JP3930421B2 - プラスチック光ファイバおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック光学部材の技術分野に属し、特に、プラスチック光ファイバおよびその製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光学部材は、同一の構造を有する石英系の光学部材と比較して、製造および加工が容易であること、および低価格であること等の利点があり、近年、光ファイバおよび光レンズなど種々の応用が試みられている。その中でもプラスチック光ファイバは、素線が全てプラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系と比較してやや大きいという短所を有するものの、良好な可撓性を有し、軽量で、加工性がよく、石英系光ファイバと比較して口径の大きいファイバとして製造し易く、さらに低コストに製造可能であるという長所を有する。従って、伝送損失の大きさが問題とならいない程度の短距離用の光通信伝送媒体として種々検討されている。
【0003】
プラスチック光ファイバは、重合体をマトリックスとする有機化合物からなる芯(本明細書において「コア部」と称する)、および該コア部と屈折率が異なる(一般的には低屈折率の)有機化合物からなる外殻(本明細書において「クラッド部」と称する)を少なくとも有している。特に、中心から外側に向かって屈折率の分布を有するコア部を備えた屈折率分布型プラスチック光ファイバは、高い伝送容量を有する光ファイバとして最近注目されている。この屈折率分布型プラスチック光ファイバの製法の一つに、界面ゲル重合法を利用して、光ファイバ母材(本明細書において、「プリフォーム」と称する)を作製し、その後、前記プリフォームを延伸する方法がある。この製造方法では、まず、メチルメタクリレート(MMA)等の重合性モノマーを、充分な剛性のある重合容器に入れて、該容器を回転させつつ、モノマーを重合させて、ポリメタクリレート(PMMA)等の重合体からなる円筒管を作製する。該円筒管はクラッド部となる。次に、該円筒管の中空部にコア部の原料となるMMA等のモノマー、開始剤、連鎖移動剤および屈折率調整成分などを注入して、円筒管内部で界面ゲル重合を行い、コア部を形成する。界面ゲル重合により形成されたコア部には、含有される屈折率調整成分等の濃度分布があり、そのことによって、コア部には屈折率の分布が生じる。このようにして得られたプリフォームを、180℃〜250℃程度の雰囲気中で加熱延伸することにより、屈折率分布型プラスチック光ファイバが得られる。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、プラスチック光ファイバには、前述した様に、伝送損失が小さいことが要求されるとともに、湿熱性、機械的強度にも優れる材料であることが要求される。例えば、吸湿性を向上させるために、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチルからなる共重合体などが提案されているが、この場合、吸湿性を低減するためには、メタクリル酸シクロヘキシルを比較的多量に使用する必要があり、その結果、該メタクリル酸系樹脂の耐熱性が低下することになり、改善を要する等、使用範囲が制限される。一方湿熱性の両者を向上させるために、脂環式メタクリレートを共重合することが提案されているが、使用量の増大とともに機械的強度が懸念される。なお、素材の選択によって耐熱性を向上させるものとして、炭素原子を介してアルキル基を導入したモノマーからなる重合体が示されているが(特許文献2参照)、これらのTgはPMMAに比して高くないため(非特許文献1参照)、十分な耐熱性を有しないと推測される。さらに、これらはC−H結合のHをClやBrという大きな原子で置換しており、この様な置換は反応性の低下を招くため好ましくない。さらには、該メタクリル酸系樹脂構造中の水素をフッ素等のハロゲンや重水素に置換することも提案されている。しかし、これらの置換は、耐熱性、開口数などにおいて不都合が生じる場合があり、プラスチック光ファイバに要求される性能の全てを備えた材料ではない。
【0005】
【特許文献1】
国際公開WO93/08488号公報
【特許文献2】
特開平8−220349号公報
【非特許文献】
H.Kawai et al.,SPIE Vol.896 Replication and Molding of Optical Components,69−78(1988)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、良好な伝送能を有し、かつ耐湿熱性、機械的強度が改善されるなど、種々の特性が総合的にバランスよく改良されたプラスチック光ファイバおよび該製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する手段は以下の通りである。
<1> フッ素樹脂からなるクラッド部と、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を重合してなるポリマーからなるコア部とを有するプラスチック光ファイバであって、コア部のクラッド部に対する外周径の比が0.6以上0.98以下であるプラスチック光ファイバ。
【0008】
一般式(1)
【化3】
【0009】
式中、X1は水素原子(H)重水素原子(D)またはハロゲン原子を表し、2つのX1は同一でも異なっていてもよい。Y1はH、D、CH3基、CD3基またはハロゲン原子を表し、R1は炭素数7〜20個の脂環式炭化水素基を表す。
【0010】
<2> フッ素樹脂からなるクラッド部と、上記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを共重合してなるポリマーからなるコア部とを有するプラスチック光ファイバであって、コア部のクラッド部に対する外周径の比が0.6以上0.98以下であるプラスチック光ファイバ。
【0011】
一般式(2)
【化4】
【0012】
式中、X2はH、Dまたはハロゲン原子を表し、2つのX2は同一でも異なっていてもよい。Y2はH、D、CH3基、CD3基またはハロゲン原子を表し、R2は1〜15個のフッ素置換基を有する炭素数1〜7個のフッ化アルキル基を表す。
【0013】
<3> コア部が、コア部を構成しているポリマーと異なる屈折率を有する化合物を含有する<1>または<2>に記載のプラスチック光ファイバ。
<4> フッ素樹脂からなるクラッド部と、ポリマーからなるコア部とを有するプラスチック光ファイバの製造方法であって、上記一般式(1)で表される化合物を含有する重合性モノマーおよび重合開始剤を含むコア部形成用重合性組成物を重合しコア部用ポリマーを得る工程と、前記フッ素樹脂で前記コア部用ポリマーを被覆すると同時に、または前記フッ素樹脂で前記コア部用ポリマーを被覆した構造体を得た後、前記コア部の前記クラッド部に対する外周径の比が0.6以上0.98以下になるように加工する工程を含むプラスチック光ファイバの製造方法。
