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JP3918218B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置製造方法に係り、特にMIS(Metal InsulatorSemiconductor)トランジスタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今の素子の微細化、高速化に伴い、寄生抵抗を低減する手段として自己整合的に高融点金属シリサイドを形成するサリサイド(Self Aligned Silicide )技術が広く提案され、既に製品化されている。また、素子の低消費電力化の要求から、N型及びP型ゲート電極を同時に有するデュアルゲート(Dual Gate )構造が必要になってきている。
【0003】
以下、従来のサリサイド技術を用いたデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を、図35〜図39の工程断面図を用いて説明する。
先ず、素子分離領域のSi(シリコン)基板51上に素子分離用酸化膜52を形成した後、この素子分離用酸化膜52によって分離された素子領域のうち、NMOSトランジスタを形成する領域(以下、「NMOS領域」という)のSi基板51表面にはP型ウェル(well)53を形成し、またPMOSトランジスタを形成する領域(以下、「PMOS領域」という)のSi基板51表面にはN型ウェル54を形成する。続いて、P型ウェル53及びN型ウェル54上に、それぞれゲート酸化膜55を介して多結晶シリコン膜からなるゲート電極56を形成する(図35参照)。
【0004】
次いで、PMOS領域をレジスト(図示せず)でカバーした後、このレジスト、素子分離用酸化膜52、及びNMOS領域のゲート電極56をマスクとして、NMOS領域のP型ウェル53表面にN型不純物イオンを選択的にイオン注入し、LDD(Lightly Doped Drain )構造をなす低濃度のN- 不純物領域(図示せず)を形成する。同様にして、PMOS領域のN型ウェル54表面にP型不純物イオンを選択的にイオン注入し、LDD構造をなす低濃度のP- 不純物領域(図示せず)を形成する。その後、NMOS領域及びPMOS領域のゲート電極56の各側面に絶縁膜からなるゲートサイドウォール57を形成し、更に基体全面に犠牲酸化膜としてのシリコン酸化膜58を堆積する。
【0005】
続いて、PMOS領域をレジスト59でカバーした後、このレジスト59、素子分離用酸化膜52、NMOS領域のゲート電極56、及びこのゲート電極56側面のゲートサイドウォール57をマスクとして、NMOS領域のP型ウェル53表面にN型不純物イオンとして例えばAs+ (砒素イオン)を選択的にイオン注入する。こうして、N- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のN+ 不純物領域60a、60bを形成する。このとき、NMOS領域のゲート電極56にもAs+ がイオン注入されるため、このゲート電極56はN型ゲート電極56aとなる(図36参照)。
【0006】
次いで、レジスト59を除去し、NMOS領域をレジスト61でカバーした後、このレジスト61、素子分離用酸化膜52、PMOS領域のゲート電極56、及びこのゲート電極56側面のゲートサイドウォール57をマスクとして、PMOS領域のN型ウェル54表面にP型不純物イオンとして例えばBF2 + (弗化硼素イオン)を選択的にイオン注入する。こうして、P- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のP+ 不純物領域62a、62bを形成する。このとき、PMOS領域のゲート電極56にもBF2 + がイオン注入されるため、ゲート電極56bはP型ゲート電極56bとなる(図37参照)。
【0007】
次いで、レジスト61を除去した後、熱処理を行い、N- 不純物領域及びN+不純物領域60a、60b、P- 不純物領域及びP+ 不純物領域62a、62b、並びにN型及びP型ゲート電極56a、56b中に注入された不純物イオンを活性化する。
続いて、シリコン酸化膜58を除去した後、基体全面に高融点金属膜として例えばTi(チタン)膜63を成膜する(図38参照)。
【0008】
次いで、2ステップアニール法を用いて、N+ 不純物領域60a、60b及びP+ 不純物領域62a、62b並びにN型及びP型ゲート電極56a、56b上に蒸着したTi膜63のシリサイド化を行う。
即ち、l回目の熱処理により、N+ 不純物領域60a、60b及びP+ 不純物領域62a、62b上のTi膜63のシリサイド化して、C49相のTiSi2(チタンシリサイド)膜63aを形成する。同時に、N型及びP型ゲート電極56a、56b上のTi膜63のシリサイド化してC49相のTiSi2 膜63bを形成する。このとき、素子分離用酸化膜52やゲートサイドウォール57の上のTi膜63はその下地膜と反応しないままTi膜63として残るが、この未反応のTi膜63はアンモニア過水等を用いて選択的に除去する。そして2回目の熱処理により、C49相のTiSi2 膜63a、63bを相対的に低抵抗のC54相のTiSi2 膜63a、63bに相転移させる。こうして、N+ 不純物領域60a、60b及びP+ 不純物領域62a、62b上にC54相のTiSi2 膜63aを、N型及びP型ゲート電極56a、56b上にC54相のTiSi2 膜63bを、それぞれ自己整合的に形成する。
【0009】
次いで、基体全面に層間絶縁膜64を形成する。その後、この層間絶縁膜64に、N+ 不純物領域60a、60b及びP+ 不純物領域62a、62b上のTiSi2 膜63a並びにN型及びP型ゲート電極56a、56b上のTiSi2 膜63bに達する接続孔を開口する。続いて、これらの接続孔内を例えばW(タングステン)プラグ65で埋め、更にこれらのWプラグ65に接続する配線層66をそれぞれ形成した後、基体全面に表面保護膜67を形成する(図39参照)。こうして、デュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを作製する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサリサイド技術を用いてデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造した場合、幾つかの問題が生じる。
例えば、素子の微細化に伴い、ソース/ドレインを構成するN+ 不純物領域60a、60bの幅が狭くなると、TiSi2 膜63aを含めたN+ 不純物領域60a、60bのシート抵抗が高くなる。即ち、N+ 不純物領域60a、60b上に形成したTiSi2 膜63aのシート抵抗の線幅依存性、いわゆる細線効果が生じるという問題がある。
【0011】
なお、この細線効果を抑制するため、N+ 不純物領域60a、60b、P+ 不純物領域62a、62b、並びにN型及びP型ゲート電極56a、56bの表面に非晶質層を形成してシリサイド化反応を促進し、且つシリサイド化するための2段階の熱処理の中間に更に熱処理を追加することが提案されている(特開平5−291180号参照)。しかし、この場合、追加の熱処理によってTiSi2膜63a、63bがN+ 不純物領域60a、60b及びP+ 不純物領域62a、62b並びにN型及びP型ゲート電極56a、56b上から素子分離用酸化膜52やゲートサイドウォール57上にまではみ出して成長し、N+ 不純物領域60a、60b上のTiSi2 膜63aとN型ゲート電極56a上のTiSi2 膜63bとが短絡し、またP+ 不純物領域62a、62b上のTiSi2 膜63aとP型ゲート電極56b上のTiSi2 膜63bとが短絡するおそれが生じ、トランジスタ特性を劣化させるという問題がある。
【0012】
また、NMOS領域のP型ウェル53表面にN型不純物イオンとしてのAs+をイオン注入してソース/ドレインを構成するN+ 不純物領域60a、60bを形成する際、このAs+ の飛程はBF2 + の飛程よりも小さく、またN型不純物としてのAs(砒素)はP型不純物としてのB(硼素)よりもその拡散係数が小さいことから、N+ 不純物領域60a、60bの接合深さは浅くなる。このため、N+ 不純物領域60a、60b上にTiSi2 膜63aを形成する際にアロイスパイクが発生し易く、N+ 不純物領域60a、60bでの接合リークが生じ易くて、信頼性が低下するという問題がある。
【0013】
また、接合深さの浅いN+ 不純物領域60a、60bはその表面の不純物濃度を低くすることが困難であり、更にシリコン酸化膜58を通してAs+ をイオン注入することによるノックオン効果によってO(酸素)原子がSi基板50中に混入する。このため、N+ 不純物領域60a、60b上に蒸着したTi膜63のシリサイド化反応が抑制されて、そのシート抵抗を十分に低くすることが困難になり、トランジスタ特性が劣化するという問題がある。
【0014】
そこで本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、サリサイド技術を用いたデュアルゲート構造の半導体装置における細線効果を抑制すると共に、トランジスタ特性の劣化及び信頼性の低下を防止することができる半導体装置製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、特願平8−75217号の「半導体装置の製造方法」を既に提案している。特願平8−75217号においては、ソース/ドレインを構成するN+ 不純物領域及びP+ 不純物領域、並びにN型及びP型ゲート電極の表面にイオン注入を行って非晶質層を形成する際に、これらの表面から犠牲酸化膜及び自然酸化膜を除去した状態でイオン注入を行うこととしている。
【0016】
このことにより、ノックオンされたO原子によってシリサイド化反応が抑制されることを防止することができると共に、十分な厚さの非晶質層を形成してシリサイド化反応を促進し、N+ 不純物領域及びP+ 不純物領域における細線効果を抑制することができる。また、シリサイド化するための2ステップアニール法の2段階の熱処理の中間に追加する熱処理が不要となるため、この追加の熱処理によるTiSi2 膜のはみ出し成長による短絡のおそれがなくなり、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
【0017】
このようにして、Si基板表面のN+ 不純物領域及びP+ 不純物領域上にTiSi2 膜を自己整合的形成する場合に、十分に低抵抗なTiSi2 膜を得ることができ、細線効果を抑制することができるようになった。
【0018】
しかし、本発明者のその後の実験によれば、ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜、特にAs+ を高濃度にイオン注入したN型ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜は、そのゲート幅が0.3μm以下の細線領域においては、そのシート抵抗が高くなる傾向を示す線幅依存性を発見した。従って、ゲート電極、特にN型ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果をいかに抑制するかという新たな課題が生じた。
【0019】
この新たな課題について種々に検討した結果、本発明者は、ゲート電極の材質として、従来の多結晶シリコン膜の代わりに非晶質シリコン膜を用いることを想到した。そして従来の製造方法において、多結晶シリコン膜の代わりに非晶質シリコン膜を用い、この非晶質シリコン膜からなるゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を形成したところ、十分に低抵抗な高融点金属シリサイド膜を得ることができ、その細線効果が抑制されることを確認した。
【0020】
しかし、この非晶質シリコン膜からなるゲート電極の場合には、細線効果を抑制することができる代わりに、いわゆるゲート電極の空乏化が顕著に生じることが明らかになった。即ち、所定の印加電圧VCCにおけるゲート容量Cの量子力学的効果(Quantumn Mechanical Effect)を考慮したゲート酸化膜容量COXに対する比C/COXをとると、従来の多結晶シリコン膜からなるゲート電極の場合は90%以上であったものが、非晶質シリコン膜からなるゲート電極の場合は90%以下になった。そしてこの傾向は、P型ゲート電極よりもN型ゲート電極において顕著であった。
【0021】
こうしたゲート電極の空乏化、特に顕著なN型ゲート電極の空乏化の原因は、次のように考えられる。即ち、ゲート電極に例えばAs+ をイオン注入する際、このAs+ の飛程は相対的に小さく、またAsの拡散係数も相対的に小さいため、Asがゲート電極全体に十分に拡散しないこと、そして多結晶シリコン膜の場合はAs+ が結晶のグレインに沿って深くまで注入されるが、非晶質シリコン膜の場合はAs+ が多結晶シリコンに比べて浅い領域にしか注入されないため、ゲート電極の表面近傍だけが所望の高濃度のN型領域になっていること等により、N型ゲート電極の空乏化が顕著に生じると考えられる。
【0022】
