JP3926097B2 - マグネシウム化合物の製造方法、オレフィン重合触媒及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合触媒の担体として好適なマグネシウム化合物、該化合物を用いるオレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法に関し、詳しくは立体規則性や重合活性等の性能を低下させることなく嵩密度が高くかつ粒径分布も狭いオレフィン重合体を与えるマグネシウム化合物、オレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エチレン或いはプロピレン等を単独重合又は共重合させる触媒としては塩化マグネシウムやマグネシウムアルコキシドを粉砕せずにオレフィン重合触媒の担体原料として用いる技術が広範に実施されており、触媒活性の向上や重合体のパウダー形態改良等が図られている。例えば、生成ポリマーの粒径、形状等のモルフォロジー改良を目的としてシリカ等の無機酸化物上にさらにマグネシウム化合物を担持させる方法(特開昭63−280707号公報他)や、マグネシウム化合物を一旦アルコール等の溶媒に溶解させた後、再び析出させたものを用いる方法(特開昭56−811号公報他)等が知られているが、担持処理や溶解、析出処理が必須となるため工程的にも極めて煩雑になる上に、触媒の性能安定性にも欠けるという問題がある。また、金属マグネシウム、アルコール及び特定量のハロゲンを反応させて得られるマグネシウム化合物を担体として用いる方法(特開平4−130107号公報他)が開発されているが、得られる重合パウダーの形態(嵩密度、粒径分布等)が必ずしも十分とは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり立体規則性や重合活性等の性能を低下させることなく嵩密度が高くかつ粒径分布も狭いオレフィン重合体を与えるマグネシウム化合物、オレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、金属マグネシウム、アルコール、及びマグネシウム1グラム原子に対し0.0001グラム原子以上の量のハロゲン原子を含むハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を特定の温度条件下で反応させて得られる特定のマグネシウム化合物、チタン化合物及び必要に応じて電子供与性化合物を接触させて得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合触媒が本目的を達成できることを見出し、これに基づき本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下のマグネシウム化合物の製造方法、オレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法を提供するものである。
1. 金属マグネシウム、アルコール、並びにハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を、マグネシウム1グラム原子に対してハロゲン原子が0.0001グラム原子以上となる量比で、30〜60℃にて反応させることを特徴とするマグネシウム化合物の製造方法。
2. ハロゲンが沃素である上記1記載のマグネシウム化合物の製造方法。
3. ハロゲン含有化合物が塩化マグネシウムである上記1記載のマグネシウム化合物の製造方法。
4. 下記式(1)で表わされる粒径分布指数(P)がP<4.0である上記1〜3のいずれかに記載のマグネシウム化合物の製造方法。
P=(D90/D10) ・・・・・(1)
(D90は炭化水素中に懸濁した状態において光透過法により求められるマグネシウム化合物の粒径分布における累積重量分率が90%に対応する粒子径を、D10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示す。)
5. (A)(a)上記1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたマグネシウム化合物と(b)下記一般式(I) で表わされるチタン化合物を接触させて得られる固体触媒成分と(B)有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合触媒。
【0005】
Ti(OR)nX4-n・・・・・(I)
(式中、Xはハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)
6. (A)(a)上記1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたマグネシウム化合物、(b)下記一般式(I) で表わされるチタン化合物及び(c)電子供与性化合物を接触させて得られる固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物及び(C)第三成分としての電子供与性化合物からなるオレフィン重合触媒。
【0006】
Ti(OR)n X4-n ・・・・・(I)
(式中、Xはハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)
7. 上記5または6記載のオレフィン重合触媒の存在下、オレフィンを重合させるオレフィン重合体の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は上記のようなマグネシウム化合物、オレフィン重合触媒、オレフィン重合体の製造方法である。以下に、詳しく説明する。
〔I〕マグネシウム化合物
