JP3930611B2 - 高速度撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子として、インターライン・トランスファ型(インターライン型)、フレーム・インターライン・トランスファ型などのCCD(Charge Coupled Device :固体撮像素子)を用いた高速度撮像装置に関する。とくに、 CCDが有する電子シャッター機能を利用して撮像速度の高速化を図る方式の高速度撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速度撮像はスローモーション再生など、種々の分野で有用である。スローモーション再生を行うには、規格速度(NTSC方式のときは30画面/秒、PAL方式のときは25画面/秒)より大きい速度で撮像し、その画像データを規格速度で再生するとスローモーション映像を見ることができる。例えば、規格速度のn倍の速度で撮像した画像データを規格速度で再生すると、被写体の動きを1/nに遅くして観察することができる。このスローモーション画像は、周知の如く、スポーツ選手の運動動作の解析やスポーツ勝敗の判定に有用であるばかりでなく、様々な学術研究や工業生産分野での動態解析に著しう有用性を発揮している。
【0003】
一般に、このような高速度撮像の1つの手法として、CCD型撮像素子やMOS型撮像素子などの撮像素子のクロック周波数を上げることで反応速度を速くすることが知られている。しかし、この撮像素子の反応速度自体に一定の物理的制限があるので、クロック周波数を上げることに拠る撮像速度の高速化にも限界がある。
【0004】
この限界以上の高速化を実現するには、その1つの手法として、1画面(画像)当たりの記録素子数を減らすことがある。例えば、640×480画素、30画面/秒の規格の撮像素子があった場合、記録素子数を320×240画素と1/4に減じると、原理的には撮像速度を4倍の120画面/秒に上げることができる。このような部分的な撮像を実行するには、各水平方向の走査を水平方向ラインの途中の所定位置で中止し、次の水平方向走査に移行する一方で、水平走査を特定の水平方向ラインで打ち切り、次画面の走査に移行するように、走査制御する必要がある。
【0005】
撮像素子の内、MOS型撮像素子は水平、垂直方向の任意の画素(絵素)の受光素子から走査を開始し、その走査を途中位置で打ち切り、次のラインに走査を移行させることができる。したがって、MOS型撮像素子については、上記のような部分読出しの走査制御を行うことができる。
【0006】
これに対し、標準のテレビ用のCCD型撮像素子は感度が高いという利点から、家庭用、業務用のビデオカメラの撮影素子として多用されているが、水平方向のラインの途中で走査を打ち切って次ラインに移行することも、また、画面の途中で走査を打ち切って次画面に移行することもできない。つまり、CCD型撮像素子については、後述するような何等かの対策を講じない限り、部分読出しの走査制御を行うことができない。
【0007】
汎用CCD型撮像素子の部分読出しを実行するには、従来、種々の対策が講じられている。この対策の説明の前に、撮像時間の比較のために、汎用CCD型撮像素子の構成および動作の概略を説明しておく。
【0008】
1.汎用CCD
汎用CCD型撮像素子の一つとして、図19に示すように、チップ上に受光部と転送部が隣合わせになるように配置されたインターライン・トランスファ型 (IT型)CCD型撮像素子がある。同図において、縦方向を垂直方向と、また横方向を水平方向と呼ぶことにする。このCCD型撮像素子にあっては、フォトダイオードとして形成された受光部Aが垂直方向および水平方向に2次元的に複数個配置され、各受光部Aに隣接した状態で垂直方向に垂直転送路Bが複数本配置されている。2次元配置の受光部の垂直方向端部には水平転送路Cが配置されている。各受光部Aには入射光に対応した電荷が蓄積される。このCCDチップには、駆動回路から読出しの駆動パルス信号が供給される。なお、各受光部Aを便宜上、画素と呼ぶことにする。
【0009】
駆動パルス信号を制御することにより、下記のステップを経て受光部Aに蓄積された電荷が読み出される。
【0010】
【外1】
これにより、図19の左下の画素(受光部)が走査開始点として、水平方向にライン毎に電荷読出しが繰り返され、1画面分の全電荷が読み出される。
【0011】
また、CCD型撮像素子には、受光部Aの蓄積電荷を全受光部同時に掃き出すことで、露光時間の制御を行う電子シャッター機構を備えている。
【0012】
このインターライン・トランスファ型CCDの1画面の撮像に要する時間を考察するため、水平方向のライン1〜8までの簡単化した図20のようなモデルを想定する。この各ラインは水平方向の受光部で模式的に形成される。
【0013】
【外2】
とすると、1画面分の電荷の読出しに要する総時間は、図21の模式図を参照して、
【外3】
で表される。この簡易モデルでは水平方向ライン数を8本としたが、通常ビデオの規格はNTSC方式の場合は525本、PAL方式の場合は625本である。走査本数をMとして一般式で表すと、1画面分の撮像時間Ftは、
【数1】
Ft=Rt+(Vt+Pt)×8
になる。
【0014】
2.汎用CCDの部分読出しの従来例
これには、光学的マスクを利用したものと、光学的マスクを利用しないものとがある。
【0015】
光学的マスクを利用した部分読出し
