JP3915146B2 - ノンイヤリング性および耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、飲料缶等の缶容器用材料に関し、特に深絞り性に加えて、ノンイヤリング性(耳発生が少ない)、プレス加工後の耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
深絞り加工等のプレス成形を施して製造される深絞り缶、DRD(Drawn and Redrawn )缶、DI(Drawn and Ironined)缶などの2ピース缶に用いられる冷延鋼板には、主に次のような特性が要求される。
1)加工時に割れ等の欠陥が発生することなく成形可能なこと。
2)プレス加工後の鋼板表面の肌荒れが小さく、仕上がり外観の良好なこと。
3)素材の異方性が小さく深絞り加工後の耳発生(イヤリング)が小さいこと。
なかでも、イヤリングが発生した部分は缶の深絞り成形後に切り捨てる必要がある。このため、イヤリングが大きいと材料歩留まりが悪くなるばかりか、場合によっては必要な成形高さが得られず、成形品全体を廃棄しなくてはならなくなるという事態も生ずる。したがって、深絞り成形時に発生するイヤリングはできるかぎり小さいことが望ましい。
ところで、イヤリングの高さは冷延錮板のr値(ランクフォード値)の面内異方性△rと良い相関があり、△r=0であればイヤリング高さは0になることが知られている。
ここに、△r=(r0 +r90−r45)/2(ただし、r0 、r90、r45はそれぞれ圧延方向に0度、90度、45度の方向のr値)である。
【0003】
ところで、イヤリングの小さい深絞り用冷延鋼板の製造技術については、これまでにもいくつかの提案がなされてきた。
例えば、特開昭58-151426 号公報には、低炭素Alキルド鋼をAr3変態点以上の高温で仕上圧延し、高温巻取する熱延と圧下率80〜95%の冷延を行なうことによって、平均r値の向上と△rの改善を図る技術が開示されている。この技術によれば、それなりの効果がみられ、面内異方性はある程度減少する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、未だイヤリングの抑制が十分であるとは言い難く、特に、2次冷延圧下率が高い場合には、耐イヤリング性が不十分であった。このような現象は、製缶コスト低減を目的とする素材の薄肉化に対処するために、2次冷延圧下率を高めようとする場合に、製缶工程の障害となっていた。特に、極低炭素鋼の場合には、焼鈍後の鋼板強度が低いため、缶の薄肉化を達成するためには、焼鈍後に数%〜40%程度の高い圧下率で2次冷間圧延を施す必要があるので、2次冷間圧延後の△rは負の方向に大きくなり、イヤリングを発生しやすくする要因となっていた。
【0005】
そこで、本発明の主たる目的は、高圧下率で2次冷間圧延して製造する場合でも、2ピース缶の成形に十分な深絞り性をそなえるとともに、イヤリング発生が小さく、プレス成形後の耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用の鋼板を製造することにある。
本発明の他の目的は、20%以上の高圧下率で2次冷間圧延して製造する場合でも、r値が 1.5以上で、Δrが±0.2 以内にある上記2ピース缶用の鋼板を製造することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記の目的を達成するための基礎実験として、先ず、冷延鋼板の結晶粒度、結晶粒の形態とプレス加工性、イヤリング性、肌荒れ性との関係を調査した。その結果を図1および図2に示す。図1は、結晶粒の軸比(=長軸方向長さ/短軸方向長さ)とΔrとの関係を調べたものであり、これから、等軸粒組織のΔrは延伸粒組織のそれに比して小さくノンイヤリング性に優れていることがわかった。また、また図2は、耐肌荒れ性と結晶粒度との関係を示すものであり、結晶粒度が大きい程良好であった。発明者らは、これらの調査結果をもとに、さらに仕上げ圧延後の冷却等の熱間圧延条件について詳細な研究を重ねた結果、これらの条件を適切に制御すれば、熱延後の結晶粒が等軸、微細粒な均一組織となり、その効果は冷延、焼鈍の後でも継承され、焼鈍後の結晶粒も均一で微細な等軸粒となり、ノンイヤリング性に優れ、また、プレス加工後の耐肌荒れ性にも優れる鋼板を製造することができることを知見し、本願発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本願発明の要旨構成は下記のとおりである。