本発明のマグネシウム化合物(以下、担体という場合がある)は、金属マグネシウム、アルコール、及びマグネシウムに対し0.0001グラム原子以上の量のハロゲン原子を含むハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を30〜60℃にて反応させて得られるものである。この場合、金属マグネシウムの形状等は特に限定されない。したがって、任意の粒径の金属マグネシウム、例えば顆粒状、リボン状、粉末状等の金属マグネシウムを用いることができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に限定されないが、表面に水酸化マグネシウム等の被膜が生成されていないものが好ましい。また、アルコールの種類は特に限定されるものではないが、炭素数1〜6の低級アルコールを用いることが好ましい。特にエタノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる固体生成物が得られるので好ましい。アルコールの純度及び含水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いると金属マグネシウムの表面に水酸化マグネシウムが生成されるので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm以下のアルコールを用いることが好ましい。更に、より良好なモルフォロジーを得るためには、水分が少なければ少ないほど好ましく、一般的には200ppm以下が望ましい。
ハロゲンの種類については特に限定されないが、塩素、臭素または沃素、特に沃素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の種類に限定はなく、ハロゲン原子をその化学式中に含む化合物であればいずれのものでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類については特に限定されないが、塩素、臭素または沃素であることが好ましい。また、ハロゲン含有化合物の中ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。ハロゲン含有化合物として、具体的には、MgCl2 ,MgI2 ,Mg(OEt)Cl,Mg(OEt)I,MgBr2 ,CaCl2 ,NaCl,KBr等を好適に使用できる。これらの中では、特にMgCl2 が好ましい。ハロゲン及びハロゲン含有金属化合物としてはその状態、形状、粒度等は特に限定されず、任意のものでよく、例えばアルコール系溶媒(例えば、エタノール)中の溶液として用いることもできる。
アルコールの量については問わないが、金属マグネシウム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは5〜50モルである。アルコール量が多すぎる場合、モルフォロジーの良好なマグネシウム化合物の収率が低下する恐れがあり、少なすぎる場合は、反応槽での攪拌がスムーズに行われなくなる恐れがある。しかし、そのモル比に限定されるものではない。
ハロゲンの使用量又はハロゲン含有化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、更に好ましくは0.001グラム原子以上である。0.0001グラム原子未満の場合、ハロゲンを反応開始剤として用いる量と大差なく、得られるマグネシウム化合物を触媒の担体として用いた場合、活性や生成ポリマーのモルフォロジー等が不良となる。ハロゲン使用量の上限については特に定めないが、本発明でいうマグネシウム化合物が得られる範囲で適宜選択すればよい。一般には、0.06グラム原子未満の範囲で選ばれる。本発明においては、ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ハロゲンとハロゲン含有化合物は併用してもよい。併用する場合、全ハロゲン原子の量を金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、更に好ましくは0.001グラム原子以上である。使用量の上限については特に定めないが、発明でいうマグネシウム化合物が得られる範囲で適宜選択すればよいが、一般には、0.06グラム原子未満とすることが好ましい。前記のハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物使用量を適宜選択することにより、マグネシウム化合物の粒径を自由にコントロールする事が可能である。金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、その反応温度を30〜60℃に限定すること以外には公知の方法と同様に実施することがきる。即ち、水素ガスの発生が認められなくなるまで通常、10〜30時間反応させてマグネシウム化合物を得る方法が挙げられる。具体的にはハロゲンとして沃素を用いる場合、金属マグネシウム、アルコール中に固体状の沃素を投入し、しかる後に加熱し反応する方法、金属マグネシウム、アルコール中に沃素のアルコール溶液を滴下投入後加熱する方法や、金属マグネシウム、アルコール溶液を加熱しつつ沃素のアルコール溶液を滴下する方法などが挙げられる。いずれの方法も、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で行なうことが好ましい。金属マグネシウム、アルコール、ハロゲンの投入については、最初から各々全量投入しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特に好ましい形態は、アルコールを最初から全量投入しておき、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法である。このようにした場合、水素ガスの一時的な大量発生を防ぐこともでき、安全面から非常に望ましい。また、反応槽も小型化することが可能となる。更には、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされるアルコールやハロゲンの飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めればよく、特に問わないが、操作の煩雑さを考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体は、バッチ式、連続式のいずれでもよいことは言うまでもない。更には、変法として、最初から全量投入したアルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反応により生成した生成物を別の槽に分離して除去した後、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を繰り返すことも可能である。
