。
【0157】
写真発色現像組成物に特に有用なキレート剤は、次式のヒドロキシアルキリデン二ホスホン酸である:
【0158】
【化27】
【0159】
(式中、Rj は、アルキル基もしくは置換アルキル基である)
Rjが、エチル基である場合、好ましいキレート剤の例は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である。ヒドロキシアルキリデンジホスホン酸キレート剤は、鉄およびカルシウムの両方を効果的に封鎖する能力を持っているので、鉄を封鎖するために機能するキレート剤としても、カルシウムを封鎖するために機能するキレート剤としても役に立つことができる。米国特許第3,839,045号(Brown )公報に記載されているように、それ等を、少量のリチウム塩(硫酸リチウムもしくは塩化リチウム等)と組み合せて用いることが好ましい。キレート剤を、遊離酸の形態もしくは水溶性塩の形態で用いることができる。必要ならば、上記キレート剤を、二種類以上組み合せて用いることができる。一つの好ましい組合せが、カテコール−3,5−二スルホン酸等のポリヒドロキシ化合物のクラスと、エチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸のクラスとの組合せとして、米国特許第4,975,357号(Buongiorne等)公報において例示されている。
【0160】
本発明に関して用いられる発色現像液が、実質的に、ベンジルアルコールを含まないことが好ましい。「実質的にベンジルアルコールを含まない」とは、ベンジルアルコールの量が、2ミリリットル/l以下であることを意味するが、より好ましくはベンジルアルコールを、全く含まない方が良い。
本発明の発色現像液が、トリアジニルスチルベンタイプの汚染減少剤(しばしば、蛍光増白剤と呼ばれる)を含有することが好ましい。トリアジニルスチルベンタイプの汚染減少剤を、現像液1リットル当り、好ましくは0.2g〜10g、より好ましくは、0.4〜5g/lの範囲で用いることができる。
【0161】
更に、本発明に関連して用いられる発色現像液に化合物を加えて、現像主薬の安定性を高めることができる。これらの物質の例には、必要ならば、メチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン、ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコール、およびエチレングリコールが含まれる。
【0162】
この発色現像液が、発色現像主薬と一緒に補助現像主薬を含有しても良いことに言及する。公知の補助現像主薬の例には、例えば、硫酸N−メチル−p−アミノフェノール、フェニドン、塩酸N,N−ジエチル−p−アミノフェノールおよび塩酸N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミンが含まれる。この補助現像主薬は、典型的に、発色現像液1リットル当り0.01〜1.0gの量で添加することができる。
【0163】
発色現像液の効果を高めることが必要ならば、陰イオン性、陽イオン性、両性および非イオン性界面活性剤を含むことが好ましい。必要ならば、色素生成カプラー、競争カプラー、および水素化硼素ナトリウム等のカブリ剤を含む、種々のその他の成分を、発色現像液に加えることができる。
必要ならば、発色現像主薬は、適当な現像促進剤を含有することができる。現像促進剤の例には、米国特許第3,813,247号公報に記載するチオエーテル化合物;四級アンモニウム塩;米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同3,253,919号および同4,230,796号各公報に記載するアミン化合物;米国特許第3,532,501号公報に記載する酸化ポリアルキレン類が含まれる。
【0164】
必要ならば、カブリ防止剤を加えることができる。添加可能なカブリ防止剤には、塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム、臭化ナトリウムもしくは臭化カリウム、沃化ナトリウムもしくは沃化カリウム等のアルキル金属ハロゲン化物、および有機カブリ防止剤が含まれる。有機カブリ防止剤の代表例には、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリルベンゾイミダゾール、2−チアゾリルメチルベンゾミダゾール、インダゾール類、ヒドロキシアザインドリジン、およびアデニン等の窒素含有複素環式化合物が含まれる。
【0165】
本発明に関連して、上述の発色現像液を、好ましくは25℃〜45℃、より好ましくは35℃〜45℃の処理温度で用いることができる。更に、この発色現像液を、処理の現像段階での処理時間に関して、120秒以下の時間、好ましくは3秒〜60秒の範囲内、より好ましくは5秒以上でかつ45秒以下で、使用することができる。
【0166】
前に記載したように、連続処理における発色現像液処理タンクは、発色現像液成分が正しい濃度を維持するように補充液で補充される。本発明に関連して用いられる発色現像補充液は、通常、感光性材料1m2 当り500ml以下の量で、補充することができる。補充液は、若干量の廃液を生じるので、廃液容量およびコストを最小にできるように、補充液の割合を好ましくは最小にする。好ましい補充割合は、10〜215ml/m2 、より好ましくは25〜160ml/m2 の範囲内である。
【0167】
更に、補充する際の現像液タンクからのオーバーフローを再生して、補充液として再度使用できるように、このオーバーフロー液を処理することにより、現像廃液容量および材料コストを減らすことができる。或る操作様式では、薬剤をオーバーフロー液に加えて、現像反応中に起きる薬剤の消耗に由来するタンク液の薬剤のロスの埋め合せをする。水および埋め合わせる薬剤の水溶液を添加することもまた、感光性材料から洗い出されて、現像液オーバーフローに存在する物質の濃度を少なくする効果を有する。感光性材料から洗い出る物質を希釈することは、望ましくない写真効果、溶液安定性の減少、および沈澱物を生じる濃度増加を防止する。現像液の再生方法は、Kodak Publication No. Z-130,「Using EKTACOLOR RA Chemicals」に記載されている。感光性材料から洗い出る物質が、好ましくない濃度に増加することがわかったならば、オーバーフロー溶液を処理して望ましくない物質を除くことができる。イオン交換樹脂、陽性、陰性および両性のものは、好ましくないとわかった特定の成分を除くのに、特に良く適している。現像液オーバーフローを再生は、再生および再使用する元の補充液の比率として、特徴付ることができる。従って、55%「再使用率」とは、使用した元の補充液容量の比率を示し、元の容量の55%を再生および再使用する。薬剤濃縮物を納めた薬剤混合物を、連続プロセッサーで使用する補充液を製造するために、オーバーフローの指定量で使用するように設計することができる。現像オーバーフロー液のいずれの量も有効に再生できるが、現像オーバーフローの少なくとも50%(50%再使用率)を生成できることが好ましい。再使用率50%〜75%を得ることが好ましく、50%〜90%の再使用率を得ることが最も好ましい。
【0168】
以下の例は、本発明を具体的に説明しようとするものであるが、本発明の実施の全てではない。特に断らない限り、部および比率は重量による。
【0169】
【実施例】
乳剤調製
以下の例の乳剤は、米国特許第3,271,157号公報に記載するタイプのチオエーテルハロゲン化銀熟成剤を用いる、通常のダブルジェット沈澱技法を用いる。
【0170】
乳剤 1a:
6.9Lの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.9gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度68℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の3.75モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの3.75モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.193モル/分から0.332モル/分まで増加した。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.78μmの平均立方エッジ長を有している。
【0171】
乳剤 1b:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.50モル/分で一定に保持した。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0172】
乳剤 1c:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。更に、別のポンプを用いて前記塩および銀を添加している間、Cs2 OsNOCl5 溶液を、別途に乳剤釜に添加した。乳剤加えたCs2 OsNOCl5 の合計量は、7.54×10-8モルに相当する量であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0173】
乳剤 1d:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。更に、別のポンプを用いて前記塩および銀を添加している間、Cs2 OsNOCl5 溶液を、別途に乳剤釜に添加した。乳剤加えたCs2 OsNOCl5 の合計量は、4.52×10-7モルに相当する量であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0174】
乳剤 1e:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液およびCs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 を含有する塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。乳剤中でのそれらの最終濃度が、塩化銀1モル当り1.51×10-8モルおよび塩化銀1モル当り5.00×10-5となるように、Cs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 の量を調節した。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0175】
乳剤 1f:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液およびその中に溶解したCs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 を含有する塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。乳剤中でのそれらの最終濃度が、塩化銀1モル当り6.79×10-9モルおよび塩化銀1モル当り5.00×10-5となるように、Cs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 の量を調節した。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0176】
乳剤 1g:
Cs2 Os(NO)Cl5 の最終濃度が、乳剤1モル当り7.54×10-9モルとなるように、銀および塩類を加えている間にCs2 Os(NO)Cl5 水溶液を加えた以外は、乳剤1bと同じように、乳剤1gを調製した。
【0177】
乳剤 1h:
K2 IrCl6 の最終濃度が、乳剤1モル当り7.58×10-9モルとなるように、銀および塩類を加えている間にK2 IrCl6 水溶液を加えた以外は、乳剤1bと同じように、乳剤1hを調製した。
【0178】
乳剤 1i:
6.9Lの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.9gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度68℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の3.75モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの3.75モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.193モル/分から0.332モル/分まで増加した。
銀流入の93%に相当する時間のポイントで、臭化カリウムの0.392モル濃度水溶液7.65mlを、素早く乳剤沈澱釜に添加した。この臭化物の最終濃度は、0.3モル%であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、大体において立方形状であり、0.78μmの平均立方エッジ長を有している。
【0179】
乳剤 1j:
6.9Lの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.9gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度68℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の3.75モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの3.75モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.193モル/分から0.332モル/分まで増加した。
銀流入の93%に相当する時間のポイントで、沃化カリウムの0.392モル濃度水溶液7.65mlを、素早く乳剤沈澱釜に添加した。この沃化物の最終濃度は、0.3モル%であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、大体において立方形状であり、0.78μmの平均立方エッジ長を有している。
【0180】
乳剤 1k:
Cs2 Os(NO)Cl5 の最終濃度が、乳剤1モル当り6.03×10-10 モルとなるように、ハロゲン化銀成長段階の最初の70%の間にCs2 OsNOCl5 水溶液を同時に加えた以外は、乳剤1jと同じように、乳剤1kを調製した。
【0181】
乳剤 2:
4.0Lの5.6重量%ゼラチン水溶液をいれた反応容器を、温度40℃、pH5.8、およびAgBr溶液を加えてpAg8.86に調節した。水に1698.7gのAgNO3 を含有する2.5モル濃度溶液および水に1028.9gのNaBrを含有するの2.5モル濃度溶液を、急速攪拌しながら、それぞれ200ml/分の一定流速で、同時に反応容器に流入させた。pAgを8.86にコントロールして、ダブルジェット沈澱を3分間続け、その後、pAgを8.86から8.06に直線的に減少させている間、沈澱を17分間継続した。合計10モルの臭化銀乳剤を沈澱させた。この臭化銀乳剤は、0.05μmの平均粒子を有している。
【0182】
乳剤 2b:
銀1モル当り4.49×10-6モルの添加を生じる濃度で、銀および塩を加えている間にK2 IrCl6 溶液を加えた以外は、乳剤2と同じように、乳剤2bを調製した。
【0183】
乳剤 2c:
銀1モル当り1.66×10-6モルの添加を生じる濃度で、銀および塩を加えている間にCs2 OsNOCl5 溶液を加えた以外は、乳剤2と同じように、乳剤2cを調製した。
【0184】
乳剤 3a:
水125ml中のK4 Fe(CN)6 ・3H2 O 12.9gの溶液を、ダブルジェット沈澱の初期の35%の間に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように乳剤3aを調製した。合計で、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0185】
乳剤 3b:
水125ml中のK4 Ru(CN)6 12.6gの溶液を、ダブルジェット沈澱の初期の35%の間に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように乳剤3bを調製した。合計で、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0186】
乳剤 4:
水125ml中に溶解したCs2 Os(NO)Cl5 1.65×10-5モルの溶液を、沈澱中に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように正確に乳剤4を調製した。このトリプルジェット沈澱は、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0187】
乳剤 5:
水125ml中に溶解したCs2 Os(NO)Cl5 1.65×10-4モルの溶液を、沈澱中に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように正確に乳剤5を調製した。このトリプルジェット沈澱は、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0188】
乳剤 6:化学増感および青分光増感
次の手順を用いて乳剤1aを、化学増感および分光増感することにより乳剤6を調製した。
乳剤1aのサンプル1.0モルを40℃に加熱し、2.52×10-4モルの青分光増感色素Aを添加し、次に45.0ミリモルの乳剤2、33.75ミリモルの乳剤3aおよび11.25ミリモルの乳剤4を添加することにより分光増感した。その後温度を60℃に上げて、ホスト粒子表面上への臭化銀乳剤の再結晶を促進した。そして、この乳剤を40℃まで冷却した。次に、1.05×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム・五水和物および2.66×10-5モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを加え、この乳剤を60℃で30分間加熱して最適な化学増感を達成した。この乳剤を40℃まで冷却した後、3.57×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加して増感を終えた。
【0189】
乳剤 7:化学増感および青分光増感
乳剤2および3aの量を次のように変えたこと以外は乳剤6と同じように乳剤7を調製した:
乳剤2、67.5ミリモル、乳剤3a、11.25ミリモル、そして更に、乳剤4に換えて乳剤5を11.25ミリモルの量で加えた。
【0190】
乳剤 8:化学増感および緑分光増感
次の手順を用いて乳剤1aを、化学増感および分光増感することにより乳剤8を調製した。
乳剤1aのサンプル1.0モルを40℃に加熱し、2.46×10-4モルの分光増感色素Aおよび1.91×10-5モルの緑分光増感色素Bを添加し、次に39.375ミリモルの乳剤2、33.75ミリモルの乳剤3aおよび16.875ミリモルの乳剤4を添加することにより分光増感した。その後温度を60℃に上げて、ホスト粒子表面上への臭化銀乳剤の再結晶を促進した。この乳剤を40℃まで冷却した後、1.42×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム・五水和物および5.49×10-5モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを加え、この乳剤を60℃で30分間再加熱して最適な化学増感を達成した。この乳剤を40℃まで冷却した後、3.57×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加して増感を終えた。
【0191】
乳剤 9:化学増感および緑分光増感
乳剤2および3aの量を次のように変えたこと以外は乳剤8と同じように乳剤9を調製した:
乳剤2、69.75ミリモル、乳剤3a、11.25ミリモル、そして更に、乳剤4に換えて乳剤5を9.0ミリモルの量で加えた。
【0192】
乳剤 10:化学増感および赤分光増感
次の手順を用いて乳剤1aを、化学増感および分光増感することにより乳剤10を調製した。
乳剤1aのサンプル1.0モルを40℃に加熱し、2.46×10-4モルの分光増感色素Aおよび1.01×10-5モルの赤分光増感色素Cを添加し、次に39.375ミリモルの乳剤2、33.75ミリモルの乳剤3aおよび16.875ミリモルの乳剤4を添加することにより分光増感した。その後温度を60℃に上げて、ホスト粒子表面上への臭化銀乳剤の再結晶を促進した。この乳剤を40℃まで冷却した後、1.05×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム・五水和物および5.49×10-5モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを加え、この乳剤を60℃で30分間加熱して最適な化学増感を達成した。この乳剤を40℃まで冷却した後、3.57×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加して増感を終えた。
【0193】
乳剤 11:化学増感および赤分光増感
乳剤2および3aの量を次のように変えたこと以外は乳剤10と同じように乳剤11を調製した:
乳剤2、67.5ミリモル、乳剤3a、11.25ミリモル、そして更に、乳剤4に換えて乳剤5を11.25ミリモルの量で加えた。
【0194】
乳剤 12:化学増感および赤分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1b(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、化合物Sを3.36×10-4モル加えた。15分間攪拌後、水に溶解した4.52×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を添加した。そして、温度を65℃まで高めて0.011モルの乳剤2を加えた。その後、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、5.79×10-6モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、4.03×10-3モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、7.28×10-5モルの増感色素D、次に8.87×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。温度を40℃まで下げ、水酸化ナトリウム溶液を用いてこの乳剤のpHを5.6に調節した。
【0195】
乳剤 13:化学増感および赤分光増感
前記乳剤のpHおよびpAgを、それぞれ5.6および7.6に調節した以外は、乳剤12と同じように乳剤13を調製した。更に、4.52×10-8モルに換えて、Cs2 OsNOCl5 を1.66×10-7モル添加した。
【0196】
乳剤 14:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1b(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、乳剤2および乳剤5の混合物を加え、その後温度を60℃まで高めた。この乳剤2および乳剤5の混合物には、臭化銀0.5M%および3.02×10-8モルのCs2 OsNOCl5 が添加されていた。その後、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、1.75×10-3モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、4.03×10-3モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0197】
乳剤 15:化学増感および緑分光増感
加えたCs2 OsNOCl5 の量が、9.05×10-8モルとなるように、乳剤2および5の混合物を調節した以外は、乳剤14と同じ手順を用いて乳剤15を調製した。
【0198】
乳剤 16:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1b(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、乳剤2および乳剤5の混合物を加え、その後温度を60℃まで高めた。この乳剤2および乳剤5の混合物には、臭化銀0.5M%および3.02×10-8モルのCs2 OsNOCl5 が添加されていた。その後、コロイド状硫化金懸濁物、3.52×10-5モルを用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0199】
乳剤 17:化学増感および緑分光増感
加えたCs2 OsNOCl5 の量が、3.02×10-8モルに換えて9.05×10-8モルとなるように、乳剤2および5の混合物を調節した以外は、乳剤16と同じ手順を用いて乳剤17を調製した。
【0200】
乳剤 18:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1c(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、コロイド状硫化金懸濁物、3.52×10-5モルを用いて、この乳剤を普通に増感し、温度を60℃まで高めて、20分間一定に保持した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加し、次に0.5M%相当量の臭化カリウム水溶液を加えた。続いて、温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0201】
乳剤 19:化学増感および緑分光増感
乳剤1cに換えて乳剤1dを用いた以外は、乳剤18と同じ手順を用いて乳剤19を調製した。
【0202】
乳剤 20:化学増感および緑分光増感
それぞれ0.5モルづつ容器に計量して、乳剤1cおよび1dを混合し、硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、コロイド状硫化金懸濁物、3.52×10-5モルを用いて、この乳剤を普通に増感し、温度を60℃まで高めて、20分間一定に保持した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加し、次に0.5M%相当量の臭化カリウム水溶液を加えた。続いて、温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0203】
乳剤 21:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1c(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、1.75×10-3モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、4.03×10-3モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感し、温度60℃まで高めて、20分間一定に保持した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加し、次に0.5M%相当量の臭化カリウム水溶液を加えた。続いて、温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0204】
乳剤 22:化学増感および緑分光増感
乳剤1cに換えて乳剤1dを用いた以外は、乳剤21と同じ手順を用いて乳剤22を調製した。
【0205】
乳剤 23:化学増感および赤分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1g(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、化合物S(2.24×10-4モル)を加えた。20分間攪拌後、温度を65℃まで高め、更に10分間攪拌後、乳剤2(9.85×10-3モル)および乳剤2b(1.15×10-3モル)の混合物を加えた。そして、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、7.37×10-6モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、3.22×10-6モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、増感色素D7.28×10-5モルを加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール9.50×10-4モルを加えた。温度を40℃まで下げ、水酸化ナトリウムを用いてpHを5.6に調節した。
【0206】
乳剤 24:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤24を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素A3(9.0×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0207】
乳剤 25:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤25を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素AおよびA2の混合物(それぞれ、2.25×10-5モルおよび6.75×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0208】
乳剤 26:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有し、銀1モル当り6.79×10-10 モルのCs2 OsNOCl5 を含有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤26を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素A3(9.0×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0209】
乳剤 27:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有し、銀1モル当り3.14×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤27を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素A3(9.0×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0210】
