JP3938446B2 - アクリル酸エステル系樹脂 - Google Patents
アクリル酸エステル系樹脂 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3938446B2 JP3938446B2 JP04467499A JP4467499A JP3938446B2 JP 3938446 B2 JP3938446 B2 JP 3938446B2 JP 04467499 A JP04467499 A JP 04467499A JP 4467499 A JP4467499 A JP 4467499A JP 3938446 B2 JP3938446 B2 JP 3938446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plastisol
- weight
- primary particles
- acrylic ester
- ester resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペースト加工に用いられるプラスチゾル用樹脂であり、プラスチゾルの流動性に優れ、且つ強度に優れた成形物を与えるアクリル酸エステル系プラスチゾル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビニル系樹脂は機械的性質、加工性、難燃性等に優れ、多くの可塑剤と良好なプラスチゾルを形成するため工業的に広く用いられているが、熱や光に対して不安定であるため、これまで多くのアクリル酸エステル系樹脂及びそのプラスチゾルが提案されているが、それらの多くはプラスチゾル粘度の安定性が良好であること、可塑剤のブリードがないことが主目的であった。
【0003】
例えば特公昭53−144950号公報には可塑剤と相溶性の良い成分を核物質とし、可塑剤と非相溶性の物質を皮殻物質とするいわゆるコア−シェル構造のアクリル酸エステル系樹脂を提案しているが、樹脂100重量部に対して可塑剤が特に150〜200重量部の範囲内に選択され、低可塑剤量での低粘度化の要求を満たすことができない。
【0004】
また特開平8−225748号公報においては、一次粒子の平均径が2.2〜5.5μmであるプラスチゾル用合成樹脂を提案しているが、プラスチゾルとしたときに二次粒子が90μmから数多く現れるためコーティング加工などでスジ引き、ブツの発生の恐れがあり用途が制限される。
【0005】
また特開平8−73601号公報においては、アクリル重合体粒子の平均粒子径が0.1〜2.0μmのものと3.0〜50μmの混合物からなるアクリルゾルを提案しているが、乾燥した樹脂(二次粒子)を所望の粒度分布に分級或いは粉砕してそろえて、混合する必要があり煩雑なものである。
【0006】
なお、本発明で記述する一次粒子とは微細懸濁重合或いは乳化重合によって得られたラテックスの基本粒子のことを示し、二次粒子とは前記のラテックスを塩析等により凝固させるか、或いはスプレー乾燥等の方法によって得られた一次粒子の凝集体のことを示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はプラスチゾルの流動性に優れ、且つ強度に優れた成形物を与えるプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
アクリル酸エステル系樹脂の一次粒子の粒子径ピークが0.2〜0.5μmの範囲にあり且つ該粒子径の分布幅が0.1〜0.7μmである一次粒子(A)と、該粒子径ピークが1〜3μmの範囲にあり且つ0.7〜5μmである一次粒子(B)からなり、一次粒子(A)が25〜75重量%と一次粒子(B)が75〜25重量%で構成されることを特徴とするプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂により、プラスチゾルでの流動性に優れ、且つ強度に優れた成形物を与えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明のプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂について詳細に説明する。
【0010】
本発明での一次粒子(A)の粒子径ピークは、0.2〜0.5μmの範囲にあり、0.25〜0.4μmの範囲にあることがより好ましい。一次粒子(A)のピーク径が0.2μmより小さい場合、プラスチゾルとしたときの粘度が高くなる。
【0011】
一次粒子(B)の粒子径ピークは、1〜3μmの範囲にあり、1.5〜2.5μmの範囲にあることがより好ましい。一次粒子(B)のピーク径が1μmより小さい場合、プラスチゾルとしたときの粘度が高くなる。一次粒子(B)のピーク径が3μmを越えると成型物の機械的強度が低下する。
【0012】
本発明での一次粒子(A)と(B)の割合は、一次粒子(A)が25〜75重量%であり、一次粒子(B)が75〜25重量%であり、好ましい範囲としては一次粒子(A)が35〜65重量%であり、一次粒子(B)が65〜35重量%である。一次粒子(A)が75重量%を越える場合、プラスチゾルとしたときの粘度が高くなり、一次粒子(A)が25重量%未満であるとプラスチゾルの流動特性に劣るものとなり易く、又成型物の機械的強度も低下する傾向がある。
【0013】
本発明のアクリル酸エステル系樹脂の製造方法は乳化重合、シード乳化重合、微細懸濁重合法によって、或いは場合によっては各重合法によって得られた所望の一次粒子のブレンドによっても得ることができるが、粒子径分布制御の面から微細懸濁重合が好ましい。