<5> フッ素樹脂からなるクラッド部と、ポリマーからなるコア部とを有するプラスチック光ファイバの製造方法であって、上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物とを含有する重合性モノマーおよび重合開始剤を含むコア部形成用重合性組成物を重合しコア部用ポリマーを得る工程と、前記フッ素樹脂で前記コア部用ポリマーを被覆すると同時に、または前記フッ素樹脂で前記コア部用ポリマーを被覆した構造体を得た後、前記コア部の前記クラッド部に対する外周径の比が0.6以上0.98以下になるように加工する工程を含むプラスチック光ファイバの製造方法。
【0014】
<6> 前記コア部形成用重合性組成物が前記重合性モノマーとは異なる屈折率を有する化合物を含有し、前記コア部が屈折率の大きさに分布を有する<4>または<5>に記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
<7> 前記コア部形成用重合性組成物を界面ゲル重合法により重合する<4>〜<6>のいずれかに記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
<8> 前記重合性組成物がさらに連鎖移動剤を含む<4>〜<7>のいずれかに記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
【0015】
なお、本明細書において、「中心から外側に向かって屈折率の分布を有する」とは、中心から外側に向かう特定の方向において屈折率の分布があればよく、例えば、前記コア部となる領域が円柱形状の場合は、該円柱の断面の中心から半径方向外側に向かって屈折率の分布があれば足りるものであり、円柱の長尺方向にも屈折率の分布があることを必要とするものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のプラスチック光ファイバは、クラッド部とコア部とからなり、屈折率分布のパターンから、大きく2つ、すなわち、ステップインデックス(SI)型とグレーテッドインデックス(GI型)に分類でき、そのいずれの態様も含まれる。本発明では、コア部を特定のモノマーからなる重合体で構成するとともに、コア部のクラッド部に対する外周径の比を所定の範囲にすることによって、良好な伝送能を有し、かつ耐湿熱性、機械的強度が改善されるなど、種々の特性が総合的にバランスよく改良されたプラスチック光ファイバとしている。
【0017】
本発明のプラスチック光ファイバのコア部は、下記一般式(1)で表される重合性モノマー(以下、「重合性モノマー(1)」という場合がある)を単独で、または他の一種以上の重合性モノマーと重合したポリマーからなる。
【0018】
一般式(1)
【化5】
【0019】
式中、X1は水素原子(H)重水素原子(D)またはハロゲン原子を表し、2つのX1は同一でも異なっていてもよい。Y1はH、D、CH3基、CD3基、またはハロゲン原子を表し、R1は炭素数7〜20個の脂環式炭化水素基を表す。
【0020】
前記一般式(1)で表される重合性モノマーは、R1が炭素数7〜20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートである。具体的な例としては、(メタ)アクリル酸(ビシクロ−2,2,1−ヘプチル−2)、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジメチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−5−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5,8−トリエチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジメチル−8−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−5−イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−1−イルメチル、(メタ)アクリル酸l−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−ビシクロ〔3,1,1〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸3,7,7−トリメチル−4−ヒドロキシ−ビシクロ〔4,1,0〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フエンチル、(メタ)アクリル酸2,2,5−トリメチルシクロヘキシル、α―フルオロアクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステルの中でも、メタクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フエンチル、メタクリル酸l−メンチルなどが好ましく、メタクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸l−メンチルが特に好ましい。
【0021】
前記重合性モノマー(1)は、(メタ)アクリル酸、あるいはその酸塩化物を、R1OHで表される脂環式炭化水素・モノオールでエステル化すること、(メタ)アクリル酸をカンフェンなどの脂環式炭化水素前駆体と硫酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒でエステル化することによって製造することができる(R1は前記一般式(1)中のR1と同義である)。
また、(メタ)アクリル基のC−H(即ち、前記一般式(1)中のX1およびY1)は重水素で置換されているほうが好ましく、その置換率は95%以上100%未満である。さらに(メタ)アクリレート側鎖(前記一般式(1)中のR1)のC−Hも重水素に置換されていてもよい。
【0022】
前記コア部を構成するポリマーは、光学特性、他層との密着性、塑性などの加工時の容易性に鑑みると、上記重合性モノマー(1)と下記一般式(2)で表される重合性モノマー(以下、「重合性モノマー(2)」という場合がある)との共重合体が好ましい。
【0023】
一般式(2)
【化6】
【0024】
前記一般式(2)中、X2はH、Dまたはハロゲン原子を表し、2つのX2は同一でも異なっていてもよい。Y2はH、D、CH3基またはCD3基を表し、R2は1〜15個のフッ素置換基を有する炭素数1〜7個のフッ素化アルキル基を表す。
【0025】
上記重合性モノマー(2)は、R2が1〜11個のフッ素置換基を有する炭素数1〜7個のフッ化アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーである。重合性モノマー(2)の具体例としては、メタクリル酸モノフルオロメチル、メタクリル酸ジフルオロエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸1H、1H−ペンタフルオロプロピル、メタクリル酸1H、1H、3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2H−ヘキサフルオロ−2−プロピル、メタクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル、メタクリル酸パーフルオロヘキシルメチル、メタクリル酸パーフルオロ−t−ブチルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸2H−ヘキサフルオロ−2−プロピル、メタクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル、メタクリル酸パーフルオロヘキシルメチル、メタクリル酸パーフルオロ−t−ブチル、メタクリル酸1H、1H、3H−テトラフルオロプロピルが好ましく、さらにメタクリル酸2H−ヘキサフルオロ−2−プロピル、メタクリル酸1H、1H、3H−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸パーフルオロ−t−ブチルが特に好ましい。
