JP3916796B2 - 光増幅用テルライトガラス、該ガラスを用いた光ファイバ、光増幅器およびレーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光増幅用テルライトガラス、該ガラスを用いた光ファイバおよび光増幅媒体に関するもので、該光増幅媒体は、さらに広帯域光増幅器およびレーザ装置に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
現在、光通信システムの伝送容量の拡大および機能向上のために、1本の光ファイバの中に複数の波長の光信号を合波して伝送したり、逆に1本の光ファイバ中を伝搬してきた複数の波長の光信号を各波長ごとに分波する波長多重伝送技術(WDM:Wavelength Division Mutiplexing)の研究開発が、行われている。
【0003】
この伝送方式では、1本の光ファイバで複数の異なる波長の光信号を伝送するが、伝送距離が長くなる場合には、従来と同じように、信号を途中で増幅して中継する必要がある。そのためには、すなわち、光信号波長を増し伝送容量を上げるには、広い増幅波長帯を持つ光増幅器が必要になる。
【0004】
また、光通信システムを保守し監視するためのシステムの波長には、1.61μmから1.66μmの間の波長が好適と考えられており、このような波長に対応した保守・監視システム用の光源や光増幅器の開発が望まれている。
【0005】
近年、光通信分野への応用を目的として、コアに希土類元素を添加した光ファイバを光増幅媒体とした光ファイバ増幅器、例えば、Er(エルビウム)添加光ファイバ増幅器(EDFA)の研究開発が進められ、光通信システムへの応用が盛んに進められている。このEDFAは、シリカ系光ファイバの損失が最低となる1.5μm帯で動作し、30dB以上の高利得、低雑音、広い利得帯域を有し、利得が偏波無依存であり、高い飽和出力を有する、などの優れた特徴を有している。
【0006】
上記EDFAを前述のWDM伝送に応用するときに要求される性能の一つは、上記したように、増幅帯域が広いことである。これまでに、増幅帯域の広いEDFAとしては、フッ化物ガラスをEr添加光ファイバ増幅器のホストとして用いたフッ化物EDFAが開発されている。
【0007】
ところで、テルライトガラスをシリカやフッ化物ガラスに代えて用いたテルライトEDFAがあるが、この光増幅器を用いると、従来の石英系EDFAやフッ化物系EDFAの1.53μmから1.56μmまでの波長帯域よりも2倍以上広い1.53μmから1.61μmまでの波長帯域での一括増幅が可能となる(A.Mori et al., OFC′97,PD1)。さらに、このテルライトEDFAでは、長波長側における利得の得られる限界が、石英系EDFAやフッ化物系EDFAに比べて7〜9nmも広がっているため、従来利用できなかった1.6μm帯の波長での増幅器が実現できる(A.Mori et al.,ECOC′97,vol.3, pp.135-138)。従って、このようなテルライとEDFAは、将来の超大容量WDMシステム用EDFAとして注目されている。
【0008】
ところで、WDMシステム用EDFAとして要求される性能は、(1)増幅の広帯域性と、(2)増幅の平坦性とである。前記テルライトEDFAは、増幅の広帯域性には優れているけれども、増幅の平坦性には劣る。例えば、利得ピーク波長1.56μmと1.60μmとでの利得偏差は、18dB以上である(A.Mori et al.,前掲)。従って、テルライトEDFAをWDMシステム用EDFAとして使用するには、利得の平坦化を図らなければならないが、そのためには、ファイバブラッググレーティング等の利得等化器をEDFAに適用する必要がある。
【0009】
しかし、利得偏差が大きすぎる場合には、平坦化するための利得等化器の設計が困難となったり、また、複数の利得等化器を用いなければ利得等化ができなかったりする。これが現状である。実際、テルライトEDFAの場合、利得偏差が18dB以上あるために、WDMシステムに適用される利得偏差が1dB以下のものは、利得等化器を用いたとしても、実現されていない(M.Yamada et al.,OFC′98,PD7)。
【0010】
また、大きな利得偏差を利得等化器を用いて平坦化した場合、大きなエネルギーロスが生じるため、WDM伝送用広帯域光増幅器に必要とされる18dBm以上の大きな出力を得るためには、非常に大きな励起光強度が必要となってしまう。
【0011】
さらに、EDFAの本来の増幅スペクトル形状を変化させるためには、誘導放出断面積スペクトルの形状を変える必要がある。
【0012】