【0014】
微細懸濁重合においては油溶性重合開始剤、乳化剤、分散助剤、重合性単量体及び脱イオン水を混合機に仕込み、これをホモジナイザーで分散して微細な液滴とし、これを重合温度に加熱して、単量体液滴中に溶解している油溶性開始剤を分解、ラジカルを発生させラジカル重合を進行させる。
【0015】
本発明においては微細懸濁重合において油溶性開始剤を含むアクリル酸エステル系単量体と乳化剤及び分散助剤を含んだ脱イオン水を混合機に仕込み、この混合液をホモジナイザーを用いてアクリル酸エステル系単量体を分散均質化させるに際して、ホモジナイザーの吸入側と吐出側の圧力差1.5〜4.5Kg/cm2の範囲で吐出させることを特徴とし、より好ましくは圧力差2〜4Kg/cm2の範囲で吐出させることである。これにより本発明所望の粒子径分布を有するアクリル酸エステル系樹脂を得ることが出来る。圧力差が1.5Kg/cm2より小さいと一次粒子(B)の粒子径が大きくなり機械的強度が低下する。圧力差が4.5Kg/cm2より大きいと一次粒子(B)の粒子径が小さくなりゾル粘度が高くなる傾向にある。通常用いられるホモジナイザーとしてはとしては、一段または多段の高圧ホモジナイザー、コロイドミル、一段または多段の遠心ポンプ及びパイプラインミキサー等の機械的分散装置があげられ、これらは単独または組み合わせて用いられる。
【0016】
本発明のアクリル酸エステル系樹脂は微細懸濁重合後にラジカル重合性単量体を30〜200重量部追加し被覆重合を行うことが好ましく、さらにはこのラジカル重合性単量体としてはプラスチゾルとしたときの粘度の安定性、成型物の強度及びタック性等からメチルメタクリレートが好ましい。その際この重合はラジカル重合性単量体あるいはその混合物をそのまま追加してもよいし、乳化剤水溶液と混合分散したエマルジョンとして追加してもよく、重合開始剤、還元剤等を必要に応じて追加してもよい。
【0017】
また追加重合の前に油溶性開始剤等を追加し微細懸濁重合での重合転化率を100%近くまで上げた後に、ラジカル重合性単量体の追加被覆重合を行うことが好ましい。またスケール防止などの目的で水溶性重合禁止剤を重合系に用いても良い。
【0018】
ラジカル重合性単量体には、メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基炭素数が1〜4である単量体とアクリル酸アルキルエステルのアルキル基炭素数が1〜8である単量体及びこれらと共重合可能な単量体さらには架橋性単量体のうちから選んで良い。たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、スチレン、α−メチルスチレンから選ばれる2種あるいはそれ以上。架橋性単量体はトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどから選ばれる1種或いはそれ以上が挙げられる。
【0019】
乳化剤としてはアニオン性乳化剤が、通常単量体100重量部あたり0.1〜3重量部程度用いられる。アニオン性乳化剤としては、脂肪酸、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルエーテルリン酸エステル等のカリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。分散助剤としてラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸類などが通常単量体100重量部あたり0.1〜3重量部好ましくは0.2〜1重量部添加することができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0020】
微細懸濁重合に用いる油溶性開始剤としては、ジラウリルパーオキサイド、ジ3,5,5トリメチルへキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジー2ーエチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物開始剤、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類を用いることができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ、必要に応じて、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート2水塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等の還元剤を併用する事ができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0021】
本発明で得られたアクリル酸エステル系樹脂は、スプレー乾燥など種々の公知の方法により乾燥し粉体とすることができるが、プラスチゾルとしたときあるいはゲル化過程に於いて一次粒子近くまでほぐれる乾燥及び粉砕条件とすることが好ましい。
【0022】
本発明のアクリル酸エステル系樹脂はプラスチゾルとして用いられるに際して可塑剤、必用に応じて安定剤、充填剤、補強剤、希釈剤、液状単量体、液状オリゴマー、減粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、表面処理剤、チキソトロープ剤、接着付与剤の1種又は2種以上を加えて混練してプラスチゾルとして、その流動性を利用して賦型し、その後加熱ゲル化して成形加工される。尚希釈剤を使用する場合は、多量に添加すると加工製品の外観を損なうので、これらの問題を引き起こさない範囲で使用するのが好ましい。