【0026】
また、(メタ)アクリル基のC−H(前記一般式(2)中、X2およびY2)は重水素に置換されているほうが好ましく、その置換率は95%以上100%未満である。さらに(メタ)アクリレート側鎖(前記一般式(2)中、R2)のC−Hも重水素に置換されていてもよい。
【0027】
本発明のプラスチック光ファイバのコア部は、少なくとも前記重合性モノマー(1)を必須成分とする一種以上の重合性モノマーを重合して得られるポリマーから構成されていればよい。好ましくは、前記コア部は、少なくとも上記重合性モノマー(1)および(2)を成分(好ましくは主成分)とする二種以上の重合性モノマーを、重合して得られるポリマーからなる。
前記重合性モノマー(1)は全重合性モノマー中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上、更に好ましくは10質量%である。さらに本明細書において「主成分として含む」とは、その重合体の光学的性能を損なわない限りにおいて、他のモノマーを含んでいてもよいことを意味する。重合性モノマー中、前記重合性モノマー(1)および(2)が占める割合については、用いるモノマーの種類によってその範囲も異なるが、本発明の重合性組成物に含まれる全重合性モノマー中、重合性モノマー(1)および(2)は、10質量%以上含有されるのが好ましく、20質量%以上含有されるのがより好ましく、30質量%以上含有されるのがさらに好ましい。
【0028】
前記コア部の重合性モノマーとして、上記重合性モノマー(1)および(2)に加えて、それ以外の重合性モノマーを用いることもできる。その具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル系化合物として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル等;スチレン系化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等;ビニルエステル類として、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等;マレイミド類として、N―n−ブチルマレイミド、N―tert−ブチルマレイミド、N―イソプロピルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド等;が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この中でもメタクリル酸メチルが好ましい。これらのモノマーも重水素置換されているのが好ましい。
【0029】
重合性モノマー(1)と重合性モノマー(2)とを含む態様では、重合性モノマー(1)と重合性モノマー(2)とのモル比(n/m)は、1/100以上〜100/1未満であり、好ましくは1/50以上〜50/1未満であり、さらに好ましくは1/25以上〜25/1未満である。
【0030】
前記重合性モノマーの重合には、重合開始剤を用いるのが好ましい。重合開始剤としては、用いるモノマーや重合方法に応じて適宜選択することができるが、過酸化ベンゾイル(BPO)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−t−ブチルパーオキシド(PBD)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル4,4,ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物、または2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’―アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−t−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は2種類以上を併用してもよい。
【0031】
本発明のコア部を形成するポリマーを重合する際は連鎖移動剤を用いるのが好ましい。前記連鎖移動剤は、主に重合体の分子量を調整するために用いられる。重合性組成物がそれぞれ連鎖移動剤を含有していると、重合性モノマーの重合速度および重合度を前記連鎖移動剤によってより制御することができ、重合体の分子量を所望の分子量に調整することができる。例えば、本発明のコア部のポリマーを重合して得た後、クラッド部のフッ素樹脂とともに溶融共押し出しおよび延伸により線引きして、光伝送体の形態にする場合は、分子量を調整することによって延伸時における機械的特性を所望の範囲とすることができ、生産性の向上にも寄与する。前記連鎖移動剤については、併用する重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択することができる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、該連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
【0032】
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)などを用いるのが好ましく、中でも、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子やフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、前記連鎖移動剤は、2種類以上を併用してもよい。
【0033】
本発明において、コア部のポリマーが屈折率調整成分を含有していてもよい。その場合、重合の際に、重合の進行方向に沿って、屈折率調整成分の濃度に傾斜を持たせることによって、屈折率分布型のプラスチック光ファイバを作製することができる。屈折率調整成分は、併用する前記重合性モノマーの屈折率と異なる成分を意味し、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。その屈折率差は、0.005以上であるのが好ましい。屈折率調整成分は、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して、屈折率が高くなる性質を有するものを用いるのが好ましい。また、屈折率調整成分は重合性化合物であってもよく、重合性化合物が屈折率調整成分の場合は、これを共重合成分として含む共重合体がこれを含まない重合体と比較して、屈折率が上昇する性質を有するものを用いるのが好ましい。上記性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、屈折率調整成分として用いることができる。例えば、コア部形成用重合性組成物に屈折率調整成分を含有させ、コア部を形成する工程において界面ゲル重合法により重合の進行方向を制御し、屈折率調整成分の濃度に傾斜を持たせ、コア部に屈折率調整成分の濃度分布に基づく屈折率分布構造を形成するのが好ましい(以下、屈折率の分布を有するコア部を「屈折率分布型コア部」という場合がある)。屈折率分布型コア部を形成することにより、得られる光学部材は広い伝送帯域を有する屈折率分布型プラスチック光学部材となる。