(1)C:0.0005〜0.0090wt%、Si:0.10wt%以下、Mn:0.1〜0.6wt%、P:0.02wt%以下、S:0.02wt%以下、Al:0.015〜0.15wt%、N:0.02wt%以下を含み、かつNb:0.020wt%以下、Ti:0.020wt%以下B:0.0001〜0.0030wt%から選ばれるいずれか1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブに、熱間圧延、圧下率が80〜95%の冷間圧延および750℃以下の焼鈍を施して、ASTM結晶粒度番号10以上、かつ結晶粒軸比1.2以下の再結晶粒となし、次いで、圧下率20〜40%の2次冷間圧延を行うことを特徴とするノンイヤリング性および耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法。
【0008】
(2)C:0.0005〜0.0090wt%、Si:0.10wt%以下、Mn:0.1〜0.6wt%、P:0.02wt%以下、S:0.02wt%以下、Al:0.015〜0.15wt%、N:0.02wt%以下を含み、かつNb:0.020wt%以下、Ti:0.020wt%以下、B:0.0001〜0.0030wt%から選ばれるいずれか1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブを、平均温度Ac3点以上に加熱し、終了温度(Ar3点+150℃)〜(Ar3点+50℃)で粗圧延し、引き続き、終了温度Ar3点以上で仕上げ圧延し、仕上げ圧延終了後0.5秒以内に急冷を開始し、750〜550℃で巻き取り、次いで、酸洗、圧下率が80〜95%の冷間圧延および750℃以下の焼鈍を施して、ASTM結晶粒度番号10以上、かつ結晶粒軸比1.2以下の再結晶粒となし、さらに、圧下率20〜40%の2次冷間圧延を行うことを特徴とするノンイヤリング性および耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
(1)鋼成分について;
C:0.0005〜0.0090wt%
Cは、伸び、プレス加工性には少ない方が有利であるが、反面少なすぎると鋼板が過度に軟質化して缶体としての強度を確保できなくなるため0.0005wt%以上含有する必要がある。一方、0.0090wt%を超えて含有すると鋼板の硬質化のために、伸びが低下し、プレス加工性が劣化するので、0.0005〜0.0090wt%の範囲とする。
【0010】
Si:0.10wt%以下
Siは、缶用としての耐食性に有害な元素であり、材料を極端に硬質化する元素でもあるので、その上限を0.10wt%とする。
【0011】
Mn:0.1 〜0.6 wt%
Mnは、Sによる熱延中の赤熱脆性を防止するうえで有用な元素であり、0.1 wt%以上の添加が必要であるが、0.6 wt%を超えて添加すると熱間圧延中に割れを生じたり、鋼板を過度に硬質化する。したがって、Mnの添加量は0.1 〜0.6 wt%の範囲とする。
【0012】
P:0.02wt%以下
Pは、耐食性を低下させる有害な元素であり、とくに0.02wt%を超えるとその影響が顕著になる。したがって、上限を0.02wt%とする。
【0013】
S:0.02wt%以下
Sは、熱延中における赤熱脆性を引き起こす有害な元素であり、極力少ないことが望ましいが、0.02wt%までは許容できる。
【0014】
Al:0.015 〜0.15wt%