テルライトEDFAの場合、その利得スペクトルを平坦化し、利得等化しやすくするには、1.56μm帯付近の利得のピークとなる部分の誘導放出断面積が小さくなるようなファイバホストを用いると良い。これは、その場合、1.53μmから1.56μmまでの波長帯と、1.6μm帯との利得偏差を低下させることができるためである。
【0013】
さらに、利得の長波長限界を延ばすためには、1.6μm帯における誘導放出断面積の値と、Excited state absorption(励起準位吸収:ESA)の断面積の値とが一致する波長が、長波長側にシフトするようなファイバホストを用いると、良い。なぜなら、その波長が本来の利得の長波長限界となるからである。
【0014】
従来のテルライトEDFAのファイバホストとしては、TeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 やTeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 (特願平10−31874号)などのガラスが用いられている。これらのガラス系では、利得偏差は18dB以上になり、また、利得の長波長限界は1637nmとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのガラスをファイバホストとして適用した場合に、テルライトEDFAの利得スペクトルがより平坦になるような、これらガラスの組成は知られていない。
【0016】
本発明の課題は、テルライトEDFAの利得スペクトルがより平坦になり、長波長側に帯域を延ばすことのできるファイバホストとして使用できる光増幅用テルライトガラスを提供するとともに、該ガラスを光増幅媒体とした利得平坦化した広帯域テルライトEDFAとレーザ装置とを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の最も主要な特徴は、テルライトガラスにP2 O5 を添加することにある。
【0018】
石英系ガラスにP2 O5 を添加した場合、石英系ガラスに添加されたErの誘導放出断面積は特徴的なスペクトルを示すが(例えば、P.F.Wysocki,OAA’96, SaA2-1 )、1.6μm帯での強度はほとんどなく、広帯域増幅の実現は難しい。
【0019】
しかしながら、これは石英系ファイバに対するP2 O5 の添加効果であり、テルライト系ファイバに関しては、その利得スペクトルへの添加効果は明らかでなかった。
【0020】
また、前記特許出願(特願平10−31874号)において、「P−Oの振動エネルギーが1200cm-1と大きいため、このリンを添加することによって、波長0.98μm付近の光でErの4I11/2準位を励起する方法があり、この方法でも、4I13/2準位の励起効果が低下せず、雑音特性に優れるという利点が得られること」について、言及されている。しかしながら、この出願明細書には、利得スペクトルに関する記述はなく、実施例においてもP2 O5 の添加量は5wt%程度の少ない量となっている。
【0021】
本発明者らは、テルライトガラスにP2 O5 を添加し、このガラスを、少なくともコアにエルビウムを添加した光ファイバまたは光導波路のホストガラスとして用いることにより、1.56μm帯および1.6μm帯での誘導放出断面積を変化させることができ、結果として、1.56μm帯と1.6μm帯との利得偏差を減少させるとともに、1.6μm帯の長波長側の利得限界波長を延ばすことができることを見い出した。本発明者らは、かかる知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
【0022】
本発明の光増幅用テルライトガラスにおけるP2 O5 の添加量は、10mol%を越える範囲であり、添加量が10mol%以下では、1.56μm帯のスペクトルのピークを十分に減少させることができない。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1) 本発明にかかる光増幅用テルライトガラスは、テルライトガラス中にP2O5が10mol%を越える範囲で含有されていることを特徴とする。
【0024】
(2) また、本発明にかかる他の光増幅用テルライトガラスは、TeO2−ZnO−M2O−L2O3−P2O5からなる組成を持ち、この組成中、P2O5の添加量が10mol%を越え、Mは1種類以上のアルカリ元素、LはBi、La、Al、Ce、Yb、Luのうちから選ばれた少なくとも1種類以上の元素であることを特徴とする。
【0025】
(3) また、本発明にかかる光ファイバは、少なくともコアにエルビウムを添加した材料ガラスからなる光ファイバであって、前記材料ガラスが、P2O5を10mol%を越える範囲で含有していることを特徴とする。