本発明において上記の反応を30〜60℃で行なう事が重要であるが、この温度範囲で行うと従来のものより一層嵩密度が高くかつ粒径分布も狭いオレフィン重合体を与えるマグネシウム化合物が容易に得られる。
【0008】
以上のようにして得られるマグネシウム化合物は、次の固体触媒成分(A)の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾過後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。いずれの場合においても、得られるマグネシウム化合物は、粉砕あるいは粒径分布をそろえるための分級操作をすることなく以下の工程に用いることができる。また、このようにして得られる本発明のマグネシウム化合物は従来のものより球状に近く、しかも粒径分布が狭くシャープである。更には、粒子一つ一つをとってみても、球形度のばらつきが小さい。
【0009】
また、本発明のマグネシウム化合物は、固体状であり、下記式(1)で表わされる粒径分布指数(P)がP<4.0であって、実質的にマグネシウムアルコキサイドからなる。
P=(D90/D10) ・・・・・(1)
(D90は炭化水素中に懸濁した状態において光透過法により求められるマグネシウム化合物の粒径分布における累積重量分率が90%に対応する粒子径を、D10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示す。)
P(粒径分布指数ともいう)は、粒径分布の広がり度合いを示すもので、この値が小さいほど粒径分布が狭くシャープであり、粒径のそろったものが多く含まれていることを表わしている。前記固体状マグネシウム化合物としては、P<3.8であることが特に好ましい。
【0010】
さらに前記固体状マグネシウム化合物としては、下記式(2)で表わされる球形度(S)がS<2.0であることが好ましい。
S=(L1 /L2 )3 ・・・・・(2)
(L1 は走査型電子顕微鏡にて撮影し画像処理して求められるマグネシウム化合物の投影図における最長径、L2 はマグネシウム化合物の投影面積に等しい円の直径を示す。)
Sは、物体の球形度合いを示すもので、S=1の時が真球を表わす。従ってSが1に近いほどマグネシウム化合物の粒子一つ一つが真球に近いことを意味している。前記固体状マグネシウム化合物としては、S<1.5であることが特に好ましい。
【0011】
また、前記固体状マグネシウム化合物は、平均粒径が通常10〜100μmであるが、平均粒径がほぼ同じ場合には従来のマグネシウム化合物に比べて前記Sがより小さく、より真球に近いものである。前記固体状マグネシウム化合物としては、前記した製造方法により得られるマグネシウム化合物が挙げられる。
〔II〕オレフィン重合触媒
本発明のオレフィン重合触媒は、(A)(a)上記マグネシウム化合物と(b) 下記一般式(I) で表わされるチタン化合物及び必要に応じて(c)電子供与性化合物を接触させて得られる固体触媒成分と(B)有機金属化合物さらに必要に応じて(C)第三成分としての電子供与性化合物からなる触媒である。
【0012】
Ti(OR)n X4-n ・・・・・(I)
(式中、Xはハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)
以下、各成分について説明する。
(A) 成分
(A) 成分は、(a)上記マグネシウム化合物と(b) 上記一般式(I) で表わされるチタン化合物及び必要に応じて(c)電子供与性化合物を接触させて得られる固体触媒成分である。
(a)成分
(a)成分は、上記のマグネシウム化合物である。
(b)成分
(b)成分は、上記一般式(I) で表わされるチタン化合物である。上記の一般式 (I)において、Xはハロゲン原子を示し、これらの中で塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。Rは炭化水素基であって、飽和基や不飽和基であってもよく、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リンなどのヘテロ原子を有するものであってもよい。好ましくは炭素数1〜10個の炭化水素基、特にアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基およびアラルキル基などが好ましく、直鎖または分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。−ORが複数存在する場合、それらは互いに同じでも異なってもよい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、アリル基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。nは0〜4の整数を示す。
上記の一般式 (I)で示されるチタン化合物の具体例としては、テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェノキシチタン等のテトラアルコキシチタン;四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チタン等のテトラハロゲン化チタン;メトキシチタントリクロリド,エトキシチタントリクロリド,n−プロポキシチタントリクロリド,n−ブトキシチタントリクロリド,エトキシチタントリブロミド等のトリハロゲン化アルコキシチタン;ジメトキシチタンジクロリド,ジエトキシチタンジクロリド,ジイソプロポキシチタンジクロリド,ジ−n−プロポキシチタンジクロリド,ジエトキシチタンジブロミド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン;トリメトキシチタンクロリド,トリエトキシチタンクロリド,トリイソプロポキシチタンクロリド,トリ−n−プロポキシチタンクロリド,トリ−n−ブトキシチタンクロリド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどを挙げることができる。これらの中で、高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)電子供与性化合物