図22に示すように、受光面全体の左下の1/4の面積部分を部分受光面とし、残りの3/4の部分に光学的マスクを掛け、遮光する。このマスク部分にはしたがって電荷の蓄積はない。このため、非遮光部分の1/4の部分受光面(この例では4ラインの1/2分)のみの電荷読出しを行えばよいことになる。この電荷読出しに要する時間は、図23に模式的に示す如く、
1画面分の読出し時間=Rt+4Vt+4Pt×1/2
となる。すなわち、全画面の読出し時間の1/4で済むことになる。
【0016】
光学的マスクを利用しない部分読出し
光学的マスクを用いないで、例えば、水平方向の全ライン数が8ラインである受光面の内の4ライン分1〜4の部分読出しを行うものとする。
【0017】
単純にライン1〜4のみを読み出して画面更新を行うと、最初の画面は図24(a)に示すように問題ないが、次画面では図24(b)に示すように前画面のライン5の電荷がライン1の位置に残る。同様に、ライン6のデータがライン2に、ライン7の電荷がライン3に、およびライン8の電荷がライン4に残る。このため、前画面で残っているこれらの電荷がこれから撮像する画面のライン1〜4にそれぞれ重畳される。
【0018】
上述したマスクを用いないで、この電荷重畳を回避するには、次画面の読出し前に電荷の棄却を行う。これは、電荷を棄却しようとするライン分の電荷を水平転送路に順次垂直転送し、棄却ライン全部の電荷が水平転送路に転送し終わった時点で、水平転送路は電荷をまとめて棄却すべく転送する。この時間経過を模式的に表すと図25のようになり、1画面分の撮像時間Ftは、
【数2】
Ft=Rt+8Vt+(4+1)Pt
となる。
【0019】
マスク利用時に比べて、水平方向および垂直方向共に不要な部分受光面に対する掃き出しの空読み時間帯Tvcが加わり、撮像時間Ftがマスク使用時よりも大幅に増える。また、部分読出しの対象となる部分受光面が受光面全体の1/4であっても、1/2のときと同じ撮像時間に止まる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の汎用CCD型撮像素子の部分読出しの手法にあっては、以下のような未解決の問題が放置されていた。
【0021】
1.上述したように部分読出しに光学マスクを利用した場合でも、幾分とも光の回折現象は避けられない。このため、非遮光面(部分受光面)に入射した光は遮光面に回り込んで入射し、この入射に拠る電荷は素子本来の暗電流によるノイズと合成され、受光面全体に重畳してしまう。したがって、この汎用CCD型撮像素子で撮像された画像はぼけてしまい、画質が劣る。
【0022】
また、画面サイズおよび撮像速度は通常、用途に応じて選択・変更できることが望ましいが、光学マスクを利用する場合、マスクそのものを交換可能な構造や可変サイズのマスク構造を採用する必要がある。しかし、このような構造は複雑化かつ大形化して、製造コストの上昇を招くとともに、光の回折現象の程度が多くなり、上述した画質の劣化がより顕著になる。
【0023】
2.また部分読出しに光学マスクを利用せず、電子的に不要電荷を棄却する方式の場合、部分読出しの対象画素数を減らしても、その棄却時間(空読出し時間)が加わるため、その減少に割りには撮像速度の上昇の比率が芳しくない。つまり、部分読出しを行って解像度を犠牲にする割には撮像速度の高速化のメリットが少ないという問題があった。
【0024】
本発明は、このような従来技術が有する未解決の問題に鑑みてなされたもので、光学マスクを利用することなく、したがって、光の回折現象の影響に因る画像ぼけを排除でき、かつ、部分読出しに供した画素数減に見合った高速の撮像速度を得ることができる高速度撮像装置を提供することを、その目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるため、本発明にかかる高速度撮像装置は、光信号を電荷に変換して蓄積する2次元配列の複数の受光部が呈する受光面と、前記複数の受光部それぞれの蓄積電荷を読み出す転送路とを基板上に1チップ構造として形成した固体撮像素子(CCD)を備えた高速度撮像装置であり、前記固体撮像素子に、前記受光面を複数の部分受光面に分割し且つ前記受光部それぞれの蓄積電荷の処理を前記各部分受光面毎に制御可能なチップ構造を形成するとともに、前記複数の部分受光面の内、所望の部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷のみを前記転送路を介して選択的に読み出す電荷読出し手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
このように構成することにより、所望の部分受光面以外の残りの領域で蓄積した蓄積電荷(画素情報)を転送路に転送しなくて済む。このため、空読出し期間を設けなくても、所望の部分受光面の蓄積電荷のみを部分的に必要最短の時間で読み出すことができ、高速撮像度を上げることができる。また、光学的マスクを配置する必要もなく、光の回折現象に因る画像ぼけなどの影響をも確実に排除できる。さらに、部分読出しのために減らした画素数に見合った撮像速度の向上度を得ることもできる。さらに、例えば、所望の部分受光面を複数設定し、適宜に切換えて使用するようにすれば、光学マスクを交換したり、可変マスクサイズ構造を採用したりしなくても、同一撮像素子でありながら、画面サイズおよび撮像速度を使用目的に応じて選択変更することができ、撮像素子の汎用性を高めることができる。
【0027】
上述の本発明は以下のように種々の態様で好適に実施できる。
【0028】
前記転送路は、好適には、前記2次元配列の垂直方向に沿ってかつ前記各受光部に隣接して形成された複数本の垂直転送路と、前記2次元配列の一端側においてその水平方向に沿ってかつ前記複数本の垂直転送路に結合して形成された1本の水平転送路とを備え、前記所望の部分受光面は、前記受光面全体における前記水平転送路側の端部から広がる部分受光面である。
