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JP3932003B2 - 感圧接着性シート及びその製造方法 - Google Patents

感圧接着性シート及びその製造方法 Download PDF

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JP3932003B2
JP3932003B2 JP27843697A JP27843697A JP3932003B2 JP 3932003 B2 JP3932003 B2 JP 3932003B2 JP 27843697 A JP27843697 A JP 27843697A JP 27843697 A JP27843697 A JP 27843697A JP 3932003 B2 JP3932003 B2 JP 3932003B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感圧接着性シートおよびその製造方法に関し、例えば親展葉書用のメールフォーム、値札タッグ、カード付きプリント用紙等のようにその表裏両面に感圧接着剤層を有し、一時的に密着を必要とする帳票等の易開封性感圧接着性シートとして好適に使用される感圧接着性シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金融機関、官庁等からの通知用として、必要事項をプリンター等で印字した後、封書形態等に折り畳み、接着して発送されるメールフォームが広く使用されている。そして、この種のメールフォームとしては、3つ折りに折り畳んで周縁部を接着し、開封時にはミシン目から3辺乃至4辺を切り取って展開する形態のものが広く利用されている。しかしながら、このメールフォームは開封時にミシン目から周縁部を切り取る必要があるため、ゴミの発生の問題と共に情報記録部分の有効面積が小さくなるという問題がある。また、このメールフォームは周縁部のみを接着しているため、現行の郵便法では封書扱いとなり、寸法を葉書サイズとしても安価な葉書扱いで郵送することができなかった。
【0003】
また、必要事項を一部に記録した後、接着用フィルムを挟み込んで折り畳み、接着し、受取人が接着部を剥離して必要事項を確認することができる再剥離性を有する形態のものが知られており、この形態のものは葉書扱いで郵送することができるが、このタイプのものはフィルムの挟み込み作業が必要となり、製作工程が煩雑となる欠点があった。
【0004】
また、ヒートシール剤を塗布した接着性シートも、耐ブロッキング性の観点から使用されているが、完全にブロッキング性を防止しうるまでにはいたっておらず、また、ノンインパクトプリンタにおけるトナーを使用した熱定着式プリンタでは、トナーの定着に加熱方式が利用されるために、ヒートシール剤が軟化してプリンタ内部を汚損するためにその記録方法が制限されるという問題がある。
【0005】
そのため、スチレンブタジエンゴム等の感圧接着性樹脂を主成分とし、これに耐ブロッキング性等を付与することを目的としてマイクロシリカ、クレー等の無機材料や、熱可塑性を有しない高度に架橋されたポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子やポリスチレン粒子等を水に分散せしめた感圧接着剤を接着面に塗布したメールフォームが提案されている。このメールフォームは、接着剤塗布面に熱定着式プリンター等によって必要事項の記録が可能であり、また、開封時に文字等が転移することなく、感圧接着剤同士の接着界面で剥離でき、感圧接着剤塗布面に印字した情報の読み取りが可能であるという利点がある。
【0006】
しかしながら、マイクロシリカ、クレー等の無機材料は、感圧接着性樹脂との親和性が低く、感圧接着剤層中に保持されにくく、感圧接着剤層の形成後にはスポット状のベタツキ部分(ドライタック)が生じ、ブロッキングの原因ともなり、また、印刷時や印字時に粉落ち(パイリング)が発生するという問題がある。そのため、脱落を防止するためにその形状や粒径を調整したり、また、シランカップリング剤やバインダー等の本来不必要な成分の添加が必要であるなど、性能面を勘案した上でのコストに問題が生じている。特に、シリカはサブミクロンオーダーの微細粒子が2次凝集した集合体となっているために、チキソ性が高く、感圧接着性樹脂との配合比によってはスラリー化して添加したり、また溶剤分(エマルジョンであれば水)を適宜添加して固形分量を低下させる必要があるなど、その取り扱い性に問題があり、余分な工程やエネルギーを必要である。
【0007】
また、高度に架橋されたポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子やポリスチレン粒子等にあっては、取り扱い性には優れ、また、一般的に使用される配合比においては増粘性も少なく、高充填が可能であるが、高価であり、また、無機材料同様に感圧接着性樹脂との親和性が低く、無機顔料と同様の問題がある。
【0008】