【0034】
前記屈折率調整成分としては、低分子化合物として、例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジルn−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)、硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体などが挙げられる。硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体については、下記に具体的に示す化合物の中から適宜選ばれる。中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOおよび硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体が好ましい。なお、これらの化合物中に存在する水素原子を重水素原子に置換した化合物も広い波長域での透明性を向上させる目的で用いることが出来る。また、重合性化合物として、例えば、トリブロモフェニルメタクリレート等が挙げられる。屈折率調整成分として重合性化合物を用いる場合は、マトリックスを形成する際に、重合性モノマーと重合性屈折率調整成分とを共重合させるので、種々の特性(特に光学特性)の制御がより困難となるが、耐熱性の面では有利となる可能性がある。
【0035】
【化7】
【0036】
前記屈折率調整剤の添加量は、屈折率上昇の程度やポリマーマトリクスとの関係によって変化するが、一般的に好ましい範囲としては重合性組成物の1〜30質量%、より好ましくは3〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。
【0037】
屈折率調整成分の濃度および分布を調整することによって、コア部の屈折率を所望の値に変化させることができる。その添加量は、用途に応じて適宜選ばれる。屈折率調整成分として、1種類の化合物を用いてもよいし、複数種類の化合物を用いてもよい。
【0038】
前記重合性モノマー(1)、および好ましくは前記重合性モノマー(2)を含有する重合性組成物に、熱および/または光等が供与されると、例えば、重合開始剤からラジカル等が発生し、前記重合性モノマー(1)の重合が、または前記重合性モノマー(1)および(2)の共重合が開始する。前記重合性モノマーの他、屈折率調整成分を含んでいる場合は、例えば、後述の界面ゲル重合法のように、重合の進行方向を制御して、屈折率調整成分の濃度に傾斜を持たせることによって、もしくは屈折率調整成分を含んでいない場合も、前記重合性モノマーの共重合比に傾斜を持たせることによっても、屈折率分布構造を形成することができる。特に、本発明では重合性モノマーとして、上記重合性モノマー(1)、または重合性モノマー(1)および(2)を用いているので、作製される光学部材の光伝送損失を大きく軽減することができる。特に、吸湿による光伝送損失の増大を顕著に軽減することができる。また、重合性モノマーの重合速度および重合度を、重合開始剤および所望により添加される連鎖移動剤によって制御し、重合体の分子量を所望の分子量に調整することができる。例えば、得られた重合体を延伸により線引きして、光ファイバとする場合は、連鎖移動剤によって製造される重合体の分子量(好ましくは1万〜100万、より好ましくは3万〜50万)を調整すれば、延伸時における機械的特性を所望の範囲とすることができ、生産性の向上にも寄与する。
【0039】
本発明において、コア部用樹脂の一態様は、下記一般式(X−1)で表される重合性モノマー(1)由来の単位と、下記一般式(X−2)で表される重合性モノマー(2)由来の単位とを主成分とし、且つ重量平均分子量が1万〜100万の樹脂である。分子量が前記範囲より小さいと機械的強度などが低下し、一方、分子量が前記範囲より大きいと加工性が悪くなる。この適正な分子量範囲を選択することで、製品の熱的物性(Tg)と、加熱延伸時の加工性や、機械的強度のそれぞれを満たすことができる。
【0040】
【化8】
【0041】
式中、X1、X2、Y1、Y2、R1およびR2については、前記一般式(1)および(2)中の各々と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0042】
次に、クラッド部に用いられるフッ素樹脂について説明する。本発明を構成する他の重要な要素であるクラッド部としては、コア部よりも少なくとも3%小さい屈折率を有する透明重合体であることが望ましい。3%より小さい屈折率を有する場合、クラッド部による光の反射する割合が小さくなり導光損失が大きくなる。好ましいフッ素樹脂としては、例えば、弗化ビニル、弗化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル、パーフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル、メタクリル酸パーフルオロ−t−ブチルなどの含弗素重合体やポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルやその共重合体をあげることができる。これらの含弗素重合体の中で特に好適には、弗化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、トリフルオロエチレン−弗化ビニリデン共重合体、弗化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体およびメタクリル酸パーフルオロ−t−ブチル重合体を挙げることができる。具体的な屈折率としては1.42以下で、結晶性でなく無定形に近い重合体で、且つ前記芯成分のメタクリル酸エステルとの接着性が良好なものが望ましい。
【0043】
本発明においては、コア部とクラッド部との外周径の比が、プラスチック光ファイバの総合的な性能向上に効果があることを見出した。図1に本発明の光ファイバの概略断面図の一例を示す。本明細書では、「コア部の外周径」とは、コア部10の直径r1をいい、「クラッド部の外周径」とは、コア部10およびクラッド部12を含む直径r2をいう。
コア部のクラッド部に対する外周径の比(r1/r2)を0.98より大きくすると、クラッド部の厚みが薄いために、曲げ性や結節強度といった機械的強度が低下したり、ファイバ曲げ時に光漏れを起したりする。そのため、コア部のクラッド部に対する外周径の比が0.98以下にすると、前記問題は払拭される。そして、ファイバの径やコストなどの観点から不必要にクラッド部を厚くする必要はない。これらの観点から、コア部の直径は、クラッド部までの直径に対して0.6以上0.98が適当で、0.7以上0.98以下が好ましく、0.8以上0.98以下がさらに好ましい。
【0044】
以下に、本発明の製造方法を、コア部とクラッド部とを有するプラスチック光ファイバの製造方法に適用した実施の形態について説明する。本実施形態は、主として2種類ある。