【0023】
本発明のアクリル酸エステル系樹脂を用いてプラスチゾルを調整する際に用いる可塑剤については、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤、トリブチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、トリ−2−エチルヘキシルフォスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェート、トリイソデシルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、レゾルシノールビスジフェニルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、ジ−2−ヘキシルアジペート等のアジピン酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル、ジ−2−ヘキシルアゼレート等のアゼライン酸エステル、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル系可塑剤、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル系可塑剤、オレイン酸ブチル等のオレイン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を用いることができる。
【0024】
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられるが、アクリル酸エステル系樹脂は可燃性であり、難燃性を付与するためにはリン酸エステル系可塑剤を用いることが好ましい。
【0025】
またグリコール酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、エポキシ系可塑剤などの二次可塑剤を併用してもよい。これらの二次可塑剤も単独又は2種以上組み合わせて用いられる。その他の配合剤についても公知のものを使用することができる。
【0026】
可塑剤の量は特に限定されないが、重合体100重量部に対して50〜200重量部の範囲であってよい。
【0027】
本発明のアクリル酸エステル系樹脂を用いたプラスチゾルは塩化ビニル系プラスチゾルが使用されている各種用途に用いることができる。たとえば壁紙、クッションフロアー、カーペットタイルなどの内装品、シーリング剤、玩具、電線被覆剤、電気絶縁材料、雑貨、コーティング鋼板、自動車の耐チッピング塗料、アンダーボディーコート等に用いることができる。
【0028】
また本発明のアクリル酸エステル系樹脂を用いたプラスチゾルは塩化ビニル系プラスチゾルと同様に成形することができる。たとえばコーティング法、スラッシュ成形、ディップ成形、刷毛塗り法、スプレー法等で成形することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0030】
尚、アクリル酸エステル系樹脂の粒子径分布、プラスチゾル組成物の低せん断粘度、ゲル化シートの引張強度は下記の方法で測定した。
【0031】
粒子径分布:ストークス則に基づく遠心沈降法により0.7μm未満と0.7μm以上の構成比率を求めた。又粒子径分布及びピーク径はマイクロトラックHRA 9320−×100(HONEYWELL製)用いて測定した。
【0032】
低せん断粘度:
プラスチゾル組成物を30℃の恒温槽に保存し、BM型粘度計(TOKIMEK製)でローターNo.4用い、6及び60rpmで粘度(V6、V60)を測定した。
【0033】
プラスチゾルの粘度安定性は1週間後の粘度V6が1時間後の値の2倍を越えていなければ○とし、越えれば×とした。
【0034】
ゾルの流動性は1時間後のゾル粘度でV60/V6が2を越えなければ○、越えれば×とした。
【0035】
プラスチゾルの作製:
プラスチゾル用合成樹脂100重量部、可塑剤(トリキシレニルホスフェート)90重量部を石川式らい潰機で20分間混練脱泡してプラスチゾルを作製した。
【0036】
引張強度の測定
上記で得たプラスチゾルをガラス板上に約0.6mmの厚みにコーティングし、180×5分の条件でゲル化溶融させた後に冷却してゲル化シートを得た。これをJIS K 6251ダンベル状3号形に切断して試験片とした。引張試験は、引張速度200mm/min、ロードセル:5Kgfで23℃の室温下で測定を行った。
【0037】
(実施例1)
ステンレス製攪拌機付き容器にイオン交換水435重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.45重量部、セチルアルコールを0.43重量部仕込み、さらに3,5,5トリメチルへキサノイルパーオキサイド0.05重量部をメチルメタクリレート85重量部、n−ブチルアクリレート15重量部、アリルメタクリレート0.08重量部に溶解させて仕込んだ後に、窒素置換を行い20℃、105rpmで30分間混合した後にこの混合液をホモジナイザーの吸入側と吐出側の圧力差2.5Kg/cm2で吐出させて均質化した分散液をステンレス製攪拌機付き耐圧容器に導入した。この分散液を60℃に昇温して重合反応を行い、重合転化率95%に達した後に、追加重合用メチルメタクリレート60重量部に0.006重量部のクメンヒドロペルオキシドを溶解させこれを2時間かけて追加重合を行い、0.7μm以下の一次粒子の重量分率が40%のラテックスを得た。これを噴霧乾燥、粉砕してプラスチゾル用合成樹脂を得た。得られた樹脂の粒径、プラスチゾル粘度特性を表1に示す。