乳剤 28:化学増感および赤分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させたエッジ長0.38μmを有する純塩化銀立方乳剤に、化学増感剤として、硫化金のコロイド状懸濁物(59.0mg/Ag−M)を加えた。そして、乳剤温度を65℃まで上げて、増感を行った。増感プロセス中、銀1モル当り1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールおよび1.0モル/Ag−MのKBr水溶液を加えた。温度を40℃に下げて、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.6に調節した。赤分光増感色素(色素C)を、3.08×10-5モル/Ag−Mの量を加え、増感を完了した。
【0211】
乳剤 29:化学増感および緑分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させたエッジ長0.28μmを有する純塩化銀立方乳剤に、増感色素Bを4.95×10-4モル/Ag−Mの量加え、続いて化学増感剤として、硫化金のコロイド状懸濁物(20.3mg/Ag−M)を加えた。そして、乳剤温度を70℃まで上げて、増感を行った。増感プロセス中、銀1モル当り1.62×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールおよび0.5モル/Ag−MのKBr水溶液を加えた。
【0212】
乳剤 30:化学増感および青分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させたエッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤に、化学増感剤として、硫化金のコロイド状懸濁物(3.9mg/Ag−M)を加えた。そして、乳剤温度を60℃まで上げて、増感を行った。増感プロセス中、銀1モル当り2.88×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールおよび0.80モル/Ag−MのKBr水溶液を加えた。
【0213】
乳剤 31:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、1.09×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長1.19μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(1.51mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A3(2.71×10-4モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール1.94×10-4モル、5.0×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.0080モルの乳剤2を加えた。
【0214】
乳剤 32:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、1.66×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.05mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A3(5.05×10-4モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール2.96×10-4モル、7.6×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.0122モルの乳剤2を加えた。
【0215】
乳剤 33:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、2.85×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.05mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A3(5.05×10-4モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール2.96×10-4モル、7.6×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.0122モルの乳剤2を加えた。
【0216】
乳剤 34:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、3.95×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.54μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、緑分光増感色素(色素B)1.80×10-4モルを加え、続いて化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.95mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を70℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール7.71×10-4モルを加え、続いて3.1×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.005モルの乳剤2を加えた。
【0217】
乳剤 35:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、9.36×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.54μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、緑分光増感色素(色素B)1.80×10-4モルを加え、続いて化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.95mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を70℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール7.71×10-4モルを加え、続いて3.1×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.005モルの乳剤2を加えた。
【0218】
乳剤 36:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、2.11×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.54μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、緑分光増感色素(色素B)1.80×10-4モルを加え、続いて化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.95mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を70℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール7.71×10-4モルを加え、続いて3.1×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.005モルの乳剤2を加えた。
【0219】
乳剤 37:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、5.54×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.62μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(46.1mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を65℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール6.59×10-4モルを加え、続いて1.78×10-4モルの化合物S、2.05×10-8モルのK2 IrCl6 および0.011モルの乳剤2を含有する水溶液を加えた。この乳剤を40℃まで冷却した後、赤分光増感色素の混合物を加えて、増感プロセスを完了した。前記混合物は、色素C1.81×10-4モルおよび色素D1.66×10-5モルを含んでいた。
【0220】
乳剤 38:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、1.89×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.62μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(46.1mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を65℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール6.59×10-4モルを加え、続いて1.78×10-4モルの化合物S、2.05×10-8モルのK2 IrCl6 および0.011モルの乳剤2を含有する水溶液を加えた。この乳剤を40℃まで冷却した後、赤分光増感色素の混合物を加えて、増感プロセスを完了した。前記混合物は、色素C1.81×10-4モルおよび色素D1.66×10-5モルを含んでいた。
【0221】
乳剤 39:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、3.56×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.62μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(46.1mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を65℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール6.59×10-4モルを加え、続いて1.78×10-4モルの化合物S、2.05×10-8モルのK2 IrCl6 および0.011モルの乳剤2を含有する水溶液を加えた。この乳剤を40℃まで冷却した後、赤分光増感色素の混合物を加えて、増感プロセスを完了した。前記混合物は、色素C1.81×10-4モルおよび色素D1.66×10-5モルを含んでいた。
【0222】
乳剤 40、41、42:化学および青分光増感
乳剤1i、1j、および1kを同様に化学増感および分光増感して、乳剤40、41、および42を生成する。
化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(5.0mg/Ag−M)を、各乳剤に攪拌しながら加えた。乳剤温度を60℃まで上げ、化学増感を行った。増感プロセス中、化学熟成時に、増感色素A2.62×10-4モルおよび1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール2.88×10-4モルを加えた。
【0223】
乳剤 45:
乳剤1nを、米国特許第5,314,798号(Brust 等)公報に記載される乳剤Aと同じように調製した。この平板状塩化物乳剤は、ECD1.6μおよび平均粒子厚0.125μmを有した。
【0224】
乳剤 45a:
粒子体積の最初の90%の間に、Cs2 OsNOCl5 の水溶液を、均一な様式で前記粒子に一斉に加えた以外は、乳剤1nと同じように乳剤1oを調製した。生じた粒子は、ECD1.87μおよび厚さ0.141μmを有した。Cs2 OsNOCl5 の濃度は、銀1モル当り2.64×10-9モルであった。
【0225】
乳剤 46:化学および青分光増感
硫化金のコロイド状懸濁物0.25mg/Ag−M、続いて、分光増感色素A8.22×10-4モルおよび4モル%の臭化カリウム水溶液を加えて、乳剤1o化学増感し分光増感した。生じた乳剤を、40分間60℃で加熱した。冷却後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール1.06×10-4モルを加えて、乳剤を安定にし、化学増感および分光増感プロセスを完了した。
【0226】
乳剤 47:化学および青分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、3.62×10-9モルのCs2 OsNOCl5 および粒子体積の93%に素早く添加された0.3モル%の沃化カリウムを含有する、エッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として銀1モル当り5.0mgの硫化金のコロイド状懸濁物を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A2.10×10-4モルを加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール3.59×10-4モルを加えた。
【0227】
単一層塗膜評価フォーマット
上記乳剤を、通常の塗膜製造方法および技法を用いる単一乳剤層塗膜フォーマットで、最初に評価した。この塗膜フォーマットを次の表に詳細に記載する。
【0228】
【表2】
【0229】
塗膜例1:
乳剤6および7を、0.588/1.000モル比で配合し、銀(380mg/m2 )およびイエロー色素生成カプラーY−1(1064mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーY−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜Y−1を構成した。
【0230】
塗膜例2:
乳剤8および9を、0.929/1.000モル比で配合し、銀(380mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−1を構成した。
【0231】
塗膜例3:
乳剤10および11を、0.75/1.000モル比で配合し、銀(190mg/m2 )およびシアン色素生成カプラーC−3(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーY−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜C−1を構成した。
【0232】
塗膜例4:
乳剤12および13を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(181mg/m2 )およびシアン色素生成カプラーC−3(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーC−3を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜C−2を構成した。
【0233】
塗膜例5:
乳剤14および15を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−2を構成した。
【0234】
塗膜例6:
乳剤16および17を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−3を構成した。
【0235】
塗膜例7:
乳剤18および19を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−4を構成した。
【0236】
塗膜例8:
乳剤21および22を、0.42/0.57モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーB(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーBを、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−5を構成した。
【0237】
塗膜例8a:
乳剤25および26を、0.58/0.42モル比で配合し、銀(233mg/m2 )およびイエロー色素生成カプラーY−1(1076mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーY−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜Y−2を構成した。
【0238】
単一層塗膜例8b:
乳剤46および47を、0.50/0.50モル比で配合し、銀(233mg/m2 )およびイエロー色素生成カプラーY−1(1076mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。
【0239】
多層塗膜評価フォーマット
上記乳剤を、また、通常の塗膜製造方法および技法を用いる種々の多層塗膜フォーマットにおいて評価した。この塗膜フォーマットを次に詳細に記載する。
【0240】
例9:
表III に具体的に説明する構成を用いる通常のカラーペーパーフォーマットで、この例に記載する乳剤を用いて、多層カラーペーパー例を調製した。
【0241】
例10:
隣接層に同じ分光感度の乳剤を塗布した以外は、通常のカラーペーパー層順に、この例に記載する乳剤を用いて、多層カラーペーパー例を調製した。この多層例の構成を表IVに具体的に説明する。
【0242】
例11:
通常のハロゲン化銀ネガフィルムおよび表V に記載するサンプルの多層ハロゲン化銀ネガペーパーを用いて、本発明の好ましい調子再現を示す三色性画像再現システムを調製した。
【0243】
多層塗膜例12:
通常のハロゲン化銀ネガフィルムおよび表VIに記載するサンプルの多層ハロゲン化銀ネガカラーペーパーを用いて、本発明の好ましい調子再現を示す三色性画像再現システムを調製した。この例は、三種類の、色記録毎に同じように増感したハロゲン化銀乳剤の使用を具体的に説明する。
【0244】
【表3】
【0245】
【表4】
【0246】
【表5】
【0247】
【表6】
【0248】
上記の塗布されたペーパーサンプルを調製した後、これらを次のように評価した:
それぞれの単一層カラーペーパーサンプルを、色温度3000゜Kを有し、Kodak Wratten (商標)2C並びに85ccマゼンタの Kodak Color Compensating (商標)フィルターおよび130ccイエローの Kodak Color Compensating (商標)フィルターを組み合せたものでフィルターをかけた、Kodak Model 1Bセンシトメータにおいて、光に対して露光した。露光時間を0.1秒に調節した。前記ペーパーサンプルを、0〜3 log−Eの露光量範囲を持つ中性階段露光タブレットに接触させることにより、露光を実施した。
【0249】
それぞれの多層カラーペーパーサンプルを、色温度3000゜Kを有し、そして、青記録の特徴的な応答を得るための Kodak Wratten 2C および Kodak Wratten 98 フィルターもしくは赤記録の特徴的な応答を得るための Kodak Wratten 70 フィルターでフィルターをかけた、Kodak Model 1Bセンシトメータにおいて、露光した。露光時間を0.1秒に調節した。前記ペーパーサンプルを、0〜3 log−Eの露光量範囲を持つ中性濃度階段露光タブレットに接触させることにより、露光を実施した。
【0250】
塗膜例1〜11として上記したペーパーサンプルを、Kodak Ektacolor RA-4 Color Development(商標)プロセスで処理した。この発色現像液および漂白−定着処方を次の表X およびXIに記載する。化学現像処理サイクルを表XII に記載する。
例11は、感光性乳剤の順序が、通常の乳剤層順序に比較して反転されている、独特の多層カラーペーパーフォーマットを表わす。その上に置かれた緑感性および赤感性乳剤層を持つ樹脂コートペーパー支持体の隣に青感性乳剤層を置くのが一般的に望ましいが、独特の偽増感乳剤と組合わさるこのフォーマットも調製することができる。偽分光増感乳剤を有するこのフォーマットを用いると、その下に置かれている緑感性および赤感性乳剤を露光することに由来する青光を減少させるか除去するために、青光吸収フィルター層を含むことが必要である。他のカラーネガシステムにおいて青光フィルターを必要とする場合は、イエローフィルター色素もしくはケリーレア(Carey Lea )銀等の微小粒子銀分散体を用いることが一般的である。多層塗膜中に微小粒子分散体が存在すると、定着およびフィルムからの定着銀を洗浄する前に、現像された銀を酸化物で漂白する後処理段階に用いる、より強い漂白が必要である。この理由により、余った銀の除去を容易にするために、代わりの化学現像および処理サイクルが開発された。改良された化学現像および処理サイクルを、表XIIIに示す。用いた化学現像液は、表X のものと同じである。停止浴、漂白および定着溶液の組成を表XVI 、XIV 、XVに表わす。 処理後、各サンプルのステータスA反射濃度を測定した。
【0251】
図3、4、5、7および8は、塗膜例1、2、3、4および7の濃度対log−E関係(実線)を表わす。加えて、各濃度対log−E曲線の瞬間コントラストを表わす(点線)。図6は、塗膜例11に記載する多層塗膜例の結果を表わす。記載した各例において、各色記録の瞬間コントラストを示す。
各サンプルの濃度対log−Eプロットのそれぞれにおいて、dD/dlog−E(即ち、瞬間コントラスト)をプロットする。それぞれの瞬間コントラスト曲線上に、瞬間コントラスト1.0に相当するベースラインを置いた。各例の瞬間コントラスト曲線上に、二つの追加のマークをつけた。最初に、瞬間コントラストが、1.0の値に到達するlog−E露光量をマークし、次に瞬間コントラストの傾きがゼロ、即ち、おおよそ次第に負になる瞬間コントラスト曲線上にマークする。瞬間コントラスト曲線をプロットするのに用いたコンピュータアルゴリズムのため、いくつかの小さな負の屈曲は避けがたく、連続的に増加するコントラストの一般的な傾向を表わさないことに留意されたい。
【0252】
log−E軸上に置いた二点間の差は、露光量の増加につれて、瞬間コントラストが連続的に増加する特性曲線の露光量範囲を表わす。二点間の分離が大きければ大きいほど、濃度対log−E曲線のより高い濃度部分において再現されるディテールが改良され、従って改良された陰影部ディテールを生じると、理解される。
【0253】
表VII は、それらのそれぞれの色の機能に関する、二種類の市販のカラーペーパーおよび塗膜例の対数露光量範囲を概括する。
表VII の対数露光量範囲からわかるように、発明例の全ては、二種類の市販のカラーネガペーパーよりも著しく広い、露光量増加として、瞬間コントラストが増加する対数露光量範囲(aR 、aG およびaB )を有する。この追加の露光量範囲は、増加した上部スケールラティチュード、従って陰影部ディテールに直接的に変る。
【0254】
aR 、aG およびaB を、瞬間コントラストが最初に1.0の値に到達する点と瞬間コントラストの最大値との間の対数露光量範囲と定義する。
更に、瞬間コントラストが露光量範囲の実質部分を超えて増加することも重要である。瞬間コントラストが最初に1.0の値に到達する点と増加される露光量での瞬間コントラストが1.0の値より下に下がる点との間の対数露光量を測定することにより、この範囲の量を便利に計る。コントラストが1.0より小さい場合ディテールを見ることは困難であるので、この値は、関連する露光量範囲を定義するのに十分であると思われる。aR 、aG およびaB を、最初の瞬間コントラスト1.0と最大瞬間コントラストとの間の露光量範囲として上記のように定義したので、fR 、fG およびfB を、断片部分の合計である全体露光量範囲で割った、コントラストが増加している全露光量範囲の部分として定義することができる。即ち、
f%=a/(a+b)×100
fができるだけ100%に近づくことが重要である。しかし、我々の研究は、物理的な限界により100%に到達することが妨げられることを示した。従って、できるだけ大きいa値を達成することが重要である。本発明のペーパーの場合において、表VII に見られるf値は、明かに市販のペーパーより大きい。公平には、f値が70%を超え、かつa値が0.6logEを超える多層塗膜から生成する写真を見た個々の判定者は、このカラープリントに陰影部領域の特に良いディテールおよび飽和した色があるので、この写真により心地良さを見出す。
【0255】
【表7】
【0256】
【表8】
【0257】
この表のデータは、本発明が特定のクラスの色素生成カプラーに限定されないことを示す。本発明の例は、調子スケール計量「a」および「F%」を、所望する調子スケール再現を達成するのに必要な乳剤もしくは乳剤の組合せを適当に選択することにより達成でき、いずれのカプラーも選択できることを実証する。
【0258】
【表9】
【0259】
表中のL*を明度、C*を彩度(Billmeyer および Saltzmannの、Principles of Color Technology,2版、John Wiley and Sons, 1981, 63 ページ参照)として定義する。
この表では、あるクラスの色素生成カプラーが、他のクラスよりも好ましいことを実証する。より高い彩度(C*)の色素を生成するシアン、マゼンタ、およびイエロー色素生成カプラーが、低い彩度の色素(即ち低C*)を生成するカプラークラスよりも好ましい。好ましいシアン、マゼンタ、およびイエローカプラークラスと、改良された調子スケールを生成する乳剤とを組み合せると、より明るく、オリジナルの色をより正確に再現する色を有する写真ができる。これは、本発明の乳剤によって生成されるハロゲン化銀調子スケーが、より正確にオリジナルの色の明度(L*)およびコントラストを再現するからである。そして、与えられた明度でのより高い彩度、その明度レベルでの高められた色飽和度を説明する色素生成カプラーとの組合せにより達成される。
【0260】
従って、本発明によると、反射カラーネガペーパーの、非常に広範囲の濃度に渡って、好ましくかつ優れた調子および色再現が可能になることが理解される。
【0261】
【表10】
【0262】
【表11】
【0263】
【表12】
【0264】
露光済みペーパーサンプルの処理を、現像および漂白−定着温度を35℃に調節して実施する。洗浄を32.2℃で水道水で行う。
【0265】
【表13】
【0266】
露光済みペーパーサンプルの処理を、現像および漂白−定着温度を35℃に調節して実施する。洗浄を32.2℃で水道水で行う。
【0267】
【表14】
【0268】
26.7℃での漂白のpHを、水酸化アンモニウムもしくは硝酸を用いて6.00±0.05に調節する。
【0269】
【表15】
【0270】
定着液のpHは、26.7℃で6.5±0.15である。
【0271】
【表16】
【0272】
本発明の好ましい調子再現を表わす三色画像再現システムの例を、通常のハロゲン化銀ネガフィルムおよび表XVIIに記載するサンプルの多層ハロゲン化銀ネガカラーペーパーを用いて調製した。このカラーペーパー例は、二種類の、色記録毎に同じ感度のハロゲン化銀乳剤を使用して所望する調子再現を得ることを説明する。
【0273】
塗布されるハロゲン化銀乳剤量が一般的に用いられるものよりも実質的に少なく、この減少により、現像−増幅と呼ぶ処理(dev-amp 処理)を用いる特別な化学現像処理を必要とすることが、他の例と異なる。「dev-amp 」処理の詳細を表XVIII 、XIX 、XXに示す。
また、「dev-amp 」処理との関連では、以下の文献:
国際公開92/10790号、同92/17819号、同93/04404号、同92/173370号、同91/19226号、同91/12567号、同92/07302号、同93/00612号、同92/07301号、同92/09932号、米国特許第5,294,956号、欧州特許第559,027号、米国特許第5,179,404号、欧州特許第559,025号、米国特許第5,270,762号、欧州特許第559,026号、米国特許第5,313,243号、および同5,339,131号各公報、
に記載される低容量、希薄タンクプロセッサーにおいて、それが特に有利なこのタイプの処理要素となるであろうと企図される。
【0274】
【表17】
【0275】
【表18】
【0276】
【表19】
【0277】
【表20】
【0278】
【化28】
【0279】
【化29】
【0280】
【化30】
【0281】
【化31】
【0282】
【化32】
【0283】
【化33】
【0284】
ハレーション防止色素
【0285】
【化34】
【0286】
本発明の他の好ましい態様を請求項との関連において、次ぎに記載する。但し、態様1および38は、請求項1および2と同じである。
【0287】
(態様1)少なくとも一層を含んでなる多色写真要素であって、
前記少なくとも一層が、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含み、
前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして
前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記少なくとも一層の瞬間コントラストが増加する多色写真要素。
【0288】
(態様2)シアンカラー生成層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する態様1に記載の要素。
【0289】
(態様3)マゼンタカラー生成層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する態様1に記載の要素。
【0290】
(態様4)前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する、シアンおよびマゼンタカラー生成層の両方を含んでなる態様1に記載の要素。
【0291】
(態様5)前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する、シアンおよびマゼンタ並びにイエローカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含んでなる態様1に記載の要素。
【0292】