まず、第一の実施形態は、SI型ファイバの製造方法であり、コア部形成用のポリマーを重合してポリマーを得る第1の工程と、クラッド部に用いられるフッ素樹脂と前記コア部形成用のポリマーとを溶融共押し出し、および延伸する際、所望のコア/クラッド比となるように調節する第2の工程と、得られたファイバを所望の形態に加工する第3の工程とを含むプラスチック光ファイバの製造方法である。
次に、第二の実施形態は、GI型ファイバの製造方法であり、クラッド部に相当する、例えばポリフッ化ビニリデン樹脂のような含フッ素樹脂からなる円筒状パイプの中空部において、アウターコア用重合性組成物を回転重合法により重合させて、前記中空部の内壁面にアウターコア層を形成し、2層からなる同心円筒状パイプを作製する第1の工程と、前記2層の円筒管のさらに中空部において、インナーコア部形成用重合性組成物を界面ゲル重合させることによりインナーコア部となる領域を形成し、クラッド部、アウターコア部およびインナーコア部に各々対応する領域からなるプリフォームを作製する第2の工程と、および得られたプリフォームを所望の形態に加工する第3の工程とを含むプラスチック光学部材の製造方法である。後者の実施形態においては、2層からなる同心円筒状パイプを作製する際、上記のように段階的ではなく、フッ素樹脂とアウターコア用重合組成物の重合体を溶融共押し出しの方法の一段階で作製する方法もある。
【0045】
前記クラッド部あるいはアウターコア部形成用重合性組成物は、重合性モノマー(1)または重合性モノマー(1)と(2)、該重合性モノマーの重合を開始させる重合開始剤、および連鎖移動剤を含有する。次に、前記コア部あるいはインナーコア部形成用重合性組成物は、重合性モノマー(1)、または重合性モノマー(1)と(2)、該重合性モノマーの重合を開始させる重合開始剤、連鎖移動剤、および所望により前記モノマーの屈折率と異なる屈折率を有する化合物(屈折率調整成分)を含有する。前記第一の実施の形態ではクラッド部/コア部形成用、第二の実施の形態ではアウターコア部/インナーコア部形成用の各々の重合性組成物に用いられる重合性モノマー(1)、または重合性モノマー(1)および(2)は、互いに等しいのが好ましい(但し、その組成比については同一でなくてもよく、また副成分については等しくなくてもよい)。等しい種類の重合性モノマーを用いることによって、クラッド部/コア部またはアウターコア部/インナーコア部界面における光透過性および接着性を向上させることができる。また、クラッド部あるいはアウターコア部形成用の重合性モノマーとして、重合性モノマー(2)の比率をより多くするとコア部との屈折率差を大きく持たせやすく、その結果、屈折率分布構造を形成し易いので好ましい。
【0046】
第二の実施形態では、クラッド部とコア部との間にアウターコア部を形成することによって、クラッド部とコア部との材質の違いによる接着性の低下および生産性の低下などを軽減させている。その結果、クラッド部およびコア部に用いる材料の選択の幅を広げることができる。本実施形態では、クラッド部は疎水性が高く、且つコア部との屈折率差を大きくすることができる含フッ素樹脂を用いるのが好ましく、具体的には、ポリフッ化ビニリデン樹脂等が好ましい。クラッド部に相当する円筒形状の管は、例えば、市販されているフッ素樹脂を溶融押出しにより、所望の径と厚みのパイプに成形することで作製することができる。さらに、得られたパイプの中空部で上記重合性組成物を回転重合させ、その内壁にアウターコア層を形成することができる。また、その他、前記フッ素樹脂と前記重合性組成物からなる重合体を共押し出しすることによっても同様の構造体を作製することもできる。
【0047】
本発明の重合性組成物を用いて光学部材を作製する際に、屈折率調整成分を用い、その濃度に傾斜を持たせることによっても、屈折率分布型の光学部材を作製することができる。屈折率調整成分の濃度に傾斜を持たせる方法としては、後述する界面ゲル重合を利用する方法等がある。
【0048】
前記クラッド部、アウターコア部およびコア部形成用重合性組成物において、各成分の含有割合の好ましい範囲は、その種類に応じて異なり一概に定めることはできないが、一般的には、重合開始剤は、重合性モノマーに対して0.005〜0.5質量%であるのが好ましく、0.01〜0.5質量%であるのがより好ましい。前記連鎖移動剤は、重合性モノマーに対して0.10〜0.40質量%であるのが好ましく、0.15〜0.30質量%であるのがより好ましい。また、前記コア部形成用重合性組成物において、前記屈折率調整成分は、重合性モノマーに対して1〜30質量%であるのが好ましく、1〜25質量%であるのがより好ましい。
【0049】
前記クラッド部、アウターコア部およびコア部形成用重合性組成物を重合することによって得られるポリマー成分の分子量は、プリフォームを延伸する関係から、重量平均分子量で1万〜100万の範囲であることが好ましく、3万〜50万であることがさらに好ましい。
【0050】
前記クラッド部およびコア部形成用重合性組成物にはそれぞれ、重合時の反応性や光伝送性能を低下させない範囲で、その他の屈折率調整成分を添加することができる。例えば、耐候性や耐久性等を向上させる目的で、耐酸化剤や耐光剤等の安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することが可能となり、伝送距離が向上するので、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。
【0051】
次に、前記第一および第二の形態(特に前記第一の実施形態)の各工程について詳細に説明する。
前記第1の工程では、クラッド部に相当する1層の、またはクラッド部およびアウターコア部に相当する2層の中空状(例えば円筒形状)の管を作製する。中空の円筒管の作製方法としては、例えば国際公開WO93/08488号公報に記載されている様な製造方法が挙げられる。具体的には、前記クラッド部形成用重合組成物を円筒形状の重合容器に、またはアウターコア部形成用重合性組成物をフッ素樹脂よりなるパイプ(さらに外側に円筒形状の容器に入れられたもの)に注入し、該重合容器を回転(好ましくは、円筒の軸を水平に維持した状態で回転)させつつ、前記重合性モノマーを重合させることにより、1層(一重)または2層(二重)円筒形状の重合体からなる構造体を作製することができる。重合容器に注入する前にフィルターにより濾過して、組成物中に含まれる塵埃を除去するのが好ましい。重合温度および重合時間は、用いるモノマーや重合開始剤によって異なるが、一般的には、重合温度は60〜150℃であるのが好ましく、重合時間は5〜24時間であるのが好ましい。この時に、特開平8−110419号公報に記載されている様に、原料をプレ重合して原料粘度を上昇させてから行ってもよい。また、重合に使用する容器が回転によって変形してしまうと、得られる円筒管に歪みを生じさせることから、充分な剛性を持つ金属管・ガラス管を用いることが望ましい。
【0052】