Alは、製鋼に際し、脱酸材として必要な元素である。添加量が少ないと安定した脱酸効果が得られないので、0.015 wt%以上添加する必要がある。一方、0.15wt%を超えて添加してもさらなる効果はなく、経済的に好ましくないので上限を0.15wt%とする。
【0015】
N:0.02wt%以下
Nは、0.02wt%を超えると鋼板の硬質化および伸びの低下をもたらし、プレス
加工性を劣化させるために、上限を0.02wt%とする。
【0016】
Nb:0.020 wt%以下
Nbは、炭窒化物を形成し、固溶C、Nの低減による伸び、r値の向上に有用な元素である。しかし、その添加量が0.020 wt%を超えると再結晶終了温度を上昇させ、連続焼鈍で再結晶不足を生じて加工性の劣化を招くので、0.020 wt%を上限とする。
【0017】
Ti:0.020 wt%以下
Tiも、Nbと同様に炭窒化物を形成する元素であり、固溶C、Nの低減による伸び、r値の向上に有用な元素である。しかし、その添加量が0.020 wt%を超えると再結晶終了温度を上昇させ、連続焼鈍で再結晶不足を生じて加工性の劣化を招くほか、鋼板の表面性状を劣化させるので、0.020 wt%を上限とする。
【0018】
B:0.0001〜0.0030wt%
Bは、熱間圧延における巻取温度が低くてもNを固定するため、巻き取り後に温度低下が大きい熱延鋼帯の先、後端部での材質不良を防ぐことができる。この効果を得るためには少なくとも0.0001wt%は必要であるが、0.0030wt%を超えて添加すると機械的性質の面内異方性が大きくなる。このため、B添加量は0.0001〜0.0030wt%の範囲とする。
【0019】
(2) 製造条件について;
・スラブ
圧延素材となるスラブは成分のマクロな偏析を最小限にするために連続鋳造法で製造されることが望ましい。
・熱間圧延工程
熱延前の鋼スラブの加熱はAc3点以上に加熱されればよい。具体的には1050〜1350℃の範囲が適する。
粗圧延は(Ar3点+150℃)〜(Ar3点+50℃)の温度範囲で終了する。(Ar3点+50℃)未満の低い温度で粗圧延した場合には、必然的に仕上げ圧延がα域での圧延となり、焼鈍板は粗大な結晶粒と比較的微細な粒の混粒組織となるために、2次冷間圧延後に十分な加工性、加工後の耐肌荒れ性が得られなくなる。一方、(Ar3点+150℃)を超える高温で粗圧延をすると、圧延ロール寿命の短命化を招くことになる。従って、粗圧延は(Ar3点+150℃)〜(Ar3点+50℃)の温度範囲で終了する。
【0020】
仕上げ圧延では、Ar3変態点以上の温度で圧延を終了し、圧延終了後 0.5秒以内に熱延鋼帯の水冷を開始し少なくとも750℃まで冷却した後、750〜550℃で巻き取る必要がある。
というのは、仕上げ圧延工程で、Ar3変態点未満で圧延された場合には、圧延方向に伸びた粗大な加工組織となり、この組織は冷延、焼鈍後も継承されるために、結晶粒の軸比が 1.2以下の等軸粒とはならずイヤリング発生が大きくなるためである。
また、仕上げ圧延終了後は 0.5秒以内に冷却を開始すると均一な等軸、微細粒になる。 0.5秒を超えてから水冷した場合には、オーステナイト粒の粒成長が進み、微細粒とならず、しかも、鋼帯の板幅方向の温度差が大きくなるので、温度の高い幅中央部は粒成長速度が速いので粗大粒となり、温度の低い幅端部近傍は逆に比較的微細な結晶粒となって一層不均一な組織となる。
図2は、仕上げ圧延終了から水冷開始までの時間とr値、Δrとの関係を示したものである。図2から、仕上げ圧延終了後 0.5秒以内に水冷を開始することによって、これら両特性が顕著に改善されることが分かる。
なお、上記急冷において、冷却速度70℃/秒以上で、1秒以内にAr3変態点以下までに冷却するのがよい。このような冷却から外れると、結晶粒は高温に滞留する時間が長くなるために、再結晶・粒成長あるいは回復・粒成長が進行し、粗大な熱延組織となり、さらに冷延工程で粗大な粒はより展伸しやすいために、焼鈍後は軸比の大きい粒となり、イヤリング発生が大きくなるからである。