【0029】
この場合、例えば、前記所望の部分受光面は、前記受光面全体の実質的に1/4の面積を有する。
【0030】
また、例えば、前記チップ構造は、制御信号に応答して前記各受光部の蓄積電荷を前記各部分受光面毎に前記基板に掃き出す構造である。一例として、前記チップ構造は、前記固体撮像素子に形成したオーバフロードレイン構造を前記各部分受光面に対応して分離した構造であって、この分離したオーバフロードレイン構造それぞれの基板とウエル部との間に印加する電圧のオン・タイミングを異ならせる構造である。
【0031】
また例えば、前記電荷読出し手段は、前記所望の部分受光面以外の残りの部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷を前記基板に掃き出させる前記制御信号を出力する第1の手段と、その基板への蓄積電荷掃き出しの後に、前記所望の部分受光面に属する水平方向ライン上に位置する前記各受光部のみの蓄積電荷を前記垂直転送路および水平転送路を介して読み出す第2の手段とを備える。
【0032】
別の好適な一例に係る前記チップ構造は、制御信号に応答して前記各受光部の蓄積電荷を前記各部分受光面毎に前記垂直転送路に転送する構造である。
【0033】
この場合、前記電荷読出し手段は、前記所望の部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷を前記垂直転送路に転送させ且つ前記所望の部分受光面以外の残りの部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷を前記垂直転送路に転送させること禁止する前記制御信号を出力する第1の手段と、この第1の手段による制御信号の出力後に、前記所望の部分受光面に属する水平方向ライン上に位置する前記各受光部のみの蓄積電荷を前記垂直転送路および水平転送路を介して読み出す第2の手段とを備えることができる。
【0034】
さらに好適な態様として、前記転送路は、前記2次元配列の垂直方向に沿ってかつ前記各受光部に隣接して形成された複数本の垂直転送路と、前記2次元配列の一端側においてその水平方向に沿ってかつ前記複数本の垂直転送路に結合して形成された1本の水平転送路とを備え、前記所望の部分受光面は、前記受光面全体の中央部に設定されている、ことである。このように中央部に設定することで画像中心のずれを回避できる。
【0035】
例えば、前記電荷読出し手段は、前記所望の部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷のみを前記垂直転送路におよび水平転送路を介して所定タイミング毎に連続して読み出す手段である。
【0036】
また例えば、前記所望の部分受光面は、前記受光面全体の実質的に1/9の面積を有する。
【0037】
さらに好適には、前記チップ構造は、制御信号に応答して前記各受光部の蓄積電荷を前記各部分受光面毎に前記基板に掃き出す構造、または、制御信号に応答して前記各受光部の蓄積電荷を前記各部分受光面毎に前記垂直転送路に転送する構造のいずれか一方である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0039】
第1の実施の形態
第1の実施の形態を図1〜図7を参照して説明する。
【0040】
図1に示す高速度撮像装置は、エリアイメージセンサ11と、このセンサ11に接続された駆動回路12および処理回路13と、処理回路13に接続されたモニタ14とを備える。
【0041】
エリアイメージセンサ11は、対物レンジなどの光学系11aと、この光学系11aを介して受光面に入射する光を電荷信号に変換するCCD撮像素子11bとを備える。このCCD撮像素子11bは、例えば2相駆動方式で駆動されるようになっている。
【0042】
CCD撮像素子11bは、半導体の薄膜積層技術によって、例えばn−基板上に形成した1チップのインターライン・トランスファ型(IT型:インターライン型とも呼ばれる)のCCD撮像素子から成る。図2に模式的に示すように、このCCD撮像素子11bでは、かかる薄膜積層技術によって、複数の受光部(撮像部)21…21としてのフォトダイオードがxy面の2次元的に配置される。なお、同図において、x軸方向を横方向、y軸方向を縦方向と便宜上呼びことにし、横方向の同一列の受光部をラインと呼ぶ。
【0043】
縦方向の各列を成す受光部21…21に隣接して垂直転送路22としてのレジスタが縦方向に形成され、全体として、受光部21…21と垂直転送路22が縦方向に交互に並んで配置されている。垂直転送部22…22の縦方向の一方の端部には水平転送路23としてのレジスタが薄膜積層技術により形成されている。垂直転送路22…22は水平転送路23に繋がれ、電荷が渡されるようになっている。また、水平転送路23に接続された出力アンプ24も形成されている。
【0044】
各受光部21は、1フレームの画像を形成する画素信号の素になる電荷を生成する。つまり、各受光部21には入射光量に対応した電荷が蓄積される。垂直転送路22…22および水平転送路23には駆動回路から転送用の駆動信号が供給され、これより各受光部21の蓄積電荷が転送路22…22、23を介して読み出される。
【0045】
図3には、CCD撮像素子11bの積層断面を部分的に示す。同図において、n−基板とpウエル層との間にパルス電圧(Vsub)を印加することで、受光部21で形成した電荷が不要なとき、この電荷を直接基板に掃き出し、転送路の電荷に影響を与えない状態で不要電荷をクリアする電子シャッタの機能を果たすようになっている。
