JP3933689B2 - gB遺伝子プロモーターを用いた組換え体ヘルペスウイルス - Google Patents
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Description
本発明は、動物細胞または動物体内において外来遺伝子を発現させることが可能であり、移行抗体の存在下でも持続感染するため宿主の免疫系の攻撃から逃れながら長期間にわたり抗原刺激を続けることができ、それゆえ移行抗体を有する野外動物に対しても有効なワクチンを提供しうる新規な組換え体ウイルスに関する。本発明はまた、該組換え体ウイルスを用いた動物用多価生ワクチンに関する。本発明はさらに、ホルモンやサイトカインなどの生理活性物質を生体内で産生させるためのドラッグデリバリーシステム(DDS)に用いる組換え体ウイルスベクターに関する。
背景技術
ワクチネーションの効率化、および生体への遺伝子導入システムの一つとしてウイルスベクターの研究が盛んに行われ、特に養鶏の分野では鶏痘ウイルスを中心としたポックスウイルスの応用の研究が進んでいる。そうした中で、本発明者らは、より効果的なベクターを開発すべく、鶏のヘルペスウイルスの一種であるマレック病ウイルス1型(以下、「MDV1」ともいう)のベクター化について検討を行い、その成果について数々の報告を行ってきた。たとえば、MDV1ゲノム上で20カ所以上の部位を検索した結果、外来遺伝子を安定に保持し、かつマレック病に対するワクチン効果に大きなダメージを与えない外来遺伝子挿入可能部位として、US10遺伝子を同定している[特願平4−205933号(特開平6−22757号);フォース・インターナショナル・シンポジウム・オン・マレックス・ディジーズ(4th International Symposium on Marek's Disease)(1992)、アムステルダム;Vaccine 1994 Vol.12、953−957]。このUS10遺伝子にニューカッスル病ウイルスF蛋白遺伝子を挿入した組換え体ウイルスは、SPF鶏において充分なワクチン効果を示し、その効果は少なくとも接種後24週にわたって持続する(フォース・インターナショナル・シンポジウム・オン・マレックス・ディジーズ、1992、アムステルダム)。この組換え体ウイルスは、移行抗体を保有する鶏においてもマレック病およびニューカッスル病に対して防御効果を示すことを確認しているが、その防御効果はSPF鶏に比べて若干低下した。すなわち、SPF鶏ではニューカッスル病に対して効率よく100%の防御効果が示されたのに対し、移行抗体を保有する野外鶏では若干低下し、70〜90%というレベルであった(カレント・デベロップメンツ・イン・ザ・モレキュラー・バイオロジー・オブ・マレックス・ディジーズ・バイラス・ワークショップ(Current Developments in the Molecular Biology of Marek's Disease Virus Workshop)、1995、フロリダ)。これは、野外雛に組換え体ウイルスを免疫した場合、移行抗体であるニューカッスル病ウイルスおよびマレック病ウイルスに対する抗体によって組換え体ウイルスの体内増殖が抑制されたためであると考えられた。
発明の開示
このように、組換え体ウイルスからなる生ワクチンを移行抗体を保有する動物に接種した際には、移行抗体をはじめとする宿主の免疫系による当該ウイルスの排除もしくはウイルス増殖の抑制を受けるという問題点が存在する。従って、生ワクチンの特性を活かし、免疫系の攻撃から逃れながら長期間にわたり抗原刺激を続けることが可能な組換え体ウイルスへの改良が望まれる。
このような課題を解決すべく、本発明者らは、MDV1由来のプロモーターに着目し、マレック病ウイルス(以下、「MDV」ともいう)ゲノムからプロモーター遺伝子と考えられる数種の遺伝子をクローニングした。そしてこれらのプロモーター遺伝子を用いて組換え体ウイルスでの外来遺伝子の発現実験を行った。その結果、本発明者らがクローニングした種々のプロモーター遺伝子の中でも、特に糖蛋白B(以下、「gB」という)遺伝子(単純ヘルペスウイルスgB遺伝子に相同な遺伝子)プロモーターを用いた場合に、外来蛋白(たとえば、ニューカッスル病ウイルスF蛋白(以下、「NDV−F」ともいう))の発現に優れた効果を示し、さらに動物での免疫効果においては、予想を超えた極めて優れた効果を奏することを見いだした。すなわち、培養細胞でのF蛋白の発現量は明らかに従来のプロモーター(たとえば、SV40プロモーター)を用いた組換え体ウイルスよりも少ないにもかかわらず、動物(鶏)での免疫原性はこれに反して予想以上に極めて高く、そのニューカッスル病防御効果は従来の組換え体ウイルスを上回り、これまでの課題となっていた移行抗体を保有する野外鶏に免疫した場合でも安定して95%以上の防御効果を賦与するものであった。
【図面の簡単な説明】
図1はクローニングした推定gBプロモーター断片を示す模式図である。
図2はgB遺伝子上流の塩基配列、並びに塩基配列決定に用いたプライマーおよびPCR用プライマーの位置を示す。
図3はgBプロモーターによりNDV−F蛋白を発現するインサーションベクタープラスミド(pKA4BPFおよびpKA4BNF)の構築を示す。
図4はUS10BPFおよびUS10BNFにおけるgBプロモーター並びにNDV−F遺伝子挿入の理論図およびインサーションベクタープラスミドの構築に用いたA4断片の位置を示す。
図5は組換え体ウイルスUS10BPFおよびUS10BNF感染CEFより抽出したDNAを制限酵素PstIで切断した後、gBプロモーターP断片または、A4断片をプローブとして行ったサザンハイブリダイゼーションの結果を示す。
図6は組換え体ウイルスUS10BPF、US10BNFおよびUS10BLF接種ニワトリ並びに非接種ニワトリの抗F抗体価ELISA値の推移を示すグラフである。
図7は組換え体ウイルスUS10BPF接種ニワトリの抗F抗体価ELISA値の推移を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
このような免疫実験で優れた感染防御効果を得たことから、本発明で用いられるヘルペスウイルス由来のgBプロモーターは下記のような特性を有することが推察された。
まず、本来、マレック病生ワクチンウイルスは、血中に中和抗体が存在するにもかかわらず鶏体内で持続感染し、MDVに対する高い抗体価を惹起せしめる。この宿主の免疫系から逃れながら抗原刺激を続けるシステムは未解明であるが、一つの可能性としてウイルスが潜伏感染している組織と、gBをはじめとする抗原を発現する組織が異なることが考えられる。すなわち、ウイルスが潜伏している組織では免疫系の標的となる抗原が発現されておらず、その結果、マレック病ウイルスは宿主の免疫監視から逃れていることが推定される。この潜伏したウイルスはしばしば活性化し、おそらく別の組織に感染してウイルス抗原を発現することにより免疫系を刺激し、高い抗体産生を誘導しているものと推定される。
本発明においてクローニングに成功したgB遺伝子プロモーターによって本来その発現が制御されているgBは、ウイルスに対する中和抗体を惹起する糖蛋白であり、MDV感染鶏は該gBに対する抗体すなわち中和抗体を惹起するが、MDVはその中和抗体を避けながら持続感染し、抗原刺激を続けることで抗体価は高く誘導されるものと考えられる。すなわち、gBプロモーターは特定の細胞では発現するが、MDVが潜伏する細胞ではgBを発現させず、その結果、MDVは宿主の免疫を逃れて持続感染することが可能になっているものと考えられた。従って、ニューカッスル病ウイルスF蛋白の発現にこのgBプロモーターを応用することで、F蛋白の発現がgB同様に制御され、その結果、組換え体ウイルスは免疫系からの攻撃を回避しながら持続感染する性状を回復したものと推定される。
これに対して、これまでに本発明者らが構築してきた種々の組換え体ウイルスに組み込まれたSV40に由来するプロモーターの場合、プロモーター活性自体は強いものの、上記のような発現の制御機構がないために、従来、潜伏が可能であった細胞においてもその表面にF蛋白を発現し、その結果、ウイルスは宿主の免疫系の標的となり、組換え体ウイルスは体内から排除されやすくなったものと考えられる。このような状況から、特に移行抗体存在下においては、より速やかな免疫系による排除によって充分な組換え体ウイルスの増殖が達せられなかったものと考えられた。
MDV−gBに対応する糖蛋白は多くのヘルペスウイルスに保存されており、いずれのウイルスにおいても感染防御にあずかる抗原であるとされている[エバール(R.Eberl)ら、J.Med.Virol.27:309−316(1989)]。このことより、マレック病ウイルスに限らず他のヘルペスウイルスをベクターとして使用する際においてもgB遺伝子のプロモーターを用いることが、目的とする外来遺伝子の効果的な発現と長期的なワクチン効果の持続において非常に有効であると考えられた。好ましい態様としては、用いるヘルペスウイルスに応じたgBプロモーター遺伝子(当該ヘルペスウイルスが本来有するgBプロモーター遺伝子)を用いることにより効果的な組換え体ヘルペスウイルスを調製することが可能である。そのようなヘルペスウイルスの例としては、MDVの他に、ヘルペスウイルスサイミリ[デスロシエ(R.C.Desrosiers)ら、Molecular and Cellular Biology 5、2796−2803(1994)]、オーエスキー病ウイルス[グラゼンブルグ(K.L.Glazenburg)ら、J.Virology、69、189−197(1995)]、単純ヘルペスウイルス1型(以下、「HSV1」という)[フェデロフ(H.J.Federoff)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 59、1636−1640(1992)]、単純ヘルペスウイルス2型(以下、「HSV2」という)[デービッド(J.B.David)ら、Virology 155、322−333(1986)]、帯状疱疹ウイルス[ロワ(R.S.Lowa)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84、3896−3900(1987)]、ウマヘルペスウイルス1型[エリザベス(A.R.Elizabeth)ら、Virology 