【0021】
また、巻き取り温度は、550℃以下の低温になると、AlNやNbCの析出が十分に起こらず、これが焼鈍時の再結晶、粒成長を阻害し、r値、△rを悪化させる。また、750℃を超えると、巻き取り後のスケールの成長が著しくなって酸洗性が低下するほか、結晶粒が異常に粗大化して材質が低下したり、耐肌あれ性が劣化するなどの不具合が生じる。したがって、巻取温度は750〜550℃の温度範囲とする。
【0022】
・冷間圧延工程
このようにして得られた熱延板に酸洗(脱スケール)を施し、冷間圧延を行う。酸洗の条件は常法に従い、塩酸、硫酸等の酸で表面スケールを除去すればよい。冷間圧延の圧下率は、低コスト化を目指した薄肉化のためには、高圧下ほど望ましい。圧下率が80%未満ではこのような目的に応えられないほか、焼鈍工程で結晶粒が異常に粗大化したり、混粒化し、材質が劣化するほか、深絞り性に有効な集合組織を発達させることができない。しかし、圧下率が95%を超える高圧下率になると、r値が低下し、△rが増大してイヤリングが大きくなる。したがって、この圧下率は80〜95%の範囲とする。
【0023】
・焼鈍工程
焼鈍は、生産性、コストの面から連続焼鈍によるのがよい。焼鈍温度は再結晶終了温度以上が必要であるが、高すぎると結晶粒が異常に粗大化し、加工後の肌荒れが大きくなるほか、薄物材特有の炉内破断やバックリング発生の危険が大きくなる。したがって、焼鈍温度は750℃を上限とする。
【0024】
以上の方法により製造された焼鈍鋼板は、ASTM粒度No.10以上の微細粒で軸比1.2以下の等軸の結晶粒からなる組織とすることができる。結晶粒の軸比は△rを小さくし、ノンイヤリング性をよくするために1.2以下である必要があり、加工後の耐肌荒れ性を良くするためには粒度No.10以上である必要がある。なお、ノンイヤリング性の鋼板であるには△rが±0.2以内である必要がある。
【0025】
・2次冷間圧延
焼鈍後、加工強化により素材の強度増加をはかり、また表面粗度を調整するために2次冷間圧延を行う。2次冷間圧延の圧下率は鋼板の調質度により随時決定されるが、20%以上の圧下率で圧延する必要がある。一方、40%を超える圧下率で圧延すると鋼板が過度に硬質化して、加工性が低下するほか、r値の低下、Δrの増大を引き起こす。したがって、2次冷間圧延の圧下率は20〜40%の範囲とする。
【0026】
【実施例】
表1に示す成分の鋼を連続鋳造して得たスラブを用いて、表2に示す条件で、熱延、冷延、焼鈍および2次冷間圧延を施して缶用鋼板を製造した。さらに、この鋼板に25番目付で錫めっきを施し、各種の特性を調査した。これらの調査方法は次のとおりである。
(A)金属組織
焼鈍後の鋼板断面を研磨、エツチング後、光学顕微鏡観察して調査した。調査の項目は結晶粒の軸比およびASTM結晶粒度No. であり、いずれも最表面から板厚1/2位置までの板厚方向の平均をもとめた。
(B)機械的特性
JIS5号試験片を用いて引張試験を実施した。また、r値およびr値の面内異方性△rを、それぞ次式により求めた。
r=(r0 +r90+2r45)/4
△r=(r0 +r90−r45)/2
ただし、r0 、r90、r45は、それぞれ圧延方向に0度、90度、45度の方向のr値を表す。
(C)肌荒れ性
JIS5号の試験片に20%引張歪みを付与した後、鋼板の表面粗度を粗度計にて測定した。なお、引張前の製品表面粗度Raは全て同一で0.21μmであった。なお、発明者らの実験により、20%引張テスト後の表面粗度Raが0.60μm以下であればプレス加工後の肌荒れによる問題は発生しないことが確認されている。
(D)円筒加工テスト
深絞り加工時の加工性、肌荒れ性、イヤリング性を総合的に調査するために円筒加工テストを行なった。直径100mmの円形プランクを絞り比2.2 でカップ状に成形し、加工時の割れ発生状態、肌荒れ状態およびイヤリング発生状態を,○;発生なしまたは微小、△;軽度〜中度、×;実用不可の3段階で評価した。