【0038】
【表1】
(実施例2)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6重量部、セチルアルコールを0.6重量部とし、圧力差3.5Kg/cm2で吐出させて均質化した他は実施例1と同様にして行い、0.7μm以下の一次粒子の重量分率が60%のラテックスを得た。これを噴霧乾燥、粉砕してプラスチゾル用合成樹脂を得た。得られた樹脂の粒径、プラスチゾル粘度特性を表1に示す。
【0039】
(比較例1)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部、セチルアルコールを0.43重量部とした他は実施例1と同様にして行い、0.7μm以下の一次粒子の重量分率が20%のラテックスを得た。これを噴霧乾燥、粉砕してプラスチゾル用合成樹脂を得た。得られた樹脂の粒径、プラスチゾル粘度特性を表1に示す。
【0040】
(比較例2)
モノマー組成は実施例1と同じとし、乳化重合法により一次粒子の粒子径ピークが0.3μmのラテックスを得た。これを噴霧乾燥、粉砕してプラスチゾル用合成樹脂を得た。このアクリル酸エステル系樹脂はプラスチゾルとしたときの粘度が高くて測定できず、ゲル化シートも得ることが出来なかった。これらの結果を表1に示す。
【0041】
(比較例3)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6重量部、セチルアルコールを0.6重量部とし、圧力差1.3Kg/cm2で吐出させて均質化した他は実施例1と同様にして行い、0.7μm以下の一次粒子の重量分率が35%のラテックスを得た。これを噴霧乾燥、粉砕してプラスチゾル用合成樹脂を得た。得られた樹脂の粒径、プラスチゾル粘度特性を表1に示す。
【0042】
【発明の効果】
本発明のアクリル酸エステル系樹脂をプラスチゾルとすることにより、プラスチゾルの流動性に優れ、且つ強度に優れた成形物を与えることができる。
Claims (5)
- アクリル酸エステル系樹脂の一次粒子の粒子径ピークが0.2〜0.5μmの範囲にあり且つ該粒子径の分布幅が0.1〜0.7μmである一次粒子(A)と、該粒子径ピークが1〜3μmの範囲にあり且つ0.7〜5μmである一次粒子(B)からなり、一次粒子(A)が25〜75重量%と一次粒子(B)が75〜25重量%で構成されるプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂の微細懸濁重合に際して、油溶性重合開始剤を含むアクリル酸エステル系単量体と乳化剤及び分散助剤を含んだ水の混合液をホモジナイザーで分散均質化させる方法であって、ホモジナイザーの吸入側と吐出側の圧力差1.5〜4.5Kg/cm2の範囲で吐出させることを特徴とするプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂の製造方法。
- 前記一次粒子(A)の重量%が35〜65重量%、(B)の重量%が65〜35重量%からなる請求項1記載のプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂の製造方法。
- 前記一次粒子(A)のピーク径が0.25〜0.4μmの範囲にある請求項1又は請求項2に記載のプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂の製造方法。
- 前記一次粒子(B)のピーク径が1.5〜2.5μmの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂の製造方法。
- 微細懸濁重合で得られたアクリル酸エステル系樹脂100重量部を核として、ラジカル重合性単量体を30〜200重量部追加して被覆重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチゾル用アクリル酸エステル系樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04467499A JP3938446B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | アクリル酸エステル系樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04467499A JP3938446B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | アクリル酸エステル系樹脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000239473A JP2000239473A (ja) | 2000-09-05 |
JP3938446B2 true JP3938446B2 (ja) | 2007-06-27 |
Family
