JP3922691B2 - 快削鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、快削鋼に関し、特に切削するときの工具寿命に優れた快削元素無添加でAlN添加の快削鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の快削鋼の多くは、鋼中の介在物による被削性向上を図っており、低切削速度域では、MnS、Pb、高切削速度域では、Ca系複合酸化物が主体で実用化されているが、MnSと同系統では、MnSe、MnTeが用いられ、Pbと同系統では、Biも用いられている。Ca系複合酸化物は、切削工具面上に付着して、工具と被削材との直接接触を防ぎ、工具の摩耗を抑制する。
【0003】
近年、地球環境問題からPbの不使用の動きがあり、また、能率向上のため、高速切削化が検討されるようになり、BN快削鋼や黒鉛快削鋼などのような新しい成分組成の快削鋼も開発されている。
【0004】
これらの従来快削鋼は、特開平3−64429号(従来技術1)、特開昭60−174854号(従来技術2)、特開昭61−291955号(従来技術3)、特開平1−319651号(従来技術4)、特開平7−316732号(従来技術5)などに開示されている。また、本発明者等も既に、特開2000−26935(従来技術6)、特開2001−342539(従来技術7)として提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1〜7は、以下のような課題があった。
【0006】
従来技術1は、工具鋼の切削時に切削速度150m/minでの効果を示しているものの、Alの規定がない。
【0007】
従来技術2は、Al:0.05〜0.50%を含有するものの、Zrの硫化物に対する接種作用を増大させ、硫化物を微細にすることにより被削性を向上させるためにAlを利用しているものであり、快削元素であるZrを必須とするものである。
【0008】
従来技術3は、Alを2.0%以下含有するものの、結晶組織の改善、熱処理特性の改善のためにAlを利用しているものであり、快削元素であるS、Teを必須とするものである。
【0009】
従来技術4は、Al:0.001〜0.100%を含有するものの、鋼中の酸素を固定し、BNの析出を促進させるためにAlを利用しているものであり、快削元素であるBNを必須とするものである。
【0010】
従来技術5は、Al:0.01〜0.1%を含有するものの、鋼中でAlNとなり、黒鉛の核生成サイトとしてAlを利用しているものであり、快削元素である黒鉛を必須とするものである。
【0011】
従来技術6は、Al、Nが含有されているが、同時にBも含有しており、鋼中に存在するのはBNである。
【0012】
従来技術7は、Alを含有しているが、酸化物や窒化物でないフリーのAlが有効であることを示したものである。
【0013】
この発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、工具寿命に優れた快削元素無添加でAl、N添加の快削鋼を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を達成するため、鋭意検討を行い、以下のような従来にない新知見を得た。
(1)快削元素の含有されていない場合、鋼中に析出したAlNが潤滑効果を示して工具寿命が向上する。
(2)快削元素(S、Pb、Ca等)を含有するとAlNの効果が現れない。
(3)AlとN含有量に最適範囲があることと、Al/Nにも最適範囲がある。
【0015】
この発明は、上記知見に基づきなされたものであり、下記を特徴とするものである。
【0016】
請求項1記載の発明は、C:0.01〜1.2%、Si:0.03〜1.5%、Mn:0.3〜2.0%、S:0.001〜0.040%、Al:0.052〜0.20%、N:0.0080〜0.0250%(以上、mass%)を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、且つ、下記条件Al/N:2.0〜15.0を満足し、快削元素を含まないことに特徴を有するものであり、請求項2記載の発明は、前記快削元素を含まないこととは、S:0.04%未満、Ca:0.001%以下、Pb:0.03%以下、黒鉛:0.002%以下、B:0.005%以下、Te:0.01%以下、Se:0.01%以下、Zr:0.02%以下、Ti:0.03%以下(以上、mass%)であることに特徴を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明における数値の限定理由について説明する。
【0018】
Al
Alは、鋼の脱酸に必要であり、且つ鋼中にAlNを析出させ、切削中の潤滑作用を有効にするのに必要な元素である。しかしながら、0.052mass%未満の含有量では効果がなく、一方、0.20mass%を超えると添加効果が飽和するため、0.052〜0.20mass%の範囲内とする。
【0019】
N
Nは、鋼中Alと結合してAlNとなる。AlNが多量に生成すると、被削性が向上するが、0.0080mass%未満の含有量では効果がなく、0.0250mass%を超えると添加効果が飽和するため、0.0080〜0.0250mass%の範囲内とする。