更に、このような、感圧接着剤としての問題の他に、表裏両面に感圧接着層を有する感圧接着性シートの提供が試みられているが、表裏両面に接着剤層を設けるために、例えばチルロール(冷却ロール)を使用したり、基材全体をフローティングさせたり、また、テフロン被膜を設けた特殊なバックアップロール等を使用して感圧接着剤層の乾燥に際して乾燥機内部を汚損させない方法を採用する必要があり、作製に際してコストのかかるものとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、顔料の高充填が可能であると共に、粉落ち等の現象を抑制でき、耐ブロッキング性と共に耐熱性、耐摩耗性に優れる、低コストの感圧接着剤層を例えばその両面に有する感圧接着性シート、および、その感圧接着性シートを効率よく作製できる製造方法の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の感圧接着性シートは、シート基材の両面に、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して形成された感圧接着剤層をそれぞれ設けた感圧接着シートであって、該感圧接着性シートの一方の面の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点と、他方の面の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点とを20℃以上相違させたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の感圧接着性シートは、シート基材の一方の面において相違する領域に感圧接着剤層がそれぞれ設けられ、かつ、該感圧接着剤層が、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して形成されたものである感圧接着シートであって、該感圧接着性シートの一方の領域の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点と、他方の領域の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点とを20℃以上相違させたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の感圧接着性シートは、シート基材面に感圧接着剤層が積層して設けられ、かつ、該感圧接着剤層が、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して形成されたものである感圧接着シートであって、該感圧接着性シートにおけるシート基材側の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点が、該シート基材側の感圧接着剤層上に積層される感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点より20℃以上高いものとされると共に、該上層に積層された感圧接着剤層を内側として前記感圧接着シートが折り畳まれ、該内側とされた感圧接着剤層同士が感圧接着され、該感圧接着された感圧接着剤層同士の間を剥離可能とすることを特徴とする。
【0013】
本発明の感圧接着性シートの製造方法は、上記第1〜第3の感圧接着性シートの製造方法であって、シート基材面に、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の第1の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して第1の感圧接着剤層を形成し、次いで、感圧接着性樹脂100重量部に、前記第1の熱可塑性樹脂より20℃以上低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂をその粒径が0.1μm〜50μmの粒子として1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の第2の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して第2の感圧接着剤層を形成することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の感圧接着性シートを示す斜視図であり、(a)は平面図、(b)はその折り畳み状態を説明するための図、(c)は(a)図におけるA−B断面図であり、図中11は感圧接着性シート、11a、11bは折り畳み線、X、Y、Zは感圧接着性シート表面の各領域を示し、X′(図示せず)、Y′、Z′(図示せず)は、前記X、Y、Z領域に対応する感圧接着性シート裏面の各領域を示す。また、1は基材、2は第1の感圧接着剤層、3は第2の感圧接着剤層を示す。
【0015】
感圧接着剤層形成するための塗液について説明する。
感圧接着性樹脂としては、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはこれらの変性物の少なくとも1種が挙げられる。また、混合物でもよく、その混合割合を適宜調整することにより、感圧接着性樹脂同士の自着性を保持しつつ、基材との密着性を自着性より大きくすることができる。好ましくは、加圧によって感圧接着性樹脂同士の自着性を発現する性質の高い天然ゴムに、基材との密着性、即ちアンカー効果を高める目的でポリメチルメタクリレートやスチレンブタジエンゴムを添加したものが挙げられる。ポリメチルメタクリレートは単独で用いられるより、他の感圧接着性樹脂と混合して用いるとよい。このような感圧接着性樹脂は、通常粒径0.1μm〜3μm程度の微粒状のものが使用される。