前記一重または二重円筒形状の重合体からなる構造体は、コア部(前記第二の実施の形態においてはインナーコア部であり、以下、「コア部」という場合は「インナーコア部」の意味でもある)の原料となる重合性組成物を注入できるように、底部を有しているのが好ましい。底部は前記円筒管を構成している重合体と密着性および接着性に富む材質であるのが好ましい。また、底部を前記円筒管と同一の重合体で構成することもできる。重合体からなる底部は、例えば、重合容器を回転させて重合する(以下、「回転重合」という場合がある)前もしくは後に、重合容器を垂直に静置した状態で、重合容器内に少量の重合性モノマーを注入し、重合することによって形成することができる。
【0053】
前記回転重合後に、残存するモノマーや重合開始剤を完全に反応させることを目的として、該回転重合の重合温度より高い温度で得られた構造体に加熱処理を施してもよく、所望の中空管が得られた後、未重合の組成物を取り除いてもよい。
【0054】
また、前記第1の工程では、一旦、前記重合性組成物を重合させて重合体を作製した後、押し出し成形等の成形技術を利用して、所望の形状(本実施の形態では一重円筒形状あるいはフッ素樹脂と前記重合性組成物重合体からなる二重(同心)円筒状)の構造体を得ることもできる。
【0055】
前記第2の工程では、前記第1の工程で作製した一重または二重円筒形状の構造体の中空部に、前記コア部形成用重合性組成物を注入し、組成物中の重合性モノマーを重合する。フィルターにより濾過して、組成物に含まれる塵埃を除去するのが好ましい。重合法は重合後の残留物の観点から溶媒等を用いない界面ゲル重合法が特に好ましい。この界面ゲル重合法を用いることで、重合性モノマーの重合は、前記円筒管のゲル効果によって、粘度の高くなった内壁表面から断面の半径方向、中心に向かって進行する。重合性モノマーに前記屈折率調整成分を添加して重合すると、前記円筒管を構成している重合体に対して親和性の高いモノマーが前記円筒管の内壁面に偏在して重合し、外側には屈折率調整成分濃度が低い重合体が形成される。中心に向かうに従って、形成された重合体中の該屈折率調整成分の比率が増加する。このようにして、コア部となる領域内に屈折率調整成分の濃度分布が生じ、この濃度分布に基づいて、連続した屈折率の分布が導入される。
【0056】
上記説明したように、第2の工程において、形成されるコア部となる領域に屈折率の分布が導入されるが、屈折率が互いに異なる部分間は熱挙動も互いに異なるので、重合を一定温度で行うと、その熱挙動の違いからコア部となる領域は、重合反応に対して発生する体積収縮の応答性が変化し、プリフォーム内部に気泡が混入する、もしくはミクロな空隙が発生し、得られたプリフォームを加熱延伸した際に多数の気泡が発生する可能性がある。重合温度が低すぎると、重合効率が低下し、反応終了までに時間がかかってしまい、生産性を著しく損なう。また、重合が不完全となって光透過性が低下し、作製される光ファイバの光伝送能を損なう。一方、初期の重合温度が高すぎると、コア部となる領域の収縮に対して応答緩和できず、気泡発生の傾向が著しい。そのため、モノマーの沸点や生成するポリマーのガラス転移温度(Tg)を勘案しながら、重合温度と後処理温度を調整して行う。但し、後処理温度はポリマーのガラス転移温度以上となるように選択する。例えば、典型的なメタクリレート系のモノマーを使用した場合には、重合温度は好ましくは、60℃〜160℃、さらに好ましくは80℃〜140℃である。また、重合収縮に対する応答性を高めるために加圧した不活性ガス中で重合させることも好ましい。さらに、重合前のモノマーを減圧雰囲気で脱水・脱気する事でさらに気泡の発生を低減させることができる。
【0057】
重合温度および重合時間は、用いるモノマーによって異なるが、一般的には、重合温度は60〜150℃であるのが好ましく、重合時間は5〜72時間であるのが好ましい。具体的には、重合性モノマーとしてイソボルニルメタクリレートを用い、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)を用いた場合は、初期重合温度を100〜110℃に48〜72時間維持し、その後、120〜160℃まで昇温して24〜48時間重合するのが好ましく、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシドを用いた場合は、初期重合温度を90〜110℃に4〜48時間維持し、120〜160℃まで昇温して24〜48時間重合するのが好ましい。なお、昇温は段階的に行っても、連続的に行ってもよいが、昇温にかける時間は短いほうがよい。
【0058】
重合は、加圧状態で行うのが好ましい(以下、加圧状態で行う重合を「加圧重合」という)。加圧重合を行う場合は、前記重合性組成物を注入した一重または二重円筒形状の構造体を、治具の中空部に挿入して、治具に支持された状態で重合を行うのが好ましい。前記治具は、前記構造体を挿入可能な中空を有する形状であり、該中空部は前記構造体と類似の形状を有しているのが好ましい。本実施の形態では、クラッド部となる構造体が円筒管であるので、前記治具も円筒形状であるのが好ましい。治具は、加圧重合中に前記円筒管が変形するのを抑制するとともに、加圧重合が進むに従ってコア部となる領域が収縮するのを緩和可能に支持する。従って、治具の中空部は、前記一重または二重円筒形状の構造体の外径より大きい径を有し、前記クラッド部となる円筒管を非密着状態で支持するのが好ましい。前記治具の中空部は、前記一重または二重円筒形状の構造体の外径に対して0.1%〜40%だけ大きい径を有しているのが好ましく、10〜20%だけ大きい径を有しているのがより好ましい。
【0059】
前記一重または二重円筒形状の構造体を治具の中空部に挿入した状態で、重合容器内に配置することができる。重合容器内において、前記一重または二重円筒形状の構造体は、円筒の高さ方向を垂直にして配置されるのが好ましい。前記治具に支持された状態で前記円筒管を、重合容器内に配置した後、前記重合容器内を加圧することができる。窒素等の不活性ガスで重合容器内を加圧し、不活性ガス雰囲気下で加圧重合を進行させるのが好ましい。重合時の加圧の好ましい範囲については、用いるモノマーによって異なるが、重合時の圧は、一般的には0.05〜1.0MPa程度が好ましい。
【0060】
以上の工程を経て、光ファイバのプリフォームを得ることができる。なお、上記第二の実施の形態では、1層のアウターコア部を有する円筒形状のプリフォームの作製方法を示したが、アウターコア部は2層以上であってもよい。また、アウターコア部は、延伸等によって光ファイバの形態となった後は、インナーコア部と一体になり、双方が識別できなくなっていてもよい。
【0061】
第3の工程では、作製されたプリフォームを加工して所望の形態の光学部材を得る。例えば、プリフォームを軸方向に垂直にスライスすれば断面が凹凸を有しない円盤状もしくは円柱状のレンズを得ることができる。また、延伸してプラスチック光ファイバを得る。
【0062】
光ファイバは、第3の工程でプリフォームを加熱延伸して作製することができるが、その加熱温度はプリフォームの材質等に応じて、適宜決定することができる。一般的には、180〜250℃中の雰囲気で行われることが好ましい。延伸条件(延伸温度等)は、得られたプリフォームの径、所望のプラスチック光ファイバの径および用いた材料等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、線引張力については、特開平7−234322号公報に記載されている様に、溶融したプラスチックを配向させるために10g以上としたり、特開平7−234324号公報に記載されている様に溶融延伸後に歪みを残さないようにするために100g以下とすることが好ましい。また、特開平8−106015号公報に記載されている様に、延伸の際に予備加熱を設ける方法等をとることもできる。以上の方法によって得られるファイバについては、得られる素線の破断伸びや硬度について特開平7−244220号公報に記載の様に規定することでファイバの曲げや側圧特性を改善することができる。