【0026】
(4) また、本発明にかかる他の光ファイバは、材料ガラスからなる光ファイバであって、前記材料ガラスは、TeO2−ZnO−M2O−L2O3−P2O5からなる組成を持ち、前記組成中、P2O5の添加量が10mol%を越え、Mは1種類以上のアルカリ元素、LはBi、La、Al、Ce、Yb、Luのうちから選ばれた少なくとも1種類以上の元素であることを特徴とする。
【0027】
(5) 本発明にかかる光増幅器は、コアガラスとクラッドガラスを有する光ファイバまたは光導波路からなる光増幅媒体と、該光増幅媒体を励起する励起光および信号光を前記光増幅媒体に入力する入力手段とを備える光増幅器であって、前記コアガラスまたは前記クラッドガラスの少なくとも一方が(1)または(2)に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする。
【0028】
(6) 本発明にかかる他の光増幅器は、光増幅媒体と該光増幅媒体を励起する励起光および信号光を前記光増幅媒体に入力する入力手段とを備える光増幅器であって、前記光増幅媒体が(3)に記載の光ファイバからなることを特徴とする。
【0029】
(7) また、本発明にかかるさらに他の光増幅器は、ガラス製のコアとクラッドのうち少なくともコアにエルビウムを添加した光ファイバよりなる光増幅媒体を複数直列に配置した光増幅器であって、前記コアガラスまたはクラッドガラスの少なくとも一方が(1)または(2)に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする。
【0030】
(8) また、本発明にかかるレーザ装置は、複数の光増幅媒体を有する光共振器と、励起光源とを持つレーザ装置であって、前記複数の光増幅媒体の少なくとも一つが、コアガラスとクラッドガラスを有する光ファイバまたは光導波路からなり、前記コアガラスまたはクラッドガラスの少なくとも一方が、(1)または(2)に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする。
【0031】
(9) また、本発明にかかる他のレーザ装置は、ガラス製のコアとクラッドのうち少なくともコアにエルビウムを添加した光ファイバよりなる光増幅媒体を複数直列に配置したレーザ装置であって、前記コアガラスまたはクラッドガラスの少なくとも一方が(1)または(2)に記載に光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする。
【0032】
(10) 本発明にかかるさらに他のレーザ装置は、光増幅媒体と励起光源とを有するレーザ装置であって、前記光増幅媒体は、コアガラスとクラッドガラスを有する光ファイバまたは光導波路からなる光増幅媒体であって、前記コアガラスまたはクラッドガラスの少なくとも一方が(1)または(2)に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により詳細な発明を説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
図1に、(74)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 ガラス中の1.5μm帯発光スペクトル(実線)と、(74−X)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 −(X)P2 O5 ガラス中のErの1.5μm帯発光スペクトル(破線)とを示す。
【0035】
なお、前記組成において、()中の数字は、各組成分のモル%を示し、X=10、15、20モル%を示している。これらの意味は、以下の実施例においても同様である。
【0036】
図から明らかなように、P2 O5 の添加濃度が10モル%のスペクトル(一点鎖線)では、1.56μmにおけるピーク強度が、添加しないものと比較してもほとんど変化がないのに対して、15、20モル%添加したスペクトル(点線および二点鎖線)は添加量が増えるにしたがい強度が減少している。
【0037】
このP2 O5 を20モル%添加したガラスをコア組成としてEr添加テルライト光ファイバ(カットオフ波長:1.3μm、Er濃度:1000ppm、長さ6m)を作製し、1.48μmで励起(200mW)したところ、1.56μmと1.6μmとの利得偏差が15dB以下に低減できた。
【0038】
そして、この光ファイバを増幅媒体として、ファイバブラックグレーティングを利得等化器としてEDFAを構成したところ、1.53μmから1.60μmにわたり利得偏差が1dB以下のEDFAを実現することができた。
【0039】