【0016】
次に、感圧接着性樹脂に分散配合される熱可塑性樹脂は、使用環境温度以上の融点を有する熱可塑性樹脂を選択するとよい。最近、高速プリンタとしては、フラッシュランプでトナーを溶融定着するフラッシュ定着式プリンタや熱定着式プリンタ等があるが、より高速印字化や、定着温度の低温化の方向にあり、プリントシートの表面温度は120℃程度にまで下がってきている状況にある。本発明はこのような状況を踏まえるものであり、本発明の感圧接着性シートをプリンタ用として使用する場合には、感圧接着剤層に含有される熱可塑性樹脂としては、プリントシートの表面温度以上の融点を有するものとする。このように、本発明の熱可塑性樹脂における融点は、使用環境温度以上とすることを特徴とするものであり、前記のプリントシートの表面温度が120℃程度であれば、感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点は、例えば120℃〜220℃のものとされる。120℃より低いと熱可塑性樹脂が軟化してプリンタ内部を汚損するため好ましくなく、220℃以上であると、後述するごとく、感圧接着剤層の形成に際して余分のエネルギーを必要とする。
【0017】
このような高融点を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、平均粒径が0.1μm〜50μmの粒子状のものであり、例えばポリアミド樹脂{商品名:ナイロン6、オルガソール1002D(融点210℃〜215℃、平均粒径18μm〜22μm)、ナイロン6/12、オルガソール3202D(融点184℃〜186℃、平均粒径18μm〜22μm)、ナイロン12、オルガソール2002D(融点175℃〜179℃、平均粒径18μm〜22μm)}、超高分子量ポリエチレン樹脂{商品名:ミペロンXM−220(分子量200×104 、融点136℃、平均粒径30μm)、商品名:ミペロンXM−221(分子量200×104 、融点136℃、平均粒径25μm)}等が挙げられる。
【0018】
特に、ポリアミド樹脂粒子は粒径も多岐にわたるものが市販されており、滑り性が良好であると共に融点が180℃以上と高く、高速プリンタ用として適するものである。また、ポリエチレン粒子は、真球状に近い1次粒子であるが、粒子表面の平滑性が高く、感圧接着剤に配合した際に透明性の高いものとでき、また、高度に架橋されたPMMA粒子やポリスチレン粒子に比して光沢感に優れる感圧接着剤を与えるので好ましい。また、熱可塑性樹脂粒子として凝集した状態のものを使用するとシリコンオイルに対する吸油性に優れるものとできる。
【0019】
これらの熱可塑性樹脂粒子は、感圧接着性樹脂100重量部に対して、1重量部〜200重量部、好ましくは5重量部〜100重量部、さらに好ましくは10重量部〜50重量部の割合で分散配合するとよい。
【0020】
本発明の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂粒子の分散状態は、熱可塑性樹脂粒子が相互に接触すると共に、感圧接着性樹脂が粒子間に充填された状態とするとよく、また、感圧接着剤層の表面には、高融点熱可塑性樹脂粒子により凹凸形状が形成されるように分散されるとよい。なお、熱可塑性樹脂が繊維状等の場合には、熱可塑性樹脂繊維が相互に絡み合い、感圧接着剤層の表面に針状または繊維状の一部が突出した分散形態とするとよい。
【0021】
このような分散状態とするには、感圧接着剤層の塗布量とも関連するが、熱可塑性樹脂粒子の粒径を適宜選択すると共に感圧接着剤樹脂に対する分散割合を適宜調整するとよい。
【0022】
このような分散状態とし、後述する感圧接着剤層の塗布形成工程において、熱可塑性樹脂の融点付近にまで加熱する乾燥工程を設けることにより、分散された熱可塑性樹脂粒子や繊維状物同士の接触面を相互に融着させて熱可塑性樹脂相互により感圧接着剤層表面に被膜を形成させ、物理的に熱可塑性樹脂粒子と感圧接着性樹脂との接着性を持たせることができ、熱可塑性樹脂等の分散物の粉落ちや感圧接着性樹脂の脱落等の防止を可能とする。
【0023】
このように、本発明は、従来、トナーを熱定着させる方式のプリンタにおける感圧接着剤成分として使用されなかった熱可塑性樹脂を使用する点に特徴を有するものであるが、熱可塑性樹脂粒子は無機微粒子と相違し増粘性が少なく、感圧接着剤の調製に際しての取り扱い性に優れるものであり、また、高充填が可能な感圧接着剤とでき、コスト的にも無機顔料に匹敵するものとできる。
【0024】
感圧接着性樹脂と熱可塑性樹脂とは、水等の媒体に分散してエマルジョン状態とされるが、水は、感圧接着性樹脂100重量部に対して、通常、100重量部〜500重量部の割合とするとよく、好ましくは200重量部〜300重量部である。
【0025】
塗液には、必要に応じて乳化剤を添加するとよく、乳化剤としてはオレイン酸石鹸、ひまし油カリウム石鹸、カゼイン、にかわ、ゼラチン等が挙げられ、感圧接着性樹脂100重量部に対して、0.5重量部〜2重量部の割合で添加される。