本発明には、必要に応じて(c)電子供与性化合物が用いられる。電子供与性化合物を用いると得られるオレフィン重合体の立体規則性が向上し好ましい。この(c)電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アレデヒド類、カルボン酸、マロン酸、有機酸もしくは無機酸のエステル類、モノエーテル、ジエーテルもしくはポリエーテル等のエーテル類等の含酸素電子供与性化合物や、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与性化合物を挙げることができる。これらの中では、多価カルボン酸のエステル類が好ましく、さらに好ましくは、芳香族多価カルボン酸のエステル類である。特に芳香族ジカルボン酸のエステル類が好ましい。また、エステル部の有機基が直鎖、分岐又は環状の脂肪族炭化水素が好ましい。
具体的には、フタル酸、ナフタレン−1,2−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,3−ジカルボン酸、インダン−4,5−ジカルボン酸、インダン−5,6−ジカルボン酸等のジカルボン酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル等のジアルキルエステルが挙げられる。これらの中では、フタル酸ジエステル類が好ましく、また、エステル部の有機基の炭素数が4個以上の直鎖又は分岐の脂肪酸炭化水素が好ましい。
前記(A)固体触媒成分は、上記の(a)マグネシウム化合物、(b)チタン化合物、必要に応じて(c)電子供与性化合物、更に必要に応じて(d)四塩化ケイ素等のハロゲン化物を接触させて得られるが、接触の方法としては通常の方法で接触、反応させればよい。好ましくは、以下のような使用量、条件及び手順で接触、反応させる方法である。
上記の(b)チタン化合物の使用量は、上記の(a)マグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.5〜100モル、好ましくは、1〜50モルの範囲にするとよい。また、上記の(c)電子供与性化合物の使用量は、上記の(a)マグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.01〜10モル、好ましくは、0.05〜0.15モルの範囲にするとよい。更に(d)ハロゲン化物としては、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四塩化スズ、四臭化スズ、塩化水素等が挙げられ、これらの中では四塩化ケイ素が好ましい。この接触温度は、通常、−20〜200℃、好ましくは、20〜150℃の範囲にするとよく、接触時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは、10分〜6時間の範囲にするとよい。この接触手順については特に問わない。例えば、各成分を炭化水素などの不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、予め炭化水素などの不活性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよい。この不活性溶媒としては、例えば、n−ペンタン,イソペンタン,n−ヘキサン,n−ヘプタン,n−オクタン,イソオクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素またはこれらの混合物を挙げることができる。
また、チタン化合物の接触を2回以上行い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物に十分担持させるとよい。
以上の接触で得られる固体触媒成分は、炭化水素などの不活性溶媒で洗浄してもよい。この不活性溶媒は、上記と同じでよい。また、この固体触媒成分は、乾燥状態または炭化水素などの不活性溶媒中で保存することもできる。
(B)成分
(B)成分は、有機アルミニウム化合物である。有機アルミニウム化合物としては特に制限はないが、アルキル基、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基を有するもの、アルミノキサンおよびそれらの混合物が好ましいものとして挙げられる。具体的には、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロリド;エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキサン等を挙げることができる。これらの有機アルミニウム化合物の中では、炭素数1〜5個の低級アルキル基を有するトリアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、これらの有機アルミニウム化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)電子供与性化合物