これに対して、図1に実線にて示したP2 O5 を含有しないテルライトガラスから作成した光ファイバを用いた場合では、1.53μmと1.60μmの利得偏差が18dB以上あり、利得等化器を用いて利得の補正をしても、利得偏差を帯域70nmにわたり1dB以下にすることは困難であった。
【0040】
このように、本発明のP2 O5 含有ガラスをファイバホストに用いることによって、初めて、利得偏差の低減が可能になった。
【0041】
このP2 O5 の利得に対する添加効果は、特願平10−31874号に記載のTeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90、0≦ZnO≦35、0≦Na2 O≦35、0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)に対して、確認することができた。
【0042】
(実施例2)
P2 O5 の利得特性に対する添加効果をTeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 系ガラスに対して確認した。すなわち、(70)TeO2 −(10)ZnO−(15)Li2 O−(5)Bi2 O3 ガラス中のErの1.5μm帯発光スペクトルと、(71−X)TeO2 −(11)ZnO−(13)LiO2 −(5)Bi2 O3 −(X)P2 O5 ガラス中のErの1.5μm帯発光スペクトルとを比較したところ、実施例1の場合と同様、P2 O5 の添加濃度が10モル%のスペクトルでは、1.56μmにおけるピーク強度が、添加しないものと比較してもほとんど変化がないのに対して、15、20モル%添加したものでは、添加量が増えるにしたがい強度が減少している。
【0043】
このP2 O5 を20モル%添加したガラスをコア組成として、Er添加テルライト光ファイバ(カットオフ波長:1.3μm、Er濃度:1000ppm、長さ6m)を作製し、1.48μmで励起(200mW)したところ、1.56μmと1.6μmとの利得偏差が15dB以下に低減できた。
【0044】
このファイバを増幅媒体として、マッハツェンダ型のフィルタ(損失媒体)を利得等化器として、EDFAを構成したところ、1.53μmから1.60μmにわたり利得偏差が1dB以下のEDFAを実現することができた。P2 O5 含有しない光ファイバを用いた場合では、1.53μmから1.60μmの利得偏差が18dB以上あり、利得等化器を用いて利得の補正をしても利得偏差を帯域70nmにわたり1dB以下にすることは困難であった。
【0045】
このP2 O5 の利得に対する添加効果は、特願平10−31874号に記載のTeO2 −ZnO−Li2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90、0≦ZnO≦25、0≦Li2 O≦25、0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)に対して、すなわち、安定してファイバが形成できる組成に対して、確認することができた。
【0046】
以上の実施例では、P2 O5 の濃度を15、20モル%としたが、これに限定されるわけでなく、P2 O5 の濃度が10モル%を越える領域にある場合に、P2 O5 の添加効果を確認できた。
【0047】
(実施例3)
しかし、必要以上にP2 O5 の添加濃度を大きくすることは、ガラスの粘性を高め、脈理のない均一なガラスを作ることが困難になるため、上記の安定してファイバ化できる組成条件を無視することになり好ましくない。
【0048】
本実施例では、TeO2 −ZnO−M2 O−Bi2 O3 (MはLi、Na以外のアルカリ元素)系ガラスに対するP2 O5 の利得特性への添加効果を確認した。すなわち、MがK、Cs、Rbのとき、実施例1〜2と同様、P2 O5 を添加することにより、1.53μmと1.60μmとの利得偏差を15dB以下にすることができ、また、利得等化器を用いてEDFAを構成し、1.53μmから1.60μmの帯域70nmにわたり、利得偏差1dB以下のEDFAを実現することができた。
【0049】
(実施例4)
本実施例では、TeO2 −ZnO−M2 O−Bi2 O3 (Mはアルカリ元素で2種類以上を含む)系ガラスに対するP2 O5 の利得特性への添加効果を確認した。すなわち、Mとして2種類以上のアルカリ元素を含む場合も、実施例1〜2と同様、P2 O5 を添加することにより、1.53μmと1.60μmとの利得偏差を15dB以下にすることができ、また、利得等化器を用いてEDFAを構成し、1.53μmから1.60μmの帯域70nmにわたり、利得偏差1dB以下のEDFAを実現することができた。
【0050】
(実施例5)