(態様6)前記露光量範囲が少なくとも0.7logEである態様1に記載の要素。
(態様7)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも75%である態様1に記載の要素。
(態様8)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも75%である態様6に記載の要素。
(態様9)少なくとも0.75logEの露光量範囲を有する態様7に記載の要素。
(態様10)少なくとも0.8logEの露光量範囲を有する態様1に記載の要素。
【0293】
(態様11)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも80%である態様1に記載の要素。
(態様12)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも75%である態様10に記載の要素。
(態様13)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも80%である態様10に記載の要素。
(態様14)前記少なくとも一層が、90モル%塩化物を超えるハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様15)前記少なくとも一層が、95モル%塩化物を超えるハロゲン化銀粒子を含む態様14に記載の要素。
【0294】
(態様16)瞬間ガンマ増加が連続的である態様1に記載の要素。
(態様17)瞬間ガンマ増加が、連続的増加から最大15%のずれを含むことができる態様1に記載の要素。
(態様18)瞬間ガンマ増加が、連続的増加から最大10%のずれを含むことができる態様1に記載の要素。
(態様19)前記少なくとも一層のより高い露光量範囲でのコントラストが、前記層のより低い露光量範囲よりも高い態様1に記載の要素。
(態様20)シアンカラーを生成する前記層が、異なる感光度を各々有する二つの別の層を含んでなる態様4に記載の要素。
【0295】
(態様21)シアンカラーを生成する前記層が、一方の乳剤がより低い感光度を有し、そして他の乳剤よりも高いコントラストを有する、配合乳剤を含む態様4に記載の要素。
(態様22)マゼンタカラーを生成する前記層が、異なる感光度を各々有する二つの別の層を含んでなる態様4に記載の要素。
(態様23)マゼンタカラーを生成する前記層が配合乳剤を含み、前記配合乳剤の一方の乳剤が、前記配合乳剤の他の乳剤よりも低い感光度を有し、そして高いコントラストを有する、態様4に記載の要素。
(態様24)少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子がイリジウムを含有する態様1に記載の要素。
(態様25)少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子が減感イオンもしくは錯体を含有する態様1に記載の要素。
【0296】
(態様26)前記要素が、コントラスト増加イオンもしくは錯体を含有する少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様27)前記要素が、表層電子トラップイオンもしくは錯体を含有する少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様28)前記要素が、
(1)減感またはコントラスト増加イオンもしくは錯体のいずれか、そして
(2)表層電子トラップイオンもしくは錯体、を含有する少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様29)610nm〜645nmの可視光スペクトルの赤領域に分光感度を有するカラーネガフィルムでプリントすると、色正確度が改良され、より高い品質の写真を生成する態様1に記載の要素。
(態様30)450nm〜470nmの可視光スペクトルの青領域に分光感度を有する態様1に記載の要素。
【0297】
(態様31)反射ベースを更に含んでなる態様1に記載の要素。
(態様32)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0298】
【化35】
【0299】
【化36】
【0300】
【化37】
【0301】
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様3に記載の要素。
(態様33)少なくとも一つのハロゲン化銀層のハロゲン化銀粒子が、有機ドーパントもしくは有機リガンドを持つ金属イオン錯体を含有する態様1に記載の要素。
(態様34)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0302】
【化38】
【0303】
(式中、R1 およびR2 は、独立して、Hもしくは置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;そして
Za 、Zb 、およびZc は、独立して、置換メチン基、=N−、=C−、もしくは−NH−である、但し、Za −Zb 結合もしくはZb −Zc 結合のいずれか一方が二重結合であり、他方が単結合であり、そしてZb −Zc 結合が炭素−炭素二重結合で有る場合には、それは芳香環の一部を形成することができ、そしてZa 、Zb 、およびZc の少なくとも一つが、基R2と結合するメチン基を表わすことを条件とする)
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様3に記載の要素。
(態様35)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0304】
【化39】
【0305】
(式中、R3 、Z1 およびZ2 は、それぞれ置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;
Yは、アリール基もしくは複素環式基を表わし;
Z3 は、>N−と一緒に、窒素含有複素環式基を形成するのに必要な有機残基を表わし;そして
Qは、3員〜5員の炭化水素環もしくは環中にN、O、SおよびPから選ばれる少なくとも一種類のヘテロ原子を持つ3員〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わす)
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様5に記載の要素。
(態様36)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0306】
【化40】
【0307】
(式中、R4 、R8 およびR11は、それぞれ水素もしくは置換基を表わし;
R5 は、置換基を表わし;
R6 、R7 およびR10は、それぞれ0.2以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし、かつR6 およびR7 のσpara値の合計は0.65以上であり;
R9 は、0.35以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基を表わし;
Z4 は、少なくとも一つの解離基を持つ窒素含有6員複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わし;
Zd は、−C(R10)=および−N=を表わし;そして
Ze およびZf は、それぞれ−C(R11)=および−N=を表わす)
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様3に記載の要素。
【0308】
(態様37)前記少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤がRh、Ru、Fe、およびオスミウムの少なくとも一種類を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様38)少なくとも一層を含んでなる多色写真要素であって、
前記少なくとも一層が、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含み、
前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして
前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記少なくとも一層の瞬間コントラストが増加する多色写真要素を提供すること、
前記要素を化学線に露光して潜像を形成すること、そして
発色現像主薬を用いて前記潜像を現像してカラー画像を生成すること、を含んでなる写真画像の形成方法。
【0309】
本発明の好ましい態様を特に詳細に記載したが、本発明の精神および範囲内で種々の変更および改造が可能であることは、理解されるであろう。
【0310】
【発明の効果】
本発明は、従来のカラーペーパー製品を超え、そして他のネガ型カラー写真製品を超える数多くの利点を有している。本発明は、高露光量領域での改良されたコントラストを提供する。更に、本発明は、低部スケールにおいて色飽和を有するにもかかわらず、上部スケールが非常に良好なディテールを提供するカラーペーパーを提供する。さらに、本発明のカラープリントは、高濃度領域での良好なディテールを有するプリントに対しより自然な外観を有する。加えて、本発明のカラーペーパーは、広範囲の肌色おいて心地の良い肌調子を提供する。特に、このカラーペーパーは、多種多様の肌調子において望ましい調子を提供する。
【0311】
本発明のもう一つの利点は、カラープリントの低濃度領域の好ましいコントラストを同時に高めることなく、このプリントの高濃度領域のコントラストを高めることにより、カラー写真ペーパーにおける、典型的な周囲環境での周囲のビューイングフレア(viewing flare )を補償することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なハロゲン化銀カラーネガペーパーの例として、Kodak Ektacolor Supura(商標)の従来技術の赤、緑および青の濃度対log−E特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図2】代表的なハロゲン化銀カラーネガペーパーの例として、Fujicolor SFA 3 Type C(商標)の従来技術の赤、緑および青の濃度対log−E特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図3】塗膜例1の青の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図4】塗膜例2の緑の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図5】塗膜例3の赤の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図6】塗膜例11の赤の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図7】塗膜例4の赤の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図8】塗膜例7の緑の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【産業上の利用分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー写真要素材料の分野に関し、特に、優れた調子再現および陰影部ディテールを表わすカラーネガハロゲン化銀カラープリント材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
調子および色再現は、詳細に研究されており、T.H. James編集、Macmillan Publishing Co., Inc. of New York発行による、「The Theory of the Photographic Process 4th Ed.」19章、もしくは R.W.G. Hunt編集、Fountain Press, Tolworth, England 発行による、「The Reproduction of Color 4th Ed. 」13章、等の多くの文献に、それらの結果のより詳細な議論が見受けられる。
【0003】
好ましい色および調子再現を有するカラーペーパーを設計する際に見られる問題点が、写真工業では認識されている。実際、多種多様の写真的ニーズに適合するために、現在入手可能な多くのカラーネガフィルムおよびカラーネガペーパーの選択枝がある。しかし、現在までのところ、はっきりとした好ましい調子および色再現組合せを生成するのに成功したカラーネガフィルムおよびペーパーの組合せは無い。
【0004】
一般的に、カラーネガプリントペーパーの設計では、既に露光されているカラーネガフィルムの露光およびコントラストの範囲を考慮する必要がある。カラーネガペーパーの目的は、ネガに既に記録されている色および調子情報を受け取ることであるので、得られるカラープリントが、色において、コントラスト範囲および調子の範囲の両方で、目に満足いくように、カラーぺーパーを設計しなければならない。
【0005】
加えて、カラーネガプリントペーパーが、露光時間に対して一様なスピード(感度)およびコントラスト特性を有することが、非常に望ましい。この特徴により、高速プリンター、イーゼルプリント装置および他の電子プリント装置を含む、広範囲の用途に利用が可能である。カラーペーパーの露光装置には、タングステンランプ、ハロゲンランプ、レーザー、光放出フォトダイオード(LED)もしくはその他の光源からなる光源を含むことができる。これらの種々の露光装置に適合させるために、カラーネガペーパーに用いる乳剤は、プリントスピードおよびコントラストを維持しながら、ナノ秒(1×10-9秒)から数分の露光量範囲の露光を記録することができる。
【0006】
カラーネガフィルムは、本来的に広い露光量範囲を持つように設計される。この特徴により、アマチュアおよびプロのフィルム市場に共通する、露光過度および露光不足を考慮に入れる。市販されているカラーネガフィルムの多くは、写真家に、最小2絞り(0.6対数露光量)までのフィルムの露光不足、もしくは最大4絞り(1.2対数露光量)までの露光過度を認める。この広い露光ラティチュードは、アマチュア写真家に対してより大きな融通性を提供し、元のままのオリジナルの場面の明度範囲をこのカラーネガフィルムにより捕捉することを確実にする。
【0007】
しかし、このカラーネガ材料のコントラストは、フィルムタイプの間で変ることができる。例えば、ポートレイト写真家は、より低いコントラストのフィルムを好み、標準的なアマチュア用カラーネガフィルムよりもコントラストを小さく表わすプリントを提供する。アマチュア用フィルムは、より広い種類の用途のために設計されている。彩度およびコントラストを高めることによって作品に対しより大きな注意を引こうとするため、より高いコントラストのカラーネガフィルムは、コマーシャル写真家の選択枝となることができる。
【0008】
明かに、ネガフィルムが、この広い露光量範囲を通して一定のコントラスト(即ち、ガンマ)を維持することが重要である。そうでないと、カラーネガペーパー上にプリントするときの露光の作用としてコントラストのミスマッチを起こし、正しくない色および不十分な調子再現を生じる。
カラーネガペーパーは、適当なカラーネガと共に好ましいカラープリントを提供するように、コントラストを調節しなければならない。歴史的に、このことはある範囲のコントラストをそれぞれ有する一連のカラーネガフィルムおよびペーパーを製造することにより達成されている。例えば、主としてコントラストが異なるコダックエクタカラー74(商標)およびコダックエクタカラー78(商標)ペーパーが、何年間も、多くのプロおよびアマチュアフォトフィニッシャーの選択であった。コントラストが異なる、コダックエクタカラープロフェッショナル(商標)およびコダックエクタカラープラス(商標)カラーネガペーパーにより、これらの製品は改良された。極く最近、低から中、高へとコントラスト範囲を広げた新しいカラーペーパーが、市場に導入されている。コダックエクタカラーポルトラ(Portra)(商標)(最低コントラスト)、コダックエクタカラースープラ(商標)(中コントラスト)およびコダックエクタカラーウルトラ(商標)(最高コントラスト)等の製品は、コダックエクタカラーRA−4カラーペーパープロセス(商標)として世界的に知られている急速処理サイクルに有効であり、更にそれらの市場における有用性および容易性を高める。
【0009】
しかし、いずれのカラーネガペーパーのコントラストも増加するので、より高い露光量領域(プリントのより暗い領域)において問題が生じ、ディテールを失いそして「閉塞」となる。このペーパーは、焼付けのラティチュードを失っている様に見え、陰影部ディテールのロスを生じる。ペーパーのコントラストを小さくして、陰影部を明るくすると、所望するより低いコントラスト、不飽和カラーおよび不十分なブラックであるブラック(陰影部)を生じる。結婚式もしくは多くの陰影部を有する明るく照らされる屋外場面を撮影する場合、この問題は、特に厄介である。
【0010】
結婚式の場面では、満足のいくように、そして新郎のブラックタキシードにおいて、袖のしわが消えて「閉塞」にならないように、十分にディテールを伴ってホワイトウエディングドレスをプリントすることは特に困難である。同じ様な問題は、非常に広範囲の場面の輝度が存在する屋外場面おいても存在する。例えば、建物もしくは木々に由来する陰影を伴う天気の良い日では、細部を十分に得るには暗い直接に光の当った領域をプリントして、陰影部の細部を十分に見るには明るい、暗部の陰影によって覆われた部分を維持することは、特に困難である。
【0011】
マスキング、もしくは覆い焼きおよび焼込み等の技法を用いる特注のプリントは、前記の問題点を少なくする場面照度の大きな差を含む場面をプリントするのを補助するために、プロのプリントフィニッシャーによってしばしば用いられる。場面の暗い陰影部を照らし、場面のコントラストを少なくするために、補助フラッシュがしばしば用いられる。
【0012】
カラーペーパーを設計するときの考慮すべきもう一つのファクターは、プリントを見る観察条件の影響である。ビューイングフレア(viewing flare )が、ビューイングルームのプリント上で反射される光から生じる。カラープリントに反射が加わる影響は、反射濃度、従ってコントラストを少なくすることである。ビューイングフレアの影響は対数的であるので、プリント中のより高い濃度の領域は、より低い濃度の領域よりも影響される。従って、ビューイングフレアの結果は、陰影部のコントラストを減らし細部を減らす高い方のスケール濃度を減らすことである。
【0013】
カラー写真システムにおいて配合乳剤を用いることは、新しくも新規でもない。例えば、カラーネガフィルムにおいて、より広範囲の露光ラティチュードを得るために、米国特許第3,849,138号(Wyckoff )公報には、別々の層で感度は異なるがスロープ(コントラスト)が等しい乳剤を組み合せることが記載されている。米国特許第5,039,601号(Ohya等)公報には、種粒子それ自身が本来的に感度が異なる混合したハロゲン化銀種粒子を一緒に成長させることによって、感度の異なるハロゲン化銀粒子を製造する方法が記載されている。米国特許第4,301,242号(patzold 等)公報には、カラーリバーサルペーパーのための感度が異なるハロゲン化銀粒子調製方法が記載されている。これらの例に用いられる乳剤は、異なる感度ではあるが、同じスロープ(コントラスト)を有する。従って、組み合せた場合、露光ラティチュードは増加するが、この材料のコントラストは、そのままで変らない。米国特許第4,745,047号(Asami 等)公報には、ベンジルアルコールが現像プロセスから除かれた場合に高濃度領域で階調(コントラスト)を維持するために、カラーペーパーフォーマットにおいて、異なる粒子サイズの配合乳剤を用いることが記載されている。これ等の配合乳剤の使用は、ベンジルアルコールが現像プロセスから除かれた場合に高濃度領域でコントラストを維持するためであり、コントラストを高めるためではない。
【0014】
米国特許出願第950,871号(BuhrおよびFranchino により、1992年9 月24日出願)明細書には、オリジナル場面の再現において選択的なトーンマッピングを提供するためのシステムであって、このシステムが、オリジナル場面の再現が得られる媒体上に、オリジナル場面のパラメータを捕獲する手段、そして捕獲した場面パラメータからその場面の目で見る再現を作成する手段を有するタイプであることが記載されている。しかし、そこには、カラーネガフィルムもしくはカラーペーパーのいずれかの通常のカラーネガポジフィルムシステムの場合の、それらの発明の実施方法は開示されていない。
【0015】
米国特許第4,792,518号(Kuwashima )公報には、透明もしくは反射原画を正確に再現するためには、S形状の濃度対logE特性曲線を避けた方が良く、濃度0.8〜1.8間での露光範囲を通して直線に維持するために非常な注意をはらって、「鋸(saw )状」の形状を持ち、そしてまたハイライトディテールを明確にするために急な足部を持つ、好ましい形状を形成した方が良いとの認識がなされている。瞬間コントラストが好ましい値に到達し、一般的に、全体露光量範囲の過程の上方の値を超えない場合に、この直線露光スケールは、瞬間コントラストと対数露光量との曲線を生成する。前記 Kuwashimaの特許公報の図3は、全体露光量範囲の上方おおよそ1.2の大体一定な値(例えば、この一定値は、濃度対logE曲線の直線性質による)を有する瞬間コントラストを表わす。実際、瞬間コントラスト1.2(1.0でない)を有する好ましい再現を説明するので、彼等は、彼等が述べている、正確な、忠実な再現を作成するという目標を達成できない。そうでなければ、正確な再現を作成することは、1.0である再現のコントラストを必要としたであろうから、正確な再現では無かったであろう。
【0016】
欧州特許第0533033号A1公報において、Kubotera等は、分光増感よりも高温で化学増感を実施するハロゲン化銀乳剤を製造する方法を記載する。この方法は、上部スケールにおいてコントラストを高める性能の改善を導入する。しかし、彼等は、低濃度から中濃度、高濃度への全体的な露光量範囲に渡って直線性を維持しながら、階調(コントラスト)の改善を望んでいることを指摘する。
【0017】
米国特許第4,902,609号公報において、Hahmは、少量の緑増感色素を有する赤感性乳剤を偽(false )増感することによりカラーネガペーパーの露光ラティチュードを改善する方法を記載する。この方法の成果は、高露光量領域に少量のシアン色素を加えることにより、赤等のカラーの彩度を減じることである。緑増感色素を有する赤感性層を偽増感すると、赤もしくは青等の色が加えられたシアン色素を生じる。追加されたシアンカラーが、赤もしくは青色素画像を暗くして、それがよりコントラストを有するように見えるようにする。
【0018】
Hahmに似ているものは、Waki等のものであり、米国特許第5,084,374号公報には、青増感色素を有する緑および赤感光性乳剤を偽増感することにより達成されるカラープリントの高濃度範囲の陰影部ディテールを改良することが記載されている。この技法は、彩度を減ずるHahmと同じ欠点を有している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明によって克服されるべき従来製品の欠点は、現在のカラーペーパー製品が、低露光量領域の色およびコントラストを不満足なものにする、低露光量領域のコントラストを高くすること無しには、高濃度露光量に十分な陰影部ディテールを提供できないということである。
【0020】
高濃度コントラストおよび低濃度カラーを改良した写真要素を提供することが本発明の目的である。
本発明の目的は、全体的に調子再現が改良され、陰影部ディテールが高められた、カラーネガ反射プリント感光性材料を提供することである。
本発明の更なる目的は、より低濃度で好ましい彩度およびコントラストを維持しながら、高濃度での彩度を改良したカラープリントを作成することである。
【0021】
更に、本発明の目的は、カラーネガペーパーのプリントのラティチュードを高めることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記等の目的は、一般的に、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層であって、前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記層の瞬間コントラストが、前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって増加する露光量の関数として増加する層を提供することによって達成される。
【0023】
【具体的な態様】
濃度対logE曲線を用いることは、写真工業で普通に行われ、対数的に増加する露光量(E)に従って得られる濃度(D)の量の関係を記載する。図1および2では、二種類の市販のカラーネガペーパーの赤(R)、緑(G)および青(B)特性レスポンス(実線)を、対数露光量増加の関数として与える。
【0024】
本明細書で用いる「ポイントガンマ」、もしくは「瞬間コントラスト」の用語を、露光量変化の関数としての濃度変化量として定義する。
従って:
ポイントガンマ=瞬間コントラスト=dD/dlog−E
である。
【0025】
瞬間コントラストもしくはポイントガンマの定義は、先に参照したKuwashima ケース(米国特許第4,792,518号)に定義されるものと同じである。図1および2では、赤(R’)、緑(G’)および青(B’)レスポンスの瞬間コントラスト(点線)もまた、対数露光量増加の関数として示されている。
図1および2から明かなように、対数露光量の関数としての瞬間コントラストは釣鐘形状分布である。これは、瞬間コントラストが露光量の関数として連続的に変化することを意味する。低露光量では、最小濃度(Dmin)で、瞬間コントラストはゼロであり、一本調子に最大まで増加する。より高い露光量では、瞬間コントラストは、最大露光量(Dmax)に到達するまで減少し、そして瞬間コントラストはゼロになる。
【0026】
本発明は、瞬間コントラストがより高い露光量で減少し、そしてこの減少が、得られるプリントの陰影部ディテール損失の理由であるとの認識に基いている。
従って、望ましいのは、ディテールを高めるために最小露光量から最大露光量まで連続的に増加する瞬間コントラストを得ることである。最小露光量を、瞬間コントラストが、1.0の値に到達する対数露光量軸上の点として定義する。最大有効露光量を、加わる露光量が、瞬間コントラストの増加を生成できない(そして従って、瞬間コントラストは、1.0より下のレベルまで落ちる)、同軸上の点として定義する。コントラストが1.0よりも小さい場合、調子変化を目で見て認識することは非常に困難である。従って、二点間の差は、要素の有効露光量範囲を表わし、対数露光量単位で表わされる。
【0027】
この露光量範囲において、露光量範囲全体に渡ってコントラストが連続的に、通常通りに増加することが重要である。最適な調子再現のために、ペーパーを、適正に露光した適当なコントラストのカラーネガを用いてプリントする方が良い。このペーパーの露光量範囲は、ネガに記録されている情報の全ての要素を再現できることを確実なものとするために、0.6対数露光量単位よりも大きい方が良い。コントラストがDmin とDmax との間で連続的に増加することは、一般的に現実的でないので、上部スケール濃度の弱まり(減少)は、露光量の増加に従って予想されることである。
【0028】
しかし、最適な調子および色再現のためには、瞬間コントラストが有効露光量範囲の70%を超えて増加する方が良いことを我々は見出した。この比率を、瞬間コントラストが1.0の初期値に達する点から最大瞬間コントラストの露光量範囲を測定することにより決定する。この露光量範囲を、「a」とする。総露光量範囲は、瞬間コントラストが1.0より下に下がる瞬間コントラスト範囲上の点の間の露光量範囲である。「b」値は、最大瞬間コントラストと瞬間コントラストが1.0より下に下がる点との間の露光量範囲を表わす。そして、増加するコントラストの部分の比率「f」を、次式によって表わす:
f=a/(a+b)×100
濃度対logE曲線中の本発明のこれらの非線型条件は、同じスペクトル感受性であるが、同一の色記録中で異なる感度およびコントラストを有する二つ以上のハロゲン化銀乳剤層を組み合せることによって達成されている。最も簡単な場合では、同じスペクトル感受性を有する二種類の乳剤を、カラーネガペーパーの単一の層中で組み合せる。それらの個々の感受性を、粒子エッジ長もしくはサイズまたはサイズ分散度を変える等の種々の技法を用いて、または各粒子に与える増感剤もしくは減感剤の量を変えることによって、調節することができる。コントラストコントロールを、単に、存在する各乳剤の量を変えること、または増感剤もしくは減感剤として作用する有機もしくは無機添加剤を乳剤に用いることにより、行うことができる。
【0029】
本発明を達成する好ましい方法では、各色記録は、感光性要素中の別の層に塗布しても良い同じスペクトル感受性の二種類以上のハロゲン化銀乳剤からなり、もしくはそれ等を、前記感光性要素の単一の層中に組み合せてもよい。同じスペクトル感受性の二つ乳剤の組合せは、他方とはそれ等自身の唯一の感受性およびコントラストが異なる。それ等の組合わさったレスポンスは、唯一かつ好ましい調子スケールおよび改良された色再現を有するカラーネガプリントを作成する様式等において、カラーペーパー上への露光量が増加するにつれて瞬間コントラストが増加する独特の調子スケールを提供する。
【0030】
従って、本発明の好ましいカラーペーパーを作成するため、カラーペーパーの上部スケール(高濃度)ラティチュードを拡張し、同時に、より低いスケール(低濃度)コントラストを高くすること無しに、上部スケールコントラストを増加することにより、拡張することが必要である。カラーペーパーのこの複雑さは、本発明まで決して達成されていない。
【0031】
この好ましい態様を達成するため、概して単一の乳剤構成より多い複合特性曲線を、各色記録において用いなければならないことを我々は見出した。さらに、各乳剤は、異なる感度でなければならず、個々の特性曲線を組み合せたとき、好まし特性曲線が生じるように、二つの乳剤は、コントラストが異ならなければならない。
【0032】
好ましくは、本発明のカラーペーパー上の好ましい画像は、少なくとも、赤増感乳剤もしくは乳剤(複数)を含む層が、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6logEを超える露光量範囲(aRed )を有し、そして前記要素の瞬間ガンマが、前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として増加する場合に形成される。より好ましい露光量範囲は、高濃度範囲での良好なコントラストのために、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.7logEである。