【0046】
本実施形態では、CCD撮像素子11bの受光部の2次元配列に関わる、例えばpウエル層を図2に示す如く領域Aと領域Bに電気的に分離することによって上記電子シャッタの機能を領域毎に行えるように分離している。ただし、垂直転送路22により電荷垂直転送は領域A,Bで一体として実行されるようになっている。
【0047】
受光部21…21によって形成される受光面全体の内、例えば、縦方向および横方向共に全長の1/2を占める1/4の面積からなる領域Aが部分受光面を形成している。この部分受光面は、図2に示すように、水平転送路23側に最も接近した左下隅に位置している。残りの逆L字状の領域が領域Bとなる。領域A、Bは互いに独立した電子シャッタ用端子を有し、この2つの端子にシャッタ用パルス信号SH−A,Bを各別に供給する構成になっている。したがって、この2つのパルス信号SH−A,SH−Bの供給タイミングを互いにずらすことで、領域A,Bは互いに異なるタイミングで電子シャッタ機能を発揮し、各領域毎に、受光部の不要電荷を排出できるようになっている。
【0048】
駆動回路12は、上述した如く2相駆動方式でセンサ11を駆動するに必要な駆動信号を出力する。これを実行するため、駆動回路12は、基準となるタイミング信号(クロック)を発生するタイミング信号発生器12aと、タイミング信号から各種の駆動信号を生成し出力する駆動信号発生器12bとを備える。駆動信号発生器12bは、例えばタイミング信号の所定数を計測するカウンタおよびそのカウント値に応答してパルス信号(駆動信号)を発生するパルス発生器を複数組備えて構成される。
【0049】
各種の駆動信号には、2つの電子シャッタ信号SH−A,SH−B、全ての受光部21…21から垂直転送路22に一度に電荷転送するための第1転送信号PV、電荷を垂直転送するための2相の第2転送信号V1,V2、および電荷を水平転送するための2相の第3転送信号H1,H2が含まれる。
【0050】
処理回路13は、波形整形(ノイズ除去)、補正回路などの信号処理回路を備えるとともに、画像表示のためのA/D変換器、フレームメモリ、D/A変換器を備える。これにより、センサ11から順次読み出される電荷信号が画像信号に処理され、モニタ14に1フレームの画像として表示される。
【0051】
続いて、本実施形態に係る高速度撮像装置の動作を、センサ11の転送動作を中心にして説明する。なお、この動作説明に用いる図5〜7において、受光部および垂直転送路の図示を省略し、模式的に表している。
【0052】
駆動回路12は図4に例示するシーケンスで、上述した電子シャッタ信号SH−B、第1転送信号PV、第2転送信号V1,V2(極性180度異なる)、および第3転送信号H1,H2(位相差180度)をセンサ11に出力する。
【0053】
今度は引き続いて第1転送信号PVがそれまでの論理Lから論理Hに所定時間の間立ち上がる。この立上がりに付勢され、CCD撮像素子11bの全受光部21…21の蓄積電荷が隣接する垂直転送路22…22に一度に転送される。このとき、領域Bの蓄積電荷はその直前の電子シャッタにより廃棄されているので、垂直転送路22…22に転送される電荷量は零または零と見做し得る量(以下、零と言う)である。これに対して、部分受光面として機能する1/4の面積の領域Aについては、それまでの蓄積電荷が有効画素情報として垂直転送路22…22に一度に転送される(図5参照)。
【0054】
この後、時刻t3で2相方式の第2転送信号V1,V2が論理Hに立ち上がる(立ち下がる)。これに付勢して図6に示すように最初の垂直転送が実行される。すなわち、横方向同一ラインと交差する垂直転送路22…22に在る電荷が全て1ライン分ずつ水平転送路23側に垂直転送される。これにより、水平転送路23の直前に在る1ライン目の電荷が水平転送路23に転送される(図6の状態参照)。このとき、領域Bに位置していた最終ラインの電荷は零であるから、水平転送路23に実質的に転送される電荷は領域Aに属していたライン分であり、その画素数は1ラインの1/2の画素数分である。
【0055】
この後、時刻t4から微小一定時間毎に第3転送信号H1,H2が、1ラインの1/2の画素数分だけ繰り返して論理Hに立ち上がる。この第3転送信号H1,H2の内の微小パルスの1対により1画素分の電荷が水平転送路23を出力アンプ側に転送され、転送路端の電荷から順次読み出される。この読出しは水平転送路23に転送された半数の電荷が順次転送された時刻t5で終了する。つまり、水平転送時間は半分に短縮される。
【0056】
この後、時刻t6になると、第2回目の垂直転送を行うべく第2転送信号V1,V2が立ち上がる(立ち下がる)。これに呼応して、受光部21…21全体の電荷が1ライン分だけ水平転送路側に転送される。今度は、水平転送路23の直前に在った、下から2列目のラインの電荷が水平転送路23に入る。この後、1列目のときと同様に時刻t7から微小一定時間毎に第3転送信号H1,H2が、1ラインの1/2の画素数分だけ繰り返して論理Hに立ち上がる。このため、1ライン目と同様に水平転送がなされる。このときの水平転送も領域Aの電荷にのみ実施され、その転送時間は1ライン分のそれの半分である。
【0057】
以下、第2転送信号および第3転送信号が同様に繰り返して供給され、3列目から縦方向の半分の列までのライン分の垂直および水平転送が実施される。
【0058】