以上の実施例では、TeO2 −ZnO−R2 O−Bi2 O3 (Rはアルカリ元素)系ガラスに対するP2 O5 の利得特性への添加効果を述べた。しかし、P2 O5 を添加効果は、これらのガラス系に対してのみ有効であるのみならず、他のテルライト系(例えば、TeO2 −WO3 系ガラス)に対しても、広帯域・利得平坦EDFAを実現するために有効であることを確認した。
【0051】
(実施例6)
(74)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 ガラス、および(59)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 −(15)P2 O5 ガラスをコア組成として、Er添加テルライト光ファイバ(カットオフ波長:1.3μm、Er濃度:1000ppm、長さ18m)を作製し、exited state absorption cross section (励起状態吸収断面積:ESA断面積)を測定した。図2に、波長1.60〜1.67μmにおけるESA断面積と発光断面積を示す。ESE断面積と発光断面積が交わる波長が、EDFAが利得の得ることのできる長波長側の限界となる。この図によれば、限界波長は、P2 O5 を15mol%添加することにより、1637nmから1645nmに拡大した。
【0052】
このP2 O5 を15mol%添加した光ファイバを増幅媒体として、ファイバブラッググレーティングを利得等化器としてEDFAを構成したところ、1.56μmから1.63μmにわたり利得偏差が1dB以下のEDFAを実現することができた。P2 O5 を含有しない光ファイバを用いた場合では、1.62μmを超えたあたりから利得が急激に減少するため、1.62μm以上の長波長側に利得を持つ広帯域利得平坦EDFAを実現することは困難であった。
【0053】
このように本発明のP2 O5 含有ガラスをファイバホストに用いることにより、光増幅媒体における利得の広帯域化と平坦かとが、初めて可能になった。
【0054】
このP2 O5 の利得に対する添加効果は、特願平10−31874号に記載のTeO2 −ZnO−Na2 O−Bi2 O3 の組成(55≦TeO2 ≦90、0≦ZnO≦35、0≦Na2 O≦35、0<Bi2 O3 ≦20、単位モル%)に対して確認することができた。
【0055】
また、実施例2〜5で述べられたTeO2 −ZnO−R2 O−Bi2 O3 (Rはアルカリ元素)系ガラスに対しても、同様なP2 O5 の利得特性への添加効果を確認した。しかし、P2 O5 の添加効果はこれらのガラス系に対してのみ有効であるのみならず、他のテルライト系(例えばTeO2 −WO3 系ガラス)に対しても長波長側へ利得を拡大した広帯域・利得平坦EDFAを実現するために有効であることを確認した。
【0056】
以上の実施例で説明した光増幅用テルライトガラスを、光増幅媒体、該光増幅媒体を用いた光増幅器およびレーザ装置に適用することで、各種波長多重光伝送システムの低コスト化や光計測の高性能化に寄与できる。
【0057】
以下に、本発明にかかるレーザ装置の一実施例を示す。
【0058】
(実施例7)
図3は、本発明にかかるレーザ装置の実施例の概略構成図である。この実施例では、実施例1に用いたP2 O5 を20モル%添加した増幅用光ファイバ2,4を直列に波長可変バンドパスフィルタ3(バンド幅2nm)を介して接続し、一端に、1480nmで透過率が99%、1500nmから1650nmで反射率が100%のミラー5を設け、また、多端に、1500nmから1650nmで透過率が20%のミラー1を設けて、レーザ発振を行った。
【0059】
その結果、信号波長1505nmから1642nmの広い範囲でレーザ発振を確認することができ、その出力もほぼ10%以内に安定であり、1.5〜6μm帯で使用できる広帯域チューナブルレーザとして使用できることがわかった。
【0060】
なお、上記実施例7では、実施例1で示したテルライト光ファイバを構成要素とするレーザ装置について説明したが、特許請求項に記載の他のP2 O5 を添加したテルライト光ファイバを構成要素として持つレーザ装置においても、同様な効果を得ることができることは、明らかである。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、従来のテルライト光ファイバガラスにP2 O5 を添加することにより、Erの1.5μm帯発光スペクトルの1.56μm付近の強度を下げることができ、その結果、テルライトEDFAの1.56μmと1.60μmの利得偏差を低下させることが可能となる。