【0033】
本発明のカラー写真用ペーパーは、赤増感乳剤もしくは緑増感乳剤を持つ層のみが、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6logEを超える規定する露光量範囲を有し、そして前記瞬間ガンマが、前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として増加する場合に改良された性能を有する。しかし、本発明のより好ましいカラーペーパーは、赤および緑感性層の両方が、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6logEを超える露光量範囲を有し、そして前記緑層の瞬間ガンマが、前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として増加する場合に形成されるということが見出された。三種類の色記録層、青、緑および赤増感層の全てが、瞬間ガンマが1.0に到達する点から0.6log−Eを超える露光量範囲を有し、そして前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数として各層の瞬間ガンマが増加することが最も好ましい。
【0034】
前記露光量範囲にわたって増加する露光量の関数としての瞬間ガンマ増加は、連続となることができる。あるいは、瞬間ガンマ増加は、連続増加から約15%までのずれ、もしくはより好ましくは連続増加から10%までのずれを含んでも良い。そのようなずれは、カラープリントの観者に著しく目立ちはしないが、低濃度領域の良好な彩度およびコントラストを有する、最良の高濃度コントラストのためには、一般的に連続増加が好ましいと信じられている。本明細書で用いる「赤感性層」、「青感性層」、もしくは「緑感性層」の用語は、同じ感光性であるが異なるスピードおよびコントラスト特性を有する複数の層を含むと考えることができる。これらの乳剤は、別の層の形となっても良く、もしくは配合乳剤の単一色増感単一層を写真要素に用いるように、この乳剤を混合しても良い。
【0035】
本発明の乳剤もしくは乳剤(複数)に使用するのに適した材料についての以下の考察では、リサーチディスクロージャー,1989年12月、アイテム 308119を参照する。そしてこの文献を以後「リサーチディスクロージャー」の用語で示す。本願で引用する特許および刊行物を含む上記リサーチディスクロージャー内容は参照することにより本発明の内容とする。次の引用する章はリサーチディスクロージャーの章である。
【0036】
この乳剤を、ポリメチン色素クラス等(シアニン類、メロシアニン類、複合シアニン類およびメロシアニン類、オキソノール類、ヘミオキソノール類、スチリル類、メロスチリル類およびストレプトシアニン類等を含む)の写真技術分野において公知の色素を用いて分光増感することができる。特に、本発明の要素に関連して、すでに特許されている、米国特許出願第07/978,589号(1992年11月19日出願)および同07/978,568号(1992年11月19日出願)各明細書に開示される低汚染増感色素を用いることは有利であろう。
【0037】
更に、この乳剤を、乳剤粒子の表面で混合した色素凝集体を形成する二種類以上の増感色素の混合物を用いて増感することができる。混合色素凝集体を使用すると、乳剤の分光感度を、二種類以上の色素のピーク感度(λ−max )波長の極大間のいずれの波長にも調節することが可能となる。二種類以上の増感色素が、スペクトル(即ち、青、または緑もしくは赤、および緑以外+赤もしくは青+赤または緑+青)の同じ部分を吸収する場合、これを実施することは特に価値がある。分光増感色素の機能は、画像色素として記録するネガに記録される情報を調節することであるので、カラーネガの画像色素のλ−max に、もしくはλ−max の近くにピーク分光感度を置くことにより、最適な好ましいレスポンスを生成する。 更に、本発明のの乳剤は、その光吸収特性が実質的に異なる分光増感色素の混合物を含むことができる。例えば、米国特許第4,902,609号公報において、Hahmは、より少量の緑分光増感色素を、主に赤分光感度を有するハロゲン化銀乳剤に加えることにより、カラーネガペーパーの有効露光ラティチュードを拡張する方法を記載する。この場合、赤増感乳剤を緑光に対して露光する場合、有るとしてもレスポンスは小さい。しかし、大量の緑光に対して露光する場合、適当な量のシアン画像色素が、マゼンタ画像色素に加えて生成され、それが追加的なコントラスト、そして拡張した露光ラティチュードを持つように見せる。
【0038】
米国特許第5,084,374号公報において、Waki等は、赤分光増感した層および緑分光増感した層の両方を青光に対して増感したハロゲン化銀カラー写真要素を記載する。Hahm同様、第二の増感剤を少量、主たる増感剤に加える。これらの画像生成層に青光照射の大量の十分な露光を与えると、イエロー画像色素を生成して主たる露光を補足する。主吸収が異なる第二の分光増感色素を加えるこの方法を「偽増感」と呼ぶ。
【0039】
本発明の前記要素に用いるハロゲン化銀乳剤は、一般的にネガ型である。適切な乳剤とその製造法ならびに化学増感および分光増感方法はI〜IV章に記載されている。着色物質および現像改良剤はV 章と XXI章に記載されている。ベヒクルはIX章に記載され、各種の添加剤、例えば、蛍光増白剤、カブリ防止剤、安定剤、光吸収材料および光散乱材料、硬膜剤、塗布助剤、可塑剤、滑剤およびつや消し剤は、例えば、V 、VI, VIII, X 、XI, XII および XVIの章に記載されている。製造法は XIV章とXV章に、他の層と支持体はXIII章とXVII章に、処理法と薬剤は XIX章とXX章に、および各種露光法はXVIII 章にそれぞれ記載されている。製造方法は、XIV 章およびXV章に記載され、その他の層および支持体はXIII章およびXVII章に、処理方法および処理剤はXIX 章およびXX章に、そして露光代替物はXVIII 章に記載されている。
【0040】
塩化銀、塩臭化銀、塩臭沃化銀、臭化銀、臭沃化銀、もしくは塩沃化銀等のいずれのハロゲン化銀の組合せも用いることができる。カラーペーパーの急速処理の必要性のために、塩化銀乳剤が好ましい。いくつかの場合では、少量の臭化物、もしくは沃化物、または臭化物および沃化物を含有する塩化銀乳剤を含有する塩化銀乳剤が好ましく、一般的には、臭化物は2.0モル%未満、沃化物は1.0モル%未満である。乳剤を生成する場合の臭化物もしくは沃化物添加は、沃化カリウムもしくは臭化ナトリウム等の可溶性ハロゲン化物源、または有機臭化物もしくは沃化物、または臭化銀もしくは沃化銀等の無機不溶性ハロゲン化物から生じる。
【0041】
ハロゲン化銀乳剤粒子の形状は、立方、疑似立方、八面体、十四面体もしくは平板状となることができる。熟成環境、もしくは還元環境等のいずれの適当な環境においても沈澱させることができる。ハロゲン化物割合および形態が異なる乳剤の沈澱に関する詳細な文献は、米国特許第3,618,622号(Evans );同4,269,927号(Atwell);同4,414,306号(Wey );同4,400,463号(Maskasky);同4,713,323号(Maskasky);同4,804,621号(Tufano等);同4,738,398号(Takada等);同4,952,491号(Nishikawa 等);同4,493,508号(Ishiguro等);同4,820,624号(Hasebe等);同5,264,337号(Maskasky);および欧州特許第534,395号(Brust )の各公報である。
【0042】
一つ以上の層において、同じ様に分光増感した乳剤を組み合せることができるが、得られる濃度対logE曲線およびその対応する瞬間コントラスト曲線が、同じ様に分光増感した乳剤を組み合せた瞬間コントラストが一般的に露光量の関数として増加するようになるべきであり、同じ分光感度を有する乳剤の組合せは、
そのようになる方が良い。
【0043】
乳剤沈澱は、銀イオン、ハロゲン化物イオンの存在下、そして少なくとも粒子成長時に、解こう剤を含む水性分散媒体の存在下で実施される。沈澱温度、pHおよび分散媒体中の銀イオンおよびハロゲン化物イオンの相対的割合をコントロールすることにより、粒子構造および特性を選択することができる。カブリを避けるためには、習慣的に沈澱を平衡点(銀イオンおよびハロゲン化物イオン活性度が等しくなる点)のハロゲン化物側で実施する。これらの基本的パラメーターの操作は、乳剤沈澱記載を含む引例によって具体的に説明されており、更に、米国特許第4,497,895号(Matsuzaka 等)、同4,728,603号(Yagi等)、同4,755,456号(Sugimoto)、同4,847,190号(Kishita 等)、同5,017,468号(Joly等)、同5,166,045号(Wu)、欧州特許第0328042号(Shibayama 等)および同0531799号(Kawai )の各公報に具体的に説明されている。
【0044】
沈澱時に分散媒体中に存在する還元剤を用いて、粒子の感度を高めることができ、それは米国特許第5,061,614号(Takada等)、同5,079,138号および欧州特許第0434012号(Takada)、米国特許第5,185,241号(Inoue )、欧州特許第0369491号(Yamashita 等)、同0371338号(Ohashi等)、同435270号および同0435355号(Katsumi )、並びに同第0438791号(Shibayama )の各公報に具体的に説明されている。化学増感したコア粒子は、シェルの沈澱のためのホストとしてはたらくことができ、米国特許第3,206,313号および同3,327,322号(Porter等)、同3,761,276号(Evans )、同4,035,185号(Atwell)、並びに同4,504,570号(Evans )の各公報に具体的に説明されている。
【0045】
ドーパント(銀イオンおよびハロゲン化物イオン以外の粒子吸蔵)を用いて、粒子構造および特性を改良することができる。第VIII族金属イオン(Fe、Co、Niおよびプラチナ金属(pm)、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir並びにPt)、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、As、Se、Sr、Y、Mo、Zr、Nb、Cd、In、Sn、Sb、Ba、La、W、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、CeおよびUを含む周期律3〜7のイオン類を、沈澱中に導入することができる。このドーパント類を用いて、
(a)(a1)直接陽画もしくは(a2)ネガ型乳剤の感度を高め、
(b)(b1)高照度相反則不軌もしくは(b2)低照度相反則不軌を減らし、
(c)コントラストを(c1)強くし、(c2)弱くし、もしくは(c3)コントラストの変動を少なくし、
(d)圧力感受性を減らし、
(e)色素減感を減らし、
(f)安定性を増加し、
(g)最小濃度を少なくし、
(h)最大濃度を増加し、
(i)室内光下ハンドリングを改良し、
(j)より短い波長(例えば、X線もしくはガンマ線)照射に応答する潜像生成を強めることができる。いくつかの場合、多価金属イオン(pvmi)が有効である。
【0046】
ホスト粒子およびドーパントの選択(その濃度、いくつかの使用では、ホスト粒子内の位置および/もしくはその原子価を含む)を変えて、目的の写真特性を達成することができる。それは、B. H. Carroll による、Photographic Science and Engineering, vol.24, No.6 1980 11/12, 265-267ページ(pm、Ir、a、bおよびd);米国特許第1,951,933号(Hochstetter )公報(Cu);米国特許第2,628,167号(De Witt )公報(Tl、a、c);米国特許第2,950,972号(Mueller )公報(Cd、j);米国特許第3,687,676号(Spance等)公報および米国特許第3,761,267号(Gilman等)公報(Pb、Sb、Bi、As、Au、Os、Ir、a);米国特許第3,890,154号(Ohkubu等)公報(VIII、a);米国特許第3,901,711号(Iwaosa等)公報(Cd、Zn、Co、Ni、Tl、U、Th、Ir、Sr、Pb、b1);米国特許第4,173,483号(Habu等)公報(VIII、b1);米国特許第4,269,927号(Atwell)公報(Cd、Pb、Cu、Zn、a2);米国特許第4,413,055号(Weyde )公報(Cu、Co、Ce、a2);米国特許第4,452,882号(Akimura 等)公報(Rh、i);米国特許第4,477,561号(Menjo 等)公報(pm、f);米国特許第4,581,327号(Habu)公報(Rh、c1、f);米国特許第4,643,965号(Kobuta等)公報(VIII、Cd、Pb、f、c2);米国特許第4,806,462号(Yamashita 等)公報(pvmi、a2、g);米国特許第4,828,962号(Grzeskowiak 等)公報(Ru+Ir、b1);米国特許第4,835,093号(Janusonis )公報(Re、a1);米国特許第4,902,611号(Leubner 等)公報(Ir+4);米国特許第4,981,780号(Inoue 等)公報(Mn、Cu、Zn、Cd、Pb、Bi、In、Tl、Zr、La、Cr、Re、VIII、c1、g、h);米国特許第4,997,751号(Kim )公報(Ir、b2);米国特許第5,057,402号(Kuno)公報(Fe、b、f);米国特許第5,134,060号(Maekawa 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,134,060号(Maekawa 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,164,292号(Kawai 等)公報(Ir+Se、b);米国特許第5,166,044号および同5,204,234号(Asami )公報(Fe+Ir、a2、b、c1、c3);米国特許第5,166,045号(Wu)公報(Se、a2);米国特許第5,229,263号(Yoshida 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,134,060号(Maekawa 等)公報(Ir+Fe/Re/Ru/Os、a2、b1);米国特許第5,264,336号(Merchetti 等)公報(Ir、b、c3);米国特許第5,134,060号および同5,268,264号(Maekawa 等)公報(Fe、g);欧州特許第0244184号(Komarita等)公報(Ir、Cd、Pb、Cu、Zn、Rh、Pd、Pt、Tl、Fe、d);欧州特許第0488737号および同0488601号(Miyoshi 等)公報(Ir+VIII /Sc/Ti/V/Cr/Mn/Y/Zr/Nb/Mo/La/Ta/W/Re、a2、b、g);欧州特許第0368304号(Ihama 等)公報(Pd、a2、g);欧州特許第0509674号(Murakami等)公報(VIII、Cr、Zn、Mo、Cd、W、Re、Au、a2、b、g)および国際公開第WO93/02390号(Budz)公報(Au、g);米国特許第3,672,901号(Ohkubo等)公報(Fe、a2、ol);米国特許第3,901,713号(Yamasue 等)公報(Ir+Rh、f);並びに欧州特許第0488737号(Miyoshi 等)公報に具体的に説明されている。
【0047】
ドーパント金属が配位錯体の形状(特に、テトラ−およびヘキサ−配位錯体)で沈澱時に存在するする場合、金属イオンおよび配位リガンドを粒子内に吸蔵することができる。ハロ、アクオ、シアノ、シアネート、フルミネート、チオシアネート、セレノシアネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルおよびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)リガンド等の配位リガンドが、開示されており、いくつかの場合では、乳剤特性を改良することが観察されている。このことは、米国特許第4,847,191号(Grzeskowiak );同4,933,272号、同4,981,781号、および同5,037,732号(McDugle 等);同4,937,180号(Marchetti );同4,945,035号(Keevert 等);同5,112,732号(Hayashi );欧州特許第0509674号(Murakami等);同0513738号(Ohya等);国際公開第91/10166号(Janusonis );同92/16876号(Beavers );ドイツ国特許DD298、320号各公報、並びに米国特許出願第08/091,148号(Olm 等)明細書に具体的に記載されている。
【0048】
米国特許第5,024,931号(Evans 等)公報に説明されているように、オリゴマー配位錯体を用いても粒子特性を改良することができる。
粒子沈澱時もしくは沈澱後(あるいはハロゲン化物添加を伴う)のいずれかで、添加剤、カブリ防止剤、色素、および安定剤と一緒にドーパントを加えることができる。これらの方法により、僅かに表面下の型の近くもしくは中にドーパントの堆積(あるいは乳剤改良効果を伴うかもしれない)を生じることができる。これらは、米国特許第4,693,965号(Ihama 等)公報(Ir、a2);同3,790,390号(Shiba 等)公報(VIII族、a2、b1);同4,147,542号(Habu等)公報(VIII族、a2、b1);欧州特許第0273430号(Hasebe等)公報(Ir、Rh、Pt);同0312999号(Ohshima 等)公報(Ir、f);およびOgawa の米国法定発明登録第H760号(Ir、Au、Hg、T1、Cu、Pb、Pt、Pd、Rh、b、f)の各公報に具体的に説明されている。
【0049】
減感もしくはコントラスト増加イオンまたは錯体は、典型的に、追加のエネルギーレベルをホスト物質のバンドギャップ内深くに導くことにより、光発生ホールもしくは電子を捕獲するように機能するドーパントである。これらの例には、これに限定されないが、第八〜十族遷移金属(例えば、ロジウム、イリジウム、コバルト、ルテニウム、およびオスミウム)の簡単な塩類および錯体類、並びに米国特許第4,933,272号(Mcdugle 等)公報に記載されるニトロシルもしくはチオニトロシルリガンドを含有する遷移金属錯体が含まれる。具体的な例には、K3 RhCl6 、(NH4 )2 Rh(Cl5 )H2 O、K2 IrCl6 、K3 IrCl6 、K2 IrBr6 、K2 IrBr6 、K2 RuCl6 、K2 Ru(NO)Br5 、K2 Ru(NS)Br5 、K2 OsCl6 、Cs2 Os(NO)Cl5 、およびK2 Os(NS)Cl5 が含まれる。
【0050】
表層電子トラップイオン類もしくは錯体類は、ホスト粒子の格子位置上に追加の正味正電荷を導入し、そしてまた、追加の空のもしくは部分的に満たされているエネルギーレベルをホスト粒子のバンドギャップ内深くに導くことをしないドーパントである。
六配位遷移金属ドーパント錯体の場合、ホスト粒子内への置換は、銀イオンおよび六つの隣接ハロゲン化物イオン(集合的に七空格子点イオンと呼ぶ)の結晶構造からの脱落が必要である。七空格子点イオンは、−5の正味電荷を表わす。−5よりも正である正味電荷を有する六配位ドーパント錯体は、局部格子位置上へ正味正電荷を導入し、表層電子トラップとして機能することができる。追加の正電荷が存在すると、クーロン力に抗する散乱中心として作用し、これにより、潜像生成の速度性を変える。
【0051】
電子的構造に基づいて、普通の表層電子トラップイオンもしくは錯体を、(i )充填原子化殻もしくは(ii)リガンドによって与えられる大きな結晶場エネルギーのために、リガンドもしくは金属に基づく低位未充填もしくは部分充填軌道を持たない低スピン、半充填d殻金属イオンもしくは錯体、を有する金属イオンもしくは錯体として分類することができる。クラス(i )タイプドーパントの古典的例は、第二族の二価の金属錯体、例えば、Mg(2+)、Pb(2+)、Cd(2+)、Zn(2+)、Hg(2+)、およびTl(3+)である。いくつかのタイプ(ii)ドーパントには、シアニドおよびチオシアネート等の強結晶場リガンドを持つ八族錯体が含まれる。これらには限定されないが、例には、米国特許第3,672,901号(Ohkubo)公報に記載されている鉄錯体;並びに米国特許第4,945,035号(Keevert )公報に開示されているレニウム、ルテニウム、およびオスミウム錯体;並びに米国特許第5,252,456号(Ohshima 等)公報に開示されているイリジウムおよびプラチナ錯体が含まれる。好ましい錯体は、K4 Fe(CN)6 、K4 Ru(CN)6 、K4 Os(CN)6 、K2 Pt(CN)4 、およびK3 Ir(CN)6 等の低原子価シアニド錯体のアンモニウムおよびアルカリ金属塩である。このタイプのより高い酸化状態の錯体(K3 Fe(CN)6 およびK3 Ru(CN)6 等)も、表層電子トラップ特性を持つことができる。特に、ホスト粒子のバンドギャップ内に存在するいくつかの部分充填電子状態が、光チャージキャリアーとの限定される相互作用を示す場合である。
【0052】
粒子表面に取り込む、カブリ防止剤、安定剤および色素等の乳剤添加物も、沈澱時に乳剤に添加することができる。分光増感色素の存在下での沈澱は、米国特許第4,183,756号(Locker)、同4,225,666号(Locker等)、同4,683,193号および同4,828,972号(Ihama 等)、同4,912,017号(Takagi等)、同4,983,508号(Ishiguro等)、同4,996,140号(Nakayama等)、同5,077,190号(steiger )、同5,141,845号(Brugger 等)、同5,153,116号(Metoki等)、欧州特許第0287100号(Asami 等)、並びに同0301508号(Tadaaki 等)各公報に具体的に説明されている。非色素添加物は、米国特許第4,705,747号(Klotzer 等)、同4,868,102号(Ogi 等)、同5,015,563号(Ohya等)、同5,045,444号(Bahnmuller等)、同5,070,008号(Maeka 等)、および欧州特許第0392092号(Vandenabeele等)各公報に具体的に説明されている。
【0053】
本発明では、前記材料の化学増感を、種々の公知の化学増感剤のいずれによっても達成することができる。本明細書に記載した乳剤は、増感色素、強式増感剤、乳剤熟成剤、ゼラチンもしくはハロゲン転化抑制剤等のその他の添加物を、追加の化学増感の前、途中もしくは後に、有していてもよく、もしくは有していなくても良い。
【0054】
硫黄、硫黄+金もしくは金のみの増感を用いることは、非常に有効な増感剤となる。典型的な金増感剤は、塩化金、ジチオ硫酸金、水性コロイド状金スルフィドもしくは金(アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)・テトラフルオロボレートである。硫黄増感剤には、チオ硫酸塩、チオシアネートもしくはN,N’−カルボボチオイル−ビス(N−メチルグリシン)を含んでも良い。
【0055】
汚染還元剤として一種類以上のカブリ防止剤を添加することも、ハロゲン化銀システムでは一般的である。4−ヒドロキシ−6−メチル−(1,3,3a,7)−テトラアザインデン等のテトラアザインデン類を、安定剤として一般的に用いる。1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールもしくはアセトアミド−1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等のメルカプトテトラゾール類も有効である。アリールチオスルフィネート類(トリル−チオスルホネート、またはトリルチオスルフィネートもしくはそれのエステル類等、のアリールスルフィネート類)も、特に有用である。
【0056】
本発明の材料を、当該技術分野のおいて公知のいずれの方法およびいずれの組合せでも、写真要素に用いることができる。典型的には、この写真材料を、ハロゲン化銀乳剤に組み入れ、この乳剤を層として支持体上に塗布し写真要素の一部を形成する。あるいは、この材料を、現像時に、この材料が、酸化した発色現像主薬等の現像生成物と反応的に組合わさる、前記ハロゲン化銀乳剤層に隣接する位置に組み入れることができる。このように、本明細書で用いるように、「組合わさる」の用語は、化合物が、ハロゲン化銀乳剤層、もしくは処理時にハロゲン化銀現像生成物と反応できる隣接位置に存在することを意味する。
【0057】
種々の成分の移動をコントロールするため、成分分子中に高分子量の疎水性物質もしくは「バラスト」基を含むことが望ましい。代表的なバラスト基には、置換または非置換の炭素数8〜40のアルキルもしくはアリール基が含まれる。代表的な、それらの基上の置換基には、典型的に炭素数1〜40である、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルホンアミド、およびスルファモイル基が含まれる。また、そのような置換基は、更に置換されていても良い。
【0058】
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、置換可能な水素を持つ基(例えば、アルキル、アミン、アリール、アルコキシ、複素環等)を同一視することによるいずれの言及する置換基も、それらの置換基の非置換形態ばかりでなく、それらの、いずれの写真的に有用な置換基で置換した形態をも包含すると理解される。通常、前記置換基は炭素数30未満であり、典型的には、20未満である。
【0059】
置換基の典型例には、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキルが含まれ、更に典型的な例は、ハロゲン、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環式オキシ、シロキシ(siloxy)、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環式チオ、スピロ化合物残基および架橋炭化水素化合物残基である。
【0060】
この写真要素は、単色要素もしくは好ましくは多色要素となることができる。
多色要素は、スペクトルの三原色の領域のそれぞれに感度を有する画像色素生成ユニットを持つ。各ユニットは、与えられるスペクトル領域に感度を有する単一乳剤層もしくは複数の乳剤層を含む。前記要素の層(画像生成ユニットの層を含む)を、当該技術分野において知られている種々の順序で配列することができる。別のフォーマットでは、スペクトルの三原色領域のそれぞれに感度を有する乳剤を単一のセグメント層として配置することができる。
【0061】
典型的な多色写真要素は、それと組合わさる少なくとも一つのシアン色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るシアン色素画像生成ユニット、それと組合わさる少なくとも一つのマゼンタ色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るマゼンタ色素画像生成ユニット、およびそれと組合わさる少なくとも一つのイエロー色素生成カプラーを持つ少なくとも一つの青感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るイエロー色素画像生成単位を坦持する支持体から成る。
【0062】
本発明の実施では、シアン、マゼンタ、およびイエロー色素画像生成ユニットの一つ以上を、その補色(それぞれ、赤、緑、および青)以外のスペクトル領域に対して分光増感しても良いことが考えられる。特に、米国特許第4,619,892号(Simpson 等)公報に記載するように、色素画像生成ユニットの一つ以上を、赤外のスペクトル領域に対して増感しても良い。この写真要素は、フィルター層、中間層、上塗り層、下引き層等の追加の層を含むことができる。
【0063】
本発明の写真要素に用いることができる典型的なカプラー、安定剤、およびカプラー溶剤は、以下に示すものである:
【0064】
【化1】
【0065】
【化2】
【0066】
【化3】
【0067】
【化4】
【0068】
【化5】
【0069】
【化6】
【0070】
【化7】
【0071】
【化8】
【0072】
【化9】
【0073】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
安定剤
【0077】
【化12】
【0078】
【化13】
【0079】
必要ならば、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure )、アイテム 34390 1992 年11月,(Kenneth Mason Publication Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England によって出版) に記載されるように、この写真要素を塗布した磁性層と一緒に用いることもできる。
本発明の要素に関連して、種々のタイプの硬膜剤が有用である。特に、ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、1,2−ビス(ビニルスルホニル−アセトアミド)エタン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン、トリアクリロイルトリアジン、およびピリジニウム,1−(4−モルホリニルカルボニル)−4−(2−スルホエチル)−,分子内塩が有用である。また、米国特許第4,418,142号、同4,618,573号、同4,673,632号、同4,863,841号、同4,877,724号、同5,009,990号および同5,236,822号各公報に開示されている、いわゆる即動型硬膜剤も有用である。
【0080】
カップリング脱離基は、当該技術分野では周知である。これ等の基は、カプラーの化学当量を決定(即ち、それが、二当量カプラーであるか、もしくは四当量カプラーであるかどうか)することができ、またはカプラーの反応性を改良することができる。それらの基は、カプラーから放出された後に、色素生成、色素色相調節、現像促進もしくは抑制、漂白促進もしくは抑制、電子移動促進、色補正等の機能を果たすことにより、カプラーが塗布されている層もしくは写真記録材料中の他の層に、有利な影響を及ぼすことができる。
【0081】