【0026】
また、必要に応じて、筆記適性や捺印適性(シリコーンオイル吸油性)等の改良を目的として、マイクロシリカ、合成ゼオライト、活性アルミナゲル、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、活性白土、アクリルビーズ、でんぷん、セルロース、シラスバルーン等の無機粒子を添加してもよい。本発明の感圧接着剤においては、熱可塑性樹脂と共に添加することにより、このような無機粒子の粉落ちも防止することができる。無機粒子の粒径は、10mμm〜30μm、好ましくは0.5μm〜10μmの範囲にあるものが好適である。無機粒子の添加量は、感圧接着性樹脂100重量部に対して、1重量部〜200重量部の割合で添加するのが好ましい。また、無機粒子と熱可塑性樹脂粒子の合計量は、感圧接着性樹脂100重量部に対して、10重量部〜100重量部の範囲とするとよい。
【0027】
その他、本発明における感圧接着剤には、葉書等に適用した際のハンドリング性やNIP搬送性等の滑り性の向上、また耐ブロッキング性の向上を目的としてポリエチレンワックス、カルナウバワックス等のワックス類を、感圧接着性樹脂100重量部に対して0.01重量部〜20重量部の割合で添加することができる。20重量部より多いと筆記適性が悪化したり、印刷時の着肉不良、接着不良等の問題が生じる。
【0028】
更に、本発明における感圧接着剤には、劣化防止を目的とする紫外線吸収剤として、アンモニア、エタノールアミン等を、また消泡剤として非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤(鉱物油系)等を添加してもよく、また消泡助剤としてシリカ等を添加してもよい。
【0029】
また、本発明における感圧接着剤には、エマルジョンとした時の感圧接着性樹脂の2次凝集を防止することを目的として、感圧接着性樹脂と親和性を有しない樹脂、例えば水分散性高分子ポリエステル、熱可塑性エラストマー、また、低密度ポリエチレン等の低分子ポリエチレン、アイオノマー、酢酸ビニル−オレフィン共重合体等を、感圧接着性樹脂100重量部に対して1重量部〜50重量部の範囲で配合させてもよい。
【0030】
本発明の第1の感圧接着性シートおよびその作製方法について、図1により説明する。
シート基材としては、上質紙、NIP用上質紙、OCR用紙、コート紙、NIP用コート紙、用紙の少なくとも片面が樹脂によって被覆されたラミネートシート、また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)等のシート状物、またはこれらの表面をコロナ処理やマット処理したものが挙げられる。
【0031】
シート基材1上に感圧接着剤層を塗布形成するには、まず、上述した感圧接着剤塗液において、その熱可塑性樹脂粒子の融点が少なくとも20℃相違する2種類の感圧接着剤塗液を準備する。そして、シート基材1の表面全面またはY領域及び/又はZ領域に融点が高い方の熱可塑性樹脂粒子を含有する感圧接着剤塗液をバーコーター、エアナイフコーター、フレキソ、グラビアコーター、ロールコーター、ダイヘッドコーター等の塗布手段により、塗布した後、感圧接着剤における熱可塑性樹脂粒子の融点付近に加熱し、乾燥させることにより、分散された熱可塑性樹脂粒子同士の接触面を相互に融着させて感圧接着剤層表面に被膜を有する感圧接着剤層2を形成する。乾燥後塗布量は、0.1g/m2 〜10g/m2 、好ましくは1.0g/m2 〜5.0g/m2 である。
【0032】
次いで、シート基材1の裏面全面またはX′領域(X領域の裏面)及び/又はY′領域に融点が低い方の熱可塑性樹脂粒子を含有する感圧接着剤塗液を同様の塗布法により塗布した後、その熱可塑性樹脂の融点付近に加熱し、乾燥させ、同様の感圧接着剤層3を形成する。すなわち、感圧接着剤層3の乾燥温度は、感圧接着剤層2の乾燥温度より低いので、感圧接着剤層2が再び溶融する等の問題がなく、乾燥機内部を汚損することがないものとできる。
【0033】
なお、この積層順序を逆にする場合には、最初に塗布した感圧接着剤層が再び溶融して乾燥機内を汚損し、その汚損物が堆積することにより感圧接着性シート内に堆積物が混入したりすることがあり、例えば最初に塗布した感圧接着剤層側にチルロール(冷却ロール)を用いたり、基材全体をフローティングさせたり、また、テフロン被膜を設けた特殊なバックアップロールを用いたりする必要がある等の問題がある。
【0034】
第1の感圧接着性シート(感圧接着性シート)は、通常葉書(定型葉書)の3倍の大きさの用紙であり、破線で示した折り曲げ予定線11a、11bから図1(b)のごとく三つ折りして使用され、左欄を宛名情報等を記入する公開情報記入領域Xとし、中欄と右欄を秘密情報等を記入する秘密情報記入領域Y、Zとする。
【0035】