そして、図7に示す如く、領域Aの最上列のライン分の垂直および水平転送が終了すると、それ以後の垂直転送は中止され、再び、領域Bに対する電子シャッタ信号SH−Bが立ち上がる。つまり、縦方向においても、領域Aに相当する受光部による蓄積電荷の読出しが終わると、それ以後の読出しは行わずに、直ちに2フレーム目の電荷読出しを開始する。これは、領域Bの受光部の蓄積電荷が電荷読出し直前に弟電子シャッタにより廃棄されているために可能である。したがって、縦方向の読出し時間も、縦方向全部の読出しを行う場合に比べて、領域Bの読出しを行わない分、1/2に短縮される。
【0059】
このようにして読み出された各フレーム(画面)分の電荷は処理回路13を経て、例えばスローモーション再生によりモニタ14に表示される。
【0060】
本実施形態によれば以上のように、標準テレビ用として家庭用、業務用に用いられている汎用CCD撮像素子であっても、部分的な領域毎にタイミング制御可能な電子シャッタ機能をCCD素子に付加すること、および、所望領域のみを読み出す電子シャッタ機能をベースにした制御手段を設けることにより、部分受光面として機能させる領域Aのみの電荷をセンサ11から読み出すことができ、部分読出しを好適に実施できる。別の見方をすれば、センサ11全体があたかも画素数の少ないセンサであると見做すことも可能な部分読出しを行うことができる。これにより、1画面当たりの記録画素数を減らすことができ、この画素数減少割合に応じた分、撮像速度を向上させることができる。従来のように記録画素数を減らした割には、すなわち画像の解像度を犠牲にして高速撮像度を上げようとした割りには撮像速度が上昇しないといった不満を解消できる。
【0061】
また、光学マスクを設けることなく上述した部分読出しを行うことができるから、光の回折現象の影響とは無縁であり、その分、前述した画像のぼけも回避できる。
【0062】
なお、上述した領域Aのサイズや位置を受光面全体のどこに位置させるは任意に決められる。しかし、本実施形態の特性から、領域Aが水平転送路に隣接して設定されている場合の方が、上述した転送速度短縮の効果は最も効率が良い。
【0063】
また上述した領域Aの数を2個、例えば図8に示す如く設定しておいて、前述した部分読出しを領域A1のみに効かせるか、または、領域A1+A2に同時に効かせるかを、駆動回路12のスイッチ12c(図1参照)により選択可能にし、前述と同様に部分読出しを行うこともできる。例えば領域Bの電子シャッタ用信号SH−Bと領域A1,A2の個別の電子シャッタ用信号SH−A1,SH−A2とのタイミングを区別し、前述した部分読出しのための電子シャッタを領域Bのみに効かせると、領域A1+Anが部分読出し領域となる。また、領域Bの電子シャッタ用信号SH−Bおよび領域A2の電子シャッタ用信号SH−A2と領域A1の電子シャッタ用信号SH−A1とのタイミングを区別し、前述した部分読出しのための電子シャッタを領域BおよびA2のみに効かせると、領域A1が部分読出し領域となる。これにより、同一センサでありながら、用途に応じて、部分読出しのサイズおよび位置を自動的に選択でき、撮像速度も自動的に選択可能になる。
【0064】
第2の実施形態
第2の実施の形態を図9〜図13を参照して説明する。第2の実施形態に係る高速度撮像装置は、第1の実施形態と同様の部分読出しを、受光部から垂直転送路への電荷転送を領域毎に制御する方式により行うものである。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態の構成要素と同一または同等のものには同一符号を用い、その説明を省略または簡略化する。
【0065】
第2の実施形態の高速度撮像装置の全体構成は図1のものと同一である。エリアイメージセンサ11が備えるCCD撮像素子11bは、その受光面全体が例えば図9に模式的に示す如く、領域A、Bに分割される。この領域A、Bの分割の仕方は、一例としては、第1の実施形態と同一である。
【0066】
ただし、この第2の実施形態の場合、領域A,Bは同一タイミングの電子シャッタ用信号を受ける。さらに、受光部21から垂直転送路への電荷転送を制御する第1転送信号PVは領域A,Bについて2個用意され、一方の第1転送信号PV−Aが領域Aに、もう一方の第1転送信号PV−Bが領域Bに供給される。
【0067】
CCD撮像素子11bは、領域A、Bの別に対応して、薄膜積層構造の内の例えば転送ゲート領域が分離・独立して形成されている。このため、第1転送信号PV−A、PV−Bの供給タイミング(論理Hへの立上げタイミング)を互いに変えることで、受光部21…21から垂直転送路22への電荷転送のタイミングを領域A,B間で異ならせることができる。ただし、電子シャッタ、垂直転送、および水平転送の構成および機能は、領域A,B共に同じである。
【0068】
駆動回路12の駆動信号発生器12bは、クロック信号に基づき、共通の1つの電子シャッタ用信号SH、2個の第1転送信号PV−A,PV−B、1対の第2転送信号V1,V2、および1対の第3転送信号H1,H2を生成するようになっている。
【0069】
そのほかの構成は第1の実施形態のときと同様である。
【0070】
続いて、本実施形態に係る高速度撮像装置の動作を、センサ11の転送動作を中心にして説明する。なお、この動作説明に用いる図11〜13において、受光部および垂直転送路の図示を省略し、模式的に表している。
【0071】
駆動回路12は図10に例示するシーケンスで、上述した第1転送信号PV−A,PV−B、第2転送信号V1,V2、および第3転送信号H1,H2をセンサ11に出力する。
【0072】
最初に、露光時間を制御する時刻t1で、領域A,Bに共に供給する電子シャッタ用信号SHがそれまでの論理Lから論理Hに所定時間の間立ち上がる。この立上がりに付勢され、CCD撮像素子11bの領域A,Bに属する受光部21…21の蓄積電荷が排出(破棄)され、その電荷がクリアされた状態になる。これにより、露光時間制御のための電子シャッタ機能が達成される。
【0073】
この電子シャッタ動作が終了して所定時間経過した時刻t2になると、一方の第1転送信号PV−Aがそれまでの論理Lから論理Hに所定時間の間立ち上がる。この立上がりに付勢され、領域Aに属する受光部21…21の蓄積電荷が隣接する垂直転送路22…22に一度に転送される。しかし、もう一方の第1転送信号PV−Bは論理Hに立ち上がらないから、領域Bの受光部の蓄積電荷は垂直転送路22に転送されない。すなわち、領域Bの受光部の蓄積電荷は転送禁止の状態にある。これにより、部分受光面として機能する1/4の面積の領域Aについては、それまでの蓄積電荷が有効画素情報として垂直転送路22…22に一度に転送される(図11参照)。
【0074】
この後、時刻t3で2相方式の第2転送信号V1,V2が論理Hに立ち上がる(立ち下がる)。これに付勢して図12に示すように最初の垂直転送が実行される。すなわち、横方向同一ラインと交差する垂直転送路22…22に在る電荷が全て1ライン分ずつ水平転送路23側に垂直転送される。これにより、水平転送路23の直前に在る1ライン目の電荷が水平転送路23に転送される(図12の状態参照)。このとき、領域Bに位置していた最終ラインの電荷は転送されていないから、水平転送路23上の有効画素情報としての電荷は領域Aに属していたライン分であり、その画素数は1ラインの1/2の画素数分である。
【0075】
この後、時刻t4から微小一定時間毎に第3転送信号H1,H2が、1ラインの1/2の画素数分だけ繰り返して論理Hに立ち上がる。この第3転送信号H1,H2の内の微小パルスの1対により1画素分の電荷が水平転送路23を出力アンプ側に転送され、転送路端の電荷から順次読み出される。この読出しは水平転送路23の半数の電荷が順次転送された時刻t5で終了する。つまり、水平転送時間は半分に短縮される。
【0076】
この後、時刻t6になると、第2回目の垂直転送を行うべく第2転送信号V1,V2が立ち上がる(立ち下がる)。これに呼応して、受光部21…21全体の電荷が1ライン分だけ水平転送路側に転送される。今度は、水平転送路23の直前に在った、下から2列目のラインの電荷が水平転送路23に入る。この後、1列目のときと同様に時刻t7から微小一定時間毎に第3転送信号H1,H2が、1ラインの1/2の画素数分だけ繰り返して論理Hに立ち上がる。このため、1ライン目と同様に水平転送が実行される。このときの水平転送も領域Aの電荷、すなわち有効画素情報に対してのみ実施され、その転送時間は1ライン分のそれの半分である。
【0077】
以下、第2転送信号および第3転送信号が同様に繰り返して供給され、3列目から縦方向の半分の列までのライン分の垂直および水平転送が実施される。
【0078】
そして、図13に示す如く、領域Aの最上列のライン分の垂直および水平転送が終了すると、それ以後の垂直転送は中止され、再び、露光時間制御の電子シャッタ信号SHが立ち上がる。つまり、縦方向においても、領域Aに相当する受光部による蓄積電荷の読出しが終わると、それ以後の読出しは行わずに、直ちに2フレーム目の電荷読出しの準備に移行する。これは、領域Bの受光部の蓄積電荷の転送が禁止されているために可能になっている。したがって、縦方向の読出し時間も、縦方向全部の読出しを行う場合に比べて、領域Bの読出しを行わない分、1/2に短縮される。
【0079】
このように本実施形態によっても、第1の実施形態のときと同様の部分読出しを行うことができ、同等の作用効果を得ることができるとともに、本発明に係る装置を設計するときの設計自由度の豊富化を図ることができる。
【0080】
なお、この第2の実施形態においても、上述した領域Aのサイズや位置は任意に決められる。しかし、領域Aが水平転送路に隣接して設定されている場合の方が、上述した転送速度短縮の効果は最も効率が良い。また、上述した領域Aの数を2個、例えば前述した図8に示す如く設定し、かつこの領域それぞれに独立した第1転送信号PV−A1、PV−A2を設定しておいて、前述した部分読出しを領域A1のみに効かせるか、または、領域A1+A2に同時に効かせるかを、駆動回路12のスイッチ12c(図1参照)により選択可能にし、前述と同様に部分読出しを行うこともできる。
【0081】
第3の実施形態
第3の実施の形態を図14〜図17を参照して説明する。第3の実施形態に係る高速度撮像装置は、第1、2の実施形態と同様の部分読出しを、画面中央の領域について行うものである。
【0082】
第3の実施形態の高速度撮像装置の全体構成は図1のものと同一である。エリアイメージセンサ11が備えるCCD撮像素子11bには、図14に模式的に示す如く、一例として、その受光面全体の1/9の面積(縦方向および横方向の長さはそれぞれ、それらの全長の1/3)の中央部分を領域Aとし、その周りを領域Bとして設定してある。この中央の領域Aについては、前述した第1の実施形態と同様に領域Bとは異なる電子シャッタタイミングを与えることが可能な構造、または、第2の実施形態と同様に領域Bの蓄積電荷の転送を禁止する構造のいずれかが採用されている。
【0083】
このため、図14に示す如く、中央の領域Aに有効画素情報として電荷が蓄積した状態が達成された後、第1転送信号および第2転送信号を供給する。これにより、領域Aの最初のフレーム分の蓄積電荷がその中央部の位置からそっくり転送されて抜け出し、かつ、未だ受光面には存在する状態が得られる(図15のA1参照)。この状態が得られると、次のタイミングで第1の転送信号が供給される。このため、中央の領域A内において、次のフレーム分の蓄積電荷が一度に垂直転送路に転送される(図15のA2参照)。つまり、領域Aからは、フレーム間に中断期間を挟むことなく、蓄積電荷が転送されてくる。なお、この一連の転送動作において、領域Bの蓄積電荷は電子シャッタ機能または転送禁止機能によって有効な画素情報を供しないものであるから、以下の読出しにおいても無視される。
【0084】
図15の転送状態になった後、最初のフレーム分の蓄積電荷A1は、その後の第2、第3転送信号の供給によって、ライン毎に水平転送路23に転送され、さらに水平転送される。図16の時刻th1〜th5はこの様子を経時的にかつ模式的に示す。
【0085】
つまり、蓄積電荷A1の最初のラインの電荷AL1がまず、最初の垂直転送により水平転送路23に転送される(時刻th1参照)。次いで、この電荷AL1が第3転送信号の供給に呼応して有効画素分だけ水平転送される(時刻th2参照)。次いで、第2転送信号に基づく2回目の垂直転送により2ライン目の電荷AL2が水平転送路23に転送される(時刻th3参照)。これにより、水平転送路23を2ライン分(有効画素)の電荷AL1,AL2が同時にかつ連続的に移動する状態が得られる。次いで、第3転送信号を所定数供給することで、電荷AL1,AL2が水平転送路23を移動し、最初の電荷AL1が読み出される (時刻th4参照)。さらに、3回目の垂直転送により3ライン目の電荷AL3が水平転送路23に転送される。以下、同様の繰り返しにより、最初のフレームの蓄積電荷A1(有効画素データ)が連続的に読み出される。
【0086】
この最初のフレームの蓄積電荷A1の読出しと並行して、2フレーム目の蓄積電荷A2も第2転送信号に同期して1ラインずつ垂直転送されてきている。このため、最初のフレームの蓄積電荷A1における最終ラインの電荷の水平転送路への転送が終わると、次の第2転送信号に同期して、2フレーム目の蓄積電荷A2における最初のラインの電荷の水平転送路への転送が行われる。さらに、2フレームの蓄積電荷A2全部が中央部の領域Aから出ると、その次の第1転送信号に応答して、3フレーム目の蓄積電荷が垂直転送路に一斉に転送されてくる。
【0087】
このように、本実施形態によれば、所望の部分読出しの領域が全受光面の中央部に設定された場合でも、電子シャッタ機能または転送禁止機能に基づいて行うことができる。そして、従来のような蓄積電荷の空読出しを行うことなく、有効画素情報としての所望領域の蓄積電荷のみを連続的に短時間で読み出すことができる。このため、あたかも画素数の少ないセンサであるが如くの高速度撮影を行ってスローモーション再生が可能になる。しかも、部分読出しの所望領域を受光面の中央部に設定してあるので、画面全体に対して画像の中心がずれることがないという優れた利点が得られる。
【0088】
なお、本発明に係るCCD撮像素子は、上述した実施形態で説明した素子のように、読出し用水平転送路が受光面の片側に1本在る構成のものに限定されるものではない。例えば、図17に例示するように、とくに高速読出し型として用いられる、水平転送路を片側に並列に複数本配した構成の素子や、図18に示すように、水平転送路を受光面の両サイドに分割して1本ずつまたは複数本ずつ配置する構成の素子を用いて本発明を実施し、高速撮像度をさらに向上させるようにしてもよい。
【0089】
また、本発明に用いる撮像素子はフレーム・インターライン・トランスファ型CCDであってもよい。
【0090】
本発明は、前述した実施形態およびその変形例に記載のものに限定されることなく、請求項記載の発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変形可能である。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる高速度撮像装置は、固体撮像素子(CCD)に、受光面を複数の部分受光面に分割し且つ受光部それぞれの蓄積電荷の処理を各部分受光面毎に制御可能なチップ構造を形成するとともに、複数の部分受光面の内、所望の部分受光面に属する各受光部の蓄積電荷のみを転送路を介して選択的に読み出す手段を備えたことから、従来のような光学マスクを利用することなく、固体撮像素子の部分読出しを実施できる。
【0092】
従来、固体撮像素子のような電荷転送デバイスは、読出し画素数を減少させた部分読出しを行なう場合、不要領域の受光部からの蓄積電荷(画素情報)が転送路に残っていた。このため、この残っている蓄積電荷を掃き出して(読み出して)からでないと、次の読出しができなかった。この掃き出しのための空読出し期間に因って画素数の減少に見合ったフレームレートの高速化が困難な状況が放置されていた。
【0093】
しかしながら、本発明によれば、上述したように光学的マスクの設置を必要とせず、さらに空読出し期間を設定する必要もない。これによって、光の回折現象の影響に因る画像ぼけを排除でき、かつ、部分読出しに供した画素数減に見合った高速の撮像速度を得ることができ、画素数の少ないセンサと同等の高速読出しを実現した高速度撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る高速度撮像装置の構成例を示す概略ブロック図。
【図2】第1の実施形態における素子構成および部分読出しの領域設定を模式的に示す図。
【図3】電子シャッタ機能を説明するために示したCCD断面の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態における部分読出し制御の概略を示すタイミングチャート。