【0063】
第3の工程を経て製造されたプラスチック光ファイバは、そのままの形態で種々の用途に供することができる。また、保護や補強を目的として、その外側に被覆層を有する形態、繊維層を有する形態、および/または複数のファイバを束ねた形態で、種々の用途に供することができる。被覆工程は、例えばファイバ素線に被覆を設ける場合では、ファイバ素線の通る穴を有する対向したダイスにファイバ素線を通し、対向したダイス間に溶融した被覆用の樹脂を満たし、ファイバ素線をダイス間を移動させることで被覆されたファイバを得ることができる。被覆層は可撓時に内部のファイバへの応力から保護するため、ファイバ素線と融着していないことが望ましい。さらにこの時、溶融した樹脂と接することでファイバ素線に熱的ダメージを加わるので、極力ダメージを押さえるような移動速度や低温で延伸できる樹脂を選ぶことも望ましい。この時、被覆層の厚みは被覆材の物性値や素線の引き抜き速度、被覆層の冷却温度による。その他にも、光学部材に塗布したモノマーを重合させる方法やシートを巻き付ける方法、押し出し成形した中空管に光学部材を通す方法等が知られている。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0065】
[参考例1]
2種類のモノマー(イソボルニルメタクリレート(IBXMA)およびメタクリル酸メチル(両者とも禁止剤、水分を充分に除去したもの))の溶液(質量比:IBXMA/MMA=5/5)と、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシドをモノマー混合溶液に対し0.02質量%、連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンをモノマー混合溶液に対し0.05質量%配合した混合溶液を精度0.2μmの四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過し、窒素気流下で、100℃に維持された反応槽に送り、24時間予備重合した。次いで130℃に維持されたスクリューコンベア中に送り、48時間で重合を完了し、重量平均分子量10万のポリマーを得た。さらに、このポリマーを250℃に加熱したベントつき押出機に供給し、未反応モノマーを除去しながら235℃に維持された押出ノズルの中心より直径480μmのストランド状に、該ポリマーをコア成分として吐出するとともに、クラッド成分としてPVDF樹脂(呉羽化学製KF−#850)を共押出しして被覆し、コア/クラッド(外周径比が0.98)構造からなる光ファイバ素線を得た。
【0066】
得られたファイバの伝送損失値を測定したところ、波長650nmで180dB/km、波長850nmで2400dB/kmであった。次に、得られたファイバを13mの長さに切り取り、10mのファイバー部位を製小型環境試験機SH−240に静置し、環境試験機外部には両端から2mおよび1mの長さのファイバをそれぞれメレスグリオ(株)製650nmバンドパスフィルタを挿入された安藤電気(株)製白色光源(AQ4303B)とアンリツ(株)光パワーメータ(ML910B)にアンリツ製FCコネクタ(MA9013A)にて接合した。その後、恒温恒湿槽の温度を70℃−95%相対湿度に設定し、500時間後の光強度の減衰量を測定した所、1dBであった。次に該ファイバについての曲げ損失試験を行った。特開平7−244220号公報に記載の実験方法によって曲げ試験を実施した。実験条件は、マンドレルの直径60mmで、該ファイバを該マンドレルに90度に1回巻きつけてロス分を測定した。該ロスの増大の最大値は0.9dBであった。また、結節強度(該ファイバを1回結んで、テンシロンにて破断強度を調べた)を測定したところ30Nであった。
【0067】
[実施例2]
3種類のモノマー(イソボルニルメタクリレート(IBXMA)、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート(6FM)およびメタクリル酸メチル(MMA)(両者とも禁止剤、水分を充分に除去したもの))の溶液(質量比:IBXMA/6FM/MMA=5/3/2)と、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシドをモノマー混合溶液に対し0.02質量%、連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンをモノマー混合溶液に対し0.05質量%配合した混合溶液を精度0.2μmの四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過し、窒素気流下で、100℃に維持された反応槽に送り、24時間予備重合した。次いで150℃に維持されたスクリューコンベア中に送り、48時間で重合を完了し、重量平均分子量10万のポリマーを得た。さらに、このポリマーを250℃に加熱したベントつき押出機に供給し、未反応モノマーを除去しながら235℃に維持された押出ノズルの中心より直径480μmのストランド状に、該ポリマーをコア成分として吐出しながら、クラッド成分としてPVDF樹脂(呉羽化学製KF−#850)を共押出ししながら被覆し、コア/クラッド(外周径比が0.90)構造からなる光ファイバ素線を得た。実施例1と同様な評価を行い、その結果を表1に示す。
【0068】
[比較例1〜2]
コア部の重合組成物中のモノマー成分の種類、量(比)を表1のように変更し、そして、クラッド成分としてPVDF樹脂(呉羽化学製KF−#850)を共押出ししながら被覆し、コア/クラッド(外周径比が0.99)構造からなる光ファイバ素線を得た。実施例1と同様な評価を行い、その結果を表1に示す。なお、重合開始剤および連鎖移動剤の種類は変更せず、量だけを併用するモノマーの種類および組成に応じて適宜変更し、各々生成するポリマーの重量平均分子量が10万前後になるようにした。
【0069】
[実施例3]
(PVDFパイプ作製)
変性ポリフッ化ビニリデン(変性PVDF)(呉羽化学製KF−#850;融点178℃)を、120℃で中空円筒形状(外径19mm、内径15mm(厚み2mm))に溶融押出ししたPVDFパイプ(長さ600mm)を作製した。
【0070】
(回転重合による、アウターコア作製)