感圧接着性シート11の使用方法を説明すると、感圧接着性シート11における公開情報記入領域Xに住所、氏名等の宛名、その他の公開情報を、また秘密情報記入領域Y、Zに金融商品の満期通知等の秘密情報を一度にNIP等のプリンタを使用して片面印字した後、感圧接着性シート11をその折り曲げ予定線11a、11bから図1(b)のごとく三つ折りして、中欄と右欄を感圧接着剤により密着させ、左欄と中欄を前記感圧接着剤とはその熱可塑性樹脂の融点の相違する感圧接着剤により接着させる。この状態で感圧接着性シート11をメールフォームとして郵送すれば、郵便料金が葉書扱いとなる。受取人は、感圧接着剤層間を剥離することにより秘密情報を毀損することなく開くことができ、その秘密情報を得ることができる。なお、折り畳み隅部には剥離を容易とするために、感圧接着剤層を設けない把持部を設けておくとよい。
【0036】
本発明の第2の感圧接着性シートおよびその作製方法について、図2により説明する。シート基材としては、第1の感圧接着性シートと同様のものを使用でき、また、第1の感圧接着性シートの項で記載したと同様に、熱可塑性樹脂粒子の融点が少なくとも20℃相違する2種類の感圧接着剤塗液を準備する。そして、シート基材1の表面のX領域及び/又はY領域に融点が高い方の熱可塑性樹脂粒子を含有する感圧接着剤塗液を第1の感圧接着性シートと同様の塗布量で塗布した後、感圧接着剤における熱可塑性樹脂粒子の融点付近に加熱し、乾燥させ、第1の感圧接着性シート同様の感圧接着剤層2を形成する。
【0037】
次いで、シート基材1のX′領域及び/又はY′領域に融点が低い方の熱可塑性樹脂粒子を含有する感圧接着剤塗液を同様の塗布法により塗布した後、その熱可塑性樹脂の融点付近に加熱し、乾燥させ同様の感圧接着剤層3を形成する。
【0038】
第2の感圧接着性シートは、折り畳み線22a、22bが共に内側となり、中心線Zで端部が接するように折り畳み、X領域とY領域、X′領域とY′領域とをそれぞれ感圧接着させ、それぞれを剥離可能とするメールフォームとできる。なお、折り畳み隅部には剥離を容易とするために、感圧接着剤層を設けない把持部を設けておくとよい。
【0039】
本発明の第3の感圧接着性シートおよびその作製方法について、図3により説明する。シート基材としては、第1の感圧接着性シートと同様のものを使用でき、また、第1の感圧接着性シートの項で記載したと同様に、熱可塑性樹脂粒子の融点が少なくとも20℃相違する2種類の感圧接着剤塗液を準備する。そして、シート基材1の表面のX領域及びY領域に融点が高い方の熱可塑性樹脂粒子を含有する感圧接着剤塗液を第1の感圧接着性シートと同様の塗布量で塗布した後、感圧接着剤における熱可塑性樹脂粒子の融点付近に加熱し、乾燥させ、第1の感圧接着性シート同様の感圧接着剤層2を形成する。
【0040】
次いで、感圧接着剤層2上に、融点が低い方の熱可塑性樹脂粒子を含有する感圧接着剤塗液を同様の塗布法により塗布した後、その熱可塑性樹脂の融点付近に加熱し、乾燥させ同様の感圧接着剤層3を形成する。
【0041】
第3の感圧接着性シートは、折り畳み線33aが内側となるように折り畳み、X領域とY領域を感圧接着させ、剥離可能とするメールフォームとできる。なお、折り畳み隅部には剥離を容易とするために、感圧接着剤層を設けない把持部を設けておくとよい。
【0042】
本発明の感圧接着性シートにおいては、秘密情報等は感圧接着剤層上に印字または印刷により形成するか、基材シート上に印字または印刷により形成した後、感圧接着剤層を設けるとよい。
【0043】
本発明の感圧接着性シートは、その感圧接着剤層同士を対向して重ね合わせ、加圧して接着させた後に両者を剥離するにあたり、JIS K6854(1977)で規定されるT形剥離力を5g/25mm〜200g/25mm、好ましくは10g/25mm〜100g/25mm、更に好ましくは20g/25mm〜50g/25mmの範囲とでき、また、剥離に際して、秘密情報等の印字または印刷部の転移がないものとできる。
【0044】
本発明の感圧接着性シートは、感圧接着剤層を熱可塑性樹脂の融点付近まで加熱乾燥させて形成することにより、樹脂粒子間の相互に接触する部分を融着させ、その表面を多孔質状とでき、これにより、樹脂粒子等の脱落を防止できると共にインキの吸収性を可能する。また、感圧接着剤層表面に熱可塑性樹脂の粒子形状等による凹凸を形成させることができ、熱可塑性樹脂粒子の表面特性により滑り性に優れるものとできる。
【0045】
また、熱可塑性樹脂粒子として大粒径のものを選択し、また、感圧接着性樹脂に対する配合量を調整することにより、感圧接着剤層の構造において感圧接着性樹脂層の膜厚を、熱可塑性樹脂粒子の粒径以下とすることができるが、これにより、熱可塑性樹脂粒子相互の融着により多孔質化された表面被膜を形成でき、他の感圧接着性シートとの積み重ねに際して感圧接着性樹脂層を保護することができ、耐ブロッキング性に優れるものとできる。
【0046】
また、感圧接着に際しては、感圧接着性樹脂層の膜厚を熱可塑性樹脂粒子の粒径以下の近傍のものとすることにより、例えば120kg/cm2 〜150kg/cm2 の加圧条件での感圧接着性を良好なものとできる。
また、本発明の図1、図2に示す感圧接着性シートは、剥離可能面を2つ有するので、秘密情報領域を多く取ることを可能とするものであり、また、図3に示す感圧接着性シートは、感圧接着剤層を2層以上積層することにより、1層のものよりも連続多孔を有し、耐シリコーンオイル性や筆記、捺印適性に優れた感圧接着性シートとすることができる。
【0047】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。実施例における試験方法は次の通りである。