こうしたゲート電極の空乏化を抑制する手段として、ゲート電極にP型及びN型不純物イオンを注入した後、その活性化のための熱処理を高温化、長時間化して、不純物の拡散を十分に行うことが考えられる。しかし、この場合は、特にP型不純物として拡散係数が大きいBを用いるPMOSトランジスタにおいて、不純物拡散によるパンチスルー(punch through )によりトランジスタ特性が劣化するという問題が生じる。
【0023】
また、ゲート電極の空乏化を抑制する他の手段として、ゲート電極の厚さを薄くすることが考えられる。しかし、この場合、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を形成する際に、この高融点金属シリサイド膜の部分的な過成長(突き抜け)により、ゲート酸化膜の耐圧が劣化するという問題が生じる。このゲート酸化膜の耐圧劣化を抑制するためには、ゲート電極の厚さとして150nm以上が必要であるが、この厚さではゲート電極の空乏化が顕著になり、トランジスタ特性の劣化が避けられないという問題がある。
【0024】
以上のように、ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制するために、ゲート電極の材質として従来の多結晶シリコン膜の代わりに非晶質シリコン膜を用いるとしても、従来の製造方法をそのまま使用したのではゲート電極の空乏化等の新たな問題が生じる。
【0025】
従って、本発明者は、ゲート電極の材質として従来の多結晶シリコン膜の代わりに非晶質シリコン膜を用いる場合に、ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果の抑制に加えて、ゲート電極の空乏化を抑制すると共に、ゲート耐圧を確保し、トランジスタ特性の劣化を防止することが可能な製造方法を検討した。また、細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜とゲート電極の空乏化を抑制することが可能な多結晶シリコン膜との互いの長所を活用することが可能な複合的なゲート電極構造を検討した。そして、こうした検討の結果として、本発明者は、以下の本発明に係る半導体装置製造方法を想到した。
【0026
請求項に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成した後、前記多結晶シリコン膜に所定の不純物イオンを注入する工程と、前記多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成した後、これらの非晶質シリコン膜及び多結晶シリコン膜を所定の形状にパターニングして、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成する第1の工程と、半導体基板表面及びゲート電極に所定の不純物を添加して、不純物領域を形成すると共にゲート電極を導電化する第2の工程と、基体全面に高融点金属膜を堆積した後、熱処理により不純物領域上及びゲート電極上の高融点金属膜をシリサイド化すると共に未反応の高融点金属膜をエッチング除去して、不純物領域上及びゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する第3の工程とを具備することを特徴とする。
【0027
このように請求項に係る半導体装置の製造方法においては、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成することにより、不純物イオンが結晶のグレインに沿って深くまで注入されるという性質をもつ多結晶シリコン膜がゲート電極の下層を構成するため、ゲート電極全体に不純物が均一性よく拡散されて、ゲート電極の空乏化を抑制することができる。また、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する際に、ゲート電極の上層を構成する非晶質シリコン膜上に高融点金属膜が直接に堆積されて、熱処理によりシリサイド化されるため、このシリサイド化反応が促進されて十分な低抵抗化を実現することが可能となり、ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することができる。
【0028
このようにして、ゲート電極の空乏化を抑制することが可能な多結晶シリコン膜の長所と高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜の長所を活用することが可能になるため、ゲート電極上に形成した高融点金属シリサイド膜の細線効果及びゲート電極の空乏化を同時に抑制することができる。
また、ゲート電極の空乏化を抑制するためにゲート電極の厚さを必要以上に薄くすことがなくなるため、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を形成する際の高融点金属シリサイド膜の部分的な過成長(突き抜け)によるゲート酸化膜の耐圧劣化を防止することができる。更に、ゲート電極の空乏化を抑制するために不純物イオン活性化の際の高温、長時間の熱処理を行う必要がなくなるため、特にPMOSトランジスタにおける拡散係数の大きい不純物の拡散によるパンチスルーや短チャネル効果の発生を防止し、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
【0029
また、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成した後、この多結晶シリコン膜に所定の不純物イオンを注入する工程と、多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成した後、これらの非晶質シリコン膜及び多結晶シリコン膜を所定の形状にパターニングして、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成する工程とを具備する構成とすることから、2層膜構造のゲート電極に所定の不純物を添加する前に、不純物濃度が低くなる傾向にあるゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予め所定の不純物イオンを注入して、この下層の不純物濃度を高くすることが可能になるため、ゲート電極全体の不純物濃度が均一化されて、より効果的にゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0030
また、請求項に係る半導体装置の製造方法は、第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成した後、前記第1の素子領域における 前記多結晶シリコン膜に第1導電型の不純物イオンを選択的に注入する工程と、前記多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成した後、これらの非晶質シリコン膜及び多結晶シリコン膜を所定の形状にパターニングして、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなる第1及び第2のゲート電極をそれぞれ第1及び第2の素子領域に形成する第1の工程と、第1の素子領域の半導体基板表面及び第1のゲート電極に第1導電型の不純物イオンを選択的に注入し、第2の素子領域の半導体基板表面及び第2のゲート電極に第2導電型の不純物イオンを選択的に注入した後、熱処理により不純物イオンを活性化して、第1及び第2の素子領域にそれぞれ第1導電型及び第2導電型の不純物領域を形成すると共に、第1及び第2のゲート電極をそれぞれ第1導電型及び第2導電型のゲート電極にする第の工程と、基体全面に高融点金属膜を堆積した後、熱処理により第1導電型及び第2導電型の不純物領域上並びに第1導電型及び第2導電型のゲート電極上の高融点金属膜をシリサイド化すると共に、未反応の高融点金属膜をエッチング除去して、第1導電型及び第2導電型の不純物領域上並びに第1導電型及び第2導電型のゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する第の工程とを具備することを特徴とする。
【0031
このように請求項に係る半導体装置の製造方法においては、第1及び第2の素子領域に第1導電型及び第2導電型の不純物領域を形成すると共に、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなる第1導電型及び第2導電型のゲート電極を形成し、これら第1導電型及び第2導電型の不純物領域上並びに第1導電型及び第2導電型のゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することにより、N型及びP型ゲート電極を同時に有するいわゆるデュアルゲート構造であっても、ゲート電極の空乏化を抑制することが可能な多結晶シリコン膜の長所と高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜の長所を活用して、ゲート電極上に形成した高融点金属シリサイド膜の細線効果及びゲート電極の空乏化を同時に抑制することが可能になるため、デュアルゲート構造の素子の微細化、高速化に寄与することができる。
【0032
また、第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成した後、第1の素子領域における多結晶シリコン膜に第1導電型の不純物イオンを選択的に注入する工程と、多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成した後、これらの非晶質シリコン膜及び多結晶シリコン膜を所定の形状にパターニングして、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなる第1及び第2のゲート電極をそれぞれ前記第1及び第2の素子領域に形成する工程とを具備する構成とすることにより、第1の素子領域における2層膜構造の第1のゲート電極に第1導電型の不純物を添加する前に、不純物濃度が低くなる傾向にある第1のゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予め第1導電型の不純物イオンを選択的に注入して、この下層の不純物濃度を高くすることが可能になるため、より効果的に第1導電型のゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0033
また、請求項に係る半導体装置の製造方法は、上記請求項8に係る半導体装置の製造方法において、第1の素子領域における多結晶シリコン膜に選択的に注入する第1導電型の不純物イオンがN型不純物イオンである構成とすることにより、特にゲート電極の空乏化が顕著に生じる傾向にあるN型ゲート電極の下層の不純物濃度を高くして、より効果的にN型ゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0034
また、請求項に係る半導体装置の製造方法は、上記請求項に係る半導体装置の製造方法において、第1の素子領域における多結晶シリコン膜にN型不純物イオンを選択的に注入する工程の後、第2の素子領域における多結晶シリコン膜にP型不純物イオンを選択的に注入する工程を具備する構成とすることにより、N型ゲート電極の下層の不純物濃度のみならず、P型ゲート電極の下層の不純物濃度をも高くして、より効果的にN型及びP型双方のゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0035
また、請求項に係る半導体装置の製造方法は、第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して非晶質シリコン膜を堆積した後、この非晶質シリコン膜を所定の形状にパターニングして、非晶質シリコン膜からなる第1及び第2のゲート電極を形成する第1の工程と、第1の素子領域の半導体基板表面及び第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入した後、N型不純物イオンを活性化する熱処理条件の気相成長法により基体全面に絶縁膜を形成し、同時に前記第1の素子領域の半導体基板表面にN型不純物領域を形成すると共に、第1のゲート電極をN型ゲート電極にする第2の工程と、前記絶縁膜を通して第2の素子領域の前記半導体基板表面及び第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入した後、所定の熱処理によりP型不純物イオンを活性化して、第2の素子領域の半導体基板表面にP型不純物領域を形成すると共に、第2のゲート電極をP型ゲート電極にする第3の工程と、前記絶縁膜を除去してから基体全面に高融点金属膜を堆積した後、熱処理によりN型及びP型不純物領域上並びにN型及びP型ゲート電極上の高融点金属膜をシリサイド化すると共に、未反応の高融点金属膜をエッチング除去して、N型及びP型不純物領域上並びにN型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する第4の工程とを具備することを特徴とする。
【0036