189、304−316(1992)]、ウシヘルペスウイルス1型(以下、「BHV1」という)[ウィットベック(J.C.Whitbeck)ら、J.Virology 62、3319−3327(1988)]、ウシヘルペスウイルス2型(以下、「BHV2」という)[ハンマーシュミット(W.Hammerschmitdt)ら、Virology 165、388−405(1988)]、猫ヘルペスウイルス1型[スペート(R.S.Spaete)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84、7213−7217(1987)、横山直明他、第119回日本獣医学会講演要旨集、p116(1995)]、七面鳥ヘルペスウイルス(以下、「HVT」という)[ソンダーメイジャー(P.J.Sondermeijer)ら、Vaccine、11、349−358(1993)]、ヒトサイトメガロウイルス(以下、「HCMV」という)[マクドガル(J.K.McDougall)、Cytomegaloviruses、Springer−Verlag、ベルリン・ハイデルベルク]、ヒトヘルペスウイルス6型(以下、「HHV6」という)[エリンガー(K.Ellinger)ら、J.Gen.Virol.74、495−500(1993)]、ヒトヘルペスウイルス7型(以下、「HHV7」という)[羽田敦子他、第42回日本ウイルス学会総会演説抄録、p166(1994)]、エプスタインバー・ウイルス(以下、「EBV」という)[デービソン(A.J.Davison)ら、J.Gen.Virol.68、1067−1079(1987)]等が挙げられる。
本発明に従えば、上記のようなウイルス接種した宿主細胞内での外来遺伝子の発現の制御という効果に加えて、外来遺伝子発現用のプロモーター遺伝子断片が、通常用いられているSV40プロモーター遺伝子等に比べると短い遺伝子断片であることから、その分、プラスミドとして構築する際に発現させる構造遺伝子(外来遺伝子)が長い場合にも好都合であり、プラスミド構築、さらには組換え体ウイルス構築を容易に行うことができるという効果も得られる。
以下、ヘルペスウイルスとしてMDVを用いた場合の組換え体ウイルスを例にとり本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、MDV由来のプロモーターとして、gB、US10、US537およびUS420[坂口ら、Virus Gene 6、p365−378(1992)]をコードする遺伝子の5'側をクローニングし、これらの遺伝子断片を用いて外来遺伝子の発現実験を行った。その結果、これらプロモーターのうち、gB遺伝子の5'側断片が培養細胞での発現実験において良好な結果を示したことから、以下に記載する通り、gBプロモーターに着目し詳細な検討を行った。
MDV1ゲノム上のgB遺伝子の位置はアン・イー・ブックマスター(Anne E.Buckmaster)ら[J.Gen.Virol.69、p2033−2042(1988)]によって報告されている。その後さらにgB遺伝子とその上流−360塩基までの配列が報告されている[ロス(L.J.N.Ross)ら、J.Gen.Virol.70、p1789−1804(1989)]。しかしながら、そのgB遺伝子の発現に関与するプロモーター領域を同定し、その活性について明らかにした報告はない。そこで、発明者らはまず組換え体ウイルスにおいて必要なプロモーター領域の同定作業を行った。
まず、ロスら[J.Gen.Virol.70、p1789−1804(1989)]が報告した塩基配列を参考にプライマーを設定し、プライマー伸長法によってさらに上流の塩基配列を解読した。
次に、解読された範囲内で5'側プライマーの設定を、またgB−オープンリーディングフレーム(ORF)直前で3'側プライマーの設定を行い、約500塩基をPCRにより増幅しクローニングした。次に、その下流にNDVのF蛋白遺伝子を接続して発現プラスミドを構築した。その際、PCRで増幅した塩基のうちの3'側半分のみを用いて同F蛋白遺伝子を発現するプラスミドも構築し、試験に供した。
プロモーター活性の測定法として、まず培養細胞での発現確認を行った。すなわち、鶏胚繊維芽細胞(CEF)に該プラスミドを導入し、その発現をF蛋白を認識するモノクローナル抗体を用いた蛍光抗体法により行った。次にそれぞれのプロモーターを応用した組換え体ウイルスを構築し、組換え体ウイルスにおけるF蛋白の発現を確認した。さらに最終的な試験として、各々で得られた組換え体ウイルスを移行抗体保有鶏に接種し、その免疫原性を比較した。その結果、培養細胞におけるF蛋白の発現量は組換え体ウイルス間で差がなかったが、鶏に接種した際の免疫原性は予想に反して大きく異なった。すなわち、PCRで得られた配列すべてを用いた組換え体ウイルスの免疫原性が非常に高かったのに対し、その3’側半分をプロモーターとして用いた組換え体ウイルスでは免疫原性が非常に低いことが示された。
以上のことより、組換え体ウイルスにおいて外来遺伝子の発現に応用すべきgBプロモーター領域としては、一般にプロモーター領域としては最小限と考えられる翻訳開始コドンの上流200〜300塩基(配列番号2に記載の塩基番号422ないし322から塩基番号621までに相当する配列)程度のみならず、さらに上流に位置する−262塩基から−561塩基(図2)参照(配列番号1に記載の塩基番号61〜360に相当する配列)内に含まれる転写調節因子を含む領域も併せて非常に重要であると考えられた。すなわち、プロモーターとして最低限必要な配列は、培養細胞でのF蛋白の発現結果から考察して、クローニングした約500塩基の3’側半分程に含まれるが、鶏体内での効果的な発現には上記の5’側半分に含まれる転写調節領域が重要な役割を奏していることが示された。
本発明において外来遺伝子発現に用いられるこのようなプロモーター遺伝子断片の最も好ましい例としては、配列表:配列番号1に記載の塩基番号61〜557の配列を含む遺伝子断片が挙げられる。マレック病ウイルスには種々のサブタイプが存在することから、gBプロモーター遺伝子にもその配列の一部に変異が生じると考えられる。本発明に用いるgBプロモーター遺伝子の配列としては、マレック病ウイルスの場合には、配列番号1に記載の上記配列に相同性の高いgBプロモーター配列であれば、特に限定なく外来遺伝子の発現に用いることができる。
また、マレック病ウイルス1型以外のヘルペスウイルスにも、gB蛋白にアミノ酸配列で相同性の高い構造蛋白質が存在し、これらの蛋白を制御するプロモーター配列をも同様に本発明の組換え体ヘルペスウイルス構築に用いることができる。
かかるgBプロモーターによって制御されマレック病ウイルスのゲノムに組み込まれる外来遺伝子としては、ウイルス性疾病、細菌性疾病、寄生虫病等各種鶏病疾病のワクチン抗原となり得る蛋白質をコードする種々の遺伝子が挙げられる。たとえば鶏を対象とした多価ワクチンの調製においては、その組み込む外来遺伝子として、ニューカッスル病ウイルス(NDV)抗原をコードする遺伝子(たとえばNDV−F蛋白またはHN蛋白をコードする遺伝子)、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)の糖蛋白をコードする遺伝子、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)のウイルス構造蛋白をコードする遺伝子、たとえばVP2をコードする遺伝子またはVP243すべてをコードする遺伝子、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)のスパイク蛋白をコードする遺伝子並びに伝染性コリーザの原因菌であるヘモフィラス・パラガリナルム(Heamophilus paragallinarum)のHA蛋白をコードする遺伝子等が挙げられる。また、ウイルス性疾病を予防する抗原としては、インフルエンザでは核蛋白(NP)が血清型を越えて予防効果を示す重要な抗原であることが示されていることから、他のウイルスにおいても核蛋白遺伝子が重要な防御抗原遺伝子である可能性が考えられる。
このように上記に述べたような外来蛋白を発現させるべく、本発明のgBプロモーター遺伝子を用いて発現カセットを構築し、これをMDVに組み込めば、MDV自身がマレック病ウイルスに対するワクチンとして機能することから、単一のウイルス(組換えMDV)からなる多価ワクチンが調製される。また、所望により、2価以上のワクチンも調製することが可能であり、単一のウイルスに複数の異なる外来遺伝子発現カセットを導入することにより1種の組換え体ウイルスからなる3価以上の多価ワクチンを調製することも可能である。このようなワクチン調製は、公知の従来技術を応用することで容易に調製することが可能である。
鶏への接種法としては如何なる日齢への接種も可能であるが、本発明の組換え体ウイルスの最大の特徴は移行抗体の存在する孵化直後に接種しても有効性が確保されることである。さらに、発育鶏卵の段階でも接種可能であるが、その時期としては17〜18日胎齢が最も適当であると考えられる。
本発明の組換え体ウイルスはまた、上記ワクチン抗原のみならず、接種した動物体内でこれ以外の生理活性蛋白を発現させるためのウイルスベクターとしても有用である。すなわち、本発明の組換え体ヘルペスウイルスは、動物に投与した場合に、一過性の発現系に留まらず、動物体内での免疫系からの攻撃を逃れて持続感染することが可能となることから、外来遺伝子産物を効果的に生体内で産生するドラッグデリバリーシステム(DDS)としても極めて有効に作用すると予想される。
以下、調製例および実施例に従い、本発明をさらに詳細に説明する。
[調製例]
(1)ウイルス株
gBプロモーター遺伝子領域のクローニングおよび組換え体ウイルスの作出にはマレック病ウイルス1型CV1988株を用いた。
(2)ウイルスDNAの調製
ウイルスを鶏胚線維芽細胞(CEF)に接種後、細胞変性効果(CPE)を強く呈した時点で感染細胞をハーベストした。この感染細胞をプロテイネースK(べーリンガーマンハイム)を0.1%含む1%−SDS溶液(0.1%トリス−HCl、pH7.4、1mM EDTA、1%サルコシネート(Sarcocinate);和光純薬工業(株))に浮遊させ、37℃で一晩放置した。その後フェノール処理、エタノール沈澱によりDNAを回収し、適当量のTE緩衝液(10mMトリス−HCl、pH8.0、1mM EDTA)に溶解してウイルスDNA溶液とした。
(3)ウイルスDNA断片のクローニング
調製したウイルスDNA5μgを制限酵素で切断し、0.8%−アガロースゲル電気泳動で各断片を分離した。エレクトロエリューション法によりゲルからDNA断片を溶出し、フェノール処理、エタノール沈澱により回収した。得られた断片を適当なプラスミドベクター(たとえばpUC119;宝酒造)にライゲーションキット(宝酒造)を用いて挿入し、コンピテントセル(たとえばJM109)をトランスフォームして形質転換大腸菌を得た。次に、100μg/mlのアンピシリンを含むサークルグロウ培地(BIO101、INC.)で培養した後、アルカリ法によって菌体内のプラスミドを回収した。
(4)塩基配列の決定
遺伝子断片をpUC119のマルチクローニング部位にクローニングした後、JM109等のコンピテントセルに形質導入した。得られたトランスフォーマントをLB培地で一晩培養した後、その30μlにM13ファージ(109PFU/ml以上)を60μl感染させ、さらに一晩振盪培養した。遠心分離により菌体を除去後上清よりファージを回収し、常法に従い目的遺伝子断片の塩基配列を含む一本鎖DNA(ssDNA)を調製した。得られたssDNAをシークエネース(SEQUENASE)Ver.2.0(東洋紡)を用い、添付のプロトコールに従い塩基配列の決定を行った。
(5)PCR
ウイルスDNA0.1μgを100μg/ml BSAを含む1×ベント(Vent)緩衝液(10mM KCl、20mMトリス−HCl、pH8.8、10mM(NH4)2SO4、2mM MgSO4)に溶解後、0.5mM dNTP、各100ピコモルの上流側、下流側プライマーおよび1μlのベントDNAポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブズ(New England BioLabs))を添加した。反応は95℃で1分、55℃で1分、72℃で1分のサイクルを35回繰り返した。
(6)蛍光抗体法(FA)
カバーグラス1枚(マツナミ(MATSUNAMI)No.1 18×18)の入った6ウェルプレートにCEF106細胞/ウエルを接種し、FBS5%のイーグル培地で37℃にて5時間培養した。無血清イーグル培地で2回洗浄した後、リポフェクチン10μg、インサーションプラスミド30μgを含む無血清イーグル培地1mlを添加して37℃にて16時間培養した。さらにFBS10%のイーグル培地1mlを添加して2日間培養した後、カバーグラスを取り出し、室温で20分間アセトン固定後、−80℃に保存した。組換え体ウイルスにおけるF蛋白発現の確認は、抗NDV−Fモノクローナル抗体#313[海野(Y.Umino)ら、J.Gen.Virol.71、p1199(1990)]をPBS(−)で20倍希釈したものを4℃で一晩反応させた後、PBS(−)で20倍希釈したFITC標識抗マウスIgGを37℃で2時間反応させ、洗浄後、蛍光顕微鏡下で観察を行った。
(7)組換え体ウイルスの作出
37℃で一晩培養した初代CEFをEDTA−トリプシン溶液でハーベストおよび洗浄後、5%牛血清(BS)添加イーグル−MEM(E−MEM:日水)培地に2×105細胞/mlの細胞濃度で浮遊させ、その40mlをファルコン社製組織培養フラスコ(No.3028)に入れ、これに約8×105個のマレック病ウイルス感染CEF細胞を接種し、37℃で4時間培養した。その後、再びEDTA−トリプシン溶液で細胞をハーベストしてPBS(−)で2度細胞を洗浄し、このうち5×106個をバイオラド社製ジーンパルサー(カタログNo.165−2075)のキュベットに移し、インサーションプラスミドを加え、添付のプロトコールに従ってパルスを加え、ウイルス感染細胞にインサーションプラスミドの導入を行った。次に5%BS添加E−MEM(日水)15mlに浮遊させ、直径10cmのシャーレ(ファルコン社製;No.3003)に移し、37℃で培養した。翌日、生着していない細胞とともに培地を除去し、新たに前日培養した初代CEFをハーベストしたもの(第2のCEF)を5×105細胞/mlに浮遊させた5%BS添加E−MEM(日水)15mlを添加して37℃で4ないし7日間培養した。
プラークの出現したシャーレをE−MEM培地で洗浄後、モノクローナル抗体#313を含む等張液を加え、室温で1時間反応させた。洗浄後、等張液で200倍に希釈したペルオキシダーゼ標識マウス抗体(バイオラドコードNo.172−1011)を加え、さらに室温で1時間反応させた。洗浄後、10ml当たり、3,3−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロライド(DAB;和光純薬工業(株)、コードNo.343−00901)5mgと過酸化水素水(三菱瓦斯化学(株)、H20231%含有)1.6mgを含む0.1Mトリス緩衝液を加えて室温で10〜60分反応させ、組換え体ウイルスのプラークを染色した。褐色に染色されたプラークの周囲をペニシリンカップで囲い、同カップ内のみを0.1%にEDTAを含むトリプシン液で消化することにより組換え体ウイルス感染細胞を回収し、新たなCEFと同時培養することにより組換え体ウイルスの純化を実施した。100%のウイルスプラークがF蛋白を発現していることを確認したのち、特願平4−205933号(特開平6−22757号)記載の方法に従って超音波処理によるセルフリー(cell free)化を2回繰り返して組換え体ウイルスの純化を完全なものとした。
(8)サザンハイブリダイゼーション
ベーリンガーマンハイム社製のDIG−DNAラベリングキット(labeling Kit)(カタログNo.150350)を用い、添付のプロトコールに従って、プローブの作製、ならびにハイブリダイゼーションを行った。
上記で得た組換え体ウイルスDNA適当量を寒天ゲル電気泳動にかけ、泳動後ハイボンドN+(アマシャムジャパン、カタログNo.RPN.303B)にトランスファーした。プロトコールに従ってハイブリダイゼーションを行った。その後、ベーリンガーマンハイム社製のDIG−DNAデテクションキット(Detection Kit)(カタログNo.150350)を用い、添付のプロトコールに従って、目的DNAを検出した。
(9)免疫試験
バブコック種の1日齢ヒナに組換え体ウイルス104PFU/羽を皮下に接種した。各群接種後4週目から経時的に採血し、組換え体ウイルスが惹起する抗F蛋白抗体価の推移をELISAにより測定した。ここで用いたELISAはF蛋白を持続的に産生する細胞(β−アクチン遺伝子プロモーターに制御されたNDV−F遺伝子によって形質転換されたマウスミエローマ細胞P3−X63−AG8.653)を組織培養用96ウエルプレートに固相化したものを抗原として用いた抗体測定法であり、特願平5−96727号(特開平6−289028号)に詳細に示されている。
一方、ニューカッスル病ウイルスに対する感染防御の効果を判定するために、各群の半数のヒナに対し、6週齢時に強毒NDV佐藤株104致死量で筋肉内攻撃し、2週間観察した。また、マレック病ウイルス1型に対しては、1週齢時に超強毒MDV(vvMDV)株RB1B(感染脾細胞)500PFU/羽で腹腔内攻撃し、10週齢時まで観察した。生残鶏はすべて剖剣して腫瘍病変の有無を調べた。
(10)鶏体内からのウイルス回収
ヘパリンを吸引した注射器1mlで採血した後、PBS(−)を加えて4mlとし、これをコニカルチューブ(ファルコン、カタログNo.2099)に入れたフィコール−バック(Ficoll−Paque)(ファルマシア)3mlの上に静かに重層し、1500rpmにて5分間,遠心分離を行った(クボタ(KUBOTA)KN−30F)。リンパ球、単球からなる中間層(バフィーコート(Buffy coat)を分取し、再びEDTAを0.1%に含むPBS(−)に懸濁した後、1000rpmにて5分間遠心して回収し、これを4時間培養したCEF(第2のCEF)に接種し、10日間培養して観察を行った。MDVのCPEが認められなかったものに関してはさらに3代目まで継代を重ね判定を行った。
[実施例]
以下、ヘルペスウイルスとしてマレック病ウイルスを用いたベクターを例に、鶏用組換え生ワクチン構築におけるgBプロモーター領域のクローニングと組換え体ウイルス構築の例を示す。
実施例1:gB遺伝子上流領域の塩基配列の決定
ロスらによって記載されたgB遺伝子の塩基配列[J.Gen.Virol.70、p1789−1804(1989)]を含むBamHI−I3断片を制限酵素EcoRVとSspIで消化し、得られた約1.2Kbpの断片をpUC119にサブクローニングした。調製例に従い、プラスミドを用いてgB遺伝子のさらに上流領域の塩基配列の決定を行った。上流方向に約300bp読み進んだところで今度は下流方向に塩基配列の決定を行い、SspIサイトが確認されるところまで、合計557bpの塩基配列を決定した。これを配列表:配列番号1に示す。配列表:配列番号2における塩基番号558から翻訳開始コドンであるATG(塩基番号624)までは、上記557bpの3'側にあたる配列であり、ロスらの上記文献でも報告されているものである。なお、本発明者らが塩基配列の決定に使用したプライマーは配列表:配列番号1の塩基番号275から291に相当する。
実施例2:PCRによるgB遺伝子のプロモーター領域のクローニング
プライマーの設定に際し、上流側のプライマーは実施例1で得られた塩基配列(配列表:配列番号1参照)より、下流側プライマーはロスらの報告[J.Gen.Virol.70、p1789−1804(1989)]に記載されている配列に従って設計した。すなわち、上流側は配列表:配列番号1の61から82の間で、下流側は同じく566から586の間で設計した。各々の配列を以下に示した。
上流側
下流側
PCRの条件は以下のようである。すなわち、ウイルスDNA0.1μgを100μg/ml BSAを含む1×ベント緩衝液(10mM KCl、20mMトリス−HCl、pH8.8、10mM(NH4)2SO4、2mM MgSO4)に溶解後、0.5mM dNTP、各100ピコモルの上流側、下流側プライマーおよび1μlのベントDNAポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブズ)を添加した。反応は95℃にて1分、55℃にて1分、72℃にて1分のサイクルを35回繰り返した。その結果、約0.5KbpのDNA断片が良好に増幅された。このDNA断片をEcoRIとSspIで消化し、得られた約0.5KbpのDNA断片(以下、「P断片」という;配列表:配列番号1に記載の塩基番号61〜557に相当する配列)、およびEcoRIとNdeIで消化して得られた230bpのDNA断片(以下、「N断片」という;配列表:配列番号2の塩基番号359〜586に相当する配列)をgB遺伝子プロモーター領域として調製した(図1、図2参照)。
実施例3:gBプロモーターによりNDV−F蛋白を発現するインサーションベクタープラスミドの構築
SV40後期プロモーターによりNDV−F蛋白を発現するインサーションベクタープラスミドpKA4BLF(特願平4−205933号(特開平6−22757号)に記載)を制限酵素HindIIIとXbaIで消化後、0.8%寒天ゲル電気泳動によりSV40後期プロモーター配列を除去したDNA断片約7.9Kbpを回収し、ブラントエンドライゲーションキット(タカラ(TaKaRa))により平滑末端化した後、ここにgB遺伝子プロモーターP断片またはN断片をそれぞれクローニングした。得られたプラスミドのうち、gBプロモーターP断片を正方向、すなわちNDV−F蛋白を発現するような方向性で有するプラスミドをpKA4BPF、同様にN断片を正方向に有するプラスミドをpKA4BNFと命名した(図3)。
実施例4:蛍光抗体法によるNDV−F蛋白の発現確認
調製例に従い実施したところpKA4BPF、pKA4BNFのいずれもCEFにおいてNDV−F蛋白を発現することが確認された。なお、各プラスミドを導入した細胞間で蛍光の程度に強弱の差はなくPおよびN断片のCEFにおけるプロモーター活性はほぼ同等であるものと推定された。
実施例5:組換え体ウイルスUS10BPF、US10BNFの作出
実施例3で構築した各インサーションプラスミドpKA4BPF、pKA4BNFを制限酵素ScaIにより線状化した後、組換え体ウイルスの作出の項に従ってCVI988株感染細胞に該プラスミドを導入した。その結果得られた組換え体ウイルスをそれぞれ、US10BPF、US10BNFと命名した。組換え体ウイルスのプラークを抗F蛋白モノクローナル抗体−DABによって染色(特願平4−205933号(特開平6−22757号))した結果、組換え体ウイルスにおけるF蛋白の発現量において両者で大差は認められず、ここでも培養細胞におけるPおよびN断片プロモーターの活性は同程度であることが推定された。
得られた組換え体ウイルスUS10BPF、US10BNFに関して、発現カセットの挿入位置を確認するために感染CEFより抽出したDNAを制限酵素で消化後、サザンハイブリダイゼーションを行った。gBプロモーターP断片あるいはA4断片のいずれをプローブとして用いた場合においても期待したサイズのバンドのみが検出され、発現カセットの挿入が相同的組換えによっていること、および組換え体ウイルスの純化がなされていることが確認された(図4、図5)。
実施例6:免疫試験
作出されたUS10BPF、US10BNFのニューカッスル病(ND)に対するワクチン効果を確認するために1日齢の鶏に接種し、6週後に攻撃試験を行った。その結果を表1に示す。ここで対照のひとつとして用いたUS10BLFはSV40後期プロモーターによりF蛋白発現が制御されている組換え体ウイルスであり、作出に用いたインサーションプラスミドpKA4BFの構築法は特願平4−205933号(特開平6−22757号)に示されている。この組換え体ウイルスはSPF鶏に対してはND攻撃に高いワクチン効果を示すが、ヒナが移行抗体をもつ場合には表1に示したようにND防御効果は低減する。表1に示すように非接種対照鶏、SPF非接種鶏の防御率が0%であるのに対し、US10BPFでは移行抗体を持ったヒナにおいてもすべての個体が防御し、gB遺伝子プロモーターによりF蛋白が発現されている組換え体ウイルスは良好なワクチン効果を示した。しかし、同様のgBプロモーターでもgB−Pの半分の長さであるgB−Nプロモーターを用いた組換え体ウイルスUS10BNFは全く防御効果を示さなかった。培養細胞におけるF蛋白発現は、US10BNFもUS10BPFと同レベルであったにもかかわらず、インビボにおいてはUS10BPFとUS10BNFは防御効果において大きな違いがあった。このことから、生体に投与する組換え体ウイルスにおける外来遺伝子の発現にはgB−Pの領域をプロモーターとして用いることが非常に重要であることが示された。
また、マレック病(MD)に対するワクチン効果に関しては、表2から明らかなように本発明の組換え体ウイルスUS10BPFは超強毒マレック病ウイルス1型に対して90%の防御率を示し、その親株(非組換え体)の防御率89%および市販品MDV1ワクチンの防御率84%と比較すると、これらと同等またはそれ以上の防御効果を有することがわかった。
以上のように、本発明の組換え体ウイルスUS10BPFはニューカッスル病(ND)およびマレック病(MD)の両ウイルスに対して高い防御能を示すことが明かとなり、多価ワクチンとして機能することが確認された。
ELISA法により測定したニワトリ血清中の抗F抗体価の推移を図6に示した。非接種群の抗体価は移行抗体によるものであり、時間と共に低下していくことが観察された。US10BLFは、移行抗体価がある程度低下した時点、すなわち5週目から6週目にかけてようやく抗F蛋白抗体価の上昇が認められた。一方、US10BPF接種鶏においては既に4週目から抗体価の上昇が見られ、攻撃時の6週時にはUS10BLFとUS10BPFの間に大きな開きが認められた。因みにUS10BNFは5週から6週に若干の抗体価上昇が見られるが、ニューカッスル病ウイルス攻撃を防御しうる程度のレベルではないと推定され、攻撃試験の結果を裏付けるものであった。
US10BPF接種鶏について、1年間にわたる抗F抗体価の変動を調べ、その結果を図7に示した。調査期間中の抗F抗体価は、US10BLF接種群に対して行ったニューカッスル病ウイルス攻撃試験で70%の防御率(表1)が得られた時の抗F抗体価0.65(図6)を上回っており、ほとんどの個体において、組換え体によるワクチン効果が少なくとも1年間以上持続することが示唆された。
接種7週後に行ったウイルス回収の成績を表3に示した。US10BLFは0/5(+)であり全く回収がみられなかったのに対し、US10BPFは5/5(+)であり、ウイルス血症の程度が高いことが明らかになり、インビボにおいてUS10BPFは良好な増殖性を有することが示唆された。さらに回収された組換え体ウイルスのプラークはすべてF蛋白の発現が確認され、本発明の組換え体ウイルスは生体内においても遺伝的に安定で持続感染しうることが確認された。このことは、本発明のウイルスベクターのシステムが単なる一過性の発現系にとどまらず、移行抗体の存在下においても持続感染し、外来遺伝子産物を効果的に体内で産生するドラッグデリバリーシステム(DDS)としても極めて優れた系であることを証明するものである。従って、本発明のシステムは単なるワクチン投与のためのベクターにとどまらず、ホルモンやサイトカインといった生体内において長期にわたって供給が必要な物質のDDSとしても極めて有用であるものと考えられる。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:557
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:genomic DNA
起源
生物名:マレック病ウイルス1型
配列
配列表
配列番号:2
配列の長さ:624
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:genomic DNA
起源
生物名:マレック病ウイルス1型
配列
配列番号:3
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列の特徴
PCR用プライマー
配列
配列番号:4
配列の長さ:29
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列の特徴
PCR用プライマー
配列
Claims (10)
- 外来遺伝子発現用のプロモーターとしてマレック病ウイルス1型由来の糖蛋白B(gB)遺伝子プロモーターを用いた外来遺伝子発現カセットが組み込まれたことを特徴とする、宿主細胞に持続感染可能な組換えヘルペスウイルスであって、該gB遺伝子プロモーターが、配列番号2に記載の塩基番号422ないし322から塩基番号621までの配列の上流に更に配列番号2に記載の塩基番号61から360の配列を加えた配列からなる、組換えヘルペスウイルス。
- 該gB遺伝子プロモーターが、配列番号2に記載の塩基番号61〜557の配列からなる請求項1記載の組換えヘルペスウイルス。
- 該外来遺伝子が、免疫用抗原をコードする遺伝子である請求項1または2記載の組換えヘルペスウイルス。
- 該免疫用抗原が、ニワトリのウイルス感染症予防に有効なワクチン抗原である請求項3記載の組換えヘルペスウイルス。
- 該外来遺伝子が、生理活性物質をコードする遺伝子である請求項1または2記載の組換えヘルペスウイルス。
- 該組換えヘルペスウイルスが、マレック病ウイルスである請求項1または2記載の組換えヘルペスウイルス。
- 該組換えヘルペスウイルスが、マレック病ウイルス1型である請求項6記載の組換えヘルペスウイルス。
- 請求項1または2記載の組換えヘルペスウイルスからなる動物用生ワクチン。
- 請求項3または4記載の組換えヘルペスウイルスからなる動物用多価生ワクチン。
- 動物が鶏である請求項8または9記載のワクチン。
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