つぎに、このパイプの片端を同じPVDFで底付けし、内径21mmの円筒状試験管に挿入し、該PVDFパイプ中に、重合性組成物(3種類のモノマー(重水素化イソボルニルメタクリレートーd5(IBXMA−d5)およびメタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル(6FM)および重水素メタクリル酸メチル(MMA−d8)(両者とも禁止剤、水分を1000ppm以下に除去したもの))の溶液(質量比:IBXMA−d5/6FM/MMA−d8=4/3/3)と、重合開始剤としてジメチル2,2−アゾビスイソブチレートをモノマー混合溶液に対し0.5質量%、連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンをモノマー混合溶液に対し0.6質量%配合した混合溶液を精度0.2μmの四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過した溶液)に添加した。該容器を減圧下において5分間超音波脱気した後、シリコン栓で密封し、60℃の湯浴中で振とうしながら約2時間予備重合反応させた。次いで、60℃の熱風高温槽内で円筒状試験管を水平状態に保持しつつ、長手方向を中心軸に3000rpmで回転させ、反応液を遠心力で試験管内壁に保持した状態で1時間反応せしめ、次いで70℃に昇温し、さらに4時間反応させた。さらに槽内温度を90℃に上げ、24時間静置して、外側にクラッド(変性PVDF)層と、その内側にアウターコア層(ポリ(IBXMA−co−6FM))とからなる二重円筒管を得た。
【0071】
(界面ゲル重合によるインナーコア作製)
つぎに試験管から上記二重円筒管を取り出し、90℃の恒温槽にて予熱せしめた。一方、先ほどと同様な方法で精製した3種類のモノマー(重水素化イソボルニルメタクリレート−d5(IBXMA−d5)およびメタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル(6FM)および重水素メタクリル酸メチル(MMA−d8)(両者とも禁止剤、水分を1000ppm以下に除去したもの))の溶液(質量比:IBXMA−d5/6FM/MMA−d8=4/3/3)、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシドをモノマー混合溶液に対し0.016質量%、連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンをモノマー混合溶液に対し0.27質量%、さらに屈折率調整剤として硫化ジフェニルを混合モノマーに対して、10質量%計量して混合後、精度0.2μmの四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過しながら、予め90℃に予熱しておいたクラッド付アウターコアの二重円筒管内に注入した。該容器を減圧下において5分間超音波脱気した後、このクラッド付アウターコアの二重円筒管を内径24mmのガラス管に挿入し、加圧重合容器に垂直に静置させ密閉した。加圧重合容器内の空気を窒素で十分置換して窒素雰囲気とした後、0.1MPaまで窒素で加圧した。この加圧重合容器を100℃に昇温し、この状態のまま48時間反応せしめ、次いで加圧量を0.8Mpaに増加させ、120℃に昇温して24時間加熱重合および熱処理を行った。重合完了後、加圧量を0.1Mpaに保持したまま0.01℃/minの冷却速度にてプリフォームのコア部Tg以下となる80℃まで降温した後にプリフォームを得た。
【0072】
(延伸)
次いで、得られたプリフォームには、重合完了時に体積収縮による気泡の混入はなかった。また、得られたファイバのガラス転移温度はコア中心部で90℃、ファイバ外周部で115℃であった。このプリフォームを230℃の熱延伸により線引きを行い、コア部の中心直径470μm(コア部/クラッド部外周径比=0.94)のプラスチック光ファイバを製造した。延伸工程において、プリフォームには気泡の発生は観察されず、安定して300mのファイバを得ることができた。
得られたファイバについて実施例1と同じ評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
【0073】
[実施例4]
コア部の重合組成物中のモノマー成分の種類、量(比)を表1のように変更し、さらにコア部の中心直径470μm(コア部/クラッド部外周径比=0.9)となるようにクラッド部のPVDF樹脂の厚みを変更する以外は実施例3と同様の操作を行い、プラスチック光ファイバを製造した。実施例1と同様な評価を行い、その結果を表1に示す。なお、重合開始剤および連鎖移動剤の種類は変更せず、量だけを併用するモノマーの種類および組成に応じて適宜変更し、各々生成するポリマーの重量平均分子量が10万前後になるようにした。
【0074】
[比較例3〜4]
コア部の重合組成物中のモノマー成分の種類、量(比)を表1のように変更し、さらにコア部の中心直径470μm(コア部/クラッド部外周径比=0.99)となるようにクラッド部のPVDF樹脂の厚みを変更する以外は実施例3と同様の操作を行いプラスチック光ファイバを製造した。実施例1と同様な評価を行い、その結果を表1に示す。なお、重合開始剤および連鎖移動剤の種類は変更せず、量だけを併用するモノマーの種類および組成に応じて適宜変更し、各々生成するポリマーの重量平均分子量が10万前後になるようにした。
なお、用いたモノマーの構造式は下記に併せて示す。
【0075】
【化9】
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、良好な光伝送能を有し、特に伝送損失および湿熱による伝送損失の悪化が軽減された、さらに機械特性も改良され、総合的にバランスのとれた光学部材、および該光学部材を良好な生産性で製造可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラスチック光ファイバの概略断面図の一例である。
【符号の説明】
10 コア部
12 クラッド部
r1 コア部外周径
r2 クラッド部外周径
Claims (5)
- フッ素樹脂からなるクラッド部と、少なくとも下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される化合物を共重合してなるポリマーを含有するコア部と、を有するプラスチック光ファイバであって、コア部のクラッド部に対する外周径の比が0.8以上0.98以下であるプラスチック光ファイバ。
一般式(1)
一般式(2)
- コア部が、前記ポリマーと異なる屈折率を有する化合物を含有する請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
- フッ素樹脂からなるクラッド部と、ポリマーからなるコア部とを有するプラスチック光ファイバの製造方法であって、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを含有する重合性モノマーおよび重合開始剤を含むコア部形成用重合性組成物を重合しコア部用ポリマーを得る工程と、前記フッ素樹脂で前記コア部用ポリマーを被覆すると同時に、または前記フッ素樹脂で前記コア部用ポリマーを被覆した構造体を得た後、前記コア部の前記クラッド部に対する外周径の比が、0.8以上0.98以下になるように加工する工程とを含むプラスチック光ファイバの製造方法。
一般式(1)
一般式(2)
- 前記コア部形成用重合性組成物が前記重合性モノマーとは異なる屈折率を有する化合物を含有し、前記コア部が屈折率の大きさに分布を有する請求項3に記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
- 前記コア部形成用重合性組成物を界面ゲル重合法により重合する請求項3又は4に記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
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