さらに、1.6μm帯における誘導放出断面積の値とESA断面積の値が一致する波長が長波長側にシフトするため、テルライトEDFAの長波長帯域を拡大することができる。従って、このP2 O5 を含有したテルライト光ファイバをErのホストとして用いれば、従来のものでは困難であった利得平坦型広帯域テルライトEDFAを実現することができる。そして、このEDFAをWDM通信システムに適用すれば、伝送容量が飛躍的に拡大でき、通信コストの経済化、また通信システムの高機能化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(74)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 ガラス中のErの1.5μm帯発光スペクトルと、(74−X)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 −(X)P2 O5 (X=10、15、20モル%)ガラス中のErの1.5μm帯発光スペクトルとを示す図である。
【図2】波長1.60−1.67μmにおけるESA断面積と発光断面積を示す図である。図中、実線で示すファイバ1のコア組成は、(74)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 であり、点線で示すファイバ2のコア組成は、(59)TeO2 −(16)ZnO−(6)Na2 O−(4)Bi2 O3 −(15)P2 O5 である。
【図3】本発明にかかるレーザ装置の実施例の概略構成図である。
【符号の説明】
1,5 ミラー
2,4 増幅用光ファイバ
3 波長可変バンドパスフィルタ
Claims (8)
- 以下の組成
TeO2−ZnO−M2O−Bi2O3−P2O5
(式中、Mは、Li、Na、K、CsおよびRbからなる群から選択されるアルカリ金属元素であり、
55モル%≦TeO 2 <90モル%、
0モル%≦ZnO≦35モル%、
0モル%≦M2O≦35モル%、
0モル%<Bi2O3≦20モル%、および
10モル%<P2O5)
を有し、エルビウムをさらに含有することを特徴とする光増幅用テルライトガラス。 - 少なくともコアにエルビウムを添加した材料ガラスからなる光ファイバであって、前記材料ガラスが、以下の組成
TeO2−ZnO−M2O−Bi2O3−P2O5
(式中、Mは、Li、Na、K、CsおよびRbからなる群から選択されるアルカリ金属元素であり、
55モル%≦TeO 2 <90モル%、
0モル%≦ZnO≦35モル%、
0モル%≦M2O≦35モル%、
0モル%<Bi2O3≦20モル%、および
10モル%<P2O5)
を有することを特徴とする光ファイバ。 - コアガラスとクラッドガラスを有する光ファイバまたは光導波路からなる光増幅媒体と、該光増幅媒体を励起する励起光および信号光を前記光増幅媒体に入力する入力手段とを備える光増幅器であって、
前記コアガラスが請求項1に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする光増幅器。 - 光増幅媒体と、該光増幅媒体を励起する励起光および信号光を前記光増幅媒体に入力する入力手段とを備える光増幅器であって、
前記光増幅媒体が請求項2に記載の光ファイバからなることを特徴とする光増幅器。 - ガラス製のコアとクラッドのうち少なくともコアにエルビウムが添加されている光ファイバからなる光増幅媒体を複数直列に配置した光増幅器であって、
前記コアガラスが請求項1に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とする光増幅器。 - 複数の光増幅媒体を有する光共振器と、励起光源とを持つレーザ装置であって、
複数の光増幅媒体の少なくとも一つが、コアガラスとクラッドガラスとを有する光ファイバまたは光導波路からなり、前記コアガラスが請求項1に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とするレーザ装置。 - ガラス製のコアとクラッドのうち少なくともコアにエルビウムが添加されている光ファイバよりなる光増幅媒体を複数直列に配置したレーザ装置であって、
前記コアガラスが請求項1に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とするレーザ装置。 - 光増幅媒体を有する光共振器と、励起光源とを持つレーザ装置であって、
前記光増幅媒体が、コアガラスとクラッドガラスとを有する光ファイバまたは光導波路からなり、前記コアガラスが請求項1に記載の光増幅用テルライトガラスからなることを特徴とするレーザ装置。
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