このように請求項に係る半導体装置の製造方法においては、非晶質シリコン膜からなるN型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成していることにより、これらN型及びP型ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することができる。
【0037
また、第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入し、このN型不純物イオンを活性化するための第1の熱処理を行った後に、第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入し、このP型不純物イオンを活性化するための第2の熱処理を行うことにより、第1の熱処理の際には未だ第2のゲート電極にP型不純物は添加されていないため、イオン注入する際のN型不純物イオンの飛程が相対的に小さく、またN型不純物の拡散係数が相対的に小さくとも、拡散係数が大きいP型不純物の拡散によるパンチスルーや短チャネル効果の発生等によりPMOSトランジスタ特性の劣化を招くことなく、非晶質シリコン膜からなる第1のゲート電極全体にN型不純物を十分に拡散することが可能になるため、特に顕著に生じる傾向にあるN型ゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0038
このようにして、N型ゲート電極の導電化をP型ゲート電極の導電化よりも先行させることによってN型ゲート電極の空乏化の抑制を可能にすると共に、ゲート電極上に形成した高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜を長所を活用することにより、デュアルゲート構造であっても、N型ゲート電極の空乏化とゲート電極上に形成した高融点金属シリサイド膜の細線効果とを同時に抑制することができる。更に、ゲート電極の空乏化を抑制するためにゲート電極の厚さを薄くする必要がなくなるため、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を形成する際の高融点金属シリサイド膜の部分的な過成長(突き抜け)によるゲート酸化膜の耐圧劣化を防止し、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
【0039
また、非晶質シリコン膜からなるN型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成していること、及び非晶質シリコン膜からなる第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入した後に絶縁膜を形成しているが、この絶縁膜を形成する際の熱処理条件がN型不純物イオンを活性化するに足りる条件であることにより、N型及びP型ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制し、N型ゲート電極の空乏化を抑制し、ゲート酸化膜の耐圧劣化によるトランジスタ特性の劣化を防止することができる。
また、第1のゲート電極へのN型不純物イオンの注入後に形成した絶縁膜は、第2の素子領域の半導体基板表面及び第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入する際のスクリーン酸化膜となるため、拡散係数が大きいP型不純物であっても、第2の素子領域の半導体基板表面に形成するP型不純物領域の接合深さを容易に浅くすることが可能になり、PMOSトランジスタ特性を向上させることができる。
【0040
なお、本発明に関連する先行技術として、特開平3−209834号の「MIS型半導体装置の製造方法」及び特開平7−37992号の「半導体装置の製造方法」がある。以下、本発明との本質的な差異について述べておく。
【0041
特開平3−209834号の「MIS型半導体装置の製造方法」においては、その請求項1に「露出した多結晶シリコン表面にチタンシリサイドを自己整合的に形成する半導体装置の製造方法において、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成する工程と、……多結晶シリコン膜に不純物イオンを注入することにより該多結晶シリコン膜の表面近傍をアモルファス化する工程と、該多結晶シリコン膜をフォトリソ技術とエッチング技術によりゲート電極および配線に加工する工程と、……半導体基板全面にチタン金属膜を形成する工程と、該チタン金属膜を形成した半導体基板を加熱処理することにより露出したシリコン表面および前記ゲート電極上のチタンをチタンシリサイドに変化させる工程と、該チタンシリサイド以外のチタン化合物及びチタン金属を選択的に除去する工程からなることを特徴とするMIS型半導体装置の製造方法」とある。
【0042
特開平3−209834号に係る製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成した多結晶シリコン膜に不純物イオンを注入してその表面近傍をアモルファス化し、この表面近傍をアモルファス化した多結晶シリコン膜をゲート電極に加工し、このゲート電極上にチタン金属膜を形成し、加熱処理によりゲート電極表面のアモルファス化したシリコン層を全てチタンシリサイド化して、ゲート電極上にチタンシリサイドを自己整合的に形成するものである。
【0043
従って、本発明の請求項に係る半導体装置の製造方法、即ち、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成し、このゲート電極上に高融点金属膜を堆積し、熱処理によりゲート電極上の高融点金属膜をシリサイド化して、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法は、特開平3−209834号の製造方法と本質的に異なる。
【0044
同様に、本発明の請求項に係る半導体装置の製造方法、即ち、第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して非晶質シリコン膜からなる第1及び第2のゲート電極を形成し、第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入した後、第1の熱処理によりN型不純物イオンを活性化して第1のゲート電極をN型ゲート電極にし、続いて、第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入した後、第2の熱処理によりP型不純物イオンを活性化して第2のゲート電極をP型ゲート電極し、これらのN型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法も、特開平3−209834号の製造方法と本質的に異なる。
【0045
特開平7−37992号に係る製造方法は、ゲート絶縁膜が形成された半導体基板上にアモルファスシリコン層を形成した後、このアモルファスシリコン層を熱処理によって多結晶シリコン層にし、この多結晶シリコン層に金属シリサイド層を形成し、この金属シリサイド層および多結晶シリコン層をパターニングしてゲート電極を形成する形成するものである。
従って、本発明の請求項に係る半導体装置の製造方法、即ち、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成し、このゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法は、特開平7−37992号の製造方法と本質的に異なる。
【0046
同様に、本発明の請求項に係る半導体装置の製造方法、即ち、第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して非晶質シリコン膜からなる第1及び第2のゲート電極を形成し、第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入した後、第1の熱処理によりN型不純物イオンを活性化して第1のゲート電極をN型ゲート電極にし、続いて、第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入した後、第2の熱処理によりP型不純物イオンを活性化して第2のゲート電極をP型ゲート電極し、これらのN型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法も、特開平7−37992号の製造方法と本質的に異なる。
【0047
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施の形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタ及びその製造方法を、図1〜図14を用いて説明する。ここで、図1は本実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを示す断面図であり、図2〜図12はそれぞれ図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図であり、図13は図1のC−MOSトランジスタのゲート電極の幅とシート抵抗との関係を示すグラフであり、図14は本実施形態の比較例の不純物領域及びゲート電極の幅とシート抵抗との関係を示すグラフである。
【0048
図1に示すように、素子分離領域のSi基板11上には、素子分離用酸化膜12が形成されており、この素子分離用酸化膜12によって素子領域が分離されている。なお、この素子分離用酸化膜12の代わりに、トレンチ法を用いて形成した素子分離用溝によって素子領域を分離してもよい。
また、これらの素子領域のうち、NMOS領域のSi基板11表面にはP型ウェル13が形成され、PMOS領域のSi基板11表面にはN型ウェル14が形成されている。更に、MOSトランジスタのソース/ドレイン間のパンチスルーの抑制を目的とした埋め込み層(図示せず)も形成されている。
【0049
また、NMOS領域のP型ウェル13表面には、N型不純物として例えばAsが添加された高濃度のN+ 不純物領域15a、15bが相対して形成され、これらN+ 不純物領域15a、15bに挟まれた領域がチャネル領域となっている。そして、これらN+ 不純物領域15a、15bに隣接して、そのチャネル領域側には、低濃度のN- 不純物領域(図示せず)が形成されている。こうして、N+不純物領域15a、15bとN- 不純物領域とが一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成している。
【0050
同様にして、PMOS領域のN型ウェル14表面には、P型不純物として例えばBが添加された高濃度のP+ 不純物領域16a、16b及び低濃度のP- 不純物領域(図示せず)が相対して形成され、これらP- 不純物領域に挟まれた領域がチャネル領域となっている。そしてP+ 不純物領域16a、16bとP- 不純物領域とが一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成している。
また、P型ウェル13表面のN- 不純物領域に挟まれたチャネル領域上には、厚さ5nm程度のゲート酸化膜17が形成されている。そしてこのゲート酸化膜17上には、N型不純物が添加されている例えば厚さ100〜150nm程度の多結晶シリコン膜18aと例えば厚さ20〜50nm程度の非晶質シリコン膜19aとが順に積層された2層膜構造からなるN型ゲート電極20aが形成されている。
【0051
同様にして、N型ウェル14表面のP- 不純物領域に挟まれたチャネル領域上には、厚さ5nm程度のゲート酸化膜17が形成され、このゲート酸化膜17上には、P型不純物が添加されている厚さ100〜150nm程度の多結晶シリコン膜18bと厚さ20〜50nm程度の非晶質シリコン膜19bとが順に積層された2層膜構造からなるP型ゲート電極20bが形成されている。
【0052
ここで、多結晶シリコン膜18a、18bの厚さ100〜150nm程度は、N型及びP型ゲ−ト電極20a、20bの空乏化を防止し、且つゲート耐圧の劣化を防止するのに必要な膜厚として設定されたものである。また、非晶質シリコン膜19a、19bの厚さ20〜50nm程度は、N型及びP型ゲ−ト電極20a、20b上に高融点金属シリサイド膜を形成する場合に、これらN型及びP型ゲ−ト電極20a、20b上の高融点金属シリサイド膜を低抵抗化するのに十分であり、且つN型ゲ−ト電極20aへのN型不純物のイオン注入を行う際に、下層の多結晶シリコン膜18aへの十分な飛程を得るのに必要な薄い膜厚として設定されたものである。
【0053
また、N型及びP型ゲート電極20a、20b側面には、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜からなるゲートサイドウォール21が形成されている。
【0054
また、ソース/ドレインを構成するN+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上には、C54相のTiSi2 膜22aが形成され、N型及びP型ゲート電極20a、20b上には、C54相のTiSi2 膜22bが形成されている。なお、これらのTiSi2 膜22a、22bの代わりに、例えばCo(コバルト)、Ni(ニッケル)、Pt(白金)等の高融点金属のシリサイド膜、即ちCoSi2 膜、NiSi2 膜、PtSi膜等を用いてもよい。