【0048】
【実施例】
(1)ドライタック性
JIS K−5400に準じて、ガラス板上に感圧接着剤塗布シートをその接着剤塗布面を上側にして水平におき、次いで接着剤塗布面にガーゼを5枚重ね、そのガーゼ上に、底面が平滑な錘を置き、15g/cm2 の圧力がかかるようにして24時間放置した後、ガーゼを引き剥して、その時のガーゼと接着層との接着性、接着剤塗布面上に残るガーゼの跡目によりドライタック性の判定を行った。
【0049】
表1における評価は、二重丸印がガーゼ剥離時に接着性を示さず、ガーゼの跡目も残らないもの、丸印がガーゼの跡目がなく、ドライタックが殆どないもの、三角印がガーゼの跡目は残らないが、若干のドライタックが認められるもの、×印がドライタックが認められるものである。
【0050】
(2)ブロッキング性
接着剤塗布面同士を重ね合わせ、SUSブロッキングテスターで20g/cm2 の圧力を加えて24時間放置した後重ね合わせた2枚のシートのうち1枚を持ち上げたときのシートの接着状態で判定した。
【0051】
評価は、二重丸印はブロッキングなしのもの、丸印は、ブロッキングは殆どなく、簡単に剥離するもの、三角印は、ややブロッキングはあるが、実用上問題なしのもの、×印は、ブロッキング大のものである。
【0052】
(3)摩擦による感圧接着剤層の剥離試験
得られた感圧接着剤塗布シートについて、摩擦による感圧接着剤層の剥離の有無の試験を、温度25℃±1℃、湿度65%±3%に調整した恒温恒湿室内で行った。
【0053】
JIS LO823、LO849、R6772、P8136に準じ、スガ試験機製FR−2型(学振型)に、感圧接着剤塗布シートを22cm×8cmの大きさとしてたるみができないように取り付け、摩擦用白綿布が摩擦布摺動面に固定された摩擦子をウェイトを加えずに摩擦子の自重だけが加わるようにして、感圧接着剤塗布シート上を200往復させた時の感圧接着剤塗布シートの表面における接着層の剥離の程度及び白綿布に残った残存物から判断する。
【0054】
評価は、二重丸は、感圧接着剤塗布シート表面から接着剤が剥がれ落ちず、白綿布にも接着剤が付着していないもの、丸印は、接着塗布シート表面から接着剤が殆ど剥がれ落ちず、白綿布にも接着剤が殆ど付着していないもの、三角印は、接着塗布シート表面から接着剤(粉を含む)の剥がれが認められ、白綿布にも若干付着しているもの、×印は、接着塗布シート表面から接着剤(粉を含む)の剥がれが顕著で、白綿布にも付着が認められるものである。
【0055】
(4)接着剤塗布面同士の接着性及び剥離面の状態
感圧接着剤シートの接着剤塗布面に印字し、次いで、図1bに示すようにY、Z面の接着剤塗布面が重なり合うようにシーリング設定ギャップ08(80μm)でシーリングし、加圧して接着剤塗布面を接着させ、得られた葉書様シートの接着面のT形剥離力をJIS K6854(1977)により測定した。測定結果を示す。
【0056】
また、接着性及び剥離面における印字の転移の有無を判定した。
評価は、二重丸は、接着性良好で、印字の転移はないもの、白丸印は、接着性良好で、印字の転移は殆どないもの、黒丸印は、接着性は良好であるが、印字の転移が若干認められるもの、白三角印は、接着性は良好であるが、印字の転移がややあるもの、×印は、接着性弱いもの、黒三角印は、接着性は良好であるが、印字の転移大のものである。
【0057】
(5)接着剤塗布面と接着剤非塗布面との接着性及び剥離面の状態
各感圧接着剤塗布シートの接着剤塗布面に、上記と同様にして印字を行った後、接着剤を塗布していない紙を重ね合わせ、シーリング機の設定ギャップを05(50μm)に調整して加圧し、両者の接着及び印字の転移の有無について評価した。
【0058】
評価は、黒丸印は、接着剤非塗布紙との接着性が非常に高いもの、白丸印は、接着剤非塗布紙との接着性のあるもの、白三角印は、接着剤非塗布紙との接着性が若干あるもの、×印は、接着剤非塗布紙との接着性が弱いもの、黒三角印は、接着剤非塗布紙との接着性殆どなしのものである。
【0059】
(実施例1)
スチレンブタジエンゴム(JSR 0548)を50.5重量部、水を49.5重量部からなる感圧接着剤(Tg=−40℃、pH=9、30℃における粘度160cps、以下、感圧接着剤1aという)に、ポリアミド樹脂{商品名:ナイロン12、オルガソール2002D(融点 175℃〜179℃、平均粒径18μm〜22μm)}を、スチレンブタジエンゴムの重量に対して5重量%添加して感圧接着剤1bを調製した。また、同じく15重量%添加して感圧接着剤1cを、同じく25重量%添加して感圧接着剤1dを、更に同じく35重量%添加して感圧接着剤1eを調製した。
【0060】
得られた各感圧接着剤をミキサーで5分間、それぞれ撹拌した後、図1aに示す、葉書の3倍のサイズの大きさ(5.5インチ×12インチ)のノンインパクトプリンター用上質紙〔日本製紙(株)製、NPi〈110〉〕の表面のY、Z面に、バーコーターで、乾燥時の塗布量が5g/m2 、10g/m2 となるようにそれぞれ塗布し、180℃で5分間乾燥させ、計10種の感圧接着剤塗布シートを得た。
【0061】
次に、それぞれの接着剤塗布面に、富士ゼロックス(株)製コピー機(Vivace550)でテストパターンを印字したところ、いずれのシートも良好な印字適性を有していた。
【0062】
印字後の各シートを、図1bに示すように、Y、Z領域の接着剤塗布面が重なり合うように折り、シーリング機〔大日本印刷(株)製:MS9100〕の設定ギャップを08(80μm)として加圧し、接着剤塗布面を接着させ、メールフォームを得、上記の試験に供した。試験結果を、表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003932003
【0064】
また、接着剤塗布面同士の接着を剥離する際のT形剥離力を表2に示す。
【0065】
【表2】
Figure 0003932003
【0066】
本発明における感圧接着剤は、熱可塑性樹脂を含有しない感圧接着剤(1a)に比して、ドライタック性、ブロッキング性がなく、耐摩擦性に優れる共に粉の剥離が殆ど認められないものである。また、本発明の感圧接着剤においては、接着剤塗布面と接着剤非塗布面との接着性、印字の転移性に比して、接着剤塗布面同士の場合に、特に接着性が良好で、印字の転移が殆ど認められないものである。
【0067】
次に、上記で作製した感圧接着性シートにおいて、感圧接着剤(1c)を乾燥時の塗布量を5g/m2 として感圧接着層を形成した感圧接着性シートについて、その裏面のX′、Y′領域に、感圧接着剤1aに超高分子量ポリエチレン樹脂{商品名:ミペロンXM−220(分子量200×104 、融点136℃、平均粒径30μm)}を、スチレンブタジエンゴムの重量に対して20重量%添加して調製した感圧接着剤をバーコーターで、乾燥時の塗布量が5g/m2 となるように塗布した後、140℃で5分間乾燥させ、本発明の第1の感圧接着性シートを作成した。
【0068】
第1の感圧接着性シートは、裏面への感圧接着剤の塗布に関して、表面の感圧接着剤層により乾燥機内部が汚損しないものであった。
【0069】
次に、X′、Y′領域における接着剤塗布面に、表面と同様に、富士ゼロックス(株)製コピー機(Vivace550)でテストパターンを印字したところ、いずれのシートも良好な印字適性を有していた。
【0070】
印字後のシートを、図1bに示すように、表面のY、Z領域、裏面のX′、Y′のそれぞれの接着剤塗布面が重なり合うように3つ折りにし、シーリング機〔大日本印刷(株)製:MS9100〕の設定ギャップを13(130μm)としてそれぞれの接着剤塗布面を接着させ、メールフォームを作成した。
【0071】
(実施例2)
感圧接着剤1aに、ポリアミド樹脂{商品名:ナイロン12、オルガソール2002D(融点 175℃〜179℃、平均粒径18μm〜22μm)}を、スチレンブタジエンゴムの重量に対して20重量%添加して感圧接着剤を調製した。
【0072】
得られた感圧接着剤をミキサーで5分間撹拌した後、図2aに示す、ノンインパクトプリンター用上質紙〔日本製紙(株)製、NPi〈110〉〕の表面のX、Y面に、バーコーターで、乾燥時の塗布量が各5g/m2 となるように塗布し、180℃で5分間乾燥させた。
【0073】
次に、図2aに示すX′、Y′面に、感圧接着剤1aに、超高分子量ポリエチレン樹脂{商品名:ミペロンXM−220(分子量200×104 、融点136℃、平均粒径30μm)}を、スチレンブタジエンゴムの重量に対して20重量%添加して調製した感圧接着剤をバーコーターで、乾燥時の塗布量が5g/m2 となるように塗布した後、140℃で5分間乾燥させ、本発明の第2の感圧接着性シートを作成した。
【0074】
X、Y領域、及びX′、Y′領域のそれぞれにおける接着剤塗布面に、富士ゼロックス(株)製コピー機(Vivace550)でテストパターンを印字したところ、いずれの領域も良好な印字適性を有していた。
【0075】
印字後のシートを、X、Y領域、X′、Y′領域のそれぞれにおいて、折り畳み線22a、22bを中心として重なり合うようにそれぞれ折り、シーリング機〔大日本印刷(株)製:MS9100〕の設定ギャップを13(130μm)としてそれぞれの接着剤塗布面を接着させ、メールフォームを作成した。
【0076】
(実施例3)
感圧接着剤1aに、ポリアミド樹脂{商品名:ナイロン12、オルガソール2002D(融点 175℃〜179℃、平均粒径18μm〜22μm)}を、スチレンブタジエンゴムの重量に対して20重量%添加して感圧接着剤を調製した。
【0077】
得られた感圧接着剤をミキサーで5分間撹拌した後、図3aに示すように、ノンインパクトプリンター用上質紙〔日本製紙(株)製、NPi〈110〉〕の表面のX、Y面に、バーコーターで、乾燥時の塗布量が各5g/m2 となるように塗布し、180℃で5分間乾燥させ、感圧接着剤層2を形成した。
【0078】
次に、感圧接着剤層2上に、感圧接着剤1aに、超高分子量ポリエチレン樹脂{商品名:ミペロンXM−220(分子量200×104 、融点136℃、平均粒径30μm)}を、スチレンブタジエンゴムの重量に対して20重量%添加して調製した感圧接着剤をバーコーターで、乾燥時の塗布量が5g/m2 となるように塗布し、140℃で5分間乾燥させ、感圧接着剤層3を積層形成して、本発明の第3の感圧接着性シートを作成した。
【0079】
第3の感圧接着性シートにおける感圧接着剤層3上に、富士ゼロックス(株)製コピー機(Vivace550)でテストパターンを印字したところ、いずれの領域も良好な印字適性を有していた。