本発明には、さらに必要に応じて第三成分として電子供与性化合物(C)が用いられる。電子供与性化合物を用いると得られるオレフィン重合体の立体規則性が向上し好ましい。この(C)成分としては、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸素含有化合物を用いることができる。このうち特にアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。上記の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−1,1,2−トリメチルプロピルジメトキシシラン、α−ナフチル−1,1,2−トリメチルプロピルジメトキシシラン、n−テトラデカニル−1,1,2−トリメチルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチル−t−ブチルジメトキシシラン、シクロペンチル−1,1,2−トリメチルプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、メチル−t−ブトキシジメトキシシラン、イソプロピル−t−ブトキシジメトキシシラン、シクロペンチル−t−ブトキシジメトキシシラン、1,1,2−トリメチルプロピルトリメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリスアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0013】
前記触媒の成分の使用量については、特に制限はないが、(A)固体触媒成分は、チタン原子に換算して、反応容積1dm3 当たり、通常0.0005〜1ミリモルの範囲になるような量が用いられ、(B)有機金属成分は、アルミニウム/チタン原子比が通常1〜10000、好ましくは10〜1000の範囲になるような量が用いられる。この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となることがある。また、(C)電子供与性化合物としては、電子供与性化合物/有機アルミニウム化合物モル比が、通常0.02〜2.0、好ましくは0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられる。このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性が得られないことがある。
〔III〕オレフィン重合体の製造方法
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記のオレフィン重合触媒の存在下、オレフィンを重合させる方法である。本発明に用いられるオレフィンとしては、特に制限はないが、下記一般式(II)
R1 −CH=CH2 ……(II)
で表されるα−オレフインが好ましい。
上記の一般式(II)において、R1 は水素原子または炭化水素基であって、炭化水素基は飽和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよい。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらのオレフィンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記オレフィンの中で、特にプロピレンが好適である。また、重合としては、単独重合であってもよいし共重合であってもよい。なかでもプロピレンの単独重合或いはプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィン(1−ブテン、1−ヘキセン等)と共重合が好ましい。さらに、必要に応じてブタジエンなどのジエン類、その他各種オレフィン類も用いることができる。
本発明におけるオレフィンの重合においては、所望に応じ、先ずオレフィンの予備重合を行ったのち、本重合を行ってもよい。予備重合としては、前記触媒の存在下、前記オレフィンを通常0〜100℃の範囲の温度において、常圧〜5MPa程度の圧力で予備重合させる方法が挙げられる。重合時間は1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。予備重合量は、固体触媒成分に対して通常0.1〜1000重量%、好ましくは1〜500重量%重合させる。予備重合に用いるオレフィンとしては、前記のα−オレフィンが挙げられる。本重合に用いるものと同じα−オレフィンが好ましい。次いで触媒と予備重合生成物との存在下に、オレフィンを本重合させる。本重合における重合形式については特に制限はなく、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バルク重合等のいずれにも適用可能である。さらに、回分式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、異なる条件での2段階重合や2段目にエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンを用いてブロック重合を行ってもよい。さらに、多段重合にも適用可能である。さらに、反応条件については、その重合圧は、特に制限はなく、通常、大気圧〜8MPa、好ましくは0.2〜5MPa、重合温度は、通常、20〜90℃、好ましくは、40〜90℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は原料のオレフィンの種類や重合温度によって左右され一概に定めることができないが、通常、5分〜20時間、好ましくは、10分〜10時間程度である。分子量は、連鎖移動剤の添加、好ましくは水素の添加を行うことで調節することができる。また、窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。
また、本発明における触媒成分については、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを所定の割合で混合し、接触させたのち、ただちにオレフィンを導入して重合をおこなってもよいし、接触後、0.2〜3時間程度熟成させたのち、オレフィンを導入して重合を行ってもよい。さらに、この触媒成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸濁して供給することができる。