【0055
また、基体全面には層間絶縁膜23が形成されている。また、この層間絶縁膜23に開口された複数の接続孔内には、例えばWプラグ24がそれぞれに埋め込まれ、これらのWプラグ24は、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上のTiSi2 膜22a並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b上のTiSi2 膜22bにそれぞれ接続してい。また、これらのWプラグ24には配線層25が接続されている。そしてこうした全体が表面保護膜26によって覆われている。
【0056
次に、図1のデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を、図2〜図12を用いて説明する。
先ず、LOCOS(Local Oxidatin of Silicon )法を用いて、温度950℃の条件でウェット(wet )酸化を行い、素子分離領域のSi基板11上に素子分離用酸化膜12を形成する。なお、このLOCOS法を用いて素子分離用酸化膜12を形成する代わりに、トレンチ法を用いて素子分離用溝を形成して、素子分離を行ってもよい。
【0057
続いて、素子分離用酸化膜12によって分離された素子領域のうち、NMOS領域のSi基板11表面にはP型ウェル13を形成し、PMOS領域のSi基板11表面にはN型ウェル14を形成する。更に、MOSトランジスタのソース/ドレイン間のパンチスルーの抑制を目的とした埋め込み層(図示せず)の形成や、閾値電圧Vthの調整のためのイオンインプランテーション等を行う。
【0058
続いて、H2 /O2 ガスを用いるパイロジェニック(pyrogenic )酸化を例えば温度850℃の条件で行い、NMOS領域及びPMOS領域のP型ウェル13及びN型ウェル14上にそれぞれ厚さ5nm程度のゲート酸化膜17を形成する(図2参照)。
【0059
次いで、CVD(Chemical Vapor Deposition )法を用いて、基体全面に例えば厚さ100〜150nm程度の多結晶シリコン膜18を成膜する。このときの多結晶シリコン膜18の成膜条件は、例えば、
圧力:50〜400Pa
成膜温度:600〜650℃
SiH4 ガス流量:50〜2000sccm
とする(図3参照)。
次いで、上記多結晶シリコン膜に所定の不純物イオンを注入する。
→段落0033に記載された「多結晶シリコン膜を形成した後、この多結晶シリコン膜に所定の不純物イオンを注入する」を根拠としている。
【0060
次いで、この多結晶シリコン膜18上に、例えば厚さ20〜50nm程度の非晶質シリコン膜19を成膜する。このときの非晶質シリコン膜19の成膜条件は、例えば、
圧力:50〜400Pa
成膜温度:500〜600℃
SiH4 ガス流量:50〜2000sccm
とする(図4参照)。
【0061
次いで、リソグラフィ技術及びドライエッチング法を用いて、非晶質シリコン膜19及び多結晶シリコン膜18をゲート形状にパターニングする。こうして、NMOS領域及びPMOS領域のP型ウェル13及びN型ウェル14上に、それぞれゲート酸化膜17を介して順に積層された多結晶シリコン膜18及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20を形成する(図5参照)。
【0062
次いで、PMOS領域をレジスト(図示せず)でカバーした後、このレジスト、素子分離用酸化膜12、及びNMOS領域のゲート電極20をマスクとして、N型不純物イオンとして例えばAs+ をP型ウェル13表面に選択的にイオン注入し、LDD構造をなす低濃度のN- 不純物領域(図示せず)を形成する。同様にして、P型不純物イオンとして例えばBF2 + をN型ウェル14表面に選択的にイオン注入し、LDD構造をなす低濃度のP- 不純物領域(図示せず)を形成する。
【0063
続いて、例えばSiH4 /O2 ガス等を原料ガスとする常圧CVD法や、TEOS(tetaraethoxysilane;(C2 5 O)4 Si)を原料とするTEOS減圧CVD法や、SiH4 /NH3 ガス等を原料ガスとする常圧CVD法等を用い、基体全面にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜を堆積した後、この絶縁膜をドライエッチング法を用いて異方性エッチングする。こうして、NMOS領域及びPMOS領域のゲート電極20の各側面に、絶縁膜からなるゲートサイドウォール21を形成する(図6参照)。
【0064
次いで、PMOS領域をレジスト27でカバーした後、このレジスト27、素子分離用酸化膜12、NMOS領域のゲート電極20、及びこのゲート電極20側面のゲートサイドウォール21をマスクとして、N型不純物イオンとして例えばAs+ をP型ウェル13表面に選択的にイオン注入する。なお、このときのイオン注入の条件として、加速エネルギーを20〜80keV程度とし、ドーズ量を1×1015〜5×1015/cm2 程度とする。こうして、N- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のN+ 不純物領域15a、15bを形成する。
【0065
同時に、多結晶シリコン膜18及び非晶質シリコン膜19が積層されたNMOS領域のゲート電極20にもAs+ がイオン注入されるため、このNMOS領域のゲート電極20は、As+ がイオン注入された非晶質シリコン膜19a及び多結晶シリコン膜18aからなるN型ゲート電極20aとなる。このとき、上層の非晶質シリコン膜19の厚さは20〜50nm程度と極めて薄いため、ゲ−ト電極20にイオン注入したAs+ の飛程は下層の多結晶シリコン膜18にまで十分に達することができる。そして下層の多結晶シリコン膜18に達したAs+ は結晶のグレインに沿って深くまで注入されるため、N型ゲート電極20aの全体にわたってAs+ が均一性よく注入されることになる(図7参照)。
【0066
次いで、レジスト27を除去する。続いて、NMOS領域をレジスト28でカバーした後、このレジスト28、素子分離用酸化膜12、PMOS領域のゲート電極20、及びこのゲート電極20側面のゲートサイドウォール21をマスクとして、P型不純物イオンとして例えばBF2 + をN型ウェル14表面に選択的にイオン注入する。このときのイオン注入の条件は、加速エネルギーを20〜40keV程度とし、ドーズ量を1×1015〜5×1015/cm2 程度とする。こうして、P- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のP+ 不純物領域16a、16bを形成する。
同時に、多結晶シリコン膜18及び非晶質シリコン膜19が積層されたPMOS領域のゲート電極20にもBF2 + がイオン注入されるため、このPMOS領域のゲート電極20はBF2 + がイオン注入された非晶質シリコン膜19b及び多結晶シリコン膜18bからなるP型ゲート電極20bとなる(図8参照)。
【0067
次いで、レジスト28を除去した後、RTA(Rapid Thermal Annealing)法を用いて、例えば温度1000℃、処理時間30秒間の熱処理を行い、N- 不純物領域及びN+ 不純物領域15a、15b、P- 不純物領域及びP+ 不純物領域16a、16b、並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b中に注入された不純物イオンAs+ 、BF2 + を活性化する。
【0068
続いて、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b上に自然成長した自然酸化膜(図示せず)をフッ酸処理により完全に除去した後に、蒸着法を用いて、基体全面に高融点金属膜として例えば厚さ30nm程度のTi膜22を成膜する。なお、このTi膜22の代わりに、Co膜やNi膜やPt膜等の高融点金属膜を用いてもよい(図9参照)。
【0069
次いで、2ステップアニール法を用いて、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b上に蒸着したTi膜22のシリサイド化を行う。
【0070
即ち、l回目の熱処理として、例えばN2 (窒素)ガス雰囲気中において温度650℃、処理時間30秒間のRTA処理を行い、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16bのSiとTi膜22のTiとを反応させてC49相のTiSi2 膜22aを形成し、またN型及びP型ゲート電極20a、20bのSiとTi膜22のTiとを反応させてC49相のTiSi2 膜22bを形成する。このとき、素子分離用酸化膜12やゲートサイドウォール21の上のTi膜22はその下地膜と反応しないため、未反応のTi膜22として残存する。この未反応のTi膜22をアンモニア過水(NH3 :H2 2 :H2 O=1:2:6)等を用いて選択的に除去する。
その後、2回目の熱処理として、例えばN2 ガス雰囲気中において温度800℃、処理時間30秒間のRTA処理を行って、C49相のTiSi2 膜22a、22bを相対的に低抵抗のC54相のTiSi2 膜22a、22bに相転移させる。こうして、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上にC54相のTiSi2 膜22aを、またN型及びP型ゲート電極20a、20b上にC54相のTiSi2 膜22bを、それぞれ自己整合的に形成する(図10参照)。
【0071
次いで、基体全面に層間絶縁膜23を形成する(図11参照)。次いで、この層間絶縁膜23に、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上のTiSi2 膜22aに達する接続孔並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b上のTiSi2 膜22bに達する接続孔を開口した後、これらの接続孔内を例えばWプラグ24でそれぞれ埋める。そしてこのWプラグ24に接続する配線層25を形成した後、基体全面に表面保護膜26を形成する(図12参照)。このようにして、図1のデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを作製する。
【0072
以上のように本実施形態によれば、NMOS領域及びPMOS領域のSi基板11上にシリコン酸化膜17を介して多結晶シリコン膜18と非晶質シリコン膜19との2層膜構造からなるゲート電極20をそれぞれ形成し、これらのゲート電極20にそれぞれAs+ 及びBF2 + をイオン注入してN型及びP型ゲート電極20a、20bを形成しているが、このとき、これらのゲート電極20を構成する上層の非晶質シリコン膜19の厚さが20〜50nm程度と極めて薄いことにより、イオン注入されたAs+ 及びBF2 + の飛程は下層の多結晶シリコン膜18にまで十分に達することができ、また下層の多結晶シリコン膜18に達したAs+ 及びBF2 + は結晶のグレインに沿って深くまで注入される。このため、N型及びP型不純物が全体にわたって均一性よく拡散されているN型及びP型ゲート電極20a、20bを形成することができ、N型及びP型ゲート電極20a、20bの空乏化を抑制することができる。
【0073
そしてこれらのN型及びP型ゲート電極20a、20b全体への不純物の均一性のよい拡散は、飛程が相対的に小さいAs+ がイオン注入され、拡散係数の相対的に小さいAsが拡散されるN型ゲート電極20aにおいて、より効果的である。このため、本実施形態は、特に顕著な空乏化を生じ易い傾向にあるN型ゲート電極20aの空乏化を抑制することに有効である。
【0074
また、基体全面にTi膜22を成膜した後、熱処理によるシリサイド化反応と未反応のTi膜22の除去等により、N型及びP型ゲート電極20a、20b上にC54相のTiSi2 膜22bを自己整合的に形成しているが、このとき、N型及びP型ゲート電極20a、20bを構成する上層の厚さ20〜50nm程度の非晶質シリコン膜19a、19b上にTi膜22が直接に堆積されて、熱処理によりシリサイド化されるため、このシリサイド化反応が促進されて十分な低抵抗化を実現することができ、従ってN型及びP型ゲート電極20a、20b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果を抑制することができる。
【0075
本発明者が本実施形態に基づいて作製したデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタにおいて、N型及びP型ゲート電極20a、20bの幅を変化させてN型及びP型ゲート電極20a、20b上に形成されたTiSi2 膜22bのシート抵抗を測定したところ、図13のグラフに示す結果となった。このグラフから明らかなように、TiSi2 膜22bのシート抵抗の線幅依存性は、細線領域も含めてほぼ観察されないといえる。従って、N型及びP型ゲート電極20a、20b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果が抑制されることが確認された。
【0076
なお、比較のために、図14のグラフに、上述の特願平8−75217号に係る半導体装置の製造方法に基づいて作製したデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタにおいて、ソース/ドレインを構成するN+ 不純物領域及びP+ 不純物領域並びに多結晶シリコン膜からなるN型及びP型ゲート電極の幅を変化させてこれらの上に形成されたTiSi2 膜のシート抵抗を測定した結果を示す。このグラフからは、N+ 不純物領域及びP+ 不純物領域上に形成されたTiSi2膜のシート抵抗の線幅依存性は、細線領域も含めて観察されないものの、N型及びP型ゲート電極上に形成されたTiSi2 膜のシート抵抗の線幅依存性が観測され、細線領域においてはゲート幅の減少に伴ってシート抵抗が急激に上昇し、この傾向は特にN型ゲート電極の場合に顕著であることが判る。
従って、図13のグラフと図14のグラフとを比較することにより、N型及びP型ゲート電極20a、20b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果、特にN型ゲート電極20b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果が、本実施形態によって抑制されることが確認される。
【0077
このようにして、下層の多結晶シリコン膜18a、18bと上層の非晶質シリコン膜19a、19bとの2層膜構造からなるN型及びP型ゲート電極20a、20bを形成することにより、ゲート電極の空乏化を抑制することが可能な多結晶シリコン膜18a、18bの長所とTiSi2 膜22bの細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜19a、19bの長所を活用して、N型及びP型ゲート電極20a、20bを同時に有するいわゆるデュアルゲート構造であっても、これらのN型及びP型ゲート電極20a、20b上に形成したTiSi2 膜22bの細線効果と、N型及びP型ゲート電極20a、20bの空乏化、特にN型ゲート電極20aの空乏化とを同時に抑制することが可能になるため、デュアルゲート構造の素子の微細化、高速化に寄与することができる。
【0078
また、N型及びP型ゲート電極20a、20bの空乏化を抑制するためにその厚さを必要以上に薄くすことがなくなるため、N型及びP型ゲート電極20a、20b上にTiSi2 膜22bを形成する際にTiSi2 膜22bの部分的な過成長(突き抜け)によりゲート酸化膜17の耐圧劣化が発生することを防止することができる。
更に、特にN型ゲート電極20aの空乏化を抑制するために不純物イオン活性化の際の高温、長時間の熱処理を行う必要がなくなるため、PMOSトランジスタにおける拡散係数の大きいB等の不純物の拡散によるパンチスルーや短チャネル効果の発生を防止して、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
【0079
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施の形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタ及びその製造方法を、図15〜図20を用いて説明する。ここで、図15は第2の実施の形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを示す断面図、図16〜図20はそれぞれ図15のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図である。なお、上記第1の実施形態の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0080
図15に示すように、Si基板11上に形成された素子分離用酸化膜12によって分離されているNMOS領域のP型ウェル13上には、ゲート酸化膜17を介して、N型不純物が添加されている多結晶シリコン膜18dと非晶質シリコン膜19aとが順に積層された2層膜構造からなるN型ゲート電極20dが形成されている。
即ち、N型ゲート電極20dが下層の多結晶シリコン膜18dと上層の非晶質シリコン膜19aとの2層膜構造になっている点は、上記第1の実施形態における下層の多結晶シリコン膜18aと上層の非晶質シリコン膜19aとの2層膜構造からなるN型ゲート電極20aと同様の構造であるが、N型ゲート電極20dを構成する下層の多結晶シリコン膜18dには、上記第1の実施形態におけるN型ゲート電極20aを構成する下層の多結晶シリコン膜18aよりも高濃度のN型不純物が添加されている点に特徴がある。そしてその他の構成は、上記第1の実施形態の図1に示す場合とほぼ同様である。
【0081
次に、図15のデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を、図16〜図20を用いて説明する。
上記第1の実施形態の図2〜図3に示す工程と同様にして、素子分離領域のSi基板11上に素子分離用酸化膜12を形成した後、素子分離用酸化膜12によって分離されたNMOS領域のSi基板11表面にP型ウェル13を形成し、PMOS領域のSi基板11表面にN型ウェル14を形成する。続いて、NMOS領域及びPMOS領域のP型ウェル13及びN型ウェル14上に、それぞれゲート酸化膜17を形成した後、基体全面に多結晶シリコン膜18を成膜する(図16参照)。
【0082
次いで、PMOS領域をレジスト29でカバーした後、このレジスト29をマスクとして、NMOS領域の多結晶シリコン膜18にN型不純物イオンとして例えばAs+ を選択的にイオン注入する。このときのイオン注入の条件として、加速エネルギーを10〜40keV程度とし、ドーズ量を1×1015〜5×1015/cm2 程度とする。なお、As+ の代わりに、例えばP+ (燐イオン)を用いてもよい。このP+ を用いる場合のイオン注入の条件は、加速エネルギーを10〜40keV程度、ドーズ量を1×1015〜5×10151/cm2 程度とする。こうして、NMOS領域における多結晶シリコン膜18はN型不純物イオンが注入された多結晶シリコン膜18cになる(図17参照)。
【0083
次いで、レジスト29を除去した後、上記第1の実施形態の図4に示す工程と同様にして、多結晶シリコン膜18c、18上に非晶質シリコン膜19を成膜する(図18参照)。
次いで、上記第1の実施形態の図5に示す工程と同様にして、非晶質シリコン膜19及び多結晶シリコン膜18c、18をゲート形状にパターニングして、NMOS領域のP型ウェル13上にはゲート酸化膜17を介して順に積層された多結晶シリコン膜18c及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20cを形成し、またPMOS領域のN型ウェル14上にはゲート酸化膜17を介して順に積層された多結晶シリコン膜18及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20を形成する(図19参照)。
【0084
次いで、上記第1の実施形態の図6〜図12に示す工程と同様にして、NMOS領域のP型ウェル13表面にAs+ を選択的にイオン注入して低濃度のN- 不純物領域(図示せず)及び高濃度のN+ 不純物領域15a、15bを形成し、LDD構造のソース/ドレインを構成する。
このとき、高濃度のN+ 不純物領域15a、15bを形成するためのAs+ は、ゲート電極20cにもイオン注入されるため、多結晶シリコン膜18c及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20cはAs+ が更にイオン注入された多結晶シリコン膜18d及びAs+ がイオン注入された非晶質シリコン膜19aからなるN型ゲート電極20dとなる。即ち、下層の多結晶シリコン膜18dには、既にAs+ がイオン注入されているため、N型ゲート電極20dの空乏化を抑制するのに十分な量のAs+ がイオン注入されることになる。
【0085
また、PMOS領域のN型ウェル14表面にBF2 + を選択的にイオン注入して低濃度のP- 不純物領域(図示せず)及び高濃度のP+ 不純物領域16a、16bを形成し、LDD構造のソース/ドレインを構成する。このとき、高濃度のP+ 不純物領域16a、16bを形成するためのBF2 + はゲート電極20にも注入されるため、共にBF2 + がイオン注入された多結晶シリコン膜18b及び非晶質シリコン膜19bからなるP型ゲート電極20bとなる。
【0086
その後、RTA法を用いた熱処理により、N- 不純物領域及びN+ 不純物領域15a、15b、P- 不純物領域及びP+ 不純物領域16a、16b、並びにN型及びP型ゲート電極20d、20b中に注入された不純物イオンの活性化を行う。続いて、基体全面に高融点金属膜としてTi膜22を成膜した後、2ステップアニール法を用いて、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b上のTi膜22をシリサイド化して、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上にC54相のTiSi2 膜22a、22bを、またN型及びP型ゲート電極20a、20b上にC54相のTiSi2 膜22bを、それぞれ自己整合的に形成する。
【0087
続いて、基体全面に形成した層間絶縁膜23に、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上のTiSi2 膜22aに達する接続孔並びにN型及びP型ゲート電極20a、20b上のTiSi2 膜22bに達する接続孔を開口し、これらの接続孔内を埋めるWプラグ24を介してTiSi2 膜22a、22bに接続する配線層25を形成した後、基体全面に表面保護膜26を形成する(図20参照)。このようにして、図15のデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを作製する。
【0088
以上のように本実施形態によれば、Si基板11上にシリコン酸化膜17を介して形成した多結晶シリコン膜18のNMOS領域の部分のみにAs+ を選択的に注入して多結晶シリコン膜18cとし、この多結晶シリコン膜18c及びこの上に積層した非晶質シリコン膜19をパターニングして、NMOS領域に多結晶シリコン膜18c及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20cを形成した後、このゲート電極20cにAs+ をイオン注入して、下層の多結晶シリコン膜18dと上層の非晶質シリコン膜19aとの2層膜構造からなるN型ゲート電極20dとすることにより、N型ゲート電極20dを構成する下層の多結晶シリコン膜18dには2重にAs+ がイオン注入されることになるため、一般にN型ゲート電極において最も不純物濃度が低くなる下層における不純物濃度を十分に高くすることができる。このため、N型不純物が全体にわたって均一性よく添加されているN型ゲート電極20dを形成することが可能になる。従って、特に顕著な空乏化を生じ易い傾向にあるN型ゲート電極20dの空乏化の抑制を、上記第1の実施形態の場合よりも更に効果的に達成することができる。
また、N型及びP型ゲート電極22d、22b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果の抑制等は、上記第1の実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0089
なお、上記第2の実施形態においては、特に顕著な空乏化を生じ易いN型ゲート電極の空乏化を抑制するために、N型ゲート電極20dを構成する下層の多結晶シリコン膜18dのみに2重のAs+ イオン注入を行っているが、同様のことをP型ゲート電極について行ってもよい。
即ち、多結晶シリコン膜18のNMOS領域の部分のみにAs+ を選択的に注入して多結晶シリコン膜18cとした後、他方のPMOS領域の部分のみに例えばBF2 + を選択的に注入して多結晶シリコン膜18eとし、こうした多結晶シリコン膜18c、18e及びこの上に積層した非晶質シリコン膜19をパターニングして、NMOS領域に多結晶シリコン膜18c及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20cを形成すると共に、PMOS領域に多結晶シリコン膜18e及び非晶質シリコン膜19からなるゲート電極20eを形成する。続いて、上記第2の実施形態と同様の工程により、ゲート電極20cにAs+ を選択的にイオン注入してN型ゲート電極20dとした後、更にゲート電極20eに例えばBF2 + を選択的に注入して、BF2 + が2重にイオン注入された下層の多結晶シリコン膜18fとBF2 + がイオン注入された上層の非晶質シリコン膜19bとの2層膜構造からなるP型ゲート電極20fとする。
この場合、N型ゲート電極20dの空乏化の抑制に加えて、P型ゲート電極20fの空乏化の抑制をも、上記第1の実施形態の場合よりも更に効果的に達成することができる。
【0090
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施の形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタ及びその製造方法を、図21〜図28を用いて説明する。ここで、図21は第3の実施の形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを示す断面図、図22〜図28はそれぞれ図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図である。なお、上記第1の実施形態の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0091
図21に示すように、Si基板11上に形成された素子分離用酸化膜12によって分離されている素子領域のうち、NMOS領域のP型ウェル13上には、ゲート酸化膜17を介してN型不純物が添加されている非晶質シリコン膜からなるN型ゲート電極30aが形成されている。同様にして、PMOS領域のn型ウェル14上には、ゲート酸化膜17を介してP型不純物が添加されている非晶質シリコン膜からなるP型ゲート電極30bが形成されている。
【0092
即ち、上記第1の実施形態におけるN型ゲート電極20aがN型不純物が添加されている多結晶シリコン膜18aと非晶質シリコン膜19aとの2層構造からなり、P型ゲート電極20bがP型不純物が添加されている多結晶シリコン膜18bと非晶質シリコン膜19bとの2層構造からなっているのに対して、本実施形態においては、N型ゲート電極30a及びP型ゲート電極30bがそれぞれN型不純物及びP型不純物が添加されている単層の非晶質シリコン膜からなっている点に特徴がある。そしてその他の構成は、上記第1の実施形態の図1に示す場合とほぼ同様である。
【0093
次に、図21のデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を、図22〜図28を用いて説明する。
上記第1の実施形態の図2に示す工程と同様にして、素子分離領域のSi基板11上に素子分離用酸化膜12を形成した後、素子分離用酸化膜12によって分離された素子領域のうち、NMOS領域のSi基板11表面にはP型ウェル13を形成し、PMOS領域のSi基板11表面にはN型ウェル14を形成する。続いて、P型ウェル13及びN型ウェル14上に、それぞれゲート酸化膜17を形成する(図22参照)。
【0094
次いで、基体全面に非晶質シリコン膜を成膜した後、この非晶質シリコン膜をゲート形状にパターニングして、この非晶質シリコン膜からなるゲート電極30をNMOS領域及びPMOS領域のP型ウェル13及びN型ウェル14上にそれぞれゲート酸化膜17を介して形成する(図23参照)。
次いで、上記第1の実施形態の図6〜図7に示す工程と同様にして、NMOS領域のP型ウェル13表面には例えばAs+ を選択的にイオン注入してN- 不純物領域(図示せず)を形成し、更にPMOS領域のN型ウェル14表面には例えばBF2 + を選択的にイオン注入してP- 不純物領域(図示せず)を形成した後、NMOS領域及びPMOS領域のそれぞれのゲート電極30の各側面に、絶縁膜からなるゲートサイドウォール21を形成する。
【0095
続いて、PMOS領域をレジスト31でカバーした後、このレジスト31、素子分離用酸化膜12、NMOS領域のゲート電極30、及びこのゲート電極30側面のゲートサイドウォール21をマスクとして、NMOS領域のP型ウェル13表面に例えばAs+ を選択的にイオン注入する。このときのイオン注入の条件として、加速エネルギーを20〜80keV程度とし、ドーズ量を1×1015〜5×1015/cm2 程度とする。こうして、N- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のN+ 不純物領域15a、15bを形成する。同時に、NMOS領域のゲート電極30にもAs+ がイオン注入されるため、このゲート電極30はAs+ がイオン注入された非晶質シリコン膜からなるN型ゲート電極30aとなる(図24参照)。
【0096
次いで、レジスト31を除去した後、RTA法を用いて、例えば温度1000〜1100℃、処理時間10〜30秒間の条件で熱処理を行い、N- 不純物領域及びN+ 不純物領域15a、15b並びにN型ゲート電極30a中に注入されたAs+ を活性化する。なお、このRTA法の代わりに、ファーネスアニール等を用いてもよい。この場合、例えば温度800〜950℃、処理時間10〜30分間の条件で熱処理を行う。このようにして、PMOS領域のゲート電極30にP型不純物イオンを注入する前に、N型ゲート電極30a中に注入されたAs+ を活性化する熱処理工程を設けている点に、本実施形態に係る製造方法の特徴がある(図25参照)。
【0097
次いで、NMOS領域をレジスト32でカバーした後、このレジスト32、素子分離用酸化膜12、PMOS領域のゲート電極30、及びこのゲート電極30側面のゲートサイドウォール21をマスクとして、PMOS領域のN型ウェル14表面に例えばBF2 + を選択的にイオン注入する。このときのイオン注入の条件として、加速エネルギーを20〜40keV程度とし、ドーズ量を1×1015〜5×1015/cm2 程度とする。こうして、P- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成するP+ 不純物領域16a、16bを形成する。同時に、PMOS領域のゲート電極30にもBF2 + がイオン注入されるため、このゲート電極30はP型ゲート電極30bとなる(図26参照)。
【0098
次いで、上記第1の実施形態の図9に示す工程と同様にして、レジスト32を除去した後、RTA法を用いた熱処理を行い、P- 不純物領域及びP+ 不純物領域16a、16b並びにP型ゲート電極30b中に注入されたBF2 + を活性化する。
続いて、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極30a、30b上に自然成長した自然酸化膜を除去した後に、例えば蒸着法を用いて、基体全面に高融点金属膜として例えばTi膜22を成膜する。なお、このTi膜22の代わりに、Co膜やNi膜やPt膜等の高融点金属膜を用いてもよい(図27参照)。
【0099
次いで、上記第1の実施形態の図10〜図12に示す工程と同様にして、2ステップアニール法を用いて、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極30a、30b上のTi膜22をシリサイド化する。こうして、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a上にC54相のTiSi2 膜22aを、またN型及びP型ゲート電極30a、30b上にC54相のTiSi2 膜22bを、それぞれ自己整合的に形成する。なお、Ti膜22の代わりに、Co膜やNi膜やPt膜等を用いた場合には、TiSi2 膜の代わりに、CoSi2 膜やNiSi2 膜やPtSi膜等が形成されることになる。
【0100
続いて、基体全面に形成した層間絶縁膜23に、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上のTiSi2 膜22aに達する接続孔並びにN型及びP型ゲート電極30a、30b上のTiSi2 膜22bに達する接続孔を開口し、これらの接続孔内を埋めるWプラグ24を介してTiSi2 膜22a、22bに接続する配線層25を形成した後、基体全面に表面保護膜26を形成する(図28参照)。こうして、図21のデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを作製する。
【0101
以上のように本実施形態によれば、NMOS領域及びPMOS領域に非晶質シリコン膜からなるゲート電極30をそれぞれ形成し、このうちのNMOS領域のゲート電極30にAs+ を選択的にイオン注入してN型ゲート電極30aとし、更にこのAs+ を活性化するための熱処理を行った後に、PMOS領域のゲート電極30にBF2 + を選択的にイオン注入してP型ゲート電極30bとし、更にこのBF2 + を活性化するための熱処理を行っていることにより、NMOS領域のN型ゲート電極30aにイオン注入したAs+ を活性化するための熱処理を行う際には、未だPMOS領域のゲート電極30にはP型不純物は全く添加されていない。このため、イオン注入する際のAs+ の飛程がBF2 + の飛程と比較して相対的に小さく、またAsの拡散係数がBの拡散係数と比較して相対的に小さくとも、PMOSトランジスタにおいて拡散係数の大きいBの拡散によるパンチスルーや短チャネル効果が発生する等のトランジスタ特性の劣化を招くことなく、NMOS領域のN型ゲート電極30a全体に十分にAsを拡散することが可能になるため、特に顕著な空乏化を生じ易い傾向にあるN型ゲート電極30aの空乏化を抑制することができる。
【0102
また、基体全面にTi膜22を成膜した後、熱処理によるシリサイド化反応と未反応のTi膜22の除去等により、N型及びP型ゲート電極30a、30b上にC54相のTiSi2 膜22bを自己整合的に形成しているが、このとき、N型及びP型ゲート電極30a、30bは非晶質シリコン膜からなり、この非晶質シリコン膜上にTi膜22が直接に堆積されて、熱処理によりシリサイド化されることになる。このため、このシリサイド化反応が促進されて十分な低抵抗化を実現することが可能になり、N型及びP型ゲート電極30a、30b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果を抑制することができる。
【0103
また、本発明者が本実施形態に基づいて作製したデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタにおいて、N型及びP型ゲート電極30a、30bの幅を変化させてN型及びP型ゲート電極30a、30b上に形成されたTiSi2 膜22bのシート抵抗を測定したところ、上記第1の実施形態における図13のグラフに示す場合と同様の結果となった。即ち、TiSi2 膜22bのシート抵抗の線幅依存性は、細線領域も含めて観察されず、N型及びP型ゲート電極30a、30b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果が抑制されることが確認された。このことは、N型及びP型ゲート電極30a、30bを構成する非晶質シリコン膜とその上のTi膜22とのシリサイド化反応が、上記第1の実施形態におけるN型及びP型ゲート電極20a、20bを構成する上層の非晶質シリコン膜19a、19bとその上のTi膜22とのシリサイド化反応と実質的に同一である以上、当然のことと考えられる。
【0104
このようにして、非晶質シリコン膜からなるN型及びP型ゲート電極30a、30bを形成する際に、N型ゲート電極30aの導電化をP型ゲート電極30bの導電化よりも先行させることにより、TiSi2 膜22bの細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜の長所を活用しつつ、N型ゲート電極30aの空乏化を抑制して、デュアルゲート構造におけるN型及びP型ゲート電極30a、30b上に形成したTiSi2 膜22bの細線効果とN型ゲート電極30aの空乏化とを同時に抑制することが可能になるため、デュアルゲート構造の素子の微細化、高速化に寄与することができる。
また、N型ゲート電極30aの空乏化を抑制するためにゲート電極の厚さを必要以上に薄くすことがなくなるため、N型及びP型ゲート電極30a、30b上にTiSi2 膜22bを形成する際にTiSi2 膜22bの部分的な過成長(突き抜け)を生じてゲート酸化膜17の耐圧劣化が発生することを防止することができる。
【0105
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施の形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を、図29〜図34を用いて説明する。ここで、図29〜図34はそれぞれ本実施形態に係るC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図である。なお、本実施形態に係る方法により製造したC−MOSトランジスタの構造は、上記第3の実施形態の図21に示す場合と同一であるため、その図示は省略する。また、上記第3の実施形態の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0106
上記第3の実施形態の図22〜図23に示す工程と同様にして、素子分離領域のSi基板11上に素子分離用酸化膜12を形成した後、素子分離用酸化膜12によって分離された素子領域のうち、NMOS領域のSi基板11表面にはP型ウェル13を形成し、PMOS領域のSi基板11表面にはN型ウェル14を形成する。続いて、P型ウェル13及びN型ウェル14上に、それぞれゲート酸化膜17を介して非晶質シリコン膜からなるゲート電極30を形成する(図29参照)。
次いで、上記第3の実施形態の図24に示す工程と同様にして、NMOS領域のP型ウェル13表面に低濃度のN- 不純物領域(図示せず)を形成し、更にPMOS領域のN型ウェル14表面に低濃度のP- 不純物領域(図示せず)を形成した後、NMOS領域及びPMOS領域のそれぞれのゲート電極30の各側面に、絶縁膜からなるゲートサイドウォール21を形成する。
【0107
続いて、PMOS領域をレジスト31でカバーした後、このレジスト31、素子分離用酸化膜12、NMOS領域のゲート電極30、及びこのゲート電極30側面のゲートサイドウォール21をマスクとして、NMOS領域のP型ウェル13表面に例えばAs+ を選択的にイオン注入する。なお、このときのイオン注入の条件は、上記第3の実施形態の場合と同様とする。こうして、N- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のN+ 不純物領域15a、15bを形成する。同時に、NMOS領域のゲート電極30にもAs+ がイオン注入されるため、このゲート電極30はN型ゲート電極30aとなる(図30参照)。
【0108
次いで、レジスト33を除去した後、例えばCVD法を用いて、基体全面に厚さ数〜100nm程度のHTO(High Temperature Oxide) と呼ばれるシリコン酸化膜34を成膜する。この成膜は、SiH4 ガス及びN2 Oガスを反応ガスとして使用し、例えば、
SiH4 ガス流量:20sccm
2 Oガス流量:1200sccm
成膜温度:800〜850℃
成膜時間:1〜3時間
圧力:80Pa
の条件により行う。
また同時に、このシリコン酸化膜34の成膜の際の熱処理により、N- 不純物領域及びN+ 不純物領域15a、15b並びにN型ゲート電極30a中に注入されたN型不純物イオンが活性化される(図31参照)。
【0109
次いで、NMOS領域をレジスト35でカバーした後、このレジスト35、素子分離用酸化膜12、PMOS領域のゲート電極30、及びこのゲート電極30側面のゲートサイドウォール21をマスクとして、更にシリコン酸化膜34を通して、PMOS領域のN型ウェル14表面に例えばBF2 + を選択的にイオン注入する。なお、このときのイオン注入の条件は、上記第3の実施形態の場合と同様とする。こうして、P- 不純物領域と一体となってLDD構造のソース/ドレインを構成する高濃度のP+ 不純物領域16a、16bを形成する。同時に、PMOS領域のゲート電極30にもBF2 + がイオン注入されるため、このゲート電極30はP型ゲート電極30bとなる。このように、PMOS領域のゲート電極30及びN型ウェル14表面にBF2 + をイオン注入する際に、このイオン注入に対するスクリーン酸化膜としてシリコン酸化膜34を用いる点に、本実施形態における製造方法の特徴がある(図32参照)。
【0110
次いで、レジスト35を除去した後、更にシリコン酸化膜34を除去する。このシリコン酸化膜34の除去は、例えばフッ酸系の薬液を用いてエッチングすることで容易に行うことができる。このシリコン酸化膜34のエッチング除去の際に、同時にN+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極30a、30b上に自然成長した自然酸化膜を除去する。続いて、蒸着法を用いて、基体全面に高融点金属膜として例えばTi膜22を成膜する。なお、このTi膜22の代わりに、Co膜やNi膜やPt膜等の高融点金属膜を用いてもよい(図33参照)。
【0111
次いで、上記第3の実施形態の図28に示す工程と同様にして、2ステップアニール法を用いて、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b並びにN型及びP型ゲート電極30a、30b上のTi膜22をシリサイド化する。こうして、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a上にTiSi2 膜22aを、またN型及びP型ゲート電極30a、30b上にTiSi2 膜22bを、それぞれ自己整合的に形成する。なお、Ti膜22の代わりに、Co膜やNi膜やPt膜等を用いた場合には、TiSi2 膜の代わりに、CoSi2 膜やNiSi2 膜やPtSi膜等が形成されることになる。
【0112
続いて、基体全面に形成した層間絶縁膜23に、N+ 不純物領域15a、15b及びP+ 不純物領域16a、16b上のTiSi2 膜22aに達する接続孔並びにN型及びP型ゲート電極30a、30b上のTiSi2 膜22bに達する接続孔を開口し、これらの接続孔内を埋めるWプラグ24を介してTiSi2 膜22a、22bに接続する配線層25を形成した後、基体全面に表面保護膜26を形成する(図34参照)。こうして、本実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを作製する。
【0113
以上のように本実施形態によれば、NMOS領域のゲート電極30にAs+ を選択的にイオン注入してN型ゲート電極30aとした後であって、PMOS領域のゲート電極30にBF2 + を選択的にイオン注入してP型ゲート電極30bとする前に、CVD法を用いてHTOと呼ばれるシリコン酸化膜34を成膜しているが、このときの成膜温度が800〜850℃であり、成膜時間が1〜3時間であることから、上記第3の実施形態においてAs+ を活性化するための熱処理を行った場合と同様の活性化効果を奏するため、PMOSトランジスタにおけるパンチスルーや短チャネル効果の発生等のトランジスタ特性の劣化を招くことなく、NMOS領域のN型ゲート電極30a全体に十分にAsを拡散することが可能になるため、上記第3の実施形態の場合と同様に、特に顕著な空乏化を生じ易い傾向にあるN型ゲート電極30aの空乏化を抑制することができる。
【0114
また、上記第3の実施形態の場合と同様に、N型及びP型ゲート電極30a、30bは非晶質シリコン膜からなることからN型及びP型ゲート電極30a、30b上に形成されたTiSi2 膜22bの細線効果を抑制することができるため、N型及びP型ゲート電極30a、30b上に形成したTiSi2 膜22bの細線効果とN型ゲート電極30aの空乏化とを同時に抑制することが可能になり、上記第3の実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。
更に、本実施形態によれば、PMOS領域のN型ウェル14表面及びゲート電極30にBF2 + を選択的にイオン注入する際に、シリコン酸化膜34を通していおん注入を行うことにより、このシリコン酸化膜34がBF2 + イオン注入に対するスクリーン酸化膜として機能するため、Bの拡散係数が大きくても、PMOSトランジスタのソース/ドレインを構成する高濃度のP+ 不純物領域16a、16bの接合深さを容易に浅くすることが可能になり、トランジスタ特性を向上させることができる。
【0115
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明に係る半導体装置及びその製造方法によれば、次のような効果を奏することができる。
【0116
また、請求項に係る半導体装置の製造方法によれば、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成し、このゲート電極上に堆積した高融点金属膜を熱処理によりシリサイド化する等して、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することにより、不純物イオンが結晶のグレインに沿って深くまで注入される多結晶シリコン膜をゲート電極の下層とするため、ゲート電極全体に不純物が均一性よく拡散されて、ゲート電極の空乏化を抑制することができると共に、シリサイド化反応が促進され易い非晶質シリコン膜をゲート電極の上層とするため、十分な低抵抗化が実現されて、ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することができる。従って、微細化、高速化と共に、高駆動能力を実現することが可能なMISトランジスタを作製することができる。
また、ゲート電極の空乏化を抑制するためにゲート電極の厚さを必要以上に薄くすことがなくなるため、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を形成する際の高融点金属シリサイド膜の部分的な過成長(突き抜け)によるゲート酸化膜の耐圧劣化を防止することができる。更に、ゲート電極の空乏化を抑制するために不純物イオン活性化の際の高温、長時間の熱処理を行う必要がなくなるため、特にPMOSトランジスタにおける拡散係数の大きい不純物の拡散によるパンチスルーや短チャネル効果の発生を防止し、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
【0117
また、2層膜構造からなるゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予め所定の不純物イオンを注入した後に、ゲート電極全体に改めて同種の不純物を添加することにより、不純物濃度が低くなる傾向にある下層の不純物濃度を高くすることが可能になるため、ゲート電極全体の不純物濃度が均一化されて、より効果的にゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0118
また、請求項に係る半導体装置の製造方法によれば、下層の多結晶シリコン膜と上層の非晶質シリコン膜との2層膜構造からなる第1導電型及び第2導電型のゲート電極を形成し、これらの第1導電型及び第2導電型のゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成することにより、N型及びP型ゲート電極を同時に有するデュアルゲート構造であっても、ゲート電極の空乏化を抑制することが可能な多結晶シリコン膜の長所と高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することが可能な非晶質シリコン膜の長所を活用して、ゲート電極上に形成した高融点金属シリサイド膜の細線効果及びゲート電極の空乏化を同時に抑制することが可能になるため、デュアルゲート構造のMISトランジスタの微細化、高速化に寄与することができる。
【0119
また、2層膜構造からなる第1及び第2のゲート電極のうち、第1のゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予め第1導電型の不純物イオンを注入した後に、第1のゲート電極全体に改めて同種の不純物を添加することにより、不純物濃度が低くなる傾向にある下層の不純物濃度を高くすることが可能になるため、第1のゲート電極全体の不純物濃度が均一化されて、より効果的に第1のゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0120
また、請求項に係る半導体装置の製造方法によれば、2層膜構造からなる第1及び第2のゲート電極のうち、第1のゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予めN型不純物イオンを注入した後に、第1のゲート電極全体に改めてN型不純物を添加することにより、特にゲート電極の空乏化が顕著に生じる傾向にあるN型ゲート電極の下層の不純物濃度を高くして、より効果的にN型ゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0121
また、請求項に係る半導体装置の製造方法によれば、2層膜構造からなる第1及び第2のゲート電極のうち、第1のゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予めN型不純物イオンを注入するのに続いて、第2のゲート電極の下層を構成する多結晶シリコン膜に予めP型不純物イオンを注入した後、第1及び第2のゲート電極全体に改めてN型及びP型不純物をそれぞれ添加することにより、N型ゲート電極の下層のN型不純物濃度のみならず、P型ゲート電極の下層のP型不純物濃度をも高くして、より効果的にN型及びP型双方のゲート電極の空乏化を抑制することができる。
【0122
また、N型不純物イオンを活性化する第1の熱処理とは別にP型不純物イオンを活性化する第2の熱処理を行うため、拡散係数が大きいP型不純物の拡散によるパンチスルーや短チャネル効果の発生を抑制する条件設定を従来技術を用いて行うことが可能になり、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。更に、ゲート電極の空乏化を抑制するためにゲート電極の厚さを薄くする必要がなくなるため、ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を形成する際の高融点金属シリサイド膜の部分的な過成長(突き抜け)によるゲート酸化膜の耐圧劣化を防止し、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
【0123
また、請求項に係る半導体装置の製造方法によれば、非晶質シリコン膜からなる第1及び第2のゲート電極を形成し、第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入した後、このN型不純物イオンを活性化するに足りる熱処理条件で絶縁膜を形成し、続いてこの絶縁膜を通して第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入して第2の熱処理によって活性化し、これらのN型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成していることにより、シリサイド化反応が促進され易い非晶質シリコン膜からN型及びP型ゲート電極を構成しているため、N型及びP型ゲート電極上に形成された高融点金属シリサイド膜の細線効果を抑制することができると共に、また第1のゲート電極に注入したN型不純物イオンを活性化する絶縁膜形成の際には未だ第2のゲート電極にP型不純物は添加されていないため、第1のゲート電極全体にN型不純物を十分に拡散することが可能になり、特に顕著に生じる傾向にあるN型ゲート電極の空乏化を抑制することができる。
また、第1のゲート電極へのN型不純物イオンの注入後に形成した絶縁膜は、第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入する際のスクリーン酸化膜となるため、拡散係数が大きいP型不純物が添加されたP型不純物領域の接合深さを容易に浅くすることが可能になり、トランジスタ特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを示す断面図である。
【図2】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図3】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図4】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図5】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図6】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その5)である。
【図7】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その6)である。
【図8】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その7)である。
【図9】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その8)である。
【図10】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その9)である。
【図11】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その10)である。
【図12】 図1のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その11)である。
【図13】 図1のC−MOSトランジスタのゲート電極の幅とシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図14】 第1の実施形態の比較例の不純物領域及びゲート電極の幅とシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図15】 第2の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを示す断面図である。
【図16】 図15のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図17】 図15のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図18】 図15のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図19】 図15のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図20】 図15のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その5)である。
【図21】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタを示す断面図である。
【図22】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図23】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図24】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図25】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図26】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その5)である。
【図27】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その6)である。
【図28】 図21のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その7)である。
【図29】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図30】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図31】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図32】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図33】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その5)である。
【図34】 第3の実施形態に係るデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その6)である。
【図35】 従来のサリサイド技術を用いたデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図36】 従来のサリサイド技術を用いたデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図37】 従来のサリサイド技術を用いたデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図38】 従来のサリサイド技術を用いたデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図39】 従来のサリサイド技術を用いたデュアルゲート構造のC−MOSトランジスタの製造方法を説明するための工程断面図(その5)である。
【符号の説明】
11・Si基板、12・素子分離用酸化膜、13・P型ウェル、14・N型ウェル、15a、15b・N+ 不純物領域、16a、16b・P+ 不純物領域、17・ゲート酸化膜、18、18a、18b、18c、18d・多結晶シリコン膜、19、19a、19b・非晶質シリコン膜、20・ゲート電極、20a、20c、20d・N型ゲート電極、20b・P型ゲート電極、21・ゲートサイドウォール、22・Ti膜、22a、22b・TiSi2 膜、23・層間絶縁膜、24・Wプラグ、25・配線層、26・表面保護膜、30・ゲート電極、30a・N型ゲート電極、30b・P型ゲート電極、31・レジスト、32・レジスト、33・レジスト、34・シリコン酸化膜、35・レジスト、51・Si基板、52・素子分離用酸化膜、53・P型ウェル、54・N型ウェル、55・ゲート酸化膜、56・ゲート電極、56a・N型ゲート電極、56b・P型ゲート電極、57・ゲートサイドウォール、58・シリコン酸化膜、59・レジスト、60a、60b・N+ 不純物領域、61・レジスト、62a、62b・P+不純物領域、63・Ti膜、63a、63b・TiSi2 膜、64・層間絶縁膜、65・Wプラグ、66・配線層、67・表面保護膜。

Claims (5)

  1. 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成した後、前記多結晶シリコン膜に所定の不純物イオンを注入する工程と、前記多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成した後、前記非晶質シリコン膜及び前記多結晶シリコン膜を所定の形状にパターニングして、下層の前記多結晶シリコン膜と上層の前記非晶質シリコン膜との2層膜構造からなるゲート電極を形成する第1の工程と、
    前記半導体基板表面及び前記ゲート電極に所定の不純物を添加して、不純物領域を形成すると共に、前記ゲート電極を導電化する第2の工程と、
    基体全面に高融点金属膜を堆積した後、熱処理により前記不純物領域上及び前記ゲート電極上の前記高融点金属膜をシリサイド化すると共に、未反応の前記高融点金属膜をエッチング除去して、前記不純物領域上及び前記ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する第3の工程と
    を具備する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコン膜を形成した後、前記第1の素子領域における前記多結晶シリコン膜に第1導電型の不純物イオンを選択的に注入する工程と、前記多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成した後、前記非晶質シリコン膜及び前記多結晶シリコン膜を所定の形状にパターニングして、下層の前記多結晶シリコン膜と上層の前記非晶質シリコン膜との2層膜構造からなる第1及び第2のゲート電極をそれぞれ前記第1及び第2の素子領域に形成する第1の工程と、
    前記第1の素子領域の前記半導体基板表面及び前記第1のゲート電極に第1導電型の不純物イオンを選択的に注入し、前記第2の素子領域の前記半導体基板表面及び前記第2のゲート電極に第2導電型の不純物イオンを選択的に注入した後、熱処理により不純物イオンを活性化して、前記第1及び第2の素子領域にそれぞれ第1導電型及び第2導電型の不純物領域を形成すると共に、前記第1及び第2のゲート電極をそれぞれ第1導電型及び第2導電型のゲート電極にする第2の工程と、
    基体全面に高融点金属膜を堆積した後、熱処理により前記第1導電型及び第2導電型の不純物領域上並びに前記第1導電型及び第2導電型のゲート電極上の前記高融点金属膜をシリサイド化すると共に、未反応の前記高融点金属膜をエッチング除去して、前記第1導電型及び第2導電型の不純物領域上並びに前記第1導電型及び第2導電型のゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する第3の工程と
    を具備する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1の素子領域における前記多結晶シリコン膜に選択的に注入する第1導電型の不純物イオンが、N型不純物イオンである
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1の素子領域における前記多結晶シリコン膜にN型不純物イオンを選択的に注入する工程の後、前記第2の素子領域における前記多結晶シリコン膜にP型不純物イオンを選択的に注入する工程を具備する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 第1及び第2の素子領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して非晶質シリコン膜を堆積した後、前記非晶質シリコン膜を所定の形状にパターニングして、前記非晶質シリコン膜からなる第1及び第2のゲート電極を形成する第1の工程と、
    前記第1の素子領域の前記半導体基板表面及び前記第1のゲート電極にN型不純物イオンを選択的に注入した後、N型不純物イオンを活性化する熱処理条件の気相成長法により基体全面に絶縁膜を形成し、同時に前記第1の素子領域の前記半導体基板表面にN型不純物領域を形成すると共に、前記第1のゲート電極をN型ゲート電極にする第2の工程
    前記絶縁膜を通して前記第2の素子領域の前記半導体基板表面及び前記第2のゲート電極にP型不純物イオンを選択的に注入した後、所定の熱処理によりP型不純物イオンを活性化して、前記第2の素子領域の前記半導体基板表面にP型不純物領域を形成すると共に、前記第2のゲート電極をP型ゲート電極にする第3の工程と、
    前記絶縁膜を除去してから基体全面に高融点金属膜を堆積した後、熱処理により前記N型及びP型不純物領域上並びに前記N型及びP型ゲート電極上の前記高融点金属膜をシリサイド化すると共に、未反応の前記高融点金属膜をエッチング除去して、前記N型及びP型不純物領域上並びに前記N型及びP型ゲート電極上に高融点金属シリサイド膜を自己整合的に形成する第4の工程と
    を具備する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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