ID=12698005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04467499A Expired - Fee Related JP3938446B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | アクリル酸エステル系樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3938446B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19928352A1 (de) * | 1999-06-21 | 2000-12-28 | Roehm Gmbh | Verbesserte Poly(meth)acrylatptastisole und Verfahren zu ihrer Herstellung |
KR20020020598A (ko) * | 2000-09-09 | 2002-03-15 | 황성호 | 플라스티졸 조성물 |
CN1209425C (zh) | 2001-07-04 | 2005-07-06 | 三菱丽阳株式会社 | 塑料溶胶组合物、凝胶化膜及物品 |
WO2004089993A1 (ja) * | 2003-04-09 | 2004-10-21 | Kuraray Co., Ltd. | (メタ)アクリル樹脂系エマルジョンおよびその製造方法 |
-
1999
- 1999-02-23 JP JP04467499A patent/JP3938446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000239473A (ja) | 2000-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5319028A (en) | Polyvinyl chloride plastisol composition | |
JP3938446B2 (ja) | アクリル酸エステル系樹脂 | |
KR101768284B1 (ko) | 페이스트 염화비닐계 수지 및 이의 제조방법 | |
CA2600314C (en) | Process for preparation of pastable polymers | |
JP4274098B2 (ja) | ペースト加工用塩化ビニル系樹脂及びその製造方法、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物並びにその用途 | |
KR20110139326A (ko) | 경시 점도 변화가 적은 염화비닐계 페이스트 수지의 제조 방법 | |
JP2003301083A (ja) | 塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、その製造方法、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及び用途 | |
JP3218647B2 (ja) | 接着性プラスチゾル組成物及び該組成物を用いる金属板間のシーラント | |
JP2019172979A (ja) | 塩化ビニル系樹脂複合体及びそれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP4529430B2 (ja) | ペースト用塩化ビニル樹脂及びその製造方法、並びにペースト用塩化ビニル樹脂組成物 | |
EP4214248A1 (en) | Low density polyvinyl chloride microparticles | |
WO1998046654A1 (fr) | Resine de chlorure de vinyle pour pate, ses procedes de preparation et plastisol contenant cette resine | |
JP3623631B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂粉末及びこれを用いたペーストゾル組成物 | |
JP2576926B2 (ja) | ペースト用塩化ビニル樹脂の製造方法 | |
JP2003238621A (ja) | ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂 | |
JP2756995B2 (ja) | 塩化ビニル系共重合体の製造方法 | |
KR101338652B1 (ko) | 플라스티졸의 제조방법 | |
JP2002348318A (ja) | 塩化ビニル系ペースト樹脂 | |
JP7556242B2 (ja) | ペースト塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 | |
JP4257932B2 (ja) | ペースト用塩ビ樹脂の製造方法 | |
JP2921308B2 (ja) | アクリレート系重合体粒子の残存未反応単量体の除去方法 | |
KR101713377B1 (ko) | 페이스트 pvc 중합 방법 및 발포 성형품 | |
KR100458599B1 (ko) | 균일한 입도분포를 가지는 페이스트 염화비닐계 수지의제조방법 | |
JP7585662B2 (ja) | ペースト塩化ビニル系樹脂粒子 | |
JP2002179734A (ja) | 成形物の強度及び形状回復性に優れるアクリル酸エステル系樹脂 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070320 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070322 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |