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JPH07255488A - 組換えマレック病ウイルスおよびその作出法 - Google Patents

組換えマレック病ウイルスおよびその作出法

Info

Publication number
JPH07255488A
JPH07255488A JP6074315A JP7431594A JPH07255488A JP H07255488 A JPH07255488 A JP H07255488A JP 6074315 A JP6074315 A JP 6074315A JP 7431594 A JP7431594 A JP 7431594A JP H07255488 A JPH07255488 A JP H07255488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virus
gene
marek
disease
fragment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6074315A
Other languages
English (en)
Inventor
Kengo Sonoda
憲悟 園田
Masashi Sakaguchi
正士 坂口
Hideki Nakamura
秀樹 中村
Kazuo Matsuo
和夫 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Original Assignee
Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken filed Critical Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Priority to JP6074315A priority Critical patent/JPH07255488A/ja
Publication of JPH07255488A publication Critical patent/JPH07255488A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鶏に接種することによりマレック病に対する
免疫、及び組み込まれた外来遺伝子から発現される蛋白
質に対する免疫反応を惹起させることが可能な組換えマ
レック病ウイルスおよびその作出法、さらにはこの組換
えマレック病ウイルスからなる鶏用多価生ワクチン並び
にウイルスベクターを提供する。 【構成】 マレック病I型ウイルスゲノムS領域遺伝子
の反復倒置配列中に含まれる繰り返し配列を含む遺伝子
部分が外来遺伝子発現カセットに置換された組換えマレ
ック病ウイルスを構築することにより、鶏多価ワクチン
として利用可能な組換えマレック病ウイルスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニワトリ細胞またはニ
ワトリ体内において外来遺伝子産物を発現させることが
可能な新規な組換えウイルスおよびその作出法に関す
る。更には、本組換えウイルスを用いたニワトリ用多価
生ワクチン、並びにホルモンを始めとする生理活性物質
の生体内投与のための組換えウイルスベクターに関す
る。
【0002】
【従来技術】現在の養鶏分野においては種鶏、産卵鶏、
及び肉用鶏の別を問わず、ワクチン接種による疾病予防
は重要な衛生対策の柱である。しかしながら、そのワク
チン接種の実態は実に過密とも言えるほど頻回であり、
したがってこれに要する人件費の大きさは養鶏家にとっ
て大きな経済的負担となっている。この点の打開策とし
て、ウイルスベクターを使用することが試みられつつあ
る。すなわち、一つのウイルスに複数のワクチン抗原の
遺伝子を組み込むことで多価の生ワクチンを作製すると
いう方法である。
【0003】これまでに、ウイルスをベクターとして使
うことを目的とした研究は、既にワクシニアウイルス、
アデノウイルス、ヘルペスシンプレックスウイルス、レ
トロウイルス等で実施されており、いずれもインビトロ
の系において、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBs抗
原)あるいは狂犬病ウイルスや帯状疱疹ウイルス等の糖
蛋白抗原の発現に成功している。しかしながら、これら
のウイルスのいくつかは、腫瘍原性を有するウイルスに
属することから、ヒトまたは動物へ投与することは、安
全性の面から問題が多く現実的ではない。また、動物の
投与におけるウイルス自体の安全性に問題はなくとも、
これらのウイルスを本発明が目的とする鳥類へのウイル
スベクターという観点から見た場合、これらのウイルス
にとって鳥類は本来の宿主ではないことから、鳥類用ウ
イルスベクターとしてはこれらのウイルスに対して、効
果の面で多くの期待はできない。
【0004】このような点から、鳥類のポックスウイル
ス(例えばニワトリの鶏痘ウイルス)をベクターとして
使うことが考えられ、既にウイルスベクターとしての検
討もなされており、そのウイルスDNAに外来遺伝子挿
入の可能なことが示されている。しかしながら、例え
ば、現在の養鶏分野においては、鶏痘に対する免疫は、
鶏痘ウイルスの免疫持続期間が短いことから、通常、ニ
ワトリの飼育期間中に数回のワクチンウイルス(弱毒鶏
痘ウイルスまたは鳩痘ウイルス)の接種が必要とされて
いる。このようなことから、ポックスウイルスをウイル
スベクターとして用いた場合には、仮に複数の抗原を組
み込んだウイルスベクターが作出されワクチンとして使
用されたとしても、頻回のワクチン接種が必要になると
考えられる。また、ポックスウイルスベクターの場合、
ポックスウイルス自体の増殖がポックスウイルスに対す
る移行抗体により大きく阻害され、その結果、挿入抗原
に対して充分な免疫応答が得られないことが明らかとな
っている。
【0005】一方、マレック病は、人畜を含めて唯一ワ
クチンによってその発症が防御されている悪性腫瘍であ
る。その防御メカニズムとしては、ワクチンウイルスが
終生持続感染することにより、鶏等鳥類体内においてマ
レック病ウイルスに対する液性及び細胞性免疫を惹起、
終生持続せしめ、その結果、強毒ウイルスによる腫瘍化
を制していると考えられている。また本ウイルスワクチ
ンは、ウイルス感染生細胞の形で投与され、生体内では
細胞随伴性の形で増殖するために、他のワクチンウイル
スと異なり移行抗体によって中和されてしまうことな
く、従って初生雛に投与できることが大きな特徴であ
る。
【0006】このようなマレック病ウイルスの特性に着
目し、近年、多価ワクチンの開発にマレック病ウイルス
をベクターとする研究が進められている。既述したよう
に、他のウイルスベクターをはるかに凌駕する特質をも
つマレック病ウイルスベクターを用いた多価生ワクチン
作製のためには、まず、マレック病ウイルスDNA上にお
いて、外来遺伝子を挿入することが可能な部位を見い出
すことが必須である。
【0007】マレック病ウイルスDNA上において外来
遺伝子を挿入出来る可能性のある部位としてTK遺伝子
とgA抗原遺伝子が論じられている。しかしながら、T
K遺伝子の変異化によりチミジンキナーゼ活性を消失し
たマレック病ウイルスではその増殖性が低下しているこ
とが報告されており[P.Bandyopadyay et al(1987),12th
INTER- NATIONAL HERPESVIRUS WORKSHOP]、又、TK遺
伝子に外来遺伝子を挿入した組換えウイルスの報告はな
い。一方、gA抗原遺伝子にLacZ遺伝子を挿入した組換
えウイルスは不安定で純化出来ないことが報告されてお
り、いずれも実用的でない[加藤 篤ら(1991),第111回
日本獣医学会]。
【0008】また、gAは、gBと共にウイルスの産生
する主要な糖蛋白質であり、動物体内に接種された場合
にgBのような中和抗体の産生は今のところ認められて
いないものの、gAが細胞性免疫を惹起することは十分
に推定される。したがって、マレック病ウイルスにベク
ターとワクチンとしての両方の機能を持たせることを考
えた場合に、このgA遺伝子に外来遺伝子を挿入しgA
を変異化させることはワクチン効果の低下につながると
予想された。その他、外来遺伝子の挿入可能部位とし
て、US2遺伝子が報告されているが、その組換え体の
in vivo増殖性については全く不明である。さらに、U
S2での組換え体の場合、プラークレベルのクローニン
グしか行われておらず、表現型としては、組換え体であ
っても、同プラーク中には非組換え体である親株が混在
し、US2の機能を補っていた可能性は否定できない。
すなわち、US2が非必須であり且つ外来遺伝子の挿入
部位として実用的であるという証明はない。
【0009】このような状況において、先に本発明者ら
は、まだあまり解析の進んでいない遺伝子についても効
果的な組換えマレック病ウイルスの作出に関して研究を
進め、マレック病I型ウイルス遺伝子のBamHI−H断片
に外来遺伝子を挿入することで組換えマレック病ウイル
スが調製可能なことを見いだしている(特開平2-76578
号)。
【0010】その後、さらに効果的なウイルスベクター
の開発に鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、マレッ
ク病ウイルス遺伝子ゲノム中に外来遺伝子を非常に効率
よく安定に組み込むことのできる部位を見いだした(特
願平4-205933号)。その際、ウイルスゲノム上22箇所
に及ぶ位置で外来遺伝子の挿入を検討したが、外来遺伝
子の挿入が安定して可能であったのはわずかに数カ所し
かなかったことも報告している(第19回 World Poltl
y congress Proceedings 1, p150 -p155)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した技術に従って
構築された組換えマレック病ウイルスのいくつかは、良
好なin vivo増殖性を示すことが確認され、鳥類用多価
ワクチンとしてのウイルスベクターとして極めて優れて
いることが確認されている。しかしながら、その効果
は、マレック病ウイルスなどに対する移行抗体を保有す
る雛では低下する傾向にあった。論文や学会等ではいく
つかの組換え体ウイルス構築の報告があるにもかかわら
ず、野外応用に至っていない原因の一つとして移行抗体
による組換え体ウイルスの増殖抑制が推定される。事
実、ウイルス感染細胞の形状で投与され、従って移行抗
体の影響を最も受けにくいとされてきたマレック病ウイ
ルスにおいてさえ、その組換え体ウイルスは移行抗体保
有雛での in vivo増殖抑制が認められていた。このよう
に雛が保有する移行抗体の問題解決が実用化における課
題となっていた。
【0012】
【課題を解決する手段】本発明者らは、このような移行
抗体存在下でも親株と同等の良好な増殖性と免疫原性を
示す新たな組換えマレック病ウイルスとして、マレック
病ウイルスゲノム中の特定の領域に外来遺伝子を組み込
むことにより、組換えマレック病ウイルスを調製するこ
とで上記の課題を解決する組換えウイルスが作出される
ことを見いだし本発明を完成するに至った。すなわち、
目的の外来遺伝子発現カセットがマレック病I型ウイル
ス遺伝子のS領域反復倒置配列由来の断片に、その断片
中に存在する繰り返し配列を含む部分と置換するように
組み込まれた組換え遺伝子断片を調製し、この遺伝子断
片を用いてマレック病I型ウイルスゲノムに外来遺伝子
発現カセットを組み込むことによって、上記の課題を解
決することが可能な組換えマレック病ウイルスが得られ
ることを見い出した。
【0013】現在、マレック病に対するワクチンとして
は、弱毒マレック病I型ウイルス(MDV-I型)、七
面鳥ヘスペスウイルス(HVT)、またはマレック病II
型ウイルスと七面鳥ヘルペスウイルスを混合したものが
存在する。マレック病自体はI型ウイルスの感染により
引き起こされることがわかっており、したがって、その
発症防御には、血清学的に同じ型に属するマレック病I
型ウイルス弱毒株をワクチンとして用いることが基本と
なると考えられる。本発明においても、マレック病I型
ウイルスが、組換え用の親株ウイルスとして用いられ
る。
【0014】今回、本発明者らが見いだした、組換えマ
レック病ウイルスの調製における外来遺伝子挿入領域は
マレック病ウイルスゲノムS領域に存在するUs領域
(Us領域とは、MDV−DNAの3'端に位置し、その
両端を反復倒置配列により挟まれた約12kbの長さからな
る遺伝子領域を言う)に隣接する反復倒置配列(invert
ed repeat sequence:IRsまたはTRs)、この中に
存在する繰り返し配列部分がその挿入(置換)領域とな
る。また、本発明において、外来遺伝子発現カセットを
組み込む場合には、反復倒置配列に含まれる繰り返し配
列が除去されるように、外来遺伝子発現カセットを組み
込む(置換)ことが必要である。好ましくは、反復倒置
配列としては、IRs遺伝子が用いられ、そのIRs遺
伝子中に含まれる繰り返し配列領域とこの下流(3'側)
にあたるIRsとUsとの境界部分を含む遺伝子領域が
除去されるように外来遺伝子発現カセットが組み込まれ
る。このようにして組換えウイルスを調製することによ
り、外来遺伝子が組み込まれる側のマレック病ウイルス
自体の増殖性に影響を与えることなく、目的の組換えウ
イルスが調製される。
【0015】ところで、通常、外来遺伝子の挿入等によ
りその構成遺伝子の一部を不活化されたウイルスは、仮
に in vitroでの増殖性が良好であっても、in vivo に
おける増殖性あるいは増殖性の一つの表れである病原性
は明らかに低下するとされている[Bernard Meignier
ら、The Herpes viruses 4, p265(1985)]。従って、作
出された組換えウイルスあるいは組換えワクチンがin v
ivo 応用可能かどうかを見極めるためには、該ウイルス
を実際に鶏に接種し、その増殖性と免疫原生を確認する
必要がある。このような観点から、我々は作出された組
換えウイルスの野外雛への接種試験を行った。その結
果、実用性を踏まえた組換え体ウイルスのinvivo 増殖
性をするためには、SPF動物ではなく、種々の移行抗
体を保有する野外鶏で行うべきであるという知見に達し
た。これまでに構築した複数の組換え体ウイルス(特願
平4-205933号他)並びに本発明の組換えウイルスを用い
て、野外雛での in vivo 増殖性試験を行った結果、本
発明に従って作出される組換えマレック病ウイルスは、
従来の組換え体ウイルスとは異なり移行抗体を保有する
雛においても良好なin vivo増殖性を示すことが確認さ
れた。
【0016】本発明に従って作出される組換えウイルス
は、従来の組換えウイルスと比べて、移行抗体を有する
野外雛においても強毒マレック病ウイルスに対する発症
防御効果を示した。さらに、本発明の組換えウイルス
は、野外雛への接種において、ゲノム中に組み込まれた
外来遺伝子から発現される産物に対する抗体をも同時に
惹起することが確認された。本発明において、このよう
に移行抗体を有する初生雛においても良好なin vivo の
増殖性及び免疫原性を示す結果が得られたことは、本発
明において最も特筆すべきことである。
【0017】以下、本発明の組換えマレック病ウイルス
の作出法についてさらに記述する。一般に、本発明のよ
うな組換えウイルスを作出するためには以下のような手
順が必要となる。 (1)ウイルスDNAの一部をプラスミドベクターにクローニ
ングする。 (2)ウイルスDNA断片がクローニングされたプラスミド
に、発現すべく構築された外来遺伝子を含む遺伝子断片
を挿入し、インサーションプラスミドを構築する。 (3)インサーションプラスミドをウイルス感染細胞に形
質導入する。 (4)適当な方法で外来遺伝子を保持する組換えウイルス
を選択する。
【0018】ウイルスに外来遺伝子を組み込む際に用い
るインサーションプラスミドの基本構造としては、マレ
ック病ウイルス由来のUs領域に隣接する反復倒置配列
遺伝子を有し、さらに動物細胞で機能するプロモーター
の下流に目的の外来構造遺伝子及びさらにその下流に転
写終結因子を接続した構造を有する。尚、プロモーター
および外来構造遺伝子さらに必要な場合には転写終結因
子の各遺伝子が該外来遺伝子が転写翻訳されるようにデ
ザインされ組換えられた遺伝子断片を外来遺伝子発現カ
セットと言い、従って、本発明に用いるインサーション
プラスミドはマレック病ウイルス由来の反復倒置配列遺
伝子を有し、該遺伝子中に、その中に含まれる繰り返し
配列部分が置換されるように外来遺伝子発現カセットが
組み込まれたことを特徴とするプラスミドとも表現でき
る。このようなプラスミドを用いることにより、インサ
ーションプラスミド上のウイルス由来遺伝子断片は相同
部分においてウイルスDNA に置換し、その結果ウイルス
遺伝子断片に挟まれていた外来遺伝子断片がウイルスゲ
ノムに組み込まれる。
【0019】本発明では、まず、(1)として、ウイルスDN
Aを制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動によ
り、各断片を分離したのちゲルより回収し、各断片をプ
ラスミドにクローニングする。
【0020】次に、(2)としては、プラスミドにクロー
ニングされた各ウイルス断片を任意な酵素で一箇所切断
または一部欠損させたものへ動物細胞内で機能するプロ
モーターを発現されるべき構造遺伝子の上流にもつ形で
外来遺伝子を挿入する。
【0021】(3)のウイルスDNAへの外来遺伝子を含むウ
イルス断片の相同組換えであるが、通常は感染性ウイル
スDNAとインサーションプラスミドを同時に細胞に形
質導入する方法がとられるが、本発明では、培養細胞に
ウイルスを感染させた後、インサーションプラスミドを
導入するという方法が用いられる。従って、本法は非常
に簡便な組換えの方法であり、かつ、形質導入の方法と
してエレクトロポーレーション法を用いることで非常に
高い効率で組換えウイルスを得ることが可能である。
【0022】このとき、マレック病ウイルスのゲノムに
組み込まれる外来遺伝子としては、ウイルス性疾病、細
菌性疾病、寄生虫病等各種鶏病疾病のワクチン抗原とな
り得る蛋白質をコードする種々の遺伝子、すなわちマレ
ック病ウイルス以外の病原体由来感染防御抗原をコード
する遺伝子が挙げられる。例えば鶏を対象とした多価ワ
クチンの調製においては、その組み込む外来遺伝子とし
て、ニューカッスル病ウイルス(NDV)抗原をコード
する遺伝子、例えばNDV−F蛋白またはHN蛋白をコ
ードする遺伝子、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILT
V)の糖蛋白をコードする遺伝子、伝染性ファブリキウ
ス嚢病ウイルス(IBDV)のウイルス構造蛋白をコー
ドする遺伝子、例えばVP2をコードする遺伝子、伝染
性気管支炎ウイルス(IBV)のスパイク蛋白をコード
する遺伝子並びに伝染性コリーザの原因菌であるヘモフ
ィラス・パラガリナルム(Heamophilus paragallinaru
m)のHA蛋白をコードする遺伝子等が挙げられる。
【0023】本発明の組換えマレック病ウイルスは、上
記のような感染防御抗原のみならず、鶏の成長ホルモン
或いは免疫賦活物質等を投与するためのウイルスベクタ
ーとしても有用である。さらに種々の有用な抗体を卵に
賦与するために、種鶏を免疫するための抗原投与にも有
用である。すなわち、本発明の組換えマレック病ウイル
スは、ドラッグデリバリーシステム(DDS)用ウイル
スベクターとしても利用される。以下、調製例および実
施例に従い、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明
は何らこれに限定されるものではない。
【0024】
【調製例】ウイルス株 野外より分離したI型のウイルス61-554株を用いた。本
株はマレック病ワクチンを接種されていない50日齢のブ
ロイラーより1986年に分離されたウイルスである。SPF
1日齢ヒナの腹腔に2×103接種した試験では、10週間の
観察期間中発症・死亡はなく、剖検においても腫瘍病変
を始めとする異常は認められなかった。
【0025】ウイルスDNAの精製 ウイルスを鶏胚繊維芽細胞(CEF)に接種後、細胞変性
効果(CPE)を強く呈した時点でウイルス感染細胞をハー
ベストし、平井らの方法[J.gen.Virol.,45,p119(197
9)]に従って、ウイルスDNAを精製した。すなわち、ま
ずCPEを強く呈したウイルス感染細胞に2倍量の 1%-NP40
溶液(0.01M-Tris-HCl,pH7.4,0.01M-NaCl,0.0015M-MgCl
2)を加えて30分間氷冷した後、ピペッティングした。
この溶液を2500回転で10分間遠心し、 その上清を40%〜
60%(w/w)のショ糖溶液(0.02M-Tris-HCl,pH7.4,0.15M
-NaCl)に重層、175KGで2時間遠心後、40%ショ糖溶液と
60%ショ糖溶液の中間に形成されたマレック病ウイルス
に由来するカプシドの層を分取した。さらに、この中間
層を再度0.02M-Tris-HCl,pH7.4,0.15M-NaCl溶液に懸濁
し、160KGで1時間遠心してペレッティングさせた。この
ペレットを、プロテイネースK(ベーリンガー・マンハ
イム山之内)を0.1%に含む1%-SDS溶液(0.1%-Tris-HCl,
pH7.4, 0.01M-EDTA,1%-Sarcocinate;半井化学)に浮遊
させ、37℃で一晩放置した。その後、フェノール処理、
エタノール沈澱によりDNAを回収し、TE緩衝液(10mM-Tr
is-HCl,pH8.0,1mM-EDTA)に溶解し、10%〜30%のグリセ
ロールグラディエント溶液に重層後、175KGで4時間遠心
した。次に管底より溶液を分画し、ウイルスDNAを含む
画分をとり、10%-トリクロル酢酸を加えて、DNAを沈澱
させ回収した。
【0026】ウイルスDNAのクローニング 精製したマレック病ウイルスDNA1μgを制限酵素で切断
し、0.7%-アガロースゲル電気泳動で各断片を分離後、
エレクトロエリューション法によりゲルから溶出し、フ
ェノール処理、エタノール沈澱により回収した。このよ
うにして得た断片をpUC又はPBRにT4DNAリガーゼを用い
て挿入し、適当なコンピテントセル(例えばJM109)に
形質導入し、形質転換大腸菌を得た。次に、100μg/ml
にアンピシリンを含むLB培地で培養した後、アルカリ
法によって菌体内のプラスミドを回収した。
【0027】塩基配列の決定 遺伝子断片をpUC119のポリリンカーにクローニングした
後、JM109等のコンピテントセルに形質導入した。得ら
れたトランスフォーマントをLB培地で一夜培養した後、
その30μlにM13ファージ(109/ml以上)を60μl感染さ
せ、さらに一夜振蕩培養した。遠心により菌体を除去後
上清よりファージを回収し、常法に従い目的遺伝子断片
の塩基配列を含む一本鎖DNA(ssDNA)を調製した。得ら
れたssDNAをSEQUENASE V2.0(TOYOBO)を用い、添付のプ
ロトコールに従い塩基配列の決定を行った。なお必要に
応じ、プラスミド上の遺伝子断片をKilo-Sequence用Del
etion Kit(タカラ、カタログ番号6030)を用いて段階
的に短くしたプラスミドを構築し、同様にssDNAを調製
した。
【0028】組換えウイルスの作出 37℃で一晩培養した初代CEFをEDTA-トリプシン溶液でハ
ーベスト,洗浄後、5%牛血清(BS)添加イーグル-MEM(E-
MEM;日水)培地に20万個/mlの細胞濃度で浮遊し、その
40mlをファルコン社製組織培養フラスコ(NO.3028)に
入れ、これにマレック病ウイルス感染CEFを約80万個接
種し、37℃で4時間培養した。その後再びEDTA-トリプシ
ン溶液で細胞をハーベストし、PBS-で2度細胞を洗浄
し、このうち500万個の細胞をバイオラッド製ジーンパ
ルサー(カタログ番号165-2075)のキュベットに移し、イ
ンサーションプラスミドを加え、添付のプロトコールに
従ってパルスを加え、ウイルス感染細胞にインサーショ
ンプラスミドの導入を行った。次に、5%BS添加E-EME
(日水)15mlに浮遊させ、径10cmのシャーレ(ファルコ
ン社製No.3003)に移し、37℃で培養した。翌日、生着
していない死亡細胞を培地とともに除去し、新たに前日
培養した初代CEFをハーベストしたもの(2nd CEF)を50万
個/mlに浮遊させた5%にBSを含むE-MEMを15ml添加し
た。37℃で4から7日間培養した後、クロロフェノールレ
ッドβ-D-カ゛ラクトピラノシド(生化学工業)を100μg
/mlの濃度で含む1%-アガロース/E-MEM液(フェノールレ
ッド不含)を重層した。
【0029】5分から60分以内に出現したβ-gal活性を
示す赤色プラークをプラーククローニングすることによ
り次代に継代した。この操作を数回繰り返した後、ウイ
ルス感染細胞を超音波破砕機を用いて緩やかに壊し、ウ
イルスをcell freeの状態にした後、4時間培養したCEF
に接種後数日培養し、さらにプラッククローニングを2
〜3回行って組換えウイルスを純化した。
【0030】サザンハイブリダイゼーション ベーリンガー・マンハイム山之内社製のDIG-DNA ラベリ
ングキット(カタログ番号150350)及び TROPIX社製サザ
ーンライト(Southern-light:カタログ番号SL100)を
用い、添付のプロトコールに従ってプローブの作製並び
にハイブリダイゼーションを行った。簡単には、線状化
したDNAを加熱変性し、ランダムプライマーを用いてク
レノウ・フラグメント(Klenow fragment)によりジゴ
キシゲニンラベル化dUTPを含むdNTPsを基質としてプロ
ーブDNAを合成した。
【0031】本プローブを、目的DNAをトランスファー
したハイボンドN+(アマシャムジャパン、カタログ番号RP
N.303B)にプロトコールに従いハイブリダイゼーション
させ、アルカリフォスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン
ヒツジIgGを用いて検出を行った。アルカリフォスファ
ターゼの基質としてはAMPPDを用い、生じた特異発光を
X線フイルム(富士ゼロックス,X-OMAT)を用いて検出し
た。
【0032】組換えウイルスDNAの回収 ウイルスを接種したシャーレ(ファルコン社、カタログ
番号150350)が全面にCPEを呈した時点で上清を吸引し、
プロティネースK溶液(プロティネースK1mg/ml、0.1
M-Tris・HCl.pH9.0、0.1M-NaCl、 0.001M-EDTA、1%SDS)
を2ml注ぎ、37℃−1時間処理した後、コニカルチューブ
(ファルコン、カタログ番号2099)に移し37℃で一夜処
理した。その後、フェノール処理した上清をエタノール
沈澱し、乾燥後100μlのTE(10mM-Tris・HCl.pH8.0、1mM-
EDTA)に溶解した。サザンハイブリダイゼーションには
このうちの2μlを制限酵素で切断して用いた。
【0033】鶏体内よりのウイルス回収 ヘパリンを吸引した注射器で1mlの血液を採血した後、P
BS-を加えて4mlとし、これをコニカルチューブ(ファル
コン、カタログ番号2099)に入れたFicoll-Pque(ファル
マシア)3mlの上に静かに重層し、1500rpm×30分遠心し
た(クボタ、KN-30F)。リンパ球・単球よりなる中間層(Bu
ffy coat)を分取し、再びEDTAを0.01%に含むPBS-に懸濁
した後、1000rpm×5分遠心して回収し、これを4時間培
養したCEF(2ndary)に接種し、4日〜7日観察した。MDV
のCPEが認められなかったものに関してはさらに3代目ま
で継代を重ね判定を行った。
【0034】蛍光抗体法(FA) 61-554株104PFUをCEF107cellと共にカバーグラス(MATUN
AMI.No.1,18x18mm)3枚の入った径5cmのシャーレに接種
し、2日間培養した後カバーグラスを取り出し、室温で2
0分間アセトン固定後、-80℃に保存した。又、抗β-gal抗
体検出用としてβ-アクチンプロモーターの下流にLacZ
遺伝子を接続されたプラスミドpASLacZ(特開平2-76578
号)をBMT-10細胞にエレクトロポーレーションにより導
入し、2日間培養した後、同様にアセトン固定して-80℃
に保存した。
【0035】鶏血清をPBS-で10倍希釈し、4℃で一夜反
応させた後、FITC標識抗ニワトリIgGヤギ抗体(KIRKEGAA
RD & PERRY Lab., カタログ番号031506)をPBS-で20倍希
釈したものを37℃で1時間反応させ洗浄後蛍光顕微鏡下
で観察を行った。
【0036】
【実施例】実施例1:61-554株DNAのクローニング 61-554株DNA 1μgをHindIIIで切断後 0.7%-アガロース
ゲル電気泳動を行い、17kbの断片(以下HindIII-B断
片)を切り出した後pBR322にクローニングした(pKHB)。
pKHBの EcoRI切断パターンを図1に示した。これらの
うち、A5およびA6断片はウイルス間で長さが異なること
が示された(表1)。
【0037】
【表1】 nt:試験実施せず(not tested)
【0038】実施例2:IRs及びTRsにおける繰り返し配
列の塩基配列決定 pKA5をGA株A5断片中に存在する制限酵素でマッピン
グしたところ、図2に示すように、IRs部分でStuIで
切り出される約220bpが増幅していた。この220bpの塩基
配列を決定したところ、GA株の塩基配列(GenBank Ac
cession NumberM80595、M.Sakaguchi)の塩基番号614か
ら822に相当することが明らかとなった。一方、pKA6を
同様にマッピングした結果、同じく約220bpを単位とす
る繰り返しが5回存在することが推定された(図3)。
配列表:配列番号1にGA株A5断片の塩基配列を示し
た。61-554株の反復倒置配列では該配列中の塩基番号61
4から822に相当する部分が繰り返されていた。
【0039】また、BC-1株の A6に相当する断片の塩基
配列を決定した。その結果、KA6とほぼ同様TRsにおい
て、鶏白血病ウイルス(ALV、RAV2)のLTRと88%の相同
性を示す278bpの塩基配列が組み込まれ、かつ3.5回繰
り返していることが確認された。図3に繰り返し配列の
位置を示した。配列表:配列番号2にBC-1株のA6断片の
塩基配列を示した。配列表:配列番号1中の 853番目の
核酸から5'側(小さい塩基番号の方向)がUs領域遺伝
子、854番目の核酸から 3'側(塩基の番号が増す方向)
がTRs領域の遺伝子に相当する。以上の結果より、I
Rs及びTRsのUs領域に接する部分には、ウイルス
の増殖性に影響を与えず遺伝子の挿入が可能な部位のあ
ることが明らかとなった。
【0040】実施例3:K-A5Lの作出 pKHBをHindIIIとEcoRIの部分消化によりKA5断片を含む
5.5kbの断片をpSP72にサブクローニングした。このプラ
スミドをNcoIとPstIにより切断することで繰り返し配列
を完全に除去した後、同部位にpCH110(ファルマシアカ
タログ番号27-4508-01)より BamHI及び TthlllIによ
り切り出され、平滑末端後pSP72のSmaIサイトに挿入さ
れたSV40-LacZを、再びBglIIおよびBamHIにより切り出
すことで得られた4.2Kbの断片(SV40-LacZ)を挿入した
(pKA5L,図5)。
【0041】次pKA5LをKpnIで切断・線状化した後、組
換えウイルスの作出に従ってK-A4BLを作出した。本ウイ
ルスは親株61-554と同等の良好なin vitro増殖性を示し
た。K-A5Lにおける LacZ遺伝子の挿入位置を確認する為
に、K-A5L感染CEFより抽出したDNAをEcoRIで切断後サ
ザンハイブリダイゼーションを行った。US420(図6)及
び pCH110よりHindIII及びBamHIで切り出したLacZ遺伝
子(3.7K)をプローブとしたサザンハイブリダイゼーショ
ンの結果を図6に示した。 US420(レーン2)、LacZ遺
伝子(レーン1)いずれのプローブを用いた場合でも期
待されたサイズのバンドのみが検出され、LacZ遺伝子の
挿入が相同組換えによっていること、及び組換えウイル
スが純化されていることが確認された。
【0042】K-A5L 6000PFU を接種したSPF1日齢ヒナに
おけるウイルス回収試験及び抗MDVFA抗体検査成績を表
2に示した。接種後8週目のウイルス回収は4/5(+)であ
り、良好な持続感染性を示した。又4週目の抗MDVFA抗
体は 7/7(+)であり、その抗体価のレベルは、他の組換
え体ウイルスを接種した場合よりも高い傾向にあった
(図7)。一方、4週目の血清について抗β-ガラクト
シダーゼ抗体価を 蛍光抗体法により測定した。その結
果、β−ガラクトシダーゼに対する抗体は接種後4週目
で既に全例陽転した後、いずれも160倍以上と言う高
い抗体価(FA価)を示し、本システムが外来遺伝子に
より発現された抗原にたいしても充分に抗体を惹起させ
うる投与系であることが実証された。
【0043】さらに、6週目の末梢血より回収された組
換えウイルスのプラークはすべてβ−ガラクトシダーゼ
活性を保持しており、本ベクターが単なる一過性の抗原
投与系にとどまらず、酵素やホルモン等を持続的に体内
で産生するDDSとしても極めて優れたシステムである
ことが証明された。
【0044】次に、K-A5L のマレック病ワクチン効果を
確認する目的で、一日齢ヒナの腹腔内にK-A5Lを6000PFU
接種し、一週後に強毒マレック病ウイルス alabama株感
染脾臓細胞浮遊液で腹腔内に攻撃した。10週間飼育・
観察し、期間中のマレック病に起因する死亡または脚麻
ひの発生及び10週後の剖検における腫瘍病変の有無を
指標として効果の判定を行った。その結果、表2に示し
たようにSPF雛を用いた試験ではいずれのワクチン間
で抗MD効果に大差はなかったが、移行抗体を保有する
野外雛での試験では、そのワクチン間大きな差が認めら
れた。すなわち、KA3VL免疫群では10羽中5例
が、またKA4BL群では3例が発症した。一方これに
対し K-A5L接種群では一例の発症が認められたのみであ
り、本組換えウイルスが、移行抗体を保有する野外雛で
の免疫試験においては、他の組換え体ウイルスを上回る
ワクチン効果を示した。以上のことより、本発明で開示
した領域は、野外での応用を考えた場合、他の外来遺伝
子挿入部位よりも優れた挿入部位であることが確認され
た。
【0045】
【表2】
【0046】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1839 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:マレック病ウイルス 配列 GAATTCCTTC AGCCCAAAGC ACAACCGCGG GGTCCACCGG GACTCTCCGA CATAGCTCGA 60 GCCAAAAGGG AATTGTAGCC CAGGCAAGTG CAATGTTTTA ATTTGTTCTT CTCCCTCCCC 120 CACATAAAAA AACCACTGGA TCGTACAAGT ATACGAGTAT ATGGGTGGGG TGCCGTTTTA 180 TATAAACACA GCTTAGTTTG TTTGCCACGT CAAGGAAGGG CGGTGCATAT CTGTAAGTAA 240 ACAAAACTCG GGGTTCTGTA CGATTGGCCG GGGTCTTACA TGCTCGCCGA ATTGGATTTG 300 AGAATCAATC TTCCGACGGG TTTCCTGACT TGAACAGGGG AAAGGGGGAG GGGGAGTGTG 360 TTATCTTGTC GCGAACCAAT AAAATAGATT TGTGGCCTAA CGAGTTCTCT TTTTTTTTAT 420 ATCGCAAGTG TTAACGAAGC TATGGGACTA GTCTTTTCGT ACAAGTCTCA GACAAACCGC 480 GACCAAAAAA GCGCGGCCCT GTCGAAGAGG AAATACTGAA TCGACGAGCT AACCACAGCG 540 TGTCTCCTGG GTTAACCTCT CTATAGGCGG GGGGAAGTCC CTCTTATATT GGCGAGTGGC 600 CTAGGATTGA ATATTAGACC TCAGTTCCCT ACGGCGCTTT GAGGTAGAGG GAAGTTCTCA 660 GAGCTTGCAT ATGCAAACGA GATGTTGTAG GAAAAAAAAA GAGGAACCGT GCCTTTCTCT 720 ACGCAGATGG GTCCCCCCCC CCCCCAAAAA AAAAAGGAAC CGTGCCTTCC TCCGCGCAAA 780 TAGGTGCCCC ACGAGGCCTC GGGGTCCGCG GGGCGGAGAG GGGAAAAAGA GTACGGTTCA 840 GGGGATATGA GAACAGCTGC GTATTTTCCC CGTGCATCTC ATACCGCCCA TTTTTGGGTA 900 GAGGTATATT TTTATTAGCC AAATCGTATT CCTGGAAGTT TGACAAAACC TGTCAAACTG 960 ACACGGTCCA AGCGAAACTC GAAAAAAAAA GGGGGGGGGG GAGAATATTC TGTAGGACCG 1020 GCAGAACTTC TCAAGGCAGA GGAAAGATAC ACATTATTTT TTGTTAGATT TAGGCAAGTT 1080 TTGCAGAACC TGCAGGGAAT GTATACACCA TCAAATCTAC TCGACTTATT GCTTGAGTCC 1140 AATTTAACAG AAATTAAAAT ATATTGATGT TGCGACATAT GCATCCTCGC ATATGGGGGT 1200 GGGACACAGG ACGATTATAT CCCCAGACAT GAACCTCAAA CTGCCATTTT GATCCCATCA 1260 TTGGAGAGAC AAATTCGCAT ACATCCTACT TATCGCACAC ATTGGATGTC GGTCTTTATT 1320 CAGGCCATAT CAGCTTTCAC GGGGGCAAAT TCGTATTCAT AGATCCGTCA TCGATGCAGC 1380 GCCAAACCGG ACATATGGAA GACAAAAAGA GAACCGGTTT GGAATCGCAG GGGACCGAGA 1440 ATGCTTTTTC AGATGGCAGA GATGGCAAAG ATGGATTGTT ACATGAAGGA ATTAATGAGC 1500 CCATTTTGAT TCCGTCTACC ATCGCAGATC TCGAGGGGAT TCGTGAATTG GTCCGAAAAT 1560 TCCGTGGTCG TCTACTGCCC TTTGAAAAGT GTCCCGATTT TTGTCTGAGA ATTGGGGGTT 1620 TGGAGGCCAG CTTTCATAAA GGGCAGGAGG AGCTGTTAGA GTATTGTGAA GCACTTTATT 1680 TACCACAACC TGTTAAGATG GAAATAGTAG GCATTGTAGA CGATGTGCCA TGTCTGGCAA 1740 CGGGGATGCA ATTACTCATT CTTGTTGCCG AAGGGGGGAG AGGTATATGC CTATGAAGAA 1800 GATACTCTGC ATAAGTTAGC CACGAGTTTT TCCGAATTC 1839
【0047】配列番号:2 配列の長さ:3001 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:マレック病ウイルス 配列 GAATTCCTTC CTTTAAAATG AAAGATGTCC AGGTAGACGA TGCGGGATTG TATGTGGTTG 60 TGGCTTTATA TAATGGACGT CCAAGTGCAT GGACTTACAT TTATTTGTCA ACCGGTGAAA 120 CACTATCNTT AAATGTGGAA TGTATATGAA AACTACCACA AGCCGGGATT TGGGTATAAA 180 TCATTTCTAC AGAACAGTAG TATCATCGAC GAAAATGAGG CTAGCGATTG GTCCAGCTCG 240 TCCATTAAAC GGAGAAATAA TGGTACTATC CTTTATGATA TTTTACTCAC ATCGCTATCA 300 ATTGGGGCGA TTATTATCGT CATAGTAGGG GGTGTTTGTA TTGCCATATT AATTAGGCGT 360 AGGAGACGAC GTCGCACGCG GGGGTTATTC GATGAATATC CCAAATATAT GACGCTACCA 420 GGAAACGATC TGGGGGGCAT GAATGTTCCG TATGATAATG CATGCTCTGG TAACCAAGTT 480 GAATATTATC AAGAAAAGTC GGATAAAATG AAAAGAATGG GTTCGGGTTA TACCGCTTGG 540 CTAAAAAATG ATATNCCGAA ATTNGNAACC CCTAGATTTA ATCCCACTGA TATGNACANA 600 TTTAAACTTA ATGGGATATA GTATATGGAC GTCTATATGA CGAGAGTAAA TAAACTGACA 660 CTGCAAATGA AGCTGATCTA TATTGTGCTT TATATTGGGA CAAACCACTC GCACAAGCTC 720 ATTCAACACA TCCACTCTTG GACAGCTTCA TGTTAAAATA AACTGTAAAT CATTCAATGA 780 TAATGGGAGA AGAATGTGAG CAAGGATCCA TGGTGTCTGC TTTTTATAGT ATCTACCGCA 840 ATGCTACATA TAAAATAAAA ATATACCTCT ACCCAAAAAT GGGCGGTATG AGATGCACGG 900 GGAAAATACG CAGCTGTTCT CATATCCCCT GAACCGTACT CTTTTTCCCC TCTCCGCCCC 960 GCGGACCCCG AGGCCTCGTG GGGCACCTAT TTGCGCGGAG GAAGGCACGG TTCCTTTTTT 1020 TTTTGGGGGG GGGGGACCCA TCTGCGTAGA NAAAGGCACG GTTCCTCTTT TTTTTTTCCT 1080 ACAACATCTC GTTTGCATAT GCAAGCTCTG AGAACTTCCC TCTACCTCAA AGCGCCGTAG 1140 GGAACTGAGG TCTAATATTC AATCCTAGGC CACTCGCCAA TATAAGAGGG ACTTCCCCCC 1200 GCCTATAGAG AGAGGCAGCC CGAAAATGGA GCAGTGTAAA GCAGTACATG GGTGGTGGTA 1260 TGAAACTTGC GAATCGGGCT GTAACGGGGC AAGGCTTGAC TGAGGGGACC ATAGTATGTA 1320 TAGGCNAAAG GCGGGGCTTC GGTTGTANGC GGTTAGGAGT CCCCTCAGGA TACAGTAGTT 1380 GCGCTTTTGC ATAGGGAGGG GGAAATGTAG TCAAATAGAG CCAGAGGCAA CTTGAATAGC 1440 CTAAAGACCA AATAAGGAAA AAGCAAGACA TTCCATATGC TCATTGGTGG CGACTAGATA 1500 AGGAAGGAAT GACGCAAGGA CATATGGGCG TAGACGAAGC TATGTACGAT TATATAAGCT 1560 GTTGCCACCA TCAAAATAAA ACGCCATTTT ACCATTCACC ACATTGGTGT GCACCTGGGT 1620 AGATGGACAG ACCGTTGAGT CCCTAACGAT TGCGAACACC TGAATGAAGC AGAAGGCTTC 1680 ATTAATGTAG TCAAATAGAG CCAGAGGCAA CTTGAATAGC CTAAAGACCA AATAAGGAAA 1740 AAGCAAGACA TTCCATATGC TCATTGGTGG CGACTAGATA AGGAAGGAAT GACGCAAGGA 1800 CATATGGGCG TAGACGAAGC TATGTACGAT TATATAAGCT GTTCCACCAT CAAATAAACG 1860 CCATTTTACC ATTCACCACA TTGGTGTGCA CCTGGGTAGA TGGACAGACC GTTGAGTCCC 1920 TAACGATTGC GAACACCTGA ATGAAGGAGA AGGCCTCATT AATGTAGTCA AATAGAGCCA 1980 GAGGCAACTT GAATAGCCTA AAGACCAAAT AAGGGAAAAG CAAGACATTC CATATGCTCA 2040 TTGGTGGCGA CTAGATAAGG AAGGAATGAC GCAAGGACAT ATGGGCGTAG ACGAAGCTAT 2100 GTACGATTAT