これらの測定結果を表3にまとめて示す。また、2次冷間圧延における圧下率を広範囲に変えて,r値、△rを調査した結果を従来法と対比して図4に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
表3から、本発明により製造した缶用鋼板は、良好な成形性のほか、特にΔrが0.2以下、引張後の表面粗度が0.6以下であり良好な特性を示していることがわかる。また、円筒加工テストにおいても、加工時の割れ、肌荒れ、イヤリングのいずれにおいても何ら問題のないことが明らかである。
また、図4より、本発明法で製造すれば、2次冷間圧下率が高い領域においてもr値は高く、また、従来法によって製造した鋼板に比べて、圧下率の増加に対する△rの低下が小さいために、20%を超える高圧下率域においても△rは±0.2以内と小さく、プレス加工性、ノンイヤリング性ともに良好であることがわかった。また、このため、2次冷間圧延における圧下率のとりうる範囲が広くなり、調質度の対応範囲も広くなった。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、プレス加工性のほかに、耐肌荒れ性、ノンイヤリング性にもに優れた缶用鋼板が提供可能になる。したがって、本発明によれば、深絞り加工を施す食缶や飲料缶等における表面性状の改善、歩留りの向上に大きく寄与する。また、本発明による鋼板の適用範囲は、各種金属缶のみならず、乾電池内装缶、各種家電・電器部品、自動車部品等の幅広い範囲への活用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶粒の軸比と△rの絶対値との関係を示すグラフである。
【図2】結晶粒度番号と肌荒れとの関係を示すグラフである。
【図3】仕上げ圧延終了から水冷開始までの時間とrおよび△rとの関係を示すグラフである。
【図4】2次冷間圧下率とrおよび△rとの関係を示すグラフである。
Claims (2)
- C:0.0005〜0.0090wt%、Si:0.10wt%以下、Mn:0.1〜0.6wt%、P:0.02wt%以下、S:0.02wt%以下、Al:0.015 〜0.15wt%、N:0.02wt%以下を含み、かつNb:0.020 wt%以下、Ti:0.020wt%以下、B:0.0001〜0.0030wt%から選ばれるいずれか1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブに、熱間圧延、圧下率が80〜95%の冷間圧延および750℃以下の焼鈍を施して、ASTM結晶粒度番号10以上、かつ結晶粒軸比1.2以下の再結晶粒となし、次いで、圧下率20〜40%の2次冷間圧延を行うことを特徴とするノンイヤリング性および耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法。
- C:0.0005〜0.0090wt%、Si:0.10wt%以下、Mn:0.1〜0.6wt%、P:0.02wt%以下、S:0.02wt%以下、Al:0.015〜0.15wt%、N:0.02wt%以下を含み、かつNb:0.020wt%以下、Ti:0.020wt%以下、B:0.0001〜0.0030wt%から選ばれるいずれか1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブを、平均温度Ac3点以上に加熱し、終了温度(Ar3点+150℃)〜(Ar3点+50℃)で粗圧延し、引き続き、終了温度Ar3点以上で仕上げ圧延し、仕上げ圧延終了後0.5秒以内に急冷を開始し、750〜550℃で巻き取り、次いで、酸洗、圧下率が80〜95%の冷間圧延および750℃以下の焼鈍を施して、ASTM結晶粒度番号10以上、かつ結晶粒軸比1.2以下の再結晶粒となし、さらに、圧下率20〜40%の2次冷間圧延を行うことを特徴とするノンイヤリング性および耐肌荒れ性に優れる2ピース缶用鋼板の製造方法。
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