本発明においては、重合後の後処理は常法により行うことができる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるオレフィンなどを除くために、窒素気流などを通過させてもよいし、また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添加することもできる。また、バルク重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペレット化することができる。本発明によれば、立体規則性や重合活性等の性能を低下させることなく嵩密度が高くかつ粒径分布も狭いオレフィン重合体パウダーが得られる。例えばプロピレンの単独重合においては、立体規則性や重合活性等の性能を低下させることなく、嵩密度(kg/m3 )が340以上、好ましくは380以上のプロピレン単独重合体が得られる。また、得られるプロピレン単独重合体は実施例において詳しく述べる測定方法により求められる粒径分布指数(P’)がP’<4.0、好ましくはP’<3.8を満たし粒径分布が従来のものより狭い。また、プロピレン単独重合体の平均粒径がほぼ同じ場合には実施例において詳しく述べる測定方法により求められる球形度(S’)が従来のものより小さく、より真球に近いパウダーが得られる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
最初に、本発明における重合体の評価方法について述べる。
(1)立体規則性[mmmm]
重合体を1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解し、13C−NMR(日本電子(株)製EX−400)を用いて130℃にてプロトン完全デカップリング法により測定したメチル基のシグナルを用いて定量した。本発明で用いられるアイソタクチックペンタッド分率[mmmm]とは、エイ・ザンベリ(A. Zambelli)等の“Macromolecules, 6, 925 (1973)”で提案された13C核磁気共鳴スペクトルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位での、アイソタクチック分率を意味する。また、本13C核磁気共鳴スペクトルの測定におけるピークの帰属決定法は、エイ・ザンベリ(A. Zambelli)等の“Macromolecules, 8,687 (1975) ”で提案された帰属に従った。
(2)マグネシウム化合物の粒径分布(P)
マグネシウム化合物を炭化水素中に懸濁した状態において光透過法により粒径を測定する。求めた粒径分布を対数正規確率紙上にプロットし、50%粒子径を平均粒径とし、累積重量分率が90%に対応する粒子径(D90)及び累積重量分率が10%に対応する粒子径(D10)を求めて前記(1)式で算出した。
(3)マグネシウム化合物の球形度(S)
乾燥後のマグネシウム化合物を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製JSM−25SIII )にて、加速電圧5KV、300倍で撮影し、ネガを得た。次に、このネガを透過法にて画像処理した。画像処理は、画像解析装置(nexsus社製)により、20画素(1画素を0.695μm×0.695μmとした)以下の粒子をカットし、残りの粒子約2000個について行ない、粒子の投影図における最長径L1 及び投影面積に等しい円の直径L2 を求めて前記(2)式で算出した。
(4)ポリオレフィンパウダーの粒径分布(P’)
粒径分布指数(P’)は篩を用いて測定した粒径分布を対数正規確率紙上にプロットし、50%粒子径を平均粒径とし、累積重量分率が90%に対応する粒子径(D90)及び累積重量分率が10%に対応する粒子径(D10)を求めて前記(1)式と同様にして算出した。
(5)ポリオレフィンパウダーの球形度(S’)
同じく、ポリオレフィンパウダーを偏光顕微鏡(OLYMPUS社製BHS−751P)にて40倍で撮影したものを画像処理した。画像処理は1画素を10.4μm×10.4μmとし,約300個について解析したこと以外はマグネシウム化合物と同様に行い、前記(2)式と同様にして算出した。
(6)ポリオレフィンパウダーの嵩密度
嵩密度はJISK6721に準拠して測定した。
〔実施例1〕
(1)マグネシウム化合物の調製
窒素で置換した内容積0.5dm3 の攪拌器付三つ口フラスコに脱水処理したエタノール122g(2.64グラム原子)、沃素0.8g(6.3ミリグラム原子)及び金属マグネシウム8g(0.33グラム原子)を投入し、系内から水素が発生しなくなるまで40℃にて攪拌(5.83s-1、350rpm)反応させ、マグネシウム化合物を得た。
(2)固体触媒成分の調製
窒素で置換した内容積0.5dm3 の攪拌器付三つ口フラスコに前記(1)で得たマグネシウム化合物16g、脱水処理したオクタンを0.080dm3 加えた。40℃に加熱して四塩化ケイ素0.0024dm3 (23ミリモル)を加え、20分間攪拌し、フタル酸ジノルマルブチル0.0035dm3 (13ミリモル)加えた。溶液を80℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを滴下ロートにより0.062dm3 (0.56モル)滴下した。内温を125℃とし2時間攪拌し担持操作とした。その後脱水オクタンを用いて十分洗浄を行った。さらに四塩化チタンを0.107dm3 (0.98モル)加え、内温を125℃とし2時間攪拌し2回目の担持操作とした。その後脱水オクタンを用いて十分洗浄を行い固体触媒成分を得た。
(3)プロピレンスラリー重合
内容積1dm3 の攪拌機付ステンレス製オートクレーブを十分乾燥し、窒素置換の後、内部に脱水処理したヘプタン0.4dm3 を加えた。さらにトリエチルアルミニウム2.0ミリモル、続いてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)0.25ミリモルを加え、(2)で調製した固体触媒成分をTi当たりで0.0025ミリモル加え、水素0.1MPa導入し、続いてプロピレンを導入した。全圧を0.8MPaとし、温度80℃で1時間、重合を実施した。その後降温、脱圧し内容物を取り出し、2dm3 のメタノールに投入の後、真空乾燥しポリプロピレンを得た。結果を第1表及び第2表に示す。