【0020】
Al/N
Al/Nは、鋼中に有効に(特に圧延ままでも)AlNを析出させるのに2.0以上が必要である。しかしながら、15.0を超えても効果が飽和するため、2.0〜15.0の範囲内とする。好ましい範囲は、2.5〜10.0である。
【0021】
S
Sは、鋼中でMnSとなり、被削性向上に有効である。しかしながら、MnSが多く存在すると、AlNの効果が消失してしまう。その含有量については、0.001mass%未満では、製造上コスト高になり、0.040mass%を超えるとAlNの効果がなくなるため、0.001〜0.040mass%の範囲内とする。
【0022】
快削元素を添加すると、AlNが有効でなくなるため、この発明においては、快削元素を無添加とする。
【0023】
この発明において快削元素とは、S、Ca、Pb、黒鉛、BN、Te、Se、Zr、Ti等、従来より、快削鋼に用いられている元素をいい、添加量がS:0.04%未満、Ca:0.001%以下、Pb:0.03%以下、黒鉛:0.002%以下、B:0.005%以下、Te:0.01%以下、Se:0.01%以下、Zr:0.02%以下、Ti:0.03%(何れもmass%)以下を無添加とする。
【0024】
なお、この発明は、鋼の成分組成として、上述したAl、N、S、Al/Nおよび快削元素に関する規定を満足すればよく、冷間鍛造用鋼材、機械構造用炭素鋼および低合金鋼、工具鋼、軸受鋼、ステンレス鋼等でその効果が得られる。これら鋼には、C:0.01〜1.2%、Si:0.03〜1.5%、Mn:0.3〜2.0%(何れもmass%)が含有されると望ましい効果が得られる。
【0025】
以下に、これらの成分限定理由について説明する。
【0026】
C
Cは、強度を確保するため、0.01%以上添加する。一方、1.2%を超えると靭性が劣化するため、0.01〜1.2%添加する。
【0027】
Si
Siは、脱酸剤として0.03%以上添加する。一方、1.5%を超えるとフェライトが硬化して靭性が劣化するため、0.03〜1.5%添加する。
【0028】
Mn
Mnは、強度を確保するため、0.3%以上添加する。一方、2.0%を超えると靭性が劣化するため、0.3〜2.0%添加する。
【0029】
【実施例】
次に、この発明を実施例によりさらに説明する。
【0030】
表1に示す化学成分を有する鋼をそれぞれ真空溶解炉にて150kg溶製した。表1において、No.2〜6は、本発明鋼、No.7〜12は、比較鋼であり、No.7は、通常のS45C、No.8は、S量が本発明範囲より多い鋼、No.9は、Al量が本発明範囲より少ない鋼、No.10は、Nが本発明範囲より少ない鋼、No.11、12は、Al、Nは、本発明範囲内であるが、Al/Nが本発明範囲外である鋼である。
【0031】
【表1】
【0032】
次いで、それぞれ150kg鋼塊にした後、熱間鍛造(1200℃、70mm丸:旋削用、100mm角:フライス用)、焼ならし(850℃、2時間加熱後空冷)し、下記試験に供した。
【0033】
切削は、旋盤による乾式長手旋削とフライス盤による乾式断続切削を行った。条件は、表2の通りである。すなわち、逃げ面摩耗の測定を行い、V=100m/minでは、摩耗幅(VB)が0.05mmとなる時間(分)で、V=200m/minおよびV=300m/minでは、それぞれ摩耗幅(VB)が0.1mmとなる時間(分)で評価した。
【0034】
【表2】
【0035】
表3に結果を示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3から明らかなように、本発明鋼No.2〜6は、比較鋼No.7〜12に比べて、旋削(連続切削)、フライス加工(断続切削)とも工具寿命に優れていることが分かった。特に、フライス加工による断続高速切削ほど効果が著しいことが分かった。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、切削時の工具寿命に優れた快削鋼が得られ、切削時の能率が向上し、また、快削元素としてのPb無添加であるので、地球環境問題にも配慮しており、産業上きわめて有用である。
Claims (2)
- C :0.01〜1.2%、
Si:0.03〜1.5%、
Mn:0.3〜2.0%、
S :0.001〜0.040%、
Al:0.052〜0.20%、
N :0.0080〜0.0250%(以上、mass%)
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、且つ、下記条件Al/N:2.0〜15.0を満足し、快削元素を含まないことを特徴とする快削鋼。 - 前記快削元素を含まないこととは、
S :0.04%未満、
Ca:0.001%以下、
Pb:0.03%以下、
黒鉛:0.002%以下、
B :0.005%以下、
Te:0.01%以下、
Se:0.01%以下、
Zr:0.02%以下、
Ti:0.03%以下(以上、mass%)
であることを特徴とする、請求項1記載の快削鋼。
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