【0080】
印字後のシートを、図3bに示すように、X領域とY領域の接着剤塗布面が折り畳み線33aを中心として重ね合わせ、シーリング機〔大日本印刷(株)製:MS9100〕の設定ギャップを13(130μm)としてそれぞれの接着剤塗布面を接着させ、メールフォームを作成した。
【0081】
【発明の効果】
本発明の感圧接着性シートは、ドライタック性が少ないため、メールフォームの積み重ね圧力程度ではメールフォーム相互がブロッキングすることがなく、しかもメールフォームを接着する際の接着力にも優れる、また、印字時等の摩擦によって剥離する恐れがなく、更に、メールフォームを接着密封した後、再び剥離する際に接着塗布面に印字した情報が転写することなく、接着剤同士の界面で確実に剥離され、印字された情報を確実に読み取ることができる感圧接着剤を、例えばその両面に有する感圧接着性シートであり、また、効率よく作製できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の感圧接着性シートを説明するための図で、(a)は平面図、(b)はその折り畳み状態を説明するための図、(c)は(a)におけるA−B線での断面を説明するための図である。
【図2】 図2は、本発明の第2の感圧接着性シートを説明するための図で、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−B線での断面を説明するための図である。
【図3】 図3は、本発明の第3の感圧接着性シートを説明するための図で、(a)は平面図、(b)はその折り畳み状態を説明するための図、(c)は(a)におけるA−B線での断面を説明するための図である。
【符号の説明】
1はシート状基材、2、3は感圧接着剤層、11、22、33は、本発明の第1〜第3の感圧接着性シート、11a、11b、22a、33aは折り曲げ予定線である。

Claims (4)

  1. シート基材の両面に、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して形成された感圧接着剤層をそれぞれ設けた感圧接着シートであって、該感圧接着性シートの一方の面の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点と、他方の面の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点とを20℃以上相違させたことを特徴とする感圧接着性シート。
  2. シート基材の一方の面において相違する領域に感圧接着剤層がそれぞれ設けられ、かつ、該感圧接着剤層が、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して形成されたものである感圧接着シートであって、該感圧接着性シートの一方の領域の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点と、他方の領域の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点とを20℃以上相違させたことを特徴とする感圧接着性シート。
  3. シート基材面に感圧接着剤層が積層して設けられ、かつ、該感圧接着剤層が、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して形成されたものである感圧接着シートであって、該感圧接着性シートにおけるシート基材側の感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点が、該シート基材側の感圧接着剤層上に積層される感圧接着剤層における熱可塑性樹脂の融点より20℃以上高いものとされると共に、該上層に積層された感圧接着剤層を内側として前記感圧接着シートが折り畳まれ、該内側とされた感圧接着剤層同士が感圧接着され、該感圧接着された感圧接着剤層同士の間を剥離可能とすることを特徴とする感圧接着性シート。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つ記載の感圧接着性シートの製造方法であって、シート基材面に、感圧接着性樹脂100重量部に、融点が120℃〜220℃で、かつその粒径が0.1μm〜50μmの熱可塑性樹脂粒子を1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の第1の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して第1の感圧接着剤層を形成し、次いで、感圧接着性樹脂100重量部に、前記第1の熱可塑性樹脂より20℃以上低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂をその粒径が0.1μm〜50μmの粒子として1重量部〜200重量部の割合で水に分散配合した塗液を塗布した後、前記の第2の熱可塑性樹脂の融点付近に加熱して第2の感圧接着剤層を形成することを特徴とする感圧接着性シートの製造方法。
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