〔比較例1〕
(1)マグネシウム化合物の調製
反応温度を約78℃(還流状態)としたこと以外は実施例1と同様に行った。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。担体の粒径分布指数(P)は4.0を超え、得られたポリマーの嵩密度は310(kg/m3 )と低かった。
〔実施例2〕
(1)マグネシウム化合物の調製
反応温度を50℃としたこと以外は実施例1と同様に行った。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。
〔実施例3〕
(1)マグネシウム化合物の調製
使用する沃素量を0.24g(1.9ミリグラム原子)、攪拌数を8.75s-1(525rpm)としたこと以外は実施例2と同様に行った。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。
〔比較例2〕
(1)マグネシウム化合物の調製
反応温度を78℃(還流状態)としたこと以外は実施例3と同様に行なった。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。担体の粒径分布指数(P)は4.0を超え、得られたポリマーの嵩密度は310(kg/m3 )と低かった。
〔実施例4〕
(1)マグネシウム化合物の調製
ハロゲン化合物にMgCl2 (0.3g、Cl当たり6.3ミリグラム原子)を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。
〔比較例3〕
(1)マグネシウム化合物の調製
反応温度を78℃(還流状態)としたこと以外は実施例4と同様に行なった。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。担体の粒径分布指数(P)は4.0を超え、得られたポリマーの嵩密度は330(kg/m3 )と低かった。
〔実施例5〕
(1)マグネシウム化合物の調製
反応温度を60℃としたこと以外は実施例1と同様に行った。
(2)固体触媒成分の調製
前記のマグネシウム化合物を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
前記の固体触媒成分を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。
〔実施例6〕
(1)マグネシウム化合物の調製
実施例1と同様に行った。
(2)固体触媒成分の調製
実施例1と同様に行った。
(3)プロピレンスラリー重合
シラン化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)の代わりにシクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン(CHIBDMS)を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表及び第2表に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、立体規則性・重合活性等の性能を損なう事なく、嵩密度が高くかつ粒径分布も狭いオレフィン重合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明のオレフィンの重合における一態様を表すフローチャートである。
Claims (7)
- 金属マグネシウム、アルコール、並びにハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を、マグネシウム1グラム原子に対してハロゲン原子が0.0001グラム原子以上となる量比で、30〜60℃にて反応させることを特徴とするマグネシウム化合物の製造方法。
- ハロゲンが沃素である請求項1記載のマグネシウム化合物の製造方法。
- ハロゲン含有化合物が塩化マグネシウムである請求項1記載のマグネシウム化合物の製造方法。
- 下記式(1)で表わされる粒径分布指数(P)がP<4.0である請求項1〜3のいずれかに記載のマグネシウム化合物の製造方法。
P=(D90/D10) ・・・・・(1)
(D90は炭化水素中に懸濁した状態において光透過法により求められるマグネシウム化合物の粒径分布における累積重量分率が90%に対応する粒子径を、D10は累積重量分率が10%に対応する粒子径を示す。) - (A)(a)請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたマグネシウム化合物と(b)下記一般式(I) で表わされるチタン化合物を接触させて得られる固体触媒成分と(B)有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合触媒。
Ti(OR)nX4-n・・・・・(I)
(式中、Xはハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。) - (A)(a)請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたマグネシウム化合物、(b)下記一般式(I) で表わされるチタン化合物及び(c)電子供与性化合物を接触させて得られる固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物及び(C)第三成分としての電子供与性化合物からなるオレフィン重合触媒。
Ti(OR)nX4-n・・・・・(I)
(式中、Xはハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。) - 請求項5または6記載のオレフィン重合触媒の存在下、オレフィンを重合させるオレフィン重合体の製造方法。
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