カップリング位置に水素があると、四当量カプラーを提供し、もう一つのカップリング脱離基があると、通常二当量カプラーを提供する。そのようなカップリング脱離基の代表的クラスには、例えば、クロロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロ−オキシ、スルホニルオキシ、アシルオキシ、アシル、ヘテロシクリル、スルホンアミド、メルカプトテトラゾール、ベンゾチアゾール、メルカプトプロピオン酸、ホスホニルオキシ、アリールチオ、およびアリールアゾが含まれる。これらのカップリング脱離基は、当該技術分野の例えば、米国特許第2,455,169号、同3,227,551号、同3,432,521号、同3,476,563号、同3,617,291号、同3,880,661号、同4,052,212号、および同4,134,766号;並びに英国特許公報および公開された出願明細書第1,466,728号、同1,531,927号、同1,533,039号、同2,006,755A号および同2,017,704A号に記載されている(参照することにより本明細書の内容とする)。
【0082】
酸化した発色現像主薬と反応してマゼンタ色素を生成するカプラーは:
米国特許第2,600,788号、同2,369,489号、同2,343,703号、2,311,082号、同2,908,573号、同3,062,653号、同3,152,896号、同3,159,429号各公報および「Farbkuppler-Eine Literatur Ubersicht」、Agfa Mitteilungen 発行、Band III、126-156 頁(1961)、のような代表的な特許公報および刊行物に記載されている。好ましくは、その様なカプラーは、酸化した発色現像主薬と反応してマゼンタ色素を生成するピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類、もしくはピラゾロベンゾイミダゾール類である。
【0083】
特に好ましいカプラーは、1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾール、および1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールである。1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾールカプラーの例は、英国特許第1,247,493号、同1,252,418号、同1,398,979号、米国特許第4,443,536号、同4,514,490号、同4,540,654号、同4,590,153号、同4,665,015号、同4,822,730、同4,945,034号、同5,017,465号、および同5,023,170各公報に記載されている。1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールの例は、欧州特許出願第176,804号、同177、765号明細書、米国特許第4,659,652号、同5,066,575号、および同5,250,400号各公報に見出すことができる。
【0084】
典型的なピラゾロトリアゾールカプラーを、次式のマゼンタ−1で表わす:
【0085】
【化14】
【0086】
(式中、R1 およびR2 は、独立して、Hもしくは置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;そして
Za 、Zb 、およびZc は、独立して、置換メチン基、=N−、=C−、もしくは−NH−である、但し、Za −Zb 結合もしくはZb −Zc 結合のいずれか一方が二重結合であり、他方が単結合であり、そしてZb −Zc 結合が炭素−炭素二重結合で有る場合には、それは芳香環の一部を形成することができ、そしてZa 、Zb 、およびZc の少なくとも一つが、基R2と結合するメチン基を表わすことを条件とする)
酸化した発色現像主薬と反応してイエロー色素を生成するカプラーは:
米国特許第2,875,057号、同2,407,210号、同3,265,506号、2,298,443号、同3,048,194号、3,447,928号公報および「Farbkuppler-Eine Literatur Ubersicht」、Agfa Mitteilungen 発行、Band III、112-126 頁(1961)、のような代表的な特許公報および刊行物に記載されている。そのようなカプラーは、典型的に開鎖ケトメチレン化合物である。
【0087】
特に好ましいものは、例えば、欧州特許出願第482,552号、同510,535号、同524,540号、同543,367号各明細書、および米国特許第5,238,803号公報に記載されるイエローカプラーである。
典型的な好ましいイエローカプラーを、次式で表わす:
【0088】
【化15】
【0089】
(式中、R3 、Z1 およびZ2 は、それぞれ置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;
Yは、アリール基もしくは複素環式基を表わし;
Z3 は、>N−と一緒に、窒素含有複素環式基を形成するのに必要な有機残基であり;そして
Qは、3員〜5員の炭化水素環もしくは環中にN、O、SおよびPから選ばれる少なくとも一種類のヘテロ原子を持つ3員〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わす)
特に好ましいものは、Z1 およびZ2 がそれぞれ独立してアルキル基、アリール基もしくは複素環式基である場合である。
【0090】
米国特許第2,367,531号、同2,423,730号、同2,474,293号、同2,772,162号、同2,895,826号、同3,002,836号、同3,034,892号、同3,041,236号、同4,883,746号公報、および「Farbkuppler-Eine Literatur Ubersicht」、Agfa Mitteilungen 発行、Band III、156-175 頁(1961)、
のような代表的な特許公報および感光物に記載されている、酸化した発色現像主薬と反応してシアン色素生成するカプラーのような画像色素生成カプラーを前記要素に含むことができる。好ましくは、そのようなカプラーは、酸化した発色現像主薬と反応してシアン色素生成するフェノール類およびナフトール類である。
【0091】
更に好ましいものは、例えば、欧州特許出願第544,322号、同556,700号、同556,777号、同565,096号、同570,006号および同574,948号各明細書に記載されるシアンカプラーである。
典型的な好ましいシアンカプラーを、次式で表わす:
【0092】
【化16】
【0093】
(式中、R4 、R8 およびR11は、それぞれ水素もしくは置換基を表わし;
R5 は、置換基を表わし;
R6 、R7 およびR10は、それぞれ0.2以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし、かつR6 およびR7 のσpara値の合計は0.65以上であり;
R9 は、0.35以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基を表わし;
Z4 は、少なくとも一つの解離基を持つ窒素含有6員複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わし;
Zd は、−C(R10)=および−N=を表わし;そして
Ze およびZf は、それぞれ−C(R11)=および−N=を表わす)
解離基は、好ましくは水中で3〜12のpKa値を持つ酸性プロトン(例えば、−NH−、−CH(R)−、等)を有する。ハメット則は、置換基を有しているベンゼン誘導体の反応もしくは平衡に関する置換基の影響を定量的に議論する目的で、L. P. Hammett によって提唱されている経験則である。このルールは広範囲に受け入れられている。ハメット置換基定数値は、文献に記載されているように認めるか、測定することができる。例えば、C. Hansch および A.J. Leo による、J. Med. Chem., 16, 1207(1973) ;J. Med. Chem., 20, 304(1977);および J.A. Deanによる、Lange's Handbook of Chemistry, 12 版. (1979)(McGraw-Hill) を参照されたい。
【0094】
米国特許第4,301,235号;同4,853,319号および同4,351,897号各公報に記載されるもののような、公知のバラスト基もしくはカップリング脱離基のいずれも有することができるカプラーの組合せを用いることは有用であろう。
本発明の材料を、処理工程(例えば、漂白もしくは定着)を促進もしくは改良して画像品質を改良する物質と一緒に用いることもできる。欧州特許第193,389号、同301,477号;米国特許第4,163,669号、同4,865,956号、および同4,923,784号の各公報に記載されるような漂白促進剤放出型カプラーが有用である。また、考えられることは、核生成剤、現像促進剤もしくはそれ等の先駆物質(英国特許第2,097,140号、同2,131,188号各公報)、電子移動剤(米国特許第4,859,578号、同4,912,025号各公報)、カブリ防止剤および混色防止剤(ヒドロキノン、アミノフェノール、アミン、没食子酸の誘導体;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド;スルホンアミドフェノール等)、および非カラー生成カプラー、と組合わさる組成物の使用である。
【0095】
適当なヒドロキノンカラーカブリ抑制剤には、これらに限定されないが、欧州特許第69,079号;同98,241号;同265,808号;特開昭61−233744号;同62−178250号;および同62−178257号各公報に開示されている化合物が含まれる。更に、特に考えられるものは、1,4−ベンゼンジペンタン酸,2,5−ジヒドロキシ−D,D,D’,D’−テトラメチル−,ジヘキシルエステル;1,4−ベンゼンジペンタン酸,2−ヒドロキシ−5−メトキシ−D,D,D’,D’−テトラメチル−,ジヘキシルエステル;および2,5−ジメトキシ−D,D,D’,D’−テトラメチル−,ジヘキシルエステルである。更に、本発明の材料を、米国特許第4,992,358号;同4,975,360号;および同4,587,346号各公報に記載されるような、いわゆる液体紫外線吸収剤と共に用いることができることが企図される。
【0096】
本発明の要素と一緒に種々の退色抑制剤を用いることができる。有機退色抑制剤の典型的な例には、ヒドロキノンに代表されるヒンダードフェノール類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクロマン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類およびビスフェノール類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、アミノフェノール類、ヒンダードアミン類、および上記化合物のフェノール性ヒドロキシ基をシリル化、アルキル化もしくはアシル化することにより得られるエーテルまたはエステル誘導体が含まれる。また、(ビス−サリチルアルドキシメート)ニッケル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバメート)ニッケル錯体に代表される金属錯体塩類も、退色抑制剤として使用できる。
【0097】
有機退色抑制剤の具体的な例を以下に表わす。例えば、ヒドロキノン類の例は、米国特許第2,360,290号;同2,418,613号;同2,700,453号;同2,701,197号;同2,710,801号;同2,816,028号;同2,728,659号;同2,732,300号;同2,735,765号;同3,982,944号;および同4,430,425号;並びに英国特許第1,363,921号、等の公報に記載されており;6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクロマン類、スピロクロマン類は、米国特許第3,432,300号;同3,573,050号;同3,574,627号;同3,698,909号および同3,764,337号;並びに特開昭52−152225号等の公報に開示されており;スピロインダン類は、米国特許第4,360,589号公報に開示されており;アルコキシフェノール類の例は、米国特許第2,735,765号;英国特許第2,066,975号;特開昭59−010539および同57−019765等の公報に開示されており;ヒンダードフェノール類は、米国特許第3,700,455号;同4,228,235号;特開昭52−072224号および同52−006623号等の公報に記載されており;没食子酸誘導体、メチレンジオキベンゼン類およびアミノフェノール類は、米国特許第3,457,079号;同4,332,886号;および特開昭56−021144号の公報にそれぞれ開示されており;ヒンダードアミン類は、米国特許第3,336,135号;同4,268,593号;英国特許第1,326,889号;同1,354,313号および同1,410,846号;特開昭51−001420号;同58−114036号;同59−053846号;同59−078344号等の公報に開示されており;フェノール性ヒドロキシ基のエーテルもしくはエステル誘導体の例は、米国特許第4,155,765号;同4,174,220号;同4,254,216号;同4,279,990号;特開昭54−145530号;同55−006321号;同58−105147号;同59−010539号;同57−037856号;同53−003263号等の公報に開示されており;そして金属錯体の例は、米国特許第4,050,938号および同4,241,155号の公報に開示されている。
【0098】
本発明の要素と一緒に、種々のタイプのポリマー添加物を有利に使用することができた。最近の特許公報(特に、カラーペーパーに関するもの)には、カプラー分散体中で油溶性水不溶性ポリマーを使用して、光、熱および湿度に対する安定性、並びに耐摩耗性を含むその他の利点、および製品の製造性を改良することが記載されている。これらは、例えば、欧州特許第324,476号、米国特許第4,857,449号、同5,006,453号および同5,055,386号各公報に記載されている。好ましい態様では、イエローもしくはシアン画像カプラー、永久溶剤、並びに高ガラス転位温度および中位分子量(約40,000)を有するビニルポリマーを、一緒に酢酸エチルで溶解して、この溶液を、ゼラチンおよび界面活性を含んだ水溶液中に乳化し、微粒子を得て、前記酢酸エチルを蒸発により除去する。好ましいポリマーには、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)およびポリ(メチルメタクリレート)が含まれる。
【0099】
本発明のコンセプトを、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure ) Item 18716, 1979 年11月,(Kenneth Mason Publication Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England によって出版) に記載される反射カラープリントを得るために用いることもできる。本発明の材料を、米国特許第4,917,994号公報に記載するpH調製した支持体上に塗布した写真要素;酸素透過性を減らした支持体上に塗布した写真要素(欧州特許第553,339号公報);エポキシ溶剤(欧州特許第164,961号公報);ニッケル錯体安定剤(例えば、米国特許第4,346,165号;同4,540,653号および同4,906,559号公報);カルシウム等の多価カチオン二対する感受性を減らす、米国特許第4,994,359号公報に有るようなバラスト化したキレート剤;および米国特許第5,068,171号公報に記載されているような汚染減少化合物;と組み合せて用いることができる。
【0100】
本発明と組み合せるのに有用なその他の化合物は、以下の受け入れ番号を持つ Derwent Abstractsに記載される日本国特許公開公報に開示されている。即ち:90−072,629、90−072,630;90−072,631;90−072,632;90−072,633;90−072,634;90−077,822;90−078,229;90−078,230;90−079,336;90−079,337;90−079,338;90−079,690;90−079,691;90−080,487;90−080,488;90−080,489;90−080,490;90−080,491;90−080,492;90−080,494;90−085,928;90−086,669;90−086,670;90−087,360;90−087,361;90−087,362;90−087,363;90−087,364;90−088,097;90−093,662;90−093,663;90−093,664;90−093,665;90−093,666;90−093,668;90−094,055;90−094,056;90−103,409;83−62,586;83−09,959である。
【0101】
本発明を、水中油滴型分散体、ラテックス分散体として、もしくは固体粒子分散体のいずれかとして、コロイド状銀ゾルまたはイエロー、シアンおよび/もしくはマゼンタフィルター色素を含んでなるフィルター色素層と一緒に用いることもできる。更に、「スミアリング(smearing)」カプラー(例えば、米国特許第4,366,237号;欧州特許第96,570号;米国特許第4,420,556号;および同4,543,323号各公報)と一緒に用いることもできる。またこの組成物を、例えば、特願昭61−258249もしくは米国特許第5,019,492号各公報に記載される保護型にブロックもしくはコートすることができる。
【0102】
多くのハロゲン化銀写真フィルムシステムでは一般的に、赤、緑、および/もしくは青光を吸収する水溶性色素を含んでいる。これの色素は、処理中に洗浄もしくは漂白のいずれかにより、処理時にフィルムから除去されるので、最終画像の一部ではない。そのような色素の例には、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スチリル色素、メロシアン色素、シアニン色素、およびアゾ色素が含まれる。これらの色素の中で、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素およびメロシアン色素が最も有用である。これらの色素はフィルム中で一つ以上の機能を有する。これらが僅かに存在すると、それらの濃度、吸光係数および分光吸収特性に比例して光を減少させるのに役立つことができる。このことは、予め分光増感されている乳剤の感度を調節する目的として有効となることができる。この色素を添加すればするほど光を吸収するので、乳剤は、より低感度を示すであろう。このことは、最適な色バランスが得られるように、規定された感度ポイントに対し、各ハロゲン化銀乳剤の感度を正確に調節する手段として、カラーリバーサル材料において特に有用である。同じ技法は、カラーペーパーの別のバッチを処理する際に、プリンターバランスを維持できるように、規定された感度に対し乳剤スピードを調節するカラーペーパーにおいても有用である。
【0103】
また、これらの色素が僅かに存在すると、処理後に得られる画像の鮮鋭度を改良する。この色素は、支持体もしくはハロゲン化銀粒子それ自体のいずれかとの相互作用中に散乱している露光プロセス中の光を吸収するのにも有用である。従って、これらの色素が存在すると、散乱光を吸収することによって行われる露光から離れた点での、ハロゲン化銀粒子の露光を防止するのに役に立つ。このコンセプトは、支持体が高反射性であり、ハロゲン化銀乳剤によって吸収されていない散乱光を吸収するためのハレーション防止層がないカラー写真要素では、特に有効である。
【0104】
これらの色素は、拡散もしくは漂白によって除去できるように、塗布時もしくは処理時に水溶性であり、またはこれらの色素を処理中に可溶性にすることができる。これらの色素を色素分散体として、もしくは固体粒子色素分散体として含めることができる。また、ポリマー中に組込むこともできる。
本発明の写真要素では、これらの色素を、要素のどの層にも含ませることができる。
【0105】
画像鮮鋭度を改良するために、ハレーション防止を含むことが良くある。これらの非画像生成層は、一般的に、ハロゲン化銀画像生成層と支持体との間に置かれる。ハレーション防止層は、親水性ゼラチンバインダー、ポリマーもしくは可溶性色素、漂白性色素、最終的に分離されるブラックコロイド状銀粒子、または他の可視光もしくは赤外光吸収物質等の一種以上の材料を含有するポリマーを混合したゼラチンを含んでなる。この層のより詳細な説明は、欧州特許第578,173号公報に見ることができる。この層は、露光プロセス時に、ハロゲン化銀画像生成乳剤によって吸収されない光を吸収し、ハレーションを防止する。このハレーション防止プロセスにより、光の散乱、非像様露光を減らし、得られる最終画像の鮮鋭度を高める。
【0106】
露光後、そして処理中に、光吸収物質を可溶性にして、要素外への拡散を起こさせるか、もしくは化学的に漂白して脱色するかのいずれかにより、この層を透明にする。
適当ないずれのベース材料も、本発明のカラーペーパーに用いることができる。典型的には、ベース材料は、紙もしくはポリエステルから作られる。この紙を樹脂コートしても良い。更に、この紙ベース材料を、二酸化チタンを含浸させたポリエチレンのように、観者に画像を明るく見せる様にする反射材料でコートしても良い。加えて、この紙もしくは樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)等の安定剤、色味、硬化剤もしくは酸素障壁剤提供材料を含有しても良い。本発明に用いる特定のベース材料は、ハロゲン化銀カラーペーパーに通常用いられるいずれの材料であっても良い。そのような材料は、リサーチディスクロージャー308119、1989年12月、1009ページに開示されている。加えて、ポリエチレンナフタレートのような材料並びに米国特許第4,770,931号;同4,942,005号;および同5,156,905号各公報に記載されている材料も使用することができる。
【0107】
感光性写真要素に親水性コロイド層を含有させると、いくつかの利点を提供することができる。コロイド層を適当に設計すると、鮮鋭度を増加し、カールを減少させ、そして画像安定性を改良することができる。
この親水性コロイド層は、白色顔料約80重量%および平均直径約0.2〜約2.0μmを有する中空微小球体約15〜約35重量%を含有する。いずれの適当な白色顔料、例えば、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、銀フレーク、シリケート、アルミナ、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アセチル酢酸ジルコニウム、硫酸ナトリウムジルコニウム、カオリン、マイカ、二酸化チタン、等を用いることができる。二酸化チタンのアナターゼおよびルチル結晶形態が好ましい。その白色度のため、アナターゼ形態が最も好ましい。この白色顔料は、好ましくは、平均粒子サイズ約0.1〜約1.0μm、最も好ましくは、約0.2〜約0.5μmを有する方が良い。
【0108】
上記したように、また、親水性コロイド層は、平均直径2μm未満、好ましくは約0.1〜約1μm、最も好ましくは約0.25〜約0.8μmを有する中空微小球体を約15〜約35重量%含有する。この微小球体は、高分子壁を持つ中空もしくは空気含有マイクロカプセルポリマーである。いずれの適当な高分子材料、例えば、塩化ポリビニル、ポリスチレン、酢酸ポリビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、酢酸セルロース、エチルセルロース、直鎖ポリマー形態を持つノボラック樹脂、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等)、上記特定のものを含むエチレン系不飽和モノマーを適当に組み合せてコポリマー、等を用いることができる。本発明の使用に特に適した微小球体は、スチレンおよびアクリル酸のコポリマーから製造されるもの(ROPAQUE OP-42, OP-62およびOP-84 の商品名で、Rohom and Haas Companyにより販売されている)である。
【0109】
この親水性コロイド層の堆積に特に適した塗膜組成物は、アナターゼ二酸化チタン約10〜20重量部(UNITANE 0-310 の商品名で、Kemira Inc., Savanna Ga., から販売されているものが特に好ましい);水分散体中に固体粒子が均一に分布するのを助ける適当な分散助剤約0.015〜約0.045重量部(DISPEX N-40 の商品名でAllied Colloids から販売されているポリカルボン酸のナトリウム塩と、TSPPの商品名でFMC から販売されているピロ燐酸四ナトリウムとの混合物が特に有用な分散助剤である);適当な制生剤約0.001〜約0.0025重量部(Ottaseptの商品名でFerro Corp. から販売されているものが特に適している);ゼラチン約3〜約5重量部;中空微小球体約6.5〜約8重量部(POPAQUE OP-84 の商品名でRohom and Haas Companyから販売されているものが特に適している);蛍光増白剤約0.04〜約0.07重量部(UVITEX-OB の商品名でChiba-Geigy から市販されているものが特に適している);シアンおよびマゼンタ着色顔料の組合せ約0.001〜約0.003重量部(TINT-AYD WD-2018の商品名でDaniel Products Company から市販されているもの);および塗膜組成物を100部にするための水、からなる水分散体を含む。
【0110】
親水性コロイド層を作成する塗膜組成物の好ましい調製方法では、白色顔料、分散剤および殺生剤を、メディアミルもしくは他の適当な高剪断装置で、水に十分に混合する。次にこの顔料分散体を、微小球体、蛍光増白剤、着色助剤、等を含む残りの成分と混合し、予め溶解しているゼラチンに加える。次の表に好ましい塗膜溶解組成物を示す。
【0111】
【表1】
【0112】
ポリエステル支持体は透明もしくは多孔性となることができる。ポリエチレンテレフタレート等の透明支持体が、Mylar (商標)としてE. I. DuPontより、そしてEastar(商標)として Eastman Kodak Co.より製造されている。酢酸ポリビニル、塩化ポリビニル等のその他の透明支持体もしくはアセテートフィルム等のキャスト支持体を、一般的に用いることができる。更に、これらの支持体を、支持体の表面に反射層を与えるために、硫酸バリウム、二酸化シリコンもしくは二酸化チタンの粒子、またはその他の高反射性小粒子で含浸したポリエチレン等の樹脂コート層で処理することができる。この反射層を、水性もしくは非水性溶液から押出成形または塗布することができる。
【0113】
多孔性支持体(例えば、E. I. DuPont製 Melinex(商標))を用いても良い。
これらの支持体は、支持体材料を硫酸バリウムもしくはポリスチレンビーズで、シート形成の前に予備混合することにより作成される。シート形成時に、支持体材料を延伸して、固体粒子は延伸できないので、その回りの材料がシートの中に引っ張られると、微小孔を形成する。これらの微小孔は、光を散乱するのに有効である(即ち、反射支持体材料を生じる)。
【0114】
本発明のカラーペーパーは、任意の通常の解こう剤物質を用いることができる。カラーペーパーにおいて、解こう剤およびキャリヤーとして用いられる典型的な物質はゼラチンである。そのようなゼラチンは、カラーペーパーに普通に使用するどのゼラチンであっても良い。好ましいものは、オセインゼラチンである。更に、本発明のカラーペーパーは、米国特許第4,490,462号公報等に記載されている制生剤、殺菌剤、安定剤、中間層、上塗り保護層を含む、カラーペーパーにおいて典型的に使用される材料等を有することができる。
【0115】
本発明の要素と一緒に、直鎖構造および分子量10,000〜15,000を持ち、適当な界面活性剤と組み合せてゼラチン中に分散されている、ポリジメチルシロキサン流体(Dow Corning 製 DC200:商標)を含有する上塗り層を使用することが企図される。好ましい態様では、ポリジメチルシロキサンの通常の水中油滴型分散体を、解こう剤としてゼラチンおよび界面活性剤としてAlkanol XC(商標)(E. I. DuPont Co.)、Fluortenside FT-248 (商標)(Mobay Chemical Co.)、およびTergitol 15-S-5 (商標)(Continental Chemical Co.)を用いて作成する。
【0116】
写真要素を、化学線(典型的にスペクトルの可視領域)に対して露光し、潜像を形成し、その後処理して可視色素画像を形成することができる。可視色素画像を形成する処理には、写真要素を発色現像主薬と接触させて現像可能なハロゲン化銀を還元し、発色現像主薬を酸化する工程を含む。酸化した発色現像主薬は、次にカプラーと反応して色素を生成する。
【0117】
ネガ型ハロゲン化銀を用いると、上記処理工程によりネガ画像が得られる。記載を、British Journal of Photography Annual of 1988, 191-198ページに記載するように公知のC-41カラー処理で処理することができる。適用できる場合、この写真要素を、British Journal of Photography Annual of 1988, 198-199ページに記載される Eastman Kodak Co.の RA-4 処理、Kodak Ektaprint 薬剤を用いる、Kodak Publication No. Z-122 に記載される Kodak Ekutaprint 2 Process 、およびKodak Publication No. H-24、Manual For Processing Eastman Color Films に記載される Kodak ECP Process等のカラープリント処理に従って処理することができる。
【0118】
ポジ画像(即ち、リバーサル)を提供するためには、発色現像工程の前に、露光済みハロゲン化銀を現像するために非発色現像主薬で現像(しかし、色素を生成しない)し、次にこの要素を均一にカブらせて、未露光ハロゲン化銀を現像可能にすることができる。
これらのカラー写真システムでは、カラー生成カプラーを、現像時に、銀像現像により酸化した発色現像主薬と反応させることが、感光性写真乳剤層中で可能となるように、乳剤層に組み入れる。画像転写カラープロセスでは、受容シートに移動もしくは定着可能な拡散性色素を生成するカプラーを用いる。
【0119】
写真用カラー感光性材料は、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物および沃化物)が、少なくとも二種類のハロゲン化銀の混合物もしくは組合せとして存在するハロゲン化銀乳剤をしばしば用いる。この組合せは、ハロゲン化銀乳剤の性能特性に著しい影響を与える。米国特許第4,269,927号(Atwell)公報(1981年5 月26日発行)に説明されるように、高塩化物含量のハロゲン化銀(即ち、ハロゲン化銀粒子が少なくとも80モル%塩化銀である)は、多くの非常に有利な特性を有している。例えば、塩化銀は、臭化銀よりも、スペクトルの可視領域において本来的に感度が低く、これにより、多色感光性写真材料からイエローフィルター層を省略できる。更に、高塩化物ハロゲン化銀は、高臭化物ハロゲン化銀より可溶性であり、これにより、短時間で現像を達成することができる。更に、現像液中に塩化物が放出されても、臭化物に比べて現像の作用を抑制することが少なく、消耗する現像液量を少なくするように使用することができる。
【0120】
感光性ハロゲン化銀カラー写真材料の処理は、発色現像(感光性カラーリバーサル材料では、最初に白黒現像が必要である)および脱銀の基本的に二つの工程を含んでいる。脱銀段階は、現像済み銀をイオン性の銀状態に戻す漂白工程および前記感光性材料からイオン性銀を除去する定着工程を含む。漂白工程および定着工程を、単独もしくは漂白および定着工程を組み合せて使用できる単浴の漂白−定着工程に組み合せることができる。必要ならば、洗浄工程、停止工程、安定化工程および促進現像に対する前処理工程等の追加の工程を加えることができる。
【0121】
発色現像では、露光済みハロゲン化銀が銀に還元され、同時に酸化した芳香族一級アミン発色現像主薬が、上記反応により消費されて画像色素を生成する。このプロセスでは、銀粒子に由来するハロゲン化物イオンが現像液中に溶解し、そこで少しづつ蓄積する。更に、発色現像主薬が、前記の酸化発色現像主薬とカプラーとの反応により消費される。加えて、発色現像液の他の成分も消費され、追加の現像が起きると、次第に濃度が低下する。バッチ処理法では、現像液の能力は、ハロゲン化物イオンが蓄積し、現像液成分が消費される結果として、最終的に低下する。従って、大量の感光性ハロゲン化銀写真材料を連続的に処理する現像法(例えば、自動現像プロセッサーによる場合)では、前記成分の濃度変化により生じる仕上げ写真性能の変化を避けるため、発色現像液の成分濃度を一定範囲に維持するいくつかの手段を必要とする。
【0122】
例えば、処理タンク中の現像液を、補充液と呼ぶ別の溶液を用いて、「定常状態平衡濃度」で維持することができる。現像される感光性写真材料の量に比例する割合で補充液をタンク中に計量して補給することにより、良好な性能を与える濃度範囲内で組成物を平衡に維持することができる。現像主薬および保恒剤等の消耗される成分の場合、タンク濃度より高い濃度の組成で、補充液を調製する。いくつかの場合では、現像を抑制する効果を持つ物質が乳剤層を離れるので、補充液ではより低濃度で存在するか、あるいは全く存在しない。他の場合では、感光性写真材料から洗い出る物質の影響を除くために、補充液中に材料を含有することができる。更に別の場合、例えば、アルカリ、もしくは消耗しないキレート剤の濃度の場合、補充液のその成分は、処理タンクと同じ濃度である。典型的に、補充液は、最適な値でタンクpHを維持できるように現像およびカップリング反応時に放出される酸のために、より高いpHを有する。
【0123】
同じように、また、補充液は次の漂白、定着剤および安定剤溶液のために設計されている。消耗する成分の追加に加えて、成分を追加して、感光性写真材料によって前浴溶液がタンクに持ち込まれる場合に生じるタンクの希釈を補正する。
以下の処理工程を、本発明の処理溶液を適用する方法で実施される好ましい処理工程に含めることができる:
1)発色現像、漂白−定着、洗浄/安定化
2)発色現像、漂白、定着、洗浄/安定化
3)発色現像、漂白、漂白−定着、洗浄/安定化
4)発色現像、漂白−定着、定着、洗浄/安定化
5)発色現像、漂白、漂白−定着、定着、洗浄/安定化
上記処理工程の中で、工程1)、2)および3)が適用するのに好ましい。更に、上記各工程を、多段階プロセッサーの補充および操作のために、平流、向流、および逆相互配列を備えた、米国特許第4,719,173号(Hahm)公報に記載される多段階用途で用いることができる。あるいは、本発明の要素を、米国特許第5,179,404号(Bartell 等)公報に記載される処理装置で有利に処理する。
【0124】
本発明の使用する発色現像液は、芳香族一級アミン発色現像主薬を含有することができ、それは周知であり、種々のカラー写真処理において広く用いられる。好ましい例は、p−フェニレンジアミン誘導体である。塩の形がより安定であり、遊離アミンよりも高い水溶性を有するので、通常、塩の形でその処方にそれ等を加える。列挙した塩の中で、p−トルエンスルホネートが、発色現像主薬を高濃度化する見地からむしろ有用である。代表的な例を以下に示す:
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩、
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリンセスキ硫酸塩水和物、
4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、
4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、
4−アミノ−3−β−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩,および
4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸。
【0125】
上記発色現像主薬の中で、最初の二つを使用するのが好ましい。上記の発色現像主薬を、用途目的に合うように組み合せて使用する場合もある。
一般的に発色現像主薬を、現像液1リットル当り0.0002〜0.2モル、より好ましくは、約0.001〜0.05モルの濃度で用いる。
また、現像液は、0.006〜0.33モル/l、好ましくは0.02〜0.16モル/lの範囲で塩化物イオンを、0〜0.001モル/l、好ましくは2×10-5〜5×10-4モル/lの範囲で臭化物イオンを含有する方が良い。これらの塩化物イオンおよび臭化物イオンを、直接現像液に加えても良く、または写真材料から現像液中に溶出させても良く、乳剤もしくは乳剤以外の他の供給源から供給しても良い。
【0126】
塩化物イオンを直接発色現像液に加える場合、この塩化物イオン供給塩を、限定はされないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウム、とすることができ、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムが好ましい。
臭化物イオンを直接に発色現像液に加える場合、この臭化物イオン供給塩を、限定はされないが、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウムおよび臭化マンガンとすることができ、臭化ナトリウムおよび臭化カリウムが好ましい。
【0127】
塩化物イオンおよび臭化物イオンを、現像液のもう一つの成分の対イオン(例えば、汚染減少剤の対イオン)として供給することができる。
好ましくは発色現像液のpHは、9〜12、寄り好ましくは9.6〜11.0の範囲であり、通常の現像液の他の公知の成分を含有することができる。
上記pHを維持するため、好ましくは、種々の緩衝剤を用いる。列挙できる緩衝剤の例には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸二カリウム硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、四硼酸ナトリウム(ボラックス)、四硼酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)および5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)が含まれる。好ましくは、添加する緩衝の量は、0.1モル/l〜0.4モル/lである。
【0128】
現像液の追加の成分には、現像液の変質を防止する保恒剤が含まれる。この「保恒剤」は、一般的に、発色現像主薬の変質の速度を減少することができる化合物として特徴付けられる。カラー写真材料の処理液にそれを添加すると、空気中の酸素により引き起こされる酸化を防止する。本発明に用いる現像液は、有機保恒剤を含有するのが好ましい。特定の例には、ヒドロキシルアミン誘導体(但し、後で記載するヒドロキシルアミンを除く)、ヒドラジン類、ヒドラジド類、ヒドロキサム酸類、フェノール類、アミノケトン類、サッカリド類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物、および縮合環型アミン類が含まれる。
【0129】
上記の好ましい有機保恒剤では、典型的な化合物は下記のものであるが、本発明は、これらに限定されない。下記化合物を、0.005〜0.5モル/l、好ましくは0.025〜0.1/lの濃度で加えることが望ましい。
ヒドロキシルアミン誘導体としては、次のものが好ましい:
【0130】
【化17】
【0131】
(式中、Ra およびRb は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換のヘテロ芳香族基を表わし、同時には水素原子を表わさず、そして一緒になって窒素原子と共に複素環を形成することができる)
複素環の環構造は、5〜6員環であり、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等から作られ、飽和もしくは不飽和であっても良い。
【0132】
Ra およびRb は、それぞれ、炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルケニル基を表わすのが好ましい。Ra およびRb が一緒に結合することにより窒素を含む複素環を形成する場合の例は、ピペリジル基、ピロリジル基、N−アルキルピペラジル基、モルホリル基、インドリニル基、およびベンゾトリアゾール基である。 Ra およびRb の好ましい置換基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミド基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、およびアミノ基である。
【0133】
次にこの化合物を例示する:
【0134】
【化18】
【0135】
ジドラジン類およびヒドラジド類は、好ましくは次式IIで表わされるものを含む:
【0136】
【化19】
【0137】
[式中、Rc 、Rd 、およびRe は、(これらは同一でも良く、異なっていても良い)、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換複素環式基を表わし;Rf は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を含む置換または非置換の飽和または不飽和の5員もしくは6員の複素環式基、置換もしくは非置換アルコキシル基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換カルバモイル基、または置換もしくは非置換アミノ基を表わし;Xa は、−CO−、−SO2 −および−NHC−から選ばれる二価の基を表わし、nは、0もしくは1を表わし;nが0の場合は、Rf は、アルキル基、アリール基および複素環式基から選択され;Rd およびRe は、結合して複素環式基を形成しても良い]式IIで、Rc 、Rd、Rfはそれぞれ、水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル基を表わすのが好ましい。より好ましくはRc およびRd はそれぞれ、水素原子を表わす。
【0138】
好ましくは、Rf は、アルキル基、アリール基、アルコキシル基、カルバモイル基、もしくはアミノ基を表わし、より好ましくは、アルキル基もしくは置換したアルキル基を表わす。アルキル基の好ましい置換基には、カルボキシル、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、ホスホノ基等が含まれる。好ましくは、Xa は、−CO−もしくは−SO2 −を表わす。
【0139】
式IIによって表わされるヒドラジン類およびヒドラジド類の具体例を次に示す:
【0140】
【化20】
【0141】
【化21】
【0142】
使用することができるその他の有機保恒剤は、以下の保恒剤クラスの各クラス、即ち:フェノール類、ヒドロキサム酸類、アミノケトン類、サッカリド類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物、および縮合環型アミン類、に由来する例のリストを有する米国特許第5,077,180号(Yocuda等)公報に述べられている。更に、スルフィン酸もしくはそれらの塩類を用いて、濃縮溶液中の発色現像主薬の安定性を改良することができる。これらの例は、米国特許第5,204,229号(Nakamura等)公報に記載されている。
【0143】
必要に応じて、発色現像組成物に含ませて発色現像液の安定性を改良し、安定な継続処理を確実にする更なる成分を次式III により表わす:
【0144】
【化22】
【0145】
(式中、Rg 、Rh およびRi は、それぞれ水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アラルキル基、または置換もしくは非置換複素環式基を表わし;または、Rg およびRh 、Rg およびRi 、もしくはRh およびRi を、結合して窒素含有複素環を形成しても良い)
米国特許第4,170,478号(Case等)公報に記載されているように、式III の好ましい例は、式中、Rg がヒドロキシアルキル基であり、Rh およびRi のそれぞれが、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、もしくは−Cn H2nN(Y)Z基(ここで、nは1〜6の整数であり、YおよびZのそれぞれは、水素原子、アルキル基もしくはヒドロキシルアルキル基である)、である、アルカノールアミン類である。
【0146】
式III により表わされるアミンおよびヒドロキシルアミン化合物の具体例は次の通りである:
【0147】
【化23】
【0148】
【化24】
【0149】
必要に応じて、少量の亜硫酸塩を、本発明と一緒に用いる現像組成物中に組み入れて、酸化に対してさらに保護することができる。酸化した発色現像主薬のために、亜硫酸塩が現像液中でカプラーと競争し、望ましい色素生成を少なくする結果の効果を有するという事実から、亜硫酸塩の量は、極く少量、例えば、0〜0.04モル/lの範囲であること好ましい。発色現像液組成物が、濃縮溶液を酸化から保護するために濃縮した形態に納める場合、少量の亜硫酸塩を用いることは特に望ましい。
【0150】
本発明に関して用いる場合、しばしば現像保恒剤として用いられるヒドロキシルアミンを、現像液が実質的に含まないことが好ましい。これは、ヒドロキシルアミンが、銀現像時に望ましくない効果を有し、結果として画像色素生成が低収量となるからである。「実質的にヒドロキシルアミンを含まない」とは、現像液1リットル当り、ヒドロキシルアミンが僅か0.005モル/l以下であることを意味する。
【0151】
運転している現像液の透明性を改良し、ターリング(tarring )が起きる傾向を少なくするために、現像液に水溶性スルホン化ポリスチレンを組み入れるのが好ましい。このスルホン化ポリスチレンを、遊離酸形態もしくは塩形態で用いる。スルホン化ポリスチレンの遊離酸形態は、次式の単位を含む:
【0152】
【化25】
【0153】
(式中、Xは、高分子鎖中の反復単位数を表わす整数であり、典型的に約10〜約3,000、より好ましくは約100〜1,000の範囲である。
スルホン化ポリスチレンの塩形態は、次式の単位を含む:
【0154】
【化26】
【0155】
(式中、Xは、上記定義と同じであり、Mは、例えば、アルカリ金属イオン等の一価のカチオンである)
本発明に関する現像組成物に用いられるスルホン化ポリスチレン類を、ハロゲン原子、ヒドロキシ原子、および置換もしくは非置換アルキル基等の置換基を用いて置換することができる。例えば、それ等は、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、等のスルホン誘導体となることができる。分子量がそんなに高くなく、スルホン化の程度も水性アルカリ性写真用発色現像溶液にスルホン化ポリスチレンを不溶性にするほど低くない方が良いということ以外は、分子量もスルホン化度も決められてない。典型的に平均スルホン化度、即ち反復スチレン単位当りのスルホン酸の数は、約0.5〜4、より好ましくは約1〜2.5の範囲である。種々のスルホン化ポリスチレンを用いることができ、アルカリ金属塩類に加えて、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピリジン、ピコリン、キノリン、等のアミン塩類が含まれる。
【0156】
このスルホン化ポリスチレンをいずれの有効量でも、運転中の現像液に使用することができる。典型的に、現像液1リットル当り約0.05〜約30g、より好ましくは通常約0.1〜約15g、そして更に好ましくは0.2〜約5gの量で用いる。
更に、また種々のキレート剤を現像液に加えて、カルシウムもしくはマグネシウムが沈澱するのを防止し、発色現像液の安定改良することができる。具体例は、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレン四アミン六酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドリキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジアセテートN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、カテコール−3,4,6−トリスルホン酸、カテコール−3,5−ジスルホン酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホサリチル酸である。
【0157】
写真発色現像組成物に特に有用なキレート剤は、次式のヒドロキシアルキリデン二ホスホン酸である:
【0158】
【化27】
【0159】
(式中、Rj は、アルキル基もしくは置換アルキル基である)
Rjが、エチル基である場合、好ましいキレート剤の例は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である。ヒドロキシアルキリデンジホスホン酸キレート剤は、鉄およびカルシウムの両方を効果的に封鎖する能力を持っているので、鉄を封鎖するために機能するキレート剤としても、カルシウムを封鎖するために機能するキレート剤としても役に立つことができる。米国特許第3,839,045号(Brown )公報に記載されているように、それ等を、少量のリチウム塩(硫酸リチウムもしくは塩化リチウム等)と組み合せて用いることが好ましい。キレート剤を、遊離酸の形態もしくは水溶性塩の形態で用いることができる。必要ならば、上記キレート剤を、二種類以上組み合せて用いることができる。一つの好ましい組合せが、カテコール−3,5−二スルホン酸等のポリヒドロキシ化合物のクラスと、エチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸のクラスとの組合せとして、米国特許第4,975,357号(Buongiorne等)公報において例示されている。
【0160】
本発明に関して用いられる発色現像液が、実質的に、ベンジルアルコールを含まないことが好ましい。「実質的にベンジルアルコールを含まない」とは、ベンジルアルコールの量が、2ミリリットル/l以下であることを意味するが、より好ましくはベンジルアルコールを、全く含まない方が良い。
本発明の発色現像液が、トリアジニルスチルベンタイプの汚染減少剤(しばしば、蛍光増白剤と呼ばれる)を含有することが好ましい。トリアジニルスチルベンタイプの汚染減少剤を、現像液1リットル当り、好ましくは0.2g〜10g、より好ましくは、0.4〜5g/lの範囲で用いることができる。
【0161】
更に、本発明に関連して用いられる発色現像液に化合物を加えて、現像主薬の安定性を高めることができる。これらの物質の例には、必要ならば、メチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン、ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコール、およびエチレングリコールが含まれる。
【0162】
この発色現像液が、発色現像主薬と一緒に補助現像主薬を含有しても良いことに言及する。公知の補助現像主薬の例には、例えば、硫酸N−メチル−p−アミノフェノール、フェニドン、塩酸N,N−ジエチル−p−アミノフェノールおよび塩酸N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミンが含まれる。この補助現像主薬は、典型的に、発色現像液1リットル当り0.01〜1.0gの量で添加することができる。
【0163】
発色現像液の効果を高めることが必要ならば、陰イオン性、陽イオン性、両性および非イオン性界面活性剤を含むことが好ましい。必要ならば、色素生成カプラー、競争カプラー、および水素化硼素ナトリウム等のカブリ剤を含む、種々のその他の成分を、発色現像液に加えることができる。
必要ならば、発色現像主薬は、適当な現像促進剤を含有することができる。現像促進剤の例には、米国特許第3,813,247号公報に記載するチオエーテル化合物;四級アンモニウム塩;米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同3,253,919号および同4,230,796号各公報に記載するアミン化合物;米国特許第3,532,501号公報に記載する酸化ポリアルキレン類が含まれる。
【0164】
必要ならば、カブリ防止剤を加えることができる。添加可能なカブリ防止剤には、塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム、臭化ナトリウムもしくは臭化カリウム、沃化ナトリウムもしくは沃化カリウム等のアルキル金属ハロゲン化物、および有機カブリ防止剤が含まれる。有機カブリ防止剤の代表例には、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリルベンゾイミダゾール、2−チアゾリルメチルベンゾミダゾール、インダゾール類、ヒドロキシアザインドリジン、およびアデニン等の窒素含有複素環式化合物が含まれる。
【0165】
本発明に関連して、上述の発色現像液を、好ましくは25℃〜45℃、より好ましくは35℃〜45℃の処理温度で用いることができる。更に、この発色現像液を、処理の現像段階での処理時間に関して、120秒以下の時間、好ましくは3秒〜60秒の範囲内、より好ましくは5秒以上でかつ45秒以下で、使用することができる。
【0166】
前に記載したように、連続処理における発色現像液処理タンクは、発色現像液成分が正しい濃度を維持するように補充液で補充される。本発明に関連して用いられる発色現像補充液は、通常、感光性材料1m2 当り500ml以下の量で、補充することができる。補充液は、若干量の廃液を生じるので、廃液容量およびコストを最小にできるように、補充液の割合を好ましくは最小にする。好ましい補充割合は、10〜215ml/m2 、より好ましくは25〜160ml/m2 の範囲内である。
【0167】
更に、補充する際の現像液タンクからのオーバーフローを再生して、補充液として再度使用できるように、このオーバーフロー液を処理することにより、現像廃液容量および材料コストを減らすことができる。或る操作様式では、薬剤をオーバーフロー液に加えて、現像反応中に起きる薬剤の消耗に由来するタンク液の薬剤のロスの埋め合せをする。水および埋め合わせる薬剤の水溶液を添加することもまた、感光性材料から洗い出されて、現像液オーバーフローに存在する物質の濃度を少なくする効果を有する。感光性材料から洗い出る物質を希釈することは、望ましくない写真効果、溶液安定性の減少、および沈澱物を生じる濃度増加を防止する。現像液の再生方法は、Kodak Publication No. Z-130,「Using EKTACOLOR RA Chemicals」に記載されている。感光性材料から洗い出る物質が、好ましくない濃度に増加することがわかったならば、オーバーフロー溶液を処理して望ましくない物質を除くことができる。イオン交換樹脂、陽性、陰性および両性のものは、好ましくないとわかった特定の成分を除くのに、特に良く適している。現像液オーバーフローを再生は、再生および再使用する元の補充液の比率として、特徴付ることができる。従って、55%「再使用率」とは、使用した元の補充液容量の比率を示し、元の容量の55%を再生および再使用する。薬剤濃縮物を納めた薬剤混合物を、連続プロセッサーで使用する補充液を製造するために、オーバーフローの指定量で使用するように設計することができる。現像オーバーフロー液のいずれの量も有効に再生できるが、現像オーバーフローの少なくとも50%(50%再使用率)を生成できることが好ましい。再使用率50%〜75%を得ることが好ましく、50%〜90%の再使用率を得ることが最も好ましい。
【0168】
以下の例は、本発明を具体的に説明しようとするものであるが、本発明の実施の全てではない。特に断らない限り、部および比率は重量による。
【0169】
【実施例】
乳剤調製
以下の例の乳剤は、米国特許第3,271,157号公報に記載するタイプのチオエーテルハロゲン化銀熟成剤を用いる、通常のダブルジェット沈澱技法を用いる。
【0170】
乳剤 1a:
6.9Lの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.9gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度68℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の3.75モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの3.75モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.193モル/分から0.332モル/分まで増加した。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.78μmの平均立方エッジ長を有している。
【0171】
乳剤 1b:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.50モル/分で一定に保持した。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0172】
乳剤 1c:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。更に、別のポンプを用いて前記塩および銀を添加している間、Cs2 OsNOCl5 溶液を、別途に乳剤釜に添加した。乳剤加えたCs2 OsNOCl5 の合計量は、7.54×10-8モルに相当する量であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0173】
乳剤 1d:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。更に、別のポンプを用いて前記塩および銀を添加している間、Cs2 OsNOCl5 溶液を、別途に乳剤釜に添加した。乳剤加えたCs2 OsNOCl5 の合計量は、4.52×10-7モルに相当する量であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0174】
乳剤 1e:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液およびCs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 を含有する塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。乳剤中でのそれらの最終濃度が、塩化銀1モル当り1.51×10-8モルおよび塩化銀1モル当り5.00×10-5となるように、Cs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 の量を調節した。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0175】
乳剤 1f:
5.7Lの3.9重量%ゼラチン水溶液および1.44gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度46℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の2.00モル濃度水溶液およびその中に溶解したCs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 を含有する塩化ナトリウムの2.00モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。乳剤中でのそれらの最終濃度が、塩化銀1モル当り6.79×10-9モルおよび塩化銀1モル当り5.00×10-5となるように、Cs2 Os(NO)Cl5 およびK4 Ru(CN)6 の量を調節した。この流速を0.50モル/分で一定に保持し、銀電位を7.2pAgにコントロールした。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、立方形状および0.39μmの平均立方エッジ長を有している。
【0176】
乳剤 1g:
Cs2 Os(NO)Cl5 の最終濃度が、乳剤1モル当り7.54×10-9モルとなるように、銀および塩類を加えている間にCs2 Os(NO)Cl5 水溶液を加えた以外は、乳剤1bと同じように、乳剤1gを調製した。
【0177】
乳剤 1h:
K2 IrCl6 の最終濃度が、乳剤1モル当り7.58×10-9モルとなるように、銀および塩類を加えている間にK2 IrCl6 水溶液を加えた以外は、乳剤1bと同じように、乳剤1hを調製した。
【0178】
乳剤 1i:
6.9Lの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.9gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度68℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の3.75モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの3.75モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.193モル/分から0.332モル/分まで増加した。
銀流入の93%に相当する時間のポイントで、臭化カリウムの0.392モル濃度水溶液7.65mlを、素早く乳剤沈澱釜に添加した。この臭化物の最終濃度は、0.3モル%であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、大体において立方形状であり、0.78μmの平均立方エッジ長を有している。
【0179】
乳剤 1j:
6.9Lの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.9gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンをいれた反応容器に、塩化ナトリウム溶液を加えて、温度68℃、pH5.8、およびpAg7.2に調節した。硝酸銀の3.75モル濃度水溶液および塩化ナトリウムの3.75モル濃度水溶液を、激しく攪拌しながら同時に反応容器に流入させた。この流速を、銀電位を7.2pAgにコントロールしながら、0.193モル/分から0.332モル/分まで増加した。
銀流入の93%に相当する時間のポイントで、沃化カリウムの0.392モル濃度水溶液7.65mlを、素早く乳剤沈澱釜に添加した。この沃化物の最終濃度は、0.3モル%であった。この乳剤を洗浄して過剰の塩類を除去した。合計10モルの塩化銀乳剤を沈澱させた。この乳剤は、大体において立方形状であり、0.78μmの平均立方エッジ長を有している。
【0180】
乳剤 1k:
Cs2 Os(NO)Cl5 の最終濃度が、乳剤1モル当り6.03×10-10 モルとなるように、ハロゲン化銀成長段階の最初の70%の間にCs2 OsNOCl5 水溶液を同時に加えた以外は、乳剤1jと同じように、乳剤1kを調製した。
【0181】
乳剤 2:
4.0Lの5.6重量%ゼラチン水溶液をいれた反応容器を、温度40℃、pH5.8、およびAgBr溶液を加えてpAg8.86に調節した。水に1698.7gのAgNO3 を含有する2.5モル濃度溶液および水に1028.9gのNaBrを含有するの2.5モル濃度溶液を、急速攪拌しながら、それぞれ200ml/分の一定流速で、同時に反応容器に流入させた。pAgを8.86にコントロールして、ダブルジェット沈澱を3分間続け、その後、pAgを8.86から8.06に直線的に減少させている間、沈澱を17分間継続した。合計10モルの臭化銀乳剤を沈澱させた。この臭化銀乳剤は、0.05μmの平均粒子を有している。
【0182】
乳剤 2b:
銀1モル当り4.49×10-6モルの添加を生じる濃度で、銀および塩を加えている間にK2 IrCl6 溶液を加えた以外は、乳剤2と同じように、乳剤2bを調製した。
【0183】
乳剤 2c:
銀1モル当り1.66×10-6モルの添加を生じる濃度で、銀および塩を加えている間にCs2 OsNOCl5 溶液を加えた以外は、乳剤2と同じように、乳剤2cを調製した。
【0184】
乳剤 3a:
水125ml中のK4 Fe(CN)6 ・3H2 O 12.9gの溶液を、ダブルジェット沈澱の初期の35%の間に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように乳剤3aを調製した。合計で、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0185】
乳剤 3b:
水125ml中のK4 Ru(CN)6 12.6gの溶液を、ダブルジェット沈澱の初期の35%の間に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように乳剤3bを調製した。合計で、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0186】
乳剤 4:
水125ml中に溶解したCs2 Os(NO)Cl5 1.65×10-5モルの溶液を、沈澱中に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように正確に乳剤4を調製した。このトリプルジェット沈澱は、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0187】
乳剤 5:
水125ml中に溶解したCs2 Os(NO)Cl5 1.65×10-4モルの溶液を、沈澱中に一定流速で加えた以外は、乳剤2と同じように正確に乳剤5を調製した。このトリプルジェット沈澱は、0.05μm粒子径臭化銀乳剤10モルを生成した。
【0188】
乳剤 6:化学増感および青分光増感
次の手順を用いて乳剤1aを、化学増感および分光増感することにより乳剤6を調製した。
乳剤1aのサンプル1.0モルを40℃に加熱し、2.52×10-4モルの青分光増感色素Aを添加し、次に45.0ミリモルの乳剤2、33.75ミリモルの乳剤3aおよび11.25ミリモルの乳剤4を添加することにより分光増感した。その後温度を60℃に上げて、ホスト粒子表面上への臭化銀乳剤の再結晶を促進した。そして、この乳剤を40℃まで冷却した。次に、1.05×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム・五水和物および2.66×10-5モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを加え、この乳剤を60℃で30分間加熱して最適な化学増感を達成した。この乳剤を40℃まで冷却した後、3.57×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加して増感を終えた。
【0189】
乳剤 7:化学増感および青分光増感
乳剤2および3aの量を次のように変えたこと以外は乳剤6と同じように乳剤7を調製した:
乳剤2、67.5ミリモル、乳剤3a、11.25ミリモル、そして更に、乳剤4に換えて乳剤5を11.25ミリモルの量で加えた。
【0190】
乳剤 8:化学増感および緑分光増感
次の手順を用いて乳剤1aを、化学増感および分光増感することにより乳剤8を調製した。
乳剤1aのサンプル1.0モルを40℃に加熱し、2.46×10-4モルの分光増感色素Aおよび1.91×10-5モルの緑分光増感色素Bを添加し、次に39.375ミリモルの乳剤2、33.75ミリモルの乳剤3aおよび16.875ミリモルの乳剤4を添加することにより分光増感した。その後温度を60℃に上げて、ホスト粒子表面上への臭化銀乳剤の再結晶を促進した。この乳剤を40℃まで冷却した後、1.42×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム・五水和物および5.49×10-5モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを加え、この乳剤を60℃で30分間再加熱して最適な化学増感を達成した。この乳剤を40℃まで冷却した後、3.57×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加して増感を終えた。
【0191】
乳剤 9:化学増感および緑分光増感
乳剤2および3aの量を次のように変えたこと以外は乳剤8と同じように乳剤9を調製した:
乳剤2、69.75ミリモル、乳剤3a、11.25ミリモル、そして更に、乳剤4に換えて乳剤5を9.0ミリモルの量で加えた。
【0192】
乳剤 10:化学増感および赤分光増感
次の手順を用いて乳剤1aを、化学増感および分光増感することにより乳剤10を調製した。
乳剤1aのサンプル1.0モルを40℃に加熱し、2.46×10-4モルの分光増感色素Aおよび1.01×10-5モルの赤分光増感色素Cを添加し、次に39.375ミリモルの乳剤2、33.75ミリモルの乳剤3aおよび16.875ミリモルの乳剤4を添加することにより分光増感した。その後温度を60℃に上げて、ホスト粒子表面上への臭化銀乳剤の再結晶を促進した。この乳剤を40℃まで冷却した後、1.05×10-5モルのチオ硫酸ナトリウム・五水和物および5.49×10-5モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを加え、この乳剤を60℃で30分間加熱して最適な化学増感を達成した。この乳剤を40℃まで冷却した後、3.57×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加して増感を終えた。
【0193】
乳剤 11:化学増感および赤分光増感
乳剤2および3aの量を次のように変えたこと以外は乳剤10と同じように乳剤11を調製した:
乳剤2、67.5ミリモル、乳剤3a、11.25ミリモル、そして更に、乳剤4に換えて乳剤5を11.25ミリモルの量で加えた。
【0194】
乳剤 12:化学増感および赤分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1b(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、化合物Sを3.36×10-4モル加えた。15分間攪拌後、水に溶解した4.52×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を添加した。そして、温度を65℃まで高めて0.011モルの乳剤2を加えた。その後、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、5.79×10-6モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、4.03×10-3モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、7.28×10-5モルの増感色素D、次に8.87×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。温度を40℃まで下げ、水酸化ナトリウム溶液を用いてこの乳剤のpHを5.6に調節した。
【0195】
乳剤 13:化学増感および赤分光増感
前記乳剤のpHおよびpAgを、それぞれ5.6および7.6に調節した以外は、乳剤12と同じように乳剤13を調製した。更に、4.52×10-8モルに換えて、Cs2 OsNOCl5 を1.66×10-7モル添加した。
【0196】
乳剤 14:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1b(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、乳剤2および乳剤5の混合物を加え、その後温度を60℃まで高めた。この乳剤2および乳剤5の混合物には、臭化銀0.5M%および3.02×10-8モルのCs2 OsNOCl5 が添加されていた。その後、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、1.75×10-3モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、4.03×10-3モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0197】
乳剤 15:化学増感および緑分光増感
加えたCs2 OsNOCl5 の量が、9.05×10-8モルとなるように、乳剤2および5の混合物を調節した以外は、乳剤14と同じ手順を用いて乳剤15を調製した。
【0198】
乳剤 16:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1b(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、乳剤2および乳剤5の混合物を加え、その後温度を60℃まで高めた。この乳剤2および乳剤5の混合物には、臭化銀0.5M%および3.02×10-8モルのCs2 OsNOCl5 が添加されていた。その後、コロイド状硫化金懸濁物、3.52×10-5モルを用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0199】
乳剤 17:化学増感および緑分光増感
加えたCs2 OsNOCl5 の量が、3.02×10-8モルに換えて9.05×10-8モルとなるように、乳剤2および5の混合物を調節した以外は、乳剤16と同じ手順を用いて乳剤17を調製した。
【0200】
乳剤 18:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1c(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、コロイド状硫化金懸濁物、3.52×10-5モルを用いて、この乳剤を普通に増感し、温度を60℃まで高めて、20分間一定に保持した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加し、次に0.5M%相当量の臭化カリウム水溶液を加えた。続いて、温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0201】
乳剤 19:化学増感および緑分光増感
乳剤1cに換えて乳剤1dを用いた以外は、乳剤18と同じ手順を用いて乳剤19を調製した。
【0202】
乳剤 20:化学増感および緑分光増感
それぞれ0.5モルづつ容器に計量して、乳剤1cおよび1dを混合し、硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、コロイド状硫化金懸濁物、3.52×10-5モルを用いて、この乳剤を普通に増感し、温度を60℃まで高めて、20分間一定に保持した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加し、次に0.5M%相当量の臭化カリウム水溶液を加えた。続いて、温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0203】
乳剤 21:化学増感および緑分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1c(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、増感色素Bを2.82×10-4モル加えた。20分間攪拌後、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、1.75×10-3モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、4.03×10-3モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感し、温度60℃まで高めて、20分間一定に保持した。攪拌を続けた後、1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加し、次に0.5M%相当量の臭化カリウム水溶液を加えた。続いて、温度を40℃まで下げ、増感を終えた。
【0204】
乳剤 22:化学増感および緑分光増感
乳剤1cに換えて乳剤1dを用いた以外は、乳剤21と同じ手順を用いて乳剤22を調製した。
【0205】
乳剤 23:化学増感および赤分光増感
硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、乳剤1g(1.0M)を、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、化合物S(2.24×10-4モル)を加えた。20分間攪拌後、温度を65℃まで高め、更に10分間攪拌後、乳剤2(9.85×10-3モル)および乳剤2b(1.15×10-3モル)の混合物を加えた。そして、金〔アウロスビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)テトラフルオロボレート、7.37×10-6モル〕および硫黄(チオ硫酸ナトリウム五水和物、3.22×10-6モル)増感剤を用いて、この乳剤を普通に増感した。攪拌を続けた後、増感色素D7.28×10-5モルを加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール9.50×10-4モルを加えた。温度を40℃まで下げ、水酸化ナトリウムを用いてpHを5.6に調節した。
【0206】
乳剤 24:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤24を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素A3(9.0×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0207】
乳剤 25:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤25を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素AおよびA2の混合物(それぞれ、2.25×10-5モルおよび6.75×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0208】
乳剤 26:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有し、銀1モル当り6.79×10-10 モルのCs2 OsNOCl5 を含有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤26を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素A3(9.0×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0209】
乳剤 27:化学増感および青分光増感
平均粒子サイズ1.0μmを有し、銀1モル当り3.14×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する純塩化物立方乳剤を、以下の手順を用いて化学増感および分光増感することにより乳剤27を調製した。
乳剤の0.3モルサンプルを40℃まで加熱し、希硝酸および塩化カリウム溶液をそれぞれ用いて、pH4.3およびpAg7.6に調節した。そして、コロイド状硫化金懸濁物(8.4×10-4モル)を加え、温度を60℃に上げた。20分間化学熟成後、青分光増感色素A3(9.0×10-5モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(2.43×10-4モル)を加えた。1.0M%の乳剤2を加えて増感を終え、再結晶後温度を40℃まで下げた。
【0210】
乳剤 28:化学増感および赤分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させたエッジ長0.38μmを有する純塩化銀立方乳剤に、化学増感剤として、硫化金のコロイド状懸濁物(59.0mg/Ag−M)を加えた。そして、乳剤温度を65℃まで上げて、増感を行った。増感プロセス中、銀1モル当り1.28×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールおよび1.0モル/Ag−MのKBr水溶液を加えた。温度を40℃に下げて、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.6に調節した。赤分光増感色素(色素C)を、3.08×10-5モル/Ag−Mの量を加え、増感を完了した。
【0211】
乳剤 29:化学増感および緑分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させたエッジ長0.28μmを有する純塩化銀立方乳剤に、増感色素Bを4.95×10-4モル/Ag−Mの量加え、続いて化学増感剤として、硫化金のコロイド状懸濁物(20.3mg/Ag−M)を加えた。そして、乳剤温度を70℃まで上げて、増感を行った。増感プロセス中、銀1モル当り1.62×10-3モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールおよび0.5モル/Ag−MのKBr水溶液を加えた。
【0212】
乳剤 30:化学増感および青分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させたエッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤に、化学増感剤として、硫化金のコロイド状懸濁物(3.9mg/Ag−M)を加えた。そして、乳剤温度を60℃まで上げて、増感を行った。増感プロセス中、銀1モル当り2.88×10-4モルの1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールおよび0.80モル/Ag−MのKBr水溶液を加えた。
【0213】
乳剤 31:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、1.09×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長1.19μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(1.51mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A3(2.71×10-4モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール1.94×10-4モル、5.0×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.0080モルの乳剤2を加えた。
【0214】
乳剤 32:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、1.66×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.05mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A3(5.05×10-4モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール2.96×10-4モル、7.6×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.0122モルの乳剤2を加えた。
【0215】
乳剤 33:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、2.85×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.05mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A3(5.05×10-4モル)を加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール2.96×10-4モル、7.6×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.0122モルの乳剤2を加えた。
【0216】
乳剤 34:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、3.95×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.54μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、緑分光増感色素(色素B)1.80×10-4モルを加え、続いて化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.95mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を70℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール7.71×10-4モルを加え、続いて3.1×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.005モルの乳剤2を加えた。
【0217】
乳剤 35:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、9.36×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.54μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、緑分光増感色素(色素B)1.80×10-4モルを加え、続いて化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.95mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を70℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール7.71×10-4モルを加え、続いて3.1×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.005モルの乳剤2を加えた。
【0218】
乳剤 36:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、2.11×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.54μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、緑分光増感色素(色素B)1.80×10-4モルを加え、続いて化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(2.95mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を70℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール7.71×10-4モルを加え、続いて3.1×10-8モルのK2 IrCl6 溶液および0.005モルの乳剤2を加えた。
【0219】
乳剤 37:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、5.54×10-9モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.62μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(46.1mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を65℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール6.59×10-4モルを加え、続いて1.78×10-4モルの化合物S、2.05×10-8モルのK2 IrCl6 および0.011モルの乳剤2を含有する水溶液を加えた。この乳剤を40℃まで冷却した後、赤分光増感色素の混合物を加えて、増感プロセスを完了した。前記混合物は、色素C1.81×10-4モルおよび色素D1.66×10-5モルを含んでいた。
【0220】
乳剤 38:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、1.89×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.62μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(46.1mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を65℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール6.59×10-4モルを加え、続いて1.78×10-4モルの化合物S、2.05×10-8モルのK2 IrCl6 および0.011モルの乳剤2を含有する水溶液を加えた。この乳剤を40℃まで冷却した後、赤分光増感色素の混合物を加えて、増感プロセスを完了した。前記混合物は、色素C1.81×10-4モルおよび色素D1.66×10-5モルを含んでいた。
【0221】
乳剤 39:
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、3.56×10-8モルのCs2 OsNOCl5 を含有する、エッジ長0.62μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(46.1mg/Ag−M)を加えた。そして乳剤温度を65℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール6.59×10-4モルを加え、続いて1.78×10-4モルの化合物S、2.05×10-8モルのK2 IrCl6 および0.011モルの乳剤2を含有する水溶液を加えた。この乳剤を40℃まで冷却した後、赤分光増感色素の混合物を加えて、増感プロセスを完了した。前記混合物は、色素C1.81×10-4モルおよび色素D1.66×10-5モルを含んでいた。
【0222】
乳剤 40、41、42:化学および青分光増感
乳剤1i、1j、および1kを同様に化学増感および分光増感して、乳剤40、41、および42を生成する。
化学増感剤として硫化金のコロイド状懸濁物(5.0mg/Ag−M)を、各乳剤に攪拌しながら加えた。乳剤温度を60℃まで上げ、化学増感を行った。増感プロセス中、化学熟成時に、増感色素A2.62×10-4モルおよび1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール2.88×10-4モルを加えた。
【0223】
乳剤 45:
乳剤1nを、米国特許第5,314,798号(Brust 等)公報に記載される乳剤Aと同じように調製した。この平板状塩化物乳剤は、ECD1.6μおよび平均粒子厚0.125μmを有した。
【0224】
乳剤 45a:
粒子体積の最初の90%の間に、Cs2 OsNOCl5 の水溶液を、均一な様式で前記粒子に一斉に加えた以外は、乳剤1nと同じように乳剤1oを調製した。生じた粒子は、ECD1.87μおよび厚さ0.141μmを有した。Cs2 OsNOCl5 の濃度は、銀1モル当り2.64×10-9モルであった。
【0225】
乳剤 46:化学および青分光増感
硫化金のコロイド状懸濁物0.25mg/Ag−M、続いて、分光増感色素A8.22×10-4モルおよび4モル%の臭化カリウム水溶液を加えて、乳剤1o化学増感し分光増感した。生じた乳剤を、40分間60℃で加熱した。冷却後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール1.06×10-4モルを加えて、乳剤を安定にし、化学増感および分光増感プロセスを完了した。
【0226】
乳剤 47:化学および青分光増感
通常のダブルジェット技法を用いて沈澱させ、3.62×10-9モルのCs2 OsNOCl5 および粒子体積の93%に素早く添加された0.3モル%の沃化カリウムを含有する、エッジ長0.78μmを有する純塩化銀立方乳剤1モルに、化学増感剤として銀1モル当り5.0mgの硫化金のコロイド状懸濁物を加えた。そして乳剤温度を60℃に上げ、増感を行った。増感プロセス中、青分光増感色素A2.10×10-4モルを加え、続いて1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール3.59×10-4モルを加えた。
【0227】
単一層塗膜評価フォーマット
上記乳剤を、通常の塗膜製造方法および技法を用いる単一乳剤層塗膜フォーマットで、最初に評価した。この塗膜フォーマットを次の表に詳細に記載する。
【0228】
【表2】
【0229】
塗膜例1:
乳剤6および7を、0.588/1.000モル比で配合し、銀(380mg/m2 )およびイエロー色素生成カプラーY−1(1064mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーY−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜Y−1を構成した。
【0230】
塗膜例2:
乳剤8および9を、0.929/1.000モル比で配合し、銀(380mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−1を構成した。
【0231】
塗膜例3:
乳剤10および11を、0.75/1.000モル比で配合し、銀(190mg/m2 )およびシアン色素生成カプラーC−3(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーY−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜C−1を構成した。
【0232】
塗膜例4:
乳剤12および13を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(181mg/m2 )およびシアン色素生成カプラーC−3(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーC−3を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜C−2を構成した。
【0233】
塗膜例5:
乳剤14および15を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−2を構成した。
【0234】
塗膜例6:
乳剤16および17を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−3を構成した。
【0235】
塗膜例7:
乳剤18および19を、1.0/1.0モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーM−1(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーM−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−4を構成した。
【0236】
塗膜例8:
乳剤21および22を、0.42/0.57モル比で配合し、銀(280mg/m2 )およびマゼンタ色素生成カプラーB(426mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーBを、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜M−5を構成した。
【0237】
塗膜例8a:
乳剤25および26を、0.58/0.42モル比で配合し、銀(233mg/m2 )およびイエロー色素生成カプラーY−1(1076mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。カプラーY−1を、通常の分散技法を用いて永久カプラー溶剤(フタル酸ジブチル)、先ず分散した。これにより塗膜Y−2を構成した。
【0238】
単一層塗膜例8b:
乳剤46および47を、0.50/0.50モル比で配合し、銀(233mg/m2 )およびイエロー色素生成カプラーY−1(1076mg/m2 )を用いる、上記フォーマットで塗布した。
【0239】
多層塗膜評価フォーマット
上記乳剤を、また、通常の塗膜製造方法および技法を用いる種々の多層塗膜フォーマットにおいて評価した。この塗膜フォーマットを次に詳細に記載する。
【0240】
例9:
表III に具体的に説明する構成を用いる通常のカラーペーパーフォーマットで、この例に記載する乳剤を用いて、多層カラーペーパー例を調製した。
【0241】
例10:
隣接層に同じ分光感度の乳剤を塗布した以外は、通常のカラーペーパー層順に、この例に記載する乳剤を用いて、多層カラーペーパー例を調製した。この多層例の構成を表IVに具体的に説明する。
【0242】
例11:
通常のハロゲン化銀ネガフィルムおよび表V に記載するサンプルの多層ハロゲン化銀ネガペーパーを用いて、本発明の好ましい調子再現を示す三色性画像再現システムを調製した。
【0243】
多層塗膜例12:
通常のハロゲン化銀ネガフィルムおよび表VIに記載するサンプルの多層ハロゲン化銀ネガカラーペーパーを用いて、本発明の好ましい調子再現を示す三色性画像再現システムを調製した。この例は、三種類の、色記録毎に同じように増感したハロゲン化銀乳剤の使用を具体的に説明する。
【0244】
【表3】
【0245】
【表4】
【0246】
【表5】
【0247】
【表6】
【0248】
上記の塗布されたペーパーサンプルを調製した後、これらを次のように評価した:
それぞれの単一層カラーペーパーサンプルを、色温度3000゜Kを有し、Kodak Wratten (商標)2C並びに85ccマゼンタの Kodak Color Compensating (商標)フィルターおよび130ccイエローの Kodak Color Compensating (商標)フィルターを組み合せたものでフィルターをかけた、Kodak Model 1Bセンシトメータにおいて、光に対して露光した。露光時間を0.1秒に調節した。前記ペーパーサンプルを、0〜3 log−Eの露光量範囲を持つ中性階段露光タブレットに接触させることにより、露光を実施した。
【0249】
それぞれの多層カラーペーパーサンプルを、色温度3000゜Kを有し、そして、青記録の特徴的な応答を得るための Kodak Wratten 2C および Kodak Wratten 98 フィルターもしくは赤記録の特徴的な応答を得るための Kodak Wratten 70 フィルターでフィルターをかけた、Kodak Model 1Bセンシトメータにおいて、露光した。露光時間を0.1秒に調節した。前記ペーパーサンプルを、0〜3 log−Eの露光量範囲を持つ中性濃度階段露光タブレットに接触させることにより、露光を実施した。
【0250】
塗膜例1〜11として上記したペーパーサンプルを、Kodak Ektacolor RA-4 Color Development(商標)プロセスで処理した。この発色現像液および漂白−定着処方を次の表X およびXIに記載する。化学現像処理サイクルを表XII に記載する。
例11は、感光性乳剤の順序が、通常の乳剤層順序に比較して反転されている、独特の多層カラーペーパーフォーマットを表わす。その上に置かれた緑感性および赤感性乳剤層を持つ樹脂コートペーパー支持体の隣に青感性乳剤層を置くのが一般的に望ましいが、独特の偽増感乳剤と組合わさるこのフォーマットも調製することができる。偽分光増感乳剤を有するこのフォーマットを用いると、その下に置かれている緑感性および赤感性乳剤を露光することに由来する青光を減少させるか除去するために、青光吸収フィルター層を含むことが必要である。他のカラーネガシステムにおいて青光フィルターを必要とする場合は、イエローフィルター色素もしくはケリーレア(Carey Lea )銀等の微小粒子銀分散体を用いることが一般的である。多層塗膜中に微小粒子分散体が存在すると、定着およびフィルムからの定着銀を洗浄する前に、現像された銀を酸化物で漂白する後処理段階に用いる、より強い漂白が必要である。この理由により、余った銀の除去を容易にするために、代わりの化学現像および処理サイクルが開発された。改良された化学現像および処理サイクルを、表XIIIに示す。用いた化学現像液は、表X のものと同じである。停止浴、漂白および定着溶液の組成を表XVI 、XIV 、XVに表わす。 処理後、各サンプルのステータスA反射濃度を測定した。
【0251】
図3、4、5、7および8は、塗膜例1、2、3、4および7の濃度対log−E関係(実線)を表わす。加えて、各濃度対log−E曲線の瞬間コントラストを表わす(点線)。図6は、塗膜例11に記載する多層塗膜例の結果を表わす。記載した各例において、各色記録の瞬間コントラストを示す。
各サンプルの濃度対log−Eプロットのそれぞれにおいて、dD/dlog−E(即ち、瞬間コントラスト)をプロットする。それぞれの瞬間コントラスト曲線上に、瞬間コントラスト1.0に相当するベースラインを置いた。各例の瞬間コントラスト曲線上に、二つの追加のマークをつけた。最初に、瞬間コントラストが、1.0の値に到達するlog−E露光量をマークし、次に瞬間コントラストの傾きがゼロ、即ち、おおよそ次第に負になる瞬間コントラスト曲線上にマークする。瞬間コントラスト曲線をプロットするのに用いたコンピュータアルゴリズムのため、いくつかの小さな負の屈曲は避けがたく、連続的に増加するコントラストの一般的な傾向を表わさないことに留意されたい。
【0252】
log−E軸上に置いた二点間の差は、露光量の増加につれて、瞬間コントラストが連続的に増加する特性曲線の露光量範囲を表わす。二点間の分離が大きければ大きいほど、濃度対log−E曲線のより高い濃度部分において再現されるディテールが改良され、従って改良された陰影部ディテールを生じると、理解される。
【0253】
表VII は、それらのそれぞれの色の機能に関する、二種類の市販のカラーペーパーおよび塗膜例の対数露光量範囲を概括する。
表VII の対数露光量範囲からわかるように、発明例の全ては、二種類の市販のカラーネガペーパーよりも著しく広い、露光量増加として、瞬間コントラストが増加する対数露光量範囲(aR 、aG およびaB )を有する。この追加の露光量範囲は、増加した上部スケールラティチュード、従って陰影部ディテールに直接的に変る。
【0254】
aR 、aG およびaB を、瞬間コントラストが最初に1.0の値に到達する点と瞬間コントラストの最大値との間の対数露光量範囲と定義する。
更に、瞬間コントラストが露光量範囲の実質部分を超えて増加することも重要である。瞬間コントラストが最初に1.0の値に到達する点と増加される露光量での瞬間コントラストが1.0の値より下に下がる点との間の対数露光量を測定することにより、この範囲の量を便利に計る。コントラストが1.0より小さい場合ディテールを見ることは困難であるので、この値は、関連する露光量範囲を定義するのに十分であると思われる。aR 、aG およびaB を、最初の瞬間コントラスト1.0と最大瞬間コントラストとの間の露光量範囲として上記のように定義したので、fR 、fG およびfB を、断片部分の合計である全体露光量範囲で割った、コントラストが増加している全露光量範囲の部分として定義することができる。即ち、
f%=a/(a+b)×100
fができるだけ100%に近づくことが重要である。しかし、我々の研究は、物理的な限界により100%に到達することが妨げられることを示した。従って、できるだけ大きいa値を達成することが重要である。本発明のペーパーの場合において、表VII に見られるf値は、明かに市販のペーパーより大きい。公平には、f値が70%を超え、かつa値が0.6logEを超える多層塗膜から生成する写真を見た個々の判定者は、このカラープリントに陰影部領域の特に良いディテールおよび飽和した色があるので、この写真により心地良さを見出す。
【0255】
【表7】
【0256】
【表8】
【0257】
この表のデータは、本発明が特定のクラスの色素生成カプラーに限定されないことを示す。本発明の例は、調子スケール計量「a」および「F%」を、所望する調子スケール再現を達成するのに必要な乳剤もしくは乳剤の組合せを適当に選択することにより達成でき、いずれのカプラーも選択できることを実証する。
【0258】
【表9】
【0259】
表中のL*を明度、C*を彩度(Billmeyer および Saltzmannの、Principles of Color Technology,2版、John Wiley and Sons, 1981, 63 ページ参照)として定義する。
この表では、あるクラスの色素生成カプラーが、他のクラスよりも好ましいことを実証する。より高い彩度(C*)の色素を生成するシアン、マゼンタ、およびイエロー色素生成カプラーが、低い彩度の色素(即ち低C*)を生成するカプラークラスよりも好ましい。好ましいシアン、マゼンタ、およびイエローカプラークラスと、改良された調子スケールを生成する乳剤とを組み合せると、より明るく、オリジナルの色をより正確に再現する色を有する写真ができる。これは、本発明の乳剤によって生成されるハロゲン化銀調子スケーが、より正確にオリジナルの色の明度(L*)およびコントラストを再現するからである。そして、与えられた明度でのより高い彩度、その明度レベルでの高められた色飽和度を説明する色素生成カプラーとの組合せにより達成される。
【0260】
従って、本発明によると、反射カラーネガペーパーの、非常に広範囲の濃度に渡って、好ましくかつ優れた調子および色再現が可能になることが理解される。
【0261】
【表10】
【0262】
【表11】
【0263】
【表12】
【0264】
露光済みペーパーサンプルの処理を、現像および漂白−定着温度を35℃に調節して実施する。洗浄を32.2℃で水道水で行う。
【0265】
【表13】
【0266】
露光済みペーパーサンプルの処理を、現像および漂白−定着温度を35℃に調節して実施する。洗浄を32.2℃で水道水で行う。
【0267】
【表14】
【0268】
26.7℃での漂白のpHを、水酸化アンモニウムもしくは硝酸を用いて6.00±0.05に調節する。
【0269】
【表15】
【0270】
定着液のpHは、26.7℃で6.5±0.15である。
【0271】
【表16】
【0272】
本発明の好ましい調子再現を表わす三色画像再現システムの例を、通常のハロゲン化銀ネガフィルムおよび表XVIIに記載するサンプルの多層ハロゲン化銀ネガカラーペーパーを用いて調製した。このカラーペーパー例は、二種類の、色記録毎に同じ感度のハロゲン化銀乳剤を使用して所望する調子再現を得ることを説明する。
【0273】
塗布されるハロゲン化銀乳剤量が一般的に用いられるものよりも実質的に少なく、この減少により、現像−増幅と呼ぶ処理(dev-amp 処理)を用いる特別な化学現像処理を必要とすることが、他の例と異なる。「dev-amp 」処理の詳細を表XVIII 、XIX 、XXに示す。
また、「dev-amp 」処理との関連では、以下の文献:
国際公開92/10790号、同92/17819号、同93/04404号、同92/173370号、同91/19226号、同91/12567号、同92/07302号、同93/00612号、同92/07301号、同92/09932号、米国特許第5,294,956号、欧州特許第559,027号、米国特許第5,179,404号、欧州特許第559,025号、米国特許第5,270,762号、欧州特許第559,026号、米国特許第5,313,243号、および同5,339,131号各公報、
に記載される低容量、希薄タンクプロセッサーにおいて、それが特に有利なこのタイプの処理要素となるであろうと企図される。
【0274】
【表17】
【0275】
【表18】
【0276】
【表19】
【0277】
【表20】
【0278】
【化28】
【0279】
【化29】
【0280】
【化30】
【0281】
【化31】
【0282】
【化32】
【0283】
【化33】
【0284】
ハレーション防止色素
【0285】
【化34】
【0286】
本発明の他の好ましい態様を請求項との関連において、次ぎに記載する。但し、態様1および38は、請求項1および2と同じである。
【0287】
(態様1)少なくとも一層を含んでなる多色写真要素であって、
前記少なくとも一層が、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含み、
前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして
前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記少なくとも一層の瞬間コントラストが増加する多色写真要素。
【0288】
(態様2)シアンカラー生成層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する態様1に記載の要素。
【0289】
(態様3)マゼンタカラー生成層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する態様1に記載の要素。
【0290】
(態様4)前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する、シアンおよびマゼンタカラー生成層の両方を含んでなる態様1に記載の要素。
【0291】
(態様5)前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記層の瞬間コントラストが増加する、シアンおよびマゼンタ並びにイエローカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含んでなる態様1に記載の要素。
【0292】
(態様6)前記露光量範囲が少なくとも0.7logEである態様1に記載の要素。
(態様7)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも75%である態様1に記載の要素。
(態様8)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも75%である態様6に記載の要素。
(態様9)少なくとも0.75logEの露光量範囲を有する態様7に記載の要素。
(態様10)少なくとも0.8logEの露光量範囲を有する態様1に記載の要素。
【0293】
(態様11)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも80%である態様1に記載の要素。
(態様12)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも75%である態様10に記載の要素。
(態様13)増加するコントラストの露光量範囲の部分が少なくとも80%である態様10に記載の要素。
(態様14)前記少なくとも一層が、90モル%塩化物を超えるハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様15)前記少なくとも一層が、95モル%塩化物を超えるハロゲン化銀粒子を含む態様14に記載の要素。
【0294】
(態様16)瞬間ガンマ増加が連続的である態様1に記載の要素。
(態様17)瞬間ガンマ増加が、連続的増加から最大15%のずれを含むことができる態様1に記載の要素。
(態様18)瞬間ガンマ増加が、連続的増加から最大10%のずれを含むことができる態様1に記載の要素。
(態様19)前記少なくとも一層のより高い露光量範囲でのコントラストが、前記層のより低い露光量範囲よりも高い態様1に記載の要素。
(態様20)シアンカラーを生成する前記層が、異なる感光度を各々有する二つの別の層を含んでなる態様4に記載の要素。
【0295】
(態様21)シアンカラーを生成する前記層が、一方の乳剤がより低い感光度を有し、そして他の乳剤よりも高いコントラストを有する、配合乳剤を含む態様4に記載の要素。
(態様22)マゼンタカラーを生成する前記層が、異なる感光度を各々有する二つの別の層を含んでなる態様4に記載の要素。
(態様23)マゼンタカラーを生成する前記層が配合乳剤を含み、前記配合乳剤の一方の乳剤が、前記配合乳剤の他の乳剤よりも低い感光度を有し、そして高いコントラストを有する、態様4に記載の要素。
(態様24)少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子がイリジウムを含有する態様1に記載の要素。
(態様25)少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子が減感イオンもしくは錯体を含有する態様1に記載の要素。
【0296】
(態様26)前記要素が、コントラスト増加イオンもしくは錯体を含有する少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様27)前記要素が、表層電子トラップイオンもしくは錯体を含有する少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様28)前記要素が、
(1)減感またはコントラスト増加イオンもしくは錯体のいずれか、そして
(2)表層電子トラップイオンもしくは錯体、を含有する少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様29)610nm〜645nmの可視光スペクトルの赤領域に分光感度を有するカラーネガフィルムでプリントすると、色正確度が改良され、より高い品質の写真を生成する態様1に記載の要素。
(態様30)450nm〜470nmの可視光スペクトルの青領域に分光感度を有する態様1に記載の要素。
【0297】
(態様31)反射ベースを更に含んでなる態様1に記載の要素。
(態様32)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0298】
【化35】
【0299】
【化36】
【0300】
【化37】
【0301】
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様3に記載の要素。
(態様33)少なくとも一つのハロゲン化銀層のハロゲン化銀粒子が、有機ドーパントもしくは有機リガンドを持つ金属イオン錯体を含有する態様1に記載の要素。
(態様34)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0302】
【化38】
【0303】
(式中、R1 およびR2 は、独立して、Hもしくは置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;そして
Za 、Zb 、およびZc は、独立して、置換メチン基、=N−、=C−、もしくは−NH−である、但し、Za −Zb 結合もしくはZb −Zc 結合のいずれか一方が二重結合であり、他方が単結合であり、そしてZb −Zc 結合が炭素−炭素二重結合で有る場合には、それは芳香環の一部を形成することができ、そしてZa 、Zb 、およびZc の少なくとも一つが、基R2と結合するメチン基を表わすことを条件とする)
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様3に記載の要素。
(態様35)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0304】
【化39】
【0305】
(式中、R3 、Z1 およびZ2 は、それぞれ置換基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基であり;
Yは、アリール基もしくは複素環式基を表わし;
Z3 は、>N−と一緒に、窒素含有複素環式基を形成するのに必要な有機残基を表わし;そして
Qは、3員〜5員の炭化水素環もしくは環中にN、O、SおよびPから選ばれる少なくとも一種類のヘテロ原子を持つ3員〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わす)
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様5に記載の要素。
(態様36)前記マゼンタカラー生成層が、次式:
【0306】
【化40】
【0307】
(式中、R4 、R8 およびR11は、それぞれ水素もしくは置換基を表わし;
R5 は、置換基を表わし;
R6 、R7 およびR10は、それぞれ0.2以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし、かつR6 およびR7 のσpara値の合計は0.65以上であり;
R9 は、0.35以上のハメット置換基定数σparaを持つ電子求引性基を表わし;
Xは、水素もしくはカップリング脱離基を表わし;
Z4 は、少なくとも一つの解離基を持つ窒素含有6員複素環を形成するのに必要な非金属原子を表わし;
Zd は、−C(R10)=および−N=を表わし;そして
Ze およびZf は、それぞれ−C(R11)=および−N=を表わす)
からなる群より選ばれる少なくとも一種類のカプラーを含んでなる態様3に記載の要素。
【0308】
(態様37)前記少なくとも一種類のハロゲン化銀乳剤がRh、Ru、Fe、およびオスミウムの少なくとも一種類を含んでなる態様1に記載の要素。
(態様38)少なくとも一層を含んでなる多色写真要素であって、
前記少なくとも一層が、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含み、
前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして
前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記少なくとも一層の瞬間コントラストが増加する多色写真要素を提供すること、
前記要素を化学線に露光して潜像を形成すること、そして
発色現像主薬を用いて前記潜像を現像してカラー画像を生成すること、を含んでなる写真画像の形成方法。
【0309】
本発明の好ましい態様を特に詳細に記載したが、本発明の精神および範囲内で種々の変更および改造が可能であることは、理解されるであろう。
【0310】
【発明の効果】
本発明は、従来のカラーペーパー製品を超え、そして他のネガ型カラー写真製品を超える数多くの利点を有している。本発明は、高露光量領域での改良されたコントラストを提供する。更に、本発明は、低部スケールにおいて色飽和を有するにもかかわらず、上部スケールが非常に良好なディテールを提供するカラーペーパーを提供する。さらに、本発明のカラープリントは、高濃度領域での良好なディテールを有するプリントに対しより自然な外観を有する。加えて、本発明のカラーペーパーは、広範囲の肌色おいて心地の良い肌調子を提供する。特に、このカラーペーパーは、多種多様の肌調子において望ましい調子を提供する。
【0311】
本発明のもう一つの利点は、カラープリントの低濃度領域の好ましいコントラストを同時に高めることなく、このプリントの高濃度領域のコントラストを高めることにより、カラー写真ペーパーにおける、典型的な周囲環境での周囲のビューイングフレア(viewing flare )を補償することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なハロゲン化銀カラーネガペーパーの例として、Kodak Ektacolor Supura(商標)の従来技術の赤、緑および青の濃度対log−E特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図2】代表的なハロゲン化銀カラーネガペーパーの例として、Fujicolor SFA 3 Type C(商標)の従来技術の赤、緑および青の濃度対log−E特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図3】塗膜例1の青の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図4】塗膜例2の緑の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図5】塗膜例3の赤の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図6】塗膜例11の赤の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図7】塗膜例4の赤の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
【図8】塗膜例7の緑の特性曲線(実線)および計算したdD/dlog−E曲線(点線)を表わす。
Claims (2)
- 少なくとも一層を含んでなる多色写真要素であって、
前記少なくとも一層が、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含み、
前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして
前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記少なくとも一層の瞬間コントラストが増加する多色写真要素。 - 少なくとも一層を含んでなる多色写真要素であって、
前記少なくとも一層が、シアンカラー生成ハロゲン化銀乳剤層もしくはマゼンタカラー生成ハロゲン化銀乳剤層を含み、
前記少なくとも一層が、瞬間コントラストが1.0である点から少なくとも0.6logEの露光量範囲を有しており、そして
前記露光量範囲の少なくとも70%にわたって、増加する露光量の関数として前記少なくとも一層の瞬間コントラストが増加する多色写真要素を提供すること、
前記要素を化学線に露光して潜像を形成すること、そして
発色現像主薬を用いて前記潜像を現像してカラー画像を生成すること、を含んでなる写真画像の形成方法。
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