ATAAGCTGTT GCCACCATCA AATAAACGCC ATTTTACCAT TCACCACATT 2160 GGTGTGCACC TGGGTAGATG GACAGACCGN TGAGTCCCTN ACGATTGCGN ACACCTNAAT 2220 GAAGNNGAAG GCCTCATTAA TGNAGTCAAA TAGAGCCAGA GGCTAACTTG AATAGCCTAA 2280 AGGACCAAAT AAGGAAAAAG CAAGACATTC CATATGCTCA TTGGTGGCGA CTAGATAAGG 2340 AAGGAATGAC GCAAGGACAT ATGGGCGTAG ACGAAGCTAT GTACGATTAT ATAAGCTAAA 2400 CCCAGGAGAC ACGCTGTGGT TAGCTCGTCG ATTCAGTATC CCCCCCNAAN GGCCCCCCCT 2460 TTTTNGGCCC CNGGTTTNCC NNAANCNTTG NCCAAAAANC CTAGCCCAAA AGCNNCGTAA 2520 NNCTTGGGAT NNTAAAAAAA ANGGAGAACN CGTAAGGCCA AAAAANCTAT TTTAATGGGT 2580 CCCCGACAAA NATAAACACA CTCCCCCCTC CCCCTTNCCC CTGTTCAAGT CAGNAAACCC 2640 GTCGNAAGAT TAATTCTCAA AATCCCAATN CGGCGAGCAT GTAAGACCCC GGCCAATCGT 2700 ACAGAACCCC GAGTTTTGTT TACTTGCAGA TATGCACCGC CCTTCCTTGA CGTGNCAAAC 2760 AAACTAAGCT GTGTTTATAT AAAACGGCAC CCNACCCATA TACTCGTATA CTTGTACGAA 2820 CCAGTGGTTT TTTTATGTGG GGGAGGGAGA AGGACAAATT AAAACATTGN ACTTGCCTGG 2880 GCTACAATTC CCTTTTGGCT CGAGCTATGT CGGAGAGTNC CGGTGGACCC GNGGTTGTGC 2940 TTTGGGCTGA AGGAANTCGA GNTNGGTACC CGGGGANCCT CTAGAGTCGA CCCTGAAAGC 3000 T 3001
【図面の簡単な説明】
【図1】 MDV1ゲノム上のS領域の位置、さらにはHindI
II-B断片とそのEcoRI断片の位置を示す。61-554株およ
びBC-1株における繰り返し配列の位置を示す。
【図2】 A5断片における繰り返し配列の位置を示
す。
【図3】 A6断片およびBC-1株A6断片における繰り
返し配列の位置を示す。
【図4】 K-A5L作出に用いたインサーションプラスミ
ドpKA5Lの構築を示す。
【図5】 K-A5LにおけるlacZ遺伝子挿入の理論図
を示す。
【図6】 K-A5L感染CEFより抽出したDNAをEcoRIで切断
した後、 LacZ遺伝子(レーン1) 及び US420(レーン2)を
プローブとして行ったサザンハイブリダイゼーションの
結果の模式図を示す。
【図7】 K-A5L接種鶏における抗体価。従来の組換え
マレック病ウイルスとの抗体価の比較を示す。上段はS
PF鶏における抗MDV抗体の産生状況、下段は野外雛
における抗体産生状況を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) C12R 1:92)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレック病I型ウイルスゲノムS領域遺
    伝子の反復倒置配列中に含まれる繰り返し配列を含む遺
    伝子部分が、外来遺伝子発現カセットに置換されている
    ことを特徴とする組換えマレック病ウイルス。
  2. 【請求項2】 該反復倒置配列が、S領域遺伝子中のI
    Rsである請求項1の組換えマレック病ウイルス。
  3. 【請求項3】 外来遺伝子発現カセットが、動物細胞で
    機能するプロモーター下流にマレック病I型ウイルス以
    外の病原体由来感染防御抗原をコードする遺伝子が接続
    された遺伝子断片である請求項1の組換えマレック病ウ
    イルス。
  4. 【請求項4】 動物細胞で機能するプロモーター下流に
    外来遺伝子が接続された外来遺伝子発現カセットを、マ
    レック病I型ウイルス遺伝子のS領域反復倒置配列由来
    の断片に、その断片中に存在する繰り返し配列を含む部
    分と置換するように組み込み、このようにして得られた
    組換え遺伝子断片を用いてマレック病I型ウイルスゲノ
    ムに外来遺伝子発現カセットを組み込むことを特徴とす
    る組換えマレック病ウイルスの作出法。
  5. 【請求項5】 該反復倒置配列が、S領域遺伝子中のI
    Rsである請求項4の作出法。
  6. 【請求項6】 該マレック病I型ウイルス遺伝子のS領
    域IRs由来の断片が、S領域由来A5断片(EcoRI処
    理して得られる遺伝子断片であり、IRsとUsとの境
    界を含む断片)である請求項4の作出法。
  7. 【請求項7】 該繰り返し配列を含む部分が、IRs領
    域中3'側の繰り返し配列部分とIRs〜Us間の境界部
    分とを含む遺伝子領域である請求項4の作出法。
  8. 【請求項8】 該外来遺伝子発現カセットが、動物細胞
    で機能するプロモーター下流にマレック病I型ウイルス
    以外の病原体由来感染防御抗原をコードする外来遺伝子
    を接続した遺伝子断片である請求項4の作出法。
  9. 【請求項9】 請求項1の組換えマレック病ウイルスか
    らなる鳥類用ワクチン。
  10. 【請求項10】 鳥類がニワトリである請求項9のワク
    チン。
  11. 【請求項11】 該外来遺伝子発現カセットに組み込ま
    れた外来遺伝子が生理活性物質をコードする遺伝子断片
    である請求項1の組換えマレック病ウイルスからなる鳥
    類用生理活性物質投与ベクター。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100334217C (zh) * 2005-08-15 2007-08-29 北京市农林科学院 重组鸡马立克氏病病毒转移载体及应用

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