【図5】第1の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図6】第1の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図7】第1の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図8】受光面に設定する領域の変形例を示す図。
【図9】第2の実施形態における素子構成および部分読出しの領域設定を模式的に示す図。
【図10】第2の実施形態における部分読出し制御の概略を示すタイミングチャート。
【図11】第2の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図12】第2の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図13】第2の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図14】第3の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図15】第3の実施形態における部分読出しの一過程を示す図。
【図16】第3の実施形態における部分読出しの過程を示す図。
【図17】本発明を適用できるCCD撮像素子の別の例を示す図。
【図18】本発明を適用できるCCD撮像素子のさらに別の例を示す図。
【図19】従来技術を説明する図。
【図20】従来技術を説明する図。
【図21】従来技術を説明する図。
【図22】従来技術を説明する図。
【図23】従来技術を説明する図。
【図24】従来技術を説明する図。
【図25】従来技術を説明する図。
【符号の説明】
11 エリアイメージセンサ
11b CCD撮像素子
12 駆動回路
12b 駆動信号発生器
13 処理回路
14 モニタ
21 受光部
22 垂直転送路
23 水平転送路
A 領域(部分受光面)
B 領域(部分受光面)
Claims (8)
- 光信号を電荷に変換して蓄積する2次元配列の複数の受光部が呈する受光面と、前記複数の受光部それぞれの蓄積電荷を読み出す転送路とを基板上に1チップ構造として形成した固体撮像素子(CCD)を備えた高速度撮像装置において、
前記固体撮像素子に、前記受光面を複数の部分受光面に分割し且つ前記受光部それぞれの蓄積電荷の処理を前記各部分受光面毎に制御可能なチップ構造を形成するとともに、
前記複数の部分受光面の内、所望の部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷のみを前記転送路を介して選択的に読み出す電荷読出し手段を備え、
前記チップ構造は、制御信号に応答して前記各受光部の蓄積電荷を前記各部分受光面毎に前記基板に掃き出す構造である、
ことを特徴とする高速度撮像装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記転送路は、前記2次元配列の垂直方向に沿ってかつ前記各受光部に隣接して形成された複数本の垂直転送路と、前記2次元配列の一端側においてその水平方向に沿ってかつ前記複数本の垂直転送路に結合して形成された1本の水平転送路とを備え、
前記所望の部分受光面は、前記受光面全体における前記水平転送路側の端部から広がる部分受光面である高速度撮像装置。 - 請求項2記載の発明において、
前記所望の部分受光面は、前記受光面全体の実質的に1/4の面積を有する高速度撮像装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記チップ構造は、前記固体撮像素子に形成したオーバフロードレイン構造を前記各部分受光面に対応して分離した構造であって、この分離したオーバフロードレイン構造それぞれの基板とウエル部との間に印加する電圧のオン・タイミングを異ならせる構造である高速度撮像装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記電荷読出し手段は、前記所望の部分受光面以外の残りの部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷を前記基板に掃き出させる前記制御信号を出力する第1の手段と、その基板への蓄積電荷掃き出しの後に、前記所望の部分受光面に属する水平方向ライン上に位置する前記各受光部のみの蓄積電荷を前記垂直転送路および水平転送路を介して読み出す第2の手段とを備えた高速度撮像装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記転送路は、前記2次元配列の垂直方向に沿ってかつ前記各受光部に隣接して形成された複数本の垂直転送路と、前記2次元配列の一端側においてその水平方向に沿ってかつ前記複数本の垂直転送路に結合して形成された1本の水平転送路とを備え、
前記所望の部分受光面は、前記受光面全体の中央部に設定されている高速度撮像装置。 - 請求項6記載の発明において、
前記電荷読出し手段は、前記所望の部分受光面に属する前記各受光部の蓄積電荷のみを前記垂直転送路におよび水平転送路を介して所定タイミング毎に連続して読み出す手段である高速度撮像装置。 - 請求項7記載の発明において、
前記所望の部分受光面は、前記受光面全体の実質的に1/9の面積を有する高速度撮像装置。
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